JP2006043341A - 歯科インプラント用キーパー - Google Patents
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Abstract
【課題】 歯科用インプラントフィクスチャーの口腔内側に配備されるアバットメントの口腔内側に固定される歯科インプラント用キーパーであって、義歯の内面に固定された磁石構造体に磁気吸引力により吸着されるキーパー本体の吸着面が変形・損傷した場合にそのキーパー本体を容易に取り外すことができる歯科インプラント用キーパーを提供する。
【解決手段】 アバットメント2の中心軸に直角に口腔内側に設けられた端部平面2dに支持される磁性材料製のキーパー本体4aを最終的に歯科用インプラントフィクスチャー1に固定するオネジ4dを回転させるキーパー本体4aの中央部に位置するドライバー及び/又はレンチとの係合部4eを、キーパー本体4aの口腔内側の吸着面4bより歯科用インプラントフィクスチャー1側に位置するように設ける。
【選択図】 図3
【解決手段】 アバットメント2の中心軸に直角に口腔内側に設けられた端部平面2dに支持される磁性材料製のキーパー本体4aを最終的に歯科用インプラントフィクスチャー1に固定するオネジ4dを回転させるキーパー本体4aの中央部に位置するドライバー及び/又はレンチとの係合部4eを、キーパー本体4aの口腔内側の吸着面4bより歯科用インプラントフィクスチャー1側に位置するように設ける。
【選択図】 図3
Description
本発明は、歯科インプラント補綴治療の維持装置として磁性アタッチメントを使用する場合の歯科インプラント用キーパーに関するものである。
近年、歯科医療において磁石の応用が積極的に研究された結果、補綴物維持装置として永久磁石構造体とキーパーとから成る歯科用磁性アタッチメントが広く採用されるようになり、その多くは残存歯と残存歯根の場合の部分床又は残存歯根のみしか存在しない場合の全部床の義歯の維持装置として用いられている。
一方、歯科補綴治療の一つとしてインプラント補綴治療が一般的に行われるに至り、その補綴治療の範囲は、単歯のみならず複数歯の義歯,ブリッジ等の補綴にまで及ぶようになった。
このような状況から、インプラント補綴治療に磁性アタッチメントを応用する研究も行われ、主に義歯の維持装置として多くの提案がなされている。例えば、口腔内の顎骨に埋入された歯科用インプラントフィクスチャーの口腔内側にアバットメントを螺合固定し、このアバットメントに螺設されているメネジにキーパースクリューを螺入して磁性材料製のキーパー本体を固定し、また義歯床の顎堤側のキーパー本体と対向する位置には永久磁石構造体を埋設固定し、キーパー本体と永久磁石構造体との間に作用する磁気吸引力を利用して義歯の維持装置として応用しようとする「無歯顎に固定されるインプラント」がある(例えば、特許文献1参照。)。
このような構造は、キーパー本体は永久磁石構造体に対して容易に横滑りする特性を有することから義歯床が横荷重を受けてもその横荷重がフィクスチャーに伝達され難いことから横荷重に対する安全性が高く、またこれまで一般的に使用されていたクラスプによる維持装置のようにクラスプが口腔外側に露出するといった審美性を害する問題が解決され、更に着脱が容易であるために義歯の清掃が容易である等の長所を備えていることから、有用な維持装置として期待されている。
このような状況から、インプラント補綴治療に磁性アタッチメントを応用する研究も行われ、主に義歯の維持装置として多くの提案がなされている。例えば、口腔内の顎骨に埋入された歯科用インプラントフィクスチャーの口腔内側にアバットメントを螺合固定し、このアバットメントに螺設されているメネジにキーパースクリューを螺入して磁性材料製のキーパー本体を固定し、また義歯床の顎堤側のキーパー本体と対向する位置には永久磁石構造体を埋設固定し、キーパー本体と永久磁石構造体との間に作用する磁気吸引力を利用して義歯の維持装置として応用しようとする「無歯顎に固定されるインプラント」がある(例えば、特許文献1参照。)。
このような構造は、キーパー本体は永久磁石構造体に対して容易に横滑りする特性を有することから義歯床が横荷重を受けてもその横荷重がフィクスチャーに伝達され難いことから横荷重に対する安全性が高く、またこれまで一般的に使用されていたクラスプによる維持装置のようにクラスプが口腔外側に露出するといった審美性を害する問題が解決され、更に着脱が容易であるために義歯の清掃が容易である等の長所を備えていることから、有用な維持装置として期待されている。
そしてこのような構造ではキーパー本体とキーパースクリューとを共に軟磁性材料製とし、義歯の内面に固定された磁石構造体の磁気吸引力により吸着されるキーパー本体の吸着面とキーパースクリューのドライバーとの係合部が設けられている面とが同一面をなすようにして吸着面の減少を防止するように配慮されている。
しかしながら、義歯による補綴では、咀嚼時等の歯軸方向の荷重は顎堤の歯肉粘膜を介して顎骨が受けるため、歯肉の被圧変位に伴って義歯が沈み込む現象が起き、義歯における沈み込み量は約0.2mmであることが知られている。これに対し、残存歯根への磁性アタッチメントの応用では、残存歯根にキーパーが固定されるがその残存歯根には歯根膜が介在するだけであるため、歯根膜の被圧変位は約0.02mmと少ないことも知られている。
従って、口腔内の顎骨に埋入された歯科用インプラントフィクスチャーの口腔内側に配置されたアバットメントの口腔内に磁性材料製のキーパー本体を固定し、義歯床の顎堤側のキーパー本体と対向する位置に永久磁石構造体が埋設固定される義歯がブリッジや総義歯のように複数の人工歯が連結した形状のものである場合には、義歯の一部は歯肉粘膜上に配置されるために咬合力を受けると沈み込もうとするのに対し、キーパー本体が固定された歯科用インプラントフィクスチャーは前述のように殆ど沈み込まないため、結果的に義歯に作用する咬合力を総て歯科用インプラントフィクスチャーで受けることになるので、キーパー本体に大きな力が作用することになるのである。
従って、口腔内の顎骨に埋入された歯科用インプラントフィクスチャーの口腔内側に配置されたアバットメントの口腔内に磁性材料製のキーパー本体を固定し、義歯床の顎堤側のキーパー本体と対向する位置に永久磁石構造体が埋設固定される義歯がブリッジや総義歯のように複数の人工歯が連結した形状のものである場合には、義歯の一部は歯肉粘膜上に配置されるために咬合力を受けると沈み込もうとするのに対し、キーパー本体が固定された歯科用インプラントフィクスチャーは前述のように殆ど沈み込まないため、結果的に義歯に作用する咬合力を総て歯科用インプラントフィクスチャーで受けることになるので、キーパー本体に大きな力が作用することになるのである。
そして、キーパー本体は前述したように永久磁石構造体に対して容易に横滑りする特性を有することからキーパー本体は大きな垂直力を受けながら永久磁石構造体が横方向へも移動することになるため、キーパー本体の吸着面が変形・損傷を起こす現象が発生するという問題があることが指摘されるようになった。このようなキーパーの吸着面の変形・損傷は、磁気吸着力の低下を招くのみならず、キーパースクリューの頭部に設けられたドライバーとの係合部であるスリワリをドライバーと係合不可能な状態にするばかりでなく、キーパー本体の吸着面側に設けられたキーパースクリュー頭部用の穴とキーパースクリュー頭部との隙間にも変形・損傷を及ぼし、キーパー本体の交換に伴うキーパースクリューの撤去が困難になる等の問題を発生させていた。
このような問題は、キーパーをキーパー本体とキーパースクリューとから成る前述のような構造ではなく、キーパーをキーパー本体とキーパースクリューとを一体化させた構造、即ちキーパー本体の吸着面と反対側の面にオネジが突設された一体構造のキーパーを使用する「義歯アタッチメント」(例えば、特許文献2参照。)においても同様に発生する問題であった。
また、キーパー本体の吸着面に設けられたドライバーとの係合部であるスリワリの変形・損傷を防止することができると考えられるキーパーとして、キーパーをキーパー本体とキーパースクリューとを一体化させた構造即ちキーパー本体の吸着面と反対側の面にオネジが突設された一体構造であって、且つキーパー本体の側面にスパナとの係合用に例えば正八角形の平坦面を形成したキーパーを使用する「義歯アタッチメント用キーパーの取り付け構造」(例えば、特許文献3参照。)も提案されているが、このようなキーパーにおいてもキーパーの吸着面の変形・損傷が発生することに変わりはなく、キーパーの吸着面に変形・損傷が発生した場合にはそのキーパーを取り外す必要があるが、このようにキーパーを回転させるためのスパナとの係合用の平坦面をキーパー本体の側面に設けると隣接する歯牙及び他のインプラント等が存在する場合にはスパナが接触して操作が困難になる等の問題が生じてしまうという欠点があるのである。
本発明はこのような従来技術における欠点を解消し、歯科用インプラントフィクスチャーの口腔内側に配備されるアバットメントの口腔内側に固定される歯科インプラント用キーパーであって、義歯の内面に固定された磁石構造体に磁気吸引力により吸着されるキーパー本体の吸着面が変形・損傷した場合にそのキーパー本体を容易に取り外すことができる歯科インプラント用キーパーを提供することを課題とする。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意研究の結果、アバットメントの中心軸に直角に口腔内側に設けられた端部平面に支持される磁性材料製のキーパー本体を最終的に歯科用インプラントフィクスチャーに固定するオネジを回転させるためにキーパー本体の中央部に位置するドライバー及び/又はレンチとの係合部がキーパー本体の口腔内側の吸着面より歯科用インプラントフィクスチャー側に位置せしめられていれば良いことを究明して本発明を完成したのである。
即ち本発明は、歯科用インプラントフィクスチャーの口腔内側に配備されるアバットメントの口腔内側に固定される歯科インプラント用キーパーであって、アバットメントの中心軸に直角に口腔内側に設けられた端部平面に支持される磁性材料製のキーパー本体を最終的に歯科用インプラントフィクスチャーに固定するオネジを回転させるためにキーパー本体の中央部に位置するドライバー及び/又はレンチとの係合部がキーパー本体の口腔内側の吸着面より歯科用インプラントフィクスチャー側に位置せしめられていることを特徴とする歯科インプラント用キーパーである。
そして、この歯科インプラント用キーパーは、キーパー本体の吸着面と反対側の面にキーパー本体を最終的に歯科用インプラントフィクスチャーに固定するオネジが突設された一体構造である態様や、吸着面の中央に穿設されている貫通穴内に段部が設けられているキーパー本体と、キーパー本体の貫通穴を通して段部に載置される頭に続いてキーパー本体を最終的に歯科用インプラントフィクスチャーに固定するオネジが設けられているボルト状のキーパースクリューとから成る態様があり、後者の態様の場合にはキーパースクリューがチタン、チタン合金、金合金、非磁性ステンレスのいずれかの非磁性材料であることが好ましく、またドライバー及び/又はレンチとの係合部が設けられている部位と吸着面との間が該吸着面に向かって拡大していることが好ましく、キーパー本体の吸着面とドライバー及び/又はレンチとの係合部との空間の深さは0.1〜1mmであることが好ましい。
本発明に係る歯科インプラント用キーパーは、歯科用インプラントフィクスチャーの口腔内側に配備されるアバットメントの口腔内側に固定される歯科インプラント用キーパーであって、アバットメントの中心軸に直角に口腔内側に設けられた端部平面に支持される磁性材料製のキーパー本体を最終的に歯科用インプラントフィクスチャーに固定するオネジを回転させるためにキーパー本体の中央部に位置するドライバー及び/又はレンチとの係合部がキーパー本体の口腔内側の吸着面より歯科用インプラントフィクスチャー側に位置せしめられていることを特徴とするものであるから、義歯の内面に固定された磁石構造体に磁気吸引力により吸着されるキーパー本体の吸着面が変形・損傷してもドライバー及び/又はレンチとの係合部には変形・損傷が生じないため、この係合部にドライバー又はレンチを係合させて確実に取り外すことができるのである。
そして、このドライバー及び/又はレンチとの係合部はキーパー本体の中央部に位置するので、キーパー本体が固定される歯科用インプラントフィクスチャーに隣接して歯牙やインプラントフィクスチャー等が存在していても、インプラントフィクスチャーの口腔内の軸線側からドライバー又はレンチをこの係合部に係合させて歯科インプラント用キーパーを確実に取り外すことができるのである。
そして、このような構造の歯科インプラント用キーパーとしては、キーパー本体の吸着面と反対側の面にキーパー本体を最終的に歯科用インプラントフィクスチャーに固定するオネジが突設された一体構造である態様や、吸着面の中央に穿設されている貫通穴内に段部が設けられているキーパー本体と、キーパー本体の貫通穴を通して段部に載置される頭に続いてキーパー本体を最終的に歯科用インプラントフィクスチャーに固定するオネジが設けられているボルト状のキーパースクリューとから成る態様のいずれであってもよく、後者の態様の場合にはキーパースクリューがチタン、チタン合金、金合金、非磁性ステンレスのいずれかの非磁性材料であればキーパースクリューを高強度のものにすることができるので、キーパースクリューの変形・損傷の危険性が低下すると共にネジ部の強度も向上し、磁性アタッチメントの歯科用インプラントへの応用に際して信頼性が向上する。また、ドライバー及び/又はレンチとの係合部が設けられている部位と吸着面との間が吸着面に向かって拡大していれば、吸着面のドライバー及び/又はレンチとの係合部が設けられている部位側端縁に変形・損傷が発生してもドライバー又はレンチの挿入の妨げにならないので好ましく、更にキーパー本体の吸着面とドライバー及び/又はレンチとの係合部との空間の深さは0.1〜1mmであれば吸着面の変形・損傷がドライバー及び/又はレンチとの係合部にまで及ぶことはないのである。
以下、図面により本発明に係る歯科インプラント用キーパーの実施例について詳細に説明する。
図1はキーパー本体の吸着面と反対側の面にオネジが突設された一体構造である本発明に係る歯科インプラント用キーパーの1実施例が歯科用インプラントフィクスチャーの内面に螺設されているメネジにオネジを螺入されて固定されている状態を示す断面説明図、図2は図1の平面説明図、図3はキーパー本体の吸着面と反対側の面にオネジが突設された一体構造である本発明に係る歯科インプラント用キーパーの他の実施例が歯科用インプラントフィクスチャーに固定された固定ボルトにその頭から螺設されているメネジにオネジを螺入されて固定されている状態を示す断面説明図、図4は吸着面の中央に穿設されている貫通穴内に段部が設けられているキーパー本体とキーパースクリューとから成る本発明に係る歯科インプラント用キーパーの更に他の実施例が歯科用インプラントフィクスチャーに固定された固定ボルトにその頭から螺設されているメネジにオネジを螺入されて固定されている状態を示す断面説明図、図5は図4の平面説明図、図6は吸着面の中央に穿設されている貫通穴内に段部が設けられているキーパー本体とキーパースクリューとから成る本発明に係る歯科インプラント用キーパーの更に他の実施例が歯科用インプラントフィクスチャーの内面に螺設されているメネジにオネジを螺入されて固定されている状態を示す断面説明図である。
図1はキーパー本体の吸着面と反対側の面にオネジが突設された一体構造である本発明に係る歯科インプラント用キーパーの1実施例が歯科用インプラントフィクスチャーの内面に螺設されているメネジにオネジを螺入されて固定されている状態を示す断面説明図、図2は図1の平面説明図、図3はキーパー本体の吸着面と反対側の面にオネジが突設された一体構造である本発明に係る歯科インプラント用キーパーの他の実施例が歯科用インプラントフィクスチャーに固定された固定ボルトにその頭から螺設されているメネジにオネジを螺入されて固定されている状態を示す断面説明図、図4は吸着面の中央に穿設されている貫通穴内に段部が設けられているキーパー本体とキーパースクリューとから成る本発明に係る歯科インプラント用キーパーの更に他の実施例が歯科用インプラントフィクスチャーに固定された固定ボルトにその頭から螺設されているメネジにオネジを螺入されて固定されている状態を示す断面説明図、図5は図4の平面説明図、図6は吸着面の中央に穿設されている貫通穴内に段部が設けられているキーパー本体とキーパースクリューとから成る本発明に係る歯科インプラント用キーパーの更に他の実施例が歯科用インプラントフィクスチャーの内面に螺設されているメネジにオネジを螺入されて固定されている状態を示す断面説明図である。
図面中、1は患者の欠如歯部の顎骨内に形成された埋入孔内に埋入されて固定される歯科用インプラントフィクスチャーであって、生体親和性が高いチタンやチタン合金で形成されており、口腔内側に位置する端部には角筒状部1aが突設されており、この角筒状部1aの中央部から埋入先端方向に向けてメネジ1bが螺設されている。また、患者の欠如歯部の顎骨内に形成された埋入孔内にセルフタッピングにより埋入されるようにその外周には通常オネジ1cが螺設されている。
2はフィクスチャー1の口腔内側位置に固定されるアバットメントであって、生体親和性が高いチタン,チタン合金や金合金等で形成されており、歯科用インプラントフィクスチャー1側の外面は歯科用インプラントフィクスチャー1の口腔内側端部側の最大外径の口腔内側端面と当接する当接面の周縁の歯科用インプラントフィクスチャー1の口腔内側端部側の最大外径とほぼ同一外径部から始まって歯科用インプラントフィクスチャー1から口腔内側へ離れるに従ってその外径は大きくなる截頭円錐形を成す部分2aに続く円筒状部2bから成り、歯科用インプラントフィクスチャー1側の内面には歯科用インプラントフィクスチャー1の角筒状部1aに係合する角筒状凹部2cを有し、口腔内側には後記するキーパー本体4aに当接する軸心に対して直角な端部平面2dを有し、この端部平面2dと角筒状凹部2cとの間には後記するキーパー本体4aの側面の一部が当接する当接面2eを有しており、歯科用インプラントフィクスチャー1側から口腔内側にその中央部が貫通している貫通穴2fが設けられている。そして、図3及び図4に示すように後述する固定ボルト3を介在させてキーパー本体4aが最終的に歯科用インプラントフィクスチャー1に固定される態様の場合にはその固定ボルト3の頭3aを受ける段部2gが当接面2eと角筒状凹部2cとの間に設けられており、また図1に示すように後述する歯科インプラント用キーパー4がオネジ4dと一体構造を成していて歯科用インプラントフィクスチャー1の内面に螺設されているメネジ1bにオネジ4dを螺入されて固定される態様の場合には当接面2eは歯科用インプラントフィクスチャー1側が狭くなる裁頭円錐状を成していてもよい。
3は歯科用インプラントフィクスチャー1の口腔内側に配備されたアバットメント2を歯科用インプラントフィクスチャー1に固定する固定ボルトであり、図3及び図4に示すようにアバットメント2は歯科用インプラントフィクスチャー1の角筒状部1aに角筒状凹部2cを係合させた状態で、段部2gが固定ボルト3の頭部3aによって歯科用インプラントフィクスチャー1側に押さえ付けられることによって固定される。また固定ボルト3には頭3aからメネジ3bが螺設されていて、図3に示す態様の場合には、後述する歯科インプラント用キーパー4のオネジ4dが螺合され、図4に示す態様の場合には、そのメネジ3bに後述するキーパースクリュー4cが螺合されて、キーパー本体4aは固定ボルト3に固定される。また各態様ともその頭3aに続いてフィクスチャー1に螺設されているメネジ1bに螺合するオネジ3cが螺設されている。
4はアバットメント2の中心軸に直角に口腔内側に設けられた端部平面に支持される磁性材料製のキーパー本体4aを最終的に歯科用インプラントフィクスチャー1に固定するオネジ4dを回転させるためにキーパー本体4aの中央部に位置するドライバー及び/又はレンチとの係合部4eがキーパー本体4aの口腔内側の吸着面4bより歯科用インプラントフィクスチャー1側に位置せしめられていることを特徴とする歯科用インプラントフィクスチャー1の口腔内側に配備されるアバットメント2の口腔内側に固定される本発明に係る歯科インプラント用キーパーであって、義歯床等の顎堤側に埋設固定されている永久磁石構造体に吸着されて義歯を保持する役目を成すものである。
この歯科インプラント用キーパー4としては、図1及び3に示すようにキーパー本体4aの吸着面4bと反対側の面にキーパー本体4aを最終的に歯科用インプラントフィクスチャー1に固定するオネジ4dが突設された一体構造である態様と、図4及び6に示すように吸着面4bの中央に穿設されている貫通穴4f内に段部4gが設けられているキーパー本体4aと、キーパー本体4aの貫通穴4fを通して段部4gに載置される頭4hに続いてキーパー本体4aを最終的に歯科用インプラントフィクスチャー1に固定するオネジ4dが設けられているボルト状のキーパースクリュー4cとから成る態様とがある。また、キーパースクリュー4cが設けられている態様の場合にはキーパースクリュー4cが、チタン、チタン合金、金合金、非磁性ステンレスのいずれかの非磁性材料であればキーパースクリュー4cを高強度のものにすることができるので、キーパースクリュー4cの変形・損傷の危険性が低下すると共にネジ部の強度も向上し、磁性アタッチメント2の歯科用インプラントへの応用に際して信頼性が向上するので好ましく、またドライバー及び/又はレンチとの係合部4eが設けられている部位と吸着面4bとの間が吸着面4bに向かって拡大していれば、吸着面4bのドライバー及び/又はレンチとの係合部4eが設けられている部位側端縁に変形・損傷が発生してもドライバー又はレンチの挿入の妨げにならないので好ましく、更にキーパー本体4aの吸着面4bとドライバー及び/又はレンチとの係合部4eとの空間の深さは0.1〜1mmであれば吸着面の変形・損傷がドライバー及び/又はレンチとの係合部4eにまで及ぶことはないので好ましい。
そして、キーパー本体4aはアバットメント2の中心軸に直角に口腔内側に設けられた端部平面2dに支持されているので、キーパー本体4aがオネジ4dやキーパースクリュー4cによって最終的に歯科用インプラントフィクスチャー1に固定されると、アバットメント2はその端部平面2dがキーパー本体4aによって押さえ付けられるので、固定ボルト3の有無に関係なくアバットメント2は確実に固定されるのである。
この歯科インプラント用キーパー4としては、図1及び3に示すようにキーパー本体4aの吸着面4bと反対側の面にキーパー本体4aを最終的に歯科用インプラントフィクスチャー1に固定するオネジ4dが突設された一体構造である態様と、図4及び6に示すように吸着面4bの中央に穿設されている貫通穴4f内に段部4gが設けられているキーパー本体4aと、キーパー本体4aの貫通穴4fを通して段部4gに載置される頭4hに続いてキーパー本体4aを最終的に歯科用インプラントフィクスチャー1に固定するオネジ4dが設けられているボルト状のキーパースクリュー4cとから成る態様とがある。また、キーパースクリュー4cが設けられている態様の場合にはキーパースクリュー4cが、チタン、チタン合金、金合金、非磁性ステンレスのいずれかの非磁性材料であればキーパースクリュー4cを高強度のものにすることができるので、キーパースクリュー4cの変形・損傷の危険性が低下すると共にネジ部の強度も向上し、磁性アタッチメント2の歯科用インプラントへの応用に際して信頼性が向上するので好ましく、またドライバー及び/又はレンチとの係合部4eが設けられている部位と吸着面4bとの間が吸着面4bに向かって拡大していれば、吸着面4bのドライバー及び/又はレンチとの係合部4eが設けられている部位側端縁に変形・損傷が発生してもドライバー又はレンチの挿入の妨げにならないので好ましく、更にキーパー本体4aの吸着面4bとドライバー及び/又はレンチとの係合部4eとの空間の深さは0.1〜1mmであれば吸着面の変形・損傷がドライバー及び/又はレンチとの係合部4eにまで及ぶことはないので好ましい。
そして、キーパー本体4aはアバットメント2の中心軸に直角に口腔内側に設けられた端部平面2dに支持されているので、キーパー本体4aがオネジ4dやキーパースクリュー4cによって最終的に歯科用インプラントフィクスチャー1に固定されると、アバットメント2はその端部平面2dがキーパー本体4aによって押さえ付けられるので、固定ボルト3の有無に関係なくアバットメント2は確実に固定されるのである。
本発明は、アバットメント2が配備されていて必要に応じて固定ボルト3が装着されている歯科用インプラントフィクスチャー1に、最終的に固定される歯科インプラント用キーパー4に関するものであり、この歯科インプラント用キーパー4はオネジ4dが別体(キーパースクリュー4c)であるか否かによって態様が異なり、また固定ボルト3の有無によっても態様が異なる。そこでオネジ4dがキーパー本体4aと一体構造である態様と、オネジ4dがキーパー本体4aとは別体(キーパースクリュー4c)である態様とについて、それぞれ固定ボルト3がある場合とない場合を以下に示す。
先ず、図1に示す態様は歯科インプラント用キーパー4がキーパー本体4aの吸着面4bと反対側の面にオネジ4dが突設された一体構造となっていて、オネジ4dは固定ボルト3を介することなく歯科用インプラントフィクスチャー1の内面に螺設されているメネジ1bに直接螺入されるので比較的長いものとなっている。この態様では歯科インプラント用キーパー4は、口腔内の顎骨に埋入させた歯科用インプラントフィクスチャー1の角筒状部1aに角筒状凹部2cを係合させてアバットメント2を配備した後に、このアバットメント2の貫通穴2fを通してオネジ4dを歯科用インプラントフィクスチャー1のメネジ1bに螺入することによって装着される。またこの歯科インプラント用キーパー4の係合部4eは図2の如くスリワリと六角穴とが設けられているので、ドライバーだけでなく六角レンチでも簡単に着脱することができる。また図1の如く、吸着面4bの中央部は凹状になっていてこの係合部4eはキーパー本体4aの吸着面4bより歯科用インプラントフィクスチャー1側に位置しているので、キーパー本体4aの吸着面4bに変形・損傷が発生した場合にも係合部4eまでその変形・損傷が及ぶことが殆どないから、歯科インプラント用キーパー4の交換が確実にできるのである。更にこの態様は、固定ボルト3が装着されていないので、アバットメント2の高さを低くすることができる特徴を持つ。
次に図3に示す態様は歯科インプラント用キーパー4がキーパー本体4aの吸着面4bと反対側の面にオネジ4dが突設された一体構造となっていて、このオネジ4dは固定ボルト3のメネジ3bに螺入されるので比較的短く形成されている。この態様では歯科インプラント用キーパー4は、口腔内の顎骨に埋入させた歯科用インプラントフィクスチャー1にアバットメント2を配備し、固定ボルト3のオネジ3cをアバットメント2の貫通穴2fに通した状態で歯科用インプラントフィクスチャー1のメネジ1bに螺入した後に、オネジ4dを固定ボルト3のメネジ3bに螺入させることによって装着される。その際、アバットメント2はその角筒状凹部2cが歯科用インプラントフィクスチャー1の角筒状部1aに係合された状態で、固定ボルト3の頭部3aによって段部2gが歯科用インプラントフィクスチャー1側に押さえ付けられることによって固定され、更にキーパー本体4aが固定ボルト3のメネジ3bに螺入されて固定されることによって、アバットメント2は更にその端部平面2dがキーパー本体4aによっても押さえ付けられるので、アバットメント2は複数ヶ所で固定されるのである。またこの態様も図1に示す態様と同様に、係合部4eはキーパー本体4aの吸着面4bより歯科用インプラントフィクスチャー1側に位置しているので、変形・損傷を受け難いのである。
また図4に示す態様ではオネジ4dがキーパー本体4aとは別体(キーパースクリュー4c)となっていて、このキーパースクリュー4cは固定ボルト3のメネジ3bに螺入されるので比較的短く形成されている。この態様では歯科インプラント用キーパー4は、口腔内の顎骨に埋入させた歯科用インプラントフィクスチャー1にアバットメント2を配備し、固定ボルト3のオネジ3cをアバットメント2の貫通穴2fに通した状態で歯科用インプラントフィクスチャー1のメネジ1bに螺入した後に、キーパースクリュー4cをキーパー本体4aの貫通穴4fに通してキーパー本体4aの段部4gに頭4hが載置されるまで固定ボルト3のメネジ3bに螺入させることによって装着される。またこの態様も図1に示す態様と同様に、係合部4eはキーパー本体4aの吸着面4bより歯科用インプラントフィクスチャー1側に位置しているので、変形・損傷を受け難いのである。
そして図6に示す態様もオネジ4dが別体(キーパースクリュー4c)となっていて歯科用インプラントフィクスチャー1の内面に螺設されているメネジ1bにキーパースクリュー4cが螺入されてキーパー本体4aが固定されている。この態様では歯科インプラント用キーパー4は、歯科用インプラントフィクスチャー1を口腔内の顎骨に埋入させ、この歯科用インプラントフィクスチャー1にアバットメント2を配備した後に、アバットメント2の貫通穴2fを通してオネジ4dを歯科用インプラントフィクスチャー1のメネジ1bに螺入することによって装着される。またこの態様も図1に示す態様と同様に、係合部4eはキーパー本体4aの吸着面4bより歯科用インプラントフィクスチャー1側に位置しているので、変形・損傷を受け難いのである。更にこの態様は、固定ボルト3が装着されていないので、アバットメント2の高さを低くすることができる特徴を持つ。
また図4及び図6に示す態様のように歯科インプラント用キーパー4がキーパー本体4aとこのキーパー本体4aと別体のキーパースクリュー4cとから成る場合には、キーパー本体4aの吸着面4bに変形・損傷が発生した場合にキーパー本体4aのみを交換することもできるばかりでなく、キーパースクリュー4cの頭4hは義歯の内面に固定された磁石構造体とも当接しないので、必ずしもキーパー本体4aと同じ軟磁性材料製にする必要はなく、チタン、チタン合金、金合金、非磁性ステンレスのような高強度のもので形成すれば、キーパースクリュー4cの変形・損傷の危険性が低下すると共にネジ部の強度も向上し、磁性アタッチメントの歯科用インプラントへの応用に際して信頼性が向上するのである。
1 歯科用インプラントフィクスチャー
1a 角筒状部
1b メネジ
1c オネジ
2 アバットメント
2a 截頭円錐形を成す部分
2b 円筒状部
2c 角筒状凹部
2d 端部平面
2e 当接面
2f 貫通穴
2g 段部
3 固定ボルト
3a 頭
3b メネジ
3c オネジ
4 本発明に係る歯科インプラント用キーパー
4a キーパー本体
4b 吸着面
4c キーパースクリュー
4d オネジ
4e 係合部
4f 貫通穴
4g 段部
4h 頭
1a 角筒状部
1b メネジ
1c オネジ
2 アバットメント
2a 截頭円錐形を成す部分
2b 円筒状部
2c 角筒状凹部
2d 端部平面
2e 当接面
2f 貫通穴
2g 段部
3 固定ボルト
3a 頭
3b メネジ
3c オネジ
4 本発明に係る歯科インプラント用キーパー
4a キーパー本体
4b 吸着面
4c キーパースクリュー
4d オネジ
4e 係合部
4f 貫通穴
4g 段部
4h 頭
Claims (6)
- 歯科用インプラントフィクスチャー(1)の口腔内側に配備されるアバットメント(2)の口腔内側に固定される歯科インプラント用キーパーであって、該アバットメント(2)の中心軸に直角に口腔内側に設けられた端部平面(2d)に支持される磁性材料製のキーパー本体(4a)を最終的に該歯科用インプラントフィクスチャー(1)に固定するオネジ(4d)を回転させるために該キーパー本体(4a)の中央部に位置するドライバー及び/又はレンチとの係合部(4e)が該キーパー本体(4a)の口腔内側の吸着面(4b)より該歯科用インプラントフィクスチャー(1)側に位置せしめられていることを特徴とする歯科インプラント用キーパー(4)。
- キーパー本体(4a)の吸着面(4b)と反対側の面に該キーパー本体(4a)を最終的に歯科用インプラントフィクスチャー(1)に固定するオネジ(4d)が突設された一体構造である請求項1の歯科インプラント用キーパー(4)。
- 吸着面(4b)の中央に穿設されている貫通穴(4f)内に段部(4g)が設けられているキーパー本体(4a)と、該キーパー本体(4a)の貫通穴(4f)を通して段部(4g)に載置される頭(4h)に続いて該キーパー本体(4a)を最終的に歯科用インプラントフィクスチャー(1)に固定するオネジ(4d)が設けられているボルト状のキーパースクリュー(4c)とから成る請求項1の歯科インプラント用キーパー(4)。
- キーパースクリュー(4c)が、チタン、チタン合金、金合金、非磁性ステンレスのいずれかの非磁性材料である請求項3に記載の歯科インプラント用キーパー(4)。
- ドライバー及び/又はレンチとの係合部(4e)が設けられている部位と吸着面(4b)との間が該吸着面(4b)に向かって拡大している請求項1から4までのいずれか1項に記載の歯科インプラント用キーパー(4)。
- キーパー本体(4a)の吸着面(4b)とドライバー及び/又はレンチとの係合部(4e)との空間の深さが0.1〜1mmである請求項1から5までのいずれか1項に記載の歯科インプラント用キーパー(4)。
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JP2004232423A JP2006043341A (ja) | 2004-08-09 | 2004-08-09 | 歯科インプラント用キーパー |
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-
2004
- 2004-08-09 JP JP2004232423A patent/JP2006043341A/ja active Pending
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