JPH1147158A - 角度付き歯科用インプラント - Google Patents

角度付き歯科用インプラント

Info

Publication number
JPH1147158A
JPH1147158A JP9218291A JP21829197A JPH1147158A JP H1147158 A JPH1147158 A JP H1147158A JP 9218291 A JP9218291 A JP 9218291A JP 21829197 A JP21829197 A JP 21829197A JP H1147158 A JPH1147158 A JP H1147158A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oral cavity
implant fixture
abutment
implant
gold cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9218291A
Other languages
English (en)
Inventor
Norio Kojima
憲男 小島
Kiyoshi Watanabe
清 渡辺
Yoshimasa Akaishi
好正 赤石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
G C KK
GC Corp
Original Assignee
G C KK
GC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by G C KK, GC Corp filed Critical G C KK
Priority to JP9218291A priority Critical patent/JPH1147158A/ja
Publication of JPH1147158A publication Critical patent/JPH1147158A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dental Prosthetics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 口腔内に設置した場合に歯科用補綴物以外の
部分が露出せずゴールドシリンダーのインプラントフィ
クスチャー側端面がアバットメントとの当接部において
ズレて固定されることのない角度付き歯科用インプラン
トを提供する。 【解決手段】 インプラントフィクスチャー1側端部の
截頭円錐形状部2aを口腔内側が患者の歯肉の口腔内側頂
部より低い高さとし、その口腔内側に凹設した口腔内側
に行くに従って広がる外周截頭円錐形面2cの中心側の口
腔内側にインプラントフィクスチャー1の中心軸に対し
てその中心線を傾斜させたゴールドシリンダー外嵌部2d
を設けたアバットメント2の外周截頭円錐形面2cに、イ
ンプラントフィクスチャー1側端面の円錐形面4aが当接
され口腔内側がこの円錐形面4aより縮径された外形状を
成しその中心線がゴールドシリンダー外嵌部2dの中心線
と合致した鋳造片固着部4bを形成しているゴールドシリ
ンダー4を連結固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、欠如歯部の顎骨内
に形成された埋入孔内に埋入して固定されるインプラン
トフィクスチャーとこのインプラントフィクスチャーに
連結固定される歯科用補綴物維持装置とから成り、口腔
内に設置した場合に歯科用補綴物以外の部分が露出して
審美性を損ねることがなく且つゴールドシリンダーのイ
ンプラントフィクスチャー側端面がアバットメントとの
当接部においてズレて固定されることのない角度付き歯
科用インプラントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、欠如歯部における歯科補綴法とし
ては、ブリッジによる方法と、床義歯による方法とが一
般に行われてきた。しかしながら、ブリッジによる方法
は、欠如歯部の両側の健全な天然歯を切削して支台と
し、この支台に欠如歯部に位置する歯科用補綴物に設け
た金属体を係合させて固定する方法であるので、健全な
天然歯を切削して係合部を設けなければならないばかり
か、欠如歯部に位置する歯科用補綴物部分には咬合圧が
直接には加わらないために当該部位で骨吸収を引き起こ
すという欠点があった。また、床義歯による方法は、合
成樹脂等で作製した義歯床に義歯を固定したものを歯科
用補綴物とする方法であるが、この方法では歯科用補綴
物に作用する咬合力を残存天然歯及び/又は口腔粘膜に
よって負担させるものであるので、歯科用補綴物使用中
に違和感があることや、口腔粘膜組織中に散在する味覚
の受容器を義歯床が覆ってしまうことによる味覚の鈍麻
が生じることがあり、更には長期間の使用によって顎堤
の吸収を引き起こすという重大な欠点があった。
【0003】そこでこれらの欠点を解消する治療方法と
して、欠如歯部の顎骨内に形成した埋入孔内に歯科用補
綴物の維持安定装置となるインプラントフィクスチャー
を埋入して天然歯における歯根の機能を代行せしめ、こ
のインプラントフィクスチャーの口腔内側に歯科用補綴
物の固定装置を連結固定して歯科用補綴物維持装置と
し、この歯科用補綴物の固定装置に歯科用補綴物を固定
する歯科用インプラントの技術が開発され、実施される
ようになってきている。
【0004】このような歯科用インプラントによる治療
方法を実施すると、口腔粘膜を覆うことなく歯科用補綴
物を固定することができるので、歯科用補綴物装着時の
違和感や味覚の鈍麻が生じることがなく、天然歯に似た
使用感が得られ、更に顎骨に適度な咬合力が付与される
ためにインプラントフィクスチャーが埋入されていない
場合に想定される骨吸収を最小限に抑制できるという利
点があるため、この治療方法は急速な発展を遂げて単独
歯欠損,2歯以上の局部欠損のみならず、無歯顎(即
ち、全歯欠損)に至るまでに適用できるようになってき
ている。
【0005】この歯科用インプラントによる治療方法
は、患者の欠如歯部の顎骨内にインプラントフィクスチ
ャーが埋入される埋入孔を形成し、この埋入孔内にイン
プラントフィクスチャーを埋入した後にこの埋入された
インプラントフィクスチャーの口腔内側中央に露出して
いるネジ穴を閉塞すると共に治癒過程で骨がインプラン
トフィクスチャーより口腔内側にまで成長することを防
止するためにインプラントフィクスチャーの口腔内側に
インプラントフィクスチャー側端部がインプラントフィ
クスチャーの口腔内側端部と同等か又は大きな寸法で口
腔内側がインプラントフィクスチャー側端部の寸法より
大きく形成されているカバースクリューを前記ネジ穴に
螺着してからその埋入孔の周囲歯肉を縫合し、埋入され
たインプラントフィクスチャーが欠如歯部の顎骨に充分
に結合し且つ埋入孔を形成したことによる手術部分が治
癒したら、そのインプラントフィクスチャーが埋入され
た口腔内側の歯肉部分を再度切開してカバースクリュー
をインプラントフィクスチャーから取り外してインプラ
ントフィクスチャーの口腔内側部分にインプラントフィ
クスチャー側がインプラントフィクスチャーの口腔内側
端部と同外形寸法でその長さが周囲歯肉の厚さより長い
ヒーリングアバットメントを螺着し、切開した周囲歯肉
部分が治癒するのを待って歯科用補綴物の固定装置を連
結固定する2回法が主として採用されている。
【0006】この2回法においては、ヒーリングアバッ
トメントを螺着するために切開した周囲歯肉部分が治癒
すると、ヒーリングアバットメントをインプラントフィ
クスチャーから取り外してインプラントフィクスチャー
の口腔内側部分に、歯科用補綴物の固定装置を連結固定
する基台となるゴールドシリンダー外嵌部を有するアバ
ットメントをそのアバットメントを貫通させたアバット
メントスクリューをインプラントフィクスチャーの前記
ネジ穴に螺着することによって連結固定した後に、歯科
用補綴物を作製するための印象採得を行うのであるが、
このアバットメントの最も口腔内側に位置する部分に設
けられているゴールドシリンダー外嵌部は臼歯部のよう
にインプラントフィクスチャーの中心軸にその中心線を
一致させて連結固定される場合と、上顎前歯部のように
インプラントフィクスチャーの中心軸に対してその中心
線を傾斜させて連結固定されることがある場合とがあ
り、いずれの場合においてもインプラントフィクスチャ
ーに対して位置固定できるように連結固定される。
【0007】このような歯科用インプラント技術におい
て、外観が良好な歯科用補綴物を製作するためには歯科
用補綴物の固定装置を連結固定する基台となるゴールド
シリンダー外嵌部を有するアバットメント及びこのアバ
ットメントのゴールドシリンダー外嵌部に外嵌されるゴ
ールドシリンダーとして、どのような構成のアバットメ
ント及びゴールドシリンダーを選択するかが非常に重要
である。
【0008】即ち、アバットメントには、インプラント
フィクスチャー側端部がインプラントフィクスチャーの
口腔内側端部と同一寸法で口腔内側がインプラントフィ
クスチャー側端部の寸法より大きく形成されている部分
をインプラントフィクスチャー側に設けられており、且
つこのインプラントフィクスチャー側に設けられている
部分の口腔内側には歯科用補綴物の固定装置となるゴー
ルドシリンダー外嵌部が設けられていなければならない
のであり、特に上顎前歯部用の症例の場合や人工歯根部
であるインプラントフィクスチャーが正しい角度で欠如
歯部の顎骨内に埋入されなかった場合等に適用できるよ
うにこのゴールドシリンダー外嵌部としてインプラント
フィクスチャーの軸線に対してその軸線が角度を持って
傾斜した状態となるようなアバットメントも最近用意さ
れて来ているのである。
【0009】また、歯科用補綴物の固定装置となるゴー
ルドシリンダーはそのインプラントフィクスチャー側端
部外周面が、アバットメントのインプラントフィクスチ
ャー側部分におけるゴールドシリンダー外嵌部の基端部
となる口腔内側端部外周面と同一寸法に形成されていな
ければならないのであり、特に前述した如くゴールドシ
リンダーの外嵌部の軸線がインプラントフィクスチャー
の軸線に対して角度を持って傾斜した状態となるゴール
ドシリンダーの場合はアバットメントのゴールドシリン
ダー外嵌部にゴールドシリンダーがどのように外嵌され
るかも問題である。
【0010】従来、このように欠如歯部の顎骨内に埋入
されたインプラントフィクスチャーの軸線に対して歯科
用補綴物の固定装置となるゴールドシリンダーの軸線が
角度を持って傾斜した状態となるようなアバットメント
とゴールドシリンダーとの構成としては、例えば特開平
1−190350号公報に開示されているように、アバ
ットメントは、そのインプラントフィクスチャー側端部
外周面がインプラントフィクスチャーの口腔内側端部外
周面と同一寸法で口腔内側がインプラントフィクスチャ
ー側端部の寸法より大きく形成された後に同一径の円筒
状となった部分をその口腔内側に設けられており、且つ
この口腔内側に設けられている円筒状となった部分の口
腔内側に前記部分より更に膨出した状態に設けられてい
る膨出部の口腔内側端面がインプラントフィクスチャー
の軸線に対して傾斜した平面を周囲に有していてこの傾
斜した平面の中心側であって最も口腔内側に位置する部
分にインプラントフィクスチャーの中心軸に対してその
中心線を傾斜させたゴールドシリンダー外嵌部が設けら
れており、また歯科用補綴物の固定装置となる截頭円錐
状のゴールドシリンダーは、そのインプラントフィクス
チャー側の端面がインプラントフィクスチャーの軸線に
対して傾斜した状態で前記平面に当接される形状のもの
が提案されている。
【0011】しかるに、前記した従来例におけるアバッ
トメントとゴールドシリンダーとを使用して歯科用イン
プラントによる治療が完全に完了した状態では、図7に
示す前歯部のようにインプラントフィクスチャー1の中
心軸に対してゴールドシリンダー外嵌部2d'の中心線を
角度αだけ傾斜させてアバットメント2'をアバットメ
ントスクリュー3によりインプラントフィクスチャー1
に連結固定してこのアバットメント2'及びアバットメ
ントスクリュー3の口腔内側に歯科用補綴物6の固定装
置となるゴールドシリンダー4'をゴールドスクリュー
5によりアバットメント2'に連結固定することになる
が、歯科用補綴物6はゴールドシリンダー4'の周囲に
だけ固定されるものであり、しかも歯科用補綴物6のイ
ンプラントフィクスチャー1側端部外周面がアバットメ
ント2'の口腔側端部外周面より大きいとこの不連続面
の部分に細菌が停滞し易く歯肉に炎症を生じさせること
になるので、歯科用補綴物6はアバットメント2'の口
腔内側端部外周面と同形状を成すゴールドシリンダー
4'のインプラントフィクスチャー1側端部より更に口
腔内側にだけ設けられることになるため、アバットメン
ト2'の膨出部とゴールドシリンダー4'のインプラント
フィクスチャー1側端部とが共に露出した状態となって
著しく審美性に欠けるという大きな欠点があった。
【0012】また、このような欠点の無い角度付き歯科
用インプラントとして、前記した従来例におけるアバッ
トメントにおいて、そのインプラントフィクスチャー側
端部外周面がインプラントフィクスチャーの口腔内側端
部外周面と同一寸法で口腔内側がインプラントフィクス
チャー側端部の寸法より大きく形成された截頭円錐形状
部を成しており、この截頭円錐形状部の口腔内側には截
頭円錐形状部の軸心に対して直角な外周側平面が設けら
れていると共に截頭円錐形状部の中心側であって最も口
腔内側に位置する部分にインプラントフィクスチャーの
中心軸に対してその中心線を傾斜させた歯科用補綴物保
持部が設けられている構造のものも提案されている。し
かしながら、この角度付き歯科用インプラントはゴール
ドシリンダーを使用しないので、アバットメントの前記
外周側平面にインプラントフィクスチャー側端部が当接
し且つアバットメントの歯科用補綴物保持部に保持でき
る形状の歯科用補綴物を製作しなければならず、しかも
この歯科用補綴物のアバットメントの歯科用補綴物保持
部に保持される部分にはアバットメントをインプラント
フィクスチャーに連結固定させるアバットメントスクリ
ューを挿通させるために歯科用補綴物保持部の傾斜した
外面から截頭円錐形状部の中央にボルト穴が貫通して穿
設する必要があるので、このボルト穴の部分が存在して
いても差し支えないように歯科用補綴物を製造しなけば
ならないため、精度良く歯科用補綴物を製造するのにゴ
ールドシリンダーを使用する場合に比べてより多くの工
程を必要とし、しかも精度良く製造することが困難であ
るという致命的な欠点があった。
【0013】そこで本発明者らは、前記欠点を解消すべ
く鋭意研究の結果、角度付き歯科用インプラントの構成
を、欠如歯部の顎骨内に形成された埋入孔内に埋入して
固定されるインプラントフィクスチャーの口腔内側の角
筒状部に、端部がインプラントフィクスチャーの略円柱
状部端の外径と同一外径を有しインプラントフィクスチ
ャーから離れるに従ってその外径が大きくなり口腔内側
が患者の歯肉の口腔内側頂部よりインプラントフィクス
チャー側に位置する高さの截頭円錐形状部を成してお
り、この截頭円錐形状部の口腔内側には截頭円錐形状部
の軸心に対して直角な外周側平面が設けられていると共
に該截頭円錐形状部の中心側であって最も口腔内側に位
置する部分にインプラントフィクスチャーの中心軸に対
してその中心線を傾斜させたゴールドシリンダー外嵌部
が設けられていてこのゴールドシリンダー外嵌部の傾斜
した外面から截頭円錐形状部の中央にボルト穴が貫通穿
設されており、このゴールドシリンダー外嵌部の口腔内
側にメネジが螺設されているアバットメントのインプラ
ントフィクスチャー側に設けられている角筒状凹部が係
合され、前記アバットメントのボルト穴を貫通してイン
プラントフィクスチャーの角筒状部を貫通してインプラ
ントフィクスチャーのメネジに螺着されるアバットメン
トスクリューによってアバットメントが連結固定され、
該アバットメントの外周側平面にインプラントフィクス
チャー側端面の平面が当接され口腔内側がこの平面より
縮径された状態の外形状を成しその中心線がインプラン
トフィクスチャーの中心軸に対して傾斜しているアバッ
トメントのゴールドシリンダー外嵌部の中心線と合致す
る鋳造片固着部を形成しているゴールドシリンダーが、
その内部の空間部に設けられている外嵌部をゴールドシ
リンダー外嵌部に外嵌され、ゴールドシリンダーの口腔
内側に貫通して設けられているボルト穴を貫通してアバ
ットメントのゴールドシリンダー外嵌部の口腔内側に螺
設されているメネジに螺着されるゴールドスクリューに
よりアバットメントに連結固定される構造とした発明を
特願平8−226157号で提案した。
【0014】しかしながら、この角度付き歯科用インプ
ラントにおいては、ゴールドシリンダーの口腔内側に貫
通して設けられているボルト穴を貫通してアバットメン
トのゴールドシリンダー外嵌部の口腔内側に螺設されて
いるメネジにゴールドスクリューを螺着して歯科用補綴
物が固定されたゴールドシリンダーをアバットメントに
連結固定した際に、ゴールドスクリューの螺着方向にゴ
ールドシリンダーが移動してゴールドシリンダーのイン
プラントフィクスチャー側端面がアバットメントとの当
接面でアバットメントの周面より突出して図8に示す如
く不連続面が生じ、この不連続面の部分に細菌が停滞し
て歯肉の炎症発生の原因になるばかりか、締付トルクが
減少してゴールドスクリューの緩みの原因となり、その
結果歯科用補綴物の破壊が生じる可能性があることが判
明した。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した如
き従来技術における欠点を解消し、歯科用補綴物を固定
した場合に審美性が良好で且つゴールドスクリューをゴ
ールドシリンダーの口腔内側に貫通して設けられている
ボルト穴を貫通してアバットメントのゴールドシリンダ
ー外嵌部の口腔内側に螺設されているメネジに螺着して
歯科用補綴物が固定されたゴールドシリンダーをアバッ
トメントに連結固定した際に、ゴールドシリンダーのイ
ンプラントフィクスチャー側端面がアバットメントとの
当接部においてズレて固定されることのない角度付き歯
科用インプラントを提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意研究の結果、前述した本発明者らが提案
した角度付き歯科用インプラントにおいては、ゴールド
シリンダーの鋳造片固着部の内部の空間部に設けられて
いる外嵌部はアバットメントのゴールドシリンダー外嵌
部に外嵌されるものであるからアバットメントのゴール
ドシリンダー外嵌部より僅かではあるが大きく形成され
ており、そしてアバットメントの口腔内側に設けられて
いるゴールドシリンダーのインプラントフィクスチャー
側端面が当接される部分がインプラントフィクスチャー
の中心線に対して直角な平面を成しているため、ゴール
ドスクリューをゴールドシリンダーの口腔内側に貫通し
て設けられているボルト穴を貫通してアバットメントの
ゴールドシリンダー外嵌部の口腔内側に螺設されている
メネジに螺着して歯科用補綴物が固定されたゴールドシ
リンダーをアバットメントに連結固定した際に、ゴール
ドスクリューの締付力のインプラントフィクスチャーの
中心線に対して直角な分力によってインプラントフィク
スチャー側端面がアバットメントとの当接部においてズ
レて固定されてしまう現象が発生することを究明した。
【0017】そこで、本発明者らはこのような現象が発
生することがない審美性の良好な角度付き歯科用インプ
ラントのアバットメントを提供すべく鋭意研究の結果、
角度付き歯科用インプラントの構成を、前記した本発明
者らが提案した角度付き歯科用インプラントにおいて、
アバットメントのインプラントフィクスチャー側に設け
られている截頭円錐形状部の口腔内側には口腔内側に行
くに従って広がる外周截頭円錐形面を凹設し、ゴールド
シリンダー外嵌部の中心線とインプラントフィクスチャ
ーの中心軸とを含む平面におけるゴールドシリンダー外
嵌部の傾斜方向と反対側の前記外周截頭円錐形面とゴー
ルドシリンダー外嵌部の中心線との成す角度を90度未
満とし、ゴールドシリンダーのインプラントフィクスチ
ャー側端面をアバットメントの外周截頭円錐形面に当接
される円錐形面とする構造とすることによって前記課題
を解決できることを究明して本発明を完成したのであ
る。
【0018】即ち本発明は、口腔内側に角筒状部が突設
されており欠如歯部の顎骨内に形成された埋入孔内に埋
入して固定されるインプラントフィクスチャーと、端部
がインプラントフィクスチャーの略円柱状部端の外径と
同一外径を有しインプラントフィクスチャーから離れる
に従ってその外径が大きくなり口腔内側が患者の歯肉の
口腔内側頂部よりインプラントフィクスチャー側に位置
する高さの截頭円錐形状部を成しており、この截頭円錐
形状部の口腔内側には口腔内側に行くに従って広がる外
周截頭円錐形面が凹設されていると共に截頭円錐形状部
の中心側であって最も口腔内側に位置する部分にインプ
ラントフィクスチャーの中心軸に対してその中心線を傾
斜させたゴールドシリンダー外嵌部が設けられていてこ
のゴールドシリンダー外嵌部の傾斜した外面から截頭円
錐形状部の中央にボルト穴が貫通穿設されており、ゴー
ルドシリンダー外嵌部の中心線とインプラントフィクス
チャーの中心軸とを含む平面におけるゴールドシリンダ
ー外嵌部の傾斜方向と反対側の外周截頭円錐形面とゴー
ルドシリンダー外嵌部の中心線との成す角度が90度未
満であり、且つゴールドシリンダー外嵌部にはその口腔
内側にメネジが螺設されておりインプラントフィクスチ
ャー側にはインプラントフィクスチャーの角筒状部に係
合される角筒状凹部が設けられているアバットメント
と、このアバットメントのボルト穴を貫通してインプラ
ントフィクスチャーの角筒状部を貫通してインプラント
フィクスチャーのメネジに螺着されるアバットメントス
クリューと、アバットメントの外周截頭円錐形面にイン
プラントフィクスチャー側端面の円錐形面が当接され、
その中心線がアバットメントのゴールドシリンダー外嵌
部の中心線と合致する外嵌部の内部に設けられている空
間部をゴールドシリンダー外嵌部に外嵌される鋳造片固
着部が口腔内側に形成されているゴールドシリンダー
と、このゴールドシリンダーの口腔内側に貫通して設け
られているボルト穴を貫通してアバットメントのゴール
ドシリンダー外嵌部の口腔内側に螺設されているメネジ
に螺着されるゴールドスクリューとより成る構造とした
角度付き歯科用インプラントに関するものである。
【0019】そして、このような構成において、アバッ
トメントが、口腔内側には口腔内側に行くに従って広が
る外周截頭円錐形面の内側にインプラントフィクスチャ
ー側に凹設された溝及び/又は口腔内側に突設された突
起が形成されている截頭円錐形状部から成る第1部材
と、インプラントフィクスチャー側には該溝に内嵌され
る凸部及び/又は該記突起に外嵌される凹部を有し且つ
これらの溝と凸部及び/又は突起と凹部とが嵌合した状
態で位置固定されその口腔内側に位置する部分にインプ
ラントフィクスチャーの中心軸に対してその中心線を傾
斜させたゴールドシリンダー外嵌部が設けられている第
2部材とから成る構成であると、その中心線廻りに線対
称又は略線対称となる截頭円錐形状部から成る第1部材
とその中心線廻りに略線対称となるゴールドシリンダー
外嵌部を備えた第2部材とから成る構成になるのでその
製造が容易となるばかりか第2部材を鋳造で製造するこ
とも可能となり、しかもこの第1部材の歯肉と接触する
部分である截頭円錐形状部の外周面を面粗度が細かい状
態に機械加工して歯肉による封鎖性を向上させ細菌の停
滞を防止するのに好適であることや、このゴールドシリ
ンダーのインプラントフィクスチャー側に厚さが薄く口
腔内側に段付部を形成して歯科用補綴物の基端部を画定
するためのカラー部が設けられていると、ゴールドシリ
ンダーの外周に固定される歯科用補綴物の基端部の位置
を正確にできて外観が更に向上することも究明したので
ある。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明に係る角
度付き歯科用インプラントのアバットメントの実施例に
ついて詳細に説明する。図1は本発明に係る角度付き歯
科用インプラントに使用するアバットメントの1実施例
の側断面図、図2は本発明に係る角度付き歯科用インプ
ラントに使用するアバットメントの他の実施例の側断面
図、図3は本発明に係る角度付き歯科用インプラントに
使用するアバットメントの更に他の実施例の側断面図、
図4は本発明に係る角度付き歯科用インプラントに使用
するアバットメントの更に他の実施例の側断面図、図5
は本発明に係る角度付き歯科用インプラントに使用する
アバットメントであって第1部材が2つの部材から成る
実施例の側断面図、図6は本発明に係る角度付き歯科用
インプラントを使用して歯科用補綴物を形成したゴール
ドシリンダーを固定した治癒完了状態の1実施例を示す
断面説明図である。
【0021】先ず、歯科用インプラントの構成を図6を
用いて説明する。1は欠如歯部の顎骨内に形成された埋
入孔内に埋入して固定される生体親和性が良好なチタン
製のインプラントフィクスチャーであり、図示した実施
例においては顎骨内に埋入される先端が略半球状でそれ
に続く部分が周囲の所定部分に顎骨と係合する凹溝状の
係合部1cが設けられている略円柱状をなしその略円柱状
部の口腔内側の端部の中央部に例えば六角形状の如き角
筒状部1aが突設されており、その角筒状部1aを貫通して
前記略円柱状部に至るメネジ1bが螺設されているが、こ
のような構造のものでないインプラントフィクスチャー
も本発明に係る角度付き歯科用インプラントでは使用可
能である。
【0022】2はインプラントフィクスチャー1の口腔
内側に連結固定されて後述する歯科用補綴物6の固定装
置であるゴールドシリンダー4を連結固定するための基
台となるアバットメントであり、インプラントフィクス
チャー1側端部がインプラントフィクスチャー1の略円
柱状部端の外径と同一外径を有しインプラントフィクス
チャー1から離れるに従ってその外径が大きくなり口腔
内側が患者の歯肉の口腔内側頂部よりインプラントフィ
クスチャー1側に位置する高さであって歯肉と接触する
部位であるので生体親和性が良好なチタン製やセラミッ
ク製であることが好ましい截頭円錐形状部2aを成してお
り、且つインプラントフィクスチャー1側には前記した
インプラントフィクスチャー1の角筒状部1aが係合され
る角筒状凹部2b(例えばインプラントフィクスチャー1
の角筒状部1aが六角形状である場合には六角形状又は十
二角形状の凹部)が、またその截頭円錐形状部2aの口腔
内側には口腔内側に行くに従って広がる外周截頭円錐形
面2cが凹設されていると共に截頭円錐形状部2aの中心側
であって最も口腔内側に位置する部分にインプラントフ
ィクスチャー1の中心軸に対してその中心線を所定の角
度αだけ傾斜させたゴールドシリンダー外嵌部2dが設け
られていてこのゴールドシリンダー外嵌部2dの傾斜した
外面から截頭円錐形状部2aの中央にボルト穴2eが貫通穿
設されており、ゴールドシリンダー外嵌部2dの中心線と
インプラントフィクスチャー1の中心軸とを含む平面に
おけるゴールドシリンダー外嵌部2dの傾斜方向と反対側
の外周截頭円錐形面2cとゴールドシリンダー外嵌部2dの
中心線との成す角度βが90度未満であり、且つゴール
ドシリンダー外嵌部2dの口腔内側にはメネジ2fが螺設さ
れておりインプラントフィクスチャー1側にはインプラ
ントフィクスチャー1の角筒状部1aに係合される角筒状
凹部2bが設けられている。
【0023】このアバットメント2としては、図2〜図
5に示す如く、口腔内側には口腔内側に行くに従って広
がる外周截頭円錐形面2cの内側にインプラントフィクス
チャー1側に凹設された溝2g及び/又は口腔内側に突設
された突起2hが形成されている截頭円錐形状部2aから成
る第1部材Aと、インプラントフィクスチャー1側に前
記溝2gに内嵌される凸部2i及び/又は前記突起2hに外嵌
される凹部2jを有し且つこれらの溝2gと凸部2i及び/又
は突起2hと凹部2jとが嵌合した状態で位置固定されその
口腔内側に位置する部分にインプラントフィクスチャー
1の中心軸に対してその中心線を傾斜させたゴールドシ
リンダー外嵌部2dが設けられている第2部材Bとから成
る構成であることが、それぞれその中心線(第1部材A
の場合は截頭円錐形状部2aの中心線、第2部材Bの場合
はゴールドシリンダー外嵌部2dの中心線)に対して線対
称又は略線対称の部材で構成できるから製造が容易にな
るばかりか、特に歯肉と接触する部分となる第1部材A
の截頭円錐形状部2aの外周面を面粗度が細かい状態に機
械加工して歯肉による封鎖性を向上させ細菌の停滞を防
止することができるので好ましい。
【0024】そして、この第1部材A及び第2部材B
は、第1部材Aの場合について示した図5の如く必要に
応じて互いに係合して位置固定される2つ以上の部材か
ら構成することもできる。
【0025】また、アバットメント2は、患者によって
その歯肉の厚さが異なるため、前記截頭円錐形状部2aの
高さが例えば1mm,2mm,3mmの3種類の如き種々の高
さのものが用意されている。
【0026】3はインプラントフィクスチャー1の口腔
内側にアバットメント2を連結固定するためのアバット
メントスクリューであり、その頭部にはスリワリ3cが形
成されておりこの頭部に続いてアバットメント2のボル
ト穴2eの口腔内側端面に当接するストッパー部3bが設け
られていると共に、前記アバットメント2のボルト穴2e
とインプラントフィクスチャー1の角筒状部1aとを貫通
してインプラントフィクスチャー1のメネジ1bに螺着さ
れるオネジ3aが螺設されている。
【0027】4はインプラントフィクスチャー1の口腔
内側にアバットメントスクリュー3で連結固定されるア
バットメント2の口腔内側のゴールドシリンダー外嵌部
2dの口腔内側に螺設されているメネジ2fにその口腔内側
に貫通して設けられているボルト穴を貫通して螺合され
るゴールドスクリュー5によりアバットメント2に連結
固定される貴金属系の合金から成るゴールドシリンダー
であり、インプラントフィクスチャー1側にはアバット
メント2の外周截頭円錐形面2cに当接されるインプラン
トフィクスチャー1側端面を形成する円錐形面4aが設け
られており、口腔内側は前記円錐形面4aの内側より縮径
された状態の所定の外形状を成しその中心線がインプラ
ントフィクスチャー1の中心軸に対して所定の角度αだ
け傾斜しているゴールドシリンダー外嵌部2dの中心線と
合致する歯科用補綴物6の鋳造片固着部4bを形成してい
て内部はアバットメントスクリュー3の頭部とアバット
メント2のゴールドシリンダー外嵌部2dとを収納できる
空間部を有しており、この空間部にはアバットメント2
のゴールドシリンダー外嵌部2dに外嵌される外嵌部4cが
設けられていて且つ口腔内側にゴールドスクリュー5の
頭部が埋入されゴールドスクリュー5の頭部を支持する
突起状部4eが形成されている。そしてインプラントフィ
クスチャー1側に厚さが薄く口腔内側に段付部を形成し
て歯科用補綴物6の基端部を画定するためのカラー部4d
が設けられていることが好ましい。
【0028】6はゴールドシリンダー4の鋳造片固着部
4bの外周に固着される状態に鋳造された鋳造片6aとその
鋳造片6aの外周に形成される陶材6bとから成る歯科用補
綴物であって、鋳造片固着部4bの中心線の延長部にはゴ
ールドスクリュー5の頭部を挿通し得る大きさの穴6cが
口腔内側に設けられており、この穴6cは歯科用補綴物6
が固定されているゴールドシリンダー4がアバットメン
ト2の口腔内側に螺設されているメネジ2fに螺合された
ゴールドスクリュー5によりアバットメント2に連結固
定された後に歯科用セメント等により封塞される。この
歯科用補綴物6は、ゴールドシリンダー4のインプラン
トフィクスチャー1側に厚さが薄く口腔内側に段付部を
形成して歯科用補綴物の基端部を画定するためのカラー
部4dが設けられていると、ゴールドシリンダー4の外周
に固定される基端部の位置を正確にできて外観を更に向
上させることができるのである。
【0029】前述したような構造の本発明に係る角度付
き歯科用インプラントを使用して治療を行うには、先ず
患者の歯肉の厚さに適応した高さの截頭円錐形状部2aを
有するアバットメント2を選択する。
【0030】次いで、欠如歯部の顎骨内に形成した埋入
孔内に埋入されて天然歯における歯根の機能を代行せし
め得る状態となったインプラントフィクスチャー1の口
腔内側の角筒状部1aに選択したアバットメント2の截頭
円錐形状部2aのインプラントフィクスチャー1側に設け
られている角筒状凹部2bを係合させ、この截頭円錐形状
部2aの中心側であって最も口腔内側に位置する部分にイ
ンプラントフィクスチャー1の中心軸に対してその中心
線を角度αだけ傾斜させて設けられているゴールドシリ
ンダー外嵌部2dの中心軸が口腔内において所定の方向を
向くようにした状態とする。この際、アバットメント2
が、口腔内側には口腔内側に行くに従って広がる外周截
頭円錐形面2cの内側にインプラントフィクスチャー1側
に凹設された溝2g及び/又は口腔内側に突設された突起
2hが形成されている截頭円錐形状部2aから成る第1部材
Aと、インプラントフィクスチャー1側には前記溝2gに
内嵌される凸部2i及び/又は前記突起2hに外嵌される凹
部2jを有し且つこれらの溝2gと凸部2i及び/又は突起2h
と凹部2jとが嵌合した状態で位置固定されその口腔内側
に位置する部分にインプラントフィクスチャー1の中心
軸に対してその中心線を角度αだけ傾斜させたゴールド
シリンダー外嵌部2dが設けられている第2部材Bとから
成る場合には、第1部材Aや第2部材Bが互いに係合し
て位置固定される2つ以上の部材から構成されている場
合であっても1つの部材単独で構成されている場合であ
っても、予めこれらの部材が接着やレーザ溶接や圧入や
これらの部材のいずれかが鋳造により製造される場合に
は鋳接されて位置固定されてアバットメント2を構成し
た状態にしておいて、第1部材Aの截頭円錐形状部2aの
インプラントフィクスチャー1側に設けられている角筒
状凹部2bを係合させれば良い。
【0031】次いで、このアバットメント2のゴールド
シリンダー外嵌部2dの傾斜した外面から截頭円錐形状部
2aの中央に貫通穿設されているボルト穴2eを貫通してア
バットメントスクリュー3のオネジ3aをインプラントフ
ィクスチャー1のメネジ1bに螺着させ、アバットメント
スクリュー3の頭部に続くストッパー部3bをアバットメ
ント2のボルト穴2eの口腔内側端面に当接させて、アバ
ットメント2をインプラントフィクスチャー1に連結固
定する。
【0032】この状態においては、アバットメント2の
截頭円錐形状部2aはその高さが患者の歯肉の口腔内側頂
部よりインプラントフィクスチャー1側に位置する高
さ、即ち截頭円錐形状部2aが患者の歯肉によって隠れる
高さに形成されているので、截頭円錐形状部2aが見えな
い状態にある。
【0033】次いで、外周に陶材6bが形成された鋳造片
6aから成る歯科用補綴物6の鋳造片6aが鋳造片固着部4b
の外周に固定されたゴールドシリンダー4を、鋳造片固
着部4bの内部に有する空間部にアバットメントスクリュ
ー3の頭部とアバットメント2のゴールドシリンダー外
嵌部2dとが収納されるようにアバットメント2のゴール
ドシリンダー外嵌部2dに外嵌させ、アバットメント2の
口腔内側であってゴールドシリンダー外嵌部2dの基端部
の外周である截頭円錐形状部2aの口腔内側上面外周に設
けられている外周截頭円錐形面2cにゴールドシリンダー
4のインプラントフィクスチャー1側の端面である円錐
形面4aを当接する。
【0034】しかる後に、ゴールドシリンダー4の鋳造
片固着部4bの中心線の延長部であって歯科用補綴物6の
口腔内側に設けられている穴6cを挿通してゴールドスク
リュー5をアバットメント2のゴールドシリンダー外嵌
部2dの口腔内側に螺設されているメネジ2fに螺合させる
と共に、ゴールドスクリュー5の頭部をゴールドシリン
ダー4の口腔内側に形成されている突起状部4eに支持さ
せて歯科用補綴物6を連結固定した後、歯科用補綴物6
の口腔内側に設けられている前記穴6cを歯科用セメント
等により封塞すれば、歯科用インプラントの治療が完了
するのである。
【0035】
【発明の効果】以上に詳述した如く、本発明に係る角度
付き歯科用インプラントは、従来の欠如歯部における歯
科補綴法であるブリッジによる方法や床義歯による方法
の如く、欠如歯部の両側の健全な天然歯を切削したり欠
如歯部に位置する歯科用補綴物部分には咬合圧が直接に
は加わらないために当該部位で骨吸収を引き起こすとい
う欠点や、歯科用補綴物使用中に違和感が生じたり口腔
粘膜組織中に散在する味覚の受容器を覆ってしまって味
覚の鈍麻を生じさせたり長期間の使用によって顎堤の吸
収を引き起こすという欠点が無く、歯の解剖学的知見に
適合した形態の歯科用補綴物の製作が可能となる優れた
治療方法である歯科用インプラントにおいて、上顎用の
前歯部のようにアバットメントをインプラントフィクス
チャーの中心軸に対してゴールドシリンダー外嵌部の中
心線を傾斜させてアバットメントスクリューにより連結
固定してこのアバットメントの口腔内側に歯科用補綴物
の固定装置となるゴールドシリンダーをゴールドスクリ
ューにより連結固定した際に、アバットメントの口腔内
側やゴールドシリンダーのインプラントフィクスチャー
側端部が歯肉部より突出して露出してしまうために審美
性が著しく損なわれて歯科用インプラントの普及を阻害
していた欠点を解消するために、歯科用補綴物の鋳造片
が鋳造片固着部の周囲に固定されるゴールドシリンダー
のインプラントフィクスチャー側端面を支持する支持面
となる外周截頭円錐形面を口腔内側に有するアバットメ
ントの截頭円錐形状部の高さが患者の歯肉の口腔内側頂
部よりインプラントフィクスチャー側に位置する高さ、
即ち截頭円錐形状部が患者の歯肉によって隠れる高さに
形成されているので、歯科用インプラントの治療が完了
した状態では截頭円錐形状部が見えない状態にあり、こ
のアバットメントの外周截頭円錐形面にインプラントフ
ィクスチャー側端面の円錐形面が当接されるゴールドシ
リンダーはその口腔内側がこの円錐形面内周より縮径さ
れた状態の外形状を成しその中心線がインプラントフィ
クスチャーの中心軸に対して傾斜しているアバットメン
トのゴールドシリンダー外嵌部の中心線と合致する鋳造
片固着部を形成しているので、このゴールドシリンダー
の鋳造片固着部に固定された歯科用補綴物はゴールドシ
リンダーのインプラントフィクスチャー側に厚さが薄く
口腔内側に段付部を形成するためのカラー部が設けられ
ていてもいなくてもそのインプラントフィクスチャー側
端部の外面は患者の歯肉によって隠れるか又は患者の歯
肉の頂部と略同一面に位置することになって、アバット
メントやゴールドシリンダーのインプラントフィクスチ
ャー側端部が露出した状態となって審美性に欠けるとい
う欠点が無くなるのである。
【0036】そして、アバットメントの截頭円錐形状部
の口腔内側には口腔内側に行くに従って広がる外周截頭
円錐形面が凹設されていて、ゴールドシリンダー外嵌部
の中心線とインプラントフィクスチャーの中心軸とを含
む平面におけるゴールドシリンダー外嵌部の傾斜方向と
反対側の外周截頭円錐形面とゴールドシリンダー外嵌部
の中心線との成す角度が90度未満であり、ゴールドシ
リンダーのインプラントフィクスチャー側にはアバット
メントの前記外周截頭円錐形面に当接されるインプラン
トフィクスチャー側端面を形成する円錐形面が設けられ
ているから、ゴールドシリンダーをゴールドスクリュー
によってアバットメントに締め付けた際にその締め付け
力の分力によってゴールドシリンダーがアバットメント
の截頭円錐形状部の外周より突出することがなくなるの
で、アバットメントとゴールドシリンダーとの当接部に
不連続面が発生することに起因する炎症の発生や細菌の
停滞の発生といった弊害が無くなると共に、締め付けト
ルクの減少によるゴールドスクリューの緩みが原因とな
る歯科用補綴物の破損の発生も無くなるのである。
【0037】また、アバットメントが口腔内側には口腔
内側に行くに従って広がる外周截頭円錐形面の内側にイ
ンプラントフィクスチャー側に凹設された溝及び/又は
口腔内側に突設された突起が形成されている截頭円錐形
状部から成る第1部材と、インプラントフィクスチャー
側には該溝に内嵌される凸部及び/又は該記突起に外嵌
される凹部を有し且つこれらの溝と凸部及び/又は突起
と凹部とが嵌合した状態で位置固定されその口腔内側に
位置する部分にインプラントフィクスチャーの中心軸に
対してその中心線を傾斜させたゴールドシリンダー外嵌
部が設けられている第2部材とから成る構成であると、
それぞれその中心線に対して線対称又は略線対称の部材
で構成できるから製造が容易になるばかりか、特に歯肉
と接触する部分となる第1部材の截頭円錐形状部の外周
面を面粗度が細かい状態に機械加工して歯肉による封鎖
性を向上させ細菌の停滞を防止するのに好適である。
【0038】更に、ゴールドシリンダーのインプラント
フィクスチャー側に厚さが薄く口腔内側に段付部を形成
して歯科用補綴物の基端部を画定するためのカラー部が
設けられていると、ゴールドシリンダーの外周に固定さ
れる歯科用補綴物の基端部の位置を正確にできて外観が
更に向上するのである。
【0039】このような種々の効果を有する本発明に係
る角度付き歯科用インプラントの歯科分野に貢献する価
値は非常に大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る角度付き歯科用インプラントに使
用するアバットメントの1実施例を示す平面図である。
【図2】本発明に係る角度付き歯科用インプラントに使
用するアバットメントの他の実施例の側断面図である。
【図3】本発明に係る角度付き歯科用インプラントに使
用するアバットメントの更に他の実施例の側断面図であ
る。
【図4】本発明に係る角度付き歯科用インプラントに使
用するアバットメントの更に他の実施例の側断面図であ
る。
【図5】本発明に係る角度付き歯科用インプラントに使
用するアバットメントであって第1部材が2つの部材か
ら成る実施例の側断面図である。
【図6】本発明に係る角度付き歯科用インプラントを使
用して歯科用補綴物を形成したゴールドシリンダーを固
定した治癒完了状態の1実施例を示す断面説明図であ
る。
【図7】従来の角度付き歯科用インプラントを使用して
歯科用補綴物を形成したゴールドシリンダーを固定した
治癒完了状態の1実施例を示す断面説明図である。
【図8】従来の角度付き歯科用インプラントを使用して
ゴールドスクリューでゴールドシリンダーをアバットメ
ントに締め付けた状態を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 インプラントフィクスチャー 1a 角筒状部 1b メネジ 1c 係合部 2 本発明で使用するアバットメント 2a 截頭円錐形状部 2b 角筒状凹部 2c 外周截頭円錐形面 2d ゴールドシリンダー外嵌部 2e ボルト穴 2f メネジ 2g 溝 2h 突起 2i 凸部 2j 凹部 α インプラントフィクスチャーの中心軸に対するゴー
ルドシリンダー外嵌部の中心線の傾斜角度 β ゴールドシリンダー外嵌部の中心線とインプラント
フィクスチャーの中心軸とを含む平面におけるゴールド
シリンダー外嵌部の傾斜方向と反対側の外周截頭円錐形
面とゴールドシリンダー外嵌部の中心線との成す角度 A 第1部材 B 第2部材 2' 従来の角度付き歯科用インプラントのアバットメ
ント 2d' ゴールドシリンダー外嵌部 3 アバットメントスクリュー 3a オネジ 3b ストッパー部 3c スリワリ 4 本発明で使用するゴールドシリンダー 4a 円錐形面 4b 鋳造片固着部 4c 外嵌部 4d カラー部 4e 突起状部 4' 従来のゴールドシリンダー 5 ゴールドスクリュー 6 歯科用補綴物 6a 鋳造片 6b 陶材 6c 穴

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 口腔内側に角筒状部(1a)が突設されてお
    り欠如歯部の顎骨内に形成された埋入孔内に埋入して固
    定されるインプラントフィクスチャー(1)と、端部がイ
    ンプラントフィクスチャー(1)の略円柱状部端の外径と
    同一外径を有しインプラントフィクスチャー(1)から離
    れるに従ってその外径が大きくなり口腔内側が患者の歯
    肉の口腔内側頂部よりインプラントフィクスチャー(1)
    側に位置する高さの截頭円錐形状部(2a)を成しており、
    この截頭円錐形状部(2a)の口腔内側には口腔内側に行く
    に従って広がる外周截頭円錐形面(2c)が凹設されている
    と共に截頭円錐形状部(2a)の中心側であって最も口腔内
    側に位置する部分にインプラントフィクスチャー(1)の
    中心軸に対してその中心線を傾斜させたゴールドシリン
    ダー外嵌部(2d)が設けられていてこのゴールドシリンダ
    ー外嵌部(2d)の傾斜した外面から截頭円錐形状部(2a)の
    中央にボルト穴(2e)が貫通穿設されており、ゴールドシ
    リンダー外嵌部(2d)の中心線とインプラントフィクスチ
    ャー(1)の中心軸とを含む平面におけるゴールドシリン
    ダー外嵌部(2d)の傾斜方向と反対側の外周截頭円錐形面
    (2c)とゴールドシリンダー外嵌部(2d)の中心線との成す
    角度が90度未満であり、且つゴールドシリンダー外嵌
    部(2d)にはその口腔内側にメネジ(2f)が螺設されており
    インプラントフィクスチャー(1)側にはインプラントフ
    ィクスチャー(1)の角筒状部(1a)に係合される角筒状凹
    部(2b)が設けられているアバットメント(2)と、このア
    バットメント(2)のボルト穴(2e)を貫通してインプラン
    トフィクスチャー(1)の角筒状部(1a)を貫通してインプ
    ラントフィクスチャー(1)のメネジ(1b)に螺着されるア
    バットメントスクリュー(3)と、アバットメント(2)の
    外周截頭円錐形面(2c)にインプラントフィクスチャー
    (1)側端面の円錐形面(4a)が当接され、その中心線がア
    バットメント(2)のゴールドシリンダー外嵌部(2d)の中
    心線と合致する外嵌部(4c)の内部に設けられている空間
    部をゴールドシリンダー外嵌部(2d)に外嵌される鋳造片
    固着部(4b)が口腔内側に形成されているゴールドシリン
    ダー(4)と、このゴールドシリンダー(4)の口腔内側に
    貫通して設けられているボルト穴を貫通してアバットメ
    ント(2)のゴールドシリンダー外嵌部(2d)の口腔内側に
    螺設されているメネジ(2f)に螺着されるゴールドスクリ
    ュー(5)とより成ることを特徴とする角度付き歯科用イ
    ンプラント。
  2. 【請求項2】 アバットメント(2)が、口腔内側には口
    腔内側に行くに従って広がる外周截頭円錐形面(2c)の内
    側にインプラントフィクスチャー(1)側に凹設された溝
    (2g)及び/又は口腔内側に突設された突起(2h)が形成さ
    れている截頭円錐形状部(2a)から成る第1部材(A)と、
    インプラントフィクスチャー(1)側には該溝(2g)に内嵌
    される凸部(2i)及び/又は該突起(2h)に外嵌される凹部
    (2j)を有し且つこれらの溝(2g)と凸部(2i)及び/又は突
    起(2h)と凹部(2j)とが嵌合した状態で位置固定されその
    口腔内側に位置する部分にインプラントフィクスチャー
    (1)の中心軸に対してその中心線を傾斜させたゴールド
    シリンダー外嵌部(2d)が設けられている第2部材(B)と
    から成る請求項1に記載の角度付き歯科用インプラン
    ト。
  3. 【請求項3】 ゴールドシリンダー(4)のインプラント
    フィクスチャー(1)側に厚さが薄く口腔内側に段付部を
    形成して歯科用補綴物(6)の基端部を画定するためのカ
    ラー部(4d)が設けられている請求項1又は2に記載の角
    度付き歯科用インプラント。
JP9218291A 1997-07-30 1997-07-30 角度付き歯科用インプラント Pending JPH1147158A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9218291A JPH1147158A (ja) 1997-07-30 1997-07-30 角度付き歯科用インプラント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9218291A JPH1147158A (ja) 1997-07-30 1997-07-30 角度付き歯科用インプラント

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1147158A true JPH1147158A (ja) 1999-02-23

Family

ID=16717541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9218291A Pending JPH1147158A (ja) 1997-07-30 1997-07-30 角度付き歯科用インプラント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1147158A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103054653A (zh) * 2012-12-31 2013-04-24 成都博硕科技有限责任公司 一种可任意调节角度的颧骨种植装置
CN103083098A (zh) * 2012-12-31 2013-05-08 成都博硕科技有限责任公司 一种种植固位系统
JP2014128726A (ja) * 2014-03-26 2014-07-10 Yasushi Nakajima 歯科用インプラント
JP2016193266A (ja) * 2016-07-22 2016-11-17 中島 康 歯科用インプラント
WO2018172261A1 (en) * 2017-03-20 2018-09-27 Straumann Holding Ag Two-part modelling aid
CN109330723A (zh) * 2018-11-21 2019-02-15 陈颖 一种具有套筒冠基台的修复基台

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103054653A (zh) * 2012-12-31 2013-04-24 成都博硕科技有限责任公司 一种可任意调节角度的颧骨种植装置
CN103083098A (zh) * 2012-12-31 2013-05-08 成都博硕科技有限责任公司 一种种植固位系统
JP2014128726A (ja) * 2014-03-26 2014-07-10 Yasushi Nakajima 歯科用インプラント
JP2016193266A (ja) * 2016-07-22 2016-11-17 中島 康 歯科用インプラント
WO2018172261A1 (en) * 2017-03-20 2018-09-27 Straumann Holding Ag Two-part modelling aid
US11484394B2 (en) 2017-03-20 2022-11-01 Straumann Holding Ag Two-part modelling aid
CN109330723A (zh) * 2018-11-21 2019-02-15 陈颖 一种具有套筒冠基台的修复基台

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10108871A (ja) 角度付き歯科用インプラント
US5989028A (en) Non-submergible, one-part, root-form endosseous dental implants
AU2003300196B2 (en) Dental implant system
JP4420423B2 (ja) セルフタップ付き歯科用スクリュー型インプラントフィクスチャー用ドリルセット
JP3488493B2 (ja) 骨組織内に固定するためのアンカ要素
US20080227057A1 (en) Narrow Dental Implant and Associated Parts
US20050014108A1 (en) Dental implant system
JP2000300582A (ja) 歯内骨内根形状歯科インプラントおよびインプラント延長部
US20030031981A1 (en) Prosthetic implant
JPH0244540B2 (ja)
JP3637978B2 (ja) 歯科用インプラントのアバットメント選択具
US10806548B2 (en) Methods and devices for countering gingival effects in dental restoration
KR20210076401A (ko) 임플란트 크라운의 회전을 방지하는 지대주
RU2766753C2 (ru) Зубной имплантат с частичным проникновением через слизистую оболочку и протезный узел, содержащий такой имплантат
JPH1147158A (ja) 角度付き歯科用インプラント
JP4338882B2 (ja) 歯科インプラント用義歯の固定基盤
WO2002053054A1 (fr) Element d'implant superieur
JP3571065B2 (ja) 歯科用補綴物維持装置
KR200392241Y1 (ko) 치과용 임시 임플란트
KR200392276Y1 (ko) 치과용 임플란트
JP2896994B2 (ja) 歯科用インプラント
JP3642831B2 (ja) 歯科用インプラントのアバットメント選択具
JP2001017448A (ja) 歯科インプラント部品
JPH07328039A (ja) 骨内インプラントの治癒用上部構造体
JP2001321392A (ja) 歯科用スクリュー型インプラントフィクスチャー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040607

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060725

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061121