JP6055526B2 - 上部構造体が着脱可能な補綴装置、およびそれに係るネジ - Google Patents

上部構造体が着脱可能な補綴装置、およびそれに係るネジ Download PDF

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Description

本発明は、補綴装置(prosthodontic device)に関し、特に上部構造体が着脱可能な補綴装置、およびそれに係るネジに関する。
審美性の追求や機能回復、口腔衛生の改善のために、歯を植付ける手法を選び、欠損した歯を補修する人が多く存在する。従来、歯を植付ける手法では、歯科用セメントを使用して上部構造体(suprastructure)と支台(abutment)との間の隙間に充填し、この歯科用セメントにより上部構造体を支台に固定するのが一般的である。
歯科用セメントを用いて上部構造体を装着する際に、上部構造体の辺縁からセメントが溢れてしまい、それがそのまま硬化してしまうと完全に除去する事は困難とされている。その残余したセメントが、埋め込み体周囲の組織に悪影響を及ぼす。
また、歯科用セメントが硬化してしまうと、上部構造体を支台から取り外しにくくなるが、歯を植え付ける手法で回復した歯の粘膜を貫通する部分への汚れの侵入があるため、同部の清掃が困難となるため、周りの組織に障害が生じやすく、ひいては歯を植付ける手法で回復した歯の使用期間も短くなる虞がある。
一方、もし無理に上部構造体に対して物理的に力を加え、上部構造体を支台から取り外そうとすると、上部構造体の構造や外観を傷つけ、または支台の構造を傷つけてしまう虞がある。
前記に鑑み、必要なときに上部構造体を容易に支台から取り外せる補綴装置を如何に提供するかが、業界で解決すべき課題である。
前記の課題を解決するために、一実施例として、本発明は、支台結合部、並びに、開口および外表面を有する中空チャンバーを有し、歯科用植込み体と結合するための支台と、格納領域および前記格納領域を囲む内側面が設けられた上部構造体と、を含み、前記中空チャンバーの支台壁には、当該支台壁の外表面から外部に突出する樹脂または金属による突起部が設けられており、前記上部構造体を前記支台上に被ぶらせたとき、前記中空チャンバーの前記外表面の前記突起部表面が対向する前記内側面に当接し、さらに突起部の反対側の前記中空チャンバーの前記外表面の一部のエリアが対向する前記上部構造体の前記内側面の一部のエリアに接触することにより、前記上部構造体が着脱可能に前記支台上に装着される、着脱可能な補綴装置を提供する。
前記の課題を解決するために、一実施例として、本発明は、支台結合部と、開口および外表面を有する中空チャンバーとを含み、前記中空チャンバーの支台壁にはネジホールが設けられており、歯科用植込み体と結合するための支台と、格納領域および前記格納領域を囲む内側面が設けられた上部構造体と、上面を有する接触部および誘導部を含むネジ頭と、ネジ山が設けられたネジ棒とを含み、前記誘導部が前記接触部と前記ネジ棒との間に位置しているネジとを備え、前記ネジが前記ネジホール内に設置されているとき、前記ネジが前記上部構造体を貫通することなく、前記ネジ頭の一部が前記中空チャンバーの前記外表面から外部へ突出しており、前記上部構造体を前記支台上に被らせたとき、前記中空チャンバーの前記外表面の一部のエリアが前記上部構造体の前記内側面の一部のエリアに接触し、且つ前記ネジ頭が対向する前記内側面に当接して該内側面へ突出方向の力を与えることにより、前記上部構造体が着脱可能に前記支台上に嵌り込む、着脱可能な補綴装置を提供する。
また、別の実施例として、本発明は、支台結合部と、開口および外表面を有する中空チャンバーとを含み、前記中空チャンバーの支台壁にはネジホールが設けられており、歯科用植込み体と結合するための支台と、格納領域および前記格納領域を囲む内側面が設けられた上部構造体と、を備えた着脱可能な補綴装置に用いられるネジであって、上面を有する接触部および誘導部を含むネジ頭と、ネジ山が設けられたネジ棒とを含み、前記誘導部は、前記接触部と前記ネジ棒との間に位置しており、該ネジが前記ネジホール内に設置されているとき、該ネジが前記上部構造体を貫通することなく、前記ネジ頭の一部が前記中空チャンバーの前記外表面から外部へ突出しており、前記上部構造体を前記支台上に被らせたとき、前記中空チャンバーの前記外表面の一部のエリアが前記上部構造体の前記内側面の一部のエリアに接触し、且つ前記ネジ頭が対向する前記内側面に当接して該内側面へ突出方向の力を与えることにより、前記上部構造体が着脱可能に前記支台上に嵌り込む、ネジを提供する。
前記の実施例によれば、上部構造体を支台上に被らせると、突起部またはネジ頭から上部構造体の内側面への突出方向の力により、上部構造体を着脱可能に支台に嵌め込むことが容易にできるという優れた点がある。
また、前記の実施例によれば、必要なときに上部構造体に対して適切な力を加えるだけで、上部構造体および支台の構造や外観を傷つけることなく、上部構造体を支台から取り外すことができ、補綴装置の周囲の清掃や消毒処理、および上部構造体の修復または交換処理に有利であるという別の優れた点がある。
本発明の更なる利点については、後述の内容および図に基づいてより詳しく説明する。
本発明の一実施例に係る着脱可能な補綴装置を簡略的に示す断面模式図である。 一実施例として図1のネジを簡略的に示す斜視模式図である。 一実施例として図1のネジを簡略的に示す側面模式図である。 一実施例として図1のネジを支台の支台壁に取り付ける方法を簡略的に示す模式図である。 一実施例として図1のネジを支台の支台壁に取り付ける方法を簡略的に示す模式図である。 一実施例として図1のネジを支台の支台壁に取り付ける方法を簡略的に示す模式図である。 一実施例として図1のネジを支台の支台壁に取り付ける方法を簡略的に示す模式図である。 一実施例として図1の着脱可能な補綴装置を歯科用植込み体に固定する方法を簡略的に示す模式図である。 一実施例として図1の着脱可能な補綴装置の維持力の調整方法を示す図である。 一実施例として図1の着脱可能な補綴装置の維持力の調整方法を示す図である。 一実施例として図1の着脱可能な補綴装置の維持力の調整方法を示す図である。 本発明に係る、突起部を有する支台の外観の一例を示す図である。 本発明に係る、突起部を有する支台および上部構造体を有する着脱可能な補綴装置の一例を示す概略透視図である。 樹脂材料により形成される樹脂突起部の形成方法の一例を示す図である。 図14の樹脂突起部の先端部の上面の形状の一例を示す図である。 樹脂材料により形成される樹脂突起部の形成方法の一例を示す図である。 樹脂材料により形成される樹脂突起部の形成方法の一例を示す図である。
〔実施形態1〕
以下、対応する図に基づき、本発明の実施例について説明する。なお、同様または類似の部材若しくは方法プロセスは、図中において同一の符号で表記する。
図1は本発明の一実施例に係る着脱可能な補綴装置100を簡略的に示す断面模式図である。図1に示すように、着脱可能な補綴装置100は、支台(abutment)110と、上部構造体(suprastructure)120と、ネジ(screw)130とを含む。支台110は、歯槽骨(bone)102に嵌め込まれた歯科用植込み体(implant)104と結合するためのものであり、支台結合部(abutment collar)111および中空チャンバー(hollow chamber)112を含む。上部構造体120には、格納領域(receiving region)121、および格納領域121を囲む内側面(inner surface)が設けられている。ネジ130は、ネジ頭(screw head)132およびネジ棒(screw rod)134を含む。本実施例において、支台110の中空チャンバー112は、開口113および外表面114を有する。また、中空チャンバー112の支台壁(abutment wall)115には、ネジホール(screw hole)が設けられている。
図1に示すように、中空チャンバー112の開口113から支台ネジ(abutment screw)140を中空チャンバー112内に入れ、支台結合部111を貫通するように支台ネジ140を歯科用植込み体104にねじ込むことで、支台110を歯科用植込み体104に固定することができる。
以下、図2および図3に基づき、ネジ130の実施形態をさらに説明する。図2は、本発明のネジ130の一実施例を簡略的に示す斜視模式図である。図3は、本発明のネジ130の一実施例を簡略的に示す側面模式図である。
図2および図3に示すように、ネジ頭132は、接触部(contact member)222および誘導部(guiding member)224を含む。接触部222は上面226を有する。誘導部224は、接触部222とネジ棒134との間に位置し、面取り(chamfer)構造を有する。ネジ棒134には、ネジ山(screw thread)230が設けられている。
図2の実施例では、ネジ頭132の接触部222の側面形状は矩形である。また、図2に示すように、ネジ頭132上にさらにツール用スロット(tool slot)228が設けられている。実際の取扱いとして、ツール用スロットの形状は、一字形、十字形、三角形、六角形または星状であってもよく、これらに限定されるものではない。ユーザは、対応のねじ回し等のツールをツール用スロット228に挿入し、ネジ130を前記中空チャンバー112の支台壁115上のネジホールにねじ込むことができる。また、ツール用スロット228は、ネジ130を全体にわたって貫通するように設計されてもよい。これにより、ネジ130を製造する材料の量を節約できる。
図4〜図7は、一実施例として、ネジ130を支台110の支台壁115に取り付ける方法を簡略的に示す模式図である。
図4は、本発明に係る支台110の一実施例を簡略的に示す断面模式図である。本実施例において、支台110の支台結合部111には、支台結合部111を貫通した支台ネジ用ホール(abutment screw hole)416が設けられている。
図5に示すように、ネジ130を支台110の支台壁115に取り付ける前に、中空チャンバー112の支台壁115に予めネジホール517を形成してもよい。実際の取扱いとしては、ネジ130のネジ棒134の長さに応じてネジホール517の深さを決定してもよい。例えば、一部の実施例では、支台壁115を貫通していない止り穴を用いて、ネジホール517を実現してもよい。また、別の実施例では、支台壁115を貫通した開き穴を用いて、ネジホール517を実現してもよい。
そして、図6に示すように、適切な工具を用いてネジホール517内に、サイズおよび形状がネジ130の誘導部224と適合する誘導領域(guiding region)618を形成してもよい。例えば、本実施例としては、誘導領域618は円形であり、誘導領域618の直径がネジ130の誘導部224の直径と同様か、誘導部224の直径よりやや大きく、さらに誘導領域618および誘導部224の両方の直径がネジ棒134の直径よりも大きい。
ネジ130を前記支台壁115のネジホール517に取り付ける際、誘導部224の面取り構造が誘導領域618と適合することにより、ユーザはネジ130をより容易に、より正確にネジホール517内へねじ込むことができ、ネジ130のズレ問題を軽減させることができる。
ネジ130をネジホール517内に設置すると、ネジ頭132の一部が中空チャンバー112の外表面から外部へ突出するようになる。例えば、図7に示すように、ネジ130をネジホール517内に設置すると、誘導部224が誘導領域618内に入り、且つ接触部222が中空チャンバー112の外表面114から外部へ突出するようになる。
上部構造体120を支台110上に被らせると、中空チャンバー112の外表面114の一部のエリアが上部構造体120の内側面122の一部のエリアに接触し、且つネジ頭132が対向する(対向側の)内側面122に当接して該内側面122へ突出方向の力を与えるようになる。これにより、上部構造体120を着脱可能に支台110上に嵌め込むことができる。ここで、突出方向とは、ネジ頭132から対向する内側面122へ向かう方向である。換言すると、突出方向とは、ネジ130が支台壁115の外表面から突出(伸長)している方向である。
例えば、図8は一実施例として、着脱可能な補綴装置100を歯科用植込み体104に固定する方法を簡略的に示す模式図である。上述したように、ユーザは、開口113から支台ネジ140を支台110の中空チャンバー112内に入れ、支台ネジ140を、支台結合部111の支台ネジ用ホール416を貫通するように歯科用植込み体104にねじ込むことで、支台110を歯科用植込み体104に固定することができる。
そして、ユーザが上部構造体120の格納領域121の位置を支台110に合わせ、上部構造体120を支台110の方向へ押し込んで支台110上に被らせるだけで、中空チャンバー112の外表面114の一部のエリアと、上部構造体120の内側面122の一部のエリアとが接触する。このとき、ネジ頭132の接触部222が対向する格納領域121の内側面122に当接し、該内側面122へ突出方向の力を与える。これにより、中空チャンバー112の外表面114と上部構造体120の内側面122との間の摩擦力、およびネジ頭132の接触部222と格納領域121の内側面122との間の摩擦力により、簡単に上部構造体120を着脱可能に支台110上に嵌め込むことができる。
そして、後に上部構造体120と支台110とを分離する必要がある場合には、ユーザが上部構造体120に適切な力を加え、支台110から離れる方向へ押し上げれば、上部構造体120と支台110およびネジ130との間の摩擦力を克服することができるため、上部構造体120および支台110の構造や外観を傷つけることなく、上部構造体120と支台110とを分離させることができる。
したがって、ネジ130を利用し上部構造体120を支台110に嵌め込む上述した形態によれば、着脱可能な補綴装置100周囲の組織の清掃、消毒や治療、着脱可能な補綴装置100と隣接の歯106との隙間の清掃や治療、さらに上部構造体120の修復や交換が容易になる。
なお、上部構造体120が支台110上に嵌り込んでいる状態のときは、ネジ130のネジ頭132が上部構造体120の格納領域121の内側面に当接するのみで、ネジ130が上部構造体120を貫通することはない。したがって、ネジ130が上部構造体120から外部に露出することはなく、上部構造体120の構造および完整性を損なうこともない。
また、前記ネジ130の機能は、どんな形状、サイズのネジを用いても実現できるものではない。実際では、異なる支台と上部構造体との間においてより幅広く応用するためには、ネジ130の形状やサイズについて特定の設計を行う必要がある。以下は、ネジ130の実施形態についてさらに説明する。
実際の取扱いとしては、前記支台ネジ140の着脱の邪魔にならないように、ネジ130のネジ棒134の長さを適切に設計する必要がある。
例えば、一部の実施例において、ネジ棒134の長さを、中空チャンバー112の内径の半分よりも小さくなるように設計してもよい。
また、別の実施例において、ネジ棒134の長さを、中空チャンバー112の支台壁115の厚みよりやや小さくなるように設計してもよい。
さらに、一部の実施例において、ネジ棒134の長さを、中空チャンバー112の支台壁115の厚みの150%よりも小さくなるように設計してもよい。
本発明者は、複数回の実験により、ネジ棒134の長さを0.5mm(millimeter)〜3.5mmの範囲となるように設計することで、多種の従来支台の構成にも適用でき、最も幅広く応用できることを見出した。
また、ネジ棒134上のネジ山の輪数(thread turns)やピッチを適宜設計し、ネジ130を前記支台壁115のネジホール517にねじ込むときの安定性を高めてもよい。ネジ山230を誘導部224に近い部分まで作ることにより、薄い支台壁115(例えば、0.3mm)に対してもネジ130を固定することができる。
例えば、測定により、ネジ棒134上のネジ山の輪数を1.5〜6の範囲とすれば、ネジ130とネジホール517との密接性を効率よく高めることができると共に、ネジホール517の雌ねじ部の破損を防止できることが分かった。これにより、ネジ130の使用期間が長くなる。
また、ネジ棒134上のネジ山のピッチを0.1mm〜1.0mmの範囲とすれば、同様に、ネジ130とネジホール517との密接性を効率よく高めることができると共にネジホール517の雌ねじ部の破損を防止できる。
また、実際の取扱いとしては、良好な嵌め込み効果を得るようにネジ頭132の直径を0.5mm〜3.0mmの範囲とすることが好ましい。
なお、或る実施例において、ネジ130は、ピッチが0.2mmであり、長さが0.5mmであり、太さが1.6mmであり、ネジ頭132の直径が1.8mmである。また、ネジ130には、ネジ棒134からネジ頭132への移行には高さ0.1mmの幅で90°のカウンターシンクをつけている。また、ネジ130には、ネジ130を貫通するヘックスのドライバーホールが設けられており、ドライバーによってフリクションでピックアップできる様に設計されている。
また、ネジ130の材料は、金属(例えば、チタン合金)または樹脂であってよい。
なお、上述した実施例における支台110の形状は、実施例の例示的なものでしかすぎず、本発明の実際の実施形態を限定するものではない。例えば支台110の外形、または中空チャンバー112の形状やサイズは、実際の必要に応じて調整することができる。
上述したように、ユーザが、上部構造体120の格納領域121の位置を支台110に合わせ、上部構造体120を支台110の方向へ押し込んで支台110上に被らせるだけで、中空チャンバー112の外表面114と上部構造体120の内側面122との間の摩擦力、およびネジ頭132の接触部222と格納領域121の内側面122との間の摩擦力により、簡単に上部構造体120を着脱可能に支台110上に嵌め込むことができる。
そして、後に上部構造体120と支台110とを分離する必要がある場合には、ユーザが上部構造体120に適切な力を加え、支台110から離れる方向へ押し上げるだけで、上部構造体120および支台110の構造や外観を傷つけることなく、上部構造体120と支台110とを分離させることができる。
したがって、ネジ130を利用し上部構造体120を支台110に嵌め込む上述した形態によれば、着脱可能な補綴装置100周囲の組織の清掃、消毒や治療、着脱可能な補綴装置100と隣接の歯106との隙間の清掃や治療、さらに上部構造体120の修復や交換が容易になる。
また、上述した一部の実施例において、ネジ頭132の接触部222の側面の形状を矩形として設計したが、これらの設計形式は単なる設計事項ではなく、測定により見出されたものである。すなわち、これらの設計形式によれば、ユーザに多くの応用余地が与えられるため、ユーザは実際の必要に応じて接触部222の形状を適宜調整することで、上部構造体120の格納領域121の形状や、上部構造体120と支台110との隙間の大きさにより適合した応用ができ、上部構造体120と支台110との嵌め込み効果を向上させることができる。
上述したネジ130の構成は、異なる構造の種々の支台に適用でき、非常に幅広い応用余地がある。
さらに、前記ネジ130は、上部構造体120の格納領域121内に隠れており、上部構造体120から外に露出しないため、上部構造体120から守られ、破損や錆が生じにくい。これにより、着脱可能な補綴装置100の使用期間が効率よく長くなる。
また、前記ネジ130が上部構造体120から外に露出しないため、審美性を損なうことや、患者に口腔内の異物感をもたらすこともなく、義歯の使用の快適さを改善できる。
なお、上部構造体120のフレームの材質は、金属、ジルコニア等のセラミック、または樹脂であってよい。例えば、上部構造体120のフレームは、CAD(computer aided design)−CAM(computer aided manufacturing)技術などによって製造されてもよく、この場合、上部構造体120のフレームの材質としては、CAD−CAM技術に適用可能な材質の中から所望の材質を選択すればよい。
次に、支台110と上部構造体120との適合性およびそれらの間に働く維持力について説明する。
本実施形態では、支台壁115にネジ130を取り付けて、支台壁115に突起部を実現しているため、ネジ130のネジ頭132の一部または全部を削合することにより、突起部であるネジ130と、上部構造体120のネジ130に対向する内側面122との適合性を向上させたり、維持力を調整したりすることができる。また、本実施形態では、ネジ130を逆回転(支台壁115からネジ130を取り外す方向)させることにより、ネジ頭132の突出度を調整することができる。この逆回転によっても、適合性の向上および維持力の調整を行うことができる。なお、ネジ頭132の削合またはネジ130の逆回転は、ネジ130の反対側の支台壁115と上部構造体120の内側面122との適合性および維持力にも影響する。そのため、ネジ130の反対側の支台壁115と上部構造体120の内側面122との適合性を向上させたり、維持力を調整したりするために、ネジ頭132の削合またはネジ130の逆回転を行う場合がある。
次に、図9〜11に基づいて、維持力の調整方法の具体例について説明する。
図9に示す実施例においては、ネジ130を支台壁115に取り付ける前に、上部構造体120を製作する。また、図9に示す実施例は、支台壁115が十分な厚み(例えば、約2mm)を有している場合である。
この場合、ネジホール517の開口部が平面になるように、支台壁115にネジホール517を形成する。そして、図9(a)に示すように、ネジ130の中心をネジホール517の開口部の中心に合わせて、支台壁115の外表面からネジ130の1/4から1/2程度突出するようにネジ130を設置する。
その後、図9(b)に示すように、ネジ130のネジ頭132(接触部222)を削合して、上部構造体120の内側面122との適合性および維持力を調整する。
図9に示す例では、維持力の強さが低下した場合は、ネジ130を逆回転してネジ130の突出度を調整することにより、維持力の強さを回復することができる。
図10に示す実施例においては、ネジ130を支台壁115に取り付ける前に、上部構造体120を製作する。また、図10に示す実施例は、支台壁115が十分な厚みを有していない場合である。
この場合、図10(a)に示すように、支台壁115の外表面からネジ130の1/4から1/2程度突出するように、ネジ130を支台壁115の曲面に対して設置する。極めて支台壁115の厚みが薄い場合は、ネジ130のネジ棒134のみを支台壁115内に入れる。
その後、図10(b)に示すように、ネジ頭132(接触部222または接触部222および誘導部224)を削合し、ネジ頭132の形状を支台壁115の形状に合わせて、上部構造体120の内側面122との適合性および維持力を調整する。
なお、図10に示す例では、維持力の強さが低下した場合は、ネジ130の逆回転による調整は困難であり、ネジ130自体を交換して維持力を調整する。
図11に示す例では、支台壁115に対し、理想的に垂直にネジ130を設置して、ネジ頭132の上面と支台壁115の外表面とが同一平面になる場合である(図11(a))。この場合、ネジ130を支台壁115に取り付けた後に、上部構造体120を製作する。
この場合、ネジ130を逆回転させることのみで、ネジ130の突出度を調整し、維持力の強さを調整することができる(図11(b))。この場合、ネジ頭132の削合をする必要はないが、支台壁115の正確な位置にネジ130を設置することが必要となる。なお、支台壁115の正確な位置とは、支台壁115の表面に対してネジ130の軸が垂直に設置されており、該支台壁115の表面とネジ頭132の上面とが一致していることである。
なお、現実的には、上部構造体120の装着方向の調整が必要となり、支台壁115の角度の補正が必要となることが多いため、既製品としてネジ130設置済みの支台110を作成しても、上部構造体120の装着方法の調整が必要となる。
ただし、CAD−CAM等による支台110の精密な製作が可能となり、平面およびネジホール517を支台壁115に厳密に形成できるようになれば、この実施例の応用範囲は広くなる。例えば、インプラント埋入後にCAD−CAMや鋳造等によって、角度補正をした支台110を製作し、支台壁115の表面及びネジホール517を支台壁115に厳密に形成すれば、この実施例の応用範囲は広くなる。
このように、支台壁115にネジホール517を形成することができれば、ネジ130を用いて支台110に突起部を形成することができる。そのため、通常、金属製の支台110にネジ130が取り付けられるが、セラミック等の非金属無機材料製の支台110にも、ネジホール517を形成することができれば、適用可能である。
また、ネジ130による突起部の形成方法(スクリュー法)は、金属製、セラミック等の非金属無機材料製、または樹脂製の上部構造体120に応用が可能である。
また、ネジ130による突起部の形成方法は、ネジ130の支台110への設置をシステム化することでき、維持力の調整が容易である。また、ネジ130を逆回転するもしくは交換することにより、摩擦による維持力の強さを回復することができる。また、ネジ130である突起部の摩擦による維持力の安定性は、後述の樹脂で形成された突起部より高い。また、ネジ130が緩んだ場合、締め直すことによって容易に維持力の強さを調整することができる。
なお、既製品の支台110、および、CAD−CAMや鋳造等によって患者の個々の状態に合わせて製作した既製品でない支台110にも、ネジ130は応用できる。ネジ130の材質は、金属でもセラミック等の非金属無機材料製でも可能である。
例えば、支台110の材料は、一般的な既製品で用いられている、チタンまたはチタン合金等の金属であってよい。その他、例えば、既製品でない支台110に用いられている、鋳造による金属製の支台110、CAD−CAMによる金属製の支台110、ジルコニアなどのセラミック製(非金属無機材料製)、または樹脂製の支台110を適用することもできる。
〔本発明の概要〕
ここで、改めて本発明の概要について図12および図13に基づいて説明する。図12は、突起部2を有する支台1の外観を表す図であり、(a)は突起部2に対して側面側から見た図であり、(b)は突起部2に対して正面側から見た図である。図13は、突起部2を有する支台1に上部構造体3を装着した補綴装置10の概略透視図であり、(a)は補綴装置10の側面側から見た透視図であり、(b)は補綴装置10上方から見た透視図である。
図12に示すように、本発明は、支台1の外表面に突起部2を有することを特徴とする。この突起部2により、支台1と上部構造体との間に摩擦力が生じ、支台1と上部構造体との適合性および維持力を調整することにより、支台から上部構造体を着脱可能な補綴装置を実現することができる。
突起部2は、支台1の外表面から突出方向に突出するものである。突起部2の突出量は、支台1と上部構造体との適合性に応じて適宜設計する。例えば、突起部2は支台1の外表面から10μm〜100μm程度突出している。突起部2の材質は、樹脂または金属である。
図13に示すように、支台1を覆うように上部構造体3を装着する。これにより、突起部2の先端部と、突起部2に対向する上部構造体3の内側面とが強く接触する。その強い接触により、上部構造体3が突出方向(図13の矢印の方向)に若干移動する。支台1の突起部2がある側面の反対側の側面と、当該反対側の側面に対向する上部構造体3の内側面とが強く接触する。突起部2と突起部2に対向する上部構造体3の内側面との接触、および、突起部2と反対側の側面と、当該反対側の側面に対向する上部構造体3の内側面との接触により、摩擦による維持力が発生し、支台1を覆うように上部構造体3を固定することができる。
このように歯科用セメントを用いることなく、上部構造体3を支台1に装着することができる。そのため、上部構造体3を固定する維持力を適正に調整することにより、支台1から上部構造体3を外したいときに簡単に外すことができる、着脱可能な補綴装置を実現することができる。
また、本発明の構成により、上部構造体3が破損した場合、上部構造体3を簡単に除去して、口腔外において上部構造体3を修復することができる。また、上部構造体3のサブジンジバルカントア部(歯肉縁下部)の粘膜の状態を直視で観察することができる。また、サブジンジバルカントア部のクリーニングと管理を容易に行うことができる。
また、本発明では、歯科用セメントを用いないため、上部構造体3のサブジンジバルカントア部を容易に製作することができる。また、支台1のカラー部の高さを可及的に低くすることができるため、既製品の支台1を使用することができる。
また、本発明では、歯科用セメントを用いないため、支台1のカラー部の高さを可及的に低くすることが可能で、既製品の支台1を使用することができる。さらに、上部構造体3のサブジンジバルカントア部を容易に製作することができる。
また、上部構造体3のサブジンジバルカントア部を白色の材料で製作することができるため、サブジンジバルカントア部を金属で製作した場合に問題となる、歯肉色の変化がおこらない。
〔実施形態2〕
実施形態1では、ネジ130によって突起部を実現したが、本実施形態では、樹脂材料により突起部5を形成する。
具体的には、図14(a)に示すように、支台壁4の外表面上に、支台壁4を貫通しない窩洞を形成し、その窩洞の中に樹脂を充填させて、支台壁の外表面から樹脂を突出させて、樹脂突起部5を形成する。
突起部5を形成するための樹脂の維持を確実にするために、次の(1)もしくは(2)のどちらか一方、または両方を実施する。(1)穴の壁にサンドブラスト処理、または、支台で使用されている材料(金属または樹脂)に対応したプライマーにより、突起部5を形成するための樹脂と、支台との接着をはかる。(2)突起部5を形成するための樹脂を維持するために、図14(b)〜(d)に示すように、アンダーカットを形成する。
本実施形態において、支台の材質は、一般的な既製品で用いられている、チタンまたはチタン合金等の金属であってよい。その他、既製品でない支台に用いられている、鋳造による金属製の支台、CAD−CAMによる金属製の支台、ジルコニアなどのセラミック製(非金属無機材料製)の支台を適用することもできる。
樹脂突起部5の先端部の上面の形状は、任意でよく、例えば、図15に示すように、円形(図15(a))、楕円形(図15(b))、三角形(図15(c))、四角形(図15(d))、五角形(図15(e))、面取り四角形(図15(f))等であってよい。また、先端部の上面の幅(例えば、図15(a)の円形の直径)は、2mm程度が応用しやすい大きさである。
また、図16に示すように、樹脂突起部5は、支台壁4の平面部分または曲面部分に形成される。樹脂突起部5の先端部の形状は、形成される支台壁の形状に合わせる。
樹脂突起部5による維持力の調整について図17に基づいて説明する。なお、適切な内側面および接触部の適合性を有する上部構造体を事前に製作する。
まず、図17(a)に示すように、支台壁4の外表面上に窩洞40を形成する。そして、図17(b)に示すように、窩洞40に樹脂を充填して、樹脂突起部5を形成する。樹脂突起部5の先端部は支台壁4の外表面より突出させる。最後に、図17(c)に示すように、支台に上部構造体を装着したときに、支台と上部構造体との適合性を向上させ、摩擦による適切な維持力が得られるように、樹脂突起部5の先端部の一部50を削合する。
樹脂突起部5の支台6(支台壁4)からの突出量、突出している部分の形状、および、樹脂突起部5の先端部上面と上部構造体7の内側面との接触面積等を適宜設計することにより、図17(d)に示す矢印方向の力に対抗する維持力の強さを調整することができる。また、樹脂突起部5と反対側の支台6の側面と上部構造体7の内側面との接触状態も維持力に影響を与える。
樹脂材料により突起部5を形成する方法(樹脂突起法)は、金属製またはセラミック等の非金属無機材料製の支台に適用することができる。また、本方法は、金属製またはセラミック等の非金属無機材料製の上部構造体に適用することができる。また、本方法は、維持力の調整が容易である。また、本方法では、樹脂突起部5を再製作することにより、維持力の回復が可能である。本方法において、摩擦による維持力の安定性は、樹脂突起部5の先端部の上面の耐摩耗性に依存する。樹脂の劣化も考慮すると、長期的な安定性の獲得が困難な場合もある。しかしながら、樹脂突起部5を再製作することにより、維持力の回復は可能である。
〔実施形態3〕
実施形態2では、樹脂材料によって突起部を実現したが、本実施形態では、金属材料により突起部を形成する。
具体的には、支台壁に以下の方法で突起部を形成する。
まず、金属製の支台の素材金属に適合する金属ロウを支台壁上に流し、金属突起部を形成する。または、金属製の支台の素材金属の薄い箔を、支台壁の外表面上に溶接する(例えば、レーザー溶接、電気溶接等)。金属突起部を形成した後、金属突起部の先端部を削合して、上部構造体の内側面との適合性を向上させ、摩擦による維持力を調整する。
金属材料により突起部を形成する方法(金属突起法)は、金属製の支台にのみ適用が可能である。また、本方法は、金属製またはセラミック等の非金属無機材料製の上部構造体に適用することができる。本方法では、金属突起部を再製作することにより、摩擦による維持力の強さを回復することができる。本方法では、摩擦による維持力の安定性は、実施形態2に係る方法より高い場合がある。
なお、本方法は、金属ロウを流して金属突起部を形成するときの金属突起部の形態的な制御が困難である。また、本方法は、特殊な溶接器具が必要である。
〔変形例〕
上記の各実施形態において、突起部の基底部分にスプリング等を設置して、弾性をもたせ、突起部に対応する上部構造体の内面に、突起部がはまり込む凹部を製作し、突起部をその凹部にはめ込む様にしてもよい。
あるいは反対に、上部構造体の内面の方に突起を製作し、支台の方には、該突起部に対応する凹部を製作することによって、同様の効果を得ることができる。
まず、上部構造体の内面に陥凹部を製作し、該陥凹部に樹脂などを流し、その樹脂を用いて突起を製作(形成)してもよい。なお、上部構造体の材質は、金属製、ジルコニアなどのセラミック製(非金属無機材料製)、または樹脂製などであってもよい。この方法は、金属製の支台、ジルコニアなどのセラミック製(非金属無機材料製)の支台、樹脂製の支台などの全ての支台に適用可能である。
あるいは、金属製の上部構造体の内面に、金属ロウ、レーザー溶着を用いて突起を製作してもよい。なお、この方法も、金属製の支台、ジルコニアなどのセラミック製(非金属無機材料製)の支台、樹脂製の支台などの全ての支台に適用可能である。
なお、上記の各実施形態では、突起部の個数は1つであるが、突起部が複数あってもよい。
上記のような、突起部と凹部とのはめ込み(嵌合)ではなく、スクリューベースを利用する方法(スクリューベース法)を用いてもよい。ここで、スクリューベースとは、スクリュー(ネジ)が装着できるフレームである。
スクリューベースの形状は、上部から見ると環形であり、その直径はスクリューより大きい。スクリューベースを側方から見たときの形状は、上部幅より基底部の幅が狭くなっている。スクリューベースの側面には、サンドブラスト処理が行われていてもよく、この処理を行うことによって、スクリューベースの接着性を向上させることができる。
スクリューベースは金属製であってもよいし、セラミック等の非金属無機質製であってもよいし、樹脂製であってもよい。
スクリューベース法を用いる場合、まず、(1)支台壁面にスクリューベースの形態に合わせた、ベースホールを形成する。次に、(2)ベースホールにスクリューベースを接着する。なお、(1)において形成したベースホールの壁面に対し、サンドブラスト処理などを行い、スクリューベースの物理的な接着性能を向上させることが好ましい。あるいは、支台の材質に応じて、ベースホールの壁面にエッチングやプライマーなどによる表面処理を行い、接着性レジンセメントの接着性を向上させてもよい。一方、スクリューベースの側面にも、ベースホールの壁面に行った処理と同様の表面処理を行う。そして、接着性レジンセメントを用いて、スクリューベースを、支台に形成したベースホールに接着する。最後に、(3)スクリューをスクリューベースに装着し、着脱可能な補綴装置の維持力の調整を行う。
このようにスクリューベース法を利用すれば、容易に上部構造体を支台に取り付けることができる。また、スクリューベース法を利用すれば、支台壁にスクリュータップを形成する必要性がないため、スクリュータップを形成することができない材料(ジルコニアなどのセラミックなど)からなる支台壁に対しても、スクリューを用いて支台に上部構造体を取り付けることができる。
なお、スクリューおよびスクリューベースは、金属、セラミック等の非金属性無機物、樹脂などの材料を用いて製作されていてもよい。また、スクリューおよびスクリューベースは、金属製、セラミック等の非金属性無機物製、または樹脂製などの支台壁に対して適用可能である。ただし、スクリューベース法を利用して上部構造体を支台に取り付ける場合、スクリューベースと、支台に形成したベースホールとの接着に依存しているため、その接着の耐久性が問題となる場合がある。
〔補足〕
本明細書および特許請求の範囲において特定の素子を指す用語が使用されているが、同様の素子に対して異なる名詞で称呼する場合もあることは、当業者であれば理解できる。本明細書および特許請求の範囲は、名称の相違で素子を区別するものではなく、素子の機能的相違を区別の基準としている。本明細書および特許請求の範囲に記載の「含む」とは、開放的意味を持つ用語として、「含むが、これに限定されない」と解釈されるべきである。また、「結合」とは、直接、または間接的な任意の接続手段を含む。したがって、「第1素子が第2素子と結合する」のような表現は、第1素子が、電気的接続、または無線的伝送や光学的伝送などの信号接続形態により直接に第2素子と接続するか、その他の素子または接続手段を介して間接的に第2素子と電気的または信号的に接続することを意味する。
また、「および/または」という表現は、これらのいずれか1つ、またはこれらの複数個からなる組み合わせを含む。また、特段な説明がない限り、本明細書において単数として用いる全ての用語は、複数である意味も含む。
また、本明細書および特許請求の範囲に記載の用語「素子」(element)は、構成部材(component)、層構造(layer)または領域(region)の概念を含む。
また、実施例の内容をより明確に示すために、図中の一部の素子のサイズや相対的大きさを拡大し、または一部の素子の形状を簡略化することがあるが、特段な説明がない限り、図中の素子の形状、サイズ、相対的大きさおよび相対位置は、あくまでも説明の便宜上のものであり、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。また、本発明は、種々の異なる形式で表現でき、本明細書に示された実施例形態のみに基づいて解釈されるべきものではない。
また、説明の便宜上、本明細書において例えば「…上に」、「…の上方において」、「…下に」、「…の下方において」、「…よりも高い」、「…よりも低い」、「上へ」、「下へ」など、空間内の相対的位置に関する表現を用いて、図中の素子の機能、または該素子と他素子との空間的相対関係について説明する場合がある。しかし当業者であれば、空間内の相対的位置に関するこれらの表現は、図中の当該素子の指向関係(orientation)のみならず、該素子の使用時、動作時または実装時における種々の指向関係も含むことを理解できる。例えば、図面の上下を反転すれば、「…上に」を用いて表現した素子は「…下に」となる。したがって、本明細書において用いられた「…上に」のような表現は、その解釈に「…上に」および「…下に」の2種類の指向関係が含まれる。同様に、本明細書において用いられた「上へ」のような表現は、その解釈に「上へ」および「下へ」の2種類の指向関係が含まれる。
また、本明細書および特許請求の範囲において、「第1素子が第2素子上に位置する」、「第1素子が第2素子の上方にある」、「第1素子が第2素子と連結、接合、結合する」、または「第1素子が第2素子に接する」のような表現は、「第1素子が直接に第2素子上に位置する」、「第1素子が直接に第2素子と連結、接合、結合する」、または「第1素子が直接に第2素子に接する」の意味であってもよく、「第1素子と第2素子との間に他の素子が存在する」の意味であってもよい。これに対し、「第1素子が直接に第2素子上に位置する」、「第1素子が直接に第2素子と連結、接合、結合する」、または「第1素子が直接に第2素子に接する」のような表現は、「第1素子と第2素子との間に他の素子が存在しない」の意味になる。
以上に説明したものは、本発明のより好ましい実施例でしかすぎない。本発明の請求項に対して均等的な変更および限定を施した後の構成も、本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、種々の従来支台の構成にも適用でき、最も幅広く応用できる。また、異なる構造の種々の支台に適用でき、非常に幅広い応用余地がある。
1・・・支台
2・・・突起部
3・・・上部構造体
4・・・支台壁
5・・・樹脂突起部
6・・・支台
7・・・上部構造体
10・・・補綴装置
40・・・窩洞
100・・・着脱可能な補綴装置
102・・・歯槽骨
104・・・歯科用植込み体
106・・・歯
110・・・支台
111・・・支台結合部
112・・・中空チャンバー
113・・・開口
114・・・外表面
115・・・支台壁
120・・・上部構造体
121・・・格納領域
122・・・内側面
130・・・ネジ
132・・・ネジ頭
134・・・ネジ棒
140・・・支台ネジ
222・・・接触部
224・・・誘導部
226・・・上面
228・・・ツール用スロット
230・・・ネジ山
416・・・支台ネジ用ホール
517・・・ネジホール
618・・・誘導領域

Claims (20)

  1. 支台結合部と、開口および外表面を有する中空チャンバーとを含み、前記中空チャンバーの支台壁にはネジホールが設けられており、歯科用植込み体と結合するための支台と、
    格納領域および前記格納領域を囲む内側面が設けられた上部構造体と、
    上面を有する接触部および誘導部を含むネジ頭と、ネジ山が設けられたネジ棒とを含み、前記誘導部が前記接触部と前記ネジ棒との間に位置しているネジと、を備えており、
    前記ネジが前記ネジホール内に設置されているとき、前記ネジが前記上部構造体を貫通することなく、前記ネジ頭の一部が前記中空チャンバーの前記外表面から外部へ突出しており、
    前記上部構造体を前記支台上に被ぶらせたとき、前記中空チャンバーの前記外表面の一部のエリアが前記上部構造体の前記内側面の一部のエリアに接触し、且つ前記ネジ頭が対向する前記内側面に当接して該内側面へ突出方向の力を与えることにより、前記上部構造体が着脱可能に前記支台上に嵌り込む、着脱可能な補綴装置。
  2. 前記ネジホール内には、形状が前記誘導部と適合する誘導領域が設けられており、
    前記ネジが前記ネジホール内に設置されているとき、
    前記誘導部が前記誘導領域内に位置し、且つ、前記接触部が前記中空チャンバーの前記外表面から外部へ突出しており、
    前記中空チャンバーの前記外表面の一部のエリアが前記上部構造体の前記内側面の一部のエリアに接触しているとき、
    前記接触部が対向する前記内側面に当接して該内側面へ突出方向の力を与える、請求項に記載の着脱可能な補綴装置。
  3. 前記接触部の側面の形状が矩形である、請求項に記載の着脱可能な補綴装置。
  4. 前記ネジ棒の長さが前記中空チャンバーの内径の半分よりも小さい、請求項に記載の着脱可能な補綴装置。
  5. 前記ネジ棒の長さが前記中空チャンバーの前記支台壁の厚みよりも小さい、請求項に記載の着脱可能な補綴装置。
  6. 前記ネジ棒の長さが前記中空チャンバーの前記支台壁の厚みの150%よりも小さい、請求項に記載の着脱可能な補綴装置。
  7. 前記ネジ棒の長さは0.5mm〜3.5mmの範囲である、請求項に記載の着脱可能な補綴装置。
  8. 前記ネジ棒上のネジ山の輪数は1.5〜6の範囲である、請求項に記載の着脱可能な
    補綴装置。
  9. 前記ネジ棒上のネジ山のピッチは0.1mm〜1.0mmの範囲である、請求項に記載の着脱可能な補綴装置。
  10. 前記ネジ頭の直径は0.5mm〜3.0mmの範囲である、請求項に記載の着脱可能な補綴装置。
  11. 支台結合部と、開口および外表面を有する中空チャンバーとを含み、前記中空チャンバーの支台壁にはネジホールが設けられており、歯科用植込み体と結合するための支台と、格納領域および前記格納領域を囲む内側面が設けられた上部構造体と、を備えた着脱可能な補綴装置に用いられるネジであって、
    接触部および誘導部を含むネジ頭と、ネジ山が設けられたネジ棒とを含み、
    前記接触部は、上面を有し、
    前記誘導部は、前記接触部と前記ネジ棒との間に位置しており、
    該ネジが前記ネジホール内に設置されているとき、
    該ネジが前記上部構造体を貫通することなく、前記ネジ頭の一部が前記中空チャンバーの前記外表面から外部へ突出しており、
    前記上部構造体を前記支台上に被らせたとき、
    前記中空チャンバーの前記外表面の一部のエリアが前記上部構造体の前記内側面の一部のエリアに接触し、且つ前記ネジ頭が対向する前記内側面に当接して該内側面へ突出方向の力を与えることにより、前記上部構造体が着脱可能に前記支台上に嵌り込む、ネジ。
  12. 前記ネジホール内には、形状が前記誘導部と適合する誘導領域が設けられており、
    該ネジが前記ネジホール内に設置されているとき、
    前記誘導部が前記誘導領域内に位置し、且つ、前記接触部が前記中空チャンバーの前記外表面から外部へ突出しており、
    前記中空チャンバーの前記外表面の一部のエリアが前記上部構造体の前記内側面の一部のエリアに接触しているとき、
    前記接触部が対向する前記内側面に当接して該内側面へ突出方向の力を与える、請求項11に記載のネジ。
  13. 前記接触部の側面の形状が矩形である、請求項12に記載のネジ。
  14. 前記ネジ棒の長さが前記中空チャンバーの内径の半分よりも小さい、請求項11に記載のネジ。
  15. 前記ネジ棒の長さが前記中空チャンバーの前記支台壁の厚みよりも小さい、請求項11に記載のネジ。
  16. 前記ネジ棒の長さが前記中空チャンバーの前記支台壁の厚みの150%よりも小さい、請求項11に記載のネジ。
  17. 前記ネジ棒の長さは0.5mm〜3.5mmの範囲である、請求項11に記載のネジ。
  18. 前記ネジ棒上のネジ山の輪数は1.5〜6の範囲である、請求項11に記載のネジ。
  19. 前記ネジ棒上のネジ山のピッチは0.1mm〜1.0mmの範囲である、請求項11に記載のネジ。
  20. 前記ネジ頭の直径は0.5mm〜3.0mmの範囲である、請求項11に記載のネジ。
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