JP2001224604A - 歯科用磁性アタッチメント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 顎堤の互いに離れた位置にある人工歯根及び
／又は天然歯根より成る少なくとも２本の支台歯間に上
部構造体として張り渡される顎堤面と反対側に横断面が
凸である曲線を描くようにされているバー状メール部材
に、オーバーデンチャーを磁力により装着，保持させる
ための歯科用磁性アタッチメントを提供する。 【解決手段】 互いに当接する面において一方が凸状曲
面をなし他方が該凸状曲面と同一半径の凹状曲面をなす
ようにされている磁石構造体１とキーパー２とから成
り、該磁石構造体１又は該キーパー２の一方がフィメー
ル部の所定位置に固着され、他方が該フィメール部に固
着されたキーパー２又は磁石構造体１の相対する位置に
おいてバー状メール部材のバー状部材3bに埋入固着され
るように歯科用磁性アタッチメントを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、歯科補綴物として
のオーバーデンチャーを口腔内に装着する際に使用す
る、残存歯がある場合にはこれを天然歯根として利用し
また完全無歯顎の場合には顎骨に植立された歯科用イン
プラントフィクスチャーを人工歯根として利用して固定
されるバー状メール部材と、このバー状メール部材に対
して磁力により吸着されその位置が保持されるようにさ
れているフィメール部とから成る歯科用磁性アタッチメ
ントに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より歯牙を完全に喪失した補綴治療
としては、口腔粘膜に義歯床を密着させて維持させるフ
ルデンチャー（全部床義歯）が用いられてきている。そ
して、このフルデンチャーにおいては、咀嚼圧の負担が
前歯部咀嚼の場合も臼歯部咀嚼の場合も義歯床裏面に接
する口腔粘膜で行われるのである。従って、このような
フルデンチャーが長期に亘って使用された場合には、口
腔粘膜に圧痕や歪みが生じたり顎堤がやせたりすること
で義歯床裏面と口腔粘膜との密着状態が不良になり、し
かしてこのフルデンチャーが口腔粘膜から外れ易くなっ
てしまうという欠点があった。

【０００３】そこで、前述したような歯牙を喪失した場
合のフルデンチャーによる欠点を解消するために、残存
歯がある場合には互いに離れた位置にある少なくとも２
本の残存歯の歯根内にポストを埋入して、また完全無歯
顎の場合には所定の間隔を空けて顎骨に植立された２本
のインプラントフィクスチャーに固定されるゴールドシ
リンダーに鋳接して、上部構造体として張り渡されるバ
ー状部材を固定し、このバー状部材と義歯床の裏面に固
定した係合用凹部材との組み合わせにより義歯床を口腔
内に固定するようにされているオーバーデンチャーが近
年使用されるようになってきた。

【０００４】このようなバー状部材と係合用凹部材とか
ら成るバーアタッチメントを利用したオーバーデンチャ
ーにおける咀嚼圧は、前歯部咀嚼の場合には、バー状部
材が固定されている天然歯又はインプラントフィクスチ
ャーから成る人工歯根で主に負担されることになる。ま
た、臼歯部咀嚼の場合には、主に歯肉粘膜で負担される
が歯肉粘膜に圧力（荷重）が加わると歯肉粘膜に被圧変
位が生じるため、結果的にオーバーデンチャーはバー状
部材を中心とした回転運動に近似した動作を示すことに
なる。この際、残存歯又はインプラントフィクスチャー
にはこの動作が影響を及ぼさないように、通常は係合用
凹部材が係合されても抜け落ちることはないがその動作
を妨げることがないように互いの当接面は滑らかな曲線
を描き、そして顎堤とは反対側が凸面を成すようにされ
ているバー状部材の断面形状は蒲鉾状又は卵状の形状に
されているのが一般的である。

【０００５】しかしながら、このようなバーアッタチメ
ントを利用したオーバーデンチャーは、バー状部材と義
歯床の裏面に固定した係合用凹部材とが前述したように
機械的に当接係合されるものであるため、これを係合さ
せるのに力を要するばかりでなく長期に亘り繰り返され
る咀嚼及び着脱によりその当接部位に変形や摩耗が発生
してその維持機能の低下を来す等の欠点があったのであ
る。

【０００６】一方、最近このようなバーアタッチメント
を利用したオーバーデンチャーの他に、着脱の容易性，
清掃性，耐久性等の有利性から義歯床の維持に磁石吸引
力を利用する歯科用平面磁性アタッチメントが用いられ
るようになってきた。この歯科用平面磁性アタッチメン
トは、磁石体と磁性材料構造体とで磁気回路を構成する
ようにされていて、磁石体又は磁性材料構造体のどちら
か一方が支台歯又はインプラントフィクスチャーに固定
され、他方が義歯床の裏面に固定されて互いの平面が密
着する構成のオーバーデンチャーと成すためのものであ
る。

【０００７】しかしながら、この歯科用平面磁性アタッ
チメントにおける磁石体及び磁性材料構造体の当接面は
文字通り平面状であるので、吸引力を獲得するには最適
条件化されている。しかし、オーバーデンチャーは咀嚼
により負荷を受けるとその負荷を受けた部位の歯肉に被
圧変位を発生させるため、その被圧変位が発生した部位
が沈み込むことになるが、歯科用平面磁性アタッチメン
トはその当接面が平面状であるため接触状態を維持しな
がら回転することができない。従って、咀嚼部位とは反
対側の当接面がシーソーのように浮き上がってしまい、
吸着力が減少したり当接面が損傷するという問題が生じ
ることになる。また、磁石による吸着力は磁力の向きに
直角な方向、即ち互いの平面が横にズレる移動に対する
抗力が少ないため横滑りが生じ易い。その結果、歯科用
平面磁性アタッチメントは前述したような回転軸のない
状態の回転運動と横滑りとが共同してオーバーデンチャ
ーに複雑な運動を生じさせるという問題があったのであ
る。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記したよ
うな従来の機械的維持力によるバーアタッチメントを利
用したオーバーデンチャーにおける欠点である互いを係
合させるために力を要すること及び長期に亘り繰り返さ
れる咀嚼及び着脱によりその当接部位に変形や摩耗が生
じてその維持機能に低下を来すことを解消し、更に床義
歯の維持に磁石吸引力を利用する歯科用磁性アタッチメ
ントの長所である着脱の容易性や清掃性の良さそして耐
久性に優れる点等の有利性を付与すると共に磁石の磁力
を有効に活用できる歯科用磁性アタッチメントを提供す
ることを課題とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意研究の結果、顎堤の互いに離れた位置に
ある人工歯根及び／又は天然歯根より成る少なくとも２
本の支台歯間に上部構造体として張り渡される顎堤面と
反対側に横断面が凸である曲線を描くようにされている
バー状メール部材と義歯床の顎堤側の面に穿設されてい
て該バー状メール部材を収納するように前記曲線の半径
とほぼ同じか又は若干大きくされている凹状溝が配備さ
れているフィメール部とから成るオーバーデンチャー用
のアタッチメントであって、互いに当接する面において
一方が凸状曲面をなし他方が該凸状曲面と同一半径の凹
状曲面をなすようにされている磁石構造体とキーパーと
から成り、該磁石構造体又は該キーパーの一方がフィメ
ール部の所定位置に固着され、他方が該フィメール部に
固着されたキーパー又は磁石構造体の相対する位置にお
いてバー状メール部材に埋入固着されるように構成され
て成っていればよいことを究明して本発明に係る歯科用
磁性アタッチメントを完成したのである。

【００１０】また、このような構造の歯科用磁性アタッ
チメントにおいて、キーパーがバー状メール部材のバー
部材に直接又は担体を用いて間接的に固着されて成るキ
ーパーであり、該キーパーは義歯床に穿設されているフ
ィメール部において義歯床に直接固着されて成る磁石構
造体を構成する主要素である磁石体に対応する位置に位
置するようにされていて、義歯床を装着すべくこの両者
を当接させた時にキーパーと磁石構造体との間で磁気閉
回路を形成するようにされていると、磁力線が外部に漏
れ出ることがないので磁石構造体の磁力を有効に使用す
ることができ、キーパーが直接又は担体を用いてバー状
メール部材に埋入固着される場合に直接埋入固着される
キーパー又は担体がその側面及び／又は底面に突起状リ
ブが設けられていて、バー状メール部材のバー部材の固
着部の側面及び／又は底面に穿設されている凹溝状のリ
ブ溝に前記リブを嵌入するようにして構成されて成る
と、磁性体と担体とが確実に係合した状態で固定される
ことになるのでキーパーの位置保持がより信頼できるも
のになることも究明したのである。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図面により本発明に係る歯
科用磁性アタッチメントの実施例について詳細に説明す
る。図１は本発明に係る歯科用磁性アタッチメントを構
成する磁石構造体とキーパーとの互いに当接する面が一
方が凸状曲面で他方がその凸状曲面と同一半径の凹状曲
面をなす組み合わせ例を示す模式断面説明図、図２はバ
ー状メール部材のバー部材に形成されている固着部に固
定されるキーパーと義歯床のフィメール部に直接固着さ
れる磁石構造体との位置関係を示す説明用斜視図、図３
は支台歯とした２本の残存歯に両端のポスト部を埋設し
て固定されているバー状メール部材に固定されている凸
状曲面を持つキーパーとオーバーデンチャーの義歯床に
固着されておりキーパーの凸状曲面と同一半径の凹状曲
面をなす磁石構造体との組み合わせ例を示す断面説明図
である。

【００１２】図面中、１は本発明に係る歯科用磁性アタ
ッチメントの一方の部材を構成する磁石構造体であり、
義歯床5aのフィメール部４か顎堤の互いに離れた位置に
ある人工歯根（インプラントフクスチャー）及び／又は
天然歯根より成る少なくとも２本の支台歯間に上部構造
体として張り渡されるバー状メール部材３のバー部材3b
に形成されている固着部3aかに固定されて使用される。
そして、この磁石構造体１は、磁石体1aと、この磁石体
1aを囲む非磁性材料で構成された容器1b（図１に示した
実施例では磁石体1aの両側面に密着して配設されている
軟磁性材料で構成されたヨーク1cと、このヨーク1cと当
接していない部位の磁石体1aの外面に密着して配設され
ているスペーサ1dとから成る）とで構成されていて、こ
のような構成とすることによって磁石体1aの磁力を有効
に使用できる。この磁石構造体１の後述するキーパー２
と当接する面、即ち容器1bの底と反対側の面（図１に示
した実施例ではヨーク1cとスペーサ1dの下面）は、半径
が一定の凸状曲面をなす場合と半径が一定の凹状曲面を
なす場合とがある。

【００１３】２は本発明に係る歯科用磁性アタッチメン
トの他方の部材を構成し磁石構造体１に吸引されて磁気
回路を構成するキーパーであり、顎堤の互いに離れた位
置にある人工歯根（インプラントフクスチャー）及び／
又は天然歯根より成る少なくとも２本の支台歯間に上部
構造体として張り渡されるバー状メール部材３のバー部
材3bに形成されている固着部3aか義歯床5aのフィメール
部４かに固定されて使用される。そして、このキーパー
２がバー状メール部材３のバー部材3bに形成されている
固着部3aに固定されて成るキーパーである場合には、図
２に示したようにその軸方向中央部の磁石構造体１の磁
石体1aに対応する位置に固着部3aとしての切欠部が設け
られていて、この固着部3aに埋入固着されてバー部材3b
と連続して磁石構造体１と当接する面を構成するように
されていることが好ましい。また、キーパー２を非磁性
材料の担体と磁性材料の磁性体とで構成する場合は、磁
石構造体１と該磁性体とで磁気回路を構成した際に磁石
構造体１の磁石体1aの磁力がバー状メール部材３のバー
部材3bにより一層漏洩しないようになるので好ましい。

【００１４】このキーパー２の磁石構造体１と当接する
面は、磁石構造体１の凸状曲面又は凹状曲面の前記一定
の半径と同一半径の凹状曲面又は凸状曲面を成してい
る。そして、このキーパー２の磁石構造体１とで磁気回
路を構成する磁性材料としては、口腔内で使用するもの
であるから錆等が発生し難く且つ磁性を有するフェライ
ト系又はマルテンサイト系のステンレス鋼が好ましく使
用され、担体を構成する非磁性材料としては、硬質プラ
スチックや生体親和性の良いチタン又はチタン合金若し
くは金合金が好ましく使用される。

【００１５】このような磁石構造体１とキーパー２とか
ら成る本発明に係る歯科用磁性アタッチメントにおい
て、磁石構造体１とキーパー２との互いに当接する面は
一方が凸状曲面をなし他方がこの凸状曲面と同一半径の
凹状曲面を成していて、例えば凹状曲面の円周角（凹状
円弧の両端と円弧の中心とを結ぶ２直線の成す角度）が
１２０度以上１８０度以下にした場合に、凸状曲面の円
周角（凸状円弧の両端と円弧の中心とを結ぶ２直線の成
す角度）が凹状曲面の円周角以上であることが必要とな
る。

【００１６】その理由は、咀嚼時に磁石構造体１とキー
パー２との互いに当接する凸状曲面が凹状曲面に面接触
しながら回転してオーバーデンチャーが臼歯部等の咀嚼
部位の歯肉粘膜の被圧変位と対応した動きを生じた場合
の磁石構造体１とキーパー２との互いに当接する面同士
の接触面積を充分に確保し、更にオーバーデンチャーの
着脱の容易性を確保する意味から設計上の水平線（２本
のインプラントフィクスチャーに固定されるゴールドシ
リンダーやポストの長軸に直角な向きに伸びる直線）に
対して相互に±１５度の動きが確保できるような曲面を
付与しておけばフィメール部４の凹状溝やバー状メール
部材３の凸状曲面はその目的機能を果たし得るようにな
るからである。

【００１７】そして、キーパー２が直接又は担体を用い
て間接的にバー状メール部材３のバー部材3bに埋入固着
される場合に、直接埋入固着されるキーパー２又は担体
がその側面及び／又は底面に突起状リブ2aが設けられて
いて、バー状メール部材３のバー部材3bの固着部3aの側
面及び／又は底面に穿設されている凹溝状のリブ溝3cに
前記突起状リブ2aを嵌入するようにして構成されて成る
と、バー状メール部材３のバー部材3bと固定される当接
面積が増加するのでその固定がより確実になって好まし
く、またキーパー２が埋入される担体を用いた場合に
は、これら両者の相接する面に互いに係合される凸部と
凹部とが設けられていると、キーパー２と担体とが確実
に係合した状態で固定されることになるためキーパー２
の強度がより信頼できるものになって好ましいのであ
る。

【００１８】なお、義歯床5aのフィメール部４と顎堤に
固定されたバー状メール部材３とに固定される磁石構造
体１とキーパー２との組み合わせは、図１に示すように
凸状曲面を有するキーパー２と凹状曲面を有する磁石構
造体１との組み合わせの他に、図示しないが凹状曲面を
有するキーパー２と凸状曲面を有する磁石構造体１との
組み合わせがある。

【００１９】このような本発明に係る歯科用磁性アタッ
チメントの一般的な使用方法は、図３に示すように顎堤
の互いに離れた位置に残存する少なくとも２本の残存歯
を支台歯としこれに両端のポスト部を埋設して固定され
ているバー状メール部材３、又は顎堤の互いに離れた位
置に埋設したインプラントフィクスチャーから成る人工
歯根を支台歯としこれに固定されるゴールドシリンダー
に鋳接されたバー状メール部材３のバー部材3bの所定位
置に予め設けられている固着部3aにキーパー２を固定す
れば、キーパー２とバー状メール部材３のバー部材3bと
は連続して磁石構造体１と当接する面を構成すことにな
る。一方、オーバーデンチャー５の義歯床5aの裏面にあ
るフィメール部４にはバー状メール部材３に固定された
キーパー２に対応する位置に磁石構造体１を固定するの
である。

【００２０】このようにして本発明に係る歯科用磁性ア
タッチメントを構成する磁石構造体１とキーパー２と
を、一方をオーバーデンチャー５の義歯床5aのフィメー
ル部４に、他方を顎堤に固定されたバー状メール部材３
のバー部材3bの所定位置に予め設けられている固着部3a
にそれぞれ固定すると、磁石構造体１とキーパー２との
互いに当接する面が一方が凸状曲面をなし他方がその凸
状曲面と同一半径の凹状曲面をなしているから、オーバ
ーデンチャー５はその凸状曲面と凹状曲面との中心線を
中心として回転できるので、臼歯部等の咀嚼部位の歯肉
粘膜の被圧変位と対応した動きを確保することができる
のである。

【００２１】そして、磁石構造体１とキーパー２との当
接面同士は磁石構造体１内の磁石体1aと磁性材料である
キーパー２との磁力による吸引力で保持されていて機械
的な係合部分が存在しないため、オーバーデンチャー５
即ち義歯床5aの顎堤側の面に穿設されているフィメール
部４に固着されている磁石構造体１又はキーパー２は、
バー状メール部材３へ装着するのに特別の力を必要とせ
ず自動的に所定の位置に位置することとなり、また長期
に亘り繰り返される咀嚼及び着脱によりその当接部位に
変形や摩耗が発生してその維持機能の低下を来すことも
なくなるのである。

【００２２】

【発明の効果】以上に詳述した如く本発明に係る歯科用
磁性アタッチメントは、オーバーデンチャーを口腔内の
所定位置に確実に保持させ且つ磁石構造体の磁力を有効
に活用することができるにも拘わらず、咀嚼時に臼歯部
の歯肉粘膜の被圧変位に伴うオーバーデンチャーのバー
状メール部材を中心とした回転運動を阻害せず、横ズレ
防止効果により咀嚼位置が安定した咀嚼機能が得られる
など、維持力の安定性そしてオーバーデンチャーの着脱
の容易さが確保できると共に清掃性の向上が図ることが
できて患者及び術者にもたらす恩恵は非常に大きなもの
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る歯科用磁性アタッチメントを構成
する磁石構造体とキーパーとの互いに当接する面が一方
が凸状曲面で他方がその凸状曲面と同一半径の凹状曲面
をなす組み合わせ例を示す模式断面説明図である。

【図２】バー状メール部材のバー部材に形成されている
固着部に固定されるキーパーと義歯床のフィメール部に
直接固着される磁石構造体との位置関係を示す説明用斜
視図である。

【図３】支台歯とした２本の残存歯に両端のポスト部を
埋設して固定されているバー状メール部材に固定されて
いる凸状曲面を持つキーパーとオーバーデンチャーの義
歯床に固着されておりキーパーの凸状曲面と同一半径の
凹状曲面をなす磁石構造体との組み合わせ例を示す断面
説明図である。

【符号の説明】

１ 磁石構造体 1a 磁石体 1b 容器 1c ヨーク 1d スペーサ ２ キーパー 2a 突起状リブ ３ バー状メール部材 3a 固着部 3b バー部材 3c リブ溝 ４ フィメール部 ５ オーバーデンチャー 5a 義歯床

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 顎堤の互いに離れた位置にある人工歯根
   及び／又は天然歯根より成る少なくとも２本の支台歯間
   に上部構造体として張り渡される顎堤面と反対側に横断
   面が凸である曲線を描くようにされているバー状メール
   部材(３)と義歯床(5a)の顎堤側の面に穿設されていて該
   バー状メール部材(３)を収納するように前記曲線の半径
   とほぼ同じか又は若干大きくされている凹状溝が配備さ
   れているフィメール部(４)とから成るオーバーデンチャ
   ー用のアタッチメントであって、互いに当接する面にお
   いて一方が凸状曲面をなし他方が該凸状曲面と同一半径
   の凹状曲面をなすようにされている磁石構造体(１)とキ
   ーパー(２)とから成り、該磁石構造体(１)又は該キーパ
   ー(２)の一方がフィメール部(４)の所定位置に固着さ
   れ、他方が該フィメール部(４)に固着されたキーパー
   (２)又は磁石構造体(１)の相対する位置においてバー状
   メール部(３)に埋入固着されるように構成されて成るこ
   とを特徴とする歯科用磁性アタッチメント。
2. 【請求項２】 キーパー(２)がバー状メール部材(３)の
   バー部材(3b)に直接又は担体を用いて間接的に固着され
   て成るキーパーであり、該キーパー(２)は義歯床(5a)に
   穿設されているフィメール部(４)において義歯床(5a)に
   直接固着されて成る磁石構造体(１)を構成する主要素で
   ある磁石体(1a)に対応する位置に位置するようにされて
   いて、義歯床(5a)を装着すべくこの両者を当接させた時
   にキーパー(２)と磁石構造体(１)との間で磁気閉回路を
   形成するようにされている請求項１に記載の歯科用磁性
   アタッチメント。
3. 【請求項３】 キーパー(２)が直接又は担体を用いてバ
   ー状メール部材(３)のバー部材(3b)に埋入固着される場
   合に、直接埋入固着されるキーパー(２)又は担体がその
   側面及び／又は底面に突起状リブ(2a)が設けられてい
   て、バー状メール部材(３)のバー部材(3b)の固着部(3a)
   の側面及び／又は底面に穿設されている凹溝状のリブ溝
   (3c)に前記突起状リブ(2a)を嵌入するようにして構成さ
   れて成る請求項１又は２に記載の歯科用磁性アタッチメ
   ント。