JP2008220418A - 部分床義歯 - Google Patents
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Abstract
【課題】残存天然歯とその歯周組織にかかる負担が軽減する部分床義歯を提供する。
【解決手段】天然歯の部分欠損を填補する人工歯を義歯床に植設した構造の部分床義歯において、人工歯を植設する部分は硬質合成樹脂で形成し、残存する天然歯を取り巻く部分はゴム状弾性を有する弾性合成樹脂で形成する。残存天然歯を取り巻く弾性合成樹脂内には、両端を硬質合成樹脂に固定させた状態で略円弧状の金属ワイヤを残存天然歯を取り巻くようにして埋め込んでおく。
【選択図】図1
【解決手段】天然歯の部分欠損を填補する人工歯を義歯床に植設した構造の部分床義歯において、人工歯を植設する部分は硬質合成樹脂で形成し、残存する天然歯を取り巻く部分はゴム状弾性を有する弾性合成樹脂で形成する。残存天然歯を取り巻く弾性合成樹脂内には、両端を硬質合成樹脂に固定させた状態で略円弧状の金属ワイヤを残存天然歯を取り巻くようにして埋め込んでおく。
【選択図】図1
Description
本発明は、局部的な歯の喪失を補うための歯科の補綴装置である部分床義歯に関し、特には残存天然歯とその歯周組織にかかる負担が少なくなるようにした部分床義歯に関する。
う蝕、外傷、破折等により欠損した歯冠の機能を回復させる治療として、有床義歯(入れ歯)による治療法が広く採用されている。有床義歯は、合成樹脂又は金属で形成した略U字形床部の上部に多数の人工歯を植設配列したものであり、天然歯の全欠損を填補する全部床義歯(総床義歯、総入れ歯)と、天然歯の部分欠損を填補する部分床義歯(局部床義歯、部分入れ歯)とがある。
全部床義歯は人工歯と義歯床とから構成されており、口腔内での維持・安定は、顎堤及び口腔粘膜に義歯床形状を十分に適合させることで確保される。これに対して部分床義歯の場合は、残存する天然歯の本数や配置からして顎堤や口腔粘膜との十分な接触面を確保できず、義歯床だけでは口腔内での維持・安定の確保が困難な場合が多い。そのため、クラスプと呼ばれるバネを使って隣接する歯に義歯床を固定させ、それにより部分床義歯の維持・安定を図る方法が一般的に採用されている(例えば、特許文献1参照)。
図6は、そうした部分床義歯50の例であり、義歯床51の3ケ所にバネ性金属で製作したクラスプ52が突設されている。この部分床義歯50を口腔内に装着する際は、隣接する残存天然歯にアンダーカットを施し、その部分を抱え込むようにしてクラスプ52を天然歯に掛けて義歯床51を安定させる。しかし、このようなクラスプ52を使用して安定を図る部分床義歯50では、咬合、咀嚼の度に衝撃がクラスプ52を介して残存天然歯に加わり、残存歯とその歯周組織を弱体化させる問題がある。
また、従来の部分床義歯50では、アクリル樹脂で構成された義歯床51とアンダーカットされた残存天然歯との間に隙間が形成され、その隙間やクラスプ部に食渣が停滞し易いという問題がある。
特開2000−300584号公報
本発明は、従来技術のこうした問題点を解決するためになされたもので、その課題は残存天然歯とその歯周組織にかかる負担を軽減することができ、且つ口腔内に確実に安定して維持させることのできる部分床義歯を提供することにある。
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、天然歯の部分欠損を填補する人工歯を義歯床に植設してなる部分床義歯において、前記義歯床(7)における前記人工歯(8)を植設した部分(7a)が硬質合成樹脂で形成してあり、残存する天然歯(6)を取り巻く部分(7b)がゴム状弾性を有する弾性合成樹脂で形成してあり、該残存天然歯を取り巻く弾性合成樹脂内には両端を前記硬質合成樹脂に固定させた略円弧状の金属ワイヤ(10)が埋め込んであることを特徴とする部分床義歯である。
このような構成とすれば、残存天然歯を取り巻く金属ワイヤによって義歯床の位置ずれやがたつきが防止される。また、金属ワイヤは自身が弾性を有する上、ゴム状弾性を有する弾性合成樹脂内に埋め込まれているため、咬合、咀嚼時に義歯床を介して残存天然歯に加わる衝撃がそれらのクッション性により大幅に緩和される。その結果として残存天然歯と歯周組織にかかる負担が軽減され、それらの弱体化が防止される効果を奏する。また、残存天然歯の回りを弾性合成樹脂で形成するため、横方向の広がりを残存天然歯の最隆起部であるサベイラインを超えて天然歯側に進出した形状にしたとしても、それらの弾性変形により義歯床の着脱は容易に行なえる。従って、弾性合成樹脂部分を天然歯に密着した形状にすることができ、残存天然歯と義歯床との間の隙間(死腔)を無くして食渣の停滞を防止することができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の部分床義歯において、前記金属ワイヤとしてチタンワイヤが使用してあることを特徴とする部分床義歯である。
チタンワイヤは耐食性に優れるため口腔内で使用するのに適する。また、軽くて比強度が高く、超弾性を有するため、天然歯に大きな負担をかけることなく義歯床を固定することができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の部分床義歯において、前記義歯床における歯肉と接する側の面の周縁部(7c)が弾性合成樹脂で形成してあることを特徴とする部分床義歯である。
このような構成とすれば、咬合、咀嚼時に脆弱な歯肉粘膜に加わる衝撃を緩和することができる。従って、その部分の歯肉の負担が軽減され、傷や痛みの発生を軽減できる効果を奏する。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の部分床義歯において、前記弾性合成樹脂としてシリコーンゴムが使用してあることを特徴とする部分床義歯である。
シリコーンゴムは耐食性を有し、且つ、ゴム状弾性を有するため口腔内で使用する弾性体として適している。
以下、本発明に係る部分床義歯の一実施形態につき図面を参照して説明する。図1は本発明を適用した下顎用部分床義歯1の外観を示す平面図、図2は左側面上部から見た斜視図である。この部分床義歯1は、左側臼歯部3に2本の天然歯が離れた状態で残存し、右側臼歯部4から前歯部5にかけて3本の天然歯が連続した状態で残存する患者の歯牙欠損を填補するためのものである。図3は、その部分床義歯1を5本の天然歯6が残る下顎に装着した状態を示している。
部分床義歯1は、義歯床7と多数の人工歯8とからなる。義歯床7は歯牙が欠損して周囲の歯肉が少し下がった状態、いわゆる欠損した歯肉部分(欠損部)を補うとともに、その上に配列固定された天然歯6を支持する役割を果たす。図1に示す義歯床7は歯牙欠損部が多いため、歯肉粘膜面のほぼ全体を被覆するように略馬蹄形状に形成してある。その断面は歯肉を跨ぐ鞍状になっている。
義歯床7の鞍状部の頂部における歯牙欠損部に対応した位置には、歯牙の形状を模した人工歯8が一部埋設された状態で固定してある。人工歯8は、歯科用のアクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等の合成樹脂を材料として形成してある。
馬蹄形状の義歯床7の大部分を占める本体部7aは、歯科用のアクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等の硬質合成樹脂を材料として形成してある。そして、本発明に係る部分床義歯1の特徴として、義歯床7における残存天然歯6を取り巻く部分7b、及び歯肉粘膜と接する側の面の周縁部7cが、共にゴム状弾性を有する弾性合成樹脂で形成してある。且つ、残存天然歯6を取り巻く弾性合成樹脂内には、両端を硬質合成樹脂で形成された本体部7aに固定させた略円弧状の金属ワイヤ10が、残存天然歯6を取り巻くようにして埋め込んである。
図4は、図3におけるA−A線に沿う断面図であり、義歯床7における残存天然歯6を取り巻く部分7bの断面構造を示している。残存天然歯6を取り巻く部分7bの全体が、ゴム状弾性を有する弾性合成樹脂で形成してある。そして、その内部には、金属ワイヤ10が残存天然歯6を取り巻くようにして埋め込んである。金属ワイヤ10は略円弧状に形成してあり、その両端は図1、図3に示すように硬質合成樹脂で形成された義歯床7の本体部7a内に固定してある。金属ワイヤ10の材料としては、軽くて比強度が高く、耐食性に優れ、超弾性を有するチタンワイヤが好ましい。弾性合成樹脂としては、例えばシリコーンゴムを使用する。
このような構成とすれば、義歯床7は残存天然歯6を取り巻く金属ワイヤ10によって、その位置ずれやがたつきが防止される。また、金属ワイヤ10は、それ自身が弾性を有する上、ゴム状弾性を有する弾性合成樹脂内に埋め込まれている。そのため咬合、咀嚼の際に義歯床7を介して残存天然歯6に加わる衝撃は、それらのクッション性によって大幅に緩和される。その結果として残存天然歯6と歯周組織にかかる負担が軽減され、それらの弱体化が防止される効果を奏する。
また、残存天然歯6の回りを弾性合成樹脂で形成しているため、横方向の広がりを残存天然歯6の最隆起部であるサベイラインを超えて天然歯6側に進出した形状に形成したとしても、それらが弾性変形することにより義歯床7の着脱は容易に行なうことができる。従って、弾性合成樹脂部分を天然歯6に密着させた形状にすることができ、そうすることによって残存天然歯6と義歯床7との間の隙間(死腔)を無くして食渣の停滞を防止することができる。
図5は、図3におけるB−B線に沿う断面図であり、義歯床7における人工歯8を含む部分の断面構造を示している。従来の義歯床と同じように硬質合成樹脂で形成された義歯床本体部7aの上に人工歯8を植設配列した構成となっている。但し、本実施形態の義歯床7の特徴として、歯肉11と接する側の面の周縁部7cはゴム状弾性を有する弾性合成樹脂で形成してある。
義歯床7は、咬合、咀嚼の際に残存天然歯6に加わる衝撃を支持基盤である歯肉11に伝える役割を果たす。歯肉11は柔らかいため咬合、咀嚼時には、義歯床7と歯肉11との間に僅かな“ ずれ ”が生ずる。この“ ずれ ”は義歯床7の周縁部7c付近ほど大きく、その部分の歯肉粘膜を傷つかせ、痛みを発生させる原因になる。本実施形態の義歯床7の周縁部7cは柔らかい弾性合成樹脂で形成してあるため、周縁部7c下部の脆弱な歯肉粘膜に与える衝撃は緩和される。従って、その部分の歯肉の負担が軽減され、傷や痛みの発生を軽減させる効果を奏する。
以上のような構成の部分床義歯1を製作する際は、患者の歯肉粘膜面の印象に基づき形成した蝋堤に人工歯8を配列して蝋床義歯を製作し、その蝋部分を注型法や加圧注入法により硬質合成樹脂に置き換えることで義歯床本体部7aを最初に製作する。その際、義歯床7の周縁部7c及び残存天然歯6を取り巻く部分7bは硬質合成樹脂で形成されないように、蝋床義歯のその部分を切削しておく。また、残存天然歯6の回りに配置する金属ワイヤ10の両端が、硬質合成樹脂によって固定されるように蝋床義歯に取り付けておく。そうすることで、金属ワイヤ10の両端部分が硬質合成樹脂に固定された義歯床本体部7aを形成できる。
次に、最初の蝋床義歯を基に製作した石膏型内に製作した義歯床本体部7aを嵌め込み、石膏型と義歯床本体部7aとの間の隙間部分に弾性合成樹脂を注入して固化させる。このようにすることで、残存天然歯6を取り巻く部分7bと、歯肉11と接する側の面の周縁部7cとが弾性合成樹脂で形成され、且つ、金属ワイヤ10が残存天然歯6を取り巻く弾性合成樹脂内に埋め込まれた構造の部分床義歯1を完成させることができる。
図面中、1は部分床義歯、6は天然歯、7は義歯床、7aは義歯床の本体部分、7bは義歯床における天然歯を取り巻く部分、7cは義歯床の周縁部、8は人工歯、10は金属ワイヤを示す。
Claims (4)
- 天然歯の部分欠損を填補する人工歯を義歯床に植設してなる部分床義歯において、
前記義歯床(7)における前記人工歯(8)を植設した部分(7a)が硬質合成樹脂で形成してあり、残存する天然歯(6)を取り巻く部分(7b)がゴム状弾性を有する弾性合成樹脂で形成してあり、該残存天然歯を取り巻く弾性合成樹脂内には両端を前記硬質合成樹脂に固定させた略円弧状の金属ワイヤ(10)が埋め込んであることを特徴とする部分床義歯。 - 請求項1に記載の部分床義歯において、前記金属ワイヤとしてチタンワイヤが使用してあることを特徴とする部分床義歯。
- 請求項1又は2に記載の部分床義歯において、前記義歯床における歯肉と接する側の面の周縁部(7c)が前記弾性合成樹脂で形成してあることを特徴とする部分床義歯。
- 請求項1乃至3の何れかに記載の部分床義歯において、前記弾性合成樹脂としてシリコーンゴムが使用してあることを特徴とする部分床義歯。
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JP2013165839A (ja) * | 2012-02-15 | 2013-08-29 | Hideo Nakagawa | 部分義歯の装着構造、および部分義歯 |
JP2017136194A (ja) * | 2016-02-03 | 2017-08-10 | 英雄 中川 | 部分義歯 |
JP2018110723A (ja) * | 2017-01-12 | 2018-07-19 | 英雄 中川 | 部分義歯 |
TWI661815B (zh) * | 2018-07-06 | 2019-06-11 | 林昱璿 | 暴露咬合面的護齒牙套 |
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