JP2018110723A - 部分義歯 - Google Patents
部分義歯 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018110723A JP2018110723A JP2017003192A JP2017003192A JP2018110723A JP 2018110723 A JP2018110723 A JP 2018110723A JP 2017003192 A JP2017003192 A JP 2017003192A JP 2017003192 A JP2017003192 A JP 2017003192A JP 2018110723 A JP2018110723 A JP 2018110723A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wire
- tooth
- fitting
- partial denture
- metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Dental Prosthetics (AREA)
Abstract
Description
(A1)咬合圧に抵抗する支持作用
(A2)離脱力に抵抗する維持作用
(A3)義歯に加わる水平的な力に抵抗する把持作用
1.残存歯である鉤歯に維持および把持のために取り付けられる装置には、その鉤歯を掴んで強く拘束するような金属クラスプが形成されていた。このため、鉤歯に大きな負担がかかり、鉤歯の劣化を早めることがあった。また、強い拘束のため装着感が悪く、部分義歯の使いはじめの時期だけは使用するが、その後、すぐに使用をやめてしまう例が多くみられた。
2.咬合圧に対してレストを設けた場合、鉤歯のトップにレストを収める溝状のレスト窩(か)を歯牙削除により設ける必要がある。この歯牙削除を行うと、冷水痛や歯髄炎を誘発することがある。また、このレスト窩へのレストの嵌め入れに不具合がある場合、義歯床が顎堤粘膜(回復した欠損歯のあとの部分)に十分接触せずに隙間ができる状態となる。顎堤粘膜と義歯床裏面との隙間は、明確に認識することが難しく、隙間があっても義歯が安定して固定されているように見え、装着がその状態で持続される。隙間には食物残渣、粒状物等が入り込み、顎堤粘膜を傷つけ、潰瘍を生じさせることがあった。
3.旧来のクラスプを使用した部分義歯は、金属光沢を有する立体的な金属クラスプが表側に大きく露出することが多い。このため、金属光沢が目立って、とくに前歯部において審美性の点で問題があった。
4.金属光沢が審美性の点で問題があったために、金属クラスプを用いないで鉤歯への強い拘束を無くし、樹脂のみで維持装置を構成したノンクラスプデンチャーが提案された。しかし、鉤歯にきちんと金属部材で嵌合させずに樹脂だけで維持装置を構成しようとすると、残存歯の下方の歯肉部をすっぽり覆うような大きな樹脂のウィングを形成せざるをえない。このため、義歯床が大振り(大型)になり、装着時の不快感が強く、なおかつ維持力が十分でないという課題を有している。
7.上記のコーヌステレスコープ型部分義歯を改良した部分義歯に対して、さらに着脱を容易にし、かつ嵩張りをそぎ落として小型化して快適な装着状態を追い求めて、本発明者は、小型化、軽量化の極限を追求した金属を用いた部分義歯(本願発明のプロトタイプ)を既に発明している。
スペース形成湾曲部の樹脂中に内蔵されている状態は、ワイヤが義歯床に完全に埋設された状態である。また、前記スペース形成湾曲部の頬側が谷状に歯牙根元側に落ち込んでいる部分の樹脂の上縁に沿って部分的に露出して位置している状態は、当該谷状に落ち込んでいる部分の上縁に、ワイヤの横断面の外周の一部分が樹脂に埋設された状態(樹脂に一部分被覆された状態)である。部分義歯の歯牙の頂面側から見ると、ワイヤの金属光沢が見えるが、ワイヤよりも鉤歯側面に近い部分に、上記の上縁部の樹脂が配置されていて、ワイヤの横断面の外周の一部を被覆している。
ここで、ワイヤの高さ位置としては、鉤歯の豊隆部の根元側に位置する部分を含むが、参照する鉤歯がない部分義歯だけを見て、部分義歯上の鉤歯に隣接する人工歯の高さを参照すれば次のように規定できる(鉤歯そのものではないが)。すなわち、ワイヤは、鉤歯に隣接する部分義歯上の人工歯の頬側または舌側の高さ中央位置より根元側の部分を含む。人工歯の頬側または舌側の高さ中央位置とは、その人工歯の根元を被覆する義歯床の上端の平均高さ(頬側面、舌側面での幅位置について平均化した高さ)と、その人工歯の上端の平均高さ(前記と同じ平均化した高さ)と、の中間位置である。隣接する人工歯が両隣にある場合は、どちらか一方で、上記の条件を満たせばよい。また、頬側または舌側のどちらか一方で上記の条件を満たせばよい。
これによって、鉤歯の豊隆部とその根元側、の高さ範囲に位置する部分にワイヤの部分を配置することで、スペース形成湾曲部の主要部を鉤歯の根元部に嵌合することで、快適な装着状態を保ちながら、咬合時の維持作用および把持作用を十分に確保することができる。従来は、鋳造製のC字状アームもしくは凹面形成金属アームをあてがうように鉤歯の豊隆部を含む根元側に配置していたものを、ワイヤで補強した十分な強度をもつ、樹脂を填入して鉤歯の外面に合わせて製作したスペース形成湾曲部(樹脂)を配置することができる。なお、スペース形成湾曲部は、装着時には、軌跡としては、水平方向にあてがうように鉤歯豊隆部の根元側に嵌合される軌跡はほとんど無いが(通常は、上下方向の軌跡)、装着した後の状態は、あてがわれるように鉤歯豊隆部の根元側に嵌合することになる。その嵌合は鉤歯の歯頸部に限られていて、その嵌合も応力的には緩いまま安定した状態を保つ嵌合である。
これによって、ワイヤの、V字、U字、J字の底部(根元部)に対応する部分は、スペース形成湾曲部を鉤歯の豊隆部の下側を含む範囲を根元側から抱えるように補強して樹脂をその部分に面接触させる。これによって維持力の大幅な向上を簡単な構成で実現することができる。V字状、U字状またはJ字状の形状は、形成するのが容易であり、かつワイヤは固く強靭であるため義歯床内においても維持力の向上に寄与するものである。嵌合部が(ワイヤ+スペース形成湾曲部)という部分を備えるため、脱着時は、すべりが起きやすい一定方向に一定時間、力を加えるため弾性変形は比較的容易で、脱着は容易である。しかし嵌合状態では豊隆部を根元側から抱えるように嵌合しているので咬合時の離脱しようとする方向への力に対して十分大きい抵抗力を発揮することができる。すなわち上述の(e1)および(e2)の力が発揮される。ワイヤは、義歯床内で、ループを形成するようにワイヤの端同士が接続されていてもよいし、両端が、それぞれ端のまま義歯床中で開放端であってもよい。また、この後、述べるように金属連結帯に接続されていてもよい。
ここで、ワイヤが、上記のような露出状態(裸)の頂部境界部を持つとき、その露出する部分は、鉤歯等の頂面と同レベルの高さの頂部を持ち、その同レベル高さの頂部が前記鉤歯とその隣の歯との間の溝部分に部分的に納まるようになる。この場合、装着したとき、その頂部境界部は、鉤歯とその隣の歯との頂部の境界の隙間で、頬側と舌側との間に延在することになる。すなわち、歯牙の厚み方向もしくは奥行方向に沿うように位置することになる。これによって、部分義歯が咬合などによって沈み込むのを防止することができる。旧来、咬合圧による沈下防止にレストなどを設けていたが、レストは自立歯にレスト穽(か)を設けるが、その際に生活歯の場合でも場合によっては、その後の状態によっては神経の除去に至ることもある。このためその自立歯の耐久性を著しく損なうことになる。ワイヤは強じんで固く滑らかで、何よりも細い円形断面なので、鉤歯とその隣の歯との間に少しの間隙があれば、かみ合わせ調整を大きく変更することなく簡単に、配置することができる。これによって咬合圧による沈み込みを非常に簡単な機構で防止することができる。歯の間の溝部分とは、歯牙の頂部の面の縁は丸みを帯びており隣接する歯牙の頂部の間には、ワイヤが部分的に納まる程度の溝ができやすい。自然にできる溝だけの場合もあるし、咬合にクリアランスが無い時は少しのエナメル質を削合する場合もある。
これによって、上記支持作用の向上だけでなくワイヤによる把持力などを向上させることができる。このような作用を得るためには、ワイヤの固さが高いことが必要であり、線引き加工によって加工硬化した歯科用ワイヤは適している。
金属連結帯は、部分義歯が長くなる場合、義歯床だけでは破損しやすいので破損防止のために用いる場合が多い。また、嵌合部が2つ以上で、鋳造合金のC字状アームを用いる場合その鋳造合金のC字状アームを固定するのにも金属連結帯は用いられる。ワイヤに加えて金属連結帯を用いる場合、ワイヤの適当な箇所を、この金属連結帯にろう付けもしくはレーザー溶接等で固定することで、その固定部を基点にしてさらに患者の歯牙に適合するように精細な調整変形を加えることができる。ワイヤにおける金属連結帯との接続箇所は、ワイヤの端でもよいし、端より中に入った箇所でもよい。また、ワイヤを、金属連結帯に接続しなくてもよい。なお、金属連結帯は、幹に相当する金属連結帯と枝部とを含むのが普通であるが、明確に枝部があると認めにくい構造の場合もある。金属連結帯は、上顎の部分義歯の場合にパラタルバー、下顎の部分義歯の場合にリンガルバーなどと呼ばれるものに相当しており、大連結子なども金属連結帯に該当する。また枝部は、小連結子等に該当する。金属連結帯はこれらすべてを含むものとする。金属連結帯やその枝部は鋳造製となるので、工数は多くなり、重量も増大する。金属連結帯やその枝部を構成する材料は、製造のし易さ、耐久性などから、通常の歯科用の鋳造合金であれば何でもよい。白金加金、金銀パラジウム合金、その他の合金等を用いることができる。中でも白金加金が望ましい。
ワイヤが配置されていない嵌合部が存在するとき、その嵌合部には凹面形成金属アームが配置されて、その嵌合部は位置合わせ嵌合部(キー部)となる。そしてワイヤが配置される嵌合部は、嵌合固定部(ロック部)となる。このロック部は、位置合わせ嵌合部(キー部)を「ずらし支点」として円弧の軌跡を描いて、鉤歯に嵌合する。ずらし支点とは、固定した支点ではなく嵌合時に少しずれながら支点的な機能を有することをいう。このとき上記のワイヤが配置される嵌合部であるロック部は、縦方向の円弧もしくは縦方向そのものと言ってよいくらいの大きな径の縦円弧(ほとんど押し込みといえる軌跡)を経由して嵌合する場合が多い。軌跡は非直線的と考えられるが、厳密かつ詳細な軌跡は不明である。ロック部の嵌合が完了したときカチリ等という感触を得て嵌合する理由については上述のとおりである。キー部を構成する嵌合部には、上記のように鋳造された凹面形成金属アームが配置されて鉤歯の豊隆部もしくはその根元側にあてがって、上記のロック部(ワイヤが配置された嵌合部)を対応する鉤歯の上に配置して全体を嵌合する。このとき凹面形成金属アームは上記のずらし支点的な機能を発揮する。本発明の部分義歯では、キー部とロック部との嵌合時の動作は、感覚的にはほとんど同時である。嵌合部の数については、患者の歯牙欠損の状態や口腔形態に応じて、決めることができる。凹面形成金属アームを構成する材料は、製造のし易さ、耐久性などを決めればよく、通常の歯科用の鋳造合金であれば何でもよい。白金加金、金銀パラジウム合金、コバルトクロム合金、その他の合金等を用いることができる。中でも白金加金が望ましい。
凹面形成金属アームと金属連結帯とを一体鋳造で製作することで、部分義歯に比較的大きな弾性変形能を持たせることができる。かつ、凹面形成金属アームと金属連結帯とを一体成形できるので、これら金属部材が個別に存在してそれらを組み合わせて製作するよりも形状の精度を高めることができる。また、製作時にこれらの金属部材に加工されたワイヤを配置する場合よりも、配置が容易になる。
これによって、各嵌合部において、鉤歯への嵌合を円滑にして、かつ嵌合を強固にすることができる。この場合、金属面は、義歯床にすこし被覆されている場合が多く、通常はワイヤの埋設深さよりも浅く鉤歯に近い表面に位置する。ただし、金属面の深さもしくは金属面が露出しているか否かは、金属面は、スペース形成湾曲部もしくは凹部における樹脂と協働して鉤歯に作用するので、あまり重要ではない。
図1〜図6は、実施の形態1における部分義歯10を説明するための図である。図1は下顎において1本の残存歯L4(左4番)のみが残る、13歯欠損の口腔の石膏模型Mである。残存歯L4には豊隆部Zがあって外側とくに頬側に膨出している。残存歯L4は、顎堤粘膜M5の峰部に立っている。図2は、この1本の残存歯L4を鉤歯Qとして、嵌合部Kが1つの部分義歯10を装着した状態を示す図である。義歯床35は、舌側から頬側へと顎堤粘膜M5の峰を覆って、顎堤粘膜M5全体にわたって位置している。人工歯5は、図示しない上顎の対応する歯牙に合わせて、義歯床35に、その根元を固定されている。なお、本実施の形態も、この後の実施の形態も、その実施の形態の説明に用いる第2番目の図は、とくに断らない限り部分義歯10を石膏模型Mに装着した状態を示すが、この第2番目の図では義歯床35に点々模様が付される。しかし、その後の図では、煩雑になり見にくくなることが多いので、適宜、義歯床35の点々模様は省略している。
図7〜図12は、実施の形態2における部分義歯を説明するための図である。図7は下顎において、残存歯L1〜5、R1〜7が残る、口腔の石膏模型Mである。鉤歯Qとなる残存歯L5には豊隆部Zがあって外側にとくに頬側に膨出している。残存歯は、すべて顎堤粘膜M5の峰部に立っている。図8は、残存歯L5を鉤歯Qとした、嵌合部Kが1つ設けられた部分義歯10を装着した状態を示す図である。この部分義歯10では義歯床35に、人工歯5が、L6およびL7に植設されている。嵌合部Kにおいて鉤歯Q(L5)のまわりにグルリと義歯床35内にワイヤwが埋設されている(図示せず)。このワイヤwは周囲の義歯床35とくにスペース形成湾曲部のレジンを介在させて鉤歯Qの側面に面している。
図13〜図16は、実施の形態3における部分義歯を説明するための図である。図13は下顎において、残存歯L1〜4、R1〜7が残る、すなわちL5〜7欠損の口腔の石膏模型Mである。鉤歯Qとなる残存歯L4には豊隆部(図示せず)があって頬側に膨出している。残存歯は、すべて顎堤粘膜M5の峰部に立っている。図14は、残存歯L4を鉤歯Qとした、嵌合部Kが1つの部分義歯10を装着した状態を示す図である。この部分義歯10では、鉤歯Q(L4)と該鉤歯の隣の歯牙(L3)との頂部の境界をわたるワイヤの部分、頂部境界部waが裸である。ワイヤのその他の部分wは、すべて義歯床35に埋設されている。頂部境界部waは、義歯床35に埋設することはできないし、また切断することなく連続させておくことで、このあと詳しく説明する支持作用の向上、およびワイヤの強度や剛性を高めることができる。嵌合部Kにおいて鉤歯Q(L4)のまわりにグルリとスペース形成湾曲部35h内にワイヤwが配置されていて、とくに頬側ではV字形であるが、埋設されている部分は図14では図示していない。図示していないこの部分のワイヤwはスペース形成湾曲部35hのレジンを介在させて鉤歯Qの側面に面している形態は、これまでの実施の形態と同様である。
図17は、実施の形態3の変形例の部分義歯10を示す図である。図17に示す部分義歯10は、義歯床35を鉤歯Q(L4)の隣の歯L3の付近で終端させないで、残存歯R3,R4,R5の根元あたりまで延ばしている。この延ばされた義歯床35は残存歯R3,R4,R5の歯頸部付近に水平方向にあてがわれるように嵌合している。いわば義歯床35の側端の凹部が、残存歯R3,R4,R5を鉤歯としている。装着の際、嵌合部Kを鉤歯L4の上で位置合わせをしておき、義歯床35の側端の凹部を残存歯R3,R4,R5の歯頸部付近に水平方向にあてがって嵌合した状態で、嵌合部Kを鉤歯L4に押し込むことで、パチンと装着が実現される。義歯床35の側端部における3つの凹部を嵌合体とみれば、この部分がキーとなり、嵌合部Kがロックとなる。このような構造によって、装着のしっかり感を得ることが可能となる。
図18〜図27は、実施の形態4における部分義歯10を説明するための図である。図18は下顎において3本の残存歯L3,R3,R4が残る、11歯欠損の口腔の石膏模型Mである。残存歯L3,R3,R4にはいずれも豊隆部Zがあって外側とくに頬側に膨出している。これらの残存歯は、顎堤粘膜M5の峰部に立っている。図19は、2つの嵌合部K,K1をもつ部分義歯10を装着した状態を示す図である。残存歯L3を鉤歯Qとする嵌合部Kには、ワイヤwが配置されていて、頬側の上から見るとワイヤwが露出しているように見えるが、ワイヤwの根元側の断面周の一部分がレジンに埋め込められていて、スペース形成湾曲部35hのレジンを介在させて鉤歯Q(L3)の頬側の側面に面している。すなわちレジンを介在させて鉤歯Q(L3)に嵌合力を及ぼしている。嵌合部Kにおいて鉤歯Q(L3)の頬側の義歯床35(スペース形成湾曲35hの頬側)は、谷状に根元側に落ち込んでいて、その上縁に沿ってワイヤwがJ字またはV字形に配置されている。頬側の上方から見るとこのJ字形のワイヤwには金属光沢が見えるが、しかし、スペース形成湾曲部35hの内側から見るとワイヤwは薄いレジンを介在させて鉤歯Q(L3)の頬側面に面していることが分かる。もう1つの嵌合部K1にはワイヤは配置されておらず、図示していない鋳造された凹面形成金属アームが鉤歯Q(R3、R4)の豊隆部の根元側で嵌合力を及ぼしている。嵌合部K1では、鉤歯Qが連続する2本の残存歯R3,R4で形成されている。鉤歯Qとする残存歯の歯牙の状態が1本だけでは不安の場合、もしくは部分義歯全体の装着の安定性などを重視する場合、本実施の形態のように連続する2本で鉤歯Qを構成するのがよい。鉤歯Qが2本以上でも、本実施の形態に示すように、鉤歯Qが1本であると考えて製作が可能となる。それは、装着の際、嵌合の形成において、嵌合部K1を水平方向に鉤歯Q(R3、R4)の歯頸部にあてがっておき、その後、嵌合部Kを鉤歯Q(L2)の上から押し込んでカチンとする操作をするので、嵌合部K1の鉤歯Qが1本でも2本でも大差がないからである。
図25〜図30は、実施の形態5における上顎に用いる部分義歯10を説明するための図である。残存歯は4歯R6,R7、L6,L7である。図26に示すように、部分義歯10は2つの嵌合部K,K1を有しており、ワイヤ(図示せず)が配置された嵌合部Kは残存歯R6を鉤歯Qとし、ワイヤが配置されていない嵌合部K1は残存歯L6を鉤歯Qとしている。図27は、部分義歯10を図26と同じ方向から見た図である。また、図28は、同じ方向から見た金属部材G(樹脂を除いた残り)を示す図である。
図31〜図36は、実施の形態6における部分義歯10を説明するための図である。図31は下顎において3本の残存歯R3,R4,L3が残る、11歯欠損の口腔の石膏模型Mである。いずれの残存歯にも豊隆部があって外側に膨出している。図32は、これらの残存歯を鉤歯Qとして2つの嵌合部K,K1に嵌合されることで装着された部分義歯10を示す図である。ワイヤwが配置された嵌合部Kにおける鉤歯Qには、連続する2本の残存歯R3,R4が用いられている。歯牙の状態によっては連続する2本の歯牙を鉤歯Qとするほうが安定性、耐久性に優れるが、ワイヤwなどの維持装置の構造は少し複雑になる。
図37〜図41は、実施の形態7における部分義歯を説明するための図である。図37は下顎において、残存歯L1〜5、R1〜7が残る、口腔の石膏模型Mである。左側の奥歯2歯L6、L7が欠損している2歯欠損の症例である。残存歯はすべて顎堤粘膜M5に峰部に沿って位置している。鉤歯Qとなる残存歯L5,L4,L3には豊隆部Z(図示せず)があって頬側に膨出している。この部分義歯10では、異なる2種類の嵌合部K,K1が連続して位置する点に特徴がある。図38は2つの嵌合部KとK1とが連続して位置する部分義歯10を装着した状態を示す図である。ワイヤwが配置される嵌合部Kでは残存歯L5を鉤歯Qとし、また、ワイヤwが配置されない嵌合部K1では残存歯L4、L3を鉤歯Qとする。奥歯の2歯L6,L7の欠損なので、小ぶりの部分義歯10を実現する一方、嵌合状態を強力に維持するために、2つの嵌合部K,K1を連続して設けている。
図42〜図45は、実施の形態8における部分義歯を説明するための図である。図42は舌側から見た石膏模型の前歯の部分を示す図である。前歯右1番(R1)と左2番(L2)が欠損している。図43(a)は、部分義歯10を装着した状態を舌側から見た図であり、図43(b)は同じ状態を頬側(前側)から見た図である。ワイヤwが配置された嵌合部Kは鉤歯QをL1とし、嵌合部K1、K2は、それぞれ嵌合部Kの左と右とに位置している。嵌合部K1は鉤歯Q(L3)を有し、嵌合部K2は鉤歯Q(R2)を有している。このあと示すように、嵌合部K1は凹面湾曲アーム11を左右に持つ。嵌合部K2では義歯床35が湾曲した凹部35kが鉤歯Q(R2)根元部に近心側からあてがわれ、かつ金属連結帯50の枝部51がその湾曲面に沿う金属面15を形成する形で鉤歯Q(R2)に嵌合する。
(1)上記の部分義歯は、患者による装着感の快適性、装着・離脱のしやすさ、および、製作のしやすさを求めて、素材である樹脂および金属の形態を追求した結果、生まれた。この部分義歯は、樹脂によって鉤歯に嵌合するスペース形成湾曲部を形成し、そのスペース形成湾曲部の補強材として歯科用の汎用金属ワイヤ(伸線加工されたワイヤ)を用いた点に特徴がある。この部分義歯の出発点は、鉤歯の根元側に、あてがわれるように嵌め合わせるC字状金属アームによる維持力確保を、樹脂によるスペース形成湾曲部とそこに内蔵されるワイヤに置き換えるという発想である。この発想のもとになる、あてがわれるように嵌め合わせるC字状金属アームによる維持力確保は、すでに説明したように、この部分義歯の発明者が開拓した技術である。知らない者が、表面的に見れば、審美性を重視した樹脂のみのノンクラスプデンチャーの短所(ウィング等が大型になる、重い、装着感が悪い、離脱しやすい(維持力が小さい))を補いながら、ノンクラスプデンチャーと同等の簡単な製作工程で製作できる部分義歯であるというかもしれない。しかし、この部分義歯において、鉤歯の歯頸部にあてがわれるように嵌合されている嵌合部による維持力確保という基本は不変である。スペース形成湾曲部は、装着時には、軌跡としては、水平に最初からあてがうように鉤歯豊隆部の根元側に嵌合される軌跡をとることは稀である(ほとんど無い)が、装着した後の状態は、あてがわれるように鉤歯豊隆部の根元側に嵌合している状態となる。この点だけから見ても、本部分義歯はノンクラスプデンチャーとは考え方の根柢が異なる。ノンクラスプデンチャーは、金属光沢を発する金属製のクラスプを嫌って樹脂だけで(大振りの嵌合部+義歯床)を形成し、不足する維持力や把持力を少しでも増やそうとして歯肉にまで樹脂製ウィングを被せるような形態をとる。鉤歯に対しても頂部を出してあとはすっぽり樹脂製の大振り嵌合部で覆う形態をとる。本部分義歯では、嵌合は、ワイヤが配置された嵌合部でも、凹面形成金属アーム(C字状金属アーム)が配置された嵌合でも、嵌合は、鉤歯の歯頸部に限定される。鉤歯の歯頸部にのみ嵌合することで、十分高い、維持作用、把持作用、支持作用を得ることができるように形成されている。この鉤歯の歯頸部のみへの嵌合によって快適な装着状態が保たれる。したがってノンクラスプデンチャーは本部分義歯とは異質のものであり、比較することは、無意味であるといえる。
(2)上述したようにこの部分義歯の出発点は、鉤歯の根元側に、あてがわれるように嵌め合わせる鋳造製のC字状金属アームの嵌合による維持力確保という考え方である。これに対して、この部分義歯は、ワイヤで補強した十分な強度をもつ、樹脂を填入することで成形されたスペース形成湾曲部を備える。スペース形成湾曲部の素材を樹脂(ワイヤを補強材として含むがそれ以外の素材は樹脂)とすることで、樹脂は弾性に富み、ワイヤも線に沿った方向以外には弾性に富むため、装着・離脱(嵌合・脱嵌合)の際の嵌合部の軌跡として、鋳造製のC字状アームでは特別な場合以外は不可能であった歯軸に沿う方向の軌跡、をも含めることが可能になった。この結果、この部分義歯の設計の自由度は大きく拡大することになった。繰り返しになるが、スペース形成湾曲部は、装着時には、軌跡としては、上記したように、鉤歯の歯軸に沿って上下方向に移動して嵌合することが可能であるが、装着した後の状態は、あてがわれるように鉤歯豊隆部の根元側に嵌合している状態となる。
(3)患者の歯牙の状態に応じて、金属連結帯や凹面形成金属アームなどの鋳造された金属部材と併用して、ワイヤが内蔵された嵌合部Kを配置できることも、実施の形態において数多く示した通りであり、患者にとって好ましいことである(多様性の確保)。
(1)裸のワイヤがそれだけで鉤歯に線接触して嵌合する場合に比べて、ワイヤをスペース形成湾曲部の樹脂内に配置して補強材としたうえで、スペース形成湾曲部を鉤歯豊隆部の根元側に面接触させることによって、格段に維持力および把持力を向上させることができる。装着感についても、ワイヤは、細く、軽いので、部分義歯をかさばらないように、かつ軽量化できる。このため装着感の向上に非常に大きく貢献する。装着・離脱も、ワイヤは鋳造された金属でなく弾力に富むので、適正な手順を踏めば、非常に容易である。
(2)ワイヤを配置する嵌合体のみで部分義歯が形成される場合、製作工程は画期的に簡単化される。金属部材を維持装置に含む部分義歯としては、究極的に簡単化された製作工程となる。製作工程の簡単化という観点からも、ワイヤは究極の金属素材である(「装着安定性、装着快適性、装着・離脱のしやすさ」に資するだけではなく)。
(3)本部分義歯のリベース処理による調整おいて、鉤歯の歯頸部に嵌合する部分(嵌合の中心をなす部分)に対して存分にリベース処理を行うことができる。鋳造されたC字状金属アームは、鋳造によって鉤歯の歯頸部に形状を合わせた帯状面を有するが、その帯状面の調整はほとんど不可能である(もちろん鋳造された金属以外の樹脂部はリベース処理を自由に行うことができるが)。しかし、本部分義歯では、鉤歯の歯頸部に嵌合する部分(嵌合の中心をなす部分)に対して、他の樹脂部分を含めて、制約を受けずに加厚や減肉、曲面の形状変更等、が可能であり、調整の幅を大きく向上させることができる。
Claims (8)
- 義歯床と、人工歯と、鉤歯に嵌合する嵌合部とを備え、該嵌合部は1つまたは2つ以上の鉤歯に嵌合するものであり、その嵌合部が1つまたは複数存在する、部分義歯であって、
少なくとも1つの前記嵌合部において、
前記義歯床に、前記鉤歯を納めるための抜けたスペースを形成するように湾曲したスペース形成湾曲部が設けられ、前記スペース形成湾曲部には伸線加工された金属のワイヤが配置され、
前記ワイヤは、前記鉤歯の側面もしくは前記スペースの側面に対して、前記スペース形成湾曲部の樹脂(レジン)を介在させて、もしくは、該ワイヤ横断面の外周の少なくとも一部分を該樹脂(レジン)に被覆されて、位置していて、
前記鉤歯の側面もしくは前記スペースの側面に対して裸で接する部分がないこと、を特徴とする部分義歯。 - 前記ワイヤは、前記鉤歯側面において前記スペース形成湾曲部の樹脂中に内蔵されているか、または前記スペース形成湾曲部の頬側の上縁が谷状に歯牙根元側に落ち込んでいてその上縁に沿って部分的に露出して位置していることを特徴とする請求項1に記載の部分義歯。
- 前記ワイヤは、前記スペース形成湾曲部において、少なくとも頬側では、V字状、U字状またはJ字状の形状をなすことを特徴とする、請求項1または2に記載の部分義歯。
- 前記ワイヤには、前記鉤歯と該鉤歯の隣の歯牙との頂部の境界をわたる、裸の頂部境界部が含まれることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の部分義歯。
- 前記部分義歯の義歯床には金属連結帯が埋設され、前記ワイヤは、該金属連結帯に、端もしくは途中が固定されているか、または固定関係がない、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の部分義歯。
- 前記嵌合部が複数存在して、前記ワイヤが配置されていない嵌合部が存在する場合において、該嵌合部における前記義歯床には前記鉤歯に嵌合するための凹部が設けられ該凹部に鋳造された凹面形成金属アームが配置されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の部分義歯。
- 前記凹面形成金属アームは、前記金属連結帯と一体鋳造されて形成されたものであることを特徴とする、請求項6に記載の部分義歯。
- 前記ワイヤが配置される嵌合部のスペース形成湾曲部内、または前記ワイヤが配置されていない嵌合部の凹部内、において、前記金属連結帯の枝部に、前記鉤歯の外面に沿うような金属面が設けられている、ことを特徴とする請求項6または7に記載の部分義歯。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017003192A JP6433032B2 (ja) | 2017-01-12 | 2017-01-12 | 部分義歯 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017003192A JP6433032B2 (ja) | 2017-01-12 | 2017-01-12 | 部分義歯 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018110723A true JP2018110723A (ja) | 2018-07-19 |
JP6433032B2 JP6433032B2 (ja) | 2018-12-05 |
Family
ID=62910506
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017003192A Active JP6433032B2 (ja) | 2017-01-12 | 2017-01-12 | 部分義歯 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6433032B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7450845B2 (ja) | 2019-10-04 | 2024-03-18 | ケイエルエス マーティン, エル.ピー. | 位置合わせ部材を有する外科用ガイド及びインプラント |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3107256U (ja) * | 2004-08-17 | 2005-01-27 | 株式会社エース・デンタル | 弾性樹脂床を備えた義歯 |
WO2006131969A1 (ja) * | 2005-06-09 | 2006-12-14 | Hideo Nakagawa | 部分義歯 |
JP2008220418A (ja) * | 2007-03-08 | 2008-09-25 | Takeshige Ichimura | 部分床義歯 |
JP2010187934A (ja) * | 2009-02-18 | 2010-09-02 | Makoto Yokota | 歯牙固定具 |
JP2013165839A (ja) * | 2012-02-15 | 2013-08-29 | Hideo Nakagawa | 部分義歯の装着構造、および部分義歯 |
-
2017
- 2017-01-12 JP JP2017003192A patent/JP6433032B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3107256U (ja) * | 2004-08-17 | 2005-01-27 | 株式会社エース・デンタル | 弾性樹脂床を備えた義歯 |
WO2006131969A1 (ja) * | 2005-06-09 | 2006-12-14 | Hideo Nakagawa | 部分義歯 |
JP2008220418A (ja) * | 2007-03-08 | 2008-09-25 | Takeshige Ichimura | 部分床義歯 |
JP2010187934A (ja) * | 2009-02-18 | 2010-09-02 | Makoto Yokota | 歯牙固定具 |
JP2013165839A (ja) * | 2012-02-15 | 2013-08-29 | Hideo Nakagawa | 部分義歯の装着構造、および部分義歯 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7450845B2 (ja) | 2019-10-04 | 2024-03-18 | ケイエルエス マーティン, エル.ピー. | 位置合わせ部材を有する外科用ガイド及びインプラント |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6433032B2 (ja) | 2018-12-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8517726B2 (en) | Dental appliance with resilient portion | |
JP4184427B1 (ja) | 歯科矯正治療用アライナー | |
JP4686541B2 (ja) | 部分義歯 | |
CN111107807B (zh) | 正畸托槽和正畸器具 | |
CN111588490A (zh) | 壳状牙齿矫治器、牙科矫治系统的设计方法及制作方法 | |
KR101343129B1 (ko) | 치아 교정장치 | |
JP4270578B2 (ja) | 部分義歯 | |
JP5155475B1 (ja) | 義歯用金属床および義歯の製造方法 | |
EP2957253B1 (en) | Orthodontic lingual device | |
KR20120007066U (ko) | 치아교정용 투명선,투명,반투명,치아색과유사한 색상의 치아교정용 플라스틱 아치와이어 | |
JP6433032B2 (ja) | 部分義歯 | |
JP3940118B2 (ja) | 歯列矯正用ワイヤーリテーナー | |
CN108697488B (zh) | 正畸托槽和制造正畸托槽的方法 | |
JP5442279B2 (ja) | 部分義歯 | |
JP4116783B2 (ja) | 有床義歯 | |
US20210220089A1 (en) | Orthodontic archwire, method for manufacturing orthodontic archwire and method for attaching orthodontic archwire | |
JP2010094382A (ja) | 部分義歯 | |
CN213098436U (zh) | 一种带特殊装置的无托槽隐形矫治器 | |
JP5886442B2 (ja) | 義歯装置の装着構造、および義歯装置 | |
JP6433030B2 (ja) | 部分義歯 | |
JP4270576B2 (ja) | 部分義歯 | |
JP4309938B2 (ja) | 部分義歯 | |
KR20230088379A (ko) | 치열 교정용 마우스피스 및 상기 마우스피스를 이용한 치열 교정 수단 | |
JP3212235U (ja) | 矯正装置 | |
JP2005270134A (ja) | 歯列矯正治療用硬質マウスピースとその製造方法。 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180727 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20180727 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20180807 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181002 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20181018 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20181101 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20181102 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6433032 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D04 |
|
S802 | Written request for registration of partial abandonment of right |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R311802 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |