JP2011224109A - 義歯アタッチメント - Google Patents

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Abstract

【課題】磁性アタッチメント特有の側方力緩和効果と義歯外れ抑制効果の両方を発揮しうる義歯アタッチメントを提供すること。
【解決手段】磁石装置2は円筒部22とつば部23とを有してなる。円筒部22には円筒状を呈する可撓性のスリーブ4が装着されている。スリーブ4は外周凹凸部44を有すると共に、軸方向長さが円筒部22よりも長く、スリーブ4の一端部41をつば部23に当接させた状態において他端部42が吸着面25よりも突出し、キーパ収容凹部49を形成する。スリーブ4は、磁石装置2の軸方向に相対移動させることにより円筒部22の先端から抜き差し可能に構成されている。磁石装置2は、スリーブ4を装着した状態で、スリーブ4の外周凹凸部44及びスリーブ4の一端部41に当接するつば部23とを含む外側面を義歯床82内に埋設すると共にキーパ収容凹部49を露出させた状態で使用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気吸引力を利用して義歯を配設するために用いられる義歯アタッチメントに関する。
歯科治療においては、義歯の着脱が容易であるという観点から、例えば特許文献1に開示されているように、磁気吸引力を利用する義歯アタッチメントが種々提案されている。義歯アタッチメントは、義歯を固定してなる義歯床に配設され磁石吸引力を発揮する磁石装置と、支台(残歯もしくはインプラント)に配設される軟磁性材料よりなるキーパとから構成される。
特開平7−136190号公報 特開2001−321393号公報
磁気吸引力を利用した義歯アタッチメント(以下、適宜、磁性アタッチメントという)は、着脱が非常に容易であると共に、磁石装置とキーパの当接面(吸着面と被吸着面)において若干の横滑りが許容される。そのため、キーパを保持している支台に付与される側方力を逃がして支台を保護することができる。特に、近年普及が拡大しているインプラントに対応した磁性アタッチメントにおいては、インプラントに付与される側方力を緩和できるため、インプラントの必要本数を減らすことも可能となる。
一方、磁石装置とキーパとの横滑りは、義歯が比較的容易に外れてしまうことにつながる場合がある。これは、側方力がある程度大きいと、横滑りすると共に両者の当接面が斜めに引き剥がされる方向に相対的に回転するような力がかかるためと考えられる。この対策としては、磁石装置とキーパとが横ずれや相対的な回転が生じないように両者を嵌め合う形状に変更することが考えられる。
例えば特許文献2の図1に示されているように、磁石構造体の周囲に非磁性金属よりなるガイドリングを溶接固定しておき、このガイドリングとキーパの凸部とを嵌め合わせる構造が提案されている。また、同文献の図7に示されているように、キーパ側に凸部を設け、磁石構造体側にこの凸部を収容する凹部を設けて両者を嵌め合わせる構造がある。
しかし、これらの場合には、磁石装置とキーパとの横滑りが許容されなくなり、磁性アタッチメント特有の側方力緩和効果がほとんど生じなくなってしまうため、支台の状態が非常によい症例にしか適用されてこなかった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、磁性アタッチメント特有の側方力緩和効果と義歯外れ抑制効果の両方を発揮しうる義歯アタッチメントを提供しようとするものである。
本発明は、義歯床に配設され磁気吸引力を発揮する磁石装置と、支台に配設される軟磁性材料よりなるキーパとからなり、上記磁石装置に設けられた吸着面と上記キーパに設けられた被吸着面とを当接させることにより両者が磁気吸引力によって互いに吸着するよう構成された義歯アタッチメントにおいて、
上記磁石装置は、永久磁石を内蔵し、上記吸着面を先端に有すると共に外形状が円筒状を呈する円筒部と、該円筒部の後端において径方向外方に突出するつば部とを有してなり、
上記円筒部には、その先端側から円筒状を呈する可撓性のスリーブが装着されており、
該スリーブは、その外周面に径方向外方に突出あるいは径方向内方に窪む外周凹凸部を有すると共に、軸方向長さが上記円筒部よりも長く、該スリーブの一端部を上記つば部に当接させた状態において他端部が上記吸着面よりも突出し、当該スリーブと上記吸着面とによって囲まれるキーパ収容凹部を形成し、
かつ、上記スリーブは、上記磁石装置の軸方向に相対移動させることにより上記円筒部の先端から抜き差し可能に構成されており、
上記磁石装置は、上記スリーブを装着した状態で、該スリーブの上記外周凹凸部及び上記スリーブの上記一端部に当接する上記つば部とを含む外側面を上記義歯床内に埋設すると共に上記キーパ収容凹部を露出させた状態で使用するよう構成されていることを特徴とする義歯アタッチメントにある(請求項1)。
本発明の義歯アタッチメントにおける磁石装置は、使用時には、上記円筒部に可撓性のスリーブを装着した状態で義歯の義歯床内に埋設される。そして、上記スリーブと上記吸着面とによって囲まれる上記キーパ収容凹部に、上記キーパが収容され、円筒部の先端の吸着面とキーパの被吸着面とが当接して磁気吸引力による吸着状態が得られる。この状態においては、上記スリーブがキーパの外周側面を取り囲んだ状態となる。
ここで、上記スリーブは、可撓性の材質よりなる。そのため、義歯に対して側方力が付与された場合には、スリーブとキーパとの間のクリアランス分及びスリーブが弾性変形する範囲内で磁石装置とキーパとの横滑りが許容され、側方力緩和効果が発揮される。
一方、上記キーパと磁石装置との当接面(吸着面と被吸着面)の間を斜めに引き剥がす方向に相対的な回転力が生じても、上記キーパの外周側面を取り囲む上記スリーブがこの動きを阻止する。そのため、義歯外れが従来よりも抑制される。
また、上記磁石装置及びキーパは金属製であり、基本的に半永久的な使用が可能であるが、上記スリーブは可撓性を有する材質(樹脂あるいはゴムなど)であり、摩耗や劣化の可能性がある。そのため、上記スリーブは定期的に新しいものに交換することが好ましい。上記スリーブは、上記のごとく、上記磁石装置の軸方向に相対移動させることにより上記円筒部の先端から抜き差し可能に構成されている。そのため、特に技工士に委ねることなく、歯科医師が治療現場において容易にスリーブの交換作業を行うことが可能である。なお、スリーブ交換作業を実施するためには、上記磁石装置を義歯床から抜き出すことが必要であるが、これは、歯科治療の一環である定期的な義歯床の調整時に併せて行うことができる。
また、上記のごとく、上記磁石装置とスリーブは、これら単体ではスリーブの抜き差しが可能である。一方、義歯床に埋設させた状態では、スリーブの上記外周凹凸部が義歯床内においてアンダーカット部の役割を果たして、義歯床内にスリーブが固定され、さらに、スリーブの一端が磁石装置の上記つば部に当接していることで、このつば部がスリーブと義歯床に挟持された状態となる。そのため、磁石装置とスリーブとは、一体となった状態で義歯床内に固定され、使用中にスリーブあるいは磁石装置が義歯床から脱落することはない。
このように、本発明の義歯アタッチメントは、可撓性のスリーブの特性を活かして側方力緩和効果と義歯外れ抑制効果とを発揮し、かつ、その性能を維持するためのスリーブの交換を歯科の治療現場で容易に行うことができる優れた構造を有するものである。
実施例1における、磁石装置とキーパとを離した状態で義歯アタッチメントの構造を示す説明図。 実施例1における、磁石装置とキーパとを合体させた状態で義歯アタッチメントの構造を示す説明図。 実施例1における、磁石装置の正面図。 実施例1における、磁石装置の平面図(図3の矢印A視平面図)。 実施例1における、磁石装置の断面図(図4のB−B線矢視断面図)。 実施例1における、スリーブの正面図。 実施例1における、スリーブの平面図(図6の矢印C視平面図)。 実施例1における、スリーブの断面図(図7のD−D線矢視断面図)。 実施例1における、義歯床から磁石装置を掘り出す方法を示す説明図。 実施例1における、磁石装置とスリーブとを分離する方法示す説明図。 実施例1における、磁石装置に新しいスリーブを装着する方法を示す説明図。 実施例1における、スリーブを装着した磁石装置を義歯床内に埋設する方法を示す説明図。 実施例1における、義歯の形態の一例を示す説明図。
本発明の義歯アタッチメントにおける上記スリーブは、樹脂あるいはゴムなどの可撓性を有する公知の材料によって構成することができる。例えば、POM(ポリアセタール)などを使用することができる。
また、上記スリーブの上記外周凹凸部は、様々な形態を取ることができる。例えば、径方向外方に突出するつば状部や、径方向内方に窪む溝状部や、これらを組み合わせた形態などがある。
また、上記磁石装置の上記円筒部は、その先端外周部において上記吸着面に近づくにつれて縮径するよう形成されたテーパ部を有し、上記スリーブは、上記一端部の内周角部に面取り部を有することが好ましい(請求項2)。この場合には、上記テーパ部及び面取り部の存在によって、スリーブを円筒部に装着する作業をより容易にすることができる。
また、上記キーパの外径寸法は上記円筒部の外径寸法よりも大きく、上記スリーブは、上記一端部を上記つば部に当接させた状態において上記円筒部の外周面を覆う基部と、上記キーパ収容凹部を形成する突出部とを備えると共に、該突出部の内径寸法が上記基部の内径寸法よりも大きいことが好ましい(請求項3)。この場合には、磁石装置の吸着面の全面を容易にキーパの被吸着面に当接させる構成を実現することができ、かつ、磁石装置とキーパとの横滑りが生じても吸着力が落ちにくくなるという効果が得られる。
また、上記スリーブの上記基部の内径は、上記磁石装置における上記円筒部の外径に対して適度な押圧力で圧入できる寸法に調整することが好ましい。例えば、圧入代として内径差0.01〜0.3mm程度を設けることが好ましい。
なお、圧入代無しあるいは若干のクリアランスを設けたとしても、表面の摩擦力等によって基部とスリーブの係合状態が維持できれば、特に圧入の構成にこだわらなくてもよい。
また、上記スリーブの上記突出部の内径は、上記キーパの外径に対応して、最低限のクリアランスを設けた寸法に調整することが好ましい。例えば、クリアランスとしては、0.05〜1.0mm程度設けることが好ましい。
また、上記キーパは、顎骨に埋設されるインプラントの先端に配設されていることが好ましい(請求項4)。この場合には、インプラントに付与される側方力を緩和する効果が得られるため、インプラントの保護や、必要数の低減などに有効である。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる義歯アタッチメントにつき、図1〜図12を用いて説明する。
本例の義歯アタッチメント1は、図1、図2に示すごとく、義歯81の義歯床82に配設され磁気吸引力を発揮する磁石装置2と、支台としてのインプラント83に配設される軟磁性材料よりなるキーパ3とからなる。磁石装置2に設けられた吸着面25とキーパ3に設けられた被吸着面35とを当接させることにより両者が磁気吸引力によって互いに吸着するよう構成されている。
図1〜図5に示すごとく、磁石装置2は、永久磁石21を内蔵し、吸着面25を先端に有すると共に外形状が円筒状を呈する円筒部22と、円筒部22の後端において径方向外方に突出するつば部23とを有してなる。
円筒部22には、その先端側から円筒状を呈する可撓性のスリーブ4が装着されている。スリーブ4は、その外周面に径方向外方に突出あるいは径方向内方に窪む外周凹凸部44を有すると共に、軸方向長さが円筒部22よりも長く、スリーブ4の一端部41をつば部23に当接させた状態において他端部42が吸着面25よりも突出し、当該スリーブ4と吸着面25とによって囲まれるキーパ収容凹部49を形成する。
スリーブ4は、磁石装置2の軸方向に相対移動させることにより円筒部22の先端から抜き差し可能に構成されている。
そして、同図に示すごとく、磁石装置2は、スリーブ4を装着した状態で、スリーブ4の外周凹凸部44及びスリーブ4の一端部41に当接するつば部23とを含む外側面を義歯床82内に埋設すると共にキーパ収容凹部49を露出させた状態で使用するよう構成されている。
以下、さらに詳説する。
磁石装置2は、図3〜図5に示すごとく、磁気吸引力を発揮する永久磁石21を収容するための凹部210を有する軟磁性材料よりなるヨーク20と、凹部210に永久磁石21を収容した状態で凹部210の開口部を塞ぐようにヨーク20に接合された軟磁性材料よりなるディスク28とを有してなる。ディスク28とヨーク20とは、溶接部29において溶接することにより接合されている。
ヨーク20は、全体が概略円盤形状を呈していると共に、上記円筒部22とその後端において径方向外方に突出するつば部23を有している。本例では、図4に示すごとく、つば部23の外形状を楕円形状とした。つば部23の突出量は、楕円形状の長径部に相当する部分において0.25mm、短径部に相当する部分において0.05mmである。この楕円形状は、義歯床82内に埋設した際に磁石装置3が周方向に回転することを防止するためのものである。
また、円筒部22は、スリーブ4を装着する部分が外径一定のストレート形状を呈していると共に、その先端外周部において吸着面25に近づくにつれて縮径するよう形成されたテーパ部221を有する。このテーパ部221は、後述するスリーブ4の面取り部412と相俟って、磁石装置2の円筒部22へのスリーブ4の装着が容易となるようにするためのものである。
また、ヨーク20は、軟磁性材料である19Cr−2Mo−0.2Ti−Feを用い、これを切削加工することにより作製した。また、ディスク28は、軟磁性材料である19Cr−2Mo−0.2Ti−Feよりなる円板を用いた。一方、溶接部29は非磁性体からなる。
次に、図6〜図8に示すごとく、スリーブ4は、全体形状が略円筒状を呈しており、円筒部22に装着した際に、円筒部22の外周面を覆う基部401と、上記キーパ収容凹部49を形成する突出部403とを備えている。突出部403の内径寸法は、基部401の内径寸法よりも大きく構成してある。これは、キーパ3の外径寸法が磁石装置2の円筒部22の外径寸法よりも大きいことに対応している。そして、基部401と突出部403との間には、徐々に外径及び内径が変化するスリーブテーパ部402が形成されている。
また、スリーブ4の基部401を円筒部22に装着した際につば部23に当接する一端部41の外周面には、径方向外方に突出するスリーブつば部411が形成されている。そして、このスリーブつば部411と上記スリーブテーパ部402の径方向の寸法変化によって外周凹凸部44が形成されている。
また、スリーブ4の一端部41の内周角部には、面取り部412を設けた。これは、前述した円筒部22のテーパ部221と相俟って、磁石装置2の円筒部22へのスリーブ4の装着が容易となるようにするためのものである。また、スリーブつば部411には、その周方向2箇所において、円弧を直線状に取り除いた切り欠き部416を設けた。これは、後述するように歯科用レジンの流れをスムーズにするための工夫である。また、スリーブ4の基部401の内径は、圧入代0.07mmを考慮して4.33mmφに設定した。
さらに、スリーブ4の突出部403の先端には、2箇所において径方向に貫通する溝部417を設けた。この溝部417に、歯科用レジンを流れ込ませて固化させることで、義歯床82内においてスリーブ4が周方向に回転することを確実に防止することができる。溝部417は、周方向どの位置に設けてもよく、また、数も1つでもよいし複数でもよい。また、切り欠き部416も溝部417と同様の回転防止効果を発揮する。なお、本例では、溝部417と切り欠き部416の周方向の配設位置を同じ位置に設定したが、両者の周方向位置がずれていてもよい。
また、スリーブ4は、POM(ポリアセタール)を用いて成形した。
また、図1、図2に示すごとく、本例では、歯骨84に埋設したインプラント83を支台として採用し、このインプラント83に軟磁性材料よりなるキーパ3を配設した。キーパ3の外径は4.75mmφに設定した。一方、スリーブ4の突出部403の内径は5.13mmφとし、キーパ3との間に0.38mmのクリアランスを設けた。
次に、本例の義歯アタッチメント1の作用効果について説明する。
図1、図2に示すごとく、義歯アタッチメント1における磁石装置2は、使用時には、円筒部22に可撓性のスリーブ4を装着した状態で義歯の義歯床82内に埋設される。そして、スリーブ4と吸着面25とによって囲まれるキーパ収容凹部49に、キーパ3が収容され、円筒部22の先端の吸着面25とキーパ3の被吸着面35とが当接して磁気吸引力による吸着状態が得られる。この状態においては、上記スリーブがキーパの外周側面を取り囲んだ状態となる(図2)。
ここで、スリーブ4は、可撓性の材質よりなる。そのため、義歯81に対して側方力が付与された場合には、スリーブ4とキーパ3との間のクリアランス分及びスリーブ4が弾性変形する範囲内で磁石装置2とキーパ3との横滑りが許容され、側方力緩和効果が発揮される。
一方、キーパ3と磁石装置2との当接面(吸着面25と被吸着面35)の間を斜めに引き剥がす方向に相対的な回転力が生じたとしても、キーパ3の外周側面を取り囲むスリーブ4がこの動きを阻止する。そのため、義歯外れが従来よりも抑制される。
次に、磁石装置2及びキーパ3は金属製であり、半永久的な使用が可能であるが、スリーブ4は可撓性を有する樹脂材料であるため、摩耗や劣化の可能性がある。そのため、スリーブ4は定期的に新しいものに交換することが好ましい。スリーブ4は、磁石装置2の円筒部22の軸方向に相対移動させることにより円筒部22の先端から抜き差し可能に構成されている。そのため、特に技工士に委ねることなく、歯科医師が治療現場において容易にスリーブ4の交換作業を行うことが可能である。なお、スリーブ交換作業を実施するためには、上記磁石装置を義歯床から抜き出すことが必要であるが、これは、歯科治療の一環である定期的な義歯床の調整(リベース)を行う際に併せて行うことができる。
このスリーブ4の交換作業は、次のように行うことができる。
図9に示すごとく、歯科治療の現場において、義歯81の裏側から歯科用工具91等を用いて義歯床の一部を削る。例えば、破線Aに沿った範囲を削ってスリーブ4を装着した磁石装置2を掘り出す。
次に、図10に示すごとく、別途準備する把持治具92により、掘り出した磁石装置2に装着されたスリーブ4の外周面を把持する。そして、スリーブ4の内径よりも細い棒材93によって磁石装置2の吸着面25を軸方向に押す。これにより、磁石装置2がスリーブ4から抜け出て、簡単に両者を分離することができる。分離されたスリーブ4は廃棄する。
次に、図11に示すごとく、洗浄殺菌等の処理を終えた磁石装置2を、吸着面25を上に向けた状態で載置台94上に載置する。そして、治具95によって保持した新しいスリーブ4を磁石装置2の円筒部22の軸方向に移動させて、一端部41から円筒部22に圧入する。一端部41をつば部23に当接させることにより、スリーブ4の装着作業が完了する。
次に、スリーブ4を装着した磁石装置2を義歯81の義歯床82に埋設する作業を行う。図12に示すごとく、スリーブ4を装着した磁石装置2の吸着面25を、口腔内のインプラント83に配設された既存のキーパ3の被吸着面35と当接させ、両者を磁気吸引力によって合体させる。これにより、同図に示すごとく、スリーブ4を装着した磁石装置2とキーパ3とは、実使用している状態と同じ係合状態となる。
一方、同図に示すごとく、義歯81の義歯床82において先に磁石装置2を掘り出した跡の穴の中に、歯科用レジン88を注入しておく。そして、義歯81を磁石装置2に被せ、磁石装置2を義歯床82の穴の中に挿入し、歯科用レジン88を磁石装置2及びスリーブ4の周りに行き渡せる。このとき、スリーブ4のスリーブつば部411には、周方向2箇所に上述した切り欠き部416を設けてあるので、歯科用レジン88の流動をスムーズにすることができる。
歯科用レジン88の硬化によって、義歯81におけるリベースが完了する。
なお、新品の義歯81の義歯床82に磁石装置2を配置する場合も、上述した方法とほぼ同様の方法により行う。
得られた義歯81においては、図1、図2に示すごとく、スリーブ4の外周凹凸部44が義歯床内においてアンダーカット部の役割を果たして、義歯床82内にスリーブ4が固定される。さらに、スリーブ4の一端部41が磁石装置2のつば部23に当接していることで、このつば部23がスリーブ4と義歯床82に挟持された状態となる。そのため、磁石装置2とスリーブ3とは、一体となった状態で義歯床82内に固定され、使用中にスリーブ4あるいは磁石装置2が義歯床82から脱落することはない。
図13には、本例の義歯アタッチメント1を採用した義歯81の一例を示す。口腔内には、インプラントに配設されたキーパ3が2箇所に配設される。義歯81は、このキーパ3の位置に対応する位置に、スリーブ4を装着した磁石装置2を埋設させたものとなる。なお、義歯81の形態は、公知の様々な形態に変えることができる。
以上のように、本例の義歯アタッチメント1は、可撓性のスリーブ4の特性を活かして側方力緩和効果と義歯外れ抑制効果とを発揮し、かつ、その性能を維持するためのスリーブの交換を歯科の治療現場で容易に行うことができる優れた構造を有するものである。
1 義歯アタッチメント
2 磁石装置
22 円筒部
23 つば部
25 吸着面
3 キーパ
35 被吸着面
4 スリーブ
41 一端部
411 スリーブつば部
42 他端部
44 外周凹凸部
81 義歯
82 義歯床
83 インプラント(支台)

Claims (4)

  1. 義歯床に配設され磁気吸引力を発揮する磁石装置と、支台に配設される軟磁性材料よりなるキーパとからなり、上記磁石装置に設けられた吸着面と上記キーパに設けられた被吸着面とを当接させることにより両者が磁気吸引力によって互いに吸着するよう構成された義歯アタッチメントにおいて、
    上記磁石装置は、永久磁石を内蔵し、上記吸着面を先端に有すると共に外形状が円筒状を呈する円筒部と、該円筒部の後端において径方向外方に突出するつば部とを有してなり、
    上記円筒部には、その先端側から円筒状を呈する可撓性のスリーブが装着されており、
    該スリーブは、その外周面に径方向外方に突出あるいは径方向内方に窪む外周凹凸部を有すると共に、軸方向長さが上記円筒部よりも長く、該スリーブの一端部を上記つば部に当接させた状態において他端部が上記吸着面よりも突出し、当該スリーブと上記吸着面とによって囲まれるキーパ収容凹部を形成し、
    かつ、上記スリーブは、上記磁石装置の軸方向に相対移動させることにより上記円筒部の先端から抜き差し可能に構成されており、
    上記磁石装置は、上記スリーブを装着した状態で、該スリーブの上記外周凹凸部及び上記スリーブの上記一端部に当接する上記つば部とを含む外側面を上記義歯床内に埋設すると共に上記キーパ収容凹部を露出させた状態で使用するよう構成されていることを特徴とする義歯アタッチメント。
  2. 請求項1の記載において、上記磁石装置の上記円筒部は、その先端外周部において上記吸着面に近づくにつれて縮径するよう形成されたテーパ部を有し、上記スリーブは、上記一端部の内周角部に面取り部を有することを特徴とする義歯アタッチメント。
  3. 請求項1又は2の記載において、上記キーパの外径寸法は上記円筒部の外径寸法よりも大きく、上記スリーブは、上記一端部を上記つば部に当接させた状態において上記円筒部の外周面を覆う基部と、上記キーパ収容凹部を形成する突出部とを備えると共に、該突出部の内径寸法が上記基部の内径寸法よりも大きいことを特徴とする義歯アタッチメント。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項の記載において、上記キーパは、顎骨に埋設されるインプラントの先端に配設されていることを特徴とする義歯アタッチメント。
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