JPWO2005012632A1 - 再生パルプの製造方法、パルプ繊維表面及び夾雑物の改質方法、並びにパルプ処理装置 - Google Patents

再生パルプの製造方法、パルプ繊維表面及び夾雑物の改質方法、並びにパルプ処理装置 Download PDF

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Abstract

古紙を再生する工程において、繊維表面に対して選択的に作用する力を用いてインキを剥離し、繊維の損傷を抑えて、高白色度で残インキの少ない高品質な再生パルプを製造する。また、繊維表面だけに作用する力を用いて、繊維表面を改質し高品質なパルプ得ると共にパルプ品質を損なう夾雑物の無害化する。古紙を再生する工程において、キャビテーションを発生させ、これを用いて繊維および灰分に付着している汚染物質を剥離することを特徴とする再生パルプの製造方法。キャビテーションによって発生する気泡を積極的にパルプ懸濁液に導入することで、微細な気泡崩壊時の衝撃力によって繊維および灰分に付着しているインキ等の汚染物質を剥離・微細化する。容器内に繊維素からなる物質を含む水性スラリーを噴射するための、一つ以上のノズルを有する噴流装置。

Description

本発明は、古紙から再生パルプを製造する方法、並びに、その方法により製造されたパルプを用いて製造された紙及び塗被紙等の印刷用紙に関する。更に詳しくは、新聞、チラシ、雑誌、情報記録用紙、コピー、コンピュータープリントアウトなどの印刷古紙、或いは雑誌古紙やオフィス古紙等のこれら印刷物の混合物から、再生パルプを製造する工程において、キャビテーション気泡をパルプ懸濁液に積極的に導入し、その気泡崩壊時の衝撃力を用いてパルプ繊維及び無機粒子からインキ等の汚染物質を剥離・微細化し、高白色度で残インキの少ないパルプを製造する方法に関するものである。
本発明の第二の発明(請求項11〜24)は、キャビテーション気泡をパルプ懸濁液に積極的に導入し、そのキャビテーション気泡崩壊時の衝撃力を用いてパルプの改質及び品質の向上を図る方法、さらにパルプ処理装置に関するものである。
液体中のポンプやプロペラの流れは、場所により加速され圧力が低くなるので、条件によっては常温でも液体が蒸発し気泡となる現象が起きるが、これをキャビテーションという。
脱墨とは、古紙からインキを分離することを意味し、インキ剥離とインキ除去全体を含む概念である。
近年、省資源或いは地球規模での環境保護といった観点から、古紙の再生利用が強く求められており、利用範囲を拡大することが極めて重要な問題となっている。一方で、従来の再生パルプの用途は新聞・雑誌用の紙であることが多かったが、近年は様々な用途へ展開すべく、古紙をより高度に処理し、高白色度で残インキの少ない再生パルプを製造することが求められている。
古紙の再生方法は、一般的にパルプ繊維からインキを剥離する工程と、剥離されたインキを除去する工程からなる。より具体的には、パルパーにおいて、流体力学的せん断力またはパルプ繊維同士の摩擦力によって、パルプ繊維からのインキの剥離と微細化を促進し、続いてフローテーション及び/または洗浄によりインキの除去を行なう方法が主流である。この過程において、必要に応じて水酸化ナトリウム、珪酸ソーダ、酸化性漂白剤および/または還元性漂白剤、脱墨剤などの脱墨薬品を添加し、アルカリ性pH値で古紙の処理を行うことが一般的である。古紙をより高度に処理する場合、上記処理で除去できなかったパルプ繊維上に残存するインキを剥離するため、例えば、インキ剥離工程またはインキ除去工程後に、更に機械力によってインキの剥離・微細化を促進する方法、および、その後にインキ除去を行う方法(特許文献1)などが採用されている。
しかしながら、古紙の多様化に伴い、経時劣化し酸化重合の進んだオフセットインキやパルプ繊維に熱融着したトナーインキ、印刷時の処理により硬化したUV樹脂インキ等の混入が増加しており、上記の古紙再生方法では、剥離力が不十分であり、未剥離インキが残存し完成パルプ品質が著しく低下することが問題となっている。この対策として、より大きな機械的負荷やより高温での処理、または、より多くのアルカリや脱墨剤などの薬品の添加を与える方法が採用されているが、機械的負荷の増大により、パルプ繊維自体の短小化や微細繊維の増加、パルプ繊維のねじれなどによる紙力や寸法安定性の低下、紙のカール、高温による蒸気代や薬品費の増加によるコストアップなどが問題となっていた。また、機械力によるインキ剥離工程とフローテーション及び/または洗浄からなるインキ除去工程を、目的とするパルプ品質が得られるまで複数回数繰り返して行う方法もあるが、極めて大きな設備投資が必要であり、且つ、排水負荷の増大を招くことから、コスト面、エネルギー面および環境面からデメリットが大きく導入は進んでいない。このため、特にトナー印刷物やUV樹脂インキ印刷物などは、板紙や家庭紙にしか使用されておらず、印刷用紙や情報用紙、新聞用紙などの紙向けの古紙原料として積極的に用いられることがなかった。
更に古紙利用率の向上に伴い、パルプ繊維自体のリサイクル回数が増え、岡山らの報告(岡山隆之、第7回パルプ基礎講座 古紙パルプ(その2)、紙パルプ技術協会編、p101−111、2002)にあるようにパルプ繊維の損傷が激しくなっている。パルプ繊維は熱乾燥によって水素結合形成能が著しく低下することが知られており、一度乾燥された古紙を再生する際には、これを補うためにリファイナーなどで叩解しパルプ繊維を毛羽立たせることによって水素結合形成能を向上させる必要がある。しかしながら、この過程において、パルプ繊維の内部構造は著しく損傷し、層状又は環状にひび割れたような構造となる。このような状態になったパルプ繊維は、古紙の再生過程における機械力による繊維同士の擦れや攪拌羽根などとの接触により、容易に切断され、パルプ繊維の短小化などを促進するものと考えられている。このように従来の技術では、多様化する古紙から高品質のパルプを製造するためには、パルプ繊維の損傷またはエネルギー消費量、排水処理費等のコストアップが避けられなかった。
また、従来、機械力を用いてパルプを叩解処理することにより、パルプ繊維をフィブリル化させ繊維表面のミクロフィブリルの毛羽立ちによって繊維間結合面積を増大させ、結合強度を向上させてパルプ繊維の改質を行っていた。しかしながら、このような方法では、パルプ繊維自体のカッティングによる損傷が発生するため、繊維長の低下による紙力の低下を生じていた。
従来、ニーダー等の機械的負荷によるパルプ繊維間の摩擦と、脱墨剤と呼ばれる界面活性剤による界面化学的作用によってインキ剥離性を向上させていた。しかしながら、近年、難剥離性のトナーやUV樹脂インキが増えており、機械的負荷の増加によるパルプ繊維自体の損傷が問題となっている。
クラフトパルプの漂白では、リグニンなどに由来する有機着色成分を分解除去するために塩素系漂白剤が用いられてきたが、漂白排水の環境に与える問題から、塩素を用いない漂白、さらには塩素系漂白剤をも用いない漂白に切替えつつあり、漂白効率の低下からコストアップが課題となっている。
このように従来の技術では、パルプ繊維全体に機械的負荷がかかるため、パルプ品質を向上させるためにはパルプ繊維の損傷または添加薬品費のコストアップが避けられなかった。
下記のウクライナの非特許文献には、板紙古紙パルプの製造に、キャビテーションを利用しているが、脱墨処理を行うものではない。
なお、特許文献2には、パルプ懸濁液を特定の形状を有する反応器に通することによってキャビテーションを利用したパルプの処理方法が開示されているが、この方法では十分にインキを剥離・除去することは困難であった。
特許第3191828号公報 特開昭49−51703号公報 R.A.SoloИitsyИ et al.,Bum Prom−st’,1987(6),22 R.A.SoloИitsyИ et al.,Bum Prom−st’,1987(1),25 R.A.SoloИitsyИ et al.,Bum Prom−st’,1986(7),24
そこで本発明は、古紙を再生する工程において、パルプ繊維表面に対して選択的に作用する力を用いてインキを剥離し、パルプ繊維の損傷を抑えて、高白色度で残インキの少ない高品質な再生パルプを製造する方法を提供することを目的とする。また、本発明は上記方法によって製造されるパルプ、並びにこれを用いて製造された紙及び塗被紙を提供することを目的とする。
本発明の第二発明は、パルプ繊維表面だけに作用する力を用いて、パルプ繊維表面を改質し高品質なパルプを得ると共にパルプ品質を損なう夾雑物を無害化する方法及びパルプ処理装置を提供することを目的とする。
そこで本発明者は大部分のインキがパルプ繊維及び/または塗工層表面に付着していることに着目し、従来のパルプ繊維全体に対して負荷を与えるインキ剥離方法ではなく、パルプ繊維表面に対して選択的に負荷を与えてインキを剥離する方法について、鋭意研究を重ねた結果、パルプ繊維自体への損傷を抑えてパルプ繊維表面に付着しているインキの剥離・微細化を促進し、高白色度で残インキの少ない高品質パルプが得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、古紙を再生する工程において、キャビテーションによって発生する気泡を積極的にパルプ懸濁液に導入することで、微細な気泡崩壊時の衝撃力によってパルプ繊維及び無機粒子に付着しているインキ等の汚染物質を剥離・微細化するものである。
即ち、本発明は、古紙を再生する工程において、キャビテーションによって気泡を発生させ、これをパルプ懸濁液に接触させてパルプ繊維及び無機粒子に付着している汚染物質を剥離することを特徴とする再生パルプの製造方法である。
ここで、本発明は、流体噴流を用いてキャビテーションを発生させることができ、また、パルプ懸濁液を流体噴流として噴射させることによってパルプ懸濁液と気泡を接触させることができる。前記流体噴流が液体噴流であることができ、前記汚染物質は、インキでよい。噴流をなす流体は、流動状態であれば液体、気体、粉体やパルプ等の固体の何れでもよく、またそれらの混合物であってもよい。更に必要であれば上記の流体に、新たな流体として、別の流体を加えることができる。上記流体と新たな流体は、均一に混合して噴射してもよいが、別個に噴射してもよい。
液体噴流とは、液体又は液体の中に固体粒子や気体が分散或いは混在する流体の噴流であり、パルプや無機物粒子のスラリーや気泡を含む液体噴流のことをいう。ここで云う気体は、キャビテーションによる気泡を含んでいてもよい。
さらにまた、本発明は、キャビテーションを用いたインキ剥離工程、それに続くフローテーション工程及び/又は洗浄法によるインキ除去工程からなる古紙を再生する工程のいずれか一つ以上の工程において、キャビテーションによって気泡を発生させ、これをパルプ懸濁液に接触させてパルプ繊維および無機粒子に付着している汚染物質を剥離させて分離することを特徴とする再生パルプの製造方法を提供するものである。ここで、前記の古紙を再生する工程が脱墨工程でよい。
キャビテーションは、加藤の成書(加藤洋治編著、新版キャビテーション 基礎と最近の進歩、槇書店、1999)にあるように、キャビテーション気泡の崩壊時に数μmオーダーの局所的な領域に数GPaにおよぶ高衝撃圧を発生し、また気泡崩壊時に断熱圧縮により微視的にみると数千℃に温度が上昇する。その結果、キャビテーションを発生した場合には温度上昇が伴う。これらのことから、キャビテーションは流体機械に損傷、振動、性能低下などの害悪をもたらす面があり、解決すべき技術課題とされてきた。近年、キャビテーションについて研究が急速に進み、キャビテーション噴流の流体力学的パラメータを操作因子としてキャビテーションの発生領域や衝撃力まで高精度に制御できるようになった。その結果、気泡の崩壊衝撃力を制御することにより、その強力なエネルギーを有効活用されることが期待されはじめている。従って、流体力学的パラメータに基づく操作・調整を行うことでキャビテーションを高精度に制御することが可能となった。これは技術的作用効果の安定性を保持することが可能であることを示しており、従来のように流体機械で自然発生的に生じる制御不能の害悪をもたらすキャビテーションではなく、制御されたキャビテーションによって発生する気泡を積極的にパルプ懸濁液に導入し、そのエネルギーを有効利用することが本発明の特徴である。
本発明で、パルプ繊維表面に局所的な負荷が導入され、インキが剥離される理由としては、次のような理由が考えられる。キャビテーションにより生じる微細な気泡の崩壊時には、前述のとおり数μmオーダーの局所的な領域に強力なエネルギーが発生する。従って、微細な気泡または気泡雲がパルプ繊維表面或いは近傍で崩壊する場合、その衝撃力は直接或いは液体を介してパルプ繊維表面に到達し、パルプ繊維を構成するセルロースの非晶領域に吸収されることにより、外部フィブリル化とパルプ繊維の膨潤を促し、同時にパルプ繊維表面に付着しているインキ等の異物を剥離させるものと考えられる。気泡はパルプ繊維に対して非常に小さく、その衝撃力はパルプ繊維全体を損傷させる程大きくない。更に、パルプ繊維は液体中に分散しており固定されていないため、気泡雲の連続崩壊のような極めて大きな衝撃力であっても、過剰のエネルギーを繊維自体の運動エネルギーとして吸収する。従って、本発明による方法は、機械的作用によるインキ剥離方法に比べてパルプ繊維の短小化などの損傷を抑えることができると考えられる。
尚、特公平7−18109号公報は、脱墨装置の底板の下面に設置した超音波発生装置を設置し、該底板を介して容器内に超音波を照射して、その超音波の衝撃波により発生する気泡の膨張・収縮に伴う衝撃によって脱墨する方法を提案している。一般に、開放系で超音波振動子を用いた場合、そのキャビテーションの発生効率は低いため、本発明が意図するような高品質なパルプを得ることができない。
また、古紙の再生工程においては、気泡を利用した分離装置として、Doshiら(M.R.Doshi and J.M.Dyer,″Paper Recycling Challenge Vol.II−Deinking and Bleaching″,pp3,Doshi&Associates Inc.,1997)がまとめているように、フローテーターや加圧浮上装置がある。フローテーターは繊維とインキの混合物からのインキの選択的泡沫分離を行うものであり、加圧浮上装置は水中の懸濁物質を微細気泡で分離するものである。従って、何れの装置も予め分散している物質の分離を目的としており剥離・分散作用を持たないこと、物質を泡に付着して浮上し泡沫層として分離するため壊れ難い安定な泡が必要であることから、本発明とこれらの技術とは、利用する作用領域や機構が異なり、目的も異なっているため本質的に相違する技術である。
本発明の第二発明では、パルプ繊維表面の選択的な改質方法について、鋭意研究を重ねた結果、微細気泡を積極的にパルプ懸濁液に導入することで、微細気泡(キャビテーション気泡)崩壊時の衝撃力によってパルプ繊維自体に損傷を与えることなく、パルプ繊維表面の親水化、パルプ繊維のフィブリル化、疎水性物質の剥離、及び有機着色成分の分解を促進し、高品質のパルプが得られること、同時にパルプ品質を損なう夾雑物を無害化できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
キャビテーションの崩壊圧力とはキャビテーション気泡崩壊時に生じる液中の圧力変動の事で、通常、可聴域から超音波域の広範囲な波長に亘る圧力振動である。
本発明の第二発明でいう、キャビテーション気泡崩壊時の衝撃力によってパルプ繊維自体に損傷を与えることがないとは、他の類似の効果が得られる処理と比較して、単繊維が切断されにくく、曲がりにくく、強度低下を起こしにくいことである。
夾雑物とは古紙原料中に含まれるパルプ繊維素以外のほぼ全ての物質のことを指し、インク、填料、顔料、粘着異物、バインダー成分などである。
パルプ繊維表面及び夾雑物の改質とは元来の性質と違う性質にすることで、例えば、親水性を上げる事などにより、除去困難な夾雑物の除去を容易にしたり、スケール等のデポジットの原因となる凝集を抑制したりすることが出来る。ここでいうデポジットとは無機物、有機物、或いはそれらの複合物から成る堆積物、析出物のことである。
パルプと夾雑物の分離はキャビテーション以外の別の方法に依り、浮選・濾過・比重分離などがある。具体的な分離手段としては、フローテーター、洗浄機、スクリーン、クリーナなどが用いられる。キャビテーション処理による剥離の後、別の装置を用いて分離操作を行っても良いが、キャビテーション発生機構を分離装置の一部に組み込んで剥離と分離を一つの装置の中で連続的に行うことも出来る。
本発明の第二発明で、パルプ繊維表面だけが改質される理由は明らかではないが、例えば、次のような理由が考えられる。微視的に見た場合、一つの微細気泡崩壊時には、数μmオーダーの局所的な領域に数GPaにおよぶ高衝撃圧を発生し、また、気泡崩壊時に断熱圧縮により数千℃に温度が上昇する。従って、1μm〜0.2mm程度の微細な気泡がパルプ繊維表面で崩壊する場合、その衝撃力は水を介してパルプ繊維表面に到達し、パルプ繊維を構成するセルロースの非晶領域に吸収されることにより、パルプ繊維の外部フィブリル化と膨潤を促し、同時にパルプ繊維表面に付着している疎水性物質などを剥離させるものと考えられる。
更に、夾雑物が無害化される理由としては、例えば、次のような理由が考えられる。微細気泡崩壊時の衝撃波による反応場によって微小な有機物は、極限状態の反応場で熱分解あるいは変成される。粗大な異物は、極限状態の高エネルギーによって水分子から生成したOHラジカル等のフリーな活性ラジカル種の作用により表面が親水化、または分解されると考えられる。
本発明によるパルプの製造方法では、古紙を原料とする再生パルプについて、繊維表面に付着している汚染物質を剥離することで、より繊維への損傷が少なく、白色度が高く、汚染物質による品質低下の少ない高品質なパルプおよび紙、塗被紙を得ることができる。
本発明の第二発明によるパルプの製造方法では、クラフトパルプ、機械パルプなどの木材を原料とするパルプ及び古紙を原料とする再生パルプについて、パルプ繊維自体の損傷を抑えて表面を改質することで、より強度があり、白色度が高く、夾雑物による品質低下の少ない高品質なパルプ及び紙、塗被紙を得ることができる。
段ボール古紙パルプについて、本発明のキャビテーション処理をする場合のフローチャートの一例を示す。 図2Aは、雑誌古紙パルプについて、本発明のキャビテーション処理をする場合のフローチャートの一例を示す。 図2Bは、雑誌古紙パルプについて、本発明のキャビテーション処理をする場合のフローチャートの一例を示す。 上質古紙DIPについて、本発明のキャビテーション処理をする場合のフローチャートの一例を示す。 新聞古紙DIPについて、本発明のキャビテーション処理をする場合のフローチャートの一例を示す。 新聞・雑誌古紙高白色度DIP(新聞・雑誌等を原料として、製品パルプのISO白色度が60%以上であるパルプをいう。)について、本発明のキャビテーション処理をする場合のフローチャートの一例を示す。 本発明の方法において使用するキャビテーション噴流式洗浄装置の一例である。 脱墨試験3に関する実機フロー及び実施例フローのそれぞれのフローチャートである。 本発明のポンプとノズルと圧力調節機構から成る概略図である。 本発明の噴流装置を示す図で、ポンプとノズルと圧力調節機構から成る図8に、容器と容器内の圧力調節機構を付け加えた概略図である。 ポンプとノズルと圧力調節機構と、容器と容器内の圧力調節機構から成る図2に、ノズル以外の流体の流入口を付け加え、容器の内壁をコーン状とした概略図である。 本発明の噴流装置を示す図で、ポンプとノズルと圧力調節機構と、容器と容器内の圧力調節機構から成る図9に、ノズル以外の流体の流入口を付け加え、容器の液体排出口に接続した液体移送路の下流から前記容器に液体を返送する液体移送路を設けた概略図である。 本発明の容器の液体排出口又はその下流に接続した液体移送路の下流に接続している液体の分離手段であるクリーナを示す概略図である。 本発明の容器の液体排出口又はその下流に接続した液体移送路の下流に接続している液体の分離手段であるフローテータを示す概略図である。 本発明の容器の液体排出口又はその下流に接続した液体移送路の下流に接続している液体の分離手段である洗浄機を示す概略図である。 本発明のパルプ処理装置の概略図の一例である。
符号の説明
1:試料タンク
2:ノズル
3:キャビテーション噴流セル
4:プランジャポンプ
5:上流側圧力制御弁
6:下流側圧力制御弁
7:上流側圧力計
8:下流側圧力計
9:給水弁
10:循環弁
11:排水弁
12:温度センサー
13:ミキサー
キャビテーションは液体が加速され、局所的な圧力がその液体の蒸気圧より低くなったときに発生するため、流速及び圧力が特に重要となる。このことから、キャビテーション状態を表わす基本的な無次元数、キャビテーション数(Cavitation Number)σは次のように定義される(加藤洋治編著、新版キャビテーション基礎と最近の進歩、槇書店、1999)。
Figure 2005012632
(p∞:一般流の圧力、U∞:一般流の流速、p:流体の蒸気圧、ρ:流体の密度)
ここで、キャビテーション数が大きいということは、その流れ場がキャビテーションを発生し難い状態にあるということを示す。特にキャビテーション噴流のようなノズルあるいはオリフィス管を通してキャビテーションを発生させる場合は、ノズル上流側圧力p、ノズル下流側圧力p、、試料水の飽和蒸気圧pから、キャビテーション数σは下記式(2)のように書きかえることができ、キャビテーション噴流では、p、p、p間の圧力差が大きく、p≫p≫pとなることから、キャビテーション数σはさらに以下のように近似することができる(H.Soyama,J.Soc.Mat.Sci.Japan,47(4),381 1998)。
Figure 2005012632
本発明におけるキャビテーションの条件は、上述したキャビテーション数σが0.001以上0.5以下であることが望ましく、0.003以上0.2以下であることが好ましく、0.01以上0.1以下であることが特に好ましい。キャビテーション数σが0.001未満である場合、キャビテーション気泡が崩壊する時の周囲との圧力差が低いため効果が小さくなり、0.5より大である場合は、流れの圧力差が低くキャビテーションが発生し難くなる。
また、ノズルまたはオフィリス管を通じて噴射液を噴射してキャビテーションを発生させる際には、噴射液の圧力(上流側圧力)は0.01MPa以上30MPa以下であることが望ましく、0.7MPa以上15MPa以下であることが好ましく、2MPa以上10MPa以下であることが特に好ましい。上流側圧力が0.01MPa未満では下流側圧力との間で圧力差を生じ難く作用効果は小さい。また、30MPaより高い場合、特殊なポンプ及び圧力容器を必要とし、消費エネルギーが大きくなることからコスト的に不利である。
また、噴射液の噴流の速度は1m/秒以上200m/秒以下の範囲であることが望ましく、20m/秒以上100m/秒以下の範囲であることが好ましい。噴流の速度が1m/秒未満である場合、圧力低下が低く、キャビテーションが発生し難くいため、その効果は弱い。一方、200m/秒より大きい場合、高圧を要し特別な装置が必要であり、コスト的に不利である。
本発明は、原料として、新聞、チラシ、更紙系雑誌、コート紙系雑誌、感熱・感圧紙、模造・色上質紙、コピー用紙、コンピューターアウトプット用紙、或いはこれらの混合古紙に適用できるが、特に夏場などに経時劣化した新聞古紙や更紙系雑誌、トナー印刷物などを含むオフィス古紙などを上記古紙と同時に或いは別々に処理する場合に特に優れた効果を発揮する。さらに、上記古紙にラミネート加工された紙やUV樹脂インキなどで印刷された紙などの禁忌品が混入している場合に特に優れた効果を発揮する。禁忌品とは、古紙再生促進センターが定義(財団法人古紙再生促進センター編、古紙ハンドブック1999、p4)するA類、B類全般を指す。オフィス古紙としては、古紙再生促進センターが定義(古紙ハンドブック1999、p3)する上質系オフィス古紙全般を指すが、事業所および家庭から古紙または紙ゴミとして回収される古紙であれば、これらに限定するものではない。古紙に含まれるトナー以外のインキとしては公知の印刷インキ(日本印刷学会編、“印刷工学便覧”、技報堂、p606、1983)、ノンインパクトプリンティングインキ(“最新・特殊機能インキ”、シーエムシー、p1、1990)等が挙げられる。新聞や更系雑誌に用いられる非加熱の浸透乾燥方式のオフセットインキとしては公知の新聞・更紙用オフセットインキ(後藤朋之、日本印刷学会誌、38(5)、7、(2001)など)が挙げられるが、これらに限定するものではない。本発明は特にこのような複数のインキによって印刷された古紙を処理する場合に好適である。また、繊維と灰分の比率については特に制限はない。更に、古紙パルプに対しても本発明を適用し、より高品質のパルプを得ることができる。
本発明は、従来の高濃度パルパー等の機械力を伴うインキ剥離工程と、フローテーション及び/または洗浄法によるインキ除去工程からなる、古紙を再生するために用いられる脱墨工程のいかなる場所にも適用できる。また、上記工程内で発生する搾水などを含む工程白水、フローテーション後のリジェクト又は洗浄後の回収水などに対しても適用できる。
機械力によってインキを剥離する装置としては、タブ式又はドラム式パルパーやニーダー、マイカプロセッサー、ディスパーザーなどやCarreらの文献(B.Carre,Y.Vernac and G.Galland,Pulp and Paper Canada,99(9),46(1998).)に示される各種離解、混錬、分散技術に基づく装置が挙げられる。特に、機械力によるインキ剥離装置と本発明を組合わせることで、2種の異なる機構によってインキ剥離を行うため、より作用効果が大きくなる。更に必要に応じて水酸化ナトリウム、珪酸ソーダ、その他のアルカリ薬品、脱墨剤、酸化性漂白剤、還元性漂白剤を加えることができる。更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加しても何ら問題はない。用いるインキ剥離装置及びインキ除去装置、或いは処理条件については、特に制限はない。また、異物除去や高白色度化が必要ならば、上記脱墨工程に通常用いられている異物除去工程又は漂白工程などを組み入れることができる。
本発明におけるキャビテーションの発生手段としては、液体噴流による方法、超音波振動子を用いる方法、超音波振動子とホーン状の増幅器を用いる方法、レーザー照射による方法などが挙げられるが、これらに限定するものではない。好ましくは、液体噴流を用いる方法が、キャビテーション気泡の発生効率が高く、より強力な崩壊衝撃力を持つキャビテーション気泡雲を形成するためインキ等の汚染物質に対する作用効果が大きい。上記の方法によって発生するキャビテーションは、従来の流体機械に自然発生的に生じる制御不能の害悪をもたらすキャビテーションと明らかに異なる。本発明におけるパルプ繊維とは、上記の古紙に由来する繊維状の物質を指し、例えば、化学パルプや機械パルプ、古紙パルプなどのセルロース繊維が挙げられる。また、パルプ繊維以外の化学繊維やガラス繊維などにも適用できる。また、無機粒子とは紙の製造時に内添された填料、もしくは、塗工された顔料など紙を灰化した際に灰分として残存する物質である。例えば、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、二酸化チタン等が挙げられるが、これらに限定するものではない。汚染物質とは、パルプ繊維又は填料・顔料に付着している異物を指し、例えば上記のインキに加えて、蛍光染料や一般の染料、塗料や澱粉、高分子などの塗工層残さ、ラミネートなどの加工層残さ、接着剤及び粘着剤、サイズ剤、などが挙げられる。更に紙を製造する際に使用する歩留まり向上剤、ろ水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤などが挙げられるが、これらに限定するものではない。
本発明における流体(液体)噴流によるキャビテーションの発生方法では、パルプ懸濁液に対して、噴射液体として、例えば、蒸留水、水道水、工業用水、製紙工程で回収される再用水、パルプ搾水、白水、パルプ懸濁液、アルコールなどを噴射することができるが、これらに限定するものではない。好ましくは、パルプ懸濁液自体を噴射することで、噴流周りに発生するキャビテーションによる作用効果に加え、高圧でオリフィスから噴射する際の流体力学的せん断力による汚染物質の剥離効果が得られるため、より大きな作用効果を発揮する。さらに、ポンプや配管から受けるせん断力による剥離効果を得ることができる。
本発明におけるキャビテーション発生場所としてはタンクなど任意の容器内もしくは配管内を選ぶことができるが、これらに限定するものではない。また、ワンパスで処理することも可能であるが、必要回数だけ循環することによって更に剥離効果を増大できる。さらに複数の発生手段を用いて並列で、或いは、順列で処理することができる。キャビテーションを発生する被噴射液であるパルプ懸濁液の固形分濃度は3重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.5重量%の範囲で処理することが気泡の発生効率の点から好ましい。被噴射液の固形分濃度が3重量%より高く40重量%より低い場合は、噴射液濃度を3%以下にすることによって作用効果を得ることができる。また、被噴射液のpHがアルカリ条件である方がパルプ繊維の膨潤性がよく、剥離した汚染物質の再定着が起き難いこと、OH活性ラジカルの生成量が増加することから望ましい。
本発明は、従来の脱墨技術では困難な、比較的低濃度、低温でのダートの剥離・微細化に効果を発揮する。従って、本技術を用いることで、パルプを過度に脱水し高濃度化することなく高品質のパルプを製造できる。
従来の脱墨技術では低濃度のインキ剥離装置として、低濃度パルパーが知られているが、そのインキ剥離能力は、高濃度パルパーや、更に高パルプ濃度のニーダー、ディスパーザーに比べて著しく低い。また、ニーダーやディスパーザーにおいて、ダートを効率良く微細化するためには、少なくとも25重量%以上、30重量%前後の高いパルプ濃度にする必要がある。更に加えて、50℃以上の温度で処理することが一般的である。しかしながら、特にフローテーション後の固形分濃度1重量%前後のパルプを30重量%程度まで脱水するためには、複数の脱水装置が必要であり、多大な動力を必要とする。
これに対して、本発明では、フローテーション後のパルプをそのまま濃度調整することなく処理することが可能であり、ニーダーと同程度のインキ及びダートの剥離・微細化効果が得られることから、脱水に係る設備及び動力を削減することができる。更に、従来技術では、パルプを加熱するためには多大な蒸気が必要であるが、本発明では必ずしもパルプを加熱する必要はなく、蒸気エネルギーを低減することができる。工程内で使用する循環用水を分離する点から、ある程度の脱水を行った後に、別種の用水で希釈して利用しても何ら問題はない。
また、本発明はパルプ繊維からインキを剥離するに際して、特に脱墨薬品を使用しなくともインキを剥離することができる。従来の脱墨工程で使用されるニーダーのような機械的インキ剥離方法では、パルプ繊維を高濃度で擦り合わせるため、インキの剥離と同時にパルプ繊維内部へのインキの擦り込みが生じるため、残存インキ量が減少しても白色度が向上しないという現象を生じるが、本発明による方法では、低濃度でインキの剥離・分散を促進するため、パルプ繊維内部への擦り込みが発生し難くく、白色度の高いパルプが得られる。
本発明における噴射液とは、高圧でオリフィスから噴射する液体を指し、被噴射液とは容器内もしくは配管内で噴射される液体を指す。
本発明では、キャビテーションを発生する工程と、それ以上に続くフローテーション及び/または洗浄からなるインキ除去工程を適宜組合わせることで、剥離したインキ等が効果的に除去されることから、より白色度の高い高品質のパルプを得ることができる。更に、複数のインキ剥離工程とインキ除去工程と本発明を組合わせることでより良い効果を得ることができる。フローテーションおよび洗浄装置としては、公知または新規の繊維から汚染物質の分離を目的としたいかなる装置を用いてもよい。
本発明では、液体の噴射圧力を高めることで、噴射液の流速が増大し、より強力なキャビテーションが発生する。更に被噴射液を収める容器を加圧することで、キャビテーション気泡が崩壊する領域の圧力が高くなり、気泡と周囲の圧力差が大きくなるため気泡は激しく崩壊し衝撃力も大となる。キャビテーションは液体中の気体の量に影響され、気体が多過ぎる場合は気泡同士の衝突と合一が起こるため崩壊衝撃力が他の気泡に吸収されるクッション効果を生じるため衝撃力が弱まる。従って、溶存気体と蒸気圧の影響を受けるため、その処理温度は融点以上沸点以下でなければならない。液体が水を媒質とする場合、好ましくは0〜80℃、更に好ましくは10℃〜60℃の範囲とすることで高い効果を得ることができる。一般には、融点と沸点の中間点で衝撃力が最大となると考えられることから、水溶液の場合、50℃前後が最適であるが、それ以下の温度であっても、蒸気圧の影響を受けないため、上記の範囲であれば高い効果が得られる。80℃よりも高い温度では、キャビテーションを発生するための圧力容器の耐圧性が著しく低下するため、容器の損壊を生じやすいため不適である。本発明においては、界面活性剤などの液体の表面張力を低下させる物質を添加することで、キャビテーションを発生させるために必要なエネルギーを低減することができる。添加する物質としては、公知または新規の界面活性剤、例えば、脂肪酸塩、高級アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸などのアルキレンオキシド付加物などの非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、および、有機溶剤、タンパク質、酵素、天然高分子、合成高分子などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの単一成分からなるものでも2種以上の成分の混合物でも良い。添加量は噴射液及び/または被噴射液の表面張力を低下させるために必要な量であればよい。また、添加場所としてはキャビテーションを発生させる場所よりも前の工程のいかなる場所でもよく、液体を循環させる場合は、キャビテーションを発生させる場所以降であっても構わない。
上記工程を経て製造された再生パルプは汚染物質が非常に少なく、このパルプを100%用いて印刷用紙を製造することができる。その場合の印刷用紙は公知の抄紙機にて抄紙されるが、その抄紙条件は特に規定されるものではない。また、本発明により得られた塗工紙は紙面の異物が少なく、これを用いて高品質の塗工紙を製造することができる。
液体噴射の方法は、パルプ繊維から成る物質が液体に浸漬している状態では、高速の流体をパルプ繊維から成る物質近傍に噴射すれば良いが、噴流により発生するキャビテーション気泡がパルプ繊維から成る物質に接するように噴射するのが好ましく、噴流が直接当たる様に噴射するのが最も望ましい。ここで、キャビテーション気泡とは、キャビテーションによって発生する微細気泡であり、直径1μm〜1mm、好ましくは0.1mm〜0.5mm、さらに好ましくは0.1mm〜0.2mmの気泡である。
パルプ繊維から成る物質が液体に浸漬していない状態であれば、噴流が直接当たる様に噴射するのが最も望ましい。
パルプ繊維から成る物質全体が完全に水に浸漬した状態であっても良く、全体が水に浸漬していないで、一部だけが水に浸漬している状態でも良く、またこの何れの場合でも、噴流で処理された物質が押し流される事を利用して、小さな噴流で処理対象を逐次処理することも可能である。
パルプ繊維から成る物質は予め粉砕されていても良いが、特に事前に粉砕されている必要は無い。処理に伴い粉砕する場合、粉砕はキャビテーションや噴流により起こっても良いし、攪拌等の別の方法に依っても良い。
パルプ繊維から成る物質のスラリーを処理対象とする場合、その濃度は特に規定しないが、30重量%以下である事が望ましく、0.01重量%(白水レベル)〜20重量%(高濃度パルパーレベル)である事が望ましい。
キャビテーションを発生させるための噴射は、パルパーの様な大気開放の容器の中でなされても良いが、キャビテーションをコントロールする為の圧力容器の中でなされるのが好ましい。
噴射液の圧力(ノズルの上流側圧力)は高ければ高い程良いが、通常のポンプを用いるためには静圧で0.5MPa以上30MPa以下が好ましく、圧力に対する効果を加味すれば3MPa以上10MPa以下が特に好ましい。一方、容器内の圧力(ノズルの下流側圧力)は静圧で0.05MPa以上0.3MPa以下が好ましい。また、容器内の圧力と噴射液の圧力との圧力比は0.001〜0.5の範囲が好ましい。
キャビテーションを発生させるために噴射する噴射液は水を使用することが好ましいが、その他の溶質、懸濁物などを含む再用水を用いても良く、離解を助ける界面活性剤やアルカリなどが配合されている場合もある。意図的にこれらを配合した薬液を用いても良く、また必要に応じて水以外の液体を用いることも出来る。また、製紙工程で回収される再用水、パルプ搾水、白水、あるいはパルプ懸濁液等のパルプ繊維素を含む水性スラリーを用いてもよい。
パルプの原料となる物質とは古紙原料そのものまたは古紙原料を離解して得られるスラリー状の物質で、工程を通過するに従い徐々に精製され完成パルプとなる。工程内には通常、パルプ繊維を多く含む繊維固形分濃度が比較的高い流れと、濾過等の分離操作でパルプ繊維を余り含まない繊維固形分濃度が低い流れとがある。キャビテーション処理はこの処理過程のどの段階で加えても良いが、パルプ繊維または無機粒子から夾雑物が剥離していない夾雑物が多い状態での処理が望ましい。なお、無機粒子とは紙の製造時に内添された填料、もしくは、塗工された顔料など紙を灰化した際に灰分として残存する物質である。例えば、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、二酸化チタン等が挙げられるが、これらに限定するものではない。
パルプの原料となる物質には、新聞、雑誌などのそのものや、それが工程内で処理されて出来る精製途中段階のパルプ、白水なども含まれる。
本発明において、キャビテーションを発生させるために使用されるノズルは急激な流速変化をさせる為に、噴射流体の流動方向に対して垂直方向の絞りを設けた構造であっても良いし、ベンチュリー管の如くなだらかな絞込みが用いられていても良い。前者にはJ.Soc.Mat.Sci.,Japan,vol.47,No.4,pp.381−387,Apr.1998記載の祖山らの金属洗浄用キャビテーション洗浄装置のノズルを用いても良いし、特開昭54−125703号公報記載記載の如く、ベンチュリー管を用いても良い。ノズル孔形状は特に規定しないが、円形であっても良く、多角形であっても良く、スリット状であっても良い。なお、ノズルは2つ以上設置してもよい。
任意形状のミストを発生させる為に多様なノズルが市販されているが、適度な耐圧を有する物であれば、これらノズルの中から好ましい物を選んで用いることもできる。ノズルは通常の単一流体を噴射するノズルでも良いが、別の流体を噴流に混合する為の噴出し口を噴流近傍や内部に有する、所謂、多流体ノズルであっても良い。
キャビテーションをコントロールする為の圧力容器の形状は特に規定するものではないが、フローテータ、クリーナ、洗浄機等の一部を成す為に特殊な形状をしていても良いし、例えば、噴流の力を利用して内部を効率的に攪拌し、また、噴流を容器内の広い範囲に作用させる為に、特開平11−319819号公報、特開2000−563号公報に記載されているような、特殊な形状をしていても良い。
ノズルの上流に圧力がかかっているのは噴射圧を得る為で、ノズル手前の流体圧力を制御することで、噴射圧(噴射速度)を調節している。
キャビテーションのコントロールには、ノズルのオリフィス手前の圧力とオリフィス通過後の圧力を制御する事が好ましい。ノズル通過前の圧力調整は圧力制御機構に依るがノズル通過後の圧力制御には圧力制御機構を有する容器を用いる事が出来る。
圧力制御機構は水柱圧などによっても良いし、圧力検出機構と排出流量制御機構の組み合わせなどによっても良い。
キャビテーションは速度の異なる複数流体が接する時に発生するが、容器を出入りする流体には、(1)容器の中に止まっている流体と、(2)ノズルから噴出される流体と、(3)容器から出て行く流体とがあり、それぞれの組成は異なっても良い。(1)は(2)に対して十分遅い速度で容器の噴射ノズル以外の液体流入口を用いて意図的に入れ替えても良く、(2)によって置き換わるだけでも良い。(1)〜(3)の3つの流体の組成が同一で、(2)のみに依り(1)が置換される場合には、パルプがノズル上流⇒ノズル⇒ノズル下流⇒容器⇒容器出口の順に通過することになる。
容器から適宜液体を排出しつつ容器内の圧力を制御する機構は、水柱圧を一定に保ちつつ流入物を排出するオーバー口であっても良いし、圧力検出機構と排出流量制御機構の組み合わせなどによっても良い。
排出機構を通過する流体の組成が単一の場合には、パルプ、夾雑物、水は混合された状態で排出されるが、容器が分離機構を伴う場合にはパルプ、夾雑物、水は一定の配分で分離され、異なる組成のものとして異なる排出口から別々に排出されても良い。
本発明の装置の容器に、ノズル以外に少なくとも一つの流体の流入口を設けることで、被処理流体とは異なる組成の流体をキャビテーションを起こす為に高圧で噴射する流体として用いる事が出来る。
ノズル以外の流体流入口とはその為に設けられた物で、ノズルから供給される流体と同組成のものをここから供給しても良いが、ノズルから供給されるものとは異なる組成の流体をここから供給するのが好ましく、ノズルから濃度の低い流体を噴出し、濃度の高い流体をノズル以外の流体流入口より導入するのが更に好ましい。
ノズルとノズル以外の流体流入口から導入する流体は、工程内の流体であれば何でも良く、また工程外から導入した清水等を用いても良い。
前記容器の液体排出口に接続した液体移送路の下流から前記容器に液体を返送する液体移送路を設けることができる。濾過器で容器から排出されたパルプを漉し取り、パルプ濃度が高い流体と、パルプ濃度が低い流体を得ることができる。また、容器から排出されたパルプを遠心分離機で、高比重の固形分濃度が高い流体と、高比重の固形分濃度が低い流体を得ることもできる。さらに、容器から排出されたパルプを、スクリーンを用いてインキの塊が多い流体と少ない流体に分離することができるし、容器から排出されたパルプを浮選処理によりインキが多い流体と少ない流体に分離することもできる。
本発明の容器から排出されたパルプの分離装置はその目的に応じていかなる物も用いる事が出来、本発明のキャビテーション噴流装置と直接又は間接的に接続された別体の装置でも良いし、キャビテーション噴流装置を構成する容器の構成の一部として一体化されていても良い。
容器内に戻す流体は夾雑物を含んでいても何ら問題ないが、容器から排出される流体中の夾雑物よりも夾雑物が少ない事が望ましい。
かかる分離手段はの入り口がキャビテーション噴流装置の流出口に接続されていても良く、分離手段の少なくとも一つの出口がキャビテーション噴流装置の流入口(ノズルを含む)に接続されていても良く、その両方でも良い。また、分離装置がキャビテーション噴流装置を構成する容器の構成の一部として一体化されていても良い。
例えばキャビテーションで剥離された比重の高い夾雑物を除去する場合には、分離機構の入り口はキャビテーション噴流装置の流出口に接続されているか、分離機構の入り口或はその近傍にノズルを配する形で一体化されているのが好ましく、また、例えばノズルから噴出する流体から予め比重の高い夾雑物を除去する場合には、分離機構の出口がキャビテーション噴流装置のノズル流入口に接続されているか、分離機構の出口、或いはその近傍にノズルを配する形で一体化されているのが好ましい。
本発明の浮選槽は、本発明の容器を浮選槽に置き換えたもので、内圧の調節機構を有する密閉型の浮選槽でも良く、底部で適当な水柱圧を得る事が出来る開放型の浮選槽でも良い。
浮遊漕を使用する場合、噴流による自然吸入力を利用して浮遊漕へ気体供給を行うことができる。ノズルから高速な流体を噴出する際、その流れの中に別のノズルを配すると、内側のノズルに向かって流体を吸い込む力が生じる。これは、ベンチュリー管の原理に基づく吸引であり、ノズルの喉部に生じる低圧部に空気を供給し、ノズルから細かい気泡として噴出させることで浮選を行う。
水中噴流による方法では、パルプ懸濁液に液体として、清水、工業用水、製紙工程で回収される再用水、パルプ繊維を含む搾水等を噴射することができる。更に、パルプ懸濁液自体を噴射することができる。
また、界面活性剤を添加することでキャビテーション気泡を発生させるために必要なエネルギーを低減することができる。また、界面活性剤の添加によりノズル下流側圧力が低くても効果的なキャビテーションを発生させることができる。
本発明のキャビテーションによる処理において、容器内のパルプ繊維素の固形分濃度は0.01〜20重量%が望ましく、好ましくは0.1〜3%の範囲、さらに好ましくは0.1〜1.5重量%の範囲で処理する。3重量%より高い濃度では気泡の拡散性が悪く、0.1重量%より低い濃度では処理量が多く経済的に不利である。
キャビテーションによる処理は、セルロース繊維の膨潤性がよく、剥離した異物の再定着が起き難いこと、OH活性ラジカルの生成量が増加することから、アルカリ条件である方が望ましいが、キャビテーション噴流による強い剥離作用を利用して、敢えて中性領域で処理を行い、薬品節減や排水負荷削減のメリットを得ることもできる。
本発明のキャビテーションを利用したパルプ処理装置は、例えば、図8〜11に示される。
図中、実線矢印は流体の流れを表す。
塗り潰した台形は噴流を噴射するノズルを表す。
圧力調節器記号から伸びる実線は、圧力調節器が実線端部の圧力を検出している事を示す。
圧力調節器記号から伸びる点線矢印は、圧力調節器が検出した圧力信号を元に、矢印が指す位置のバルブ等をコントロールする事を表す。
圧力調節器記号のPCの文字の下の連番はその図の中にある圧力調節器の番号である。
図8は本発明のポンプとノズルと圧力調節機構から成る概略図である。ポンプ、ノズル及び圧力調節機構を一つのセットとして使用することができるが、それに加えて、その3種の機器のいずれかを複数で使用でき、若しくはその3種のいずれか2つ以上を複数で使用でき、又はそのセットを複数で使用できる。21の位置から流入した原料がポンプに供給され、ポンプで加圧されて、ノズルから吐出される。
また、ポンプから吐出された流体の一部を22の位置よりポンプ入り口に戻し、圧力の調節が可能になる。
圧力調節は圧力調節器が23の位置の圧力を検知し、バルブ24の開度を調節して、ポンプ吸入側に戻る流体の量を加減することにより、23の位置の圧力を一定に調節する。
圧力調節は図示した自動の機構によっても良いし、圧力指示を見ながら手動でバルブを調節するような手動の方法に依っても良い。
吸入圧の変動を防ぐ為に、21の位置にはタンクを設けるのが一般的である。
図9は、本発明の噴流装置を示す図で、ポンプとノズルと圧力調節機構から成る図8に、容器と容器内の圧力調節機構を付け加えた構成である。
ポンプ、ノズル、圧力調節機構、容器は並列に複数配置されていても良い。
容器45は密閉型の容器で、容器内の圧力が調節できる機構(PC2)を有する。PC2は容器内の圧力を検知し、容器出口弁6の開度を調節することにより、容器内の圧力を加減する。
圧力調節は図示した自動の機構によっても良いし、圧力指示を見ながら手動でバルブを調節するような手動の方法に依ってもよく、水柱圧などによる別の方法に依っても良い。
容器の中には47に示すようなノズルから容器出口への流れを任意に整える為の整流板があっても良く、ノズルは圧力がコントロールされた容器45内部であればどの位置にあっても良い。
図10は、ポンプとノズルと圧力調節機構と、容器と容器内の圧力調節機構から成り、ノズル以外の流体の流入口を付け加えた構成である。ポンプ、ノズル、圧力調節機構、容器は並列に複数配置されていても良い。ノズル以外の流体の流入口48は容器外から容器内に流体を供給する機能を有すればどの位置に配置されていても良く、49に示す如く一つの容器に複数個が配置されていても良い。
また、流入口毎に異なる流体を供給しても良い。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に示すが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
《脱墨試験1》
脱墨試験の試料として、印刷後1年半以上経過した劣化新聞古紙を2cm×2cmに細断した。古紙絶乾660gに対して水酸化ナトリウム1.0重量%を加え、水でパルプ濃度15重量%に調整した後、パルパーを用いて、40℃で、6分間離解し離解原料Aとした。離解した試料に水を加えて古紙濃度が3%になるように希釈し、任意の濃度に調整したパルプ懸濁液に、図6に示されるキャビテーション噴流式洗浄装置を用いて約1重量%のパルプ懸濁液を噴射し、一定時間処理した。得られた画分について、カナダ標準濾水度を測定し、処理後のパルプを150メッシュワイヤー上で十分に洗浄した。洗浄後のパルプについてTappi標準法に基づいて60g/mの手抄きシート5枚を作製した。手抄きシートの白色度および色相をJIS P−8148の方法に準じて色差計(村上色彩製)で測定し、作製した。さらに残インキを測定するため、微細インキについて残インキ測定装置(カラータッチ:テクニダイン製)を用いてERIC(有効残インキ濃度)値として測定した。粗大インキについては夾雑物測定装置(スペックスキャン2000:アポジーテクノロジー製)を用いて、異なる5枚の手抄きシート上の0.05mm以上のダートを画像処理にて測定し、その平均値から未剥離インキ面積を算出した。比較例として同時に原料Aについて、水で10%に希釈し、PFIミルを用いてクリアランス0.2mm、で一定カウント叩解した。叩解後のパルプについて上記と同様の操作によって手抄きシートを作製し、その白色度および残インキについて同様の測定を行った。実施例1〜8、及び比較例1〜4の結果を表1に示した。
なお、前記キャビテーション噴流式洗浄装置は、キャビテーション噴流式洗浄装置に関する記述(祖山 均、超音波TECHNO、2001(11−12)、66)および、その装置構成の概要(祖山 均、ターボ機械、29(4)、1(2001))を参考に、同洗浄装置を改造したものである。噴射液をノズル2より通してキャビテーション噴流を発生させる。ノズル径は1.5mmである。
Figure 2005012632
[実施例1〜4]
原料Aに対して、キャビテーション噴流式洗浄装置にて、被噴射容器内の圧力(下流側圧力)を0.1MPaとして噴射液の圧力(上流側圧力)を3MPa(噴流の流速46m/秒)、5MPa(噴流の流速60m/秒)、7MPa(噴流の流速70m/秒)、9MPa(噴流の流速78m/秒)とし5分間処理した。処理後の試料について上述の方法に従い濾水度、ERIC値、未剥離インキ面積、白色度及びb値を測定した。
[実施例5〜8]
原料Aに対して、キャビテーション噴流式洗浄装置にて、被噴射容器内の圧力(下流側圧力)を0.3MPaとして噴射液の圧力(上流側圧力)を3MPa〜9MPaとし5分間処理した。処理後の試料について上述の方法に従い濾水度、ERIC値、未剥離インキ面積、白色度及びb値を測定した。
[比較例1]
原料Aを0.5%に希釈し、上述の方法に従い濾水度、ERIC値、未剥離インキ面積、白色度及びb値を測定した。
[比較例2〜4]
原料Aについて、PFIミルを用いてクリアランス0.2mmの条件で、3000〜7000カウント処理した。処理後の試料について上述の方法に従い濾水度、ERIC値、未剥離インキ面積、白色度及びb値を測定した。
表1に示されるように、実施例1〜4、実施例5〜8の結果から上流側圧力を増大させるにつれて、ERIC値、未剥離インキ面積は低下し、白色度は向上した。濾水度は低下したが、比較例2〜3のPFIミルによる処理に比べると、低下は緩やかであった。また、実施例1〜4と実施例5〜8を比較すると、上流側圧力と下流側圧力の差が大きい実施例1〜4の方が脱墨の効果は優れていた。
《脱墨試験2》
脱墨試験の試料として、標準パターンをコピー(GP605:キャノン製)したトナー印刷物を2cm×2cmに細断した。古紙絶乾660gに対して水酸化ナトリウム1.0重量%を加え、水でパルプ濃度15重量%に調整した後、パルパーを用いて、40℃で、6分間離解し離解原料Bとした。離解した試料に水を加えて古紙濃度が3%になるように希釈し、任意の濃度に調整後、脱墨試験1で使用したキャビテーション噴流式洗浄装置を用いて一定時間処理した。得られたパルプの一部について150メッシュワイヤー上で十分に洗浄した。洗浄後のパルプについてTappi標準法に基づいて60g/mの手抄きシート5枚を作製した。得られたパルプの残分について、ボックスタイプのフローテーターを用いて2分間フローテーションを行った。フローテーター後のパルプについて、Tappi標準法に基づいて60g/mの手抄きシート5枚を作製した。手抄きシート上の残存トナーについて画像解析装置(スペックスキャン2000:アポジーテクノロジー社)を用いて計測し、異なる5枚の手すきシート上の目視できる100μm以上の夾雑物の平均値をダート個数とした。同じにダートの平均粒径を算出した。
[実施例9〜10]
原料Bに対して、キャビテーション噴流式洗浄装置にて、噴射液の圧力(上流側圧力)を8MPa、被噴射容器の圧力(下流側圧力)を0.2MPaとして、5分間処理した。処理後の試料について上述の方法に従いダート個数及びダート平均粒径を測定した。
[比較例5〜8]
比較例として、原料Bを超音波洗浄機に取り5分間処理した。得られたパルプ及び未処理のパルプについて上記の処理を行い、洗浄後のパルプとフローテーション後のパルプについて手抄きシートを作製し、ダート個数を測定した。
実施例9〜10、及び比較例5〜8の結果を表2に示した。
Figure 2005012632
表2に示されるように、実施例9〜10のキャビテーション処理によるダート個数の低減効果は、比較例7〜8の超音波洗浄機による処理に比べて優れていることは明白であった。更に、処理後にフローテーション処理によってダートの除去を行うことで、ダート個数を著しく低減することができた。
《脱墨試験3》
工場Aより、実機DIP工程のニーダー前圧搾機の出口原料を用いて、脱墨試験1で使用したキャビテーション噴流式洗浄装置を用いてキャビテーション処理(上流側圧力7MPa、下流側圧力0.3MPa)を行い、実機ニーダー出口と比較した。未処理(圧搾機出口)、及びキャビテーション処理(キャビ処理)後、実機ニーダー後のパルプを150メッシュワイヤー上で十分に洗浄した後、ファイバーラボを用いて繊維長及びカールを測定した。更に手抄きシートを作製して0.05mm以上のダート個数及びISO白色度を測定した。
脱墨試験3に関する実機フロー及び実施例フローのそれぞれのフローチャートを図7に示した。実施例11〜13、及び比較例9〜10の結果を表3に示した。
Figure 2005012632
*脱墨薬品の内容:脱墨剤(有姿、対パルプ0.15重量%)、過酸化水素(純分、対パルプ0.35重量%)、苛性ソーダ(純分、対パルプ0.3重量%)、珪酸ソーダ(有姿、対パルプ0.84重量%)
表3に示されるように、実施例11〜13においては、脱墨薬品を添加せずに低濃度、低温で粗大なダートを著しく低減できることが明らかである。更に、インキ剥離に優れ、漂白薬品を添加せずに完全洗浄白色度を向上することができた。加えて、高濃度、高温、薬品を添加している実機ニーダー処理後に比べて、繊維の短小化が小さく、カールが少なかった。従って、繊維の損傷を抑えて高品質なパルプを得ることができた。
《脱墨試験4》
UVコートで光沢加工した印刷物を高濃度パルパーで離解し、パルプスラリーを10カットフラットスクリーンとそれに続く6カットフラットスクリーン処理を行い、未離解片および粗大コート片を除去した。スクリーンを通過したパルプを更に篩分試験機にとり、24メッシュを通過したパルプを回収した。これを未処理パルプとして、脱墨試験1で使用したキャビテーション噴流式洗浄装置を用いてキャビテーション噴流処理、あるいはPFIミルを用いて処理を行い、それぞれ、未処理パルプのカナダ標準濾水度から約100ml低下させた。処理後のパルプを150メッシュワイヤー状で十分に洗浄し、剥離・微細化したダートを除去した後、手抄きシートを作製した。更に、処理後のパルプをボックス型のフローテーター(F/T)にて、2分間処理を行った後、手抄きシートを作製した。作製した手抄きシートのダートについて画像解析装置を用い、0.1mm以上、及び0.2mm以上の大きなダートの個数を比較した。実施例14、及び比較例11〜13の結果を表1に示した。
Figure 2005012632
表4に示されるように、実施例14のキャビテーション処理によるダートの低減効果は、比較例のPFIミルによる処理に比べて極めて大きく、特に粗大なダート個数の低減に優れていることは明白であった。更に、処理後にフローテーションを用いてダートの除去を行うことで、粗大なダートを著しく低減できた。
《脱墨試験5》
重量比で新聞/雑誌=70/30からなる古紙を高濃度パルパーで離解し、パルプ濃度が30%になるように脱水したパルプを未処理パルプとした。このパルプに脱墨剤を対固形分当り0.1%、0.06%添加したものと、脱墨剤を添加しないものについて、希釈した後に、脱墨試験1で使用したキャビテーション噴流式洗浄装置を用いてキャビテーション処理(上流側圧力7MPa、下流側圧力0.3MPa)を行った。比較として、脱墨剤を0.1%添加したものをラボ2軸ニーダーで処理した。処理前後のパルプを150メッシュワイヤー上で十分に洗浄した後、手抄きシートを作製し、残存インキ量をColor Touch2(テクニダイン社製)を用いてERIC値として測定し、更にISO白色度を測定した。繊維損傷の影響について、ファイバーラボ(メッツォ オートメーション製)を用いて繊維長及び繊維のカールを調べた。実施例15〜17、及び比較例14〜15の結果を表1に示した。
Figure 2005012632
表5に示されるように、未処理パルプに対してキャビテーション処理を行うことで、脱墨剤添加率の影響を受けずにERIC値が約40%減少し、完全洗浄白色度が2ポイント上昇した。また、繊維長はほぼ同等であり、未処理に比べてカールが少なくなっていた。一方、ニーダー処理では、ERIC値が小さくなっても白色度が上昇せず、繊維長が短くなっていた。従って、本発明によるインキ剥離効果は、脱墨薬品の影響を受けずに、繊維の損傷を抑えて白色度を向上させることができ、従来技術に比べて優れていた。
[実施例18]
図15に示した装置を用い、反応槽の入口圧(PI−1)を背圧弁で調節し、出口圧(PI−3)をCV−4で調節し、実験を実施した。PU−1はプランジャー型の定量ポンプの為、PI−1を変化させると自己循環(余水)量と容器を流れる流量の比率が変化する。処理強度一定での評価とする為に、適当な時間間隔でサンプルを抜き取り、一定量(40リットル)が容器を通過した時点での効果を評価した。
処理対象のパルプスラリーは込頁古紙(トナー印刷物を約25%含む選別オフィスミックス古紙)から調製し1%濃度のスラリーとした。0.15mmφの孔径のノズルを用い、背圧弁を調節して入口圧を3MPaに設定し、CV−4を調節して出口圧を0.1MPaに設定し、装置を運転した。
効果の評価は、処理前後のパルプを100メッシュワイヤーの上で完全に洗浄した後に、0.05mm以上のダートを画像解析で計数し、減少度合いを見ることにより実施した。0.05mm以上のダートの減少率は71%であった。
[実施例19]
背圧弁を調節して入り口圧を7MPaに設定し、CV−4を調節して出口圧を0.05MPaにする以外は実施例18と全て同一の条件で装置を運転した。0.05mm以上のダートの減少率は69%であった。
[実施例20]
背圧弁を調節して入り口圧を7MPaに設定し、CV−4を調節して出口圧を0.3MPaにする以外は、実施例18と全て同一の条件で装置を運転した。0.05mm以上のダートの減少率は79%であった。
[比較例16]
ポンプ、背圧弁通過の影響を確認するために、背圧弁を全開にし、吐出液がすべて余水として自己循環するようにして装置を運転した。0.05mm以上のダートの減少率は40%であった。

Claims (24)

  1. 古紙を再生する工程において、キャビテーションによって気泡を発生させ、これをパルプ懸濁液に接触させてパルプ繊維および無機粒子に付着している汚染物質を剥離することを特徴とする再生パルプの製造方法。
  2. 流体噴流を用いてキャビテーションを発生させることを特徴とする請求項1記載の再生パルプの製造方法。
  3. パルプ懸濁液を流体噴流として噴射させることによってパルプ懸濁液と気泡を接触させることを特徴とする請求項2記載の再生パルプの製造方法。
  4. 前記汚染物質が、インキである請求項1〜3のいずれかに記載の再生パルプの製造方法。
  5. キャビテーションを用いたインキ剥離工程、それに続くフローテーション工程及び/又は洗浄法によるインキ除去工程からなる古紙を再生する工程のいずれか一つ以上の工程において、キャビテーションによって気泡を発生させ、これをパルプ懸濁液に接触させてパルプ繊維及び無機粒子に付着している汚染物質を剥離させて分離することを特徴とする再生パルプの製造方法。
  6. 噴射液を噴射してキャビテーションを発生させる状態が、下記式(1)または(2):
    Figure 2005012632
    (ただし、p∞:一般流の圧力、U∞:一般流の流速、p:流体の蒸気圧、ρ:密度)
    Figure 2005012632
    (ただし、p:ノズル上流側圧力、p:ノズル下流側圧力、p:試料水の飽和蒸気圧)で示されるキャビテーション数σが0.001以上0.5以下の範囲である請求項1〜5のいずれかに記載の再生パルプの製造方法。
  7. ノズルまたはオリフィス管を通じて噴射液を噴射してキャビテーションを発生させ、該噴射液の圧力(上流側圧力)が0.01MPa以上30MPa以下である請求項2〜6のいずれかに記載の再生パルプの製造方法。
  8. ノズルまたはオリフィス管を通じて噴射液を噴射してキャビテーションを発生させ、該噴射液の噴流の速度が1m/秒以上200m/秒以下である請求項2〜7のいずれかに記載の再生パルプの製造方法。
  9. 前記の古紙を再生する工程が脱墨工程であることを特徴とする請求項5記載の再生パルプの製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかの方法によって製造されたパルプ、又は、当該パルプを用いた紙、若しくは塗被紙。
  11. 容器内のパルプ繊維からなる物質に対して加圧された噴射液を噴射し、前記噴射によりキャビテーションを発生させ、そのキャビテーション気泡の崩壊圧力を利用することにより、パルプ繊維に損傷を与えることなく、パルプ繊維表面及び夾雑物を改質し、又はパルプ繊維表面に付着した夾雑物を剥離する方法。
  12. 容器内のパルプ繊維からなる物質に対して、パルプ繊維素を含む水性スラリーを加圧された噴射液として噴射し、前記噴射によりキャビテーションを発生させ、そのキャビテーション気泡の崩壊圧力を利用することにより、繊維に損傷を与えることなく、パルプ繊維表面及び夾雑物を改質し、又はパルプ繊維表面に付着した夾雑物を剥離する方法。
  13. キャビテーションを発生させるための噴射液をノズルを通してパルプ繊維からなる物質を有する容器内に噴射し、該噴射液の圧力(ノズル上流側圧力)が0.5MPa以上30MPa以下で、かつパルプ繊維素を処理する容器内の圧力(ノズル下流側圧力)が0.05MPa以上0.3MPa以下で、さらに噴射液の圧力に対する容器内の圧力の比が0.001〜0.5であることを特徴とする請求項11〜12記載の方法。
  14. 容器内におけるパルプ繊維からなる物質の濃度が0.01〜20重量%である請求項11〜13記載の方法。
  15. 容器;容器内に存在するパルプ繊維からなる物質に対して加圧された噴射液を噴射するための、一つ以上のノズル;ノズルの上流に位置し、前記ノズルの噴射圧力を制御する圧力制御機構;及び前記圧力制御機構の上流に位置し、前記ノズルに噴射圧力を加圧するポンプからなる、パルプ処理装置。
  16. 前記容器は、密閉式、非密閉式、バッチ式又は連続式からなる群から選択される形態を有する請求項15記載のパルプ処理装置。
  17. 前記容器は、圧力を制御することが可能な密閉式容器であり、前記容器から適宜液体を排出しつつ、容器内の圧力を制御する機構を有している請求項16記載のパルプ処理装置。
  18. 前記容器は、前記ノズル以外の液体流入口を有する請求項17記載のパルプ処理装置。
  19. 前記ノズルが接合する前記容器の内壁がコーン状であり、これにより、パルプ懸濁液が動的渦流により均一に攪拌されることを特徴とする請求項15、16又は17のいずれかに記載のパルプ処理装置。
  20. 前記容器の液体排出口に接続した液体移送路の下流から分離手段を経て前記容器に液体を返送する液体移送路を設けたことを特徴とする請求項17〜19のいずれかに記載のパルプ処理装置。
  21. 液体排出口に接続した液体移送路は、2つ以上に枝分かれした液体移送路であり、その少なくとも一つの液体移送路を分離手段を経て前記容器の前記ノズルに接続し、液体を容器に再度、噴射できるようにしたことを特徴とする請求項17〜19のいずれかに記載のパルプ処理装置。
  22. 前記容器に流入する液体と排出される液体を同量に維持し、前記容器内に存在する液体レベルを一定に保つ機構を有することを特徴とする請求項16〜21のいずれかに記載のパルプ処理装置。
  23. 前記分離手段が、フローテーター、洗浄機、スクリーン又はクリーナのいずれかであることを特徴とする請求項20〜22のいずれかに記載のパルプ処理装置。
  24. 前記容器が、フローテーター、洗浄機、スクリーン又はクリーナのいずれかであることを特徴とする請求項14記載のパルプ処理装置。
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