JP2006257624A - 電子写真用転写紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】低密度(嵩高)でありながら、剛度が良好で、走行性、作業性などのコピー適性に優れた電子写真用転写紙を提供する。
【解決手段】キャビテーションによって発生させた気泡を、パルプ懸濁液に接触させて処理し、好ましくは所望の濾水度に調製した化学パルプ、機械パルプまたは古紙パルプを脱墨した後のパルプ等を含有することを特徴とする電子写真用転写紙。キャビテーション処理したパルプの配合量としては、全パルプ中の5重量%以上が好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、キャビテーションによって発生した気泡を接触させて処理したパルプを用いた電子写真用転写紙に関する。
近年、「地球温暖化」や「ゴミ焼却場からの有害成分放出(ダイオキシン問題)」等のように地球環境に関する問題が各分野で注目を集めている。電子写真用転写紙についても例外ではなく、大手複写機メーカーやそのサプライ会社と製紙会社とが協力して、森林資源であるパルプなどの有効活用等が積極的に進められている。
このような背景の中、資源の有効活用を目的に近年電子写真用転写紙などの情報記録用紙や印刷出版用紙への古紙パルプ配合率が急速に増加し、更に中国などへの輸出も増加している。しかしながら、古紙の需給が逼迫し始めており、次第に紙種を選別した古紙の入手が困難となり、古紙パルプ高配合紙の品質維持が困難な状況に向かいつつある。また、古紙パルプの高配合以外に資源を有効活用するために、パルプ使用量自体を低減する方向にある。
電子写真用転写紙等の使用量は年々増加している事から、単位容積当たりの記録面積増加に対する要望は多く、収納スペースの有効利用の観点からも求められている。
これらの要望に応じるために、軽量化が求められている。軽量化とは、紙の厚さは維持しながらの軽量化であり、いわゆる低密度で嵩高なものが求められている。同一紙厚で、単位当たり重量が少なければ、当然パルプ使用量は減少する。これは、電子写真用転写紙を保管する際や輸送する場合の重量減ともなり、輸送コスト削減や持ち運び時の利便性が向上することなども考えられる。更に薄物化によって単位容積当たりの情報記録面積が増大するためファイル資料等の収納スペース低減も可能である。
用紙の嵩高化、すなわち低密度化を行うためには、種々の方法が行われている。例えば、(1)架橋処理したパルプを用いる方法(特許文献1、特許文献2)、(2)合成繊維を混抄する方法(特許文献3)、(3)パルプ繊維間に無機物を充填する方法(特許文献4)、(4)空隙をもたらす発泡性粒子を添加する方法(特許文献5)、(5)軽度に叩解したパルプ繊維を配合する方法(特許文献6)、(6)嵩高薬品を添加する方法(特許文献7)、(7)パルプをマーセル化処理する方法(特許文献8)、(8)パルプを酵素で処理する方法(特許文献9)などが提案されている。しかしながら、上記の方法では嵩高が十分でないこと、あるいは嵩高になるが、強度が低下したり、または剛度が低下するなどの問題があった。
そのため、このような方法で電子写真用転写紙を得た場合、低密度で嵩高になっとしても、紙の剛度やサイズ度を低下する問題が生じ、走行性、作業性などのコピー適性等に劣る問題があった。
以上のように、剛度を維持したまま、低密度(嵩高)で、走行性、作業性などのコピー適性に優れた、電子写真用転写紙を得ることが求められていた。
特開平4-185791号公報 特開平4-202895号公報 特開平3-269199号公報 特開平3-124895号公報 特開平5-230798号公報 特開昭58-24000号公報 特開平11-350380号公報 特開平7-189168号公報 特開平7-54293号公報
以上のような状況に鑑み、本発明の課題は、低密度(嵩高)でありながら、剛度などが良好で、走行性、作業性などのコピー適性に優れた電子写真用転写紙を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、パルプ繊維懸濁液中にキャビテーションによって発生させた気泡をパルプに接触させて処理したパルプを含有し、好ましくは化学パルプ、機械パルプまたは脱墨後のパルプ懸濁液の少なくとも一つのパルプ懸濁液を、キャビテーションによって発生させた気泡をパルプに接触させて所望の濾水度に調製したパルプを含有する電子写真用転写紙を得ることにより、低密度(嵩高)でありながら、剛度が良好で、走行性、作業性などのコピー適性等に優れ、本発明を完成するに至った。また、走行性、作業性を向上させるためにクラーク剛度は30cm/100以上であることが好ましい。
本発明においては、パルプ繊維懸濁液中にキャビテーションを積極的に発生させて処理することで、発生する微細気泡の崩壊衝撃力によって、パルプ繊維の外部フィブリル化を促進する一方、内部フィブリル化を抑制され、従来の方法である機械力による叩解処理したパルプと比較すると、より嵩高でありながら、剛度や寸法安定性が良好なパルプが得られるものであり、このパルプを紙に含有した電子写真用転写紙は、低密度(嵩高)でありながら、走行性、作業性などのコピー適性等に優れるものである。
キャビテーションによって、調製したパルプの所望の濾水度とは、化学パルプの場合、50〜650mlが好ましく、機械パルプの場合は50〜400mlが好ましく、古紙(脱墨)パルプの場合は、50〜400mlの範囲に調製することが好ましい。また、上記のパルプの種類を混合した場合、トータルの濾水度としては、100〜500mlの範囲で調製することが好ましい。
本発明では、キャビテーション処理によってパルプ繊維の損傷を抑えたパルプを含有すことにより、低密度(嵩高)でありながら、剛度や寸法安定性が良好で、走行性、作業性などのコピー適性に優れた電子写真用転写紙を得ることができる。
本発明において、キャビテーション処理の対象とするパルプは、電子写真用転写紙の原料パルプとして従来から使用されているパルプを対象パルプとすることができる。具体的には、化学パルプ(針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)または未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP))または未晒クラフトパルプ(LUKP)等)、機械パルプ(グラウンドウッドパルプ(GP)、リファイナーメカニカルパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等)、脱墨パルプ(DIP)、非木材繊維パルプなどである。
本発明においては、キャビテーションによって気泡を発生させ、これをパルプ懸濁液に接触させて濾水度を調整して処理することで、発生する微細気泡の崩壊衝撃力によって、パルプ繊維自体の嵩を損なわずに、嵩高でありながら剛度の低下が少なく、良好な寸法安定性が得られるという効果を有するものである。キャビテーション処理については、この濾水度の調整を通常の機械力による叩解処理の代わりにキャビテーション処理による叩解処理して所望の濾水度に調製することにより、本発明の効果をより発揮できるものである。また、キャビテーションする前のパルプは、未叩解パルプの方がよりキャビテーション処理の効果が得られるものである。
また、キャビテーション処理の効果を向上させるためには、キャビテーション処理前のパルプとキャビテーション処理後のパルプの濾水度差は、トータル(全)パルプの濾水度差で、100〜500mlが好ましく、より好ましくは150〜450mlで調整することである。各々のパルプについては、化学パルプの場合、100〜500mlが好ましく、より好ましくは150〜400mlであり、機械パルプの場合のキャビテーション前後の濾水度差は60〜300mlが好ましく、より好ましくは100〜250mlであり、古紙パルプの場合の濾水度差は、好ましくは100〜350ml範囲で調節することにより、キャビテーション処理効果がより得られるものである。
化学パルプと機械パルプの場合、キャビテーションで発生させた気泡によりパルプを叩解する場所は、パルプ化工程及び調成工程のいかなる場所でも良いが、繊維状物質が解繊されてパルプとなった時点で適用することが好ましい。脱墨パルプの場合、キャビテーションで発生させた気泡により脱墨パルプを叩解する場所は、脱墨工程後から調成工程の間で本発明の効果をより発揮する。本発明のキャビテーションによる叩解は、必要に応じて機械力による叩解も組み合わせることができ、所望の紙質を得ることができる。
次に、本発明の電子写真用転写紙の原料パルプの処理に用いるキャビテーションについて説明する。キャビテーションは、加藤の成書(加藤洋治編著、新版キャビテーション
基礎と最近の進歩、槇書店、1999)にあるように、キャビテーション気泡の崩壊時に数μmオーダーの局所的な領域に数Gpaにおよぶ高衝撃力を発生し、また気泡崩壊時に断熱圧縮により微視的にみると数千℃に温度が上昇する。その結果、キャビテーションを発生した場合には温度上昇が伴う。これらのことから、キャビテーションは流体機械に損傷、振動、性能低下などの害をもたらす面があり、解決すべき技術課題とされてきた。近年、キャビテーションについて研究が急速に進み、キャビテーション噴流の流体力学的パラメーターを操作因子としてキャビテーションの発生領域や衝撃力まで高精度に制御できるようになった。その結果、気泡の崩壊衝撃力を制御することにより、その強力なエネルギーを有効活用することが期待されはじめている。従って、流体力学的パラメーターに基づく操作・調整を行うことでキャビテーションを高精度に制御することが可能となった。これは技術的作用効果の安定性を保持することが可能であることを示しており、従来のように流体機械で自然発生的に生じる制御不能の害をもたらすキャビテーションではなく、制御されたキャビテーションによって発生する気泡を積極的にパルプ懸濁液に導入し、そのエネルギーを有効利用することが本発明の特徴である。
本発明におけるキャビテーションの発生手段としては、液体噴流による方法、超音波振動子を用いる方法、超音波振動子とホーン状の増幅器を用いる方法、レーザー照射による方法などが挙げられるが、これらに限定するものではない。好ましくは、液体噴流を用いる方法が、キャビテーション気泡の発生効率が高く、より強力な崩壊衝撃力を持つキャビテーション気泡雲を形成するためパルプ繊維に対する作用効果が大きい。上記の方法によって発生するキャビテーションは、従来の流体機械に自然発生的に生じる制御不能の害をもたらすキャビテーションと明らかに異なるものである。
液体噴流とは、液体または液体の中に固体粒子や気体が分散あるいは混在する流体の噴流であり、パルプや無機物粒子のスラリーや気泡を含む液体噴流をいう。ここでいう気体は、キャビテーションによる気泡を含んでいてもよい。
キャビテーションは液体が加速され、局所的な圧力がその液体の蒸気圧より低くなったときに発生するため、流速及び圧力が特に重要となる。このことから、キャビテーション状態を表わす基本的な無次元数、キャビテーション数(Cavitation Number)σは次のように定義される(加藤洋治編著、新版キャビテーション基礎と最近の進歩、槇書店、1999)。
(p:一般流の圧力、U:一般流の流速、pv:流体の蒸気圧、ρ:密度)
ここで、キャビテーション数が大きいということは、その流れ場がキャビテーションを発生し難い状態にあるということを示す。特にキャビテーション噴流のようなノズルあるいはオリフィス管を通してキャビテーションを発生させる場合は、ノズル上流側圧力p1、ノズル下流側圧力p2、試料水の飽和蒸気圧pvから、キャビテーション数σは下記式(2)のように書きかえることができ、キャビテーション噴流では、p1、p2、pv間の圧力差が大きく、p1≫p2≫pvとなることから、キャビテーション数σはさらに以下のように近似することができる(H.
Soyama, J. Soc. Mat. Sci. Japan,
47(4), 381 1998)。
本発明におけるキャビテーションの条件は、上述したキャビテーション数σが0.001以上0.5以下であることが望ましく、0.003以上0.2以下であることが好ましく、0.01以上0.1以下であることが特に好ましい。キャビテーション数σが0.001未満である場合、キャビテーション気泡が崩壊する時の周囲との圧力差が低いため効果が小さくなり、0.5より大である場合は、流れの圧力差が低くキャビテーションが発生し難くなる。
また、ノズルまたはオフィリス管を通じて噴射液を噴射してキャビテーションを発生させる際には、噴射液の圧力(上流側圧力)は0.01MPa以上30MPa以下であることが望ましく、0.7MPa以上15MPa以下であることが好ましく、2MPa以上10MPa以下であることが特に好ましい。上流側圧力が0.01MPa未満では下流側圧力との間で圧力差を生じ難く作用効果は小さい。また、30MPaより高い場合、特殊なポンプ及び圧力容器を必要とし、消費エネルギーが大きくなることからコスト的に不利である。一方、容器内の圧力(下流側圧力)は静圧で0.05Mpa以上0.3Mpa以下が好ましい。また、容器内の圧力と噴射液の圧力との圧力比は0.001〜0.5の範囲が好ましい。
また、噴射液の噴流の速度は1m/秒以上200m/秒以下の範囲であることが望ましく、20m/秒以上100m/秒以下の範囲であることが好ましい。噴流の速度が1m/秒未満である場合、圧力低下が低く、キャビテーションが発生し難くいため、その効果は弱い。一方、200m/秒より大きい場合、高圧を要し特別な装置が必要であり、コスト的に不利である。
本発明におけるキャビテーション処理はタンクなど任意の容器内若しくは配管内を選ぶことができるが、これらに限定するものではない。また、ワンパスで処理することも可能であるが、必要回数だけ循環させることによって更に効果を増大できる。さらに複数の発生手段を用いて並列で、あるいは、順列で処理することができる。
キャビテーションを発生させるための噴流は、パルパーのような大気開放の容器の中でなされてもよいが、キャビテーションをコントロールするために圧力容器の中でなされるのが好ましい。
本発明において、例えば液体噴流によるキャビテーションの発生方法では、パルプ懸濁液に対して、噴射液体として、例えば、蒸留水、水道水、工業用水、製紙工程で回収される再用水、パルプ搾水、白水、パルプ懸濁液、アルコールなどを噴射することができるが、これらに限定するものではない。好ましくは、パルプ懸濁液自体を噴射することで、噴流周りに発生するキャビテーションによる作用効果に加え、高圧でオリフィスから噴射する際の流体力学的剪断力が得られるため、より大きな作用効果を発揮する。なお、噴射液体としてパルプ懸濁液を用いる場合、処理対象とする全量を循環させて処理することも可能である。
液体噴流によってキャビテーションを発生させて処理する場合、処理対象であるパルプ懸濁液の固形分濃度は5重量%以下であることが好ましく、より好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは0.1〜1.5重量%の範囲で処理することが気泡の発生効率の点から好ましい。
また、処理時のパルプ懸濁液のpHは、好ましくはpH1〜13、より好ましくはpH3〜12、更に好ましくはpH4〜11である。pHが1未満であると装置の腐食などが問題となり、材質及び保守等の観点から不利である。一方、pHが13を超えると、パルプ繊維のアルカリ焼けが生じ、白色度が低下するので好ましくない。アルカリ条件である方がパルプ繊維の膨潤性がよく、OH活性ラジカルの生成量が増加することから望ましい。
本発明では、液体の噴射圧力を高めることで、噴射液の流速が増大し、より強力なキャビテーションが発生する。更に被噴射液を収める容器を加圧することで、キャビテーション気泡が崩壊する領域の圧力が高くなり、気泡と周囲の圧力差が大きくなるため気泡は激しく崩壊し衝撃力も大となる。ここで、噴射液とは、高圧でオリフィスから噴射する液体を指し、被噴射液とは容器内もしくは配管内で噴射される液体を指す。キャビテーションは液体中の気体の量に影響され、気体が多過ぎる場合は気泡同士の衝突と合一が起こるため崩壊衝撃力が他の気泡に吸収されるクッション効果を生じるため衝撃力が弱まる。従って、溶存気体と蒸気圧の影響を受けるため、その処理温度は融点以上沸点以下でなければならない。液体が水を媒質とする場合、好ましくは0〜80℃、更に好ましくは10℃〜60℃の範囲とすることで高い効果を得ることができる。一般には、融点と沸点の中間点で衝撃力が最大となると考えられることから、水溶液の場合、50℃前後が最適であるが、それ以下の温度であっても、蒸気圧の影響を受けないため、上記の範囲であれば高い効果が得られる。80℃よりも高い温度では、キャビテーションを発生するための圧力容器の耐圧性が著しく低下するため、容器の損壊を生じやすいため不適である。
本発明においては、界面活性剤などの液体の表面張力を低下させる物質を添加することで、キャビテーションを発生させるために必要なエネルギーを低減することができる。添加する物質としては、公知または新規の界面活性剤、例えば、脂肪酸塩、高級アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸などのアルキレンオキシド付加物などの非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、あるいは、有機溶剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの単一成分からなるものでも2種以上の成分の混合物でも良い。添加量は噴射液及び/または被噴射液の表面張力を低下させるために必要な量であればよい。また、添加場所としてはキャビテーションを発生させる場所よりも前の工程のいかなる場所でもよく、液体を循環させる場合は、キャビテーションを発生させる場所以降であっても構わない。
本発明においては、キャビテーションによって発生させた気泡により所望の濾水度に調製したパルプの全パルプに対する配合率は特に限定は無いが、配合率が高いほど、嵩高であり、剛度が良好な電子写真用転写紙が得られる。その観点から、5固形分重量%以上が好ましく、30〜100固形分重量%がより好ましく、60〜100固形分重量%が更に好ましい。また、キャビテーション処理による嵩高、品質向上の点からは、化学パルプ(針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)または未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)または未晒クラフトパルプ(LUKP)等)を使用することが好ましい。本発明の脱墨パルプをキャビテーション処理により叩解したパルプは、機械処理により叩解したパルプと比較して上記効果に加えて強度が向上するものである。また、キャビテーション処理した以外の原料パルプとして、化学パルプ(針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)または未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP))または未晒クラフトパルプ(LUKP)等)、機械パルプ(グラウンドウッドパルプ(GP)、リファイナーメカニカルパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等)、脱墨パルプ(DIP)なのキャビテーション処理していないパルプを任意の割合で混合して使用してもよい。
本発明の電子写真用転写紙に使用する填料としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、クレー、焼成カオリン、デラミカオリン、タルク、無定型シリケート、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ等の無機填料や、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子等から選ばれる1種類以上を併用することができる。填料の配合率は、1重量%以上30重量%以下が好ましく、3重量%以上25重量%以下がより好ましく、5重量%以上25重量%以下が更に好ましい。30重量%を超えると、剛度が低下し、複写機等の走行性、作業性に劣る傾向にある。
本発明においては、パルプ及び填料の他に内填サイズ剤を使用することができる。内添サイズ剤としては、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤などのサイズ剤が使用でき、硫酸バンド、カチオン化デンプン等、適当なサイズ剤と繊維への定着剤を組合せて使用する。望ましくは、電子写真方式の複写機、プリンター等における走行性及びコピー後の用紙保存性の観点から、中性サイズ剤、特にアルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤を使用するのが良い。
なお、紙力増強剤、染料、pH制御剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、等の抄紙用内添助剤を目的に応じて適宜添加することも可能である。
本発明の電子写真用転写紙の抄造に用いる抄紙機は、公知の装置であれば良く、長網抄紙機、オントップツインワイヤー抄紙機、ギャップフォーマーなどが用いられる。抄紙条件として、ジェットワイヤー比、プロファイル、プレス、キャレンダー等の調整が行われ、また乾燥条件も抄紙機のドライヤーでの蒸気圧および通気方法等公知の方法が利用できる。本発明の電子写真用転写紙は、抄紙pHが酸性領域で抄紙される酸性紙、抄紙pHが疑似中性領域で抄紙される疑似中性紙、抄紙pHが中性領域で抄紙される中性紙、抄紙pHがアルカリ性領域で抄紙されるアルカリ性紙のいずれでもよい。キャビテーション処理したパルプについては、数種類のパルプをキャビテーション処理して配合し抄紙しても良いし、特定の種類のパルプのみをキャビテーション処理して配合し抄紙しても良いし、特定の種類のパルプの一部をキャビテーション処理して配合し抄紙しても良い。
また、本発明の電子写真用転写紙は、表面強度向上や耐水性付与、トナー定着性改良などを目的として、サイズプレス工程で成紙の表面にデンプン、ポリビニルアルコール、ラテックス、無水マレイン酸系サイズ゛、オレフィン系サイズ、スチレン-アクリル酸系サイズ等の各種表面サイズ剤、エチレン-尿素樹脂等の寸法安定化剤、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウムなどの無機導電剤、ジメチルアミノエチルメタアクリレートなどの有機導電剤、界面活性剤、顔料、染料、を塗布することができる。サイズプレス工程で塗布する方式としては、コンベンショナルサイズプレス(2ロール、ポンド方式)、ゲートロールサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、メタリングブレード方式のサイズプレス、ビルブレード、ショートドウェルコーター等の装置を用いることができる。塗布量は、0.1〜3.0g/m2程度に調整される。
本発明で規定したように、パルプ繊維懸濁液中にキャビテーションを発生させて処理し、好ましくはキャビテーションにより所望の濾水度に調製(叩解処理)したパルプを含有する電子写真用転写紙を得ることにより、低密度(嵩高)でありながら、剛度や寸法安定性が良好で、コピー機内やレーザービームプリンタ内での走行性、作業性等に優れる電子写真用転写紙が得られる。特に坪量が40〜70g/m2、密度が0.40〜0.75g/cm3において、本発明の効果をより発揮するものである。また、本発明の電子写真用転写紙は、顔料と接着剤を含有する塗工層を設けた塗工タイプの電子写真用転写紙の原紙として使用することもできる。
以下に典型的な例として電子写真用転写紙の場合を実施例で示すが、この実施例は本発明の範囲を限定するものではない。なお、特に断らない限り部および%は重量基準である。
[キャビテーション処理パルプ(化学パルプ)Aの製造]
市販広葉樹漂白クラフトパルプシートを低濃度パルパーで離解し、原料A(濾水度CS
F666ml)とした。原料Aを任意の濃度に調整後、図1に示されるキャビテーション噴流式洗浄装置(ノズル径1.5mm)を用いて、噴射液の圧力(上流側圧力)を7MPa(噴流の流速70m/秒)、被噴射容器内の圧力(下流側圧力)を0.3MPaとして、処理時間15 分で処理し、濾水度を調整した。なお、噴射液として濃度1.1重量%のパルプ懸濁液を使用し、容器内のパルプ懸濁液(濃度1.1重量%)をキャビテーション処理して、キャビテーションパルプAを得た。
処理後のパルプについて、カナダ標準濾水度(CSF)を測定し、結果を表1に示した。
・カナダ標準濾水度(CSF):JIS P 8121:1995に従った。
[キャビテーション処理パルプ(機械パルプ)Bの製造]
ラジアータパインのサーモメカニカルパルプ(濾水度CSF288ml)を原料Bとして、キャビテーションパルプAと同様にキャビテーション噴流式洗浄装置を用いて、噴射液の圧力(上流側圧力)を7MPa(噴流の流速70m/秒)、被噴射容器内の圧力(下流側圧力)を0.3MPaとして、処理時間10分で処理し、濾水度を調整した。得られたパルプのカナダ標準濾水度を測定し、結果を表1に示した。
[キャビテーション処理パルプ(脱墨パルプ)Cの製造]
脱墨処理後の完成した上質系DIP処理パルプ(濾水度CSF325ml)を原料Cとして、キャビテーションパルプAと同様にキャビテーション噴流式洗浄装置を用いて、噴射液の圧力(上流側圧力)を7MPa(噴流の流速70m/秒)、被噴射容器内の圧力(下流側圧力)を0.3MPaとして、処理時間10分で処理し、濾水度を調整した。得られたパルプのカナダ標準濾水度を測定し、結果を表1に示した。
A、B、Cのキャビテーション処理パルプの製造方法において、叩解処理をキャビテーション処理で行う代わりに、原料A〜Cについて、PFIミルを用いて、濃度10%、クリアランス0.2mmで、カウント数を変化させて叩解し、濾水度を調整して処理パルプD、E、Fを得た。
表1に処理したパルプの物性等を示す。

以下に実施例及び比較例における評価方法を示す。
〈評価方法〉
試験条件23℃、50%RHの条件下で、(1)〜(6)の評価を行った。
(1)坪量:JIS P 8124に準じて測定した。
(2)厚さ及び密度:JIS P
8118に準じて測定した。
(3)裂断長:JIS P
8113に準じて測定した
(4)クラーク剛度(横):JIS
P 8143に準じて測定した。
(5) 電子写真(コピー)適性:富士ゼロックス製複写機(Vivace555)を用い、A4横目でモノクロ印字を行い、1000枚印字した時のジャムトラブル、重送、印字後の紙揃いについて評価した。重送、ジャムトラブル、印字後の紙の不揃いのいずれもが抑えられ良好なものを○とし、重送、ジャムトラブル、印字後の紙の不揃いの何れかが抑えられずやや不良なものを△とし、不良なものを×とした。
(6)加熱収縮:23℃、相対湿度50%で24時間以上調湿した後、105℃の送風乾燥器内に5分間放置した前後の長さを測定し、収縮率を求めた。

[実施例1〜8及び比較例1〜3]
表2中に示したパルプ配合、及びパルプ絶乾重量に対して炭酸カルシウム及びカオリンをそれぞれ4重量%を加え、その他の薬品としてアルケニルコハク酸無水物、カチオン化デンプンをそれぞれ0.1重量%、0.5重量%を添加したスラリーをツインワイヤー抄紙機にて抄紙し、デンプンを6%、表面サイズ剤を0.5%、導電剤として塩化ナトリウム、炭酸ナトリウムをそれぞれ0.5、0.18%配合したサイズプレス液を両面で1.0g/m2塗布して坪量が60〜64g/m2である電子写真用転写紙を得た。
結果を表2に示す。

化学パルプをキャビテーション処理したパルプを含有する実施例1〜4とキャビテーション処理していない比較例1を比較すると、実施例1〜4は、嵩高でありながらクラーク剛度が低下せず、加熱収縮率も低く、剛度や寸法安定性が良好あり、コピー適性も良好な電子写真用転写紙が得られる。また、機械パルプをキャビテーション処理したパルプを含有する実施例5、6とキャビテーション処理していない比較例2、及び脱墨パルプをキャビテーション処理したパルプを含有する実施例7、8とキャビテーション処理していない比較例3についても同様な効果を有するものである。

実施例で使用したキャビテーション噴流式洗浄装置の概略図である。
符号の説明
1:試料タンク
2:ノズル
3:キャビテーション噴流セル
4:プランジャポンプ
5:上流側圧力制御弁
6:下流側圧力制御弁
7:上流側圧力計
8:下流側圧力計
9:給水弁
10:循環弁
11:排水弁
12:温度センサー
13:ミキサー

Claims (5)

  1. キャビテーションによって発生させた気泡を、パルプ懸濁液に接触させて処理したパルプを含有することを特徴とする電子写真用転写紙。
  2. 化学パルプまたは機械パルプのパルプ懸濁液を、所望の濾水度に調製したパルプを含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真用転写紙。
  3. 古紙パルプを脱墨した後のパルプのパルプ懸濁液を、所望の濾水度に調製したパルプを含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真用転写紙。
  4. クラーク剛度(横)が30cm/100以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用転写紙。
  5. 前記キャビテーション処理したパルプを全パルプ中の5重量%以上含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用転写紙。
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