JPWO2004053557A1 - 光情報記録媒体用の対物レンズ - Google Patents

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Abstract

HD、DVD及びCDの記録又は再生できる対物レンズを提供する。基準レンズ2aと密着レンズ2bとが密着されて接合されており、密着レンズ2bの材質は基準レンズ2aとは異なる材質であり、基準レンズのレンズ面と密着レンズのレンズ面とが非球面形状を有していて、かつ基準レンズは集光機能を有していて、密着レンズが正の屈折力を与える領域と負の屈折力を与える領域とを有する光情報記録媒体用の対物レンズとする。

Description

本発明は、青色レーザ光ディスク(HD)、デジタルビデオディスク(DVD)及びコンパクトディスク(CD)の記録又は再生を行うのに適し、回折限界性能を有する光ピックアップ装置に用いられる対物レンズ及び光ピックアップ装置に関する。
技術背景
従来、図2に示すとおり、HD又はDVDの記録又は再生を行うのに適する光ピックアップ装置に用いられる対物レンズとして、合成樹脂又はガラス材料からなる集光レンズを有する基準レンズ62aと、この基準レンズ62aに密着した紫外線硬化樹脂材料からなる密着レンズ62bとにより構成される複合レンズを対物レンズ62として用いた光ピックアップが報告されている(特開2000−90477号公報参照。以下特許文献1という)。
なお、図2において、62eは基準レンズ62aの光源側の面(対物レンズ62の光源側の面)、62fは基準レンズ62aの光ディスク側の面(密着レンズ62bの光源側の面)、62gは密着レンズ62bの光ディスク側の面である。
この従来例によれば、波長650nm程度の赤色レーザ光と波長430nm程度の青色レーザ光との2つの波長のレーザ光に対して色収差を補償することが可能であるとされている。
この従来例では、複数の保護層を有するHD及び複数の保護層を有するDVDの光ディスクに対して互換性能が得られるとされている。しかし、これらの光ディスクの保護層の厚さや、対物レンズの開口数に関する具体的な記述がなく、この従来例の実施例においても、青色レーザ光に対する波面収差と赤色レーザ光に対する波面収差のみが記載されているに留まっており、実際にどの程度の保護層厚の差異に対する球面収差の補正効果を有しているかが不明である。
さらに、特許文献1には波長780nm程度の赤色レーザ光を用いるCDの記録又は再生について、何等記載されてない。したがって、この従来例では、HD、DVD及びCDの記録又は再生について、互換性能を有するものではないと考えられ、CDの記録又は再生することができない問題があった。
本発明は、上記欠点を解消するためになされたものであり、波長405nm程度、波長650nm程度及び波長780nm程度の光、例えばレーザ光に対して、回折限界性能を有する高い光学性能を有する光ピックアップ用の対物レンズ及び光ピックアップ装置の提供を目的とする。
本発明は、基準レンズと、該基準レンズのレンズ面に密着又はほぼ密着して接合又は接着された密着レンズを備え、密着レンズの材質は基準レンズとは異なる材質であり、基準レンズのレンズ面と密着レンズのレンズ面とが非球面形状を有する光情報記録媒体用の対物レンズにおいて、
基準レンズは集光機能を有しており、
密着レンズが正の屈折力を与える領域と負の屈折力を与える領域とを有することを特徴とする光情報記録媒体用の対物レンズを提供する。
また、本発明は、基準レンズと、該基準レンズのレンズ面に密着又はほぼ密着して接合又は接着された密着レンズを備え、密着レンズの材質は基準レンズとは異なる材質であり、基準レンズのレンズ面と密着レンズのレンズ面とが非球面形状を有する光情報記録媒体用の対物レンズにおいて、
基準レンズは集光機能を有しており、
密着レンズの、基準レンズ側とは反対側の面を密着レンズ外面というとき、密着レンズ外面が非球面形状を有し、光軸から遠ざかるほど密着レンズ外面の非球面形状が基準レンズ側とは反対側に変位している領域を密着レンズ外面が有することを特徴とする光情報記録媒体用の対物レンズを提供する。
また、本発明は、基準レンズと、該基準レンズのレンズ面に密着又はほぼ密着して接合又は接着された密着レンズとを備え、密着レンズの材質は基準レンズとは異なる材質であり、基準レンズのレンズ面と密着レンズのレンズ面とが非球面形状を有する光情報記録媒体用の対物レンズにおいて、
基準レンズは集光機能を有しており、
密着レンズの両面が非球面形状を有し、
光軸に垂直な平面を基準平面とし、密着レンズの片面又は両面の有効径内の面上の任意の点に接する接平面が該基準平面となす角をθというとき、密着レンズのそれぞれの面の頂点からそれぞれの面上を外周に向かって該任意の点を移動する場合に、基準レンズ側又は基準レンズとは反対側のうち、光軸から遠ざかるほど密着レンズの厚さが厚くなる方の側に該任意の点が移動するような形状を密着レンズの片面又は両面が有しており、
さらに、有効径の最外周まで該任意の点を移動する場合に、θの値と符号が変化し、かつ、頂点以外の点で、θが0°になるような点を一つ以上密着レンズの片面又は両面が有することを特徴とする光情報記録媒体用の対物レンズを提供する。
また、本発明は、青色レーザ光ディスクを記録又は再生する際には、光源からの波長385〜425nmの光を上記対物レンズを通して青色レーザ光ディスクの情報記録面に集光し、該情報記録面からの反射光を上記対物レンズを通して受光素子に照射して該情報記録面のデータを記録又は再生し、
デジタルビデオディスクを記録又は再生する際には、光源からの波長617〜683nmの光を上記対物レンズを通してデジタルビデオディスクの情報記録面に集光し、該情報記録面からの反射光を上記対物レンズを通して受光素子に照射して該情報記録面のデータを記録又は再生し、
コンパクトディスクを記録又は再生する際には、光源からの波長745〜825nmの光を上記対物レンズを通してコンパクトディスクの情報記録面に集光し、該情報記録面からの反射光を上記対物レンズを通して受光素子に照射して該情報記録面のデータを記録又は再生することを特徴とする光ピックアップ装置を提供する。
また、本発明は、青色レーザ光ディスク又はデジタルビデオディスクを記録又は再生する際には、光源からの光を平行光にして上記対物レンズを透過させて青色レーザ光ディスクの情報記録画又はデジタルビデオディスクの情報記録面に集光させ、青色レーザ光ディスクの情報記録画又はデジタルビデオディスクの情報記録面からの反射光を上記対物レンズを透過させて受光素子に照射させ該情報記録面のデータを記録又は再生し、
コンパクトディスクを記録又は再生する際には、光源からの光を発散光として上記対物レンズに入射させ上記対物レンズを透過させてコンパクトディスクの情報記録面に集光させ、コンパクトディスクからの反射光を上記対物レンズを通して受光素子に照射させて該情報記録面のデータを記録又は再生することを特徴とする光ピックアップ装置を提供する。
図1は、本発明の対物レンズの一実施例の構成図である。
図2は、従来例の対物レンズの構成図である。
図3は、本発明の光ピックアップ装置の一実施例の構成図である。
図4は、例1の対物レンズ2の断面の形状についての、SAG値と光軸6からの距離とで表したグラフである。
図5は、例1の対物レンズ2について、基準平面と接平面とがなす角θと光軸6からの距離との関係を表したグラフである。
図6は、例1の対物レンズ2を用いて、波長405nmの入射光角度を変えてHD30を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図7は、例1の対物レンズ2を用いて、波長655nmの入射光角度を変えてDVD40を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図8は、例1の対物レンズ2を用いて、波長785nmの入射光角度を変えてCD50を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図9は、例1の対物レンズ2についての、入射光角度ωを横軸としたRMS波面収差図である。
図10は、例2の対物レンズ62の断面の形状をSAG値と光軸6からの距離とで表したグラフである。
図11は、例2の対物レンズ2について、基準平面と接平面とがなす角θと光軸6からの距離との関係を表したグラフである。
図12は、例2の対物レンズ2を用いて、波長405nmの入射光角度を変えてHD30を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図13は、例2の対物レンズ2を用いて、波長655nmの入射光角度を変えてDVD40を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図14は、例2の対物レンズ2を用いて、波長785nmの入射光角度を変えてCD50を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図15は、例2の対物レンズ2についての、入射光角度ωを横軸としたRMS波面収差図である。
図16は、例3の対物レンズ2の断面の形状をSAG値と光軸6からの距離とで表したグラフである。
図17は、例3の対物レンズ2について、基準平面と接平面とがなす角θと光軸6からの距離との関係を表したグラフである。
図18は、例3の対物レンズ2を用いて、波長405nmの入射光角度を変えてHD30を記録又は再生した場合の波面収差図である。
図19は、例3の対物レンズ2を用いて、波長655nmの入射光角度を変えてDVD40を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図20は、例3の対物レンズ2を用いて、波長785nmの入射光角度を変えてCD50を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図21は、例3の対物レンズ2についての、入射光角度ωを横軸としたRMS波面収差図である。
図22は、例4の対物レンズ2の断面の形状をSAG値と光軸6からの距離とで表したグラフである。
図23は、例4の対物レンズ2について、基準平面と接平面とがなす角θと光軸6からの距離との関係を表したグラフである。
図24は、例4の対物レンズ2を用いて、波長405nmの入射光角度ωを変えてHD30を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図25は、例4の対物レンズ2を用いて、波長655nmの入射光角度ωを変えてDVD40を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図26は、例4の対物レンズ2を用いて、波長785nmの入射光角度ωを変えてCD50を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図27は、例4の対物レンズ2についての、入射光角度ωを横軸としたRMS波面収差図である。
図28は、例5の対物レンズ2の断面の形状をSAG値と光軸6からの距離とで表したグラフである。
図29は、例5の対物レンズ2について、基準平面と接平面とがなす角θと光軸6からの距離との関係を表したグラフである。
図30は、例5の対物レンズ2を用いて、波長405nmの入射光角度ωを変えてHD30を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図31は、例5の対物レンズ2を用いて、波長655nmの入射光角度ωを変えてDVD40を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図32は、例5の対物レンズ2を用いて、波長785nmの入射光角度ωを変えてCD50を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図33は、例5の対物レンズ2についての、入射光角度ωを横軸としたRMS波面収差図である。
図34は、例2の対物レンズの構成図である。
図35は、例6の対物レンズ2の断面の形状をSAG値と光軸6からの距離とで表したグラフである。
図36は、例6の対物レンズ2について、基準平面と接平面とがなす角θと光軸6からの距離との関係を表したグラフである。
図37は、例6の対物レンズ2を用いて、波長405nmの入射光角度ωを変えてHD30を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図38は、例6の対物レンズ2を用いて、波長660nmの入射光角度ωを変えてDVD40を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図39は、例6の対物レンズ2を用いて、波長785nmの入射光角度ωを変えてCD50を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図40は、例6の対物レンズ2についての、入射光角度ωを横軸としたRMS波面収差図である。
図41は、例6の対物レンズ2について、波長405nm、及び405±1nmの光に対し、HD30を記録又は再生する場合において、波長405nmの光に対する波面収差の最良像点位置を中心として表した波面収差図である。
図42は、例6の対物レンズ2について、660nm、及び660±1nmの光に対し、DVD40を記録又は再生する場合において、波長660nmの光に対する波面収差の最良像点位置を中心として表した波面収差図である。
図43は、例6の対物レンズ2について、波長785nm、及び785±1nmの光に対し、CD50を記録又は再生する場合において、波長785nmの光に対する波面収差の最良像点位置を中心として表した波面収差図である。
図44は、例7の対物レンズ2の断面の形状をSAG値と光軸6からの距離とで表したグラフである。
図45は、例7の対物レンズ2について、基準平面と接平面とがなす角θと光軸6からの距離との関係を表したグラフである。
図46は、例7の対物レンズ2を用いて、波長405nmの入射光角度ωを変えてHD30を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図47は、例7の対物レンズ2を用いて、波長655nmの入射光角度ωを変えてDVD40を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図48は、例7の対物レンズ2を用いて、波長785nmの入射光角度ωを変えてCD50を記録又は再生する場合の波面収差図である。
図49は、例7の対物レンズ2についての、入射光角度ωを横軸としたRMS波面収差図である。
図50は、例7の対物レンズ2について、波長405nm、及び405±1nmの光に対し、HD30を記録又は再生する場合において、波長405nmの光に対する波面収差の最良像点位置を中心として表した波面収差図である。
図51は、例7の対物レンズ2について、655nm、及び655±1nmの光に対し、DVD40を記録又は再生する場合において、波長655nmの光に対する波面収差の最良像点位置を中心として表した波面収差図である。
図52は、例7の対物レンズ2について、波長785nm、及び785±1nmの光に対し、CD50を記録又は再生する場合において、波長785nmの光に対する波面収差の最良像点位置を中心として表した波面収差図である。
以下、本発明を図面に従って詳細に説明する。図1は本発明の対物レンズの一実施例の構成図であり、図3は本発明の光ピックアップ装置の一実施例の構成図であり、図1、2はともに光軸を通り光軸に平行な断面を光軸に対して垂直な方向から見た断面図である。以下の説明において、特記しない場合には、寸法、距離及び間隔の単位はmmとし、方向は図面上での方向をいうものとする。
図1において、2は本発明の対物レンズ、2aは基準レンズ、2bは密着レンズ、2dは保持枠、2eは基準レンズ2aの光源側の面(対物レンズ2の光源側の面)、2fは密着レンズ2bの光源側の面(基準レンズ2aの光ディスク側の面)、2gは密着レンズ2bの光ディスク側の面、2hは密着レンズ2bの光ディスク側に最も近い面(密着レンズ2bの外周に近い面であって光軸6に垂直な面(作動距離の基準面))、Sは光軸に垂直な平面を基準平面、Pは第2面2f上の任意の点、Vは第2面2fの頂点又はVは第3面2gの頂点、Sは点Pに接する接平面、θは基準平面Sと接平面Sがなす角である。
ここで本発明における密着レンズは、図1にも示されているように、光軸からレンズ周辺に向かってその屈折力が負、ゼロおよび正へと徐々に変化している。
なお、第1面2eは基準レンズ2aの、密着レンズ2b側とは反対側の面であり、面2eを基準レンズ外面又は第1面というときもある。また、第2面2fは密着レンズの、基準レンズ側の面であり、面2fを密着レンズ内面又は第2面というときもある。さらに、面2gは密着レンズの、基準レンズ側とは反対側の面であり、2gを密着レンズ外面又は第3面というときもある。第1面2e、第2面2f及び第3面2gは、全て有効径内の面とする。
基準レンズ2aと密着レンズ2bとは、第2面2fにて密着又はほぼ密着して接合又は接着されているため、基準レンズ2aの密着レンズ2b側の面のうち密着レンズ2bと接合又は接着している面も第2面2fと同じ又はほぼ同じ非球面形状を有しているものとする。
本発明の対物レンズ2は、光情報記録媒体の情報記録面に集光して、情報の記録又は再生を行う光学系に用いられる対物レンズである。光情報記録媒体は、例えば、光ディスクHD、DVD及びCDが挙げられるが、これに限定されない。以下、光情報記録媒体としてHD、DVD及びCDを例に挙げて説明する。
本発明において、HDを記録又は再生する際には、波長385〜425nm(以下、HD波長という)の光を用いる。DVDを記録又は再生する際には、波長617〜683nmの光(以下、DVD波長という)を用いる。CDを記録又は再生する際には、波長745〜825nm(以下、CD波長という)の光を用いる。
図1、3に示すとおり、本発明の対物レンズ2は、光源からの光を集光する基準レンズ2aと、該光の光路上において基準レンズ2aに密着又はほぼ密着した密着レンズ2bとを備えている。
本願発明において、対物レンズ2の光学特性を向上させるために、密着レンズ2bは正の屈折力の領域と負の屈折力の領域とを有する。密着レンズ2bが有する正の屈折力と負の屈折力とはともに共通の光軸を有する。
また、頂点Vを含みかつ頂点V近傍の第2面2fの非球面と、頂点Vを含みかつ頂点V近傍の第3面2gとで構成される密着レンズ2bの部分(領域F)が負の屈折力とを有することが好ましい。さらに、密着レンズ2bの領域Fの周囲の密着レンズ2bの領域が正の屈折力を有することが好ましい。
密着レンズ2bの材質は基準レンズ2aとは異なる材質である。図1、3に示す例において、光軸6から遠ざかるほど第2面2fの非球面形状が基準レンズ2a側に変位している領域を第2面2fが有しており、かつ、光軸6から遠ざかるほど第3面2gの非球面形状が基準レンズ2aとは反対側に変位している領域を第3面2gが有している。
しかし、これに限定されず、光軸6から遠ざかるほど第2面2fの非球面形状が基準レンズ2a側に変位している領域を第2面2fが有しており、又は、光軸6から遠ざかるほど第3面2gの非球面形状が基準レンズ2a側に変位している領域を第3面2gが有していてもよい。
図1に示すとおり、密着レンズのそれぞれの面の頂点(V又はV)からそれぞれの面上を外周に向かって任意の点Pを移動する場合に、基準レンズ2a側又は基準レンズ2aとは反対側のうち、光軸6から遠ざかるほど密着レンズ2bの厚さが厚くなる方の側に該任意の点が移動するような形状を密着レンズ2bの両面が有しており、さらに、有効径の最外周まで任意の点Pを移動する場合に、θの値と符号が変化し、かつ、頂点以外の点で、θが0°になるような点を密着レンズ2bの両面が有している。
上記したように、θが0°になるような点を極値というとき、図1に示す例では、密着レンズ2bの両面が極値を有しており好ましいが、これに限定されず、密着レンズ2bの片面が極値を有していても使用できる。また、図1に示す例では、各面に極値はそれぞれ1つであるが、複数設けられていてもよい。
図1に示す例では、基準平面Sは、第1面2eの頂点に接しているが、基準平面Sをθの基準とする場合には、基準平面Sは、第1面2eの頂点に接していなくともよい。
光源4側に最も近い極値における密着レンズ2bの厚さが密着レンズ2bの中心厚より厚く、かつ、波面収差が最も小さくなるような厚さであることが光学特性が向上するので好ましい。なお、本発明の対物レンズは、光軸を中心とする回転対称である。
保持枠2dは、光軸6を通り光軸6に平行な断面形状が略四角形である輪帯形状からなる。保持枠2dは基準レンズ2aの材質と同じ材質であり、基準レンズ2aと一体となっている。保持枠2dの、光軸6を通り光軸6に平行な断面形状は略四角形に限定されない。また、保持枠2dは必要に応じて設けられるものであり、保持枠2dを設けずに、図1に示す例のように、基準レンズ2aの周縁部分を保持枠として利用してもよい。
本発明の対物レンズ2が本発明の光ピックアップ装置に用いられる場合には、基準レンズ2aは光源側に配されることが好ましい。基準レンズ2aの両側は非球面形状を有し、密着レンズ2bの両面も非球面形状を有する。
対物レンズ2の外径は0.5〜5.0mmφである。この場合、最大の入射光束径が4.4mmφ以下とすることが好ましい。なお、最大の入射光束径は、光源からの光束を絞りで絞らない限り、対物レンズの光源側の有効径と一致する。
本発明の対物レンズ2の外径を5.0mmφ以下とするのは、小型化、軽量化の観点からである。本発明の対物レンズ2の外径の好ましい範囲は4.5mmφ以下であり、この場合の光源側の有効径は3.8mmφ以下が好ましい。さらに、本発明の対物レンズ2の外径のより好ましい範囲は4.0mmφ以下であり、この場合の光源側の有効径は3.2mmφ以下が好ましい。
本発明の対物レンズ2の外径を0.5mmφ以上としたのは、0.5mmφ未満であると、第1面2eの面形状の曲率が小さくなり、曲率半径が0.5mmR以上となる可能性が高くなるため、金型加工が容易であり、加工精度が低下しないからである。
なお、本発明の対物レンズ2の外径とは、基準レンズ2aの外径が密着レンズ2bの外径より大きい場合には基準レンズ2aの外径をいい、基準レンズ2aの外径が密着レンズ2bの外径より小さい場合には、密着レンズ2bの外径をいうものとする。
基準レンズ2aの厚さと密着レンズ2bの厚さとは、対物レンズ2の外径によっても影響を受けるが、基準レンズ2aは大きな屈折力を必要とするので、基準レンズ2aの入射面側の頂点曲率及び形状の深さは大きくなり、かつ、基準レンズ2aの周縁厚もある程度の厚さを確保する必要があるため、基準レンズ2aの中心厚は密着レンズ2bの厚さよりも厚くなる傾向がある。
しかし、対物レンズの作動距離をできるだけ長くするためには、基準レンズ2aの中心厚はできるだけ薄いことが好ましい。外径0.5〜5.0mmφの対物レンズにおいては、基準レンズ2aの中心厚は約0.5mm〜3.0mmが好ましい。
密着レンズ2bの厚さ(中心厚に限定されない)は、製造しやすくするため、かつ、光の透過損失を少なくするため0.01mm〜0.5mm、特には0.1〜0.3mmであることが好ましい。また、同様の理由により、密着レンズ2bの中心厚は、0.01〜0.50mmが好ましい。
基準レンズ2aの材質及び密着レンズ2bの材質は、鉛のような環境に有害な材料を含まないものを用いることが好ましい。さらに、成形時の金型寿命を長くして、安価で製作しやすくするためにも、基準レンズ2aの材質及び密着レンズ2bの材質にガラスを用いる場合には、このガラスのガラス転移温度は550℃以下とすることが好ましい。
本発明において、作動距離をできるだけ長くするために、基準レンズ2aの材質の、385nm〜825nmの波長の光に対する屈折率は1.75〜2.20が好ましい。より好ましくは1.80〜2.20、特に好ましくは、1.90〜2.20である。基準レンズ2aの材質としては、光学用のガラスが好ましい。
屈折率の大きい光学用のガラス材料としては、TeO、La及びTa等の高屈折率に寄与する成分を多く含有するガラス材料が好ましい。このガラス材料はHD波長の光の吸収率が小さく、HD波長の光の透過率に優れているためである。
また、このガラス材料は550℃以下のガラス転移温度を有するものが多いため、このガラス材料を本発明の基準レンズ2aに用いた場合に、ガラスプレス成形により基準レンズ2aを製作する際、容易に加工できるためである。
しかし、これに限定されず、HD波長の光、DVD波長の光及びCD波長の光の吸収率が小さく、HD波長の光の透過率に優れているガラス材料であれば、使用できる。また、屈折率の大きい光学用のガラス材料としては、できるだけ鉛を含有しないガラス材料がより好ましい。鉛を含有しないガラス材料は、鉛がHD波長の光の吸収率が大きいため、HD波長の光の透過率に優れているためである。したがって、本発明の基準レンズ2aに用いるガラス材料としては、TeO、La及びTa等の高屈折率に寄与する成分を多く含有するガラス材料であって鉛を含有しないガラス材料がより好ましい。
密着レンズ2bの材質の、385nm〜825nmの波長の光に対する屈折率は1.20〜2.20が好ましい。より好ましくは1.30〜1.70、特に好ましくは1.40〜1.60である。基準レンズ2aと組合せを考慮する場合、密着レンズ2bの非球面形状を緩やかにして加工しやすくするためである。
密着レンズ2bの材質としては、385nm〜825nmの波長の光に対し高透過率を有し、かつ、基準レンズ2aに対し密着性に優れる、光学ガラス材料又は合成樹脂材料が好ましい。また、この合成樹脂材料の中でも、低分散性、高透過率、耐元性、耐水性などの良好な材料であることが好ましい。光ピックアップ装置用の対物レンズとして備えることが好ましい条件だからである。
密着レンズ2bの材質に用いる合成樹脂材料の例として、ポリオレフィン系合成樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、オレフィン系樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
これらの合成樹脂材料の中で、ポリオレフィン系合成樹脂が好ましい。ポリオレフィン系合成樹脂の中には、ポリオレフィン系合成樹脂の2mm厚の板状体を透過する400nm以上の波長の光透過率も約90%と高いものもあるからである。このポリオレフィン系合成樹脂にはHD波長の光での屈折率が1.5597のものもあり、密着レンズ2bの材質として適している。
フッ素樹脂である旭硝子社製サイトップ(商標)は、低屈折率であるため、設計する上で、密着レンズ2bに低屈折率が求められる場合には、蜜着レンズ2bの材質として用いることが好ましい。
基準レンズ2aに蜜着レンズ2bを接着する際、接着剤を用いる場合には、基準レンズ2aと蜜着レンズ2bとの間に接着剤からなる接着層が介在するため、光学設計をする際には、この接着層の厚さ及び屈折率を考慮することが好ましい。この接着剤からなる接着層の厚さは、できるだけ対物レンズ2の光学特性に影響を与えないために0.01〜20μm、特には0.01〜10μmが好ましい。
本発明の対物レンズ2の最外周部(図1に示す例では、保持枠2d)は、強度を高めるためにガラス材料からなることが好ましい。さらに、対物レンズの外径は小型化するため、5.0mmφ以下、特には4.0mmφ以下が好ましい。
しかし、光ピックアップ装置に本発明の対物レンズ2を取付ける場合には、対物レンズ2を固定する際、偏芯が生じるので、光源からの光束を確保し、用いる対物レンズ2の非球面を有効に活用することが好ましい。
そのため、対物レンズ2の外径を5.0mmφ以下とする場合、入射光束径は4.2mmφ以下と小さくすることが好ましく、作動距離が小さくなる傾向がある。また、対物レンズ2の外径を4.0mmφ以下とする場合、入射光束径は3.2mmφ以下と小さくすることが好ましく、作動距離がより小さくなる傾向がある。
特に、CD波長の光を用いてCDを記録又は再生する際には、CD保護層の厚さは1.2mmと厚いため、作動距離は0.3mm未満になることがあり、オートフォーカス装置が作動する際に対物レンズと該記録保護層とが接触するおそれがある。
したがって、本発明において、対物レンズ2の外径が0.5〜5.0mmφである場合、光源からの光の入射光束径E、前記対物レンズと光情報記録媒体との間の作動距離Lとの間に、光源からの光の波長がHD波長である場合、L/E≧1/6、光源からの光の波長がDVD波長である場合、L/E≧1/6、光源からの光の波長がCD波長である場合、L/E≧1/10が成立するように基準レンズ2aの屈折率、基準レンズ2aの非球面形状、密着レンズ2bの屈折率及び密着レンズ2bの非球面形状が設定されていることが好ましい。
本発明において、上記L/Eの範囲を得るために、対物レンズ2の外径が0.5〜5.0mmφである場合には、HD波長での基準レンズ2aの屈折率が1.80〜2.20、特には1.90〜2.20が好ましい。
前述したとおり、本発明において、対物レンズ2の外径が5.0mmφ以下であっても、設計上、対物レンズ2に入射する光束のサイズを外径に近づくように大きくすれば、長い作動距離を得ることは可能である。
しかし、対物レンズ2を光ピックアップ装置に確実に取付け、固定するためには、対物レンズ2の有効径外の周辺部又は保持枠2dの大きさ及び面積を十分にとることが好ましい。
対物レンズ2の入射側の有効径としては、外径4.5〜5.0mmφの対物レンズ2では、入射光束径は3.2〜4.2mmφ、対物レンズ2の入射側の面径は3.5〜4.5mmφが好ましい。
また、外径4.0mmφ以上、かつ、外径4.5mmφ未満の対物レンズ2では、入射光束径は2.8〜3.4mmφ、対物レンズの入射側の面径は3.0〜3.6mmφが好ましい。
さらに、これより有効径を大きくし、対物レンズ2のレンズ面径を大きくして長い作動距離を得ようとすると、保持枠2dの形状が小さくなり過ぎて、光ピックアップ装置に取付け固定した場合に、サーボ駆動信頼性が低下する問題が生じるおそれがある。
本発明の対物レンズの光ディスク側の開口数(NA)については、HD波長の光を用いてHDを記録又は再生する際には、NAは0.80〜0.87、特には0.83〜0.87が好ましい。また、DVD波長の光を用いてDVDを記録又は再生する際には、NAは0.60〜0.67、特には0.63〜0.67が好ましい。また、CD波長の光を用いてCDを記録又は再生する際には、NAは0.40〜0.53、特には0.45〜0.53が好ましい。
対物レンズ2の光学特性を向上させるために、第1面2eの頂点における曲率半径は0.2〜8.0mmであることが好ましい。また、対物レンズ2の光学特性を向上させるために、第1面2eの頂点における曲率半径Rと入射光束径Eとの間に、
0.2≦E/R≦8.0、
が成立することが好ましい。より好ましい範囲は、0.5≦E/R≦5.0、であり、特に好ましい範囲は、0.8≦E/R≦2.0、である。
光源から出射して前記対物レンズへ入射する光の波長が中心波長、例えば青色レーザーの波長405nmから±1nm変動するとき、波面収差の平方自乗平均値における最良像点位置の変動が±0.2μm以下であるような対物レンズとすることが波長分散性能が優れていて好ましい。最良像点位置の変動が±0.1μm以下であることが、さらに好ましい。また、最良像点位置の変動が±0.05μm以下であることが、波長分散性能がさらに優れていて特に好ましい。
また、光源からの光の中心波長がHDの記録又は再生する場合の385〜425nm、DVDの記録又は再生する場合の617〜683nm、又はCDの記録又は再生する場合の745〜825nmのいずれかの範囲にある場合、前記中心波長が±1nm変動するとき、波面収差の平方自乗平均値における最良像点位置の変動が±0.1μm以下となるように、前記基準レンズの屈折率が、前記密着レンズの屈折率よりも小さくされている対物レンズとすることが好ましい。
また、対物レンズ2の光学特性を向上させるために、前記極値における密着レンズ2bの厚さtと密着レンズの中心厚tとの間に、
+(t/2)<t<4・t
が成立することが好ましい。
また、対物レンズ2の光学特性を向上させるために、第1面2eの有効径の半径h1maxと第1面2eの有効径の最大深さz1maxとの間に、
1max<h1max
が成立することが好ましい。より好ましい範囲は、
1max≦(4/5)・h1max
であり、特に好ましい範囲は、
1max≦(2/3)・h1max、である。
また、対物レンズ2の光学特性を向上させるために、第2面2fの有効径の半径h2max、と第2面2fの有効径の最大深さz2maxとの間に、
0<z2max<h2max/2、
が成立することが好ましい。
この場合は、基準レンズの屈折率が密着レンズの屈折率より小さいという条件が成り立っている。
さらに、第2面2fの有効径の半径h2max、と第2面2fの有効径の最大深さz2maxとの間に、
2max/10≦z2max<h2max/2、
が成立することが好ましい。より好ましい範囲は、h2max/8≦z2max≦h2max/3、であり、特に好ましい範囲は、h2max/6≦z2max≦h2max/4、である。
また、対物レンズ2の光学特性を向上させるために、第3面2gの有効径の半径をh3maxと第3面2gの有効径の最大深さz3maxとの間に、
3max/12≦z3max<h3max/3、
が成立することが好ましい。より好ましい範囲は、h3max/10≦z3ma ≦h3max/4、であり、特に好ましい範囲は、h3max/8≦z3ma ≦h3max/5、である。
また、対物レンズ2の光学特性を向上させるために、第1面2eの頂点における曲率半径R(mm)と基準レンズの材質の屈折率nとの間に、
0.1≦(n−1)/R≦5.0、
が成立することが好ましい。より好ましい範囲は、0.2≦(n−1)/R≦3.0、であり、特に好ましい範囲は、0.3≦(n−1)/R≦1.0、である。
また、対物レンズ2の光学特性を向上させるために、385nm〜825nmの波長の光に対する基準レンズ2aの屈折力ψと385nm〜825nmの波長の光に対する密着レンズ2bの屈折力ψとの間に、
0.3≦ψ≦5.0、−5.0≦ψ≦−0.2、かつ、|ψ+ψ|≦4.0、が成立することが好ましい。より好ましい範囲は、0.4≦ψ≦4.0、−4.0≦ψ≦−0.3、かつ、|ψ+ψ|≦3.0、であり、特に好ましい範囲は、0.5≦ψ≦3.0、−3.0≦ψ≦−0.4、かつ、|ψ+ψ|≦2.0、である。
また、対物レンズ2の光学特性を向上させるために、密着レンズ2bの有効径内において、密着レンズ2bの中心厚が密着レンズ2bの中心以外の部分の厚さより薄く、かつ、波面収差が最も小さくなるような厚さであることが好ましい。
また、対物レンズ2の光学特性を向上させるために、密着レンズ2bの有効径の最外周部の厚さが前記極値の部分の密着レンズ2bの厚さより薄く、かつ、波面収差が最も小さくなるような厚さであることが好ましい。
図3に示す、本発明の対物レンズ2を用いた光ピックアップ装置について説明する。図3において、4は光源、5は補助レンズ、6は光軸、8は入射瞳面、9は絞り、14は受光素子、30はHD、30aはHD30の情報記録面(以下、HD情報記録面という)、30bはHD30の保護層(以下、HD保護層という)、40はDVD、40aはDVD40の情報記録面(以下、DVD情報記録面という)、40bはDVD40の保護層(以下、DVD保護層という)、50はCD、50aはCD50の情報記録面(以下、CD情報記録面という)、50bはCD50の保護層(以下、CD保護層という)、WDHはHD30を記録又は再生する場合の作動距離、WDDはDVD40を記録又は再生する場合の作動距離、WDCはCD50を記録又は再生する場合の作動距離である。作動距離は対物レンズ2と光ディスクとの最短間隔であり、前述したLに相当する。入射瞳面8は第1面2eの頂点に接する。
なお、作動距離WDH、作動距離WDD及び作動距離WDCは、光ディスク側の密着レンズ2bの面(有効径に限定されない)で光ディスク側に最も近い部分(図3に示す例では面2h)と光ディスクとの間隔となる。したがって、密着レンズ2bの光ディスク側の面のうちで頂点が光ディスク側に最も近い部分である場合には、この頂点と光ディスクとの間隔となる。図3に示す例では、密着レンズの光ディスク側の面のうち密着レンズの周縁部に近い部分(有効径以外の面)が光ディスク側に最も近い部分であるので、各作動距離はこの部分と光ディスクとの間隔になる。
図3に示す例では、基準レンズ2aが光源4側に配されており、密着レンズ2bが光ディスク側に配されている。このような向きに対物レンズ2が配されていることが対物レンズ2の光学特性を向上させる点で好ましいが、これに限定されず、基準レンズ2aが光ディスク側に配されており、密着レンズ2bが光源4側に配されていても使用できる。
また、図3において、31はHD30を記録又は再生する場合の有効径内の、光軸6以外の光路を通過する任意の光線、32は入射瞳面8と光線31との交点、33は第1面2eと光線31との交点、34は第2面2fと光線31との交点、35は第3面2gと光線31との交点、36は保護層30aの光源側の面と光線31との交点、37はHD情報記録面30aと光線31との交点である。
また、図3において、41はDVD40を記録又は再生する場合の有効径内の、光軸6以外の光路を通過する任意の光線、42は入射瞳面8と光線41との交点、43は第1面2eと光線41との交点、44は第2面2fと光線41との交点、45は第3面2gと光線41との交点、46は保護層40aの光源側の面と光線41との交点、47はDVD情報記録面30aと光線41との交点である。
また、図3において、51はCD50を記録又は再生する場合の有効径内の、光軸6以外の光路を通過する任意の光線、52は入射瞳面8と光線51との交点、53は第1面2eと光線51との交点、54は第2面2fと光線51との交点、55は第3面2gと光線51との交点、56は保護層50aの光源側の面と光線51との交点、57はCD情報記録面50aと光線51との交点である。
以下、本発明の対物レンズ2を図3に示す光ピックアップ装置に用いた場合について生じる光学現象を以下に説明し、本発明の対物レンズ2と従来の対物レンズ(例えば図2に示す対物レンズ62)とで生じる光学現象の差異について説明する。以下の説明において、特記しない場合には、基準レンズとは基準レンズ2a又は基準レンズ62aをいうものとし、密着レンズとは密着レンズ2b又は密着レンズ62bをいうものという。
HD30を記録又は再生する場合、光源4からのHD波長の光は、補助レンズ5、対物レンズ2、HD保護層30bの順に透過してHD情報記録面30aに集光されビームスポットが形成される。HD情報記録面30aにより反射された光は、HD保護層30b、対物レンズ2、補助レンズ5の順に透過して受光素子14に集光される。この場合、補助レンズ5を透過した後の光線31は、交点32、交点33、交点34、交点35、交点36、交点37の順に通過してHD情報記録面30aに集光され、HD情報記録面30aにより反射された光は通過して来た光路を戻ることとなる。
DVD40を記録又は再生する場合、光源4からのDVD波長の光は、補助レンズ5、対物レンズ2、DVD保護層40bの順に透過してDVD情報記録面40aに集光されてビームスポットが形成される。DVD情報記録面40aにより反射された光は、DVD保護層40b、対物レンズ2、補助レンズ5の順に透過して受光素子14に集光される。この場合、補助レンズ5を透過した後の光線41は、交点42、交点43、交点44、交点45、交点46、交点47の順に通過してDVD情報記録面30aに集光され、DVD情報記録面30aにより反射された光は通過して来た光路を戻ることとなる。
CD50を記録又は再生する場合、光源4からのCD波長の光は、補助レンズ5、対物レンズ2、CD保護層50bの順に透過してCD情報記録面50aに集光されてビームスポットが形成される。CD情報記録面50aにより反射された光は、CD保護層50b、対物レンズ2、補助レンズ5の順に透過して受光素子14に集光される。この場合、補助レンズ5を透過した後の光線51は、交点52、交点53、交点54、交点55、交点56、交点57の順に通過してCD情報記録面50aに集光され、CD情報記録面50aにより反射された光は通過して来た光路を戻ることとなる。
本発明の対物レンズ2及び本発明の光ピックアップ装置は、図3の実施例に限定されず、例えば、光源4及び受光素子14は図3に示すの位置に配されていなくともよい。また、ハーフミラー及びビームスプリッタ等の光学媒体が光軸6上に配されていてもよい。
図3に示す例では、1つの光源4が、HD波長、DVD波長、CD波長のそれぞれの光を発光しているが、これに限定されず、HD波長、DVD波長、CD波長のそれぞれの光を別々の光源により発光させてもよい。また、HD波長、DVD波長、CD波長のそれぞれの光を別々の光源により発光させた場合には、それぞれの光源が光源4と同じ位置に配されていなくともよい。光源4とは別の光源が光軸6以外の位置に配されている場合には、別の光源からの光を光軸6上に配されているハーフミラー等の光学媒体によって補助レンズ5に照射するようにしてもよい。
HD波長の光としては青色レーザ光が通常用いられる。DVD波長の光としては赤色レーザ光が通常用いられる。CD波長の光としては赤色レーザ光が通常用いられる。
図3に示す例では、受光素子14が光源4と同じ位置に配設されている。しかし、これに限定されず、光軸6上にハーフミラー等の光学媒体を配し、この光学媒体により光情報記録媒体からの反射光を、光軸6上以外の位置に配されている受光素子14に集光させるようにしてもよい。すなわち、図13に示す例では、光源4の位置と受光素子14の位置とが同位置に示されている。しかし、これに限定されず、ハーフミラー等の光学媒体を用いて、光源4の位置と受光素子14の位置とを別々の位置に配してもよい。
また、1つの受光素子14が、HD波長、DVD波長、CD波長のそれぞれの光を受光しているが、これに限定されず、HD波長、DVD波長、CD波長のそれぞれの光を別々の受光素子14により受光させてもよい。
図3に示す例では、HD30又はDVD40を記録又は再生する際には、光源4からの光を補助レンズ5により平行光にして対物レンズ2を透過させてHD30の情報記録画又はDVD40の情報記録面に集光させ、HD情報記録面30a又はDVD情報記録面40aからの反射光を対物レンズ2を透過させて受光素子14に照射させHD情報記録面30a又はDVD情報記録面40aのデータを記録又は再生している。
さらに、図3に示す例では、CDを記録又は再生する際には、光源4からの光を発散光として対物レンズ2に入射させ、対物レンズ2を透過させてCD情報記録面50aに集光させ、CD50からの反射光を対物レンズ2を通して受光素子14に照射させてCD情報記録面50aのデータを記録又は再生する。
すなわち、図3に示す例では、HD30又はDVD40を記録又は再生する際には、補助レンズ5はコリメータレンズとして機能しており、CDを記録又は再生する際には、補助レンズ5はコリメータレンズとして機能せず、光源4からの光が補助レンズ5に入射すると補助レンズ5を透過して光は発散光となるように補助レンズ5の仕様が設定されている。この場合、HD30又はDVD40を記録又は再生する際には、対物レンズ2は無限系レンズとして機能しており、CDを記録又は再生する際には、対物レンズ2は有限系レンズとして機能している。
補助レンズ5が1つのレンズで、HD30又はDVD40を記録又は再生する際コリメータレンズとして機能し、かつ、CDを記録又は再生する際発散光を出射する機能を有するものであれば、この補助レンズ5を用いればよい。しかし、これに限定されず、HD30を記録又は再生する際には、補助レンズ5としてHD用のものを用い、DVD40を記録又は再生する際には、補助レンズ5としてDVD用のものを用い、CD50を記録又は再生する際には、CD用のものを用いてもよい。すなわち、異なる種類の光ディスクごとに補助レンズ5を交換してもよい。
図3には記載されていないが、HD30又はDVD40を記録又は再生する際には、光源4からの光をコリメータレンズにより平行光にして対物レンズ2に照射させ、かつ、CD50を記録又は再生する際には、光源(光源4以外の光源も含む)からの光をコリメータレンズを介さずに直接又はハーフミラー、ビームスプリッタ等の光学媒体を介して対物レンズ2に照射させてもよい。
絞り9は開口数を変化させる機能を有する。絞り9を設ける理由は、記録又は再生の際、HD30、DVD40又はCD50それぞれに使用される開口数が異なる場合、絞り9により開口数を調整するためである。
絞り9には、機械的絞り、光学的絞りがあり、特に限定されない。機械的絞りの例として、開口数に対応する直径の孔を有する板状体を複数枚用意し交換する手段等が挙げられる。
本発明における密着レンズ2bは、極値を一つ以上有することが好ましい。これに対して、図2に示す対物レンズ62の密着レンズ2bは、極値を有していない。
以下、図3に示す例にしたがって、本発明における光学現象を説明する。基準レンズの中心厚(光軸上間隔)をt、密着レンズの中心厚(光軸上の間隔)をt、基準レンズの材質のHD波長の光に対する屈折率をna2、基準レンズの材質のDVD波長の光に対する屈折率をnb2、基準レンズの材質のCD波長の光に対する屈折率をnc2とする。さらに、密着レンズの材質のHD波長の光に対する屈折率をna3、密着レンズの材質のDVD波長の光に対する屈折率をnb3、密着レンズの材質のCD波長の光に対する屈折率をnc3とする。
対物レンズ(密着レンズ)とHD30との光軸上の間隔をta4、HD保護層30bの厚さをta5、屈折率をna5とし、対物レンズの前後の媒体は空気であって、空気の屈折率は1.0とするとき、HD波長の光を用いてHDを記録又は再生する際には、光軸6上で入射瞳面8からHD情報記録面30aまでの光路長APは、以下の(1)式で表される。
Figure 2004053557
DVD波長の光を用いてDVD40を記録又は再生する際には、対物レンズとDVD40との光軸上の間隔をtb4、DVD保護層40bの厚さをtb5、屈折率をnb5とするとき、光軸6上で入射瞳面8からDVD情報記録面40aまでの光路長BPは、以下の(2)式で表される。
Figure 2004053557
CD波長の光を用いてCD50を記録又は再生する際には、対物レンズとCD50との光軸上の間隔をtc4、CD保護層50bの厚さをtc5、屈折率をnc5とするとき、光軸6上で入射臆面8からCD情報記録面50aまでの光路長CPは、式(3)で表される。
Figure 2004053557
HD波長の光を用いてHD30を記録又は再生する際には、交点32から交点33までの距離をti1、交点33から交点34までの距離をti2、交点34から交点35までの距離をti3、交点35から交点36までの距離をti4、交点36から交点37までの距離をti5とするとき、前述の媒体の屈折率の定義を用いて、光線31の入射瞳面8からHD情報記録面30aまでの光路長APは、式(4)で表される。
Figure 2004053557
DVD波長の光を用いてDVD40を記録又は再生する際には、交点42から交点43までの距離をtj1、交点43から交点44までの距離をtj2、交点44から交点45までの距離をtj3、交点45から交点46までの距離をt 、交点46から交点47までの距離をtj5とするとき、前述の媒体の屈折率の定義を用いて、光線41の入射瞳面8からDVD情報記録面40aまでの光路長BPは、次式で表される。
Figure 2004053557
CD波長の光を用いてCD50を記録又は再生する際には、交点52から交点53までの距離をtk1、交点53から交点54までの距離をtk2、交点54から交点55までの距離をtk3、交点55から交点56までの距離をtk4、交点56から交点57までの距離をtk5とするとき、前述の媒体の屈折率の定義を用いて、光線51の入射瞳面8からCD情報記録面50aまでの光路長CPは式(6)で表される。
Figure 2004053557
光軸6とHD情報記録面30aとの交点を30pとするとき、HD波長の光を用いてHD30を記録又は再生する際に、補助レンズ5、対物レンズ2及びHD保護層30bを含む光学系が無収差であれば、交点37は交点30pに一致し、光路長APは光路長APに等しくなる。しかし、実際には、収差が存在するため、式(7)で示す光路長差Waが生じる。
Figure 2004053557
光路長差Waは、補助レンズ5、対物レンズ2及びHD保護層30bを含む光学系の波面収差と見なすことができる。さらに、補助レンズ5で生じる波面収差は無視できるほど対物レンズとは独立に小さくすることができるので、省略することとしてこの光学系の波面収差は以下のようになる。
光路長差Wbは、補助レンズ5、対物レンズ2及びHD保護層30bを含む光学系において、近似的に対物レンズ2で生じる波面収差とHD保護層30bで生じる波面収差との和の波面収差とみなすことができる。
HD波長の光を用いてHD30を記録又は再生する際のRMS波面収差については、式(8)のような波面収差の平方自乗平均値WaをRMS波面収差として、用いられるHD波長λを単位として表される。
Figure 2004053557
式(8)において、<Wa>は、i本の光線の波面収差(計算値)の平均値、<(Wa>は、i本の光線の波面収差(計算値)の平方自乗平均値である。
光学系のマレシヤルの条件より、Waの値が0.07λ以下であれば、回折限界の良好な波面収差が得られる対物レンズである。すなわち、良好な性能の対物レンズ得るためには、多数であるi本の光線の光路長差Waを小さくし、各光路長差Waのバラツキをできるだけ小さくすることが好ましい。
図3の例において、光軸6とDVD情報記録面40aとの交点を40pとするとき、DVD波長の光を用いてDVD40を記録又は再生する際には、補助レンズ5、対物レンズ2及びDVD保護層40bを含む光学系が無収差であれば、交点47は交点40pに一致し、光路長BPは光路長BPに等しくなる。しかし、実際には、収差が存在するため、式(9)で示す光路長差Wbが生じる。
Figure 2004053557
光路長差Wbは、補助レンズ5、対物レンズ2及びDVD保護層40bを含む光学系の波面収差と見なすことができる。さらに、補助レンズ5で生じる波面収差は無視できるほど小さくすることができるので、省略することとしてこの光学系の波面収差は以下のようになる。
光路長差Wbは、補助レンズ5、対物レンズ2及びDVD保護層40bを含む光学系において、近似的に対物レンズ2で生じる波面収差とDVD保護層40bで生じる波面収差との和の波面収差とみなすことができる。
光路長差Wbが生じるために、ある大きさのスポット像がDVD情報記録面40aに形成される。このスポット像の寸法が小さければ小さいほど、波面収差が少ない理想的な対物レンズとなる。
すなわち、DVD波長λを用いてDVD40を記録又は再生する際のRMS波面収差Wbについては、HD波長の光を用いてHD30を記録又は再生する際のRMS波面収差を求めた手法と同様の手法で、式(10)が成立する。
Figure 2004053557
式(10)において、<Wb>は、j本の光線の波面収差(計算値)の平均値、<(Wb>は、i本の光線の波面収差(計算値)の平方自乗平均値である。光学系のマレシヤルの条件より、Wbの値が0.07λ以下であれば、回折限界の良好な波面収差が得られる対物レンズである。すなわち、良好な性能の対物レンズ得るためには、多数であるj本の光線の光路長差Wbを小さくし、各光路長差Wbのバラツキをできるだけ小さくすることが好ましい。
図3の例において、光軸6とCD情報記録面50aとの交点を50pとするとき、CD波長の光を用いてCD50を記録又は再生する際には、補助レンズ5、対物レンズ2及びCD保護層50bを含む光学系が無収差であれば、交点57は交点50pに一致し、光路長CPは光路長CPに等しくなる。しかし、実際には、収差が存在するため、式(11)で示す光路長差Wcが生じる。
Figure 2004053557
光路長差Wcは、補助レンズ5、対物レンズ2及びCD保護層50bを含む光学系の波面収差と見なすことができる。さらに、補助レンズ5で生じる波面収差は無視できるほど小さくすることができるので、省略することとしてこの光学系の波面収差は以下のようになる。
光路長差Wcは、補助レンズ5、対物レンズ2及びCD保護層50bを含む光学系において、近似的に対物レンズ2で生じる波面収差とCD保護層50bで生じる波面収差との和の波面収差とみなすことができる。
光路長差Wcが生じるために、ある大きさのスポット像がCD情報記録面50aに形成される。このスポット像の寸法が小さければ小さいほど、波面収差が少ない理想的な対物レンズとなる。
すなわち、CD波長λを用いてCD50を記録又は再生する際のRMS波面収差Wcについては、HD波長の光を用いてHD30を記録又は再生する際のRMS波面収差を求めた手法と同様の手法で、式(12)が成立する。
Figure 2004053557
式(12)において、<Wc>は、k本の光線の波面収差(計算値)の平均値、<(Wc>は、k本の光線の波面収差(計算値)の平方自乗平均値である。
光学系のマレシャルの条件より、Wcの値が0.07λ以下であれば、回折限界の良好な波面収差が得られる対物レンズである。すなわち、良好な性能の対物レンズを得るためには、多数であるk本の光線の光路長差Wcを小さくし、各光路長差Wcのバラツキをできるだけ小さくすることが好ましい。
以上のように、HD、DVD及びCDを記録又は再生する光学系に使用できる対物レンズを得るためには、RMS波面収差Wa、RMS波面収差Wb、RMS波面収差Wcについて、それぞれ、式(13)、式(14)、式(15)を満足することを要する。すなわち、式(13)、式(14)及び式(15)がすべて満足されることが必要とされる。
Figure 2004053557
また、式(13)、式(14)及び式(15)がすべて満足されるには、光路長差Waがλに対して小さいことが好ましく、光路長差Wbがλに対して小さいことが好ましく、かつ、光路長差Wcがλに対して小さいことが好ましい。以下にこれらの条件について説明する。
HD波長の光を用いてHD30を記録又は再生する際には、対物レンズについて、式(1)、式(4)及び式(7)から式(16)が成立する。
Figure 2004053557
式(16)において、第2項「na2・(ti2−t)」の値は基準レンズの形状及び基準レンズの材質の屈折率に影響され、第3項「na3・(ti3−t)」の値は密着レンズの形状及び密着レンズの材質の屈折率に影響される。
前述したとおり、HD波長の光を用いてHD30を記録又は再生する際には、補助レンズ5は、コリメータレンズとして機能しているため、ti1は光軸6に平行な、基準レンズの光源側の面と入射瞳面8との距離となる。したがって、(16)式において、小型な対物レンズ2がNA0.80〜0.87のような高開口数を得るためには、基準レンズの光源側の面は光源側に対して、曲率半径を小さし、大きい曲率の凸面にすることが好ましい。このため、(16)式の第1項(ti1)の値は、光軸から離れる光線ほど正の大きな値となることが好ましい。
対物レンズとHD30との衝突をさけるため、作動距離WHDは、大きいことが好ましく、対物レンズの有効径が2.0〜4.5mmである場合には、0.3mm以上であることが好ましい。また、0.5mm以上にすることがより好ましく、0.7mm以上であることが特に好ましい。また、対物レンズの有効径が2.0mm未満である場合には、作動距離WHDは、0.15mm以上であることが好ましい。したがって、(16)式の第4項(ti4−ta4)の値も負になりにくく、大きな正の値にもなりにくい。
さらに、HD保護層30bの両面はほぼ平面であるから、(16)式の第5項における(ti5−ta5)も光軸から離れる光線ほど正の値になる。また、基準レンズ2aの屈折率na2、密着レンズ2bの屈折率na3及びHD保護層30bの屈折率na5も正の大きな値である。
すなわち、(16)式において、Waの第1項の値、第4項の値及び第5項の値は、光軸から離れる光線ほど正の大きな値となり、第1項の値、第4項の値及び第5項の値の和はかなり大きな値となる傾向がある。
しかし、(16)式において、第2項における(ti2−t)の値、第3項における(ti3−t)の値の少なくともいずれかの値が負の大きな値になれば、(16)式のWaの値を小さくできる。
対物レンズの有効径内を通る任意の光線について、対物レンズが回折限界性能を有するようになる確率を高めるためには、光路長差Waの絶対値が1波長以下(以下、単にHD回折限界予備条件という)になることが好ましく、そのためには、(16)式において、右辺の計算結果の絶対値が1波長以下になるように第2項の値と第3項の値とを調整すればよいこととなる。本発明では、この条件を満足するように対物レンズの形状を設定し、かつ、屈折率を設定するため対物レンズの材質を決定する。
前述した、HD波長の光を用いてHD30を記録又は再生する場合と同様の手順で、DVD波長の光を用いてDVD40を記録又は再生する際には、式(2)、式(5)、式(9)から、式(17)が成立する。
Figure 2004053557
(17)式においても(16)式と、同様の考え方にしたがえば、第1項の値、第4項の値及び第5項の値は、光軸から離れる光線ほど正の大きな値となり、第1項の値、第4項の値及び第5項の値の和はかなり大きな値となる傾向がある。
しかし、(17)式においても第2項における(tj2−t)の値、第3項における(tj3−t)の値の少なくともいずれかの値が負の大きな値になれば、(17)式のWbの値を小さくできる。
対物レンズの有効径内を通る任意の光線について、対物レンズが回折限界性能を有するようになる確率を高めるためには、光路長差Wbの絶対値が1波長以下(以下、単にDVD回折限界予備条件という)になることが好ましく、そのためには、(17)式において、右辺の計算結果の絶対値が1波長以下になるように第2項の値と第3項の値とを調整すればよいこととなる。本発明では、この条件を満足するように対物レンズの形状を設定し、かつ、屈折率を設定するため対物レンズの材質を決定する。
前述した、DVD波長の光を用いてDVD40を記録又は再生する場合と同様の手順で、CD波長の光を用いてCD50を記録又は再生する際には、式(3)、式(6)、式(11)から、式(18)が成立する。
Figure 2004053557
(18)式においても、(16)式と、同様の考え方にしたがえば、第1項の値、第4項の値及び第5項の値は、光軸から離れる光線ほど正の大きな値となり、第1項の値、第4項の値及び第5項の値の和はかなり大きな値となる傾向がある。
しかし、(18)式において、第2項における(tk2−t)の値、第3項における(tk3−t)の値の少なくともいずれかの値が負の大きな値になれば、(18)式のWcの値を小さくできる。
対物レンズの有効径内を通る任意の光線について、対物レンズが回折限界性能を有するように確率を高めるためには、光路長差Wcの絶対値が1波長以下になることが好ましく、そのためには、(18)式において、右辺の計算結果の絶対値が1波長以下(以下、単にCD回折限界予備条件という)になるように第2項の値と第3項の値とを調整すればよいこととなる。本発明では、この条件を満足するように対物レンズの形状を設定し、かつ、屈折率を設定するため対物レンズの材質を決定する。
以上述べたとおり、1つの対物レンズにより、HD波長の光を用いてHD30を記録又は再生でき、DVD波長の光を用いてDVD40を記録又は再生でき、かつ、CD波長の光を用いてCD50を記録又は再生できるようにするには、HD回折限界予備条件、DVD回折限界予備条件及びCD回折限界予備条件の3つの条件を満たすことが好ましい。以下、この3つの条件を併せて、単に、3種回折限界予備条件ということとする。
特許文献1に記載されているような対物レンズ62(従来例)は、HD波長の光を用いるHD30の記録又は再生については、可能としていることから、HD30に対して非球面が最適化されており、HD回折限界予備条件を満足している確率が高いと仮定して、対物レンズ62について、DVD波長の光を用いてDVD40を記録又は再生できるかについて検討すると、前述したとおり、DVD回折限界予備条件を満足していればDVD40を記録又は再生できる確率が高くなるので、これについて検討する。
HD波長の光を用いてHD30を記録又は再生する際の任意の光線が対物レンズ62の面62eに入射する箇所と同箇所のDVD波長の任意の光線について考えてみると(DVD波長の任意の光線は対物レンズ62に入射した後はHD波長の光線とは別の経路を透過する)、対物レンズ62の形状は変わらず、固定されていることから、(17)式において、第1項の値は同じであり、第4項の値はやや小さくなるものの、DVD保護層40bの屈折率は、任意の光線がHD波長である場合に比べてやや小さくなる。
しかし、DVD保護層40bの厚さはHD保護層30bの6倍もの厚さになるため、(17)式の第1項の値と第4項の値と第5項の値との和の値(正の値)は、任意の光線がHD波長である場合に比べてかなり大きくなる。
ところで、式(17)の説明をした箇所で前述したとおり、式(17)において、第2項の値は基準レンズの形状及び基準レンズの材質の屈折率に影響され、第3項の値は密着レンズの形状及び密着レンズの材質の屈折率に影響されるので、DVD波長の光線に対しては、対物レンズ62の屈折率が小さくなり、その結果、式(17)における、負の値を示す可能性ある第2項と第3項とで表される光路長差が小さくなる。
すなわち、対物レンズ62の内を透過する光線の光路長は、基準レンズ62aの屈折率及び密着レンズ62bの屈折率がともに小さくなるため、(17)式第2項の値と第3項の値との和の値は、第1項の値と第4項の値と第5項の値との和の値を減らして、(17)式の計算結果の絶対値が1波長以下になるようにはなりにくく(光路長差Wbの絶対値が1波長以下になりにくく)、DVD回折限界予備条件を満足しにくい。
さらに、対物レンズの形状的な観点から検討すると、従来例の対物レンズ62については、HD波長の光を用いてHD30を記録又は再生できると仮定していることから、HD波長の光線に対して光路長差Wbが最小になるように最適化された非球面が対物レンズ62の両面に採用されていることがわかる。
さらに、図2に示すとおり、対物レンズ62では、基準レンズ62aは凸レンズであり、基準レンズ62aが有する非球面及び密着レンズ62bが有する非球面とは、ともに、前述した極値を有さない。このような形状の対物レンズ62において、DVD波長がHD波長より長いため、対物レンズ62の屈折率が小さくなり、(17)式の光路長差Wbの絶対値が1波長よりはるかに大きくなって、DVD波長の光を用いてDVD40を記録又は再生することが全く不可能なことになる。
また、対物レンズ62について、CD波長の光を用いてCD50を記録又は再生できるかについて検討すると、前述したとおり、CD回折限界予備条件を満足していればCD50を記録又は再生できる確率が高くなるので、これについて検討する。
この場合、HD30とDVDとを記録又は再生する場合と比較すると、CD50を記録又は再生する際には、開口数が小さくなるので、式(18)の第1項の値が小さくなる有利さはあるものの、対物レンズ62の材質の屈折率はさらに小さくなり、かつ、CD保護層50bの厚さはDVD保護層40bの厚さの2倍の厚さとなるため、式(18)の第5項の値が大きくなって、(18)式の光路長差Wbの絶対値が1波長よりはるかに大きくなって、CD波長の光を用いてCD50を記録又は再生することが全く不可能なことになる。
次に、特許文献1に記載されている対物レンズ62が、DVD波長の光を用いるDVD40の記録又は再生については、可能としていることから、DVD40に対して非球面が最適化されており、DVD回折限界予備条件を満足している確率が高いと仮定して、対物レンズ62について、HD波長の光を用いてHD30を記録又は再生できるかについて検討すると、前述したとおり、HD回折限界予備条件を満足していればHD30を記録又は再生できる確率が高くなるので、これについて検討する。
HD波長の光を用いてHD30を記録又は再生する際には、(16)式の第2項の値と第3項の値の和の値の絶対値が大きくなりすぎ、(16)式の計算結果の絶対値が1波長以下になるようにはなりにくく、HD回折限界予備条件を満足しにくい。
また、CD波長の光を用いてCD50を記録又は再生する際には、(18)式の第1項の値と第4項の値と第5項の値との和の値が大きくなりすぎ、(18)式の計算結果の絶対値が1波長以下になるようにはなりにくく、CD回折限界予備条件を満足しにくい。
次に、本発明の対物レンズ2を図3に示す光ピックアップ装置に用いた場合について生じる光学現象を以下に説明する。なお、本発明の対物レンズ2の中心厚(基準レンズ2aの中心厚と密着レンズ2bの中心厚との和の厚さ)と有効径とは、対物レンズ62のそれらと同様であり、基準レンズ2aの材質の屈折率と密着レンズ2bの材質の屈折率とが対物レンズ62のそれらと同様であると仮定して説明する。
前述の(16)式の説明に従えば、通常、開口数が大きく、作動距離の大きい対物レンズを得ようとすれば、(16)式の第1項、第4項、第5項は、正の大きな値になる傾向を有する。
図1に示す対物レンズ2では、図1に示すとおり、第2面2fの極値が頂点Vより、光源4側に近い。また、この極値における密着レンズ2bの厚さが密着レンズ2bの中心厚より厚い。
したがって、第2面2fの極値を通過する光線又はこの極値付近を通過する光線に着目すれば、対物レンズ2を用いる場合には、対物レンズ62を用いる場合より、基準レンズ2aを通る光線の光路長が短くなるため、(16)式の第2項の値を負の大きい値にすることができる。
ただし、基準レンズ2aを通る光線の光路長が短くなった結果、(16)式の第2項の値が負の大きい値になりすぎる場合には、第2面2fの極値付近の厚さを厚くすることによって密着レンズ2bを通る光線の光路長を長くすることにより、(16)式の第3項の値を正の値にして、負の大きい値になりすぎた(16)式の第2項の値を相殺することができる。
なお、第2面2fの非球面形状及び第3面2gの非球面形状をともに適当に設定することにより、(16)式の第2項の値を調整してもよい。さらに、必要に応じて、第3面2gの非球面形状を適当に設定することにより、(16)式の第4項の値を調整することができる。
以上のとおり、(16)式の計算結果の絶対値が1波長以下になるようにして(16)式のWaの値を1波長以下にできる。第2面2fの非球面形状と第3面2gの非球面形状とを適当に設定することにより、本発明の対物レンズ2により、HD波長の光を用いてHD30を記録又は再生することができる。
HD波長の光を用いてHD30を記録又は再生する際の任意の光線が対物レンズ2の第1面2eに入射する箇所と同箇所のDVD波長の任意の光線について考えてみると(DVD波長の任意の光線は対物レンズ2に入射した後はHD波長の光線とは別の経路を透過する)、対物レンズ2の形状は変わらず、固定されていることから、前述の(17)式の説明に従えば、通常、開口数が大きく、作動距離の大きい対物レンズを得ようとすれば、(17)式の第1項、第4項、第5項は、正の大きな値になる傾向を有する。
図1に示す対物レンズ2では、図1に示すとおり、第2面2fの極値が頂点Vより、光源4側に近い。また、この極値における密着レンズ2bの厚さが密着レンズ2bの中心厚より厚い。したがって、第2面2fの極値を通過する光線又はこの極値付近を通過する光線に着目すれば、対物レンズ2を用いる場合には、対物レンズ62を用いる場合より、基準レンズ2aを通る光線の光路長が短くなるため、(17)式の第2項の値を負の大きい値にすることができる。
ただし、基準レンズ2aを通る光線の光路長が短くなった結果、(17)式の第2項の値が負の大きい値になりすぎる場合には、第2面2fの極値付近の厚さを厚くすることによって密着レンズ2bを通る光線の光路長を長くすることにより、(17)式の第3項の値を正の値にして、負の大きい値になりすぎた(17)式の第2項の値を相殺することができる。
なお、第2面2fの非球面形状及び第3面2gの非球面形状をともに適当に設定することにより、(17)式の第2項の値を調整してもよい。さらに、必要に応じて、第3面2gの非球面形状を適当に設定することにより、(17)式の第4項の値を調整することができる。以上のようにして、(7)式の計算結果の絶対値が1波長以下になるようにして(17)式のWbの値を1波長以下にできる。
以上のとおり、第2面2fの非球面形状と第3面2gの非球面形状とを適当に設定することにより、本発明の対物レンズ2により、DVD波長の光を用いてDVD40を記録又は再生することができる。
以上、述べたとおり、本発明では、(16)式における第2項の値と第3項のの値と、(17)式における第2項の値と第3項の値とを、最適化することにより、HD波長、DVD波長のそれぞれの波長において、(16)式の右辺と(17)式の右辺とを1波長以内にすることが可能となり、HD30の記録又は再生、及び、DVD40の記録又は再生を達成できる。
本発明において、対物レンズ2により、CD波長の光を用いてCD50を記録又は再生する際には、(18)式の第2項の値及び第3項の値を最適化して(18)式のWcの値をCD波長以内にすることが好ましい。
しかし、今まで述べたとおり、本発明の対物レンズ2では、HD30及びDVD40の記録又は再生を達成しなければならないための対物レンズの仕様の限定を受ける。また、(18)式における屈折率nc2、nc3は、ほとんど固定化されて自由度がない。
さらに、CDの記録又は再生用の開口数はNA0.40〜0.53と小さいので、この開口数内の対物レンズ2の径では、HD波長の光及びDVD波長の光も透過するため、この開口数内の、対物レンズ2の形状をCD用として独立に設計することは許されず、(18)式の第2項の値及び第3項の値を最適化を行うことが困難である。
また、CD保護層50bの厚さは1.2mmと厚いので、(18)式の第5項は正の大きな値となるため、(18)式のWcの値をCD波長以内にすることが困難であり、かつ、作動距離もHD、DVDの記録又は再生する場合に比べて最も小さくなってしまう傾向があり好ましくない。
したがって、本発明の対物レンズ2により、CD波長の光を用いてCD50を記録又は再生する際には、補助レンズ5をコリメータレンズとして機能させて、本発明の対物レンズ2に平行光を入射させても、回折限界性能を有する光学系を得ることは困難である。
本発明においては、CD波長の光を用いてCD50を記録又は再生する際に、対物レンズ2に発散光として入射させて、対物レンズ2を有限系として機能させることとした。
この場合、発散光の光軸6との角度を調整することにより、入射瞳面8から対物レンズ2を透過してCD情報記録面50bまで達する光線の光路長を変えて調整することができ、(18)式のWcの値をCD波長以内にすることができる。さらに、CD波長を用いる場合、発散光を対物レンズ2に入射させることになるため、出射光が集束する位置も対物レンズ2から遠ざかることになり、その結果、作動距離WDCも大きくすることができる。
本発明において、HD保護層30bの厚さは0.1mmと薄いのに対し、DVD保護層40bの厚さは0.6mm、CD保護層50bの厚さは1.2mmと厚くなるので、HD、DVD及びCDについて、記録又は再生可能な互換性を有するようにし、かつ、長い作動距離を得ようとする場合には、基準レンズ2aの材質は高屈折率の光学材料を用いることが好ましい。
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例には限定されず、本発明の要旨を損なわない限り、各種の改良や変更も本発明に含まれる。
[例1(実施例)]
図1に示すような対物レンズ2を製作し、この対物レンズ2を用いて図3に示すような光ピックアップ装置を製作する。基準レンズ2aの材質として、TeO、ZnO及びNaOを主成分とする高屈折率の光学ガラス材料(以下、仮にTS32という)を用いる。密着レンズ2bの材質として、三井石油化学社製のオレフィン系材料「アペル(登録商標)」を用いる。
HD波長の光を用いてHD30を記録又は再生する際、又は、DVD波長の光を用いてDVD40を記録又は再生する際には、補助レンズ5はそれぞれ別のレンズを用い、それぞれコリメータレンズとして機能するようにする。CD波長の光を用いてCD50を記録又は再生する際には、補助レンズ5は用いずに、光源4の光を直接対物レンズ2に入射させる。
以下に示す実施例において、第1面2eの非球面形状、第2面2fの非球面形状及び第3面2gの非球面形状は、下記の(19)式で表される非球面形状によって決定される。なお、以下に示す比較例においても、対物レンズの各非球面形状は下記の(19)式で決定される。
Figure 2004053557
ただし、hは第n面の光軸上の頂点から光軸と垂直方向の距離(光軸6からの高さ)、Rは表1の第n面の曲率半径、kは同じく表1の第n面の円錐定数、Aniは表1の第n面のi=1〜8項までの非球面係数である。Zは、以上のh、R、k、Aniによって決まる第n面の頂点の接平面からの光軸6方向の距離であり、このZの値で決まる曲線が第n面の非球面断面形状を与える。
表1〜4に対物レンズ2の仕様を示す。R、k、Aniの値を表2及び表3に示す。なお、以下の表における面番号については、面番号0が光源4、面番号1が第1面2e、面番号2が第2面2f(基準レンズ2aの光ディスク側の面及び密着レンズ2bの光源4側の面)、面番号3が第3面2g、面番号4が面2h、面番号5が光ディスクの光源4側の面(光ディスクの保護層の光源4側の面)、面番号6が光ディスクの情報記録面である。
また、以下の全ての表における面間隔及び材料名については、該当する面番号と次の面番号との間の面間隔及び材料名を示す。以下の表において特に指定されていない場合には、間隔、距離の単位はmmとし、「E−01」〜「E−04」はそれぞれ10−1〜10−4を表す。
図4は対物レンズ2の断面の形状(図1に示す形状に相当)を、SAG値(光軸6方向の距離(Sagittal Figure値))と光軸6からの距離とで表したグラフである。図4では、光軸6からの距離が0「ゼロ」における、第1面2eの頂点、第2面2fの頂点及び第3面2gの頂点の位置が、これらの頂点の位置をスライドさせて仮に一致するように表示させている。なお、以下に示す、SAG値と光軸6からの距離との関係を示す全てのグラフは同様の表示とする。
図5はθと光軸6からの距離との関係を表したグラフである。図6は波長405nmの光を用いてHD30を記録又は再生する場合の波面収差図であり、入射光角度ωを0.0°(図6(a))から0.4°(図6(b))に変えた場合を分けて示している。なお、図6において、PX軸、PY軸は、ともに入射瞳面8上で光軸6に対して垂直な軸であり、PX軸はPY軸に対して垂直である。
入射光角度ωを0.0°から0.4°に変えた場合を分けて示していることは、以下に示す、PX、PYが記載されている全ての波面収差図でも同様とする。
図7は波長655nmの光を用いてDVD40を記録又は再生する場合の波面収差図(図7(a)はω:0.0°、図7(b)はω:0.4°)、図8は波長785nmの光を用いてCD50を記録又は再生する場合の波面収差図(図8(a)はω:0.0°、図8(b)はω:0.4°)である。なお、図6〜8は全て計算値であり、以下に挙げる収差特性を示す全ての図面(RMS波面収差図を含む)は実施例、比較例を問わず全て計算値である。
HD、DVD及びCDの記録又は再生の際の波面収差の値は、図6〜8で示すとおり、レーザ光の入射光角度ωを0.0°から0.4°に変えた場合であっても、それぞれ±1λ以内の値をとる(λは1λを、−λは−1λを意味する。他の同種類の波面収差のグラフにおいても同様とする。)。
図9は、入射光角度(図6等におけるω)を横軸としたRMS波面収差図であり、波長405nmの光を用いてHD30を記録又は再生する場合、波長655nmの光を用いてDVD40を記録又は再生する場合、及び、波長785nmの光を用いてCD50を記録又は再生する場合を示す。なお、以下の全てのRMS波面収差図では、図9と同様に入射光角度を横軸とする。
図9に示すように、HD、DVD及びCDの記録又は再生する場合のRMS波面収差の値も全て、0〜0.4°の入射光角度ωに対して0.07λ以下の回折限界以下の値をとり、良好な性能を実現している。
表4に記載されている開口絞り径は入射光束径Eを意味するので、表4に記載されている作動距離Lを用いれば、波長405nmの光を用いてHD30を記録又は再生する際には、L/E=0.649/3.00≒1/4.622となり、波長655nmの光を用いてDVD40を記録又は再生する際には、L/E=0.522/2.50≒1/4.789となり、波長785nmの光を用いてCD50を記録又は再生する際には、L/E=0.260/2.08=1/8.000となる。これらより、入射光束径Eに対して長い作動距離が得られることがわかる。
一般的にHD記録又は再生用の対物レンズは、NA=0.85という高開口数の対物レンズであるため、光源側の面の曲率が大きくなり、加工しにくい形状になる傾向がある。しかし、例1の対物レンズ2では、第1面2eの面上の任意の点に接する接平面が基準平面Sとなす角の最大値は、53.5°であり、この任意の点は、有効径周辺部付近に存在する。
また、第2面2fにおけるθは最大20.0°、第3面2gにおけるθは最大13.0°であり、対物レンズの非球面を製作する金型も容易に製作できる。
製作する対物レンズ2及び光ピックアップ装置について、波長405nmの青色レーザ光学干渉計を用いて、光軸6にほぼ平行な3.0mmφの平行光束を入射して対物レンズ2の波面収差を測定する。また、波長655nmのレーザ干渉計を用いて、光軸6にほぼ平行な2.5mmφの平行光束を入射して対物レンズ2の波面収差を測定する。さらに、波長785nmのレーザ干渉計と透過球面原器を用いて有限光束とし、設計最適倍率の光源配置とした後、開口絞り位置で約2.08mmφとした光束を対物レンズ2に入射して対物レンズ2の波面収差を測定する。
その結果、波長405nm、655nm、785nmのいずれの波長においても、波面収差のRMSはそれぞれの波長をλとすると、0.02λ〜0.04λという良好な値を示す。この収差値には測定光学系の設計波長との波長ずれ等による残留収差も含んでいる。すなわち、対物レンズのRMS波面収差値は0.04λ以下であり、優れた光学性能を示す。また、作動距離もほぼそれぞれ設計値に近い値である。この光ピックアップ装置により、HD30、DVD40及びCD50記録又は再生を行うと、忠実に記録又は再生できる。
[例2(比較例)]
図34に示すような対物レンズ92を製作し、この対物レンズ92を用いて図3に示すような光ピックアップ装置を製作する。基準レンズ92aの材質及び密着レンズ92bの材質は例1と同様とする。表5〜8に対物レンズ92の仕様を示す。
図10は対物レンズ92の断面の形状(図2に示す形状に相当)をSAG値と光軸6からの距離とで表したグラフである。図11はθと光軸6からの距離との関係を表したグラフである。
図12は波長405nmの光を用いてHD30を記録又は再生する場合の波面収差図(図12(a)はω:0.0°、図12(b)はω:0.4°)である。図13は波長655nmの光を用いてDVD40を記録又は再生する場合の波面収差図(図13(a)はω:0.0°、図13(b)はω:0.4°)、図14は波長785nmの光を用いてCD50を記録又は再生する場合の波面収差図(図14(a)はω:0.0°、図14(b)はω:0.4°)である。
HDの記録又は再生の際の波面収差の値は、図12で示すように、レーザ光の入射光角度ωを0.0°から0.4°に変える場合であっても、それぞれ±1λ以内の値をとる。さらに、図15に示すように、HDの記録又は再生の際のRMS波面収差の値も0.07λ以下の回折限界以下の値をとる。
DVD又はCDの記録又は再生の際のRMS波面収差の値は、スケールオーバーするほど悪いため、図15に示さない。入射光角度ωが0.0°〜0.4°の範囲で、DVDの記録又は再生の際のRMS波面収差の値は約0.68λ、CDの記録又は再生の際のRMS波面収差の値は約0.42λである。
DVD又はCDの記録又は再生の際の波面収差の値は、それぞれ図13、図14で示すように、ωが0.0°におけるベスト像点においても2λ超の値をとり、好ましくない。さらに、上記のとおり、DVD又はCDの記録又は再生の際のRMS波面収差の値も0.07λ超となり、回折限界性能を達成できていない。
以上により、例2の対物レンズ62ではDVD又はCDを記録又は再生することはできない。この光ピックアップ装置により、HD30、DVD40及びCD50記録又は再生を行なうと、HD30は忠実に記録又は再生できるが、DVD40及びCD50は記録又は再生できない。
[例3(実施例)]
図1に示すような対物レンズ2を製作し、この対物レンズ2を用いて図3に示すような光ピックアップ装置を製作する。基準レンズ2aの材質は例1と同様とし、密着レンズ2bの材質はポリカーボネイトとする。表9〜12に対物レンズ2の仕様を示す。
図16は対物レンズ2の断面の形状(図1に示す形状に相当)をSAG値と光軸6からの距離とで表したグラフである。図17はθと光軸6からの距離との関係を表したグラフである。
図18は波長405nmの光を用いてHD30を記録又は再生する場合の波面収差図(図18(a)はω:0.0°、図18(b)はω:0.3°)である。図19は波長655nmの光を用いてDVD40を記録又は再生する場合の波面収差図(図19(a)はω:0.0°、図19(b)はω:0.3°)である。図20は波長785nmの光を用いてCD50を記録又は再生する場合の波面収差図(図20(a)はω:0.0°、図20(b)はω:0.3°)である。
HD、DVD及びCDの記録又は再生の際の波面収差の値は、図18〜20で示すように、レーザ光の入射光角度ωを0.0°から0.3°に変える場合であっても、それぞれ±1λ以内の値をとる。
図21は、入射光角度ωを横軸としたRMS波面収差図であり、波長405nmの光を用いてHD30を記録又は再生する場合、波長655nmの光を用いてDVD40を記録又は再生する場合、及び、波長785nmの光を用いてCD50を記録又は再生する場合を示す。
図21に示すように、HD、DVD及びCDの記録又は再生する場合のRMS波面収差の値も全て0.07λ以下の回折限界以下の値をとり、良好な性能を実現している。この光ピックアップ装置により、HD30、DVD40及びCD50記録又は再生を行うと、忠実に記録又は再生できる。
「例4(実施例)」
図1に示すような対物レンズ2を製作し、この対物レンズ2を用いて図3に示すような光ピックアップ装置を製作する。基準レンズ2aの材質は例1と同様とし、密着レンズ2bの材質はサイトップとする。表13〜16に対物レンズ2の仕様を示す。
図22は対物レンズ2の断面の形状(図1に示す形状に相当)をSAG値と光軸6からの距離とで表したグラフである。図23はθと光軸6からの距離との関係を表したグラフである。
図24は波長405nmの光を用いてHD30を記録又は再生する場合の波面収差図(図24(a)はω:0.0°、図24(b)はω:0.4°)である。図25は波長655nmの光を用いてDVD40を記録又は再生する場合の波面収差図(図25(a)はω:0.0°、図25(b)はω:0.4°)である。図26は波長785nmの光を用いてCD50を記録又は再生する場合の波面収差図(図26(a)はω:0.0°、図26(b)はω:0.4°)である。
HD、DVD及びCDの記録又は再生の際の波面収差の値は、図24〜26で示すように、レーザ光の入射光角度ωを0.0°から0.4°に変える場合であっても、それぞれ±1λ以内の値をとる。
図27は、入射光角度ωを横軸としたRMS波面収差図であり、波長405nmの光を用いてHD30を記録又は再生する場合、波長655nmの光を用いてDVD40を記録又は再生する場合、及び、波長785nmの光を用いてCD50を記録又は再生する場合を示す。
図27に示すように、HD、DVD及びCDの記録又は再生する場合のRMS波面収差の値も全て0.07λ以下の回折限界以下の値をとり、良好な性能を実現している。この光ピックアップ装置により、HD30、DVD40及びCD50記録又は再生を行ったところ、忠実に記録又は再生できた。
[例5(実施例)]
図1に示すような対物レンズ2を製作し、この対物レンズ2を用いて図3に示すような光ピックアップ装置を製作する。基準レンズ2aの材質は住田光学社製商品名K−VC89を用い、密着レンズ2bの材質は例1と同様とする。表17〜20に対物レンズ2の仕様を示す。
図28は対物レンズ2の断面の形状(図1に示す形状に相当)をSAG値と光軸6からの距離とで表したグラフである。図29はθと光軸6からの距離との関係を表したグラフである。
図30は波長405nmの光を用いてHD30を記録又は再生する場合の波面収差図(図30(a)はω:0.0°、図30(b)はω:0.4°)である。図31は波長655nmの光を用いてDVD40を記録又は再生する場合の波面収差図(図31(a)はω:0.0°、図31(b)はω:0.4°)である。図32は波長785nmの光を用いてCD50を記録又は再生する場合の波面収差図(図32(a)はω:0.0°、図32(b)はω:0.4°)である。
HD、DVD及びCDの記録又は再生の際の波面収差の値は、図30〜32で示すように、レーザ光の入射光角度ωを0.0°から0.4°に変えた場合であっても、それぞれほとんど±1λ以内の値をとる。
図33は、入射光角度ωを横軸としたRMS波面収差図であり、波長405nmの光を用いてHD30を記録又は再生する場合、波長655nmの光を用いてDVD40を記録又は再生する場合、及び、波長785nmの光を用いてCD50を記録又は再生する場合を示す。図33に示すように、HDの記録又は再生する際、入射光角度ωが0.0〜0.25°までは0.07λ以下の回折限界以下の値をとる。
また、DVD及びCDの記録又は再生する場合のRMS波面収差の値は、全て0.07λ以下の回折限界以下の値をとり、良好な性能を実現している。この光ピックアップ装置により、HD30、DVD40及びCD50記録又は再生を行なうと、忠実に記録又は再生できる。
Figure 2004053557
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[例6(実施例)]
図1に示すような対物レンズ2を製作し、この対物レンズ2を用いて図3に示すような光ピックアップ装置を製作する。基準レンズ2aの材質は住田光学社製商品名K−VC89を用い、密着レンズ2bの材質は、表21に示す旭硝子製硝材TS2を使用し、基準レンズ2aと密着レンズ2bは表21に示す薄い樹脂接着剤層を用いて接合される。表21〜24に対物レンズ2の仕様を示す。
本実施例においては、基準レンズ2aの密着レンズ2b側のレンズ面を第2面、密着レンズ2bの基準レンズ2a側のレンズ面を第3面、光ディスク側のレンズ面を第4面とする。第2面と第3面の非球面形状は、設計の自由度を増やす点からは別形状の非球面のほうが望ましいが、本実施例においては、同じ形状の非球面形状とする。こうすることにより、接合面の間隔を一定に保ちやすく、製作する対物レンズの偏芯特性を良好にすることが容易となる効果がある。
また、本実施例においては、表24に示すように、使用レーザーの波長はそれぞれ、405nm、660nm、785nmを中心波長とする3種類のレーザー光源を使用し、対応する記録再生用ディスクの保護層の厚さは、それぞれ0.6mm、0.6mm、1.2mmとなっており、開口数NAはそれぞれ0.65、0.65、0.50となっている。
図35は対物レンズ2の断面の形状(図1に示す形状に相当)をSAG値と光軸6からの距離とで表したグラフである。図36はθと光軸6からの距離との関係を表したグラフである。
図37は波長405nmの光を用いてHD30を記録又は再生する場合の波面収差図(図37(a)はω:0.0°、図37(b)はω:0.5°)である。図38は波長660nmの光を用いてDVD40を記録又は再生する場合の波面収差図(図38(a)はω:0.0°、図38(b)はω:0.5°)である。図39は波長785nmの光を用いてCD50を記録又は再生する場合の波面収差図(図39(a)はω:0.0°、図39(b)はω:0.5°)である。
HD、DVD及びCDの記録又は再生の際の波面収差の値は、図37〜39で示すように、レーザ光の入射光角度ωを0.0°から0.5°に変える場合であっても、それぞれ±1λ以内の値をとる。
図40は、入射光角度ωを横軸としたRMS波面収差図であり、波長405nmの光を用いてHD30を記録又は再生する場合、波長660nmの光を用いてDVD40を記録又は再生する場合、及び、波長785nmの光を用いてCD50を記録又は再生する場合を示す。図40に示すように、HDの記録又は再生する際、入射光角度ωが0.0〜0.5°まで0.07λ以下の回折限界以下の値をとる。また、DVD及びCDの記録又は再生する場合のRMS波面収差の値は、全て0.07λ以下の回折限界以下の値をとり、良好な性能を実現している。
更に、レーザー光源の波長は、記録と再生の切り替えや、温度変動などにより変動するため、短波長のレーザーの波長変動ほど対物レンズのガラス材料の屈折率変動が大きくなり、その結果、最良像点位置の変動やRMS波面収差が大きくなる傾向がある。図41は、波長405nmの青色レーザーの波長が±1nm変化するときの波面収差を、405nmの最良像点の位置を基準位置(0μm)として表した図である。これから分かるように、405nmの最良(最小)波面収差の位置に対して、波長406m、404nmに対するRMS波面収差の最良(最小)波面収差の位置は、約±0.1μmしか変動しておらず、良好な波長分散補償性能を有していることが分かる。
同様に、図42に波長660nmにおける波長分散補償性能を示す。これから分かるように、660nmの最良(最小)波面収差の位置に対して、波長661m、659nmに対するRMS波面収差の最良(最小)波面収差の位置は、約±0.1μmしか変動しておらず、良好な波長分散補償性能を有していることが分かる。
更に同様に、図43に波長785nmにおける波長分散補償性能を示す。これから分かるように、785nmの最良(最小)波面収差の位置に対して、波長786m、784nmに対するRMS波面収差の最良(最小)波面収差の位置は、±0.1μmの変動であり、良好な波長分散補償性能を有していることが分かる。
以上のことから、本実施例の対物レンズは、波長405nm、660nm、785nmの3種の光源とそれらに対応する光ディスクの記録再生に対して、それぞれ、良好な光学性能を有しており、この対物レンズを使用する光ピックアップ装置により、HD30、DVD40及びCD50記録又は再生を行なうと、忠実に記録又は再生できる。
Figure 2004053557
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[例7(実施例)]
図1に示すような対物レンズ2を製作し、この対物レンズ2を用いて図3に示すような光ピックアップ装置を製作する。基準レンズ2aの材質は住田光学社製商品名K−VC89を用い、密着レンズ2bの材質は、表25に示す旭硝子製硝材TS32Aを使用し、基準レンズ2aと密着レンズ2bは表25に示す薄いUV硬化接着剤層を用いて接合される。表25〜28に対物レンズ2の仕様を示す。
本実施例においても、基準レンズ2aの密着レンズ2b側のレンズ面を第2面、密着レンズ2bの基準レンズ2a側のレンズ面を第3面、光ディスク側のレンズ面を第4面とした。
また、本実施例においては、表28に示すように、使用レーザーの波長はそれぞれ、405nm、655nm、785nmを中心波長とする3種類のレーザー光源を使用し、対応する記録再生用ディスクの保護層の厚さは、それぞれ0.0875mm、0.6mm、1.2mmとなっており、開口数NAはそれぞれ0.85、0.65、0.51となっている。
図44は対物レンズ2の断面の形状(図1に示す形状に相当)をSAG値と光軸6からの距離とで表したグラフである。図45はθと光軸6からの距離との関係を表したグラフである。
図46は波長405nmの光を用いてHD30を記録又は再生する場合の波面収差図(図46(a)はω:0.0°、図46(b)はω:0.5°)である。図47は波長655nmの光を用いてDVD40を記録又は再生する場合の波面収差図(図47(a)はω:0.0°、図47(b)はω:0.5°)である。図48は波長785nmの光を用いてCD50を記録又は再生する場合の波面収差図(図48(a)はω:0.0°、図48(b)はω:0.5°)である。
HD、DVD及びCDの記録又は再生の際の波面収差の値は、図46〜48で示すように、レーザ光の入射光角度ωを0.0°から0.5°に変えた場合であっても、それぞれ±1λ以内の値をとる。
図49は、入射光角度ωを横軸としたRMS波面収差図であり、波長405nmの光を用いてHD30を記録又は再生する場合、波長655nmの光を用いてDVD40を記録又は再生する場合、及び、波長785nmの光を用いてCD50を記録又は再生する場合を示す。図49に示すように、HDの記録又は再生する際、入射光角度ωが0.0〜0.5°まで0.07λ以下の回折限界以下の値をとる。また、DVD及びCDの記録又は再生する場合のRMS波面収差の値は、殆ど全て0.07λ以下の回折限界以下の値をとり、良好な性能を実現している。
更に、レーザー光源の波長は、記録と再生の切り替えや、温度変動などにより変動するため、短波長のレーザーの波長変動ほど対物レンズのガラス材料の屈折率変動が大きくなり、その結果、最良像点位置の変動やRMS波面収差が大きくなる傾向がある。図50は、波長405nmの青色レーザーの波長が±1nm変化するときの波面収差を、405nmの最良像点の位置を基準位置(0μm)として表した図である。これから分かるように、405nmの最良(最小)波面収差の位置に対して、波長406m、404nmに対するRMS波面収差の最良(最小)波面収差の位置は、約±0.1μmしか変動しておらず、良好な波長分散補償性能を有していることが分かる。
同様に、図51に波長655nmにおける波長分散補償性能を示す。これから分かるように、655nmの最良(最小)波面収差の位置に対して、波長656m、654nmに対するRMS波面収差の最良(最小)波面収差の位置は、±0.1μm未満の変動であり、十分良好な波長分散補償性能を有していることが分かる。
更に同様に、図52に波長785nmにおける波長分散補償性能を示す。これから分かるように、785nmの最良(最小)波面収差の位置に対して、波長786m、784nmに対するRMS波面収差の最良(最小)波面収差の位置は、約±0.05μm以下の変動で殆ど変化なく、良好な波長分散補償性能を有していることが分かる。
以上のことから、本実施例の対物レンズは、波長405nm、660nm、785nmの3種の光源とそれらに対応する光ディスクの記録再生に対して、それぞれ、良好な光学性能を有しており、この対物レンズを使用する光ピックアップ装置により、HD30、DVD40及びCD50記録又は再生を行なうと、忠実に記録又は再生できる。
Figure 2004053557
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本発明では、本発明の対物レンズを用いて、HD、DVD及びCDの記録又は再生できるために、光ピックアップ装置の構成が簡単化され、生産性向上が達成されるとともに、光ピックアップ装置の小型化、軽量化及び高精度化ができる。
本発明の対物レンズ及び光ピックアップ装置は、波面収差を良好に補正できる。また、対物レンズの形状が複雑になりすぎないため、加工が困難にならず、生産性の向上が図れる。また、対物レンズ周縁部付近の厚みが確保され、小型化が容易である。
本発明の対物レンズ及び光ピックアップ装置により、保護層の厚み及び/又は屈折率が異なる複数の光情報記録媒体の記録又は再生も可能である。

Claims (31)

  1. 基準レンズと、該基準レンズのレンズ面に密着又はほぼ密着して接合又は接着された密着レンズとを備え、密着レンズの材質は基準レンズとは異なる材質であり、基準レンズのレンズ面と密着レンズのレンズ面とが非球面形状を有する光情報記録媒体用の対物レンズにおいて、
    基準レンズは集光機能を有しており、
    密着レンズが正の屈折力を与える領域と負の屈折力を与える領域とを有することを特徴とする光情報記録媒体用の対物レンズ。
  2. 基準レンズと、該基準レンズのレンズ面に密着又はほぼ密着して接合又は接着された密着レンズをと備え、密着レンズの材質は基準レンズとは異なる材質であり、基準レンズのレンズ面と密着レンズのレンズ面とが非球面形状を有する光情報記録媒体用の対物レンズにおいて、
    基準レンズは集光機能を有しており、
    密着レンズの、基準レンズ側とは反対側の面を密着レンズ外面というとき、密着レンズ外面が非球面形状を有し、光軸から遠ざかるほど密着レンズ外面の非球面形状が基準レンズ側とは反対側に変位している領域を密着レンズ外面が有することを特徴とする光情報記録媒体用の対物レンズ。
  3. 基準レンズと、該基準レンズのレンズ面に密着又はほぼ密着して接合又は接着された密着レンズとを備え、密着レンズの材質は基準レンズとは異なる材質であり、基準レンズのレンズ面と密着レンズのレンズ面とが非球面形状を有する光情報記録媒体用の対物レンズにおいて、
    基準レンズは集光機能を有しており、
    密着レンズの両面が非球面形状を有し、
    光軸に垂直な平面を基準平面とし、密着レンズの片面又は両面の有効径内の面上の任意の点に接する接平面が該基準平面となす角をθとするとき、密着レンズのそれぞれの面の頂点からそれぞれの面上を外周に向かって該任意の点を移動する場合に、基準レンズ側又は基準レンズとは反対側のうち、光軸から遠ざかるほど密着レンズの厚さが厚くなる方の側に該任意の点が移動するような形状を密着レンズの片面又は両面が有しており、
    さらに、有効径の最外周まで該任意の点を移動する場合に、θの値と符号が変化し、かつ、頂点以外の点で、θが0°になるような点を一つ以上密着レンズの片面又は両面が有することを特徴とする光情報記録媒体用の対物レンズ。
  4. 前記θが0°になるような前記点を極値というとき、
    前記密着レンズの両面が該極値を一つ以上有しており、
    前記密着レンズの、前記基準レンズ側の面を密着レンズ内面といい、密着レンズの、基準レンズ側とは反対側の面を密着レンズ外面というとき、
    密着レンズ外面の極値のうち最も光軸に近い極値が密着レンズ内面の極値のうち最も光軸に近い極値よりも光軸に近い請求の範囲3に記載の対物レンズ。
  5. 前記θが0°になるような前記点を極値というとき、
    前記密着レンズの両面が該極値を一つ以上有しており、
    前記密着レンズの、前記基準レンズ側の面を密着レンズ内面といい、密着レンズの、基準レンズ側とは反対側の面を密着レンズ外面というとき、
    密着レンズ内面の極値のうち最も光軸に近い極値が密着レンズ外面の極値のうち最も光軸に近い極値よりも光軸に近い請求の範囲3に記載の対物レンズ。
  6. 前記基準レンズの材質の、385〜825nmの波長の光に対する屈折率が1.75〜2.20であり、
    前記密着レンズの材質の、385〜825nmの波長の光に対する屈折率が1.20〜2.20である請求の範囲1〜5のいずれかに記載の対物レンズ。
  7. 前記対物レンズの外径が0.5〜5.0mmφである請求の範囲1〜6のいずれかに記載の対物レンズ。
  8. 前記基準レンズの、前記密着レンズ側とは反対側の面を基準レンズ外面というとき、
    基準レンズ外面の頂点における曲率半径が0.2〜8.0mmである請求の範囲1〜7のいずれかに記載の対物レンズ。
  9. 前記基準レンズが光源側に配される場合に最適な光学性能を有するように、基準レンズの屈折率、基準レンズの非球面形状、前記密着レンズの屈折率及び密着レンズの非球面形状が設定されている請求の範囲1〜8のいずれかに記載の対物レンズ。
  10. 前記基準レンズの、前記密着レンズ側とは反対側の面を基準レンズ外面というとき、
    基準レンズ外面の頂点における曲率半径Rと入射光束径Eとの間に、
    0.2≦E/R≦8.0、
    が成立する請求の範囲9に記載の対物レンズ。
  11. 光源からの光の波長が中心波長より±1nm変動するとき、波面収差の平方自乗平均値における最良像点位置の変動が±0.2μm以下となる請求の範囲9に記載の対物レンズ。
  12. 光源からの光の中心波長が385〜425nm、617〜683nm、又は745〜825nmのいずれかの範囲にある場合、前記中心波長が±1nm変動するとき、波面収差の平方自乗平均値における最良像点位置の変動が±0.1μm以下となるように、前記基準レンズの屈折率が、前記密着レンズの屈折率よりも小さくされている請求の範囲11に記載の対物レンズ。
  13. 前記密着レンズの中心厚が0.01〜0.50mmである請求の範囲1〜12のいずれかに記載の対物レンズ。
  14. 前記基準レンズの中心厚が0.5〜3.0mmである請求の範囲1〜13のいずれかに記載の対物レンズ。
  15. 前記θが0°になるような前記点を極値といい、該極値における前記密着レンズの厚さtと密着レンズの中心厚tとの間に、
    +(t/2)<t<4・t
    が成立する請求の範囲2〜4のいずれかに記載の対物レンズ。
  16. 前記基準レンズの、前記密着レンズとは反対側の面を基準レンズ外面というとき、基準レンズ外面の有効径の半径h1maxと基準レンズ外面の有効径の最大深さz1maxとの間に、
    1max<h1max
    が成立する請求の範囲1〜15のいずれかに記載の対物レンズ。
  17. 前記密着レンズの、前記基準レンズ側の面を密着レンズ内面というとき、密着レンズ内面の有効径の半径h2max、と密着レンズ内面の有効径の最大深さz2maxとの間に、
    0<z2max<h2max/2、
    が成立する請求の範囲1〜16のいずれかに記載の対物レンズ。
  18. 密着レンズ内面の前記有効径の半径h2max、と前記有効径の最大深さz2maxとの間に、
    2max/10≦z2max<h2max/2、
    が成立する請求の範囲1〜17のいずれかに記載の対物レンズ。
  19. 前記密着レンズの、前記基準レンズ側とは反対側の面を密着レンズ外面というとき、
    密着レンズ外面の有効径の半径をh3maxと密着レンズ外面の有効径の最大深さz3maxとの間に、
    3max/12≦z3max<h3max/3、
    が成立する請求の範囲1〜18のいずれかに記載の対物レンズ。
  20. 前記基準レンズの、前記密着レンズ側とは反対側の面を基準レンズ外面というとき、
    基準レンズ外面の頂点における曲率半径R(mm)と基準レンズの材質の屈折率nとの間に、
    0.1≦(n−1)/R≦5.0、
    が成立する請求の範囲1〜19のいずれかに記載の対物レンズ。
  21. 385nm〜825nmの波長の光に対する前記基準レンズの屈折力ψと385nm〜825nmの波長の光に対する前記密着レンズの材質の屈折力ψとの間に、
    0.3≦ψ≦5.0、−5.0≦ψ≦−0.2、かつ、|ψ+ψ|≦4.0、
    が成立する請求の範囲1〜20のいずれかに記載の対物レンズ。
  22. 前記密着レンズの有効径内において、密着レンズの中心厚が密着レンズの中心以外の部分の厚さより薄い請求の範囲1〜21のいずれかに記載の対物レンズ。
  23. 前記密着レンズの有効径の最外周部の厚さが前記極値の部分の密着レンズの厚さより薄い請求の範囲4、5又は15に記載の対物レンズ。
  24. 前記基準レンズの、前記密着レンズとは反対側の面を基準レンズ外面といい、密着レンズの、基準レンズ側とは反対側の面を密着レンズ外面というとき、
    光軸を通り光軸に平行な対物レンズの断面を光軸に対して垂直な方向から見た場合であって、光軸方向の距離(SAG値)を縦軸とし、光軸からの距離を横軸とする座標平面において、基準レンズ外面の形状と密着レンズ外面の形状とをプロットする場合に、
    基準レンズ外面の頂点の位置と密着レンズ外面の頂点の位置とを光軸方向にスライドさせて仮に一致するようにして表すと、基準レンズ外面を表す曲線と密着レンズ外面を表す曲線とが交差している請求の範囲1〜23のいずれかに記載の対物レンズ。
  25. 前記基準レンズの、前記密着レンズとは反対側の面を基準レンズ外面といい、
    前記密着レンズの、前記基準レンズ側の面を密着レンズ内面というとき、
    光軸を通り光軸に平行な対物レンズの断面を光軸に対して垂直な方向から見た場合であって、光軸方向の距離(SAG値)を縦軸とし、光軸からの距離を横軸とする座標平面において、基準レンズ外面の形状と密着レンズ内面の形状とをプロットする場合に、
    基準レンズ外面の頂点の位置と密着レンズ内面の頂点の位置とを光軸方向にスライドさせて仮に一致するようにして表すと、基準レンズ外面を表す曲線と密着レンズ内面を表す曲線とが平行又はほぼ平行になる領域が存在する請求の範囲1〜24のいずれかに記載の対物レンズ。
  26. 前記基準レンズの、前記密着レンズとは反対側の面を基準レンズ外面といい、密着レンズの、基準レンズ側とは反対側の面を密着レンズ外面というとき、
    角度を縦軸とし、光軸からの距離を横軸とする座標平面において、
    光軸に垂直な平面を基準平面とするとき、基準レンズ外面上の任意の点に接する接平面が該基準平面となす角と、密着レンズ外面上の任意の点に接する接平面が該基準平面となす角とを、それぞれの面の頂点から外周に向かってそれぞれの任意の点を移動させる場合についてプロットすると、
    これらの2つの曲線が交差している請求の範囲1〜25のいずれかに記載の対物レンズ。
  27. 前記密着レンズの、基準レンズ側の面を密着レンズ内面といい、密着レンズの、基準レンズ側とは反対側の面を密着レンズ外面というとき、
    角度を縦軸とし、光軸からの距離を横軸とする座標平面において、
    光軸に垂直な平面を基準平面とするとき、密着レンズ内面上の任意の点に接する接平面が該基準平面となす角と、密着レンズ外面上の任意の点に接する接平面が該基準平面となす角とを、それぞれの面の頂点から外周に向かってそれぞれの任意の点を移動させる場合についてプロットすると、
    これらの2つの曲線が交差している請求の範囲1〜26のいずれかに記載の対物レンズ。
  28. 前記基準レンズと前記密着レンズとは接着層を介して接着されており、接着層の厚さが0.01〜20μmである請求の範囲1〜27のいずれかに記載の対物レンズ。
  29. 前記対物レンズの外径が0.5〜5.0mmφである場合、
    光源からの光の入射光束径E、対物レンズと光情報記録媒体との間の作動距離Lとの間に、
    光源からの光の波長が385〜425nmである場合、L/E≧1/6、
    光源からの光の波長が617〜683nmである場合、L/E≧1/6、
    光源からの光の波長が745〜825nmである場合、L/E≧1/10
    が成立するように前記基準レンズの屈折率、基準レンズの非球面形状、前記密着レンズの屈折率及び密着レンズの非球面形状が設定されている請求の範囲1〜28のいずれかに記載の対物レンズ。
  30. 青色レーザ光ディスクを記録又は再生する際には、光源からの波長385〜425nmの光を請求の範囲1〜29のいずれかの対物レンズを通して青色レーザ光ディスクの情報記録面に集光し、該情報記録面からの反射光を上記対物レンズを通して受光素子に照射して該情報記録面のデータを記録又は再生し、
    デジタルビデオディスクを記録又は再生する際には、光源からの波長617〜683nmの光を上記対物レンズを通してデジタルビデオディスクの情報記録面に集光し、該情報記録面からの反射光を上記対物レンズを通して受光素子に照射して該情報記録面のデータを記録又は再生し、
    コンパクトディスクを記録又は再生する際には、光源からの波長745〜825nmの光を上記対物レンズを通してコンパクトディスクの情報記録面に集光し、該情報記録面からの反射光を上記対物レンズを通して受光素子に照射して該情報記録面のデータを記録又は再生することを特徴とする光ピックアップ装置。
  31. 青色レーザ光ディスク又はデジタルビデオディスクを記録又は再生する際には、光源からの光を平行光にして請求の範囲1〜29のいずれかに記載の対物レンズを透過させて青色レーザ光ディスクの情報記録画又はデジタルビデオディスクの情報記録面に集光させ、青色レーザ光ディスクの情報記録画又はデジタルビデオディスクの情報記録面からの反射光を上記対物レンズを透過させて受光素子に照射させ該情報記録面のデータを記録又は再生し、
    コンパクトディスクを記録又は再生する際には、光源からの光を発散光として上記対物レンズに入射させ上記対物レンズを透過させてコンパクトディスクの情報記録面に集光させ、コンパクトディスクからの反射光を上記対物レンズを通して受光素子に照射させて該情報記録面のデータを記録又は再生することを特徴とする光ピックアップ装置。
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