JPH10221595A - 光ディスク用対物レンズ、光ヘッド装置及び光学情報記録再生装置 - Google Patents

光ディスク用対物レンズ、光ヘッド装置及び光学情報記録再生装置

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JPH10221595A
JPH10221595A JP9020203A JP2020397A JPH10221595A JP H10221595 A JPH10221595 A JP H10221595A JP 9020203 A JP9020203 A JP 9020203A JP 2020397 A JP2020397 A JP 2020397A JP H10221595 A JPH10221595 A JP H10221595A
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JP
Japan
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objective lens
light
aberration
parallel plate
condensing
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Application number
JP9020203A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Tanaka
康弘 田中
Michihiro Yamagata
道弘 山形
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる基板厚さのディスクを記録、再生する
際に、ディスク厚みの相違によって生じる対物レンズの
球面収差の影響を受ける。従来はそれぞれに応じた2つ
の対物レンズを用いるか、あるいは開口を絞ることによ
り収差を低減していた。しかし高NA側で完全に収差補
正したレンズでは、開口を絞ってもかなりの球面収差が
発生していた。 【解決手段】 ディスク厚みが薄く、NAの高い側では
ほぼ球面収差を0にしたまま、収差成分はほとんどすべ
て高次収差にし、ディスク厚みが厚くNAの低い側で
は、従来の単に開口を絞った時に対して球面収差を低減
するような収差補正を非球面単レンズで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルビデオデ
ィスク、デジタルオーディオディスク、コンピュータ用
の光メモリディスクなどの光ヘッドに用いられる対物レ
ンズに関し、特に1つのレンズで、厚さの異なる2つの
基板に対して、何れの基板に対してもその基板に応じて
収差が良好な状態に補正された光ディスク用対物レン
ズ、それを用いた光ヘッド装置及び光学情報記録再生装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ディスク用の光ヘッド装置に
おいて、情報媒体面上に回折限界の点像を集光し、情報
を記録し又は再生するための対物レンズとして、非球面
を用いた単レンズが多く使用されている。以下、従来の
対物レンズについて、図面を参照しつつ説明する。従来
の対物レンズとディスクの関係を図6に示す。図6
(a)において、非球面対物レンズ19はディスク20
に対して、球面収差がほぼ完全に補正され、回折限界内
の性能を確保しているものとする。ここで、ディスク厚
さの異なるディスク21に対して同一の対物レンズ19
で光を集光しようとすると、ディスク厚さの差によっ
て、回折限界内の性能を得ることができない。そこで、
図6(b)に示すように、基板厚さの異なるディスク2
1に対しては、異なる対物レンズ22を使用する必要が
ある。すなわち、基板厚さの異なる複数種類のディスク
を同じ光ヘッドで記録し、再生する場合、基板厚さの種
類に応じて、複数の対物レンズを用意しなければならな
かった。
【0003】これに対して、開口絞りを追加すること
で、1つの対物レンズで2つの基板厚みに対応する方法
が提案されている。(例えば、土屋洋一 他 光アライ
アンス1996年10月号 p.13−16参照)。開
口絞りを切り替える方式の構成を図7に示す。厚み0.
6mmのディスク23に対して最適化された対物レンズ
24を、厚み1.2mmのディスク25に対して用いる
ときは、開口絞り26を対物レンズの光束中に挿入す
る。開口絞り26を挿入しない状態では、ディスク厚み
の差によって大きな球面収差が発生する。しかし開口絞
りを挿入することによって、その収差が押さえられ、回
折限界内の性能が得られる。例として、波長650nm
でNAが0.6のレンズを基板厚み0.6mmのディス
クに対して波面収差を最適化した場合、基板厚み1.2
mmのディスクにそのまま適用するとその波面収差の最
小二乗誤差は、(以下RMSの収差とする)は約570
mλにも達する。(mλは波長の長さの1000分の1
の単位)。そのほとんどすべては球面収差の成分であ
る。これをNA0.37の範囲まで絞ると、RMS波面
収差は約68mλとなり、回折限界の基準とされる70
mλ以下になる。さらに絞ると、波面収差は小さくなる
が、回折限界内の収差では、逆にNAが小さくなるにつ
れて集光されたスポットの直径が大きくなってくるた
め、使用できなくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】絞りを入れることによ
って波面収差は回折限界内に入るが、それでも約70m
λのRMS球面収差が残存しており、集光されたスポッ
ト形状が劣化するだけでなく、対物レンズ以外の光学部
品の収差のマージンを著しく狭めてしまう。
【0005】本発明は、以上のような従来例の問題点を
解決するためになされたものであり、厚さの異なる2種
類のディスク(記録媒体又は基板)に対して、1つの対
物レンズで、何れのディスクに対しても収差を補正し、
他の光学部品に対する収差マージンを拡大した光ディス
ク用対物レンズ、光ヘッド装置及びそれを用いた光学情
報記録再生装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光ディスク用対物レンズは、1つの対物レ
ンズで厚みの異なる2つの平行平板を通して点像を集光
する光ディスク用の対物レンズであって、以下の条件を
満足するように収差補正されたことを特徴とする光ディ
スク用対物レンズ。
【0007】t1<t2 (1) NA1>NA2 (2) 10>S1 (3) S2<SC (4) ただし、 t1 :第1の平行平板の基板厚み t2 :第2の平行平板の基板厚み NA1:第1の平行平板を通して集光するときの前記対
物レンズのNA NA2:第2の平行平板を通して集光するときの前記対
物レンズのNA S1 :第1の平行平板を通して集光するときの波面収
差の3次の球面収差成分の最小二乗誤差(単位はmλ:
mλは波長の長さλの1000分の1の単位) S2 :第2の平行平板を通して集光するときの波面収
差の3次の球面収差成分の最小二乗誤差(単位:mλ) SC :第1の平行平板を通して集光するときに波面収
差が0になるよう設計された対物レンズを前記第2の平
行平板を通したときに発生する波面収差の3次の球面収
差成分の最小二乗誤差(単位:mλ) 上記構成において、前記第1の平行平板を通して集光す
るときの波面収差の3次の球面収差成分S1が略0であ
ることが好ましい。
【0008】また、前記第2の平行平板を通して集光す
るときの波面収差の3次の球面収差成分S2と、前記第
1の平行平板を通して集光するときに波面収差が略0に
なるよう設計された対物レンズを前記第2の平行平板を
通したときに発生する波面収差の3次の球面収差成分S
Cが、 S2<0.8×SC (5) の条件を満足することが好ましい。
【0009】また、前記第1の平行平板の基板厚t1が
0.6mm、前記第2の平行平板の基板厚みt2が1.
2mm、前記第1の平行平板の基板厚みを通して集光す
るときの前記対物レンズの開口数NA1が、 0.55<NA1<0.65 (6) 前記第2の平行平板の基板厚みを通して集光するときの
前記対物レンズの開口数NA2が、 0.30<NA2<0.45 (7) の条件を満足することが好ましい。
【0010】さらに、前記対物レンズは少なくとも1面
が非球面の単レンズであり、ガラス成形及び樹脂成形か
ら選択されたいずれかの方法により作成することが好ま
しい。
【0011】一方、本発明の光ヘッド装置は、光源と、
前記光源から出射された光線を情報媒体面上に集光する
集光手段と、前記情報媒体で変調された光束を分離する
ための光束分離手段と、前記情報媒体で変調された光を
受光する受光手段を具備し、前記集光手段は上記各構成
のいずれかに記載されたものである。
【0012】また、本発明の光学情報記録再生装置は、
上記光ヘッド装置を用いて、厚さの異なる2種類の記録
媒体に情報を記録し、再生する。
【0013】
【発明の実施の形態】以上のように、本発明の光ディス
ク用対物レンズは、単レンズの収差補正を、2つのディ
スク厚みに対してそれぞれ回折限界の性能を満足するよ
う設計し、かつディスク厚みが薄く、NAの高い方のレ
ンズの収差において、球面収差を小さくするよう収差補
正することで、高密度に記録されたディスク側でのスポ
ットの形状を良好に保つことができる。またディスク厚
みが厚く、記録密度の低くNAの低い方のレンズの収差
においては、従来の単レンズの開口を制限して使用する
場合に比較して球面収差を小さく収差補正することで、
同様にスポットの形状を良好に保つことができる。これ
により安定した性能で情報を記録し、または情報を再生
することができる。
【0014】以下、本発明の光ディスク用対物レンズに
ついて、図面を参照しつつ具体的に説明する。図1は、
本発明の光ディスク用対物レンズの実施例1から3に対
応する構成を示す光路図である。図1において第1のデ
ィスクに対する入射光線1は対物レンズ2に入射する。
対物レンズ2は両面非球面の単レンズである。入射光束
はNA0.6の範囲となる。第1のディスクに対する入
射光線1は厚みが0.6mmの第1のディスク3の情報
媒体面3aに集光される。第2のディスク5に対して
は、第2のディスクに対する入射光線4が対物レンズ2
に入射し、厚みが1.2mmの第2のディスク5の情報
媒体面5aに集光される。第2のディスクに対する入射
光線4の入射光束はNA0.37の範囲となる。
【0015】次に、本発明の光ディスク用対物レンズの
具体的な数値例を示す。なお、以下の各実施例におい
て、以下に示す符号を共通とする。ただし対物レンズの
第1面は光源側の面、第2面はディスク側の面とする。
またディスクは平行平板とする。さらに設計波長を65
0nmとし、ディスクの屈折率はいずれも1.5781
5とした。
【0016】f:対物レンズの焦点距離 R1:対物レンズの第1面の曲率半径 R2:対物レンズの第2面の曲率半径 d:対物レンズのレンズ厚み n:対物レンズの屈折率 t1:第1のディスクの基板厚み t2:第2のディスクの基板厚み NA1:第1のディスクを通して集光するときの対物レ
ンズのNA NA2:第2のディスクを通して集光するときの対物レ
ンズのNA WD1:第1のディスクに対する対物レンズの作動距離 WD2:第2のディスクに対する対物レンズの作動距離 また、非球面形状は、以下の(数1)で与えられる。
【0017】
【数1】
【0018】ただし各符号の意味は以下の通りである。 X:光軸からの高さがhの非球面上の点の非球面頂点の
接平面からの距離 h:光軸からの高さ Cj:対物レンズの第j面の非球面頂点の曲率(Cj=
1/Rj) Kj:対物レンズの第j面の円錐定数 Aj,n:対物レンズの第j面のn次の非球面係数 ただし j=1,2 また、レンズの各性能を表すパラメータを以下のように
定義する。
【0019】T1:第1のディスクに対するNA1の範
囲での波面収差の最小二乗誤差(単位はmλ:mλは波
長の長さλの100分の1の単位) S1:第1のディスクに対するNA1の範囲での波面収
差の3次の球面収差成分の最小二乗誤差(単位:mλ) H1:第1のディスクに対するNA1の範囲での波面収
差から3次の各収差成分を除いた高次収差の最小二乗誤
差(単位:mλ) T2:第2のディスクに対するNA2の範囲での波面収
差の最小二乗誤差。(単位:mλ) S2:第2のディスクに対するNA2の範囲での波面収
差の3次の球面収差成分の最小二乗誤差(単位:mλ) H2:第2のディスクに対するNA2の範囲での波面収
差から3次の各収差成分を除いた高次収差の最小二乗誤
差(単位:mλ) SC:第1の平行平板を通して集光するときに波面収差
が0になるよう設計された対物レンズを第2の平行平板
を通したときに発生する波面収差の3次の球面収差成分
の最小二乗誤差(単位:mλ)
【0020】
【実施例】
(実施例1)実施例1の具体的数値を以下に示す。
【0021】f=3.30 R1=2.1700 R2=−16.460 d=1.80 n=1.60289 t1=0.6 t2=1.2 NA1=0.6 NA2=0.37 WD1=1.889 WD2=1.514 K1=−6.72993×10-1 A1,4= 2.08530×10-3 A1,6= 7.99262×10-5 A1,8=−7.79741×10-7 A1,10=−7.00341×10-6 K2=0.0 A2,3=−4.75415×10-4 A2,4= 3.07101×10-2 A2,5=−9.40386×10-2 A2,6= 1.53868×10-1 A2,7=−1.35880×10-1 A2,8= 6.62147×10-2 A2,9=−1.69101×10-2 A2,10= 1.77560×10-3 T1=23.6 S1=1.3 H1=23.5 T2=40.1 S2=38.2 H2=6.9 SC=68.4 本実施例の収差図を図2に示す。図2(a)は第1のデ
ィスクに対する球面収差を表す。図2(b)は第1のデ
ィスクに対する正弦条件を表す。図2(c)は第2のデ
ィスクに対する球面収差を表す。図2(d)は第2のデ
ィスクに対する正弦条件を表す。
【0022】ディスク厚み0.6mm、NA0.6に対
する波面収差は、23.6mλと低く抑えられている。
しかも球面収差は殆ど0であり、高次の収差となってい
るため、スポットの中心近傍での劣化が少なく、結果と
して、光ディスクで情報媒体面上に記録された信号を検
出するときの隣接した信号からのクロストークを低減す
ることができる。一方ディスク厚みが1.2mmの場合
は、波面収差が40.1mλ、そのうち球面収差が3
8.2mλと比較的大きいが、それでも考慮をしないと
きの68.4mλに比較すると大きく低減できている。
本実施例では、 S2<0.6×SC (8) の関係が成り立っており、より望ましい状態にある。
【0023】(実施例2)実施例2の具体的数値を以下
に示す。
【0024】f=3.3089 R1=2.18451 R2=−15.2259 d=1.96 n=1.602892 t1=0.6 t2=1.2 NA1=0.6 NA2=0.37 WD1=1.812 WD2=1.432 K1=−6.73271×10-1 A1,4= 2.06641×10-3 A1,6= 9.25381×10-5 A1,8= 1.12370×10-7 A1,10=−7.00597×10-6 第2面の非球面は光軸からの高さhの範囲によって非球
面係数が異なる。
【0025】0≦h≦0.876の範囲の場合 R2=−15.22559 K2=−5.62780×10+1 A2,4= 3.89906×10-3 A2,6=−1.07384×10-3 A2,8= 6.97933×10-5 A2,10=−8.63363×10-6 0.876<h≦1.646の範囲の場合 R2=−14.67277 K2=−8.86535×10+1 A2,4= 4.48815×10-3 A2,6=−1.39964×10-3 A2,8= 1.65487×10-4 A2,10=−6.48001×10-6 T1=40.7 S1=1.5 H1=40.7 T2=11.2 S2=10.8 H2=1.2 SC=68.4 本実施例の収差図を図3に示す。図3(a)は第1のデ
ィスクに対する球面収差を表す。図3(b)は第1のデ
ィスクに対する正弦条件を表す。図3(c)は第2のデ
ィスクに対する球面収差を表す。図3(d)は第2のデ
ィスクに対する正弦条件を表す。
【0026】本実施例の場合第2面のレンズ形状は、2
つの非球面形状で表されている。ただし、2つの非球面
形状による、レンズ形状のサグ量は、光軸からの高さが
0.876mmにおいて、交差している。従って、形状
そのものには、光軸方向での段差はなく連続的につなが
っている。
【0027】ディスク厚み0.6mm、NA0.6に対
する波面収差は、40.7mλとなっているが、球面収
差はほぼ0に近く、そのほとんどが高次の収差となって
いる。したがって、スポットの中心近傍での劣化が少な
く、結果として、光ディスクで情報媒体面上に記録され
た信号を検出するときの隣接した信号からのクロストー
クを低減することができる。一方ディスク厚みが1.2
mmの場合は、波面収差が11.2mλ、そのうち球面
収差が10.8mλと非常に低く抑えられており、ディ
スク厚み0.6mmに対して最適化したときの波面収差
68.4mλに対して(9)式に示すように半分以下の
非常に小さな収差となっている。
【0028】S2<0.5×SC (9) このようにより望ましくは(9)式を満足する方がよ
い。
【0029】(実施例3)実施例3の具体的数値を以下
に示す。
【0030】f=3.3028 R1=2.612465 R2=259.35259 d=2.198 n=1.79601 t1=0.6 t2=1.2 NA1=0.6 NA2=0.37 WD1=1.691 WD2=1.311 第1面の非球面は光軸からの高さhの範囲によって非球
面係数が異なる。
【0031】0≦h≦1.224の範囲の場合 R1=2.612465 K1=−7.52640×10-1 A1,4= 1.98914×10-3 A1,6=−2.54733×10-5 A1,8=−2.08221×10-5 A1,10=−7.84293×10-6 1.224<h≦1.98の範囲の場合 R1=2.61028 K1=−7.58350×10-1 A1,4= 1.94621×10-3 A1,6=−6.01209×10-5 A1,8=−2.61533×10-6 A1,10=−1.22781×10-5 R2=259.3529 K2= 1.75326×10+4 A2,4= 2.04276×10-3 A2,6=−1.94367×10-3 A2,8= 8.16178×10-5 A2,10= 2.01079×10-5 T1=16.8 S1=0.1 H1=16.8 T2=45.4 S2=43.8 H2=2.8 SC=68.4 本実施例の収差図を図4に示す。図4(a)は第1のデ
ィスクに対する球面収差を表す。図4(b)は第1のデ
ィスクに対する正弦条件を表す。図4(c)は第2のデ
ィスクに対する球面収差を表す。図4(d)は第2のデ
ィスクに対する正弦条件を表す。
【0032】本実施例の場合第1面のレンズ形状は、2
つの非球面形状で表されている。ただし、2つの非球面
形状による、レンズ形状のサグ量は、光軸からの高さが
1.224mmにおいて、交差している。従って、形状
そのものには、光軸方向での段差はなく連続的につなが
っている。
【0033】ディスク厚み0.6mm、NA0.6に対
する波面収差は、16.8mλと低く抑えられている。
しかも球面収差は殆ど0であり、高次の収差となってい
るため、スポットの中心近傍での劣化が少なく、結果と
して、光ディスクで情報媒体面上に記録された信号を検
出するときの隣接した信号からのクロストークを低減す
ることができる。一方ディスク厚みが1.2mmの場合
は、波面収差が45.4mλ、そのうち球面収差が4
3.8mλと比較的大きいが、それでも考慮をしないと
きの68.4mλに比較すると大きく低減できている。
【0034】なお、上記各実施例に示した対物レンズ
は、ガラス成形又は樹脂成形により成形することが好ま
しい。すなわち、非球面形状を型に加工しておくことに
より、同一の形状及び性能を有するレンズを大量に、且
つ安価に量産することが可能となる。
【0035】次に、上記本発明の光ディスク用対物レン
ズを用いた光ヘッド装置及び光学情報記録再生装置の構
成図を図5に示す。図5において、半導体レーザ6から
出射した光束7は、コリメートレンズ8により略平行光
となる。そしてビームスプリッター9を透過し、折り曲
げミラー10により光路の向きを変えられ、対物レンズ
11によりディスク12の情報媒体面13上に集光され
る。ここで、対物レンズ11と折り曲げミラー10の間
には開口制限機構14が挿入されている。開口制限機構
14には可動型の開口シャッター15が内蔵されてお
り、ディスクの厚みに応じて対物レンズに入射する光束
径を制限することができる。すなわちディスク厚みが
0.6mmの時には、開口制限をせずに対物レンズの有
効光束径一杯に使用してNA0.6を確保する。ディス
ク厚みが1.2mmのディスクの場合は、可動型シャッ
ター15が移動し、対物レンズの光束を制限して、NA
が0.37のレンズとなる。情報媒体面13に形成され
た凹凸により集光スポットは回折を受ける。情報媒体面
13で反射され、回折されたレーザ光は、ビームスプリ
ッター9で反射し、凸レンズ16およびシリンドリカル
レンズ17を透過してフォトディテクター18上に集光
される。フォトディテクター18の電気信号により、情
報媒体面13で変調された光量変化を検出し、データを
読み取る。
【0036】ここで、ディスク12の厚みが0.6mm
の場合は開口シャッターは対物レンズの開口を制限しな
い位置にあり対物レンズにはNA0.6の光が入射す
る。ディスク厚み0.6mmで、NAが0.6の場合は
いわゆる高密度に記録された状態であるため、集光され
たスポットの劣化はなるべく少ないことが望ましい。す
なわちこの状態では、対物レンズ11の球面収差は非常
に小さく、スポットのエアリーリングの強度ほとんど高
くならない。また高次収差は大きい状態であるが、その
場合は、集光されたスポットの近傍の強度にはほとんど
影響を与えないので、実際の情報の、記録あるいは読み
出しにも影響は少ない。
【0037】次にディスク12の厚みが1.2mm場合
は可動型シャッター15が対物レンズの開口を制限する
ため、対物レンズ11のすぐ下に位置し、そのNAを
0.37にまで制限する。この場合は、記録密度の低い
ディスクの状態であるため、NAも小さくディスクのテ
ィルトによって生じるコマ収差など、他の収差の影響も
小さい。さらに球面収差は、ディスク厚みが0.6mm
にのみ最適化された対物レンズの開口制限をしたものに
対して、80%以下であり実際の、記録、再生への影響
は少ない。
【0038】このように、それぞれのディスクの状態に
適した収差内容を対物レンズの開口に応じて持たすこと
により、1つのレンズで、異なる2種のディスクを良好
に記録し、再生することができる。
【0039】なお、上記各実施例では、ディスクの厚み
の相違に対する開口制限手段として、対物レンズに入射
する光と出射する光の両方を開口制限する方式について
説明したが、入射光あるいは出射光のいずれか一方を制
限する方式であってもよい。また開口制限手段として機
械的なシャッターについて説明したが、液晶などの空間
変調素子を利用してもよい。また、回折光学素子などに
より、光を分岐して、その開口制限内の光のみを電気信
号に変換する方式であってもよい。また光源である半導
体レーザの偏光を利用した、偏光型の回折素子により光
の利用効率を高めることも可能である。
【0040】また、上記各実施例では、光ディスク用対
物レンズに対して平行光を入射させる場合について説明
したが、半導体レーザの光を直接1つのレンズで集光し
たり、又はコリメートレンズで平行光にせずに発散光又
は集束光とする有限倍率のレンズであっても良い。ま
た、光ディスク用の対物レンズは両面非球面の単レンズ
である場合を示したが、片面非球面又は球面組レンズで
あってもよく、またそれらの複合素子であってもよい。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明の光ディスク用対
物レンズは、1つの対物レンズで厚みの異なる2つの平
行平板を通して点像を集光する光ディスク用の対物レン
ズであって、以下の条件を満足するように収差補正され
たことを特徴とする光ディスク用対物レンズ。
【0042】t1<t2 (1) NA1>NA2 (2) 10>S1 (3) S2<SC (4) ただし、 t1 :第1の平行平板の基板厚み t2 :第2の平行平板の基板厚み NA1:第1の平行平板を通して集光するときの前記対
物レンズのNA NA2:第2の平行平板を通して集光するときの前記対
物レンズのNA S1 :第1の平行平板を通して集光するときの波面収
差の3次の球面収差成分の最小二乗誤差(単位はmλ:
mλは波長の長さλの1000分の1の単位) S2 :第2の平行平板を通して集光するときの波面収
差の3次の球面収差成分の最小二乗誤差(単位:mλ) SC :第1の平行平板を通して集光するときに波面収
差が0になるよう設計された対物レンズを前記第2の平
行平板を通したときに発生する波面収差の3次の球面収
差成分の最小二乗誤差(単位:mλ) の様に構成したので、第1のディスクに対しては、球面
収差の影響をほとんどなくし、第2のディスクに対して
は、従来よりも球面収差量を少なくすることができるの
で、いずれのディスクを再生あるいは記録する場合に
も、良好な集光スポット並びに信号が得られる。
【0043】また、第1のディスクに対する球面収差を
略0とすることによって、高密度記録時の集光スポット
の中心近傍の劣化を最小限にすることができる。
【0044】また前記(5)式、(8)式あるいは
(9)式を満足することにより、第2のディスクに対す
る球面収差の影響を最小限にすることができる。
【0045】また前記(6)式、(7)式を満足するこ
とにより、第1のディスクに対しては、より高密度な記
録を、第2のディスクに対しては第1のディスクよりも
低い記録密度とすることにより、第2のディスクでのデ
ィスク傾きによりコマ収差の影響を低減して、球面収差
以外のスポットの劣化要因を抑えることができる。
【0046】さらにこれらのレンズをガラス成形又は樹
脂成形で製造することにより、安価でかつ大量に同一性
能の物を量産することが可能となる。
【0047】また、本発明の光ヘッド装置及び光学情報
記録再生装置によれば、異なる基板厚さに対し1つの対
物レンズで記録、再生できるため、安価な光ヘッド及び
光学情報記録再生装置が実現できるとともに、いずれの
ディスクに対してもそれぞれのディスクの状態に適した
収差内容を対物レンズの開口に応じて持たすことによ
り、1つのレンズで、異なる2種のディスクに対し、良
好な記録、再生、消去性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスク用対物レンズの一構成例を
示す光路図
【図2】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例1に
おける収差図
【図3】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例2に
おける収差図
【図4】本発明の光ディスク用対物レンズの実施例3に
おける収差図
【図5】本発明の光ヘッド装置及び光学情報記録再生装
置の一実施例を示す構成図
【図6】従来の光ディスク用対物レンズの光学系を示す
光路図
【図7】従来の別の光ディスク用対物レンズの光学系を
示す光路図
【符号の説明】
1 第1のディスクに対する入射光線 2 対物レンズ 3 第1のディスク 4 第2のディスクに対する入射光線 5 第2のディスク

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの対物レンズで厚みの異なる2つの
    平行平板を通して点像を集光する光ディスク用の対物レ
    ンズであって、以下の条件を満足するように収差補正さ
    れたことを特徴とする光ディスク用対物レンズ。 t1<t2 (1) NA1>NA2 (2) 10>S1 (3) S2<SC (4) ただし、 t1 :第1の平行平板の基板厚み t2 :第2の平行平板の基板厚み NA1:第1の平行平板を通して集光するときの前記対
    物レンズのNA NA2:第2の平行平板を通して集光するときの前記対
    物レンズのNA S1 :第1の平行平板を通して集光するときの波面収
    差の3次の球面収差成分の最小二乗誤差(単位はmλ:
    mλは波長の長さλの1000分の1の単位) S2 :第2の平行平板を通して集光するときの波面収
    差の3次の球面収差成分の最小二乗誤差(単位:mλ) SC :第1の平行平板を通して集光するときに波面収
    差が0になるよう設計された対物レンズを前記第2の平
    行平板を通したときに発生する波面収差の3次の球面収
    差成分の最小二乗誤差(単位:mλ)
  2. 【請求項2】 前記第1の平行平板を通して集光すると
    きの波面収差の3次の球面収差成分S1が略0であるこ
    とを満足する請求項1記載の光ディスク用対物レンズ。
  3. 【請求項3】 前記第2の平行平板を通して集光すると
    きの波面収差の3次の球面収差成分S2と、前記第1の
    平行平板を通して集光するときに波面収差が略0になる
    よう設計された対物レンズを前記第2の平行平板を通し
    たときに発生する波面収差の3次の球面収差成分SC
    が、 S2<0.8×SC (5) の条件を満足する請求項1記載の光ディスク用対物レン
    ズ。
  4. 【請求項4】 前記第1の平行平板の基板厚t1が0.
    6mm、前記第2の平行平板の基板厚みt2が1.2m
    m、前記第1の平行平板の基板厚みを通して集光すると
    きの前記対物レンズの開口数NA1が、 0.55<NA1<0.65 (6) 前記第2の平行平板の基板厚みを通して集光するときの
    前記対物レンズの開口数NA2が、 0.30<NA2<0.45 (7) の条件を満足する請求項1記載の光ディスク用対物レン
    ズ。
  5. 【請求項5】 前記対物レンズは少なくとも1面が非球
    面の単レンズであり、ガラス成形及び樹脂成形から選択
    されたいずれかの方法により作成した請求項1から4の
    いずれかに記載の光ディスク用対物レンズ。
  6. 【請求項6】 光源と、前記光源から出射された光線を
    情報媒体面上に集光する集光手段と、前記情報媒体で変
    調された光束を分離するための光束分離手段と、前記情
    報媒体で変調された光を受光する受光手段を具備し、前
    記集光手段は請求項1から5のいずれかに記載されたも
    のである光ヘッド装置。
  7. 【請求項7】 請求項6の光ヘッド装置を用いて、厚さ
    の異なる複数種類の記録媒体に情報を記録し、再生する
    光学情報記録再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003001270A1 (fr) * 2001-06-25 2003-01-03 Sony Corporation Objectif pour tete de lecture optique et tete de lecture utilisant cet objectif
CN100363994C (zh) * 2000-10-02 2008-01-23 柯尼卡美能达精密光学株式会社 光拾取装置和物镜

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