JPH1164724A - 光ディスク用対物レンズ及びそれを用いた光ヘッド装置 - Google Patents

光ディスク用対物レンズ及びそれを用いた光ヘッド装置

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JPH1164724A
JPH1164724A JP9225423A JP22542397A JPH1164724A JP H1164724 A JPH1164724 A JP H1164724A JP 9225423 A JP9225423 A JP 9225423A JP 22542397 A JP22542397 A JP 22542397A JP H1164724 A JPH1164724 A JP H1164724A
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JP
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objective lens
lens
optical
light
aberration
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JP9225423A
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Tomohiko Sasano
智彦 笹埜
Yasuhiro Tanaka
康弘 田中
Michihiro Yamagata
道弘 山形
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ツインレンズ方式を採用した光ヘッド装置に
おいて、あおり調整を行わない方の対物レンズの収差性
能の劣化を防止する。 【解決手段】 光源からの光束を集光する光ディスク用
対物レンズとして、下記(数14)で与えられる条件を
満足するように収差補正した対物レンズを用いる。 【数14】 ここで、W10はレンズの光源側の第1面の回転軸中心と
集光側の第2面の回転軸中心が光軸に対して垂直な方向
に10μmディセンタしたときの波面収差(単位はmλ
RMS、λは設計波長)、C10はレンズの光源側の第1
面の回転軸中心と集光側の第2面の回転軸中心が光軸に
対して垂直な方向に10μmディセンタしたときの3次
コマ収差成分である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルビデオデ
ィスク、デジタルオーディオディスク、コンピュータ用
の光メモリディスクなどの光ディスクの情報記録面に光
源からの光束を集光する光ディスク用対物レンズ及びそ
れを用いた光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ディスク用の光ヘッド装置に
おいて、光ディスクの情報記録面上に回折限界の点像を
集光することにより、情報を記録し又は再生するための
対物レンズとしては、非球面を用いた単レンズが多く使
用されている。
【0003】以下に、従来の光ヘッド装置について、図
面を参照しながら説明する。図3は従来技術における光
ヘッド装置を示す構成図である。図3に示すように、半
導体レーザ51から出射したレーザ光は、ビームスプリ
ッタ52によって光路の向きが変えられ、コリメートレ
ンズ53によって略平行光となる。そして、前記レーザ
光は、折り曲げミラー54によって光路の向きがさらに
変えられ、対物レンズ55によって光ディスク56の情
報記録面57上に集光される。ここで、対物レンズ55
は、アクチュエータ60によって駆動される。光ディス
ク56の情報記録面57上に集光された前記レーザ光
は、情報記録面57に形成された凹凸によって回折を受
ける。光ディスク56の情報記録面57で反射され、回
折された前記レーザ光は、対物レンズ55を透過し、折
り曲げミラー54によって光路の向きが変えられ、コリ
メートレンズ53、ビームスプリッタ52及びシリンド
リカルレンズ58を透過してフォトディテクター59上
に集光される。そして、フォトディテクター59の電気
信号により、光ディスク56の情報記録面57で変調さ
れた光量変化が検出され、情報記録面57上のデータの
読み取りが行われる。
【0004】ここで、対物レンズ55には、製造の際の
製造誤差によって波面収差が発生するが、この波面収差
は、3次球面収差、3次コマ収差、3次非点収差、高次
収差の各収差成分に分けて考えることができる。
【0005】これらの収差成分のうち、3次コマ収差
は、対物レンズ55のレンズ面の形状が回転対称非球面
であれば、設計上発生しないが、製造上、対物レンズ5
5の平行光束側の面である第1面61と集光側の面であ
る第2面62との間のディセンタ(光軸と垂直な方向の
ずれ量)と、対物レンズ55の第1面61又は第2面6
2又はその両方の面のティルト(光軸と垂直な面に対す
る傾き)が支配的な要因となって発生する。これら2つ
の要因のうち、ティルトに起因して発生する3次コマ収
差は、対物レンズ55のNA(開口数)の略3乗に比例
し、設計の自由度はほとんどない。
【0006】一般に、レンズを光軸に対して傾けると、
3次コマ収差が発生する。従って、その傾ける角度を調
整することにより、その際発生する3次コマ収差によっ
て製造誤差による3次コマ収差を打ち消すことができ
る。このため、光ヘッド装置の対物レンズ55は、組立
の過程において3次コマ収差を低減するように傾けられ
ている。尚、このときの傾き角度を『あおり調整角度』
という。
【0007】近年、例えばDVD(デジタルビデオディ
スク)とCD−ROM又はPDのように、光ヘッド装置
は複数のメディアを互換して読まなければならなくなっ
てきた。この場合に問題となるのは、記録再生すべき複
数の光ディスクの厚みが異なるということである。厚み
の異なる複数の光ディスクに対し、同一の対物レンズで
光を集光しようとしても、光ディスクの厚みに差がある
ために、すべての光ディスクの情報記録面上に回折限界
の点像を集光することはできない。このため、厚みの異
なる光ディスクに対しては、異なる対物レンズを使用す
る必要がある。
【0008】この場合、構成を簡素化し、低コストで光
ヘッド装置を作製するために、1つの対物レンズ用アク
チュエータに2つの対物レンズを搭載するようにした
『ツインレンズ方式』が提案されている。図4はツイン
レンズ方式を採用した光ヘッド装置の対物レンズ部を示
す構成図である。図4に示すように、アクチュエータ8
5には、第1の光ディスク用対物レンズ81と第2の光
ディスク用対物レンズ84が搭載されている。アクチュ
エータ85は、再生又は記録を行う光ディスクに応じ
て、対物レンズ81又は84がコリメートレンズ53
(図3)からの略平行光の中心にくるように作動する。
すなわち、ある厚みを有する第1の光ディスクに対して
は、その厚みに最適化された対物レンズ81が用いら
れ、第1のディスクの厚みとは異なる厚みを有する第2
の光ディスクに対しては、その厚みに最適化された対物
レンズ84が用いられる。つまり、読み出すべきディス
クの厚みに応じて、これに最適な方の対物レンズ81又
は84が光源からの光80の光束中心に挿入される。そ
して、光源からの光80は、対物レンズ81又は84に
よって第1又は第2の光ディスクの基板82に照射さ
れ、情報記録面83上に集光される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記ツインレンズ方式
においては、一般に、NAの高い方の対物レンズが精度
を要求されるため、あおり調整はNAの高い方の対物レ
ンズの3次コマ収差が最小となるように行われる。しか
し、この場合、2つの対物レンズが1つのアクチュエー
タに搭載されているため、一方の対物レンズのあおり調
整を行うと、他方の対物レンズにはその傾きによって3
次コマ収差が発生する。この場合、一方の対物レンズの
あおり調整角度が大きいほど、他方の対物レンズの傾き
角度も大きくなり、収差性能が劣化してしまう。
【0010】本発明は、従来技術における前記課題を解
決するためになされたものであり、3次コマ収差の小さ
い対物レンズ及びそれを用いた光ヘッド装置を提供する
ことを目的とし、特にツインレンズ方式において、あお
り調整を行わない方の対物レンズの収差性能の劣化を防
止することのできる光ディスク用対物レンズ及びそれを
用いた光ヘッド装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る光ディスク用対物レンズの第1の構成
は、光源からの光束を集光する光ディスク用対物レンズ
であって、下記(数5)で与えられる条件を満たすよう
に収差補正されていることを特徴とする。
【0012】
【数5】
【0013】ここで、W10はレンズの光源側の第1面の
回転軸中心と集光側の第2面の回転軸中心が光軸に対し
て垂直な方向に10μmディセンタしたときの波面収差
(単位はmλRMS(Root Means Square )、λは設計
波長)、C10はレンズの光源側の第1面の回転軸中心と
集光側の第2面の回転軸中心が光軸に対して垂直な方向
に10μmディセンタしたときの3次コマ収差成分であ
る。この光ディスク用対物レンズの構成によれば、ディ
センタに起因して発生する3次コマ収差成分を設計の段
階で可能な限り小さく抑えて、より良い性能を有する対
物レンズを実現することができる。
【0014】また、前記本発明の光ディスク用対物レン
ズの構成においては、下記(数6)で与えられる条件を
満たすのが好ましい。
【0015】
【数6】
【0016】また、本発明に係る光ヘッド装置の構成
は、光源と、前記光源から出射された光束を光ディスク
の情報記録面上に集光する集光手段と、前記光ディスク
の情報記録面で変調された光束を分離する光束分離手段
と、前記光ディスクの情報記録面で変調された光束を受
光する受光手段とを備え、前記集光手段が1つのアクチ
ュエータに搭載された複数の対物レンズからなり、前記
複数の対物レンズのうちの1個の対物レンズに対してあ
おり調整が行われ、その他の対物レンズが前記1個の対
物レンズと同時にあおられる光ヘッド装置であって、前
記複数の対物レンズのうちの少なくともあおり調整が行
われる前記対物レンズが、下記(数7)で与えられる条
件を満たすように収差補正されていることを特徴とす
る。
【0017】
【数7】
【0018】ここで、W10はレンズの光源側の第1面の
回転軸中心と集光側の第2面の回転軸中心が光軸に対し
て垂直な方向に10μmディセンタしたときの波面収差
(単位はmλRMS、λは設計波長)、C10はレンズの
光源側の第1面の回転軸中心と集光側の第2面の回転軸
中心が光軸に対して垂直な方向に10μmディセンタし
たときの3次コマ収差成分である。この光ヘッド装置の
構成によれば、あおり調整が行われる対物レンズの、デ
ィセンタに起因して発生する3次コマ収差成分を設計の
段階で可能な限り小さく抑え、あおり調整角度を小くす
ることができるので、あおり調整を行わない他の対物レ
ンズの傾き角度も小さく抑えることができる。その結
果、あおり調整を行わない他の対物レンズの収差性能の
劣化を防止することができる。
【0019】また、前記本発明の光ヘッド装置の構成に
おいては、複数の対物レンズのうちの少なくともあおり
調整が行われる対物レンズが下記(数8)で与えられる
条件を満たすのが好ましい。
【0020】
【数8】
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、実施の形態を用いて本発
明をさらに具体的に説明する。図1は本発明の一実施の
形態における対物レンズによる集光状態を示す図であ
る。図1に示すように、平行光束6は、対物レンズ1に
光源側の面である第1面3から入射し、ディスク側の面
である第2面4から出射した後、光ディスク2の基板を
通って情報記録面5上に集光される。
【0022】本発明の光ディスク用対物レンズの具体的
な数値例を示す。尚、以下の各実施例において、以下に
示す符号は共通とする。但し、対物レンズの第1面は光
源側の面、第2面はディスク側の面とする。また、光デ
ィスクは平行平板とする。さらに、設計波長を650n
mとし、光ディスクの屈折率はいずれも1.57815
とする。 f :対物レンズの焦点距離 R1 :対物レンズの第1面の曲率半径 R2 :対物レンズの第2面の曲率半径 d :対物レンズの厚み n :対物レンズの屈折率 t :光ディスクの基板の厚み NA:光ディスクを通して集光するときの対物レンズの
開口数 また、本発明の光ディスク用対物レンズの非球面形状
は、下記(数9)によって与えられる。
【0023】
【数9】
【0024】ここで、各符号の意味は以下の通りとす
る。 h :光軸からの高さ(h=(x2 +y2 1/2 )) cj :対物レンズの第j面の非球面頂点の曲率(cj
=1/Rj 、Rj は曲率半径) kj :対物レンズの第j面の円錐定数 Aj,i :対物レンズの第j面のi次の非球面係数 また、レンズの各性能を表すパラメータを以下のように
定義する。 W0 :軸上波面収差の最小二乗誤差(単位はmλ、m
λは波長λの1000分の1の単位) H0 :軸上波面収差から3次の各収差成分を除いた高
次収差の最小二乗誤差(単位はmλ) W10 :レンズの光源側の第1面の回転軸中心と集光側
の第2面の回転軸中心が光軸に対して垂直な方向に10
μmディセンタしたときの波面収差(単位はmλRM
S、λは設計波長) C10 :レンズの光源側の第1面の回転軸中心と集光側
の第2面の回転軸中心が光軸に対して垂直な方向に10
μmディセンタしたときの3次コマ収差成分 H10 :レンズの光源側の第1面の回転軸中心と集光側
の第2面の回転軸中心が光軸に対して垂直な方向に10
μmディセンタしたときの高次収差成分(収差の5次以
上の成分の総合収差) 以下に、具体的実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説
明する。
【0025】(第1の実施例)本実施例の具体的数値を
示す。 f=3.0 R1 =2.000 R2 =−12.591 d=1.769 n=1.60277 t=0.6 NA=0.6 k1 =−2.89254×10-11,4 =2.58113×10-31,6 =−7.15018×10-41,8 =−9.77380×10-51,10=−4.97248×10-52 =−9.13746×10 A2,4 =8.69502×10-32,6 =−4.77595×10-32,8 =1.01858×10-32,10=−6.91023×10-50 =1.3 H0 =1.2 W10=14.1 C10=0.3 H10=14.0 軸上波面収差は、1.3mλと低く抑えられている。し
かも、球面収差は殆ど0であり、高次の収差となってい
るため、スポットの中心近傍における劣化は少ない。そ
の結果、光ディスクの情報媒体面上に記録された信号を
検出するときの隣接した信号からのクロストークを低減
することができる。一方、レンズの光源側の第1面の回
転軸中心と集光側の第2面の回転軸中心が光軸に対して
垂直な方向に10μmディセンタした場合には、波面収
差W10が14.1mλ、そのうち3次コマ収差成分C10
が0.3mλとなっており、下記(数10)の関係が成
り立っている。
【0026】
【数10】
【0027】ディセンタ時の波面収差を小さくすること
は難しいが、その収差のうちの3次コマ収差成分を小さ
く抑えることは可能である。そして、このようにディセ
ンタ時の波面収差のうちの3次コマ収差成分を小さく抑
えれば、製造後の対物レンズの3次コマ収差を小さくす
ることができる。集光スポット径は、エアリーディスク
半径によって定義されることが多いが、3次コマ収差が
あると、このスポット近辺のサイドローブの光強度が大
きくなり、空間分解能が低下する。また、光ディスク等
においては、隣のトラックの反射光を拾ったり、迷光と
なることによって信号劣化等の問題が生じる。3次コマ
収差を小さくすることができれば、これらの問題を解決
することができる。さらに、ツインレンズ方式において
は、3次コマ収差が小さければ、あおり調整角度が小さ
くて済むので、あおり調整を行わない方のレンズの3次
コマ収差の増加を防止することができる。
【0028】一方、ディセンタ時の3次コマ収差を小さ
く抑えると、高次収差が発生するようになる。そして、
高次収差が発生すると、集光スポットから比較的遠い位
置に光が分散されるため、迷光にはなるが、上記の場合
と比較して信号劣化の原因にはなりにくい。
【0029】ディセンタ時の波面収差のうちの3次コマ
収差成分C10の値は0に近いほど好ましく、具体的に
は、下記(数11)で与えられる条件を満たすのが好ま
しい。
【0030】
【数11】
【0031】以上のように、本実施例の対物レンズの構
成によれば、ディセンタに起因して発生する3次コマ収
差成分を設計の段階で可能な限り小さく抑えて、より良
い性能を有する対物レンズを実現することができる。そ
の結果、ツインレンズ方式においてあおり調整を行う方
の対物レンズとして、この対物レンズを使用すれば、あ
おり調整角度を小さくすることができ、あおり調整を行
わない方の対物レンズの傾き角度も小さく抑えることが
できるので、あおり調整を行わない方の対物レンズの収
差性能の劣化を防止することができる。
【0032】(第2の実施例)本実施例の具体的数値を
示す。 f=3.466 R1 =2.290 R2 =−16.460 d=1.90 n=1.602892 t=0.6 NA=0.6 k1 =−6.75993×10-11,4 = 1.93959×10-31,6 = 7.72110×10-51,8 = 4.91858×10-71,10=−6.79977×10-62 =−8.71562×10 A2,4 = 4.54564×10-32,6 =−1.38191×10-32,8 = 1.67482×10-42,10=−8.82511×10-60 =9.6 H0 =5.8 W10=18.8 C10=0.5 H10=18.1 対物レンズの光源側の第1面の回転軸中心と集光側の第
2面の回転軸中心が光軸に対して垂直な方向に10μm
ディセンタした場合には、波面収差W10が18.8m
λ、そのうち3次コマ収差成分C10が0.5mλと低く
抑えられており、下記(数12)の関係が成り立ってい
る。
【0033】
【数12】
【0034】ディセンタ時の波面収差のうちの3次コマ
収差成分C10の値は0に近いほど好ましく、具体的に
は、下記(数13)で与えられる条件を満たすのが好ま
しい。
【0035】
【数13】
【0036】図2は本実施例における光ディスク用対物
レンズを用いた光ヘッド装置を示す構成図である。図2
に示すように、半導体レーザ11から出射したレーザ光
は、ビームスプリッタ12によって光路の向きが変えら
れ、コリメートレンズ13によって略平行光となる。そ
して、前記レーザ光は、折り曲げミラー14によって光
路の向きがさらに変えられ、第1又は第2の光ディスク
用対物レンズ15又は20によって第1又は第2の光デ
ィスク16の情報記録面17上に集光される。ここで、
第1又は第2の光ディスク用対物レンズ15又は20
は、1つのアクチュエータ21に搭載されている(いわ
ゆる『ツインレンズ方式』)。そして、アクチュエータ
21は、再生又は記録を行う光ディスクに応じて、対物
レンズ15又は20がコリメートレンズ13からの略平
行光の中心にくるように作動する。すなわち、ある厚み
を有する第1の光ディスクに対しては、その厚みに最適
化された対物レンズ15が用いられ、第1の光ディスク
の厚みとは異なる厚みを有する第2の光ディスクに対し
ては、その厚みに最適化された対物レンズ20が用いら
れる。つまり、読み出すべき光ディスクの厚みに応じ
て、これに最適な方の対物レンズ15又は20が光源か
らの光の光束中心に挿入される。光ディスク16の情報
記録面17上に集光された前記レーザ光は、情報記録面
17に形成された凹凸によって回折を受ける。光ディス
ク16の情報記録面17で反射され、回折された前記レ
ーザ光は、対物レンズ15又は20を透過し、折り曲げ
ミラー14によって光路の向きが変えられ、コリメート
レンズ13、ビームスプリッタ12及びシリンドリカル
レンズ18を透過してフォトディテクター19上に集光
される。そして、フォトディテクター19の電気信号に
より、光ディスク16の情報記録面17で変調された光
量変化が検出され、情報記録面17上のデータの読み取
りが行われる。
【0037】読み出すべき光ディスクに対して必要なN
Aは、その記録密度に依存する。高密度記録を実現する
ためには、一般に、高いNAが用いられる。NAが高い
ほど製造公差や取り付け公差が厳しいため、ツインレン
ズ方式の場合で、しかも読み出すべき光ディスクが必要
とするNAに差がある場合には、一般に、その中で最も
高いNAを有する対物レンズに対してあおり調整が行わ
れる。または、3次コマ収差は、NAの3乗に光ディス
ク厚みを掛けた値に依存して発生し易いことから、この
値の大きい方の対物レンズに対してあおり調整が行われ
る。NAと(NAの3乗×光ディスクの厚み)に差がな
い場合には、どちらかの値が高い方の対物レンズに対し
てあおり調整が行われる。
【0038】対物レンズ15として上記のように設計さ
れた対物レンズを用いた場合、この対物レンズ15の球
面収差は非常に小さく、3次コマ収差も小さく抑えられ
ているので、スポットのエアリーリングの強度はほとん
ど高くならない。また、ディセンタによって高次収差が
大きくなっている場合でも、集光されたスポット近傍の
強度にはほとんど影響を与えないので、実際の情報記録
あるいは読み出しに対しても影響は少ない。
【0039】あおり調整を行う対物レンズ15とは別の
対物レンズ20は、対物レンズ15にあおり調整が行わ
れ傾けられているため、多少収差が悪化している。しか
し、この場合には、記録密度の低いディスクの状態であ
るため、NAも小さく光ディスクのティルトによって生
じる3次コマ収差など、他の収差の影響も小さい。
【0040】このように、あおり調整を行う対物レンズ
15の3次コマ収差を小さくすることにより、あおり調
整角度を小さく抑え、他方の対物レンズ20の収差性能
の劣化を防止して、異なる2種の光ディスクに対して良
好な記録再生を行うことができる。
【0041】尚、上記各実施例においては、片方の対物
レンズのみを本発明の対物レンズとしたが、必ずしもこ
の構成に限定されるものではなく、両方が本発明の対物
レンズであってもよい。
【0042】また、上記各実施例においては、対物レン
ズが2個の場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこの
構成に限定されるものではなく、対物レンズが3個以上
の場合であっても、同様の効果が得られる。
【0043】また、上記各実施例においては、光ディス
ク用対物レンズに対して平行光を入射させる場合を例に
挙げて説明したが、必ずしもこの構成に限定されるもの
ではなく、半導体レーザからの光を直接1個の対物レン
ズで集光したり、又はコリメートレンズで平行光とせず
に、発散光又は集束光とする有限倍率のレンズであって
もよい。
【0044】また、上記各実施例においては、光ディス
ク用対物レンズが両面非球面の単レンズである場合を例
に挙げて説明したが、必ずしもこの構成に限定されるも
のではなく、片面非球面又は球面組レンズであってもよ
く、また、それらの複合素子であってもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ディセンタに起因して発生する3次コマ収差成分を設計
の段階で可能な限り小さく抑えて、より良い性能を有す
る対物レンズを実現することができる。その結果、ツイ
ンレンズ方式においてあおり調整を行う方の対物レンズ
として、この対物レンズを使用すれば、あおり調整角度
を小さくすることができ、あおり調整を行わない方の対
物レンズの傾き角度も小さく抑えることができるので、
あおり調整を行わない方の対物レンズの収差性能の劣化
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における対物レンズによ
る集光状態を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態における光ディスク用対
物レンズを用いた光ヘッド装置を示す構成図である。
【図3】従来技術における光ヘッド装置を示す構成図で
ある。
【図4】従来技術におけるツインレンズ方式を採用した
光ヘッド装置の対物レンズ部を示す構成図である。
【符号の説明】
1 対物レンズ 2 光ディスク 3 対物レンズ第1面 4 対物レンズ第2面 5 情報記録面 6 平行光束 11 半導体レーザ 12 ビームスプリッタ 13 コリメートレンズ 14 折り曲げミラー 15 対物レンズ 16 光ディスク 17 情報記録面 18 シリンドリカルレンズ 19 フォトディテクター 20 対物レンズ 21 アクチュエータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源からの光束を集光する光ディスク用
    対物レンズであって、下記(数1)で与えられる条件を
    満たすように収差補正されていることを特徴とする光デ
    ィスク用対物レンズ。 【数1】 ここで、W10はレンズの光源側の第1面の回転軸中心と
    集光側の第2面の回転軸中心が光軸に対して垂直な方向
    に10μmディセンタしたときの波面収差(単位はmλ
    RMS、λは設計波長)、C10はレンズの光源側の第1
    面の回転軸中心と集光側の第2面の回転軸中心が光軸に
    対して垂直な方向に10μmディセンタしたときの3次
    コマ収差成分である。
  2. 【請求項2】 下記(数2)で与えられる条件を満たす
    請求項1に記載の光ディスク用対物レンズ。 【数2】
  3. 【請求項3】 光源と、前記光源から出射された光束を
    光ディスクの情報記録面上に集光する集光手段と、前記
    光ディスクの情報記録面で変調された光束を分離する光
    束分離手段と、前記光ディスクの情報記録面で変調され
    た光束を受光する受光手段とを備え、前記集光手段が1
    つのアクチュエータに搭載された複数の対物レンズから
    なり、前記複数の対物レンズのうちの1個の対物レンズ
    に対してあおり調整が行われ、その他の対物レンズが前
    記1個の対物レンズと同時にあおられる光ヘッド装置で
    あって、前記複数の対物レンズのうちの少なくともあお
    り調整が行われる前記対物レンズが、下記(数3)で与
    えられる条件を満たすように収差補正されていることを
    特徴とする光ヘッド装置。 【数3】 ここで、W10はレンズの光源側の第1面の回転軸中心と
    集光側の第2面の回転軸中心が光軸に対して垂直な方向
    に10μmディセンタしたときの波面収差(単位はmλ
    RMS:λは設計波長)、C10はレンズの光源側の第1
    面の回転軸中心と集光側の第2面の回転軸中心が光軸に
    対して垂直な方向に10μmディセンタしたときの3次
    コマ収差成分である。
  4. 【請求項4】 複数の対物レンズのうちの少なくともあ
    おり調整が行われる対物レンズが下記(数4)で与えら
    れる条件を満たす請求項3に記載の光ヘッド装置。 【数4】
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