JP2004103216A - 光ディスク用光学系および光ディスク用ヘッド装置 - Google Patents

光ディスク用光学系および光ディスク用ヘッド装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004103216A
JP2004103216A JP2003296706A JP2003296706A JP2004103216A JP 2004103216 A JP2004103216 A JP 2004103216A JP 2003296706 A JP2003296706 A JP 2003296706A JP 2003296706 A JP2003296706 A JP 2003296706A JP 2004103216 A JP2004103216 A JP 2004103216A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
optical disk
wavelength
spherical aberration
light beam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003296706A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuichi Takeuchi
竹内 修一
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Pentax Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pentax Corp filed Critical Pentax Corp
Priority to JP2003296706A priority Critical patent/JP2004103216A/ja
Publication of JP2004103216A publication Critical patent/JP2004103216A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Lenses (AREA)
  • Moving Of The Head For Recording And Reproducing By Optical Means (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Abstract

  【課題】 レーザ光の波長設計波長からのずれによる球面収差を良好に補正し、プラスチック製の対物レンズを使用した場合でも温度変化の影響を受けにくい、保護層の厚さが異なる光ディスクに対する情報の記録または再生が可能な光ディスク用光学系を提供すること。
  【解決手段】 第一の光ディスク使用時に用いる第一の光束と、第二の光ディスク使用時に用いる第二の光束とを照射する光源部と、波長に依存して球面収差が変化する特性を有する回折構造を利用することにより、各光ディスクの互換性を有する対物レンズと、光源部から照射された各光束を略平行光束に変換して対物レンズに入射させるコリメートレンズと、を有し、第一の光ディスクに対する情報の記録または再生時に、光源の個体差による、該第一光束の波長の設計波長に対するずれに起因して発生する球面収差の変化を、コリメートレンズから射出される光束の平行度の調整によって補正する構成にした。
【選択図】   図1



Description

 この発明は、保護層の厚さの異なる複数種類の光ディスクに対するデータの記録または再生を行う光ディスク装置に用いられる光学系および該光学系を用いた光ヘッドに関する。
 光ディスクには、保護層の厚さが異なる複数の規格が存在する。例えば、CD(コンパクトディスク)、CD−R(CD−レコーダブル)の保護層の厚さは1.20mmであるのに対し、DVD(デジタルバーサタイルディスク)の保護層の厚さは0.60mmである。そこで、規格が異なる光ディスクの切り替え時には、保護層の厚さの違いによって生じる球面収差の変化を抑える必要がある。
 また、DVDの記録密度はCDより高いため、DVDの記録/再生にはCD専用の光学系よりビームスポットを絞る必要がある。スポット径は波長が短いほど小さくなるため、DVDを利用する光学系では、CD専用の光学系で用いられていた780〜830nmより短い635〜665nmの発振波長のレーザ光源を用いる。さらに、CD−Rを利用する場合には、記録面の反射特性から780nm程度の発振波長のレーザ光源を用いる。そのため近年、光情報記録再生装置には、波長の異なるレーザ光を発振可能な光源部を有する光ディスク用光学系が使用されている。
 保護層の厚さが異なる光ディスクの規格に対して、それぞれ良好な状態で各光ディスクの記録面位置にレーザ光を収束させる手段の一つとして、近年、対物レンズの一面に輪帯状の微細な段差を有する回折構造を設けた対物レンズを光ディスク用光学系に搭載することが考えられている。
 回折構造は、該回折構造によって発生する球面収差が、入射する光束の波長に依存して変化するように構成される。球面収差の、入射光束の波長変化に依存して変化する特性を波長依存性という。詳しくは該回折構造は、保護層の厚さが異なる規格の光ディスクに対して異なる波長の光束を使用しても、各光束が、対応する各光ディスクにおいて、保護層を介し記録面の位置でそれぞれ良好な波面を形成するように最適化される。このような回折構造を備える対物レンズを使用することにより、保護層の厚さの違いによる球面収差の変化を、レーザ光の波長が切り替わることにより変化する該回折構造における球面収差で打ち消して各光ディスクの記録面位置に良好なスポットを形成する効果が得られる。
 さらに、近年、低コスト化等を図る観点から上記対物レンズをプラスチック製することが多い。ここでプラスチック製対物レンズは、温度変化に伴って形状および屈折率が変化するため、球面収差も変化してしまう性質がある。球面収差の、温度変化に依存して変化する特性を温度依存性という。そのため、プラスチック製対物レンズを使用する場合には、このような温度変化による球面収差の変化を抑えるようなレンズ設計を行う必要がある。また、レーザー光源の個体差により発振波長がばらつくことがあり、これにより球面収差が変化してしまうという問題もある。球面収差が変化することによる影響は光ディスクに対する情報の記録または再生時に要求される開口数(NA)が大きくなるほど大きい。従って、従来の回折構造を有するプラスチック製対物レンズの回折構造は、CDに対する記録または再生に必要十分な低NA領域ではディスクの保護層の厚さの違いによる球面収差を打ち消すことが可能な球面収差を発生するように設計され、DVDに対する記録または再生にのみ必要とされる高NA領域では球面収差の波長依存性と温度依存性との両方のバランスをとるような設計がされていた。しかし、球面収差の温度依存性を小さくするためにはある程度の波長依存性が必要となるため、波長依存性と温度依存性の両方を同時に最適化させることができず、光源部の個体差に対する許容範囲と、温度変化に対する許容範囲とを同時に大きくとることが困難であった。
 この発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みなされたもので、光源部から照射されるレーザ光の波長が設計波長からずれても球面収差を良好に補正して、DVDとCD、CD−Rのような保護層の厚さと記録密度が異なる光ディスクに対してデータの記録または再生が可能な光ディスク用光学系を提供すること、さらには、プラスチック製の対物レンズを使用した場合でも温度変化の影響を受けにくい設計が可能な光ディスク用光学系を提供することを目的とする。
 このため、請求項1に記載の光ディスク用光学系は、保護層が薄く記録密度が高い第一の光ディスクに対する記録または再生時に用いる第一の光束と、第一の光ディスクより保護層が厚く記録密度が低い第二の光ディスクに対する記録または再生時に用いる第二の光束とを照射する光源部と、波長に依存して球面収差が変化する特性を有する回折構造を利用することにより、第一の光ディスクと第二の光ディスクとの互換性を有する対物レンズと、光源部から照射された各光束を略平行光束に変換して対物レンズに入射させるコリメートレンズと、を有し、第一の光ディスクに対する記録または再生時に、光源の個体差による、該第一光束の波長の設計波長に対するずれに起因して発生する球面収差の変化を、コリメートレンズから射出される光束の平行度の調整によって補正することを特徴とする。
 すなわち請求項1に記載の光ディスク用光学系は、球面収差の波長依存性が大きい対物レンズを使用する。そして、光源の発振波長のばらつきに応じて該対物レンズへ入射する光束の平行度を調整することにより波長が変化することによって生じる球面収差を低減する。このように構成することにより、光ディスク用光学系は、第一の光ディスクに対する記録または再生時に、光源部から照射されるレーザ光の波長が設計波長からずれてもその影響を受けることなく球面収差を良好に補正できる。なお、上記請求項1の構成において、例えば、第一の光ディスクはDVD、第二の光ディスクはCDを想定する。他にも、DVDの代わりにDVD−R、CDの代わりにCD−RやCD−RWを用いることも可能である。
 また、請求項2に記載の光ディスク用光学系は、回折構造は、光源部の射出光の波長の変化に依存して変化するような波長依存性を持つ球面収差を生成し、温度変化に伴う対物レンズの形状や屈折率の変化に起因する球面収差の変化を、該温度変化に伴う前記光源部の射出光の波長の変化に応じて回折構造によって生成される球面収差の変化により補正するよう構成されたことを特徴とする。これにより、プラスチック製の対物レンズを使用した場合であっても、温度変化の影響を受けにくい設計が可能になる。
 より詳しくは、上記調整を可能にし、保護層の厚さが異なる光ディスクの記録または再生が良好な状態で行われるためには、上記回折構造を有する対物レンズを以下のように構成することが望ましい。まず、対物レンズは、第一の光ディスクに対する記録または再生時に第一の光束の波長の変化によって3次の球面収差が最も大きく変化するように構成される(請求項3)。また、第一の光束の波長の変化によって変化する5次以上の各球面収差の変化量がそれぞれ3次の球面収差の変化量の1/5以下であるように構成されることが望ましい(請求項4)。また、第一の光束の波長の変化によって変化する5次以上の各球面収差が、それぞれ0.0005λrms/nm以下であることが望ましい(請求項5)。
 請求項6に記載の発明によれば、第二の光束の波長にも応じてコリメートレンズから射出される光束の平行度を設定することが望ましい。
 上記光源は、例えば第一の光束を照射する第一光源と第二の光束を照射する第二光源とが一体に形成されているものを使用することができる(請求項7)。この場合、平行度の調整は、対物レンズから射出された第一の光束が第一の光ディスクの記録面位置に最良の状態で収束するように、光源に対するコリメートレンズの位置を調整することにより行われる(請求項8)。
 また第二の光束の波長にも応じてコリメートレンズから射出される光束の平行度を設定し、光路上、対物レンズから射出された第一の光束が第一の光ディスクの記録面位置に最良の状態で収束する位置と、対物レンズから射出された第二の光束が第二の光ディスクの記録面位置に最良の状態で収束する位置との間にコリメートレンズを配置することにより平行度を変えることも可能である(請求項9)。この調整は、上記の第一の光束に対応した位置調整を行った結果、第二の光束による球面収差が大きく発生してしまったとき等に有効な手段である。
 以上説明したように、本発明によれば、球面収差の波長依存性を大きく持たせるとともに、発生する球面収差を3次の成分が主となるように設計した対物レンズを使用し、該3次の球面収差はレーザ光の平行度を変えることにより低減することにより、光源部から照射されるレーザ光の波長が変化しても球面収差を良好に補正して、DVDとCD、CD−Rのような保護層の厚さが異なる光ディスクの記録または再生が可能な光ディスク用光学系を提供することが可能となる。さらに、波長依存性を大きく設計したことにより、該対物レンズは温度変化による球面収差の変化の補正に重点をおいた設計が可能となるため、プラスチック製の対物レンズを使用した場合でも温度変化の影響を受けにくい設計が可能な光ディスク用光学系が提供される。
 以下、この発明に係る光ディスク用光学系の実施形態を説明する。図1は、実施形態に係る光ディスク用光学系100を示す説明図である。光ディスク用光学系100は、DVD、CD互換の光情報記録再生装置に搭載される。光ディスク用光学系100は、光源10と、コリメートレンズ20と、対物レンズ30とを有する。
 光ディスク40A(40B)は、図示しないターンテーブル上に載置され回転駆動される。なお本明細書では、保護層が薄く記録密度が高い光ディスク(例えばDVD)を第1の光ディスク40Aと記し、保護層が厚く記録密度が低い光ディスク(例えばCDやCD−R等)を第2の光ディスク40Bと記す。
 光源10は、シリコン基板11上に種類の異なる2つの活性層を形成して構成され、波長の異なる二種類のレーザ光をそれぞれ発光する二つの発光点を備えている。両発光点の間隔は約100μmである。
 第1の光ディスク40Aに対して記録または再生を行う際には、小さいビームスポットを作るために波長の短いレーザ光(以下、第一のレーザ光という)が光源10から照射される。また、第2の光ディスク40Bに対して記録または再生を行う際には、第一のレーザ光よりも波長の長いレーザ光(以下、第二のレーザ光という)が光源10から照射される。
 光ディスクの種類に対応して光源10から照射される各レーザ光は発散光であるが、コリメートレンズ20を介することにより、平行光に近い状態に変換される。
 コリメートレンズ20から射出されたレーザ光は、対物レンズ30により光ディスク40の記録面に収束される。対物レンズ30は、両面とも非球面である両凸のプラスチック製単レンズである。
 上述した通り、第1の光ディスク40Aと第2の光ディスク40Bとでは、保護層の厚さが異なる。このため、使用されるディスクによって球面収差が変化する。ここで、球面収差は、保護層が厚くなるほど補正過剰(オーバー)方向に変化する傾向にある。
 そこで、本実施形態においては、対物レンズ30のレンズ面に光軸を中心とした複数の輪帯からなり、各輪帯の境界にフレネルレンズのように光軸方向の段差を有する回折構造30aを形成している。これにより対物レンズ30によって発生する球面収差に波長依存性を持たせ、保護層の厚さの違いに起因する球面収差の変化を、情報の記録または再生のために使用するレーザー光の波長の違いにより生じる球面収差の変化で補正する。
 ここで、回折構造30aについて、対物レンズ射出後に第二の光ディスク40Bに対するデータの記録または再生に必要なNAに相当する光束が透過する領域を中央部といい、該中央部よりも外側の領域を周辺部という。回折構造30aの中央部は、入射する光束の波長が長くなるに従い球面収差が補正不足(アンダー)方向に変化するような特性を有する。これにより、対物レンズの、保護層の異なる複数種類の光ディスクに対する情報の記録または再生に関する互換性を確保している。回折構造30aの周辺部は、第一のレーザ光を第一の光ディスクの記録面上に良好に収束させ、かつ、第二のレーザ光を第二の光ディスクの記録面上で大きく拡散させるような特性を有する。従って、第一のレーザ光は、回折構造30aの中央部および周辺部を含む広い範囲を透過して記録面上に集光する。つまり、対物レンズ30を透過する第一のレーザ光はNAが大きくなり、第一の光ディスクに対するデータの記録または再生に適した小径のスポットを形成する。一方、対物レンズ30を透過する第二のレーザ光のうち、該中央部を透過した光束は記録面上に集光するが、該周辺部を透過した光束は記録面上で大きく拡散しておりスポット形成に寄与しないので、第一のレーザ光を入射した場合よりも実効的なNAが小さくなる。従って、第二の光ディスク40Bに対応した比較的大径のスポットを形成する。
 光ディスク用光学系100は、上述の回折型互換対物レンズ30を用いつつ、球面収差の温度依存性と波長依存性を小さく抑えるように構成されている。具体的には、光ディスク用光学系100において、対物レンズ30の回折構造30aが温度変化により生じる球面収差の変化を打ち消すような球面収差を発生させる。これにより温度依存性を小さく抑える。また、光源の個体差による波長のばらつきに起因する球面収差の変化はコリメートレンズ20から射出される光束の平行度を調整する。これにより波長依存性を小さく抑える。
 球面収差の変化が光ディスク記録面上のスポットに与える影響は、対物レンズ30を透過するレーザ光のNAが大きくなるほど大きくなる。よって、本実施形態の光ディスク用光学系100では特に第一の光ディスクに第一のレーザ光を収束させる場合の球面収差の温度依存性及び波長依存性を小さくするように構成されている。
 対物レンズ30から射出されるレーザ光の球面収差は、温度上昇によって補正過剰(オーバー)方向に変化する傾向がある。一方、光源10から照射されるレーザ光は、温度変化により、その波長が約0.2nm/℃で変化する。例えば、温度が40℃上昇した場合には約8nm波長が長波長側にシフトする。そこで、回折構造30aの周辺部を、第一のレーザ光を第一の光ディスク記録面上に良好に収束させるとともに、該レーザ光の波長が長波長側へシフトした場合に発生する球面収差が補正不足方向に変化する特性を持つように設計する。これにより、第一の光ディスクを使用する際の温度変化による対物レンズ30の球面収差の変化を、温度変化に起因する光源の波長変化に依存した回折構造30aの球面収差によって打ち消すことができる。
 さらに、回折構造30aの周辺部の、温度特性を良好にするために設定される球面収差の波長依存性は、第一の光ディスクに対する記録または再生時に、回折構造30a全体を透過したレーザ光により光ディスク記録面上に形成されるビームスポットにおいて、入射光束の波長の変化による球面収差の変化量のうち3次成分が最も大きくなるように設計される。具体的には、球面収差の5次以上の高次の成分がそれぞれ3次の成分の1/5以下になるか、該高次の成分がそれぞれ0.0005λrms/nm以下になるかの、少なくとも一方の条件を満たすように回折構造30aを設計する。
 対物レンズに入射する光束の平行度を調整することにより発生する球面収差はほとんどが3次の成分である。従って、対物レンズ30に上記のような波長依存性を有する回折構造30aを形成すると、波長変化による球面収差を入射光束の平行度の調整により良好に補正することができる。
 光ディスク用光学系100は、第一、第二のレーザ光の波長変化に対する回折構造30aの、3次を主成分とする球面収差の変化を、コリメートレンズ20から射出されるレーザ光の平行度を変えることにより補正する。本実施形態では、コリメートレンズ20の位置を調整して光源10との間の距離を変化させ、光束の平行度を変えることにより、上記各ビームによる3次の球面収差を補正している。各レーザ光が対応する光ディスクの記録面位置に最良の状態で収束するような平行度で該レーザ光を射出するコリメートレンズ20の位置を、第一の光ディスク40A(第二の光ディスク40B)に対する最適位置という。
 ここで、実際には光ディスク用光学系100に搭載される光源10の個体差によって、各レーザ光の波長が常に設計波長と同一であるとは限らず、設計波長と実際の発振波長とのずれが発生することもある。この波長ずれによって各レーザ光の球面収差は若干変化してしまう。一般に、光源10の個体差による各レーザ光の設計波長と実際の発振波長とのずれは、光ディスク用光学系100の組み立て時に判明する。そこで、コリメートレンズ20は波長ずれによって変化した球面収差が補正される位置(第一のレーザ光に対する最適位置、もしくは第一、第二のレーザ光に対する最適位置間の任意の位置)に配置、固定する。これにより、光源10の個体差による波長変化に依存する球面収差を補正することが可能になる。従って光ディスク用光学系100を組み立てた後は、コリメートレンズ20の位置を変える必要はなく、調整等の手間はかからない。
 このように光ディスク用光学系100では、球面収差の波長依存性を大きくした状態で回折構造30aを設計するとともにコリメートレンズ20から射出されるレーザ光の平行度を変える。これにより、光源10の個体差に起因する波長の変化による球面収差を補正している。
 なお、従来の対物レンズも球面収差の温度依存性を考慮して設計されてはいたが、その設計は前述のように、波長依存性とのバランスをとりつつ行われるものであった。そのため、回折構造30aにおいて、第一のレーザ光だけが有効に集光する周辺部は対物レンズ全体の球面収差の温度依存性に対して補正不足になりがちであった。
 本実施形態では、レーザ光源の個体差による波長のばらつきに起因する球面収差の変化、つまり球面収差の波長依存性は、コリメートレンズからの光束の平行度を調整することにより補正される。従って、対物レンズ30は、上記従来の対物レンズの設計とは異なり、波長依存性とのバランスを考慮することなく温度依存性を小さくする設計が可能になる。
 次に、上述した実施形態に基づく具体的な実施例を2例提示する。いずれの実施例も保護層の厚さが0.6mmの第1の光ディスク40Aと、保護層の厚さが1.2mmの第2の光ディスク40Bとの互換性を有する光ディスク用光学系100である。
 図1は、実施例1の光ディスク用光学系100を表す概略図である。実施例1の光ディスク用光学系100を構成する部材の具体的な数値構成は、表1および表2に示されている。表1中、設計波長とは、光ディスクに対して情報を記録または再生する際に最も適した波長のことである。fOBLは、対物レンズ30の焦点距離(単位:mm)、fCLは、コリメートレンズ20の焦点距離、NAは像側の開口数である。なお、第一および第二のレーザ光がともに設計波長であるときのコリメートレンズ20、の最適位置は、光源10から11.19mm離れた位置である。
Figure 2004103216
Figure 2004103216
 図2(A)に設計波長の第一のレーザ光によって第一の光ディスク40Aに対する情報の記録または再生を行うときの球面収差を表し、図2(B)に設計波長の第二のレーザ光によって第二の光ディスク40Bに対する情報の記録または再生を行うときの球面収差を表す。図2中、(A)、(B)どちらの縦軸も入射高さhであり、各々の光ディスクに対する有効光束径で規格化してある。また、図2(A)、(B)どちらの横軸も球面収差の発生量を示し、単位はmmである。以下に説明する各収差図においても同様である。図2(A)、(B)に示すように、設計波長のレーザ光を使用できれば、第一の光ディスク、第二の光ディスクどちらに対して情報を記録または再生した時も、きわめて良好に球面収差が抑えられるのがわかる。
 表2中、面番号0が光源10の発光点、面番号1、2がコリメートレンズ20、面番号3、4が対物レンズ30、面番号5、6が媒体である光ディスクの保護層を示している。rはレンズ各面の曲率半径(単位:mm)、dはレンズ厚またはレンズ間隔(単位:mm)、nはd線(588nm)での屈折力、νはd線でのアッベ数である。
 また、コリメートレンズ20の第二面(面番号2)、対物レンズ30の第1面(面番号3)のベース面(回折レンズ構造を除く屈折レンズとしての形状)、および第2面(面番号4)は非球面である。その形状は光軸からの高さがhとなる非球面上の座標点の非球面の光軸上での接平面からの距離(サグ量)をX(h)、非球面の光軸上での曲率(1/r)をC、円錐係数をK、4次、6次、8次、10次、12次の非球面係数をA4,A6,A8,A10,A12として、以下の式で表される。
Figure 2004103216
各非球面を規定する円錐係数と非球面係数は、表3に示される。なお、表3に示すように対物レンズ30の第1面(面番号3)は、レンズの中央部(h<1.20)と周辺部(h>1.20)とによって非球面の形状が異なっている。
Figure 2004103216
 さらに、対物レンズ30の第1面(面番号3)に形成された回折構造30aは、以下の光路差関数φ(h)により表される。
Figure 2004103216
光路差関数φ(h)は、回折面上での光軸からの高さhの点において、回折構造30aにより回折されなかった場合の仮想の光線と、回折レンズ構造により回折された光線との光路差を示す。P2、P4、P6、…はそれぞれ2次、4次、6次、…の係数である。回折構造30aを規定する光路差関数係数は、表4に示される。
Figure 2004103216
 次に表5に、実施例1の第一のレーザ光が対物レンズ30に入射したときの球面収差の波長依存性を示す。また表6に、第一のレーザ光の波長変動を0.2nm/℃に設定したときにおいて、第一のレーザ光が対物レンズ30に入射したときの球面収差の温度依存性を示す。表5、表6において、SA3、SA5、SA7、SA9は、それぞれ、3次、5次、7次、9次の球面収差を示す。5次以上の球面収差が高次の収差成分である。
Figure 2004103216
Figure 2004103216
 上記のような構成の光ディスク用光学系100において、光源10の個体差等によって、第一のレーザ光の波長が665nm(ずれ量Δλ=+10nm)、第二のレーザ光の波長が790nm(ずれ量Δλ=+7nm)だった場合を想定する。このとき第一のレーザ光に対する最適位置は光源10から11.49mm離れた位置、第二のレーザ光に対する最適位置は光源10から11.44mm離れた位置となる。表7に、コリメートレンズ20と光源10間の距離が11.49mmと11.19mmである場合に、波長665nmの第一のレーザ光によって発生する球面収差の値を表す。また、表8に、コリメートレンズ20と光源10間の距離が11.49mmと11.44mmと11.19mmである場合に、波長790nmの第二のレーザ光によって発生する球面収差の値を表す。
Figure 2004103216
Figure 2004103216
 上記のように設計波長から所定量波長がずれた場合であっても、設計波長のレーザ光に対する最適位置にコリメートレンズ20を配置したままの場合、表7、表8に示すように第一のレーザ光、第二のレーザ光ともに球面収差が大きく発生してしまう。そこで、コリメートレンズ20と光源10間の距離を調整して球面収差を低減させる。ここで、表8に示すように、第二のレーザ光に対する最適位置にコリメートレンズ20を配置した場合と、第一のレーザ光に対する最適位置にコリメートレンズ20を配置した場合とでは、第二のレーザ光によって発生する球面収差はほとんど変化がない。従って実施例1では、コリメートレンズ20を光源から11.49mm離れた位置、つまり第一のレーザ光に対する最適位置に配置する。
 仮に、第一のレーザ光に対する最適位置にコリメートレンズ20を配置すると極端に第二のレーザ光による球面収差が急増するような場合には、各レーザ光に対する最適位置の間、つまり11.44mm〜11.49mm間で最も収差が抑えられるような所定位置にコリメートレンズ20を配置すればよい。
 図3は、665nmの第一のレーザ光によって第一のディスク40Aに対して情報を記録または再生するときに発生する球面収差について表した収差図である。図3(A)がコリメートレンズ20の位置調整をする前の球面収差図であり、図3(B)がコリメートレンズ20を最適位置に配置した状態での球面収差図である。図3(A)、(B)に示すように、対物レンズ30に波長依存性を大きく持たせているため球面収差がかなり発生しているが、コリメートレンズ20を最適位置に配置することによって球面収差は低減されているのがわかる。これにより、良好な小径のスポットが第一のディスクの記録面に形成される。
 次いで、光ディスク用光学系100の第二の実施例について説明する。図4は、実施例2の光ディスク用光学系100を表す概略図である。図4中、実施例1の光ディスク用光学系100と同一部材には同一の符号を付してある。実施例2の光ディスク用光学系100を構成する部材の具体的な数値構成は、表9および表10に示されている。なお、第一および第二のレーザ光がともに設計波長であるときのコリメートレンズ20の最適位置は、光源10から14.66mm離れた位置である。
Figure 2004103216
Figure 2004103216
 図5(A)に設計波長の第一のレーザ光によって第一の光ディスク40Aに対する情報の記録または再生を行うときの球面収差を表し、図5(B)に設計波長の第二のレーザ光によって第二の光ディスク40Bに対する情報の記録または再生を行うときの球面収差を表す。図5(A)、(B)に示すように、設計波長のレーザ光を使用できれば、第一の光ディスク、第二の光ディスクどちらに対して情報を記録または再生した時も、きわめて良好に球面収差が抑えられるのがわかる。
 表10中、面番号0が光源10の発光点、面番号1、2がコリメートレンズ20、面番号3、4が対物レンズ30、面番号5、6が媒体である光ディスクの保護層を示している。
 実施例2でも、コリメートレンズ20の第2面(面番号2)、対物レンズ30の第1面(面番号3)のベース面、および第2面(面番号4)が非球面として形成されている。各非球面を規定する円錐係数と非球面係数は、表11に示される。なお、表11に示すように対物レンズ30の第1面(面番号3)は、レンズの中央部(h<1.38)と周辺部(h>1.38)とによって非球面の形状が異なっている。また、回折構造30aを規定する光路差関数係数は、表12に示される。
Figure 2004103216
Figure 2004103216
 次に表13に、実施例2の第一のレーザ光が対物レンズ30に入射したときの球面収差の波長依存性を示す。また表14に、第一のレーザ光の波長変動を0.2nm/℃に設定したときにおいて、該レーザ光が対物レンズ30に入射したときの球面収差の温度依存性を示す。
Figure 2004103216
Figure 2004103216
 上記のような構成の光ディスク用光学系100において、光源10の個体差等によって、第一のレーザ光の波長が645nm(ずれ量Δλ=−10nm)、第二のレーザ光の波長が783nm(ずれ量Δλ=±0nm)だった場合を想定する。このとき第一のレーザ光に対する最適位置は光源10から14.15mm離れた位置、第二のレーザ光に対する最適位置は光源10から14.66mm離れた位置となる。コリメートレンズ20と光源10間の距離が14.15mmと14.66mmである場合に、波長665nmの第一のレーザ光によって発生する球面収差の値を表15に、波長790nmの第二のレーザ光によって発生する球面収差の値を表16に、それぞれ表す。
Figure 2004103216
Figure 2004103216
 上記のように設計波長から所定量波長がずれたときに、設計波長のレーザ光に対する最適位置にコリメートレンズ20を配置したままの場合、表15に示すように第一のレーザ光による球面収差が0.035λrmsと大きく発生してしまう。そこで、コリメートレンズ20と光源10間の距離を調整して該球面収差を低減させる。具体的には実施例2では、コリメートレンズ20を第一のレーザ光に対する最適位置に配置する。これにより、第一のレーザ光による球面収差を0.006λrmsにまで低減することができる。
 コリメートレンズ20を第一のレーザ光に対する最適位置に配置することは、設計波長どおりの第二のレーザ光に対する最適位置からは、ずれることになる。従って、第二のレーザ光による球面収差が0.016λrms発生してしまう。この第二のレーザ光による球面収差が、光情報記録再生装置全体の性能に影響を及ぼす恐れがある場合には、各レーザ光に対する最適位置の間、つまり14.15mm〜14.66mm間で最も優れた特性が得られるような所定位置にコリメートレンズ20を配置すればよい。
 図6は、645nmの第一のレーザ光によって第一のディスク40Aに対する情報の記録または再生するときに発生する球面収差について表した収差図である。図6(A)がコリメートレンズ20の位置調整をする前の球面収差図であり、図6(B)がコリメートレンズ20を最適位置に配置した状態での球面収差図である。図6(A)、(B)に示すように、対物レンズ30に波長依存性を大きく持たせているため球面収差がかなり発生しているが、コリメートレンズ20を最適位置に配置することによって球面収差は低減されているのがわかる。これにより、良好な小径のスポットが第一のディスクの記録面に形成される。
 以上が本発明の実施形態である。なお、上記実施形態の光ディスク用光学系100は、二種類の波長の光を発光可能な二つの発光点を有する光源10を使用した。そのため、コリメートレンズ20と光源10間の距離は、第一のレーザ光による球面収差を低減することを主として決定している。光源近傍の構成としては、各々異なる波長の光を発光する光源を二つ設け、ハーフミラーやプリズム等を用いていずれかの光源から照射されたレーザ光を光ディスクの記録面に導く構成を採ることも可能である。この場合には、各光源とコリメートレンズ20との間の距離が各々最適な距離となるように各光源を配置すればよい。
 また、上記実施形態では、コリメートレンズ20の配置位置を調整することによりレーザ光の平行度を変えて球面収差を低減すると説明した。ここで、一般にコリメートレンズのNAが小さいため、コリメートレンズ20の中心厚さを変えたり、該レンズのいずれか一方の面の曲率半径を変えたりしても、コリメートレンズ20自体の収差が、装置全体の性能に影響を与えるほど大きく変動することはない。そこで、コリメートレンズ20の配置位置を調整するかわりに、コリメートレンズ20の中心厚さを変えたり、該レンズのいずれか一方の面の曲率半径を変えたりすることによって、レーザ光の平行度を変えることも可能である。
本発明の実施例1の光ディスク用光学系の概略構成図である。 実施例1の設計波長のレーザ光を使用した場合の球面収差図である。 実施例1の第一のレーザ光の波長が変動したときの対物レンズの球面収差図である。 本発明の実施例2の光ディスク用光学系の概略構成図である。 実施例2の設計波長のレーザ光を使用した場合の球面収差図である。 実施例2の第一のレーザ光の波長が変動したときの対物レンズの球面収差図である。
符号の説明
10 光源
20 コリメートレンズ
30 対物レンズ
30a 回折構造

Claims (23)

  1.  保護層が薄く記録密度が高い第一の光ディスクに対する記録または再生時に用いる第一の光束と、第一の光ディスクより保護層が厚く記録密度が低い第二の光ディスクに対する記録または再生時に用いる第二の光束とを照射する光源部と、
     波長に依存して球面収差が変化する特性を有する回折構造を利用することにより、第一の光ディスクと第二の光ディスクの互換性を有する対物レンズと、
     前記光源部から照射された各光束を略平行光束に変換して前記対物レンズに入射させるコリメートレンズと、を有し、
     第一の光ディスクに対する記録または再生時に、前記光源の個体差による、該第一光束の波長の設計波長に対するずれに起因して発生する球面収差の変化を、前記コリメートレンズから射出される光束の平行度の調整によって補正することを特徴とする光ディスク用光学系。
  2.  請求項1に記載の光学系において、
     前記回折構造は、前記光源部の射出光の波長の変化に依存して変化するような波長依存性を持つ球面収差を生成し、
     温度変化に伴う前記対物レンズの形状および、あるいは屈折率の変化に起因する球面収差の変化を、該温度変化に伴う前記光源部の射出光の波長の変化に応じて前記回折構造によって生成される球面収差の変化により補正するよう構成されたことを特徴とする光ディスク用光学系。
  3.  請求項1または請求項2に記載の光ディスク用光学系において、
     前記対物レンズは、前記第一の光ディスクに対する記録または再生時に前記第一の光束の波長の設計波長に対するずれによって3次の球面収差が最も大きく変化するように構成されることを特徴とする光ディスク用光学系。
  4.  請求項3に記載の光ディスク用光学系において、
     前記対物レンズは、前記第一の光ディスクに対する記録または再生時に前記第一の光束の波長の設計波長に対するずれによって変化する5次以上の各球面収差の変化量がそれぞれ前記3次の球面収差の変化量の1/5以下であるように構成されることを特徴とする光ディスク用光学系。
  5.  請求項1から請求項4のいずれかに記載の光ディスク用光学系において、
     前記対物レンズは、前記第一の光ディスクに対する記録または再生時に前記第一の光束の波長の設計波長に対するずれによって変化する5次以上の各球面収差が、それぞれ0.0005λrms/nm以下であることを特徴とする光ディスク用光学系。
  6.  請求項1から請求項5のいずれかに記載の光ディスク用光学系は、
     前記コリメートレンズから射出される光束の平行度を前記第二の光束の波長も考慮して設定することを特徴とする光ディスク用光学系。
  7.  請求項1から請求項6のいずれかに記載の光ディスク用光学系において、
     前記光源部は、前記第一の光束を照射する第一光源と前記第二の光束を照射する第二光源とが一体に形成されていることを特徴とする光ディスク用光学系。
  8.  請求項7に記載の光ディスク用光学系において、
     前記対物レンズから射出された前記第一の光束が前記第一の光ディスクの記録面位置に最良の状態で収束するよう、前記平行度を設定することを特徴とする光ディスク用光学系。
  9.  請求項7に記載の光ディスク用光学系において、
     光路上、前記対物レンズから射出された前記第一の光束が前記第一の光ディスクの記録面位置に最良の状態で収束する位置と、前記対物レンズから射出された前記第二の光束が前記第二の光ディスクの記録面位置に最良の状態で収束する位置との間における任意の位置に前記コリメートレンズを配置することにより前記平行度を設定することを特徴とする光ディスク用光学系。
  10.  請求項1から請求項6のいずれかに記載の光ディスク用光学系において、
     前記光源部は、前記第一の光束を照射する第一光源と前記第二の光束を照射する第二光源とが別個独立して配置されていることを特徴とする光ディスク用光学系。
  11.  請求項10に記載の光ディスク用光学系において、
     前記対物レンズから射出された前記第一の光束が前記第一の光ディスクの記録面位置に最良の状態で収束する位置であって、かつ前記対物レンズから射出された前記第二の光束が前記第二の光ディスクの記録面位置に最良の状態で収束する位置に前記コリメートレンズが配置されるように、前記第一の光源と前記コリメートレンズとの間隔および第二光源と前記コリメートレンズとの間隔を調整することにより前記平行度を設定することを特徴とする光ディスク用光学系。
  12.  波長に依存して球面収差が変化する特性を有する回折構造を利用することにより、保護層が薄く記録密度が高い第一の光ディスクと第一の光ディスクより保護層が厚く記録密度が低い第二の光ディスクとの互換性を有する対物レンズを用いた光ディスク用光学系において、
     前記対物レンズは、前記第一の光ディスクに対する記録または再生時に光源から照射される前記第一の光ディスク用の光束の発振波長の変化によって3次の球面収差が最も大きく変化するように構成されることを特徴とする光ディスク用光学系。
  13.  請求項12に記載の光ディスク用光学系において、
     前記対物レンズは、第一の光ディスクに対する記録または再生時に前記第一の光ディスク用の光束の波長の変化によって変化する5次以上の各球面収差の変化量がそれぞれ前記3次の球面収差の変化量の1/5以下であることを特徴とする光ディスク用光学系。
  14.  請求項12または請求項13に記載の光ディスク用光学系において、
     前記対物レンズは、第一の光ディスクに対する記録または再生時に前記第一の光ディスク用の光束の波長の変化によって変化する5次以上の各球面収差が、それぞれ0.0005λrms/nm以下であることを特徴とする光ディスク用光学系。
  15.  請求項1から請求項14のいずれかに記載の光ディスク用光学系において、
     前記対物レンズは、前記第一の光ディスクに対する開口数が0.63以上であることを特徴とする光ディスク用光学系。
  16.  請求項1から請求項15のいずれかに記載の光ディスク用光学系を備え、前記第一の光ディスクあるいは前記第二の光ディスクに対する記録または再生を行うことを特徴とする光ディスクヘッド装置。
  17.  波長に依存して球面収差が変化する特性を有する回折構造を利用することにより、保護層が薄く記録密度が高い第一の光ディスクと第一の光ディスクより保護層が厚く記録密度が低い第二の光ディスクとのそれぞれの記録面位置に、異なる波長の光束を収束させる光ディスク用対物レンズであって、
     前記第一の光ディスクに対する記録または再生時に、光源から照射される前記第一の光ディスク用の光束の発振波長の変化によって3次の球面収差が最も大きく変化することを特徴とする光ディスク用対物レンズ。
  18.  請求項17に記載の光ディスク用対物レンズにおいて、
     前記光束の発振波長の変化は、前記光源の個体差による波長のずれも含むことを特徴とする光ディスク用対物レンズ。
  19.  請求項17または請求項18に記載の光ディスク用対物レンズは、さらに、
     前記第一の光ディスクに対する記録または再生時に、前記第一の光ディスク用の光束の波長の変化によって変化する5次以上の各球面収差の変化量がそれぞれ前記3次の球面収差の変化量の1/5以下であることを特徴とする光ディスク用対物レンズ。
  20.  請求項17から請求項19のいずれかに記載の光ディスク用対物レンズは、さらに、
     前記第一の光ディスクに対する記録または再生時に、前記DVD用の光束の波長の変化によって変化する5次以上の各球面収差がそれぞれ0.0005λrms/nm以下であることを特徴とする光ディスク用対物レンズ。
  21.  波長に依存して球面収差が変化する特性を有する回折構造を利用することにより、保護層が薄く記録密度が高い第一の光ディスクと第一の光ディスクより保護層が厚く記録密度が低い第二の光ディスクとのそれぞれの記録面位置に光束を収束させる光ディスク用対物レンズであって、
     前記第一の光ディスクに対する記録または再生時に、光源から照射される前記第一の光ディスク用の光束の発振波長の変化によって3次の球面収差が最も大きく変化し、かつ5次以上の各球面収差の変化量がそれぞれ前記3次の球面収差の変化量の1/5以下であり、かつ該5次以上の各球面収差はそれぞれ0.0005λrms/nm以下であることを特徴とする光ディスク用対物レンズ。
  22.  保護層が薄く記録密度が高い第一の光ディスクに対する記録または再生時に用いる第一の光束と、第一の光ディスクより保護層が厚く記録密度が低い第二の光ディスクに対する記録または再生時に用いる第二の光束とを照射する光源部と、
     前記光源から照射された各光束を略平行光束に変換するコリメートレンズと、 波長に依存して球面収差が変化する特性を有する回折構造を利用することにより、前記第一の光ディスクと前記第二の光ディスクとの互換性を有する対物レンズと、を有し、
     前記光源の個体差による波長変化に起因する球面収差の変化は、前記対物レンズの特性と、前記コリメートレンズから射出される光束の平行度の調整とによって補正し、
     温度変化に起因する球面収差は、前記回折構造の特性によって補正することを特徴とする光ディスク用光学系。
  23.  保護層が薄く記録密度が高い第一の光ディスクに対する記録または再生時に用いる第一の光束と、第一の光ディスクより保護層が厚く記録密度が低い第二の光ディスクに対する記録または再生時に用いる第二の光束とを照射する光源部と、該光源部から照射された各光束を略行光束に変換するコリメートレンズと、を備えた光ディスク用光学系に用いられる対物レンズであって、
     前記対物レンズは、前記第一の光ディスクに対する記録または再生時に、該光源の個体差による、該第一光束の波長の設計波長に対するずれに起因する球面収差の変化を、前記コリメートレンズの位置を調整することにより調整される入射光束の平行度によって補正するよう構成されると共に、前記第一の光ディスクと前記第二の光ディスクとの保護層の厚みの差異に起因する球面収差の変化を、該第1の光束と第2の光束との切替により変化する球面収差により相殺するような、波長依存性を有する球面収差を生成する回折レンズ構造を備え、
     該回折レンズ構造は、さらに温度の変化に伴う対物レンズの形状および、あるいは屈折率の変化に起因する球面収差の変化を、温度変化に伴う前記光源部の射出光の波長の変化に起因する球面収差の変化により補正するような波長依存性を有することを特徴とする光ディスク用対物レンズ。
JP2003296706A 2002-08-21 2003-08-20 光ディスク用光学系および光ディスク用ヘッド装置 Pending JP2004103216A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003296706A JP2004103216A (ja) 2002-08-21 2003-08-20 光ディスク用光学系および光ディスク用ヘッド装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002240517 2002-08-21
JP2003296706A JP2004103216A (ja) 2002-08-21 2003-08-20 光ディスク用光学系および光ディスク用ヘッド装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004103216A true JP2004103216A (ja) 2004-04-02

Family

ID=32301095

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003296706A Pending JP2004103216A (ja) 2002-08-21 2003-08-20 光ディスク用光学系および光ディスク用ヘッド装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004103216A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009176381A (ja) * 2007-01-29 2009-08-06 Hoya Corp 光ピックアップ用対物レンズ
WO2010071125A1 (ja) * 2008-12-17 2010-06-24 コニカミノルタオプト株式会社 対物光学素子及び光ピックアップ装置
JP2010153006A (ja) * 2008-12-26 2010-07-08 Konica Minolta Opto Inc 対物光学素子及び光ピックアップ装置
US8223442B2 (en) 2007-01-29 2012-07-17 Hoya Corporation Objective lens for optical pick-up

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009176381A (ja) * 2007-01-29 2009-08-06 Hoya Corp 光ピックアップ用対物レンズ
US8223442B2 (en) 2007-01-29 2012-07-17 Hoya Corporation Objective lens for optical pick-up
WO2010071125A1 (ja) * 2008-12-17 2010-06-24 コニカミノルタオプト株式会社 対物光学素子及び光ピックアップ装置
US8339923B2 (en) 2008-12-17 2012-12-25 Konica Minolta Opto, Inc. Objective optical element and optical pickup device
JP5136810B2 (ja) * 2008-12-17 2013-02-06 コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 光ピックアップ装置
US8472301B2 (en) 2008-12-17 2013-06-25 Konica Minolta Opto, Inc. Objective optical element and optical pickup device
JP2010153006A (ja) * 2008-12-26 2010-07-08 Konica Minolta Opto Inc 対物光学素子及び光ピックアップ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3689266B2 (ja) 光ヘッド用対物レンズ
JP4060007B2 (ja) 光ディスク装置の光学系
JPWO2005101393A1 (ja) 光ピックアップ装置用の対物光学系、光ピックアップ装置、光情報記録媒体のドライブ装置、集光レンズ、及び光路合成素子
JP2004005943A (ja) 記録再生用光学系、対物レンズ、収差補正用光学素子、光ピックアップ装置、及び記録再生装置
JPWO2010013616A1 (ja) 対物レンズ及び光ピックアップ装置
JP2005353261A (ja) 光ピックアップ装置
US7411884B2 (en) Optical system with objective lens having diffraction structure
JP2007334952A (ja) 光情報記録再生装置用対物レンズ
JP4148520B2 (ja) 光ピックアップ用対物レンズおよび光ピックアップ装置
JP2001297479A (ja) 対物レンズ装置及びこれを採用した光ピックアップ装置
JP3634736B2 (ja) 光ヘッド用対物レンズおよび光ヘッドの光学系
JP4205886B2 (ja) 光ヘッド用対物レンズ、これを用いた光ヘッドおよび光ディスク装置
JP2000260056A (ja) 複合対物レンズ,球面収差補正素子及び光情報記録再生装置
JP4274429B2 (ja) 光ピックアップ用対物レンズおよび光ピックアップ装置
JP4328562B2 (ja) 光ピックアップ用対物レンズおよび光ピックアップ装置
JP2001216674A (ja) 光ヘッド用対物レンズ
JP4849979B2 (ja) 光情報記録再生装置用対物レンズおよび光情報記録再生装置
JP2003156681A (ja) 光ヘッドの光学系および光ヘッド用対物レンズ
JP2004103216A (ja) 光ディスク用光学系および光ディスク用ヘッド装置
JP4789169B2 (ja) 色収差補正用光学素子、光学系、光ピックアップ装置及び記録・再生装置
JP2001155369A (ja) 光情報記録再生装置の光学系
JP4384555B2 (ja) 光ピックアップ用対物レンズおよび光ピックアップ装置
JP4488334B2 (ja) 光ディスク用対物レンズ
JP4504875B2 (ja) 光ピックアップ用対物レンズおよび光ピックアップ装置
JP2002175639A (ja) 光ヘッドの光学系および光ヘッド用対物レンズ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060706

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20080424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090212

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090409

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091209