JP2003156681A - 光ヘッドの光学系および光ヘッド用対物レンズ - Google Patents
光ヘッドの光学系および光ヘッド用対物レンズInfo
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Abstract
き、軸外の収差特性が良好であり、保護層の厚い光ディ
スクに対しても十分な作動距離を確保できる光ヘッドの
光学系を提供することを課題とする。 【解決手段】 光学系は、第1、第2のレーザーモジュ
ール21,22、コリメートレンズ24、対物レンズ1
0を有する。第1のレーザーモジュールの発光点は、コ
リメートレンズの焦点に一致し、第1のレーザー光は平
行光として対物レンズに入射する。第2のレーザーモジ
ュールの発光点は、コリメートレンズの焦点よりも対物
レンズに近接し、第2のレーザー光は発散光として対物
レンズに入射する。保護層の厚さの違いにより発生する
球面収差の一部を発散度の違いにより補正する。対物レ
ンズのレンズ面11には回折レンズ構造が形成され、そ
の波長依存性を利用して保護層の厚さの違いによる球面
収差の残部を補正する。
Description
異なる複数種類の光ディスクに対する記録/再生が可能
な光ヘッドの光学系に関し、特に対物レンズに回折レン
ズ構造が形成された光学系に関する。
複数の規格が存在する。例えば、CD(コンパクトディ
スク)、CD−Rの保護層の厚さは1.2mmであるのに対
し、DVD(デジタルバーサタイルディスク)の保護層の
厚さは0.60mmである。このため、ターンテーブル上の光
ディスクを規格が異なる他の光ディスクに交換すると、
記録面の位置が光軸方向に移動することになり、光ヘッ
ドは集光位置を光軸方向に移動させる必要がある。
光源部からの光束を光ディスクの保護層を介して記録面
に集光させる対物レンズ、光ディスクからの反射光を受
光して信号を検出する受光部とから構成される。複数の
規格の光ディスクに対応可能な光ヘッドには、規格に応
じて複数の独立した光学系を有するものもあるが、小型
化のためにはできるだけ光学素子の数を削減することが
望ましく、少なくとも対物レンズは複数の規格について
共用されることが望ましい。
は、規格が異なる光ディスクに交換する際に、対物レン
ズを光軸方向に移動させれば、近軸的な集光位置を移動
させることはできる。ただし、保護層の厚さが変化する
と球面収差が変化するため、単に対物レンズを移動させ
るのみでは、少なくとも一方の光ディスクに対してはレ
ーザー光の波面が乱れ、スポットを必要な径に収束させ
ることができず、情報の記録/再生が不可能となる。例
えば、DVDの使用時に球面収差が補正されるよう設計
された対物レンズをCDの再生に利用すると、対物レン
ズを光軸方向に移動させることにより近軸的な集光位置
を記録面に一致させたとしても、球面収差が過度にオー
バーになり、情報の再生は不可能となる。
物レンズの結像倍率を変化させ、これにより保護層の厚
さの違いにより発生する球面収差を補正する手段が知ら
れている。この場合、CD用の発光点から対物レンズま
での距離を、DVD用の発光点から対物レンズまでの距
離より短くし、CD用のレーザー光を発散光、DVD用
のレーザー光を平行光として対物レンズに入射させれば
よい。
を形成し、その球面収差の波長依存性を利用することに
より、保護層の厚さの違いにより発生する球面収差を補
正する手段も知られている。
ように保護層の厚さの違いにより発生する球面収差を補
正するために対物レンズの結像倍率を変化させると、C
D、DVDの少なくともいずれかに対して、軸外の収差
特性が悪くなり、組み付け時の位置や角度の誤差、ある
いは、トラッキング時のレンズシフトにより軸外光を利
用せざるを得ない場合に、主としてコマ収差を含む大き
な収差が発生する。
合いを変化させずに回折レンズ構造を利用して球面収差
を補正する場合には、いずれの光ディスクの利用時にも
バックフォーカスが殆ど変化しないため、保護層の厚い
第2の光ディスクを利用する際の作動距離が短くなると
いう問題がある。
鑑みなされたもので、一つの対物レンズでDVDとC
D、CD−Rのような保護層の厚さが異なる光ディスク
の記録/再生が可能で、軸外の収差特性が良好であり、
かつ、保護層の厚い光ディスクに対しても十分な作動距
離を確保することができる光ヘッドの光学系およびこの
うような光学系に利用される対物レンズを提供すること
を目的とする。
ドの光学系は、上記の目的を達成させるため、第1のレ
ーザー光と該第1のレーザー光より波長が長い第2のレ
ーザー光とを選択的に発する光源部と、第1のレーザー
光を第1の光ディスクの保護層を介して記録面上に集光
させると共に、第2のレーザー光を第1の光ディスクよ
り保護層が厚く記録密度が低い第2の光ディスクの記録
面上に集光させる対物レンズとを備える構成において、
光源部は、第2のレーザー光を第1のレーザー光より大
きな発散度で対物レンズに対して入射させることによ
り、保護層の厚さの違いにより発生する球面収差の一部
を補正し、対物レンズのレンズ面のうち少なくとも一方
の面に、第2の光ディスクに必要充分な低NAの光束が透
過する内側領域と、第1の光ディスクに対して必要な高
NAの光束が透過する外側領域とに区分され、少なくとも
内側領域に、波長により球面収差を変化させる回折レン
ズ構造を設けることにより、保護層の厚さの違いにより
発生する球面収差の残部を、レーザー光の波長の切り換
えにより補正することを特徴とする。
物レンズの結像倍率を異ならせることにより補正される
球面収差は、保護層の厚さの違いにより発生する球面収
差の一部であり、残部は回折レンズ構造の持つ波長依存
性により補正される。このため、発散度を異ならせるこ
とによる軸外の収差の劣化を小さく抑えることができ
る。また、第2の光ディスクは保護層が厚いため、作動
距離が小さくなりがちであるが、上記のように第2のレ
ーザー光の発散度を大きくすることにより、第2のレー
ザー光利用時のバックフォーカスを長くすることがで
き、第1,第2の光ディスクに対する作動距離の変化を
小さくすることができる。
た発散度を持つ第1のレーザー光を、第2の光ディスク
に入射させた際の内側領域の有効径端での球面収差残存
量をΔSA(単位:mm)、第1のレーザー光の波長での
対物レンズの焦点距離をf1(単位:mm)、内側領域の
最大径をφ2(単位:mm)として、以下の条件(1)、 0.01<ΔSA・(f1/φ2)2<0.03 …(1) を満たすことが望ましい。
加量を、光軸からの高さh、n次(偶数次)の光路差関数
係数Pn、回折次数k、波長λを用いて、 φ(h)=(P2h2+P4h4+P6h6+…)×k×λ により定義される光路差関数φ(h)により表したとき、
内側領域に形成された回折レンズ構造を定義する4次の
係数をP4、第1のレーザー光の波長での対物レンズの
焦点距離をf1(単位:mm)として、以下の条件(2)、 −60<(P4・f1 4)/k<−180 …(2) を満たすことが望ましい。
物レンズの結像倍率をm1、第2の光ディスクを利用す
る際の対物レンズの結像倍率をm2として、以下の条件
(3)、 0.02<(m1−m2)・f1<0.15 …(3) を満たすことが望ましい。
の光学系の実施形態を説明する。図1は、実施形態にか
かる光ヘッドの光学系を示す説明図である。
21、第2のレーザーモジュール22、ビームコンバイ
ナ23、コリメートレンズ24、対物レンズ10で構成
されている。各モジュール21,22は、半導体レーザ
ーとセンサーとを一体化した素子である。
スクであるDVDを使用するためには、小さいビームス
ポットを作るために波長635〜665nmの赤色光が
必要とされ、1.2mmの保護層を有し、記録密度が第
1の光ディスクより低い第2の光ディスクのうち、少な
くともCD−Rを使用するためには、その分光反射率の
関係で波長780nm近傍の近赤外光が必要となる。そ
こで、第1のレーザーモジュール21は、発振波長66
0nmの半導体レーザーを備え、第2のレーザーモジュ
ール22は、発振波長780nmの半導体レーザーを備
える。
使用時には、第1のレーザーモジュール21を作動させ
る。第1のレーザーモジュール21の発光点は、コリメ
ートレンズの焦点に一致しており、第1のレーザーモジ
ュール21の半導体レーザーから発した波長660nm
の第1のレーザー光は、図中実線で示したようにコリメ
ートレンズ24により平行光とされ、図1中に実線で示
した位置に配置され対物レンズ10に入射する。対物レ
ンズ10は、入射した光束を収束させて第1の光ディス
クD1の記録面にビームスポットを形成する。
す)の使用時には、第2のレーザーモジュール22を作
動させる。第2のレーザーモジュール22の発光点は、
コリメートレンズ24の焦点よりも対物レンズ10に近
接して位置しており、第2のレーザーモジュール22の
半導体レーザーから発した波長780nmの第2のレー
ザー光は、図中破線で示したようにコリメートレンズ2
4を介して発散光となり、図中破線で示したように光デ
ィスクに近づいた位置に配置された対物レンズ10に入
射する。対物レンズ10は、入射した光束を収束させて
第2の光ディスクD2の記録面にビームスポットを形成
する。
ルに設けられた受光素子により受光され、フォーカシン
グエラー信号、トラッキングエラー信号、そして再生時
には記録された情報の再生信号が検出される。
1の光ディスク使用時より発散度の大きい光束を入射さ
せることにより、第1,第2の光ディスクの保護層の厚
さの違いにより発生する球面収差の一部を補正すること
ができる。また、第2の光ディスク使用時のバックフォ
ーカスを長くして、ビームスポットの位置を対物レンズ
10から離すことができ、保護層の厚さが厚いために小
さくなりがちな第2の光ディスクD2に対する作動距離
を十分に確保することが可能となる。
造について詳細に説明する。図2は、実施形態の光ヘッ
ドに利用される対物レンズ10を示す説明図であり、
(A)は正面図、(B)は縦断面図、(C)は縦断面の一部拡
大図である。
ンズ面11,12を有する両凸の樹脂製単レンズであ
る。対物レンズ10の第1面11は、図2(A)に示すよ
うに、記録密度の低い第2の光ディスクD2に必要充分
な低NAの光束が透過する内側領域RCと、この内側領域
RCの周囲に位置し、記録密度の高い第1の光ディスク
D1に対して必要な高NAの光束が透過する外側領域RP
とに区分される。内側領域RCは、おおよそNA0.45〜0.
50の光束が透過する位置より内側の領域であり、外側領
域RPは、それより外側でおおよそNA0.60の光束が透過
する位置より内側の領域である。
域RPには、図2(A)に示したように光軸を中心とする
同心輪帯状の回折レンズ構造が形成されている。回折レ
ンズ構造は、図2(C)に示す通り、フレネルレンズのよ
うに各輪帯の境界に光軸方向の段差を持つ。第2面12
の全域は、回折レンズ構造を持たない連続面である。
は、入射光の波長が長波長側に変化した際に、球面収差
が補正不足となる方向に変化する球面収差特性を有して
いる。光ディスク光学系の球面収差は、ディスク厚が厚
くなるとより補正過剰となる方向に変化する。一方、薄
保護層型ディスクD1については短波長、厚保護層型光
ディスクD2については長波長のレーザー光が用いられ
る。
長が長波長に変化した場合に球面収差が補正不足となる
方向に変化する特性を持たせることにより、ディスク厚
により補正過剰となる球面収差を、回折レンズ構造の補
正不足方向の球面収差を利用して打ち消すことができ
る。ここでは、対物レンズに入射する光束の発散度、す
なわち対物レンズの結像倍率を変化させることにより、
保護層の厚さの違いにより発生する球面収差の一部を補
正しているため、その残部を回折レンズ構造により補正
すればよい。
ズ構造は、波長により球面収差を変化させる特性を有
し、第1のレーザー光を第1の光ディスクに集光させる
際には球面収差を良好に補正し、第2のレーザー光を第
2の光ディスクに集光させる際には球面収差を発生させ
る。
時には、内側領域RC、外側領域RPに入射した第1の
レーザー光が共に同一の位置に集光し、NAが比較的大
きくなるためにスポット径を小さく絞ることができる。
他方、第2の光ディスクD2の使用時には、外側領域R
Pに入射した第2のレーザー光は拡散し、内側領域RC
に入射したレーザー光のみがビームスポットを形成する
ため、NAが実質的に小さくなり、スポット径が第1の
レーザー光によるスポット径より大きくなる。
ィスクに対して設定された発散度を持つ第1のレーザー
光を、第2のレーザー光に入射させた際の内側領域の有
効径端での球面収差残存量をΔSA(単位:mm)、第1
のレーザー光の波長での対物レンズの焦点距離をf1(単
位:mm)、内側領域の最大径をφ2(単位:mm)とし
て、以下の条件(1)、 0.01<ΔSA・(f1/φ2)2<0.03 …(1) を満たす。
倍率を変化させることによる球面収差の補正量を規定し
ている。屈折レンズでは、第1の光ディスク用のレーザ
ー光と、第2の光ディスク用のレーザー光との波長差に
より生じる球面収差は小さいため、第1の光ディスクに
対して球面収差が補正された光学系で第2の光ディスク
を利用する際に発生する球面収差の量は、ほぼ保護層の
厚さの差と開口数NAとで決まる。この球面収差を、発
光点の距離を変化させることにより完全に補正すると、
第2の光ディスク用の結像倍率で、すなわち、第2のレ
ーザー光の発光点から第1のレーザー光の波長の光束を
発しても、球面収差は補正される。
さの変化により発生する球面収差を完全に補正すると、
前述のように軸外特性が非常に悪くなる。そこで、発光
点の距離変化で球面収差をすべてを補正せず、回折レン
ズ構造に補正効果を分担させ、両者の効果を合わせて球
面収差を補正するようにしている。このように発光点の
距離変化で球面収差の一部のみを補正する設定では、第
2の光ディスク用の結像倍率で第1のレーザー光を入射
させると、球面収差が残存する。条件(1)は、その残存
球面収差量の適切な範囲を示している。条件(1)を満た
す場合には、第1,第2の光ディスクの双方に対して良
好な軸外特性を保つことができる。
された回折レンズ構造による光路長の付加量は、光軸か
らの高さh、n次(偶数次)の光路差関数係数Pn、回折
次数k、波長λを用いて、 φ(h)=(P2h2+P4h4+P6h6+…)×k×λ により定義される光路差関数φ(h)により表すことがで
きる。光路差関数φ(h)は、回折面上での光軸からの高
さhの点において、回折レンズ構造により回折されなか
った場合の仮想的な光線と、回折レンズ構造により回折
された光線との光路差を示す。この表現形式では回折次
数を正とした場合、2次の項の係数P2が負の時に近軸
的に正のパワーを持ち、4次の項の係数P4が正の時に
周辺に向かって負のパワーが漸増することとなる。
の光路差関数で表わされる光路長から波長の整数倍の成
分を消去することにより決定される。すなわち、輪帯幅
は、例えば1次回折光を用いる場合には、輪帯の内周と
外周とで光路差関数が一波長分の差を持つように決定さ
れ、輪帯間の段差は、入射光に1波長の光路長差を与え
るように決定される。
領域RCと外側領域RPとで異なる作用を持つ回折レン
ズ構造を有しているため、それぞれの回折レンズ構造
は、それぞれ異なる係数を有する異なる光路差関数によ
り定義される。
成された回折レンズ構造は、光路差関数の4次の係数を
P4、第1のレーザー光の波長での対物レンズ10の焦
点距離をf1(単位:mm)として、以下の条件(2)、 −60<(P4・f1 4)/k<−180 …(2) を満たしている。
差の補正効果を規定する。補正すべき3次の球面収差
は、入射高さの4乗に比例した光路差で補正できるた
め、光路差関数の4次の係数を条件(2)を満たす適切な
範囲に設定することにより補正することができる。
光ヘッドの光学系は、第1の光ディスクを利用する際の
対物レンズの結像倍率をm1、第2の光ディスクを利用
する際の対物レンズの結像倍率をm2として、以下の条
件(3)、 0.02<(m1−m2)・f1<0.15 …(3) を満たしている。
率の変化として規定した式で、第1の光ディスクを利用
する際の対物レンズの結像倍率と、第2の光ディスクを
利用する際の対物レンズの結像倍率との差を条件(3)
を満たす適切な範囲に設定することにより第1,第2の
光ディスクの双方に対して良好な軸外特性を保つことが
できる。次に、上述した実施形態に基づく光ヘッドの光
学系、特に対物レンズ10の具体的な実施例を4例提示
する。
系に含まれる対物レンズ10と第1の光ディスクD1、
第2の光ディスクD2とを示すレンズ図である。実施例
1の対物レンズ10の具体的な数値構成は、表1に示さ
れている。実施例1の対物レンズ10の第1面11は、
光軸からの高さhが0≦h<1.20を満たす内側領域RCと
1.20≦hとなる外側領域RPとに区分され、各領域にそ
れぞれ異なる光路差関数で定義される回折レンズ構造が
形成されている。内側領域RCと外側領域RPのベース
カーブ(回折レンズ構造を除く屈折レンズとしての形状)
とは別個の係数で定義される独立した回転対称非球面で
ある。また、第2面12は回折レンズ構造を有さない回
転対称非球面である。
がhとなる非球面上の座標点の非球面の光軸上での接平
面からの距離(サグ量)をX(h)、非球面の光軸上での曲
率(1/r)をC、円錐係数をK、4次、6次、8次、10
次、12次の非球面係数をA4,A 6,A8,A10,A12として、以
下の式で表される。 X(h)=Ch2/(1+√(1-(1+κ)C2h2))+A4h4+A6h6+A8h8+A10h
10+A12h12
側領域RPのベースカーブ、第2面のそれぞれの曲率半
径r、非球面係数、第1のレーザー光の波長を基準にし
た回折レンズ構造を定義する各係数、第1,第2の光デ
ィスク利用時の主な回折次数k1、k2、各回折次数
k1、k2における回折効率E1,E2、面間隔d、d線の
屈折率nd、アッベ数νdが示されている。表中、NA1、
f1、OD1、WD1、φ1は、それぞれ第1の光ディスクD1使
用時の開口数、対物レンズの焦点距離(単位:mm)、物体
距離(単位:mm)、作動距離(単位:mm)、有効開口径(単位:
mm)であり、NA2、OD 2、WD2、φ2は、それぞれ第2の光
ディスクD2使用時の開口数、物体距離、作動距離、有
効開口径である。物体距離は、光源(あるいは、対物レ
ンズから見たときの光源の像)から対物レンズ第1面ま
での距離であり、対物レンズへ入射する光束が発散光な
らば正、収束光ならば負となる。なお、第1,第2の光
ディスクの保護層のd線の屈折率は1.5855、アッベ数は
29.9である。
系により第1の光ディスクを利用した場合の波面収差図
である。縦軸は、波面収差のRMS値(単位:波長)、横
軸は、光ディスクの記録面上での像高(光軸との交点か
らの距離)である。また、図5は、実施例1の光ヘッド
の光学系により第2の光ディスクを利用した場合の波面
収差図である。いずれの場合も、軸外の波面収差が低く
抑えられており、軸外特性の劣化が抑えられている。
は、回折次数k、波長λ、屈折率nとして、k・λ/
(n−1)により求められる。内側領域RCの回折レン
ズ構造は、第1のレーザー光の波長と当該波長における
屈折率により求められる段差量と、第2のレーザー光の
波長と当該波長における屈折率により求められる段差量
との中間的な値となるよう各段差量が定められている。
これにより、いずれの光ディスクに対しても同一の次数
で高い回折効率を得ることができる。一方、外側領域R
Pでは、第1の光ディスクの利用時に100%の回折効
率が得られるように段差量が定められる。このとき、第
1のレーザー光に対して高い次数の回折効率を100%
とするように設定すると、第2の光ディスクの利用時に
は異なる次数の回折効率を高めることができる。次数が
異なる回折光は、発散収束度合いが互いに異なるため、
第2の光ディスクの利用時に外側領域に入射したレーザ
ー光は、内側領域に入射したレーザー光により形成され
るスポットとは異なる位置に達する。第2の光ディスク
の利用時には、スポットが必要以上に小さくなるのを避
けるために絞りが必要になるが、上記の設定によれば、
対物レンズ自身に絞りとしての機能を持たせることがで
きる。
と第1の光ディスクD1、第2の光ディスクD2とを示す
レンズ図である。実施例2の対物レンズ10の具体的な
数値構成は、表2に示されている。
の光学系によりそれぞれ第1の光ディスク、第2の光デ
ィスクを利用した場合の波面収差図である。いずれの場
合も、軸外の波面収差が低く抑えられており、軸外特性
の劣化が抑えられている。
と第1の光ディスクD1、第2の光ディスクD2とを示す
レンズ図である。実施例2の対物レンズ10の具体的な
数値構成は、表3に示されている。
ッドの光学系によりそれぞれ第1の光ディスク、第2の
光ディスクを利用した場合の波面収差図である。いずれ
の場合も、軸外の波面収差が低く抑えられており、軸外
特性の劣化が抑えられている。
0と第1の光ディスクD1、第2の光ディスクD2とを示
すレンズ図である。実施例4の対物レンズ10の具体的
な数値構成は、表4に示されている。
ッドの光学系によりそれぞれ第1の光ディスク、第2の
光ディスクを利用した場合の波面収差図である。いずれ
の場合も、軸外の波面収差が低く抑えられており、軸外
特性の劣化が抑えられている。
ないし(3)との関係を示す。いずれの実施例も条件(1)
ないし(3)を満たしており、光ディスクの保護層の厚さ
の変化に基づく球面収差を良好に補正することができ、
かつ、保護層の厚い第2の光ディスクの利用時にも十分
な作動距離を確保することができる。
ば、保護層の厚さの違いに起因する球面収差の変化を、
対物レンズに入射する光束の発散度の変化と、回折レン
ズ構造の球面収差の変化とにより打ち消すことができ
る。発散度合いの変化による補正効果を一部に限ること
により、軸外性能の劣化を抑えつつ、球面収差を補正で
き、かつ、発散度合いを変化させることにより保護層の
厚い第2の光ディスクに対しても十分な作動距離を確保
することができる。
明図である。
を示す説明図であり、(A)は正面図、(B)は縦断面図、
(C)は縦断面の一部拡大図である。
第1,第2の光ディスクとを示すレンズ図である。
ディスクを利用した際の波面収差を示すグラフである。
ディスクを利用した際の波面収差を示すグラフである。
第1,第2の光ディスクとを示すレンズ図である。
ディスクを利用した際の波面収差を示すグラフである。
ディスクを利用した際の波面収差を示すグラフである。
第1,第2の光ディスクとを示すレンズ図である。
光ディスクを利用した際の波面収差を示すグラフであ
る。
光ディスクを利用した際の波面収差を示すグラフであ
る。
と第1,第2の光ディスクとを示すレンズ図である。
光ディスクを利用した際の波面収差を示すグラフであ
る。
光ディスクを利用した際の波面収差を示すグラフであ
る。
10)
加量を、光軸からの高さh、n次(偶数次)の光路差関数
係数Pn、回折次数k、波長λを用いて、 φ(h)=(P2h2+P4h4+P6h6+…)×k×λ により定義される光路差関数φ(h)により表したとき、
内側領域に形成された回折レンズ構造を定義する4次の
係数をP4、第1のレーザー光の波長での対物レンズの
焦点距離をf1(単位:mm)として、以下の条件(2)、 −180<(P4・f1 4)/k<−60…(2) を満たすことが望ましい。
成された回折レンズ構造は、光路差関数の4次の係数を
P4、第1のレーザー光の波長での対物レンズ10の焦
点距離をf1(単位:mm)として、以下の条件(2)、 −180<(P4・f1 4)/k<−60…(2) を満たしている。
Claims (10)
- 【請求項1】 第1のレーザー光と該第1のレーザー光
より波長が長い第2のレーザー光とを選択的に発する光
源部と、前記第1のレーザー光を第1の光ディスクの保
護層を介して記録面上に集光させると共に、前記第2の
レーザー光を前記第1の光ディスクより保護層が厚く記
録密度が低い第2の光ディスクの記録面上に集光させる
対物レンズとを備える光ヘッドの光学系において、 前記光源部は、前記第2のレーザー光を前記第1のレー
ザー光より大きな発散度で前記対物レンズに対して入射
させることにより、前記保護層の厚さの違いにより発生
する球面収差の一部を補正し、 前記対物レンズのレンズ面のうち少なくとも一方の面
に、前記第2の光ディスクに必要充分な低NAの光束が透
過する内側領域と、前記第1の光ディスクに対して必要
な高NAの光束が透過する外側領域とに区分され、少なく
とも前記内側領域に、波長により球面収差を変化させる
回折レンズ構造を設けることにより、前記保護層の厚さ
の違いにより発生する球面収差の残部を、レーザー光の
波長の切り換えにより補正することを特徴とする光ヘッ
ドの光学系。 - 【請求項2】 前記第2の光ディスクに対して設定され
た発散度を持つ前記第1のレーザー光を、前記第2の光
ディスクに入射させた際の前記内側領域の有効径端での
球面収差残存量をΔSA(単位:mm)、前記第1のレー
ザー光の波長での前記対物レンズの焦点距離をf1(単
位:mm)、前記内側領域の最大径をφ2(単位:mm)と
して、以下の条件(1)、 0.01<ΔSA・(f1/φ2)2<0.03 …(1) を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光ヘッドの
光学系。 - 【請求項3】 回折レンズ構造による光路長の付加量
を、光軸からの高さh、n次(偶数次)の光路差関数係数
Pn、回折次数k、波長λを用いて、 φ(h)=(P2h2+P4h4+P6h6+…)×k×λ により定義される光路差関数φ(h)により表したとき、
前記内側領域に形成された回折レンズ構造を定義する4
次の係数をP4、前記第1のレーザー光の波長での前記
対物レンズの焦点距離をf1(単位:mm)として、以下
の条件(2)、 −60<(P4・f1 4)/k<−180 …(2) を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の光
ヘッドの光学系。 - 【請求項4】 前記第1の光ディスクを利用する際の対
物レンズの結像倍率をm1、前記第2の光ディスクを利
用する際の対物レンズの結像倍率をm2として、以下の
条件(3)、 0.02<(m1−m2)・f1<0.15 …(3) を満たすことを特徴とする請求項1ないし3に記載の光
ヘッドの光学系。 - 【請求項5】 第1のレーザー光と該第1のレーザー光
より波長が長い第2のレーザー光とを選択的に発する光
源部と、前記第1のレーザー光を第1の光ディスクの保
護層を介して記録面上に集光させると共に、前記第2の
レーザー光を前記第1の光ディスクより保護層が厚く記
録密度が低い第2の光ディスクの記録面上に集光させる
対物レンズとを備える光ヘッドの光学系において、 前記第1の光ディスクを利用する際の対物レンズの結像
倍率をm1、前記第2の光ディスクを利用する際の対物
レンズの結像倍率をm2として、以下の条件(3)、 0.02<(m1−m2)・f1<0.15 …(3) を満たすことを特徴とする光ヘッドの光学系。 - 【請求項6】 第1のレーザー光を第1の光ディスクの
保護層を介して記録面上に集光させると共に、前記第1
のレーザー光より波長が長く発散度が大きい第2のレー
ザー光を前記第1の光ディスクより保護層が厚く記録密
度が低い第2の光ディスクの記録面上に集光させる対物
レンズにおいて、 少なくとも一方の面に、前記第2の光ディスクに必要充
分な低NAの光束が透過する内側領域と、前記第1の光デ
ィスクに対して必要な高NAの光束が透過する外側領域と
を備え、少なくとも前記内側領域に、波長により球面収
差を変化させる回折レンズ構造を設けることにより、前
記保護層の厚さの違いにより発生する球面収差の一部を
補正することを特徴とする光ヘッド用対物レンズ。 - 【請求項7】 前記第2の光ディスクに対して設定され
た発散度を持つ前記第1のレーザー光を、前記第2の光
ディスクに入射させた際の前記内側領域の有効径端での
球面収差残存量をΔSA(単位:mm)、前記第1のレー
ザー光の波長での前記対物レンズの焦点距離をf1(単
位:mm)、前記内側領域の最大径をφ2(単位:mm)と
して、以下の条件(1)、 0.01<ΔSA・(f1/φ2)2<0.03 …(1) を満たすことを特徴とする請求項5に記載の光ヘッド用
対物レンズ。 - 【請求項8】 回折レンズ構造による光路長の付加量
を、光軸からの高さh、n次(偶数次)の光路差関数係数
Pn、回折次数k、波長λを用いて、 φ(h)=(P2h2+P4h4+P6h6+…)×k×λ により定義される光路差関数φ(h)により表したとき、
前記内側領域に形成された回折レンズ構造を定義する4
次の係数をP4、前記第1のレーザー光の波長での焦点
距離をf1(単位:mm)として、以下の条件(2)、 −60<(P4・f1 4)/k<−180 …(2) を満たすことを特徴とする請求項5または6に記載の光
ヘッド用対物レンズ。 - 【請求項9】 前記第1の光ディスクを利用する際の結
像倍率をm1、前記第2の光ディスクを利用する際の結
像倍率をm2として、以下の条件(3)、 0.02<(m1−m2)・f1<0.15 …(3) を満たすことを特徴とする請求項5ないし7に記載の光
ヘッド用対物レンズ。 - 【請求項10】 第1のレーザー光を第1の光ディスク
の保護層を介して記録面上に集光させると共に、前記第
1のレーザー光より波長が長く発散度が大きい第2のレ
ーザー光を前記第1の光ディスクより保護層が厚く記録
密度が低い第2の光ディスクの記録面上に集光させる対
物レンズにおいて、 前記第1の光ディスクを利用する際の結像倍率をm1、
前記第2の光ディスクを利用する際の結像倍率をm2と
して、以下の条件(3)、 0.02<(m1−m2)・f1<0.15 …(3) を満たすことを特徴とする光ヘッド用対物レンズ。
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2002
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