JPWO2003103244A1 - データ伝送システム - Google Patents
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Abstract
コネクタの差込向きにかかわらず、正常な伝送を行うことができるデータ伝送システムを提供する。送信装置は、コネクタの極性を判定するための極性判定データを含む差動伝送信号を受信装置に対して送信する。受信装置は、送信装置から送信されてくる差動伝送信号に含まれる極性判定データに基づいて、コネクタの極性が反転しているか否かを判定する。受信装置は、極性が反転していないと判定される場合、差動伝送信号からデータを読み取る。また、極性が反転していると判定される場合、当該差動伝送信号の極性を反転してデータを読み取る。
Description
技術分野
本発明は、データ伝送システムに関し、より特定的には、極性を有する伝送信号を用いて差動伝送を行うデータ伝送システムに関する。
背景技術
従来の符号化データ伝送技術においては、耐ノイズ伝送を実現するため、種々のケーブルが用いられている。種々のケーブルの中でも、信号線をシールドすることによってノイズ入射を防止する同軸ケーブルが一般的である。しかし、同軸ケーブルは、シールドにコストを要し、また、ケーブルの重量が大きくなるという課題がある。
ここで、上記課題を解決するものとして、ツイストペアケーブルを用いた差動伝送技術が挙げられる。かかる技術では、差動レシーバによって同相成分を除去することで高い耐ノイズ性能を得ることができる。さらに、ツイストペアケーブルを用いる場合、同軸ケーブルのようにシールドを必要とすることがないので、コストを削減することができ、かつ、小重量にて設計できるという特長がある。
ツイストペアケーブルは2線で伝送を行うものであるため、本質的に信号に極性がある。このため、ツイストペアケーブルに用いられる従来のコネクタは、正しい差込向き、および接続するケーブルの極性が決まっている。従って、例えばユーザが誤ってコネクタの差込向き(コネクタの極性)を逆にして接続した場合や、逆接続のケーブルを用いた場合には、装置において信号の極性が反転した状態で受信されるため、正しくデータを受信できない。
なお、ケーブルの極性を間違えてコネクタを作成しないように(送信側と受信側とにおいて極性が逆になるようなケーブルおよびコネクタを作成しないように)、コネクタを実現することが考えられる。しかし、この場合、送信側と受信側との極性を考慮して(送信側と受信側との極性が必ず合うように)ケーブルおよびコネクタを作成する必要があるため、ケーブルおよびコネクタの製造に時間およびコストを要してしまう。
それ故に、本発明の目的は、ケーブルの極性にかかわらず、正常な伝送を行うことができるデータ伝送システムを提供することである。
発明の開示
本発明は、上記のような目的を達成するために、以下に述べるような特徴を有している。
本局面は、上記目的を達成するために、以下の特徴を有する。すなわち、本局面は、極性を有する2本の伝送線路を用いて差動信号を伝送することにより、送信装置と受信装置との間でデータを伝送するシステムである。ここで、前記送信装置は、所定個数のシンボルデータが含まれる長さにおいて信号レベルが一定である極性判定信号を含む差動伝送信号を生成して前記伝送線路上に送信する。一方、前記受信装置は、コネクタ部と、タイミング補正部と、極性判定部と、信号処理部とを備える。コネクタ部は、前記2本の伝送線路に対して着脱自在であり、かつ当該伝送線路に接続されたときに前記送信装置から送信された差動伝送信号を受け取る。タイミング補正部は、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に対して所定の処理を行う際において当該差動伝送信号からシンボル位置の信号レベルを検出する検出タイミングが、前記所定個数よりも多い個数のシンボルデータについて連続して誤っていた場合、当該検出タイミングを補正する。極性判定部は、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に含まれる極性判定信号を検出し、当該極性判定信号の信号レベルに基づいて、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性か逆極性かを判定する。信号処理部は、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性と判定された場合、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号を正常な極性を有する信号として取り扱って前記所定の処理を行い、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合、当該差動伝送信号を極性が反転した信号として取り扱って前記所定の処理を行う。
上記によれば、極性判定信号に基づいて、差動伝送信号を極性が反転したものとして処理するか、そのまま処理するかの判断が行われる。従って、コネクタ部の極性が逆に接続されたため受け取った差動伝送信号の極性が反転している場合であっても、当該反転が生じたことを正確に判定し、反転した差動伝送信号を確実に修正することができる。以上より、コネクタの差込向きおよび接続されたケーブルの極性にかかわらず、正常なデータ伝送を行うことができる。
なお、極性判定信号は、信号レベルが一定であるので、検出タイミングが正しいか誤っているかの判断を行うことができない。つまり、極性判定信号に含まれるシンボルデータを検出する際に検出タイミングの補正を行おうとしても、正しく補正を行うことができず、その後に受け取られる信号に含まれるシンボルを正確に検出できないおそれがある。しかし、上記によれば、検出タイミングの補正は、所定個数よりも多い個数のシンボルデータについて連続して誤っていた場合に行われるので、極性判定信号に対して検出タイミングの補正は行われない。従って、差動伝送信号に含まれるシンボルデータを確実に検出することができる。つまり、確実に同期を確立することができる。
なお、上記データ伝送システムにおいて、前記差動伝送信号は、前記極性判定信号の前に送信され、かつ、所定の周期を有する信号波形となるように生成される同期確立用信号をさらに含んでいてもよい。このとき、前記タイミング補正部は、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に含まれる同期確立用信号の信号波形に基づいて、当該同期確立用信号の後に受け取られる信号の信号レベルを検出する際における前記検出タイミングを決定する。
また、上記データ伝送システムにおいて、前記差動伝送信号は、前記極性判定信号の後に送信され、送信すべきデータのシンボル位置が波形の頂点にくるように生成される送信データ信号をさらに含んでいてもよい。このとき、前記タイミング補正部は、前記検出タイミングで差動伝送信号から信号レベルを検出する場合における信号検出位置が差動伝送信号の信号波形の頂点であるか否かに基づいて、当該検出タイミングが誤っているか否かを判定する。
また、前記信号処理部は、通常用処理部と、極性反転用処理部とを含んでいてもよい。通常用処理部は、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性と判定された場合に、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に対して第1の処理を実行する。極性反転用処理部は、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合に、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に対して第2の処理を実行する。また、前記通常用処理部および前記極性反転用処理部は、それぞれ、前記伝送線路上を伝送される同一の差動伝送信号に対して同一の処理結果を導出するように、前記第1および第2の処理を実行する。
上記によれば、コネクタまたはケーブルの極性が反転しているか否かに応じて、2つの異なる処理を行うそれぞれの処理部(通常用処理部および極性反転用処理部)が用いられる。差動伝送信号は、コネクタが正極性で接続されている場合には、通常用処理部によって処理される。一方、コネクタが逆極性で接続されている場合には、差動伝送信号は、極性が反転した信号を通常用処理部によって処理した場合と同一の処理結果を得ることができるように、極性反転用処理部によって処理される。以上のように、2つの処理部を使い分けることによって、差動伝送信号が反転した場合であっても当該差動伝送信号を容易に修正することができる。
また、前記信号処理部は、極性反転部と、通常用処理部とを含んでいてもよい。極性反転部は、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号の極性を反転する。通常用処理部は、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性と判定された場合、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に対して前記所定の処理を行い、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合、前記極性反転部によって極性が反転された差動伝送信号に対して当該所定の処理を行う。
上記によれば、コネクタの極性が反転している場合のみ、受け取った差動伝送信号の極性を反転する。また、極性が反転しているか否かの判定結果に基づいて極性の反転または非反転が行われた差動伝送信号について、所定の処理が行われる。従って、復号データへの変換を行う回路は1つあればよいので、上記第3の局面に比べて回路規模を縮小することができる。
なお、上記データ伝送システムにおいて、差動伝送信号には、信号レベルに対して1ビット以上のデータが1つのシンボルとして割り当てられてもよい。
なお、本局面は、極性を有する2本の伝送線路を用いて伝送される差動信号を、当該伝送線路に対して着脱自在に接続されるコネクタを介して入力し、所定の処理を行う信号処理回路として提供されてもよい。当該信号処理回路は、入力端子と、タイミング補正部と、極性判定部と、信号処理部とを備えている。入力端子は、所定個数のシンボルデータが含まれる長さにおいて信号レベルが一定である極性判定信号を含む差動伝送信号を前記コネクタから入力するためのものである。タイミング補正部は、前記入力端子から入力される差動伝送信号に対して前記所定の処理を行う際において当該差動伝送信号からシンボル位置の信号レベルを検出する検出タイミングが、前記所定個数よりも多い個数のシンボルデータについて連続して誤っていた場合、当該検出タイミングを補正する。極性判定部は、前記入力端子から入力される差動伝送信号に含まれる極性判定信号を検出し、当該極性判定信号の信号レベルに基づいて、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性か逆極性かを判定する。信号処理部は、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性と判定された場合、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号を正常な極性を有する信号として取り扱って前記所定の処理を行い、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合、当該差動伝送信号を極性が反転した信号として取り扱って前記所定の処理を行う。
また、本局面は、上記データ伝送システムにおいて行われるデータ伝送方法として提供されてもよい。
発明を実施するための最良の形態
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデータ伝送システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、データ伝送システムは、機器1から5によってリング型ネットワークを構成している。従って、本実施形態では、一方の隣の機器からデータを受信した機器が他方の隣の機器にデータを送信することによって、ネットワーク上でデータは環状に送信されていく。ここで、データ伝送を行う各機器間は、極性を有するツイストペアケーブルによって接続されている。また、各機器間のデータ伝送は、差動信号を用いた差動伝送によって行われる。なお、他の実施形態においては、ネットワークの構成はリング型に限らず、各機器間において極性を有する伝送線路によって差動伝送が行われるシステムであれば、どのような形態であっても構わない。
図2は、図1に示す機器1のハードウェア構成の概要を示すブロック図である。なお、図2は機器1の構成を示すものであるが、図1に示すすべての機器(機器1から5)は、図2に示す構成を有している。図2において、機器1は、コネクタ11と、差動伝送信号処理部12と、上位層データ処理部13と、CPU14とを備えている。コネクタ11は、図示しないツイストペアケーブルによって他の機器と着脱自在に接続され、差動伝送信号の送受信を行う。ここで、差動伝送信号とは、機器間のデータ伝送において送受信される差動信号である。差動伝送信号には、機器間で伝送すべき伝送データが含まれる他、ネットワークの電源が投入された場合には、コネクタの極性を判定するための極性判定データが含まれる。極性判定データは、差動伝送信号の極性を判定することによって、コネクタの極性を判定するためのデータである。本データ伝送システムは、当該極性判定データを用いることによって、コネクタの差込向きにかかわらず正常なデータ伝送を行うことを可能とするものである。差動伝送信号の詳細については後述する。
差動伝送信号処理部12は、コネクタ11を介して受信される差動伝送信号を、後述する所定の復号処理によって復号化する。ここで、差動伝送信号処理部12によって復号化されるデータを、復号データと呼ぶ。また、差動伝送信号処理部12は、上位層データ処理部13から入力されたデータを、差動伝送信号として出力する。出力された差動伝送信号はコネクタを介して他の機器に送信される。また、差動伝送信号処理部12は、ネットワークの電源が投入された場合、上位層データ処理部13から入力されたデータに極性判定データを付加して、差動伝送信号として出力する。上位層データ処理部13は、CPU14において処理されるデータと、差動伝送信号処理部12において処理されるデータとの間の所定のフォーマット変換を行う。
図3は、図2に示す差動伝送信号処理部12の詳細な構成を示すブロック図である。差動伝送信号処理部12は、送信処理部201と、D/Aコンバータ202と、ローパスフィルタ(LPF)203と、ドライバ204と、レシーバ205と、A/Dコンバータ(図3では「A/D」と示す。)206と、デジタルフィルタ207と、タイミング再生部208と、シンボルデータ抽出部209と、データ判定部210と、極性判定部211と、トレーニング処理部212とを備えている。
送信処理部201は、ネットワークの電源が投入された場合において、初期化データ(後述する同期確立用データ、上記極性判定データおよび後述するトレーニングデータ)を出力し、続いて上位層データ処理部13から入力されたデータを出力する。送信処理部201から出力されたデータは、D/Aコンバータ202によってD/A変換された後、LPF203およびドライバ204を介して、他の機器に送信される。
ここで、本実施形態においては、上位4値のシンボルのいずれかと、下位4値のシンボルのいずれかとが交互に選択されるマッピングを使用することによって、1シンボル2ビット8値伝送を行うものとする。すなわち、D/Aコンバータ202は、2ビットのデジタルデータをアナログデータに変換するものとする。なお、差動伝送信号には、信号レベルに対して2ビットのデータが1つのシンボルとして割り当てられている。また、差動伝送信号は、所定の時間間隔T毎にシンボルデータが含まれるように生成される。
本実施形態において、差動伝送信号は、同期確立用信号と、極性判定信号と、トレーニング信号と、伝送データ信号とによって構成されている。同期確立用信号とは、受信装置が極性判定データを識別し、コネクタの極性判定を開始するための同期確立用データを含む信号である。極性判定信号とは、コネクタの極性を判定するための極性判定データを含む信号である。トレーニング信号は、後述するトレーニング処理において用いられる信号である。伝送データ信号とは、伝送すべきデータを含む信号である。
また、極性判定信号は、予め定められた波形パターンを有しており、所定個数のシンボルデータが含まれる長さにおいて、信号レベルが一定である。本実施形態においては、極性判定信号は、同じ値が3シンボルの間連続するパターンを有する(図9参照)。
また、本実施形態において、差動伝送信号は、極性判定信号の部分以外については、シンボル位置が波形の頂点の位置となるように生成される。つまり、差動伝送信号の波形(極性判定信号の部分を除く)は、所定の時間間隔T毎に頂点を有するような波形パターンとなり、当該頂点の位置がシンボル位置となる。図1に示す各機器は、他の機器から送信されてくる差動伝送信号について、当該シンボル位置の信号レベルを読み取り、それをデジタルデータに変換することによって、伝送データを読み取ることができるのである。
図3において、他の機器から送信されてくる差動伝送信号は、コネクタ11を介してレシーバ205によって受信される。レシーバ205によって受信された差動伝送信号は、A/Dコンバータ206によってA/D変換される。A/D変換された差動伝送信号は、デジタルフィルタ207およびタイミング再生部208に入力される。ここで、A/Dコンバータ206は、入力したアナログデータを、複数ビットのデジタルデータに変換する。本実施形態では、A/Dコンバータ206は、入力したアナログデータを、10ビットのデジタルデータに変換する。
図4は、図3に示すA/Dコンバータ206の入出力関係を説明するための図である。図4において、曲線はA/Dコンバータ206に入力されるアナログデータである。A/Dコンバータ206は、アナログデータを所定のサンプリング間隔t(tは、上記所定の時間間隔Tよりも十分に短い。)でサンプリングし、信号レベルの大きさを10ビットのデジタルデータに変換する。なお、10ビットのデジタルデータは、差動伝送信号に含まれているデータの内容を表すものではない。なお、本実施形態において、上記所定時間間隔Tよりも短い間隔tでサンプリングし、10ビットのデジタルデータに変換しているのは、差動伝送信号の多値シンボルを高精度に再生するためである。本実施形態では、差動伝送信号の波形を10ビットのデジタルデータに変換し、さらに10ビットのデジタルデータを2ビットのデジタルデータに変換する。2ビットのデジタルデータが、差動伝送信号に含まれているデータの内容を表すデータである。
上記のように、A/Dコンバータ206によって10ビットのデジタルデータに変換された差動伝送信号は、デジタルフィルタ207およびタイミング再生部208に入力される。デジタルフィルタ207は、入力された10ビットのデジタルデータから高周波ノイズ成分を除去する。タイミング再生部208は、10ビットのデジタルデータからシンボルデータを検出するタイミング(検出タイミング)を決定する。検出タイミングとは、10ビットのデジタルデータから意味のあるデータ(シンボルデータ)を抽出するタイミングである。検出タイミングの時間間隔は、差動伝送信号にシンボルデータが含まれる間隔、すなわち、上述の所定の時間間隔Tである。A/Dコンバータ206におけるサンプリング間隔tでA/D変換されたデジタルデータは、出力されるデジタルデータのすべてが意味のあるシンボルデータを示すものではない。そこで、A/Dコンバータ206から出力されるデジタルデータから、シンボルデータを抽出するタイミングが、タイミング再生部208によって決定されるのである。
以下、タイミング再生部208の動作の詳細を説明する。図5は、タイミング再生部208の動作の詳細を説明するための図である。図5に示す点は、A/Dコンバータ206から時間間隔tで順次入力される10ビットのデジタルデータを示す。タイミング再生部208は、A/Dコンバータ206から入力されるデータから、その時点で決定されている検出タイミングに従ってデータを抽出する。タイミング再生部208は、当該検出タイミングで抽出されたデータ(時間taのデータ)と、当該検出タイミングの直前に入力されるデータ(時間tbのデータ)と、当該検出タイミングの直後に入力されるデータ(時間tcのデータ)とを比較する。ここで、図5(a)のように、当該検出タイミングで抽出されたデータの値が最も大きい(または、最も小さい)場合、当該検出タイミングは正しいと判断される。一方、図5(b)のように、当該検出タイミングで抽出されたデータの値が、当該検出タイミングの直前に入力されるデータと当該検出タイミングの直後に入力されるデータとの間の大きさになる場合、当該検出タイミングは誤っていると判断される。以上に示した判断は、検出タイミングが到来する度に行われる。
さらに、タイミング再生部208は、A/Dコンバータ206から入力されるデータについて、所定個数のシンボルデータについて連続して検出タイミングが誤っている場合、検出タイミングを補正する。ここで、所定個数は、極性判定信号において連続して同じ値となるシンボルデータの個数によって決められる。本実施形態では、極性判定信号において連続して同じ値となるシンボルデータの個数は3つなので、当該所定個数は、3つよりも大きい数であればよい。
これによって、極性判定信号に含まれるシンボルデータを読み取る際において、検出タイミングが所定個数連続して誤っていると判定されることがない。ここで、もし、誤っていると判定されてしまうと、極性判定信号は、信号レベルが一定であるので(上述の時間ta、tbおよびtcにおける信号レベル値が同じ値となるので)、補正を正しく行うことができない。従って、もし、誤っていると判定されてしまうと、検出タイミングを正しく補正することができないので、その後の信号を正しく読み取ることができないおそれがある。そこで、本実施形態では、極性判定信号における信号レベルが一定となる部分の長さを、検出タイミングを補正すると判定される信号の長さよりも短くすることによって、確実かつ正確に信号を読み取るようにしている。
なお、タイミング再生部208は、検出タイミングが波形の頂点の位置を検出するタイミングとなるように、検出タイミングを補正する。補正の具体的な方法はどのような方法であってもよい。例えば、図5(b)のように検出された場合において、正しい検出タイミングでは極大値を検出すべき場合には、時間tbが最も検出タイミングに近いと考えられる。従って、この場合、時間tbから時間T経過した時点を次の検出タイミングとするように補正する。
図3において、シンボルデータ抽出部209は、デジタルフィルタ207から入力されるデジタルデータから、タイミング再生部208よって決定されたシンボルタイミングに従ってデータを抽出する。すなわち、タイミング再生部208は、決定したタイミングでシンボルデータ抽出部209にデータを抽出する旨の指示を送る。この指示に応じて、シンボルデータ抽出部209は、デジタルフィルタ207から入力される10ビットのデジタルデータの中からシンボルデータを抽出する。抽出されたシンボルデータは、データ判定部210、極性判定部211およびトレーニング処理部212に入力される。
極性判定部211は、伝送データに先立って送信される極性判定データに基づいて、コネクタの極性、すなわち、ツイストペアケーブルとコネクタとの接続関係が正極性か逆極性かを判定する。判定結果は、データ判定部210に入力される。トレーニング処理部212は、伝送データに先立って送信されるトレーニングデータに基づいて、差動伝送信号の信号レベルを多値(ここでは、8値)デジタルデータに変換する際のしきい値を決定する。決定されたしきい値は、データ判定部210に入力される。データ判定部210は、差動伝送信号に含まれる伝送データを、上位層データ処理部13が処理可能なデータに変換するために、所定のデータ判定処理、すなわち、上記所定の復号処理を行う。また、極性判定部211において極性が判定される場合、データ判定部210は、極性判定部211による判定結果に応じて、復号結果を変化させる。復号データ、すなわち、復号化された伝送データは、上位層データ処理部13へ出力される。
次に、本データ伝送システムにおいて、ネットワークの電源が投入された場合の動作を説明する。なお、以下において、差動伝送信号を送信する機器を送信装置、差動伝送信号を受信する機器を受信装置とする。ここで、本実施形態では、ネットワークの電源が投入された場合に、コネクタの極性を判定し、判定結果に応じて信号の極性を反転させることにより、コネクタの差込向きにかかわらず正常なデータ伝送を行う。なお、本実施形態に係るシステムはリング型ネットワークを構成するため、コネクタの抜き差しや、新たな機器がネットワークに追加される場合、必ずネットワークの電源を落とす必要がある。また、上記のように、本実施形態においては、電源が投入された場合にコネクタの極性を判定する。以上より、本データ伝送システムは、コネクタ極性の判定を行う必要がある場合(コネクタの抜き差し等が行われた場合)について、常に判定を行うことができる。
図6は、本実施形態における送信装置の処理の流れを示すフローチャートである。また、図7および図8は、本実施形態における受信装置の処理の流れを示すフローチャートである。図6、図7および図8に示す各装置の動作は、ネットワークの電源が投入されたことによって開始される。ここで、リング型ネットワークにおいては、ネットワークを構成するすべての機器に電源が投入されていなければデータ伝送を行うことができない。従って、本実施形態において、ネットワークの電源が投入されているとは、本データ伝送システムにおいて含まれるすべての機器について電源が投入されていることを意味する。なお、ネットワークを構成するすべての機器の電源投入を制御する方法は、どのような方法であってもよい。例えば、ネットワークを構成する各機器の電源を制御する機器を設置し、当該機器によってすべての機器の電源が投入される形態であってもよい。
ネットワークの電源が投入された場合、送信装置は、同期確立用データを含む同期確立用信号を送信する(ステップS101)。ここで、同期確立用データとは、受信装置が極性判定データを識別し、コネクタの極性判定を開始するためのデータである。また、本実施形態においては、同期確立用データは、各機器において行われる初期化処理を開始するために送信される初期化データとしても用いられる。なお、同期確立用データは、予め定められた一定のパターンを有する。具体的には、ステップS101の処理において、送信装置の送信処理部201は、送信装置に電源が投入されたことに応じて同期確立用データを生成する。生成された同期確立用データは、D/Aコンバータ202、LPF203およびドライバ204を介して、受信装置に対して送信される。以上によりステップS101の処理が行われる。
次に、送信装置は、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS102)。ここで、所定時間は、同期確立用データの送信先である受信装置が同期の確立を完了するために必要な時間以上となるように予め設定される。ステップS102において、所定時間が経過していないと判定された場合、送信装置は、ステップS101の処理を繰り返す。一方、所定時間が経過したと判定された場合、送信装置は、同期確立用信号に続いて、極性判定データを含む極性判定用信号を送信する(ステップS103)。具体的には、送信装置の送信処理部201は、予め定められた一定のパターンを有する極性判定データを、上記同期確立用データと同様の方法で送信する。極性判定データは、予め長さが決められている。
極性判定信号が予め決められた長さ分送信された後、送信装置は、極性判定信号に続いてトレーニング信号を送信する(ステップS104)。トレーニング信号は、差動伝送信号の信号レベルから多値(ここでは、8値)デジタルデータを決定するためのしきい値を設定するために用いられる。トレーニング信号のパターンおよび長さは予め決められている。なお、トレーニング信号の送信方法は、上記同期確立用データと同様である。
次に、送信装置は、トレーニング信号に続いて伝送データを含む伝送データ信号を送信する(ステップS104)。具体的には、送信装置の送信処理部201は、トレーニング信号の一定パターンの信号を送信した後、上位層データ処理部13から入力される伝送データを差動伝送信号として送信する。送信の方法は、上記同期確立用データと同様である。送信装置の送信処理部201は、伝送すべき伝送データの送信が終了することにより、図6に示す処理を終了する。以上、図6に示す処理によって、送信される順に、同期確立用信号、極性判定用信号、トレーニング信号および伝送データ信号で構成される差動伝送信号が受信装置に送信されることとなる。
次に、図7に示す受信装置の処理を説明する。受信装置では、まず、送信装置からの差動伝送信号として、同期確立用信号が受信される。従って、ネットワークの電源が投入された場合、受信装置は、まず、同期確立用信号を受信する(ステップS201)。同期確立用信号は、レシーバ205を介してA/Dコンバータ206に入力される。入力された同期確立用信号は、A/Dコンバータ206によってA/D変換され、A/D変換されたデジタルデータがデジタルフィルタ207およびタイミング再生部208に入力される。
次に、受信装置は、ステップS201において入力した同期確立用信号に基づいて、同期を確立する(ステップS202)。同期の確立処理は、タイミング再生部208によって行われる。すなわち、タイミング再生部208は、同期確立用信号の後に送信されてくる信号レベルを検出するタイミング(検出タイミング)を決定する。検出タイミングの決定は、上述した検出タイミングの補正処理を行うことによって、検出タイミングを正しいタイミングに補正することによって行われる。タイミング再生部208は、ステップS202で決定された検出タイミングをシンボルデータ抽出部209に指示する。
次に、受信装置は、同期確立処理が完了したか否かを判定する(ステップS203)。この処理は、タイミング再生部208によって行われる。ステップS203の判定は、上記ステップS102における所定時間が経過するより以前に必ず完了するように設計される。同期確立処理が完了していないと判定された場合、受信装置は、ステップS201の処理を再び行う。
一方、ステップS203の判定において、同期確立処理が完了したと判定された場合、受信装置は、ステップS103において送信装置から送信されてくる極性判定信号を受信する(ステップS204)。極性判定信号は、受信装置のレシーバ205を介してA/Dコンバータ206に入力される。入力された極性判定信号は、A/Dコンバータ206によってA/D変換される。さらに、A/D変換された極性判定信号のデジタルデータから、シンボルデータ抽出部209によってシンボルデータが抽出される。
ステップS204の次に、受信装置は、コネクタの極性を検出する(ステップS205)。この処理は、極性判定部211によって行われる。具体的には、受信装置の極性判定部211は、シンボルデータ抽出部209から出力される極性判定信号を入力し、入力した極性判定信号に基づいて、差動伝送信号(極性判定信号)の極性が反転しているか否かを検出する。このように、差動伝送信号の極性が反転しているか否かによって、コネクタの極性が反転しているか否かを判定することができる。ここで、本実施形態においては、極性判定データの値が差動伝送信号のレベルが最大である場合、すなわち、極性判定データの値が1024である場合、差動伝送信号の極性は反転していないと判定されるものとする。
以下、極性判定の方法を詳細に説明する。図9は、図3に示すシンボルデータ抽出部209から出力されるデータを模式的に示す図である。図9において、縦軸はシンボルデータ抽出部209の出力値であるデジタル値の大きさを表し、横軸は出力される時間を表す。また、シンボルデータ抽出部209から出力されるデジタル値は、10ビットの値であり、その大きさは差動伝送信号のレベルを表す。すなわち、シンボルデータ抽出部209の出力値は、1から1024までの数値で差動伝送信号のレベルを表すものである。また、図9に示す折れ線上の各点の間隔は、上述の時間間隔Tである。図9に示す折れ線は、差動伝送信号の波形を離散的な数値で表したものである。
ここで、時間t0からt1までは、上述の同期確立用データが出力されている状態である。つまり、時間t0からt1における、出力値aおよびbが交互に出力されるパターンは、同期確立用データを示すパターンである。かかるパターンは、予め設定されている。なお、時間t0からt1においては、ステップS201〜S203の処理が行われている。
次に、時間t1からt2までは、極性判定信号に含まれる極性判定データが出力されている状態である。つまり、時間t1からt2における、出力値1024が連続して出力されるパターンは、極性判定データのパターンである。極性判定データのパターンも、同期確立用データと同様、予め定められている。ここでは、極性判定データは、同じ値が3シンボルの間連続するパターンである。なお、時間t1からt2においては、ステップS204およびS205の処理が行われている。このように、本実施形態においては、同期確立用データのパターンが終了した後の差動伝送信号の振幅レベルによって、コネクタの極性を判定することができる。
図10は、差動伝送信号の極性が反転している場合における、図3に示すシンボルデータ抽出部209から出力されるデータの示す値を模式的に示す図である。図10は、図9に示す場合と同様のデータを受信した場合であって、コネクタの向きが図9に示す場合とは逆に接続されている場合における、シンボルデータ抽出部209の出力値を示している。このように、コネクタの極性が逆極性の場合、受信装置で受信された差動伝送信号は、コネクタの極性が正極性の場合と比べて反転した信号となる。すなわち、受信装置で受信された差動伝送信号は、極性を有し、当該極性はコネクタの極性によって変化することとなる。図10のように、コネクタの向きが逆になった場合、極性判定データとして読み取られる値は、1である。従って、この場合、差動伝送信号の極性が反転していると判定される。このように、差動伝送信号の極性が反転しているか否かは、極性判定データの値によって判定することができる。以上より、極性判定部211は、極性判定データの値によって差動伝送信号の極性が反転している否か、すなわち、コネクタの向きが逆に接続されているか否かを判定する。また、極性判定部211は、極性が反転しているか否かを示す信号極性フラグを、データ判定部210に出力する。
図7の説明に戻り、ステップS205の次に、受信装置は、ステップS104において送信装置から送信されてくるトレーニング信号を受信する(ステップS206)。なお、レシーバ205からシンボルデータ抽出部209までに行われるトレーニング信号に対する処理は、極性判定信号と同様である。次に、受信装置は、ステップS206において受信したトレーニング信号を用いて、トレーニング処理を行う(ステップS207)。この処理は、トレーニング処理部212によって行われる。以下、トレーニング処理の詳細を説明する。
図9において、時間t2からt3までは、トレーニング信号が出力されている状態である。トレーニング信号は、予め決められたパターンを有している。このパターンは、8値のデジタルデータの値が、予め決められた順番で、かつ、すべての値(8つの値)をとるように決められる。トレーニング処理部212は、当該パターンが示す8値のデジタル値の順番を記憶しておく。ステップS207において、トレーニング処理部212は、シンボルデータ抽出部209から入力される10ビットのデジタルデータの値を、記憶している8値のデジタル値と対応付けて記憶する。
図7の説明に戻り、ステップS207の次に、トレーニング処理部212は、トレーニングが終了したか否かを判定する。トレーニング信号の長さは予め決められているので、ステップS207の処理を行う回数も予め決まっている。予め決められた回数ステップS207の処理が行われた場合、トレーニング処理部212は、トレーニングが終了したと判定する。トレーニングが終了していないと判定される場合、ステップS207の処理が行われる。
一方、トレーニングが終了したと判定される場合、トレーニング処理部212は、しきい値を算出する(ステップS209)。しきい値は、差動伝送信号の信号レベルを8値のデジタルデータに変換するためのしきい値である。
図11は、しきい値の算出方法の一例を説明するための図である。図11において、信号レベルのとり得る範囲(1〜1024)は、信号レベルの大きさに応じて、レベルAからレベルHまでの8つのレベルに分けられる。レベルA〜Dは、それぞれ、8値のデジタル値がとり得る4種類の値(“00”、“01”、“10”および“11”)に対応する。これと同様に、レベルE〜Hは、それぞれ、4値のデジタル値のとり得る値(“00”、“01”、“10”および“11”)に対応する。トレーニング処理部212は、ステップS207においてシンボルデータ抽出部209から入力される10ビットのデジタルデータの値と、予め記憶している8値のデジタル値とに基づいて、しきい値を設定する。具体的には、レベルAとレベルBとを区別する第1しきい値は、次のように設定される。すなわち、トレーニング処理部212は、レベルAを示す値として入力された10ビットのデジタルデータのうちの最小値と、レベルBを示す値として入力された10ビットのデジタルデータのうちの最大値との平均値(中間値)を、第1しきい値とする。その他のレベルを区別する第2〜第7しきい値も、上記第1しきい値と同様に設定する。以上のように設定された第1〜第7しきい値は、データ判定部210に入力される。
図8において、ステップS209の次に、受信装置は、伝送データ信号を受信する(ステップS210)。なお、図9において、時間t3以降は、伝送データ信号が出力されている状態である。時間t3以降におけるデータが、データ判定部210によって復号されることになる。また、レシーバ205からシンボルデータ抽出部209までに行われる伝送データ信号に対する処理は、極性判定信号と同様である。
次に、受信装置は、差動伝送信号(伝送データ信号)の極性が反転しているか否かを判定する(ステップS211)。この処理は、データ判定部210によって行われる。具体的には、データ判定部210は、極性判定部211から入力される信号極性フラグに基づいて、差動伝送信号の極性が反転しているか否かを判定する。ステップS211において、差動伝送信号の極性が反転していると判断された場合、受信装置は、極性反転用の復号を行う(ステップS212)。一方、差動伝送信号の極性が反転していないと判断された場合、受信装置は、通常用の復号を行う(ステップS213)。ここで、ステップS212およびステップS213の処理は、受信装置のデータ判定部210によって行われる。以下、データ判定部210の動作を詳細に説明する。
図12は、図3に示すデータ判定部210の詳細な構成を示すブロック図である。図12において、データ判定部210は、選択回路2101と、通常用復号回路2102と、極性反転用復号回路2103とを備えている。ステップS206において、選択回路2101は、極性判定部211から入力される信号極性フラグの内容に従って、A/Dコンバータ206からの出力信号を通常用復号回路2102および極性反転用復号回路2103のどちらに出力するかを選択する。差動伝送信号の極性が反転していることを示す信号極性フラグを受け取った選択回路2101は、A/Dコンバータ206からの出力信号を、極性反転用復号回路2103に出力する。ステップS207において、極性反転用復号回路2103は、A/Dコンバータ206からの出力信号を受け取り、受け取った出力信号である伝送データを復号する。一方、差動伝送信号の極性が反転していないことを示す信号極性フラグを受け取った選択回路2101は、A/Dコンバータ206からの出力信号を、通常用復号回路2102に出力する。ステップS208において、通常用復号回路2102は、A/Dコンバータ206からの出力信号を受け取り、受け取った出力信号である伝送データを復号する。
図13は、図12に示すデータ判定部210が備える2つの復号回路における変換の対応関係を示す図である。図13(a)は、通常用復号回路2102における対応関係を示すテーブルであり、図13(b)は、極性反転用復号回路2103における対応関係を示すテーブルである。ここで、本実施形態においては、各復号回路は、A/Dコンバータ206から出力される10ビットのデジタルデータを、2ビットのデジタルデータに変換するものとする。従って、図13に示す各変換テーブルにおいては、A/Dコンバータ206から出力される10ビットのデジタル値(差動伝送信号のレベルを示す値)を、8つのレベルに分割し、それぞれに復号データである2ビットの数値を対応させている。なお、図13に示す8つのレベルのしきい値は、上述の第1〜第7しきい値である。ここで、図13に示す2つの変換テーブルは、変換すべき復号データに対応する10ビットのデジタル値が、2つの変換テーブルにおいて極性を反転させた値となるように作成される。つまり、通常用復号回路2102および極性反転用復号回路2103は、出力される復号データに対応する差動伝送信号の極性が互いに反転するように設計される。以上のように2つの復号回路を設計することにより、信号の極性が反転していない場合に通常用の復号回路を用いて復号した復号データと、信号の極性が反転している場合に極性反転用の復号回路を用いて復号した復号データとを同一にすることができる。
以上に説明したステップS212またはS213の処理が終了すると、受信装置は、処理を終了する。なお、ステップS212またはS213において復号された復号データは、上位層データ処理部13を介してCPU14へ送られる。
なお、上記第1の実施形態において、上記同期確立用データは、当該同期確立用データが付加された差動伝送信号の波形が、コネクタの極性が正極性か逆極性かにかかわらず、同一の波形となるような波形パターンを含むように予め設定される。すなわち、図9に示すように、同期確立用データは、出力値としてaおよびbが交互に出力されるパターンを含んでいる。かかるパターンは、コネクタが正極性となるように接続された場合と逆極性となるように接続された場合とで、同じパターンとなる。従って、受信装置は、かかるパターンに基づいて同期確立用データを検知すれば確実に同期確立用データを検知することができる。
次に、第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と第2の実施形態との相違点は、データ判定部210の構成とデータ判定部210において行われる復号処理である。従って、以下では当該相違点のみを説明し、第1の実施形態と同様の処理については説明を省略する。
図14は、第2の実施形態における受信装置の処理の流れを示すフローチャートである。ここで、本実施形態と第1の実施形態との相違点は、ステップS301およびS302の処理である。従って、ステップS201からS211までの処理については説明を省略する。ステップS211において、差動伝送信号の極性が反転していると判断された場合、受信装置は、差動伝送信号の極性を反転し(ステップS301)、ステップS302の処理を行う。一方、差動伝送信号の極性が反転していないと判断された場合、受信装置は、ステップS301処理を行わずに、ステップS302の処理を行う。以下、データ判定部210の動作の詳細を説明する。
図15は、第2の実施形態におけるデータ判定部210の詳細な構成を示すブロック図である。図15において、データ判定部210は、選択回路2104と、極性反転回路2105と、通常用復号回路2086とを備えている。ステップS211において、選択回路2104は、極性判定部211から入力される信号極性フラグの内容に従って、A/Dコンバータ206からの出力信号を極性反転回路2105および通常用復号回路2086のどちらに出力するかを選択する。差動伝送信号の極性が反転していることを示す信号極性フラグを受け取った選択回路2104は、A/Dコンバータ206からの出力信号を、極性反転回路2105に出力する。極性反転回路2105は、入力した伝送データを示す差動伝送信号の極性を反転する(ステップS301)。
図16は、図15に示す極性反転回路2105における極性反転処理を模式的に示す図である。極性反転回路2105は、入力値としてとり得る値(1から1024)の中央値(512)に対して線対称の値となるように、入力値を変換する。例えば、図16のように、極性反転回路2105にA/Dコンバータからの入力値が700(点D)である場合、極性反転回路2105は、入力値を324(点D’)に変換して、通常用復号回路2086へ出力する。以上の変換処理によって、極性反転回路2105は、差動伝送信号の極性を反転することが可能である。
一方、差動伝送信号の極性が反転していないことを示す信号極性フラグを受け取った選択回路2104は、A/Dコンバータ206からの出力信号を、通常用復号回路2086に出力する。通常用復号回路2086は、A/Dコンバータ206、または、極性反転回路2105からの出力を受け取り、受け取った伝送データを復号する(ステップS302)。通常用復号回路2086は、第1の実施形態における通常用復号回路2102と同様の処理を行う。これによって、A/Dコンバータ206において生成された10ビットのデジタルデータが、2ビットのデジタルデータ(復号データ)に変換される。
以上に説明したステップS302の処理が終了すると、受信装置は、処理を終了する。なお、ステップS302において復号された復号データは、上位層データ処理部13を介してCPU14へ送られる。
以上のように、上記第1および第2実施形態においては、コネクタの極性を極性判定データを用いて判定し、判定結果に基づいて差動伝送信号の極性の反転または非反転を行うことによって、コネクタの極性にかかわらず正確なデータ伝送を行うことができる。
なお、上記第1および第2実施形態においては、受信装置において受信した差動伝送信号に対して復号処理を行う場合を例として説明した。ここで、他の実施形態においては、差動伝送信号に対して行う処理は、上記に限らない。差動伝送信号に対して行う処理は、ツイストペアケーブルに対するコネクタ11の接続関係が正極性と判定された場合と、逆極性と判定された場合とに応じて、コネクタ11が受け取った差動伝送信号を正常な極性を有する信号として取り扱うか、極性が反転した信号として取り扱うかを変更するものであればよい。
また、上記第1および第2実施形態においては、電源を投入した場合に、極性判定データを用いてコネクタの極性を判定した。従って、電源投入時にコネクタの極性を判定した際に、判定結果を記憶しておく必要がある。上記実施形態においては図示していないが、本データ伝送システムは、電源投入時に判定したコネクタの極性を記憶しておく記憶部を備えている。なお、他の実施形態においては、伝送データの前に極性判定データを常に付加しておき、伝送データを送信する度にコネクタの極性を判定するようにしてもよい。また、極性判定データを常に付加しておき、受信装置は必要な場合のみコネクタの極性を判定するようにしてもよい。例えば、受信装置がコネクタの抜き差しを検知する機能を有する場合、コネクタの抜き差しを検出する度に、コネクタの極性を判定するようにしてもよい。
また、上記第1および第2の実施形態は、差動伝送信号をA/D変換した後に反転する形態であった。ここで、他の実施形態においては、差動伝送信号をA/D変換する前にアナログ回路を用いて反転させてもよい。
また、上記第1および第2の実施形態の他、復号データを生成した後に極性を反転してもよい。具体的には、復号データとして生成される2ビットのデジタルデータを変換する変換回路を用意しておき、信号極性フラグに応じて、当該変換回路によってデジタル値を変換するようにしてもよい。この場合、当該変換回路は、復号データを、差動伝送信号の極性が反転した場合に生成される復号データに変換するように設計される。
また、上記第1および第2の実施形態では、出力値としてaおよびbが交互に出力されるパターンを含むものであり、これによって、受信装置は、確実に同期確立用データを検知することが可能である。これに対して、他の実施形態においては、同期確立用データは、予め定められたパターンを有するものであればどのようなものであってもよい。また、この場合、受信装置は予め定められたパターンと、当該パターンを含む差動伝送信号の極性が反転した場合のパターンとを記憶しでおくことが好ましい。そして、受信装置は、予め記憶した2つのパターンのいずれかに該当する差動伝送信号を検知して、極性の判定を開始する。以上の方法によっても、受信装置は、確実に同期確立用データを検知することができる。
また、上記第1および第2の実施形態では、各シンボルにおける信号のレベル値を読み、その値を2ビットのデジタル値に変換した。ここで、2ビットのデジタル値への変換方法は上記に限らず、例えば、シンボルとその前のシンボルとの差分を読み、それを2ビットのデジタル値に変換するようにしてもよい。この場合、データ判定部は、入力された信号レベルの値(上記の実施形態では10ビットのデジタルデータに対応する)と、その前のタイミングで入力された信号レベルの値との差分値を用いて、データ判定(2ビットのデジタルデータのへの変換)を行う。
産業上の利用可能性
上述したように、本発明のデータ伝送システムは、コネクタの差込向きにかかわらず、正常な伝送を行うことを目的として利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデータ伝送システムの構成を示すブロック図である。
図2は、図1に示す機器1のハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
図3は、図2に示す差動伝送信号処理部12の詳細な構成を示すブロック図である。
図4は、図3に示すA/Dコンバータ206の入出力関係を説明するための図である。
図5は、タイミング再生部208の動作の詳細を説明するための図である。
図6は、第1の実施形態における送信装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図7は、第1の実施形態における受信装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図8は、第1の実施形態における受信装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図9は、図3に示すシンボルデータ抽出部209から出力されるデータの示す値を模式的に示す図である。
図10は、差動伝送信号の極性が反転している場合における、図3に示すシンボルデータ抽出部209から出力されるデータの示す値を模式的に示す図である。
図11は、しきい値の算出方法を説明するための図である。
図12は、図3に示すデータ判定部210の詳細な構成を示すブロック図である。
図13は、図12に示すデータ判定部210が備える2つの復号回路における変換の対応関係を示す図である。
図14は、第2の実施形態における受信装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図15は、第2の実施形態におけるデータ判定部210の詳細な構成を示すブロック図である。
図16は、図15に示す極性反転回路2085における極性反転処理を模式的に示す図である。
本発明は、データ伝送システムに関し、より特定的には、極性を有する伝送信号を用いて差動伝送を行うデータ伝送システムに関する。
背景技術
従来の符号化データ伝送技術においては、耐ノイズ伝送を実現するため、種々のケーブルが用いられている。種々のケーブルの中でも、信号線をシールドすることによってノイズ入射を防止する同軸ケーブルが一般的である。しかし、同軸ケーブルは、シールドにコストを要し、また、ケーブルの重量が大きくなるという課題がある。
ここで、上記課題を解決するものとして、ツイストペアケーブルを用いた差動伝送技術が挙げられる。かかる技術では、差動レシーバによって同相成分を除去することで高い耐ノイズ性能を得ることができる。さらに、ツイストペアケーブルを用いる場合、同軸ケーブルのようにシールドを必要とすることがないので、コストを削減することができ、かつ、小重量にて設計できるという特長がある。
ツイストペアケーブルは2線で伝送を行うものであるため、本質的に信号に極性がある。このため、ツイストペアケーブルに用いられる従来のコネクタは、正しい差込向き、および接続するケーブルの極性が決まっている。従って、例えばユーザが誤ってコネクタの差込向き(コネクタの極性)を逆にして接続した場合や、逆接続のケーブルを用いた場合には、装置において信号の極性が反転した状態で受信されるため、正しくデータを受信できない。
なお、ケーブルの極性を間違えてコネクタを作成しないように(送信側と受信側とにおいて極性が逆になるようなケーブルおよびコネクタを作成しないように)、コネクタを実現することが考えられる。しかし、この場合、送信側と受信側との極性を考慮して(送信側と受信側との極性が必ず合うように)ケーブルおよびコネクタを作成する必要があるため、ケーブルおよびコネクタの製造に時間およびコストを要してしまう。
それ故に、本発明の目的は、ケーブルの極性にかかわらず、正常な伝送を行うことができるデータ伝送システムを提供することである。
発明の開示
本発明は、上記のような目的を達成するために、以下に述べるような特徴を有している。
本局面は、上記目的を達成するために、以下の特徴を有する。すなわち、本局面は、極性を有する2本の伝送線路を用いて差動信号を伝送することにより、送信装置と受信装置との間でデータを伝送するシステムである。ここで、前記送信装置は、所定個数のシンボルデータが含まれる長さにおいて信号レベルが一定である極性判定信号を含む差動伝送信号を生成して前記伝送線路上に送信する。一方、前記受信装置は、コネクタ部と、タイミング補正部と、極性判定部と、信号処理部とを備える。コネクタ部は、前記2本の伝送線路に対して着脱自在であり、かつ当該伝送線路に接続されたときに前記送信装置から送信された差動伝送信号を受け取る。タイミング補正部は、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に対して所定の処理を行う際において当該差動伝送信号からシンボル位置の信号レベルを検出する検出タイミングが、前記所定個数よりも多い個数のシンボルデータについて連続して誤っていた場合、当該検出タイミングを補正する。極性判定部は、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に含まれる極性判定信号を検出し、当該極性判定信号の信号レベルに基づいて、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性か逆極性かを判定する。信号処理部は、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性と判定された場合、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号を正常な極性を有する信号として取り扱って前記所定の処理を行い、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合、当該差動伝送信号を極性が反転した信号として取り扱って前記所定の処理を行う。
上記によれば、極性判定信号に基づいて、差動伝送信号を極性が反転したものとして処理するか、そのまま処理するかの判断が行われる。従って、コネクタ部の極性が逆に接続されたため受け取った差動伝送信号の極性が反転している場合であっても、当該反転が生じたことを正確に判定し、反転した差動伝送信号を確実に修正することができる。以上より、コネクタの差込向きおよび接続されたケーブルの極性にかかわらず、正常なデータ伝送を行うことができる。
なお、極性判定信号は、信号レベルが一定であるので、検出タイミングが正しいか誤っているかの判断を行うことができない。つまり、極性判定信号に含まれるシンボルデータを検出する際に検出タイミングの補正を行おうとしても、正しく補正を行うことができず、その後に受け取られる信号に含まれるシンボルを正確に検出できないおそれがある。しかし、上記によれば、検出タイミングの補正は、所定個数よりも多い個数のシンボルデータについて連続して誤っていた場合に行われるので、極性判定信号に対して検出タイミングの補正は行われない。従って、差動伝送信号に含まれるシンボルデータを確実に検出することができる。つまり、確実に同期を確立することができる。
なお、上記データ伝送システムにおいて、前記差動伝送信号は、前記極性判定信号の前に送信され、かつ、所定の周期を有する信号波形となるように生成される同期確立用信号をさらに含んでいてもよい。このとき、前記タイミング補正部は、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に含まれる同期確立用信号の信号波形に基づいて、当該同期確立用信号の後に受け取られる信号の信号レベルを検出する際における前記検出タイミングを決定する。
また、上記データ伝送システムにおいて、前記差動伝送信号は、前記極性判定信号の後に送信され、送信すべきデータのシンボル位置が波形の頂点にくるように生成される送信データ信号をさらに含んでいてもよい。このとき、前記タイミング補正部は、前記検出タイミングで差動伝送信号から信号レベルを検出する場合における信号検出位置が差動伝送信号の信号波形の頂点であるか否かに基づいて、当該検出タイミングが誤っているか否かを判定する。
また、前記信号処理部は、通常用処理部と、極性反転用処理部とを含んでいてもよい。通常用処理部は、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性と判定された場合に、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に対して第1の処理を実行する。極性反転用処理部は、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合に、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に対して第2の処理を実行する。また、前記通常用処理部および前記極性反転用処理部は、それぞれ、前記伝送線路上を伝送される同一の差動伝送信号に対して同一の処理結果を導出するように、前記第1および第2の処理を実行する。
上記によれば、コネクタまたはケーブルの極性が反転しているか否かに応じて、2つの異なる処理を行うそれぞれの処理部(通常用処理部および極性反転用処理部)が用いられる。差動伝送信号は、コネクタが正極性で接続されている場合には、通常用処理部によって処理される。一方、コネクタが逆極性で接続されている場合には、差動伝送信号は、極性が反転した信号を通常用処理部によって処理した場合と同一の処理結果を得ることができるように、極性反転用処理部によって処理される。以上のように、2つの処理部を使い分けることによって、差動伝送信号が反転した場合であっても当該差動伝送信号を容易に修正することができる。
また、前記信号処理部は、極性反転部と、通常用処理部とを含んでいてもよい。極性反転部は、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号の極性を反転する。通常用処理部は、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性と判定された場合、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に対して前記所定の処理を行い、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合、前記極性反転部によって極性が反転された差動伝送信号に対して当該所定の処理を行う。
上記によれば、コネクタの極性が反転している場合のみ、受け取った差動伝送信号の極性を反転する。また、極性が反転しているか否かの判定結果に基づいて極性の反転または非反転が行われた差動伝送信号について、所定の処理が行われる。従って、復号データへの変換を行う回路は1つあればよいので、上記第3の局面に比べて回路規模を縮小することができる。
なお、上記データ伝送システムにおいて、差動伝送信号には、信号レベルに対して1ビット以上のデータが1つのシンボルとして割り当てられてもよい。
なお、本局面は、極性を有する2本の伝送線路を用いて伝送される差動信号を、当該伝送線路に対して着脱自在に接続されるコネクタを介して入力し、所定の処理を行う信号処理回路として提供されてもよい。当該信号処理回路は、入力端子と、タイミング補正部と、極性判定部と、信号処理部とを備えている。入力端子は、所定個数のシンボルデータが含まれる長さにおいて信号レベルが一定である極性判定信号を含む差動伝送信号を前記コネクタから入力するためのものである。タイミング補正部は、前記入力端子から入力される差動伝送信号に対して前記所定の処理を行う際において当該差動伝送信号からシンボル位置の信号レベルを検出する検出タイミングが、前記所定個数よりも多い個数のシンボルデータについて連続して誤っていた場合、当該検出タイミングを補正する。極性判定部は、前記入力端子から入力される差動伝送信号に含まれる極性判定信号を検出し、当該極性判定信号の信号レベルに基づいて、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性か逆極性かを判定する。信号処理部は、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性と判定された場合、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号を正常な極性を有する信号として取り扱って前記所定の処理を行い、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合、当該差動伝送信号を極性が反転した信号として取り扱って前記所定の処理を行う。
また、本局面は、上記データ伝送システムにおいて行われるデータ伝送方法として提供されてもよい。
発明を実施するための最良の形態
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデータ伝送システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、データ伝送システムは、機器1から5によってリング型ネットワークを構成している。従って、本実施形態では、一方の隣の機器からデータを受信した機器が他方の隣の機器にデータを送信することによって、ネットワーク上でデータは環状に送信されていく。ここで、データ伝送を行う各機器間は、極性を有するツイストペアケーブルによって接続されている。また、各機器間のデータ伝送は、差動信号を用いた差動伝送によって行われる。なお、他の実施形態においては、ネットワークの構成はリング型に限らず、各機器間において極性を有する伝送線路によって差動伝送が行われるシステムであれば、どのような形態であっても構わない。
図2は、図1に示す機器1のハードウェア構成の概要を示すブロック図である。なお、図2は機器1の構成を示すものであるが、図1に示すすべての機器(機器1から5)は、図2に示す構成を有している。図2において、機器1は、コネクタ11と、差動伝送信号処理部12と、上位層データ処理部13と、CPU14とを備えている。コネクタ11は、図示しないツイストペアケーブルによって他の機器と着脱自在に接続され、差動伝送信号の送受信を行う。ここで、差動伝送信号とは、機器間のデータ伝送において送受信される差動信号である。差動伝送信号には、機器間で伝送すべき伝送データが含まれる他、ネットワークの電源が投入された場合には、コネクタの極性を判定するための極性判定データが含まれる。極性判定データは、差動伝送信号の極性を判定することによって、コネクタの極性を判定するためのデータである。本データ伝送システムは、当該極性判定データを用いることによって、コネクタの差込向きにかかわらず正常なデータ伝送を行うことを可能とするものである。差動伝送信号の詳細については後述する。
差動伝送信号処理部12は、コネクタ11を介して受信される差動伝送信号を、後述する所定の復号処理によって復号化する。ここで、差動伝送信号処理部12によって復号化されるデータを、復号データと呼ぶ。また、差動伝送信号処理部12は、上位層データ処理部13から入力されたデータを、差動伝送信号として出力する。出力された差動伝送信号はコネクタを介して他の機器に送信される。また、差動伝送信号処理部12は、ネットワークの電源が投入された場合、上位層データ処理部13から入力されたデータに極性判定データを付加して、差動伝送信号として出力する。上位層データ処理部13は、CPU14において処理されるデータと、差動伝送信号処理部12において処理されるデータとの間の所定のフォーマット変換を行う。
図3は、図2に示す差動伝送信号処理部12の詳細な構成を示すブロック図である。差動伝送信号処理部12は、送信処理部201と、D/Aコンバータ202と、ローパスフィルタ(LPF)203と、ドライバ204と、レシーバ205と、A/Dコンバータ(図3では「A/D」と示す。)206と、デジタルフィルタ207と、タイミング再生部208と、シンボルデータ抽出部209と、データ判定部210と、極性判定部211と、トレーニング処理部212とを備えている。
送信処理部201は、ネットワークの電源が投入された場合において、初期化データ(後述する同期確立用データ、上記極性判定データおよび後述するトレーニングデータ)を出力し、続いて上位層データ処理部13から入力されたデータを出力する。送信処理部201から出力されたデータは、D/Aコンバータ202によってD/A変換された後、LPF203およびドライバ204を介して、他の機器に送信される。
ここで、本実施形態においては、上位4値のシンボルのいずれかと、下位4値のシンボルのいずれかとが交互に選択されるマッピングを使用することによって、1シンボル2ビット8値伝送を行うものとする。すなわち、D/Aコンバータ202は、2ビットのデジタルデータをアナログデータに変換するものとする。なお、差動伝送信号には、信号レベルに対して2ビットのデータが1つのシンボルとして割り当てられている。また、差動伝送信号は、所定の時間間隔T毎にシンボルデータが含まれるように生成される。
本実施形態において、差動伝送信号は、同期確立用信号と、極性判定信号と、トレーニング信号と、伝送データ信号とによって構成されている。同期確立用信号とは、受信装置が極性判定データを識別し、コネクタの極性判定を開始するための同期確立用データを含む信号である。極性判定信号とは、コネクタの極性を判定するための極性判定データを含む信号である。トレーニング信号は、後述するトレーニング処理において用いられる信号である。伝送データ信号とは、伝送すべきデータを含む信号である。
また、極性判定信号は、予め定められた波形パターンを有しており、所定個数のシンボルデータが含まれる長さにおいて、信号レベルが一定である。本実施形態においては、極性判定信号は、同じ値が3シンボルの間連続するパターンを有する(図9参照)。
また、本実施形態において、差動伝送信号は、極性判定信号の部分以外については、シンボル位置が波形の頂点の位置となるように生成される。つまり、差動伝送信号の波形(極性判定信号の部分を除く)は、所定の時間間隔T毎に頂点を有するような波形パターンとなり、当該頂点の位置がシンボル位置となる。図1に示す各機器は、他の機器から送信されてくる差動伝送信号について、当該シンボル位置の信号レベルを読み取り、それをデジタルデータに変換することによって、伝送データを読み取ることができるのである。
図3において、他の機器から送信されてくる差動伝送信号は、コネクタ11を介してレシーバ205によって受信される。レシーバ205によって受信された差動伝送信号は、A/Dコンバータ206によってA/D変換される。A/D変換された差動伝送信号は、デジタルフィルタ207およびタイミング再生部208に入力される。ここで、A/Dコンバータ206は、入力したアナログデータを、複数ビットのデジタルデータに変換する。本実施形態では、A/Dコンバータ206は、入力したアナログデータを、10ビットのデジタルデータに変換する。
図4は、図3に示すA/Dコンバータ206の入出力関係を説明するための図である。図4において、曲線はA/Dコンバータ206に入力されるアナログデータである。A/Dコンバータ206は、アナログデータを所定のサンプリング間隔t(tは、上記所定の時間間隔Tよりも十分に短い。)でサンプリングし、信号レベルの大きさを10ビットのデジタルデータに変換する。なお、10ビットのデジタルデータは、差動伝送信号に含まれているデータの内容を表すものではない。なお、本実施形態において、上記所定時間間隔Tよりも短い間隔tでサンプリングし、10ビットのデジタルデータに変換しているのは、差動伝送信号の多値シンボルを高精度に再生するためである。本実施形態では、差動伝送信号の波形を10ビットのデジタルデータに変換し、さらに10ビットのデジタルデータを2ビットのデジタルデータに変換する。2ビットのデジタルデータが、差動伝送信号に含まれているデータの内容を表すデータである。
上記のように、A/Dコンバータ206によって10ビットのデジタルデータに変換された差動伝送信号は、デジタルフィルタ207およびタイミング再生部208に入力される。デジタルフィルタ207は、入力された10ビットのデジタルデータから高周波ノイズ成分を除去する。タイミング再生部208は、10ビットのデジタルデータからシンボルデータを検出するタイミング(検出タイミング)を決定する。検出タイミングとは、10ビットのデジタルデータから意味のあるデータ(シンボルデータ)を抽出するタイミングである。検出タイミングの時間間隔は、差動伝送信号にシンボルデータが含まれる間隔、すなわち、上述の所定の時間間隔Tである。A/Dコンバータ206におけるサンプリング間隔tでA/D変換されたデジタルデータは、出力されるデジタルデータのすべてが意味のあるシンボルデータを示すものではない。そこで、A/Dコンバータ206から出力されるデジタルデータから、シンボルデータを抽出するタイミングが、タイミング再生部208によって決定されるのである。
以下、タイミング再生部208の動作の詳細を説明する。図5は、タイミング再生部208の動作の詳細を説明するための図である。図5に示す点は、A/Dコンバータ206から時間間隔tで順次入力される10ビットのデジタルデータを示す。タイミング再生部208は、A/Dコンバータ206から入力されるデータから、その時点で決定されている検出タイミングに従ってデータを抽出する。タイミング再生部208は、当該検出タイミングで抽出されたデータ(時間taのデータ)と、当該検出タイミングの直前に入力されるデータ(時間tbのデータ)と、当該検出タイミングの直後に入力されるデータ(時間tcのデータ)とを比較する。ここで、図5(a)のように、当該検出タイミングで抽出されたデータの値が最も大きい(または、最も小さい)場合、当該検出タイミングは正しいと判断される。一方、図5(b)のように、当該検出タイミングで抽出されたデータの値が、当該検出タイミングの直前に入力されるデータと当該検出タイミングの直後に入力されるデータとの間の大きさになる場合、当該検出タイミングは誤っていると判断される。以上に示した判断は、検出タイミングが到来する度に行われる。
さらに、タイミング再生部208は、A/Dコンバータ206から入力されるデータについて、所定個数のシンボルデータについて連続して検出タイミングが誤っている場合、検出タイミングを補正する。ここで、所定個数は、極性判定信号において連続して同じ値となるシンボルデータの個数によって決められる。本実施形態では、極性判定信号において連続して同じ値となるシンボルデータの個数は3つなので、当該所定個数は、3つよりも大きい数であればよい。
これによって、極性判定信号に含まれるシンボルデータを読み取る際において、検出タイミングが所定個数連続して誤っていると判定されることがない。ここで、もし、誤っていると判定されてしまうと、極性判定信号は、信号レベルが一定であるので(上述の時間ta、tbおよびtcにおける信号レベル値が同じ値となるので)、補正を正しく行うことができない。従って、もし、誤っていると判定されてしまうと、検出タイミングを正しく補正することができないので、その後の信号を正しく読み取ることができないおそれがある。そこで、本実施形態では、極性判定信号における信号レベルが一定となる部分の長さを、検出タイミングを補正すると判定される信号の長さよりも短くすることによって、確実かつ正確に信号を読み取るようにしている。
なお、タイミング再生部208は、検出タイミングが波形の頂点の位置を検出するタイミングとなるように、検出タイミングを補正する。補正の具体的な方法はどのような方法であってもよい。例えば、図5(b)のように検出された場合において、正しい検出タイミングでは極大値を検出すべき場合には、時間tbが最も検出タイミングに近いと考えられる。従って、この場合、時間tbから時間T経過した時点を次の検出タイミングとするように補正する。
図3において、シンボルデータ抽出部209は、デジタルフィルタ207から入力されるデジタルデータから、タイミング再生部208よって決定されたシンボルタイミングに従ってデータを抽出する。すなわち、タイミング再生部208は、決定したタイミングでシンボルデータ抽出部209にデータを抽出する旨の指示を送る。この指示に応じて、シンボルデータ抽出部209は、デジタルフィルタ207から入力される10ビットのデジタルデータの中からシンボルデータを抽出する。抽出されたシンボルデータは、データ判定部210、極性判定部211およびトレーニング処理部212に入力される。
極性判定部211は、伝送データに先立って送信される極性判定データに基づいて、コネクタの極性、すなわち、ツイストペアケーブルとコネクタとの接続関係が正極性か逆極性かを判定する。判定結果は、データ判定部210に入力される。トレーニング処理部212は、伝送データに先立って送信されるトレーニングデータに基づいて、差動伝送信号の信号レベルを多値(ここでは、8値)デジタルデータに変換する際のしきい値を決定する。決定されたしきい値は、データ判定部210に入力される。データ判定部210は、差動伝送信号に含まれる伝送データを、上位層データ処理部13が処理可能なデータに変換するために、所定のデータ判定処理、すなわち、上記所定の復号処理を行う。また、極性判定部211において極性が判定される場合、データ判定部210は、極性判定部211による判定結果に応じて、復号結果を変化させる。復号データ、すなわち、復号化された伝送データは、上位層データ処理部13へ出力される。
次に、本データ伝送システムにおいて、ネットワークの電源が投入された場合の動作を説明する。なお、以下において、差動伝送信号を送信する機器を送信装置、差動伝送信号を受信する機器を受信装置とする。ここで、本実施形態では、ネットワークの電源が投入された場合に、コネクタの極性を判定し、判定結果に応じて信号の極性を反転させることにより、コネクタの差込向きにかかわらず正常なデータ伝送を行う。なお、本実施形態に係るシステムはリング型ネットワークを構成するため、コネクタの抜き差しや、新たな機器がネットワークに追加される場合、必ずネットワークの電源を落とす必要がある。また、上記のように、本実施形態においては、電源が投入された場合にコネクタの極性を判定する。以上より、本データ伝送システムは、コネクタ極性の判定を行う必要がある場合(コネクタの抜き差し等が行われた場合)について、常に判定を行うことができる。
図6は、本実施形態における送信装置の処理の流れを示すフローチャートである。また、図7および図8は、本実施形態における受信装置の処理の流れを示すフローチャートである。図6、図7および図8に示す各装置の動作は、ネットワークの電源が投入されたことによって開始される。ここで、リング型ネットワークにおいては、ネットワークを構成するすべての機器に電源が投入されていなければデータ伝送を行うことができない。従って、本実施形態において、ネットワークの電源が投入されているとは、本データ伝送システムにおいて含まれるすべての機器について電源が投入されていることを意味する。なお、ネットワークを構成するすべての機器の電源投入を制御する方法は、どのような方法であってもよい。例えば、ネットワークを構成する各機器の電源を制御する機器を設置し、当該機器によってすべての機器の電源が投入される形態であってもよい。
ネットワークの電源が投入された場合、送信装置は、同期確立用データを含む同期確立用信号を送信する(ステップS101)。ここで、同期確立用データとは、受信装置が極性判定データを識別し、コネクタの極性判定を開始するためのデータである。また、本実施形態においては、同期確立用データは、各機器において行われる初期化処理を開始するために送信される初期化データとしても用いられる。なお、同期確立用データは、予め定められた一定のパターンを有する。具体的には、ステップS101の処理において、送信装置の送信処理部201は、送信装置に電源が投入されたことに応じて同期確立用データを生成する。生成された同期確立用データは、D/Aコンバータ202、LPF203およびドライバ204を介して、受信装置に対して送信される。以上によりステップS101の処理が行われる。
次に、送信装置は、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS102)。ここで、所定時間は、同期確立用データの送信先である受信装置が同期の確立を完了するために必要な時間以上となるように予め設定される。ステップS102において、所定時間が経過していないと判定された場合、送信装置は、ステップS101の処理を繰り返す。一方、所定時間が経過したと判定された場合、送信装置は、同期確立用信号に続いて、極性判定データを含む極性判定用信号を送信する(ステップS103)。具体的には、送信装置の送信処理部201は、予め定められた一定のパターンを有する極性判定データを、上記同期確立用データと同様の方法で送信する。極性判定データは、予め長さが決められている。
極性判定信号が予め決められた長さ分送信された後、送信装置は、極性判定信号に続いてトレーニング信号を送信する(ステップS104)。トレーニング信号は、差動伝送信号の信号レベルから多値(ここでは、8値)デジタルデータを決定するためのしきい値を設定するために用いられる。トレーニング信号のパターンおよび長さは予め決められている。なお、トレーニング信号の送信方法は、上記同期確立用データと同様である。
次に、送信装置は、トレーニング信号に続いて伝送データを含む伝送データ信号を送信する(ステップS104)。具体的には、送信装置の送信処理部201は、トレーニング信号の一定パターンの信号を送信した後、上位層データ処理部13から入力される伝送データを差動伝送信号として送信する。送信の方法は、上記同期確立用データと同様である。送信装置の送信処理部201は、伝送すべき伝送データの送信が終了することにより、図6に示す処理を終了する。以上、図6に示す処理によって、送信される順に、同期確立用信号、極性判定用信号、トレーニング信号および伝送データ信号で構成される差動伝送信号が受信装置に送信されることとなる。
次に、図7に示す受信装置の処理を説明する。受信装置では、まず、送信装置からの差動伝送信号として、同期確立用信号が受信される。従って、ネットワークの電源が投入された場合、受信装置は、まず、同期確立用信号を受信する(ステップS201)。同期確立用信号は、レシーバ205を介してA/Dコンバータ206に入力される。入力された同期確立用信号は、A/Dコンバータ206によってA/D変換され、A/D変換されたデジタルデータがデジタルフィルタ207およびタイミング再生部208に入力される。
次に、受信装置は、ステップS201において入力した同期確立用信号に基づいて、同期を確立する(ステップS202)。同期の確立処理は、タイミング再生部208によって行われる。すなわち、タイミング再生部208は、同期確立用信号の後に送信されてくる信号レベルを検出するタイミング(検出タイミング)を決定する。検出タイミングの決定は、上述した検出タイミングの補正処理を行うことによって、検出タイミングを正しいタイミングに補正することによって行われる。タイミング再生部208は、ステップS202で決定された検出タイミングをシンボルデータ抽出部209に指示する。
次に、受信装置は、同期確立処理が完了したか否かを判定する(ステップS203)。この処理は、タイミング再生部208によって行われる。ステップS203の判定は、上記ステップS102における所定時間が経過するより以前に必ず完了するように設計される。同期確立処理が完了していないと判定された場合、受信装置は、ステップS201の処理を再び行う。
一方、ステップS203の判定において、同期確立処理が完了したと判定された場合、受信装置は、ステップS103において送信装置から送信されてくる極性判定信号を受信する(ステップS204)。極性判定信号は、受信装置のレシーバ205を介してA/Dコンバータ206に入力される。入力された極性判定信号は、A/Dコンバータ206によってA/D変換される。さらに、A/D変換された極性判定信号のデジタルデータから、シンボルデータ抽出部209によってシンボルデータが抽出される。
ステップS204の次に、受信装置は、コネクタの極性を検出する(ステップS205)。この処理は、極性判定部211によって行われる。具体的には、受信装置の極性判定部211は、シンボルデータ抽出部209から出力される極性判定信号を入力し、入力した極性判定信号に基づいて、差動伝送信号(極性判定信号)の極性が反転しているか否かを検出する。このように、差動伝送信号の極性が反転しているか否かによって、コネクタの極性が反転しているか否かを判定することができる。ここで、本実施形態においては、極性判定データの値が差動伝送信号のレベルが最大である場合、すなわち、極性判定データの値が1024である場合、差動伝送信号の極性は反転していないと判定されるものとする。
以下、極性判定の方法を詳細に説明する。図9は、図3に示すシンボルデータ抽出部209から出力されるデータを模式的に示す図である。図9において、縦軸はシンボルデータ抽出部209の出力値であるデジタル値の大きさを表し、横軸は出力される時間を表す。また、シンボルデータ抽出部209から出力されるデジタル値は、10ビットの値であり、その大きさは差動伝送信号のレベルを表す。すなわち、シンボルデータ抽出部209の出力値は、1から1024までの数値で差動伝送信号のレベルを表すものである。また、図9に示す折れ線上の各点の間隔は、上述の時間間隔Tである。図9に示す折れ線は、差動伝送信号の波形を離散的な数値で表したものである。
ここで、時間t0からt1までは、上述の同期確立用データが出力されている状態である。つまり、時間t0からt1における、出力値aおよびbが交互に出力されるパターンは、同期確立用データを示すパターンである。かかるパターンは、予め設定されている。なお、時間t0からt1においては、ステップS201〜S203の処理が行われている。
次に、時間t1からt2までは、極性判定信号に含まれる極性判定データが出力されている状態である。つまり、時間t1からt2における、出力値1024が連続して出力されるパターンは、極性判定データのパターンである。極性判定データのパターンも、同期確立用データと同様、予め定められている。ここでは、極性判定データは、同じ値が3シンボルの間連続するパターンである。なお、時間t1からt2においては、ステップS204およびS205の処理が行われている。このように、本実施形態においては、同期確立用データのパターンが終了した後の差動伝送信号の振幅レベルによって、コネクタの極性を判定することができる。
図10は、差動伝送信号の極性が反転している場合における、図3に示すシンボルデータ抽出部209から出力されるデータの示す値を模式的に示す図である。図10は、図9に示す場合と同様のデータを受信した場合であって、コネクタの向きが図9に示す場合とは逆に接続されている場合における、シンボルデータ抽出部209の出力値を示している。このように、コネクタの極性が逆極性の場合、受信装置で受信された差動伝送信号は、コネクタの極性が正極性の場合と比べて反転した信号となる。すなわち、受信装置で受信された差動伝送信号は、極性を有し、当該極性はコネクタの極性によって変化することとなる。図10のように、コネクタの向きが逆になった場合、極性判定データとして読み取られる値は、1である。従って、この場合、差動伝送信号の極性が反転していると判定される。このように、差動伝送信号の極性が反転しているか否かは、極性判定データの値によって判定することができる。以上より、極性判定部211は、極性判定データの値によって差動伝送信号の極性が反転している否か、すなわち、コネクタの向きが逆に接続されているか否かを判定する。また、極性判定部211は、極性が反転しているか否かを示す信号極性フラグを、データ判定部210に出力する。
図7の説明に戻り、ステップS205の次に、受信装置は、ステップS104において送信装置から送信されてくるトレーニング信号を受信する(ステップS206)。なお、レシーバ205からシンボルデータ抽出部209までに行われるトレーニング信号に対する処理は、極性判定信号と同様である。次に、受信装置は、ステップS206において受信したトレーニング信号を用いて、トレーニング処理を行う(ステップS207)。この処理は、トレーニング処理部212によって行われる。以下、トレーニング処理の詳細を説明する。
図9において、時間t2からt3までは、トレーニング信号が出力されている状態である。トレーニング信号は、予め決められたパターンを有している。このパターンは、8値のデジタルデータの値が、予め決められた順番で、かつ、すべての値(8つの値)をとるように決められる。トレーニング処理部212は、当該パターンが示す8値のデジタル値の順番を記憶しておく。ステップS207において、トレーニング処理部212は、シンボルデータ抽出部209から入力される10ビットのデジタルデータの値を、記憶している8値のデジタル値と対応付けて記憶する。
図7の説明に戻り、ステップS207の次に、トレーニング処理部212は、トレーニングが終了したか否かを判定する。トレーニング信号の長さは予め決められているので、ステップS207の処理を行う回数も予め決まっている。予め決められた回数ステップS207の処理が行われた場合、トレーニング処理部212は、トレーニングが終了したと判定する。トレーニングが終了していないと判定される場合、ステップS207の処理が行われる。
一方、トレーニングが終了したと判定される場合、トレーニング処理部212は、しきい値を算出する(ステップS209)。しきい値は、差動伝送信号の信号レベルを8値のデジタルデータに変換するためのしきい値である。
図11は、しきい値の算出方法の一例を説明するための図である。図11において、信号レベルのとり得る範囲(1〜1024)は、信号レベルの大きさに応じて、レベルAからレベルHまでの8つのレベルに分けられる。レベルA〜Dは、それぞれ、8値のデジタル値がとり得る4種類の値(“00”、“01”、“10”および“11”)に対応する。これと同様に、レベルE〜Hは、それぞれ、4値のデジタル値のとり得る値(“00”、“01”、“10”および“11”)に対応する。トレーニング処理部212は、ステップS207においてシンボルデータ抽出部209から入力される10ビットのデジタルデータの値と、予め記憶している8値のデジタル値とに基づいて、しきい値を設定する。具体的には、レベルAとレベルBとを区別する第1しきい値は、次のように設定される。すなわち、トレーニング処理部212は、レベルAを示す値として入力された10ビットのデジタルデータのうちの最小値と、レベルBを示す値として入力された10ビットのデジタルデータのうちの最大値との平均値(中間値)を、第1しきい値とする。その他のレベルを区別する第2〜第7しきい値も、上記第1しきい値と同様に設定する。以上のように設定された第1〜第7しきい値は、データ判定部210に入力される。
図8において、ステップS209の次に、受信装置は、伝送データ信号を受信する(ステップS210)。なお、図9において、時間t3以降は、伝送データ信号が出力されている状態である。時間t3以降におけるデータが、データ判定部210によって復号されることになる。また、レシーバ205からシンボルデータ抽出部209までに行われる伝送データ信号に対する処理は、極性判定信号と同様である。
次に、受信装置は、差動伝送信号(伝送データ信号)の極性が反転しているか否かを判定する(ステップS211)。この処理は、データ判定部210によって行われる。具体的には、データ判定部210は、極性判定部211から入力される信号極性フラグに基づいて、差動伝送信号の極性が反転しているか否かを判定する。ステップS211において、差動伝送信号の極性が反転していると判断された場合、受信装置は、極性反転用の復号を行う(ステップS212)。一方、差動伝送信号の極性が反転していないと判断された場合、受信装置は、通常用の復号を行う(ステップS213)。ここで、ステップS212およびステップS213の処理は、受信装置のデータ判定部210によって行われる。以下、データ判定部210の動作を詳細に説明する。
図12は、図3に示すデータ判定部210の詳細な構成を示すブロック図である。図12において、データ判定部210は、選択回路2101と、通常用復号回路2102と、極性反転用復号回路2103とを備えている。ステップS206において、選択回路2101は、極性判定部211から入力される信号極性フラグの内容に従って、A/Dコンバータ206からの出力信号を通常用復号回路2102および極性反転用復号回路2103のどちらに出力するかを選択する。差動伝送信号の極性が反転していることを示す信号極性フラグを受け取った選択回路2101は、A/Dコンバータ206からの出力信号を、極性反転用復号回路2103に出力する。ステップS207において、極性反転用復号回路2103は、A/Dコンバータ206からの出力信号を受け取り、受け取った出力信号である伝送データを復号する。一方、差動伝送信号の極性が反転していないことを示す信号極性フラグを受け取った選択回路2101は、A/Dコンバータ206からの出力信号を、通常用復号回路2102に出力する。ステップS208において、通常用復号回路2102は、A/Dコンバータ206からの出力信号を受け取り、受け取った出力信号である伝送データを復号する。
図13は、図12に示すデータ判定部210が備える2つの復号回路における変換の対応関係を示す図である。図13(a)は、通常用復号回路2102における対応関係を示すテーブルであり、図13(b)は、極性反転用復号回路2103における対応関係を示すテーブルである。ここで、本実施形態においては、各復号回路は、A/Dコンバータ206から出力される10ビットのデジタルデータを、2ビットのデジタルデータに変換するものとする。従って、図13に示す各変換テーブルにおいては、A/Dコンバータ206から出力される10ビットのデジタル値(差動伝送信号のレベルを示す値)を、8つのレベルに分割し、それぞれに復号データである2ビットの数値を対応させている。なお、図13に示す8つのレベルのしきい値は、上述の第1〜第7しきい値である。ここで、図13に示す2つの変換テーブルは、変換すべき復号データに対応する10ビットのデジタル値が、2つの変換テーブルにおいて極性を反転させた値となるように作成される。つまり、通常用復号回路2102および極性反転用復号回路2103は、出力される復号データに対応する差動伝送信号の極性が互いに反転するように設計される。以上のように2つの復号回路を設計することにより、信号の極性が反転していない場合に通常用の復号回路を用いて復号した復号データと、信号の極性が反転している場合に極性反転用の復号回路を用いて復号した復号データとを同一にすることができる。
以上に説明したステップS212またはS213の処理が終了すると、受信装置は、処理を終了する。なお、ステップS212またはS213において復号された復号データは、上位層データ処理部13を介してCPU14へ送られる。
なお、上記第1の実施形態において、上記同期確立用データは、当該同期確立用データが付加された差動伝送信号の波形が、コネクタの極性が正極性か逆極性かにかかわらず、同一の波形となるような波形パターンを含むように予め設定される。すなわち、図9に示すように、同期確立用データは、出力値としてaおよびbが交互に出力されるパターンを含んでいる。かかるパターンは、コネクタが正極性となるように接続された場合と逆極性となるように接続された場合とで、同じパターンとなる。従って、受信装置は、かかるパターンに基づいて同期確立用データを検知すれば確実に同期確立用データを検知することができる。
次に、第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と第2の実施形態との相違点は、データ判定部210の構成とデータ判定部210において行われる復号処理である。従って、以下では当該相違点のみを説明し、第1の実施形態と同様の処理については説明を省略する。
図14は、第2の実施形態における受信装置の処理の流れを示すフローチャートである。ここで、本実施形態と第1の実施形態との相違点は、ステップS301およびS302の処理である。従って、ステップS201からS211までの処理については説明を省略する。ステップS211において、差動伝送信号の極性が反転していると判断された場合、受信装置は、差動伝送信号の極性を反転し(ステップS301)、ステップS302の処理を行う。一方、差動伝送信号の極性が反転していないと判断された場合、受信装置は、ステップS301処理を行わずに、ステップS302の処理を行う。以下、データ判定部210の動作の詳細を説明する。
図15は、第2の実施形態におけるデータ判定部210の詳細な構成を示すブロック図である。図15において、データ判定部210は、選択回路2104と、極性反転回路2105と、通常用復号回路2086とを備えている。ステップS211において、選択回路2104は、極性判定部211から入力される信号極性フラグの内容に従って、A/Dコンバータ206からの出力信号を極性反転回路2105および通常用復号回路2086のどちらに出力するかを選択する。差動伝送信号の極性が反転していることを示す信号極性フラグを受け取った選択回路2104は、A/Dコンバータ206からの出力信号を、極性反転回路2105に出力する。極性反転回路2105は、入力した伝送データを示す差動伝送信号の極性を反転する(ステップS301)。
図16は、図15に示す極性反転回路2105における極性反転処理を模式的に示す図である。極性反転回路2105は、入力値としてとり得る値(1から1024)の中央値(512)に対して線対称の値となるように、入力値を変換する。例えば、図16のように、極性反転回路2105にA/Dコンバータからの入力値が700(点D)である場合、極性反転回路2105は、入力値を324(点D’)に変換して、通常用復号回路2086へ出力する。以上の変換処理によって、極性反転回路2105は、差動伝送信号の極性を反転することが可能である。
一方、差動伝送信号の極性が反転していないことを示す信号極性フラグを受け取った選択回路2104は、A/Dコンバータ206からの出力信号を、通常用復号回路2086に出力する。通常用復号回路2086は、A/Dコンバータ206、または、極性反転回路2105からの出力を受け取り、受け取った伝送データを復号する(ステップS302)。通常用復号回路2086は、第1の実施形態における通常用復号回路2102と同様の処理を行う。これによって、A/Dコンバータ206において生成された10ビットのデジタルデータが、2ビットのデジタルデータ(復号データ)に変換される。
以上に説明したステップS302の処理が終了すると、受信装置は、処理を終了する。なお、ステップS302において復号された復号データは、上位層データ処理部13を介してCPU14へ送られる。
以上のように、上記第1および第2実施形態においては、コネクタの極性を極性判定データを用いて判定し、判定結果に基づいて差動伝送信号の極性の反転または非反転を行うことによって、コネクタの極性にかかわらず正確なデータ伝送を行うことができる。
なお、上記第1および第2実施形態においては、受信装置において受信した差動伝送信号に対して復号処理を行う場合を例として説明した。ここで、他の実施形態においては、差動伝送信号に対して行う処理は、上記に限らない。差動伝送信号に対して行う処理は、ツイストペアケーブルに対するコネクタ11の接続関係が正極性と判定された場合と、逆極性と判定された場合とに応じて、コネクタ11が受け取った差動伝送信号を正常な極性を有する信号として取り扱うか、極性が反転した信号として取り扱うかを変更するものであればよい。
また、上記第1および第2実施形態においては、電源を投入した場合に、極性判定データを用いてコネクタの極性を判定した。従って、電源投入時にコネクタの極性を判定した際に、判定結果を記憶しておく必要がある。上記実施形態においては図示していないが、本データ伝送システムは、電源投入時に判定したコネクタの極性を記憶しておく記憶部を備えている。なお、他の実施形態においては、伝送データの前に極性判定データを常に付加しておき、伝送データを送信する度にコネクタの極性を判定するようにしてもよい。また、極性判定データを常に付加しておき、受信装置は必要な場合のみコネクタの極性を判定するようにしてもよい。例えば、受信装置がコネクタの抜き差しを検知する機能を有する場合、コネクタの抜き差しを検出する度に、コネクタの極性を判定するようにしてもよい。
また、上記第1および第2の実施形態は、差動伝送信号をA/D変換した後に反転する形態であった。ここで、他の実施形態においては、差動伝送信号をA/D変換する前にアナログ回路を用いて反転させてもよい。
また、上記第1および第2の実施形態の他、復号データを生成した後に極性を反転してもよい。具体的には、復号データとして生成される2ビットのデジタルデータを変換する変換回路を用意しておき、信号極性フラグに応じて、当該変換回路によってデジタル値を変換するようにしてもよい。この場合、当該変換回路は、復号データを、差動伝送信号の極性が反転した場合に生成される復号データに変換するように設計される。
また、上記第1および第2の実施形態では、出力値としてaおよびbが交互に出力されるパターンを含むものであり、これによって、受信装置は、確実に同期確立用データを検知することが可能である。これに対して、他の実施形態においては、同期確立用データは、予め定められたパターンを有するものであればどのようなものであってもよい。また、この場合、受信装置は予め定められたパターンと、当該パターンを含む差動伝送信号の極性が反転した場合のパターンとを記憶しでおくことが好ましい。そして、受信装置は、予め記憶した2つのパターンのいずれかに該当する差動伝送信号を検知して、極性の判定を開始する。以上の方法によっても、受信装置は、確実に同期確立用データを検知することができる。
また、上記第1および第2の実施形態では、各シンボルにおける信号のレベル値を読み、その値を2ビットのデジタル値に変換した。ここで、2ビットのデジタル値への変換方法は上記に限らず、例えば、シンボルとその前のシンボルとの差分を読み、それを2ビットのデジタル値に変換するようにしてもよい。この場合、データ判定部は、入力された信号レベルの値(上記の実施形態では10ビットのデジタルデータに対応する)と、その前のタイミングで入力された信号レベルの値との差分値を用いて、データ判定(2ビットのデジタルデータのへの変換)を行う。
産業上の利用可能性
上述したように、本発明のデータ伝送システムは、コネクタの差込向きにかかわらず、正常な伝送を行うことを目的として利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデータ伝送システムの構成を示すブロック図である。
図2は、図1に示す機器1のハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
図3は、図2に示す差動伝送信号処理部12の詳細な構成を示すブロック図である。
図4は、図3に示すA/Dコンバータ206の入出力関係を説明するための図である。
図5は、タイミング再生部208の動作の詳細を説明するための図である。
図6は、第1の実施形態における送信装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図7は、第1の実施形態における受信装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図8は、第1の実施形態における受信装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図9は、図3に示すシンボルデータ抽出部209から出力されるデータの示す値を模式的に示す図である。
図10は、差動伝送信号の極性が反転している場合における、図3に示すシンボルデータ抽出部209から出力されるデータの示す値を模式的に示す図である。
図11は、しきい値の算出方法を説明するための図である。
図12は、図3に示すデータ判定部210の詳細な構成を示すブロック図である。
図13は、図12に示すデータ判定部210が備える2つの復号回路における変換の対応関係を示す図である。
図14は、第2の実施形態における受信装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図15は、第2の実施形態におけるデータ判定部210の詳細な構成を示すブロック図である。
図16は、図15に示す極性反転回路2085における極性反転処理を模式的に示す図である。
本発明は、データ伝送システムに関し、より特定的には、極性を有する伝送信号を用いて差動伝送を行うデータ伝送システムに関する。
従来の符号化データ伝送技術においては、耐ノイズ伝送を実現するため、種々のケーブルが用いられている。種々のケーブルの中でも、信号線をシールドすることによってノイズ入射を防止する同軸ケーブルが一般的である。しかし、同軸ケーブルは、シールドにコストを要し、また、ケーブルの重量が大きくなるという課題がある。
ここで、上記課題を解決するものとして、ツイストペアケーブルを用いた差動伝送技術が挙げられる。かかる技術では、差動レシーバによって同相成分を除去することで高い耐ノイズ性能を得ることができる。さらに、ツイストペアケーブルを用いる場合、同軸ケーブルのようにシールドを必要とすることがないので、コストを削減することができ、かつ、小重量にて設計できるという特長がある。
ツイストペアケーブルは2線で伝送を行うものであるため、本質的に信号に極性がある。このため、ツイストペアケーブルに用いられる従来のコネクタは、正しい差込向き、および接続するケーブルの極性が決まっている。従って、例えばユーザが誤ってコネクタの差込向き(コネクタの極性)を逆にして接続した場合や、逆接続のケーブルを用いた場合には、装置において信号の極性が反転した状態で受信されるため、正しくデータを受信できない。
なお、ケーブルの極性を間違えてコネクタを作成しないように(送信側と受信側とにおいて極性が逆になるようなケーブルおよびコネクタを作成しないように)、コネクタを実現することが考えられる。しかし、この場合、送信側と受信側との極性を考慮して(送信側と受信側との極性が必ず合うように)ケーブルおよびコネクタを作成する必要があるため、ケーブルおよびコネクタの製造に時間およびコストを要してしまう。
それ故に、本発明の目的は、ケーブルの極性にかかわらず、正常な伝送を行うことができるデータ伝送システムを提供することである。
本発明は、上記のような目的を達成するために、以下に述べるような特徴を有している。
本発明は、上記目的を達成するために、以下の特徴を有する。すなわち、第1の発明は、極性を有する2本の伝送線路を用いて差動信号を伝送することにより、送信装置と受信装置との間でデータを伝送するシステムである。ここで、前記送信装置は、所定個数のシンボルデータが含まれる長さにおいて信号レベルが一定である極性判定信号を含む差動伝送信号を生成して前記伝送線路上に送信する。一方、前記受信装置は、コネクタ部と、タイミング補正部と、極性判定部と、信号処理部とを備える。コネクタ部は、前記2本の伝送線路に対して着脱自在であり、かつ当該伝送線路に接続されたときに前記送信装置から送信された差動伝送信号を受け取る。タイミング補正部は、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に対して所定の処理を行う際において当該差動伝送信号からシンボル位置の信号レベルを検出する検出タイミングが、前記所定個数よりも多い個数のシンボルデータについて連続して誤っていた場合、当該検出タイミングを補正する。極性判定部は、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に含まれる極性判定信号を検出し、当該極性判定信号の信号レベルに基づいて、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性か逆極性かを判定する。信号処理部は、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性と判定された場合、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号を正常な極性を有する信号として取り扱って前記所定の処理を行い、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合、当該差動伝送信号を極性が反転した信号として取り扱って前記所定の処理を行う。
なお、第2の発明では、上記データ伝送システムにおいて、前記差動伝送信号は、前記極性判定信号の前に送信され、かつ、所定の周期を有する信号波形となるように生成される同期確立用信号をさらに含んでいてもよい。このとき、前記タイミング補正部は、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に含まれる同期確立用信号の信号波形に基づいて、当該同期確立用信号の後に受け取られる信号の信号レベルを検出する際における前記検出タイミングを決定する。
また、第3の発明では、上記データ伝送システムにおいて、前記差動伝送信号は、前記極性判定信号の後に送信され、送信すべきデータのシンボル位置が波形の頂点にくるように生成される送信データ信号をさらに含んでいてもよい。このとき、前記タイミング補正部は、前記検出タイミングで差動伝送信号から信号レベルを検出する場合における信号検出位置が差動伝送信号の信号波形の頂点であるか否かに基づいて、当該検出タイミングが誤っているか否かを判定する。
また、第4の発明では、前記信号処理部は、通常用処理部と、極性反転用処理部とを含んでいてもよい。通常用処理部は、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性と判定された場合に、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に対して第1の処理を実行する。極性反転用処理部は、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合に、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に対して第2の処理を実行する。また、前記通常用処理部および前記極性反転用処理部は、それぞれ、前記伝送線路上を伝送される同一の差動伝送信号に対して同一の処理結果を導出するように、前記第1および第2の処理を実行する。
また、第5の発明では、前記信号処理部は、極性反転部と、通常用処理部とを含んでいてもよい。極性反転部は、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号の極性を反転する。通常用処理部は、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性と判定された場合、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に対して前記所定の処理を行い、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合、前記極性反転部によって極性が反転された差動伝送信号に対して当該所定の処理を行う。
なお、第6の発明では、上記データ伝送システムにおいて、差動伝送信号には、信号レベルに対して1ビット以上のデータが1つのシンボルとして割り当てられてもよい。
なお、本発明は、極性を有する2本の伝送線路を用いて伝送される差動信号を、当該伝送線路に対して着脱自在に接続されるコネクタを介して入力し、所定の処理を行う信号処理回路として提供されてもよい。当該信号処理回路は、入力端子と、タイミング補正部と、極性判定部と、信号処理部とを備えている。入力端子は、所定個数のシンボルデータが含まれる長さにおいて信号レベルが一定である極性判定信号を含む差動伝送信号を前記コネクタから入力するためのものである。タイミング補正部は、前記入力端子から入力される差動伝送信号に対して前記所定の処理を行う際において当該差動伝送信号からシンボル位置の信号レベルを検出する検出タイミングが、前記所定個数よりも多い個数のシンボルデータについて連続して誤っていた場合、当該検出タイミングを補正する。極性判定部は、前記入力端子から入力される差動伝送信号に含まれる極性判定信号を検出し、当該極性判定信号の信号レベルに基づいて、前記伝送線路に対する前記コネクタの接続関係が正極性か逆極性かを判定する。信号処理部は、前記伝送線路に対する前記コネクタの接続関係が正極性と判定された場合、前記コネクタが受け取った差動伝送信号を正常な極性を有する信号として取り扱って前記所定の処理を行い、前記伝送線路に対する前記コネクタの接続関係が逆極性と判定された場合、当該差動伝送信号を極性が反転した信号として取り扱って前記所定の処理を行う。
また、本発明は、上記データ伝送システムにおいて行われるデータ伝送方法として提供されてもよい。
本発明によれば、極性判定信号に基づいて、差動伝送信号を極性が反転したものとして処理するか、そのまま処理するかの判断が行われる。従って、コネクタ部の極性が逆に接続されたため受け取った差動伝送信号の極性が反転している場合であっても、当該反転が生じたことを正確に判定し、反転した差動伝送信号を確実に修正することができる。以上より、コネクタの差込向きおよび接続されたケーブルの極性にかかわらず、正常なデータ伝送を行うことができる。
なお、極性判定信号は、信号レベルが一定であるので、検出タイミングが正しいか誤っているかの判断を行うことができない。つまり、極性判定信号に含まれるシンボルデータを検出する際に検出タイミングの補正を行おうとしても、正しく補正を行うことができず、その後に受け取られる信号に含まれるシンボルを正確に検出できないおそれがある。しかし、上記によれば、検出タイミングの補正は、所定個数よりも多い個数のシンボルデータについて連続して誤っていた場合に行われるので、極性判定信号に対して検出タイミングの補正は行われない。従って、差動伝送信号に含まれるシンボルデータを確実に検出することができる。つまり、確実に同期を確立することができる。
また、第4の発明によれば、コネクタまたはケーブルの極性が反転しているか否かに応じて、2つの異なる処理を行うそれぞれの処理部(通常用処理部および極性反転用処理部)が用いられる。差動伝送信号は、コネクタが正極性で接続されている場合には、通常用処理部によって処理される。一方、コネクタが逆極性で接続されている場合には、差動伝送信号は、極性が反転した信号を通常用処理部によって処理した場合と同一の処理結果を得ることができるように、極性反転用処理部によって処理される。以上のように、2つの処理部を使い分けることによって、差動伝送信号が反転した場合であっても当該差動伝送信号を容易に修正することができる。
また、第5の発明によれば、コネクタの極性が反転している場合のみ、受け取った差動伝送信号の極性を反転する。また、極性が反転しているか否かの判定結果に基づいて極性の反転または非反転が行われた差動伝送信号について、所定の処理が行われる。従って、復号データへの変換を行う回路は1つあればよいので、上記第3の発明に比べて回路規模を縮小することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデータ伝送システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、データ伝送システムは、機器1から5によってリング型ネットワークを構成している。従って、本実施形態では、一方の隣の機器からデータを受信した機器が他方の隣の機器にデータを送信することによって、ネットワーク上でデータは環状に送信されていく。ここで、データ伝送を行う各機器間は、極性を有するツイストペアケーブルによって接続されている。また、各機器間のデータ伝送は、差動信号を用いた差動伝送によって行われる。なお、他の実施形態においては、ネットワークの構成はリング型に限らず、各機器間において極性を有する伝送線路によって差動伝送が行われるシステムであれば、どのような形態であっても構わない。
図2は、図1に示す機器1のハードウェア構成の概要を示すブロック図である。なお、図2は機器1の構成を示すものであるが、図1に示すすべての機器(機器1から5)は、図2に示す構成を有している。図2において、機器1は、コネクタ11と、差動伝送信号処理部12と、上位層データ処理部13と、CPU14とを備えている。コネクタ11は、図示しないツイストペアケーブルによって他の機器と着脱自在に接続され、差動伝送信号の送受信を行う。ここで、差動伝送信号とは、機器間のデータ伝送において送受信される差動信号である。差動伝送信号には、機器間で伝送すべき伝送データが含まれる他、ネットワークの電源が投入された場合には、コネクタの極性を判定するための極性判定データが含まれる。極性判定データは、差動伝送信号の極性を判定することによって、コネクタの極性を判定するためのデータである。本データ伝送システムは、当該極性判定データを用いることによって、コネクタの差込向きにかかわらず正常なデータ伝送を行うことを可能とするものである。差動伝送信号の詳細については後述する。
差動伝送信号処理部12は、コネクタ11を介して受信される差動伝送信号を、後述する所定の復号処理によって復号化する。ここで、差動伝送信号処理部12によって復号化されるデータを、復号データと呼ぶ。また、差動伝送信号処理部12は、上位層データ処理部13から入力されたデータを、差動伝送信号として出力する。出力された差動伝送信号はコネクタを介して他の機器に送信される。また、差動伝送信号処理部12は、ネットワークの電源が投入された場合、上位層データ処理部13から入力されたデータに極性判定データを付加して、差動伝送信号として出力する。上位層データ処理部13は、CPU14において処理されるデータと、差動伝送信号処理部12において処理されるデータとの間の所定のフォーマット変換を行う。
図3は、図2に示す差動伝送信号処理部12の詳細な構成を示すブロック図である。差動伝送信号処理部12は、送信処理部201と、D/Aコンバータ202と、ローパスフィルタ(LPF)203と、ドライバ204と、レシーバ205と、A/Dコンバータ(図3では「A/D」と示す。)206と、デジタルフィルタ207と、タイミング再生部208と、シンボルデータ抽出部209と、データ判定部210と、極性判定部211と、トレーニング処理部212とを備えている。
送信処理部201は、ネットワークの電源が投入された場合において、初期化データ(後述する同期確立用データ、上記極性判定データおよび後述するトレーニングデータ)を出力し、続いて上位層データ処理部13から入力されたデータを出力する。送信処理部201から出力されたデータは、D/Aコンバータ202によってD/A変換された後、LPF203およびドライバ204を介して、他の機器に送信される。
ここで、本実施形態においては、上位4値のシンボルのいずれかと、下位4値のシンボルのいずれかとが交互に選択されるマッピングを使用することによって、1シンボル2ビット8値伝送を行うものとする。すなわち、D/Aコンバータ202は、2ビットのデジタルデータをアナログデータに変換するものとする。なお、差動伝送信号には、信号レベルに対して2ビットのデータが1つのシンボルとして割り当てられている。また、差動伝送信号は、所定の時間間隔T毎にシンボルデータが含まれるように生成される。
本実施形態において、差動伝送信号は、同期確立用信号と、極性判定信号と、トレーニング信号と、伝送データ信号とによって構成されている。同期確立用信号とは、受信装置が極性判定データを識別し、コネクタの極性判定を開始するための同期確立用データを含む信号である。極性判定信号とは、コネクタの極性を判定するための極性判定データを含む信号である。トレーニング信号は、後述するトレーニング処理において用いられる信号である。伝送データ信号とは、伝送すべきデータを含む信号である。
また、極性判定信号は、予め定められた波形パターンを有しており、所定個数のシンボルデータが含まれる長さにおいて、信号レベルが一定である。本実施形態においては、極性判定信号は、同じ値が3シンボルの間連続するパターンを有する(図9参照)。
また、本実施形態において、差動伝送信号は、極性判定信号の部分以外については、シンボル位置が波形の頂点の位置となるように生成される。つまり、差動伝送信号の波形(極性判定信号の部分を除く)は、所定の時間間隔T毎に頂点を有するような波形パターンとなり、当該頂点の位置がシンボル位置となる。図1に示す各機器は、他の機器から送信されてくる差動伝送信号について、当該シンボル位置の信号レベルを読み取り、それをデジタルデータに変換することによって、伝送データを読み取ることができるのである。
図3において、他の機器から送信されてくる差動伝送信号は、コネクタ11を介してレシーバ205によって受信される。レシーバ205によって受信された差動伝送信号は、A/Dコンバータ206によってA/D変換される。A/D変換された差動伝送信号は、デジタルフィルタ207およびタイミング再生部208に入力される。ここで、A/Dコンバータ206は、入力したアナログデータを、複数ビットのデジタルデータに変換する。本実施形態では、A/Dコンバータ206は、入力したアナログデータを、10ビットのデジタルデータに変換する。
図4は、図3に示すA/Dコンバータ206の入出力関係を説明するための図である。図4において、曲線はA/Dコンバータ206に入力されるアナログデータである。A/Dコンバータ206は、アナログデータを所定のサンプリング間隔t(tは、上記所定の時間間隔Tよりも十分に短い。)でサンプリングし、信号レベルの大きさを10ビットのデジタルデータに変換する。なお、10ビットのデジタルデータは、差動伝送信号に含まれているデータの内容を表すものではない。なお、本実施形態において、上記所定時間間隔Tよりも短い間隔tでサンプリングし、10ビットのデジタルデータに変換しているのは、差動伝送信号の多値シンボルを高精度に再生するためである。本実施形態では、差動伝送信号の波形を10ビットのデジタルデータに変換し、さらに10ビットのデジタルデータを2ビットのデジタルデータに変換する。2ビットのデジタルデータが、差動伝送信号に含まれているデータの内容を表すデータである。
上記のように、A/Dコンバータ206によって10ビットのデジタルデータに変換された差動伝送信号は、デジタルフィルタ207およびタイミング再生部208に入力される。デジタルフィルタ207は、入力された10ビットのデジタルデータから高周波ノイズ成分を除去する。タイミング再生部208は、10ビットのデジタルデータからシンボルデータを検出するタイミング(検出タイミング)を決定する。検出タイミングとは、10ビットのデジタルデータから意味のあるデータ(シンボルデータ)を抽出するタイミングである。検出タイミングの時間間隔は、差動伝送信号にシンボルデータが含まれる間隔、すなわち、上述の所定の時間間隔Tである。A/Dコンバータ206におけるサンプリング間隔tでA/D変換されたデジタルデータは、出力されるデジタルデータのすべてが意味のあるシンボルデータを示すものではない。そこで、A/Dコンバータ206から出力されるデジタルデータから、シンボルデータを抽出するタイミングが、タイミング再生部208によって決定されるのである。
以下、タイミング再生部208の動作の詳細を説明する。図5は、タイミング再生部208の動作の詳細を説明するための図である。図5に示す点は、A/Dコンバータ206から時間間隔tで順次入力される10ビットのデジタルデータを示す。タイミング再生部208は、A/Dコンバータ206から入力されるデータから、その時点で決定されている検出タイミングに従ってデータを抽出する。タイミング再生部208は、当該検出タイミングで抽出されたデータ(時間taのデータ)と、当該検出タイミングの直前に入力されるデータ(時間tbのデータ)と、当該検出タイミングの直後に入力されるデータ(時間tcのデータ)とを比較する。ここで、図5(a)のように、当該検出タイミングで抽出されたデータの値が最も大きい(または、最も小さい)場合、当該検出タイミングは正しいと判断される。一方、図5(b)のように、当該検出タイミングで抽出されたデータの値が、当該検出タイミングの直前に入力されるデータと当該検出タイミングの直後に入力されるデータとの間の大きさになる場合、当該検出タイミングは誤っていると判断される。以上に示した判断は、検出タイミングが到来する度に行われる。
さらに、タイミング再生部208は、A/Dコンバータ206から入力されるデータについて、所定個数のシンボルデータについて連続して検出タイミングが誤っている場合、検出タイミングを補正する。ここで、所定個数は、極性判定信号において連続して同じ値となるシンボルデータの個数によって決められる。本実施形態では、極性判定信号において連続して同じ値となるシンボルデータの個数は3つなので、当該所定個数は、3つよりも大きい数であればよい。
これによって、極性判定信号に含まれるシンボルデータを読み取る際において、検出タイミングが所定個数連続して誤っていると判定されることがない。ここで、もし、誤っていると判定されてしまうと、極性判定信号は、信号レベルが一定であるので(上述の時間ta、tbおよびtcにおける信号レベル値が同じ値となるので)、補正を正しく行うことができない。従って、もし、誤っていると判定されてしまうと、検出タイミングを正しく補正することができないので、その後の信号を正しく読み取ることができないおそれがある。そこで、本実施形態では、極性判定信号における信号レベルが一定となる部分の長さを、検出タイミングを補正すると判定される信号の長さよりも短くすることによって、確実かつ正確に信号を読み取るようにしている。
なお、タイミング再生部208は、検出タイミングが波形の頂点の位置を検出するタイミングとなるように、検出タイミングを補正する。補正の具体的な方法はどのような方法であってもよい。例えば、図5(b)のように検出された場合において、正しい検出タイミングでは極大値を検出すべき場合には、時間tbが最も検出タイミングに近いと考えられる。従って、この場合、時間tbから時間T経過した時点を次の検出タイミングとするように補正する。
図3において、シンボルデータ抽出部209は、デジタルフィルタ207から入力されるデジタルデータから、タイミング再生部208によって決定されたシンボルタイミングに従ってデータを抽出する。すなわち、タイミング再生部208は、決定したタイミングでシンボルデータ抽出部209にデータを抽出する旨の指示を送る。この指示に応じて、シンボルデータ抽出部209は、デジタルフィルタ207から入力される10ビットのデジタルデータの中からシンボルデータを抽出する。抽出されたシンボルデータは、データ判定部210、極性判定部211およびトレーニング処理部212に入力される。
極性判定部211は、伝送データに先立って送信される極性判定データに基づいて、コネクタの極性、すなわち、ツイストペアケーブルとコネクタとの接続関係が正極性か逆極性かを判定する。判定結果は、データ判定部210に入力される。トレーニング処理部212は、伝送データに先立って送信されるトレーニングデータに基づいて、差動伝送信号の信号レベルを多値(ここでは、8値)デジタルデータに変換する際のしきい値を決定する。決定されたしきい値は、データ判定部210に入力される。データ判定部210は、差動伝送信号に含まれる伝送データを、上位層データ処理部13が処理可能なデータに変換するために、所定のデータ判定処理、すなわち、上記所定の復号処理を行う。また、極性判定部211において極性が判定される場合、データ判定部210は、極性判定部211による判定結果に応じて、復号結果を変化させる。復号データ、すなわち、復号化された伝送データは、上位層データ処理部13へ出力される。
次に、本データ伝送システムにおいて、ネットワークの電源が投入された場合の動作を説明する。なお、以下において、差動伝送信号を送信する機器を送信装置、差動伝送信号を受信する機器を受信装置とする。ここで、本実施形態では、ネットワークの電源が投入された場合に、コネクタの極性を判定し、判定結果に応じて信号の極性を反転させることにより、コネクタの差込向きにかかわらず正常なデータ伝送を行う。なお、本実施形態に係るシステムはリング型ネットワークを構成するため、コネクタの抜き差しや、新たな機器がネットワークに追加される場合、必ずネットワークの電源を落とす必要がある。また、上記のように、本実施形態においては、電源が投入された場合にコネクタの極性を判定する。以上より、本データ伝送システムは、コネクタ極性の判定を行う必要がある場合(コネクタの抜き差し等が行われた場合)について、常に判定を行うことができる。
図6は、本実施形態における送信装置の処理の流れを示すフローチャートである。また、図7および図8は、本実施形態における受信装置の処理の流れを示すフローチャートである。図6、図7および図8に示す各装置の動作は、ネットワークの電源が投入されたことによって開始される。ここで、リング型ネットワークにおいては、ネットワークを構成するすべての機器に電源が投入されていなければデータ伝送を行うことができない。従って、本実施形態において、ネットワークの電源が投入されているとは、本データ伝送システムにおいて含まれるすべての機器について電源が投入されていることを意味する。なお、ネットワークを構成するすべての機器の電源投入を制御する方法は、どのような方法であってもよい。例えば、ネットワークを構成する各機器の電源を制御する機器を設置し、当該機器によってすべての機器の電源が投入される形態であってもよい。
ネットワークの電源が投入された場合、送信装置は、同期確立用データを含む同期確立用信号を送信する(ステップS101)。ここで、同期確立用データとは、受信装置が極性判定データを識別し、コネクタの極性判定を開始するためのデータである。また、本実施形態においては、同期確立用データは、各機器において行われる初期化処理を開始するために送信される初期化データとしても用いられる。なお、同期確立用データは、予め定められた一定のパターンを有する。具体的には、ステップS101の処理において、送信装置の送信処理部201は、送信装置に電源が投入されたことに応じて同期確立用データを生成する。生成された同期確立用データは、D/Aコンバータ202、LPF203およびドライバ204を介して、受信装置に対して送信される。以上によりステップS101の処理が行われる。
次に、送信装置は、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS102)。ここで、所定時間は、同期確立用データの送信先である受信装置が同期の確立を完了するために必要な時間以上となるように予め設定される。ステップS102において、所定時間が経過していないと判定された場合、送信装置は、ステップS101の処理を繰り返す。一方、所定時間が経過したと判定された場合、送信装置は、同期確立用信号に続いて、極性判定データを含む極性判定用信号を送信する(ステップS103)。具体的には、送信装置の送信処理部201は、予め定められた一定のパターンを有する極性判定データを、上記同期確立用データと同様の方法で送信する。極性判定データは、予め長さが決められている。
極性判定信号が予め決められた長さ分送信された後、送信装置は、極性判定信号に続いてトレーニング信号を送信する(ステップS104)。トレーニング信号は、差動伝送信号の信号レベルから多値(ここでは、8値)デジタルデータを決定するためのしきい値を設定するために用いられる。トレーニング信号のパターンおよび長さは予め決められている。なお、トレーニング信号の送信方法は、上記同期確立用データと同様である。
次に、送信装置は、トレーニング信号に続いて伝送データを含む伝送データ信号を送信する(ステップS105)。具体的には、送信装置の送信処理部201は、トレーニング信号の一定パターンの信号を送信した後、上位層データ処理部13から入力される伝送データを差動伝送信号として送信する。送信の方法は、上記同期確立用データと同様である。送信装置の送信処理部201は、伝送すべき伝送データの送信が終了することにより、図6に示す処理を終了する。以上、図6に示す処理によって、送信される順に、同期確立用信号、極性判定用信号、トレーニング信号および伝送データ信号で構成される差動伝送信号が受信装置に送信されることとなる。
次に、図7に示す受信装置の処理を説明する。受信装置では、まず、送信装置からの差動伝送信号として、同期確立用信号が受信される。従って、ネットワークの電源が投入された場合、受信装置は、まず、同期確立用信号を受信する(ステップS201)。同期確立用信号は、レシーバ205を介してA/Dコンバータ206に入力される。入力された同期確立用信号は、A/Dコンバータ206によってA/D変換され、A/D変換されたデジタルデータがデジタルフィルタ207およびタイミング再生部208に入力される。
次に、受信装置は、ステップS201において入力した同期確立用信号に基づいて、同期を確立する(ステップS202)。同期の確立処理は、タイミング再生部208によって行われる。すなわち、タイミング再生部208は、同期確立用信号の後に送信されてくる信号レベルを検出するタイミング(検出タイミング)を決定する。検出タイミングの決定は、上述した検出タイミングの補正処理を行うことによって、検出タイミングを正しいタイミングに補正することによって行われる。タイミング再生部208は、ステップS202で決定された検出タイミングをシンボルデータ抽出部209に指示する。
次に、受信装置は、同期確立処理が完了したか否かを判定する(ステップS203)。この処理は、タイミング再生部208によって行われる。ステップS203の判定は、上記ステップS102における所定時間が経過するより以前に必ず完了するように設計される。同期確立処理が完了していないと判定された場合、受信装置は、ステップS201の処理を再び行う。
一方、ステップS203の判定において、同期確立処理が完了したと判定された場合、受信装置は、ステップS103において送信装置から送信されてくる極性判定信号を受信する(ステップS204)。極性判定信号は、受信装置のレシーバ205を介してA/Dコンバータ206に入力される。入力された極性判定信号は、A/Dコンバータ206によってA/D変換される。さらに、A/D変換された極性判定信号のデジタルデータから、シンボルデータ抽出部209によってシンボルデータが抽出される。
ステップS204の次に、受信装置は、コネクタの極性を検出する(ステップS205)。この処理は、極性判定部211によって行われる。具体的には、受信装置の極性判定部211は、シンボルデータ抽出部209から出力される極性判定信号を入力し、入力した極性判定信号に基づいて、差動伝送信号(極性判定信号)の極性が反転しているか否かを検出する。このように、差動伝送信号の極性が反転しているか否かによって、コネクタの極性が反転しているか否かを判定することができる。ここで、本実施形態においては、極性判定データの値が差動伝送信号のレベルが最大である場合、すなわち、極性判定データの値が1024である場合、差動伝送信号の極性は反転していないと判定されるものとする。
以下、極性判定の方法を詳細に説明する。図9は、図3に示すシンボルデータ抽出部209から出力されるデータを模式的に示す図である。図9において、縦軸はシンボルデータ抽出部209の出力値であるデジタル値の大きさを表し、横軸は出力される時間を表す。また、シンボルデータ抽出部209から出力されるデジタル値は、10ビットの値であり、その大きさは差動伝送信号のレベルを表す。すなわち、シンボルデータ抽出部209の出力値は、1から1024までの数値で差動伝送信号のレベルを表すものである。また、図9に示す折れ線上の各点の間隔は、上述の時間間隔Tである。図9に示す折れ線は、差動伝送信号の波形を離散的な数値で表したものである。
ここで、時間t0からt1までは、上述の同期確立用データが出力されている状態である。つまり、時間t0からt1における、出力値aおよびbが交互に出力されるパターンは、同期確立用データを示すパターンである。かかるパターンは、予め設定されている。なお、時間t0からt1においては、ステップS201〜S203の処理が行われている。
次に、時間t1からt2までは、極性判定信号に含まれる極性判定データが出力されている状態である。つまり、時間t1からt2における、出力値1024が連続して出力されるパターンは、極性判定データのパターンである。極性判定データのパターンも、同期確立用データと同様、予め定められている。ここでは、極性判定データは、同じ値が3シンボルの間連続するパターンである。なお、時間t1からt2においては、ステップS204およびS205の処理が行われている。このように、本実施形態においては、同期確立用データのパターンが終了した後の差動伝送信号の振幅レベルによって、コネクタの極性を判定することができる。
図10は、差動伝送信号の極性が反転している場合における、図3に示すシンボルデータ抽出部209から出力されるデータの示す値を模式的に示す図である。図10は、図9に示す場合と同様のデータを受信した場合であって、コネクタの向きが図9に示す場合とは逆に接続されている場合における、シンボルデータ抽出部209の出力値を示している。このように、コネクタの極性が逆極性の場合、受信装置で受信された差動伝送信号は、コネクタの極性が正極性の場合と比べて反転した信号となる。すなわち、受信装置で受信された差動伝送信号は、極性を有し、当該極性はコネクタの極性によって変化することとなる。図10のように、コネクタの向きが逆になった場合、極性判定データとして読み取られる値は、1である。従って、この場合、差動伝送信号の極性が反転していると判定される。このように、差動伝送信号の極性が反転しているか否かは、極性判定データの値によって判定することができる。以上より、極性判定部211は、極性判定データの値によって差動伝送信号の極性が反転している否か、すなわち、コネクタの向きが逆に接続されているか否かを判定する。また、極性判定部211は、極性が反転しているか否かを示す信号極性フラグを、データ判定部210に出力する。
図7の説明に戻り、ステップS205の次に、受信装置は、ステップS104において送信装置から送信されてくるトレーニング信号を受信する(ステップS206)。なお、レシーバ205からシンボルデータ抽出部209までに行われるトレーニング信号に対する処理は、極性判定信号と同様である。次に、受信装置は、ステップS206において受信したトレーニング信号を用いて、トレーニング処理を行う(ステップS207)。この処理は、トレーニング処理部212によって行われる。以下、トレーニング処理の詳細を説明する。
図9において、時間t2からt3までは、トレーニング信号が出力されている状態である。トレーニング信号は、予め決められたパターンを有している。このパターンは、8値のデジタルデータの値が、予め決められた順番で、かつ、すべての値(8つの値)をとるように決められる。トレーニング処理部212は、当該パターンが示す8値のデジタル値の順番を記憶しておく。ステップS207において、トレーニング処理部212は、シンボルデータ抽出部209から入力される10ビットのデジタルデータの値を、記憶している8値のデジタル値と対応付けて記憶する。
図7の説明に戻り、ステップS207の次に、トレーニング処理部212は、トレーニングが終了したか否かを判定する。トレーニング信号の長さは予め決められているので、ステップS207の処理を行う回数も予め決まっている。予め決められた回数ステップS207の処理が行われた場合、トレーニング処理部212は、トレーニングが終了したと判定する。トレーニングが終了していないと判定される場合、ステップS206の処理が行われる。
一方、トレーニングが終了したと判定される場合、トレーニング処理部212は、しきい値を算出する(ステップS209)。しきい値は、差動伝送信号の信号レベルを8値のデジタルデータに変換するためのしきい値である。
図11は、しきい値の算出方法の一例を説明するための図である。図11において、信号レベルのとり得る範囲(1〜1024)は、信号レベルの大きさに応じて、レベルAからレベルHまでの8つのレベルに分けられる。レベルA〜Dは、それぞれ、8値のデジタル値がとり得る4種類の値(“00”、“01”、“10”および“11”)に対応する。これと同様に、レベルE〜Hは、それぞれ、4値のデジタル値のとり得る値(“00”、“01”、“10”および“11”)に対応する。トレーニング処理部212は、ステップS207においてシンボルデータ抽出部209から入力される10ビットのデジタルデータの値と、予め記憶している8値のデジタル値とに基づいて、しきい値を設定する。具体的には、レベルAとレベルBとを区別する第1しきい値は、次のように設定される。すなわち、トレーニング処理部212は、レベルAを示す値として入力された10ビットのデジタルデータのうちの最小値と、レベルBを示す値として入力された10ビットのデジタルデータのうちの最大値との平均値(中間値)を、第1しきい値とする。その他のレベルを区別する第2〜第7しきい値も、上記第1しきい値と同様に設定する。以上のように設定された第1〜第7しきい値は、データ判定部210に入力される。
図8において、ステップS209の次に、受信装置は、伝送データ信号を受信する(ステップS210)。なお、図9において、時間t3以降は、伝送データ信号が出力されている状態である。時間t3以降におけるデータが、データ判定部210によって復号されることになる。また、レシーバ205からシンボルデータ抽出部209までに行われる伝送データ信号に対する処理は、極性判定信号と同様である。
次に、受信装置は、差動伝送信号(伝送データ信号)の極性が反転しているか否かを判定する(ステップS211)。この処理は、データ判定部210によって行われる。具体的には、データ判定部210は、極性判定部211から入力される信号極性フラグに基づいて、差動伝送信号の極性が反転しているか否かを判定する。ステップS211において、差動伝送信号の極性が反転していると判断された場合、受信装置は、極性反転用の復号を行う(ステップS212)。一方、差動伝送信号の極性が反転していないと判断された場合、受信装置は、通常用の復号を行う(ステップS213)。ここで、ステップS212およびステップS213の処理は、受信装置のデータ判定部210によって行われる。以下、データ判定部210の動作を詳細に説明する。
図12は、図3に示すデータ判定部210の詳細な構成を示すブロック図である。図12において、データ判定部210は、選択回路2101と、通常用復号回路2102と、極性反転用復号回路2103とを備えている。ステップS206において、選択回路2101は、極性判定部211から入力される信号極性フラグの内容に従って、A/Dコンバータ206からの出力信号を通常用復号回路2102および極性反転用復号回路2103のどちらに出力するかを選択する。差動伝送信号の極性が反転していることを示す信号極性フラグを受け取った選択回路2101は、A/Dコンバータ206からの出力信号を、極性反転用復号回路2103に出力する。ステップS207において、極性反転用復号回路2103は、A/Dコンバータ206からの出力信号を受け取り、受け取った出力信号である伝送データを復号する。一方、差動伝送信号の極性が反転していないことを示す信号極性フラグを受け取った選択回路2101は、A/Dコンバータ206からの出力信号を、通常用復号回路2102に出力する。ステップS208において、通常用復号回路2102は、A/Dコンバータ206からの出力信号を受け取り、受け取った出力信号である伝送データを復号する。
図13は、図12に示すデータ判定部210が備える2つの復号回路における変換の対応関係を示す図である。図13(a)は、通常用復号回路2102における対応関係を示すテーブルであり、図13(b)は、極性反転用復号回路2103における対応関係を示すテーブルである。ここで、本実施形態においては、各復号回路は、A/Dコンバータ206から出力される10ビットのデジタルデータを、2ビットのデジタルデータに変換するものとする。従って、図13に示す各変換テーブルにおいては、A/Dコンバータ206から出力される10ビットのデジタル値(差動伝送信号のレベルを示す値)を、8つのレベルに分割し、それぞれに復号データである2ビットの数値を対応させている。なお、図13に示す8つのレベルのしきい値は、上述の第1〜第7しきい値である。ここで、図13に示す2つの変換テーブルは、変換すべき復号データに対応する10ビットのデジタル値が、2つの変換テーブルにおいて極性を反転させた値となるように作成される。つまり、通常用復号回路2102および極性反転用復号回路2103は、出力される復号データに対応する差動伝送信号の極性が互いに反転するように設計される。以上のように2つの復号回路を設計することにより、信号の極性が反転していない場合に通常用の復号回路を用いて復号した復号データと、信号の極性が反転している場合に極性反転用の復号回路を用いて復号した復号データとを同一にすることができる。
以上に説明したステップS212またはS213の処理が終了すると、受信装置は、処理を終了する。なお、ステップS212またはS213において復号された復号データは、上位層データ処理部13を介してCPU14へ送られる。
なお、上記第1の実施形態において、上記同期確立用データは、当該同期確立用データが付加された差動伝送信号の波形が、コネクタの極性が正極性か逆極性かにかかわらず、同一の波形となるような波形パターンを含むように予め設定される。すなわち、図9に示すように、同期確立用データは、出力値としてaおよびbが交互に出力されるパターンを含んでいる。かかるパターンは、コネクタが正極性となるように接続された場合と逆極性となるように接続された場合とで、同じパターンとなる。従って、受信装置は、かかるパターンに基づいて同期確立用データを検知すれば確実に同期確立用データを検知することができる。
次に、第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と第2の実施形態との相違点は、データ判定部210の構成とデータ判定部210において行われる復号処理である。従って、以下では当該相違点のみを説明し、第1の実施形態と同様の処理については説明を省略する。
図14は、第2の実施形態における受信装置の処理の流れを示すフローチャートである。ここで、本実施形態と第1の実施形態との相違点は、ステップS301およびS302の処理である。従って、ステップS201からS211までの処理については説明を省略する。ステップS211において、差動伝送信号の極性が反転していると判断された場合、受信装置は、差動伝送信号の極性を反転し(ステップS301)、ステップS302の処理を行う。一方、差動伝送信号の極性が反転していないと判断された場合、受信装置は、ステップS301処理を行わずに、ステップS302の処理を行う。以下、データ判定部210の動作の詳細を説明する。
図15は、第2の実施形態におけるデータ判定部210の詳細な構成を示すブロック図である。図15において、データ判定部210は、選択回路2104と、極性反転回路2105と、通常用復号回路2106とを備えている。ステップS211において、選択回路2104は、極性判定部211から入力される信号極性フラグの内容に従って、A/Dコンバータ206からの出力信号を極性反転回路2105および通常用復号回路2106のどちらに出力するかを選択する。差動伝送信号の極性が反転していることを示す信号極性フラグを受け取った選択回路2104は、A/Dコンバータ206からの出力信号を、極性反転回路2105に出力する。極性反転回路2105は、入力した伝送データを示す差動伝送信号の極性を反転する(ステップS301)。
図16は、図15に示す極性反転回路2105における極性反転処理を模式的に示す図である。極性反転回路2105は、入力値としてとり得る値(1から1024)の中央値(512)に対して線対称の値となるように、入力値を変換する。例えば、図16のように、極性反転回路2105にA/Dコンバータからの入力値が700(点D)である場合、極性反転回路2105は、入力値を324(点D’)に変換して、通常用復号回路2106へ出力する。以上の変換処理によって、極性反転回路2105は、差動伝送信号の極性を反転することが可能である。
一方、差動伝送信号の極性が反転していないことを示す信号極性フラグを受け取った選択回路2104は、A/Dコンバータ206からの出力信号を、通常用復号回路2106に出力する。通常用復号回路2106は、A/Dコンバータ206、または、極性反転回路2105からの出力を受け取り、受け取った伝送データを復号する(ステップS302)。通常用復号回路2106は、第1の実施形態における通常用復号回路2102と同様の処理を行う。これによって、A/Dコンバータ206において生成された10ビットのデジタルデータが、2ビットのデジタルデータ(復号データ)に変換される。
以上に説明したステップS302の処理が終了すると、受信装置は、処理を終了する。なお、ステップS302において復号された復号データは、上位層データ処理部13を介してCPU14へ送られる。
以上のように、上記第1および第2実施形態においては、コネクタの極性を極性判定データを用いて判定し、判定結果に基づいて差動伝送信号の極性の反転または非反転を行うことによって、コネクタの極性にかかわらず正確なデータ伝送を行うことができる。
なお、上記第1および第2実施形態においては、受信装置において受信した差動伝送信号に対して復号処理を行う場合を例として説明した。ここで、他の実施形態においては、差動伝送信号に対して行う処理は、上記に限らない。差動伝送信号に対して行う処理は、ツイストペアケーブルに対するコネクタ11の接続関係が正極性と判定された場合と、逆極性と判定された場合とに応じて、コネクタ11が受け取った差動伝送信号を正常な極性を有する信号として取り扱うか、極性が反転した信号として取り扱うかを変更するものであればよい。
また、上記第1および第2実施形態においては、電源を投入した場合に、極性判定データを用いてコネクタの極性を判定した。従って、電源投入時にコネクタの極性を判定した際に、判定結果を記憶しておく必要がある。上記実施形態においては図示していないが、本データ伝送システムは、電源投入時に判定したコネクタの極性を記憶しておく記憶部を備えている。なお、他の実施形態においては、伝送データの前に極性判定データを常に付加しておき、伝送データを送信する度にコネクタの極性を判定するようにしてもよい。また、極性判定データを常に付加しておき、受信装置は必要な場合のみコネクタの極性を判定するようにしてもよい。例えば、受信装置がコネクタの抜き差しを検知する機能を有する場合、コネクタの抜き差しを検出する度に、コネクタの極性を判定するようにしてもよい。
また、上記第1および第2の実施形態は、差動伝送信号をA/D変換した後に反転する形態であった。ここで、他の実施形態においては、差動伝送信号をA/D変換する前にアナログ回路を用いて反転させてもよい。
また、上記第1および第2の実施形態の他、復号データを生成した後に極性を反転してもよい。具体的には、復号データとして生成される2ビットのデジタルデータを変換する変換回路を用意しておき、信号極性フラグに応じて、当該変換回路によってデジタル値を変換するようにしてもよい。この場合、当該変換回路は、復号データを、差動伝送信号の極性が反転した場合に生成される復号データに変換するように設計される。
また、上記第1および第2の実施形態では、出力値としてaおよびbが交互に出力されるパターンを含むものであり、これによって、受信装置は、確実に同期確立用データを検知することが可能である。これに対して、他の実施形態においては、同期確立用データは、予め定められたパターンを有するものであればどのようなものであってもよい。また、この場合、受信装置は予め定められたパターンと、当該パターンを含む差動伝送信号の極性が反転した場合のパターンとを記憶しておくことが好ましい。そして、受信装置は、予め記憶した2つのパターンのいずれかに該当する差動伝送信号を検知して、極性の判定を開始する。以上の方法によっても、受信装置は、確実に同期確立用データを検知することができる。
また、上記第1および第2の実施形態では、各シンボルにおける信号のレベル値を読み、その値を2ビットのデジタル値に変換した。ここで、2ビットのデジタル値への変換方法は上記に限らず、例えば、シンボルとその前のシンボルとの差分を読み、それを2ビットのデジタル値に変換するようにしてもよい。この場合、データ判定部は、入力された信号レベルの値(上記の実施形態では10ビットのデジタルデータに対応する)と、その前のタイミングで入力された信号レベルの値との差分値を用いて、データ判定(2ビットのデジタルデータのへの変換)を行う。
上述したように、本発明のデータ伝送システムは、コネクタの差込向きにかかわらず、正常な伝送を行うことを目的として利用することが可能である。
1〜5 機器
11 コネクタ
12 差動伝送信号処理部
13 上位層データ処理部
14 CPU
201 送信処理部
202 D/Aコンバータ
203 LPF
204 ドライバ
205 レシーバ
206 A/Dコンバータ
207 デジタルフィルタ
208 タイミング再生部
209 シンボルデータ抽出部
210 データ判定部
211 極性判定部
212 トレーニング処理部
11 コネクタ
12 差動伝送信号処理部
13 上位層データ処理部
14 CPU
201 送信処理部
202 D/Aコンバータ
203 LPF
204 ドライバ
205 レシーバ
206 A/Dコンバータ
207 デジタルフィルタ
208 タイミング再生部
209 シンボルデータ抽出部
210 データ判定部
211 極性判定部
212 トレーニング処理部
Claims (13)
- 極性を有する2本の伝送線路を用いて差動信号を伝送することにより、送信装置と受信装置との間でデータを伝送するシステムであって、
前記送信装置は、所定個数のシンボルデータが含まれる長さにおいて信号レベルが一定である極性判定信号を含む差動伝送信号を生成して前記伝送線路上に送信し、
前記受信装置は、
前記2本の伝送線路に対して着脱自在であり、かつ当該伝送線路に接続されたときに前記送信装置から送信された差動伝送信号を受け取るコネクタ部と、
前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に対して所定の処理を行う際において当該差動伝送信号からシンボル位置の信号レベルを検出する検出タイミングが、前記所定個数よりも多い個数のシンボルデータについて連続して誤っていた場合、当該検出タイミングを補正するタイミング補正部と、
前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に含まれる極性判定信号を検出し、当該極性判定信号の信号レベルに基づいて、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性か逆極性かを判定する極性判定部と、
前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性と判定された場合、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号を正常な極性を有する信号として取り扱って前記所定の処理を行い、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合、当該差動伝送信号を極性が反転した信号として取り扱って前記所定の処理を行う信号処理部とを備える、データ伝送システム。 - 前記差動伝送信号は、前記極性判定信号の前に送信され、かつ、所定の周期を有する信号波形となるように生成される同期確立用信号をさらに含み、
前記タイミング補正部は、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に含まれる同期確立用信号の信号波形に基づいて、当該同期確立用信号の後に受け取られる信号の信号レベルを検出する際における前記検出タイミングを決定する、請求項1に記載のデータ伝送システム。 - 前記差動伝送信号は、前記極性判定信号の後に送信され、送信すべきデータのシンボル位置が波形の頂点にくるように生成される送信データ信号をさらに含み、
前記タイミング補正部は、前記検出タイミングで差動伝送信号から信号レベルを検出する場合における信号検出位置が差動伝送信号の信号波形の頂点であるか否かに基づいて、当該検出タイミングが誤っているか否かを判定する、請求項1に記載のデータ伝送システム。 - 前記信号処理部は、
前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性と判定された場合に、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に対して第1の処理を実行する通常用処理部と、
前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合に、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に対して第2の処理を実行する極性反転用処理部とを含み、
前記通常用処理部および前記極性反転用処理部は、それぞれ、前記伝送線路上を伝送される同一の差動伝送信号に対して同一の処理結果を導出するように、前記第1および第2の処理を実行することを特徴とする、請求項1に記載のデータ伝送システム。 - 前記信号処理部は、
前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号の極性を反転する極性反転部と、
前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性と判定された場合、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に対して前記所定の処理を行い、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合、前記極性反転部によって極性が反転された差動伝送信号に対して当該所定の処理を行う通常用処理部とを含む、請求項1に記載のデータ伝送システム。 - 前記差動伝送信号には、信号レベルに対して1ビット以上のデータが1つのシンボルとして割り当てられている、請求項1に記載のデータ伝送システム。
- 極性を有する2本の伝送線路を用いて伝送される差動信号を、当該伝送線路に対して着脱自在に接続されるコネクタを介して入力し、所定の処理を行う信号処理回路であって、
所定個数のシンボルデータが含まれる長さにおいて信号レベルが一定である極性判定信号を含む差動伝送信号を前記コネクタから入力するための入力端子と、
前記入力端子から入力される差動伝送信号に対して前記所定の処理を行う際において当該差動伝送信号からシンボル位置の信号レベルを検出する検出タイミングが、前記所定個数よりも多い個数のシンボルデータについて連続して誤っていた場合、当該検出タイミングを補正するタイミング補正部と、
前記入力端子から入力される差動伝送信号に含まれる極性判定信号を検出し、当該極性判定信号の信号レベルに基づいて、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性か逆極性かを判定する極性判定部と、
前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性と判定された場合、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号を正常な極性を有する信号として取り扱って前記所定の処理を行い、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合、当該差動伝送信号を極性が反転した信号として取り扱って前記所定の処理を行う信号処理部とを備える、信号処理回路。 - 前記差動伝送信号は、前記極性判定信号の前に送信され、かつ、所定の周期を有する信号波形となるように生成される同期確立用信号をさらに含み、
前記タイミング補正部は、前記入力端子から入力される差動伝送信号に含まれる同期確立用信号の信号波形に基づいて、当該同期確立用信号の後に受け取られる信号の信号レベルを検出する際における前記検出タイミングを決定する、請求項7に記載の信号処理回路。 - 前記差動伝送信号は、前記極性判定信号の後に送信され、送信すべきデータのシンボル位置が波形の頂点にくるように生成される送信データ信号をさらに含み、
前記タイミング補正部は、前記検出タイミングで差動伝送信号から信号レベルを検出する場合における信号検出位置が差動伝送信号の信号波形の頂点であるか否かに基づいて、当該検出タイミングが誤っているか否かを判定する、請求項7に記載の信号処理回路。 - 前記信号処理部は、
前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性と判定された場合に、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に対して第1の処理を実行する通常用処理部と、
前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合に、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に対して第2の処理を実行する極性反転用処理部とを含み、
前記通常用処理部および前記極性反転用処理部は、それぞれ、前記伝送線路上を伝送される同一の差動伝送信号に対して同一の処理結果を導出するように、前記第1および第2の処理を実行することを特徴とする、請求項7に記載の信号処理回路。 - 前記信号処理部は、
前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号の極性を反転する極性反転部と、
前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が正極性と判定された場合、前記コネクタ部が受け取った差動伝送信号に対して前記所定の処理を行い、前記伝送線路に対する前記コネクタ部の接続関係が逆極性と判定された場合、前記極性反転部によって極性が反転された差動伝送信号に対して当該所定の処理を行う通常用処理部とを含む、請求項7に記載の信号処理回路。 - 前記差動伝送信号には、信号レベルに対して1ビット以上のデータが1つのシンボルとして割り当てられている、請求項7に記載の信号処理回路。
- 極性を有する2本の伝送線路を用いて差動信号を伝送することにより、送信装置と受信装置との間でデータを伝送する方法であって、
前記送信装置において、所定個数のシンボルデータが含まれる長さにおいて信号レベルが一定である極性判定信号を含む差動伝送信号を生成して前記伝送線路上に送信し、
前記受信装置において、
前記2本の伝送線路に対して着脱自在であるコネクタを介して、前記送信装置から送信された差動伝送信号を受け取り、
前記コネクタを介して受け取られた差動伝送信号に対して所定の処理を行う際において当該差動伝送信号からシンボル位置の信号レベルを検出する検出タイミングが、前記所定個数よりも多い個数のシンボルデータについて連続して誤っていた場合、当該検出タイミングを補正し、
前記コネクタを介して受け取られた差動伝送信号に含まれる極性判定信号を検出し、当該極性判定信号の信号レベルに基づいて、前記伝送線路に対する前記コネクタの接続関係が正極性か逆極性かを判定し、
前記伝送線路に対する前記コネクタの接続関係が正極性と判定された場合、前記コネクタを介して受け取られた差動伝送信号を正常な極性を有する信号として取り扱って前記所定の処理を行い、前記伝送線路に対する前記コネクタの接続関係が逆極性と判定された場合、当該差動伝送信号を極性が反転した信号として取り扱って前記所定の処理を行う、データ伝送方法。
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