JP4268180B2 - シンボルタイミング検出装置及び無線端末装置 - Google Patents
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Description
具体的には、本発明は、デジタル変調信号の復調処理において、シンボル同期を確立するためのシンボルタイミング検出方法に関し、特に、変調方式がπ/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)である場合に関する。
このようなシステムとして例えば特許文献1が挙げられる。
このような無線通信システムとして例えば上記した特許文献1が挙げられる。
また、IQ成分の位相振幅を利用してタイミング同期を取る場合には、I成分のゼロクロス時が正確に取得できる必要があったため、フェージング等といった何等かの理由によりI成分のゼロクロス時が取得できないとタイミング同期を取る事が出来なくなるという問題もあった。
具体例として、送信側と受信側とで周波数偏差があると、受信信号を遅延検波して得られる位相点がずれ、例えば、I成分がゼロクロスする位置を検出する場合には、位相点が周波数偏差により回転してQ軸上で振動するようになると、ゼロクロスする位置が検出されず、シンボル点のタイミングを検出することができなくなる。
すなわち、サンプリング手段が、シンボル周期より短い周期(つまり、シンボル周波数より速い周波数)で、前記変調信号の信号値をサンプリングする。サンプリング点復調手段が、前記サンプリング手段によりサンプリングされた各サンプリング点(例えば、1シンボル当たり複数であるN個のサンプリング点の各々)における信号値について復調を行う。値検出手段が、前記サンプリング点復調手段により得られた各サンプリング点における復調結果の電力値(又は、振幅値)を検出する。シンボルタイミング検出手段が、前記値検出手段により検出された各サンプリング点における値(電力値又は振幅値)に基づいて、シンボルタイミングであるとみなすタイミングを検出する。
また、信号としては、例えば、I成分及びQ成分からなる複素信号が用いられる。
また、変調信号をサンプリングする周期としては、種々な周期が用いられてもよく、例えば、シンボル周期に対して複数であるN倍のオーバーサンプリングが行われる。
すなわち、オフセット除去手段が、前記値検出手段により検出された複数(例えば、N個)のサンプリング点における値(電力値又は振幅値)について、1シンボル周期分の最小値がゼロ(或いは、ゼロ付近)となるように、シフトさせる。平均化手段が、前記オフセット除去手段によりシフトさせられた各サンプリング点における値(電力値又は振幅値)を各サンプリング点毎に平均化する。前記シンボルタイミング検出手段は、前記平均化手段により得られた平均化結果に基づいて、シンボルタイミングであるとみなすタイミングを検出する。
また、平均化の態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、積分が用いられてもよい。
すなわち、サンプリング手段が、シンボル周期より短い周期(つまり、シンボル周波数より速い周波数)で、前記変調信号の信号値をサンプリングする。
抽出手段が、前記サンプリング手段によりサンプリングされた複数のサンプリング点(例えば、1シンボル当たり複数であるN個のサンプリング点)における信号値の中から、シンボルタイミングの位置にあるとみなされる信号値を抽出する。復調手段が、前記抽出手段により抽出された信号値について復調を行う。
また、サンプリング点復調手段が、前記サンプリング手段によりサンプリングされた各サンプリング点(例えば、1シンボル当たり複数であるN個のサンプリング点の各々)における信号値について復調を行う。値検出手段が、前記サンプリング点復調手段により得られた各サンプリング点における復調結果の電力値(又は、振幅値)を検出する。シンボルタイミング制御手段が、前記値検出手段により検出された各サンプリング点における値(電力値又は振幅値)に基づいて、前記抽出手段によりシンボルタイミングであるとみなすタイミングを制御する。
すなわち、オフセット除去手段が、前記値検出手段により検出された複数(例えば、N個)のサンプリング点における値(電力値又は振幅値)について、1シンボル周期分の最小値がゼロ(或いは、ゼロ付近)となるように、シフトさせる。平均化手段が、前記オフセット除去手段によりシフトさせられた各サンプリング点における値(電力値又は振幅値)を各サンプリング点毎に平均化する。前記シンボルタイミング制御手段は、前記平均化手段により得られた平均化結果に基づいて、前記抽出手段によりシンボルタイミングであるとみなすタイミングを制御する。
すなわち、サンプリング制御手段が、前記サンプリング手段によるサンプリングのタイミングを制御する。
従って、サンプリングのタイミングを制御することにより、シンボルタイミングの精度を向上させることができる。
また、本発明によると、各サンプリング点における電力値(又は、振幅値)についてオフセットを除去した後に各サンプリング点毎に平均化し、当該平均化結果に基づいてシンボルタイミングを検出等するようにしたため、例えば、平均化を行って雑音などを低減させる場合に、オフセットを除去することもでき、総じて、シンボルタイミングの検出等の精度を向上させることができる。
また、本発明によると、サンプリングのタイミングを制御することにより、シンボルタイミングの検出等の精度を向上させることが可能である。
本実施例では、無線端末装置の無線機の復調部に備えられるシンボルタイミング検出装置によりシンボルタイミングを検出する構成例や、その検出結果に基づいて復調部における処理タイミングを制御する構成例を示す。なお、無線機は、例えば送信機と受信機から構成され、復調部は受信機に備えられる。
また、無線端末装置としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、携帯電話端末装置のように人により携帯されるものが用いられてもよく、或いは、任意の場所に設置されたようなものが用いられてもよい。
本例のπ/4シフトQPSKによる変調処理では、QPSKのシンボルの位相点の角度(45度、135度、−45度、−135度)を前のシンボルの位相点に加えることで次のシンボルの位相点が決定される。この復調処理では、今回のシンボルの位相点と前のシンボルの位相点との角度差を検出し、検出した角度差に対応したQPSKのシンボル点の情報(データ)を特定する。
一例として、π/4シフトQPSKの復調処理で得られるQPSKのシンボル点が「01」(+135度)と「10」(−45度)を交互に繰り返すようにプリアンブルを構成し、この場合、理想的には、復調処理により得られる連続した2つのシンボル点(「01」と「10」)の中点がIQ平面上の原点を通過する(ゼロクロスする)ようになり、このタイミングに基づいてシンボル点のタイミングを検出(推定)することができる。
また、データの部分においても、理想的には、復調処理により得られる信号が原点を通過する(ゼロクロスする)点が通常存在するため、このタイミングを検出して、検出したタイミングに基づいてシンボル点のタイミングを検出(推定)することが可能である。
なお、隣接するシンボルタイミングの時間間隔(シンボル周期)は、例えば、予め、送信機と受信機に設定されている。
図1は本発明における無線通信システムの無線機の概要を示したブロック図である。
図1において、101は復調処理部、102は同期捕捉部、103はA/D(Analog to Digital)変換器、104は直交検波部、105はLPF(Low−Pass Filter)、106は受信フィルタ、107は遅延検波部、108は符号判定部、109はS/P(Serial/Parallel)変換部、110は遅延検波部、111は振幅算出部、112は積分処理部、113は最小値検索部、114は基準値減算部、115はRWF(Random Walk Filter)、116はタイミング制御部、117はサンプラである。
また、タイミング制御部116は、RWF115からの入力に基づいて、サンプラ117により信号値を抽出するシンボルタイミングの位置を制御する。
本発明の実施の形態によると、無線通信を行う無線周波数に周波数偏差が生じても安定してシンボルタイミングを検出し、タイミング同期を取ることが可能となる無線機を提供することができる。
該無線機は、信号を復調するための復調手段と、
同期を取るための同期捕捉手段と、
信号のタイミングを調整するためのタイミング制御手段と、を有し、
前記同期捕捉手段は、基準となる値からの差を算出する算出処理を行いクロックの位相補正を行う、ことを特徴とした無線機。
前記無線機は、少なくとも信号を復調するための復調処理手段と、
同期を取るための同期捕捉手段と、を具備し、
該同期捕捉手段は、基準となる値からの差を検出する検出ステップと、該検出ステップにより検出された基準となる値からの差を基にクロック位相の補正を行う補正ステップと、からなることを特徴としたシンボルタイミング検出方法。
本例では、受信復調処理におけるシンボル同期方式の一例を説明する。変調方式としてはπ/4シフトQPSKの方式を使用し、1シンボル当たり2ビットの伝送を行う。
図2には、無線機の復調部の構成例を示してある。
本例の無線機の復調部は、A/D(Analog to Digital)変換器103と、復調処理部101と、タイミング制御部116を備えている。復調処理部101には、同期捕捉部102と、直交検波部104と、LPF(Low Pass Filter)105と、受信フィルタ106と、サンプラ117と、遅延検波部107と、符号判定部108を備えている。同期捕捉部102には、S/P(Serial/Parallel)変換部109と、遅延検波部110と、電力算出部201と、オフセット除去部202と、積分処理部112と、最小値検索部113と、基準値減算部114と、RWF(Random Walk Filter)115を備えている。
アンテナ(図示せず)により受信された信号が、RF(Radio Frequency)部を介して、A/D変換器103に入力される。ここで、受信信号は、送信側においてπ/4シフトQPSKにより変調されている。
A/D変換器103は、入力された受信信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換して直交検波部104へ出力する。ここで、A/D変換器103におけるサンプリング周波数は、シンボル周波数のN倍(Nは正の整数)であるとする。
LPF105は、直交検波部104から入力されたI、Q成分の信号について余分な周波数成分を除去し、その結果を受信フィルタ106と同期捕捉部102のそれぞれへ出力する。
受信フィルタ106は、LPF105から入力されたI、Q成分の信号について波形整形及び雑音成分の除去を行い、その結果をサンプラ117へ出力する。
ここで、サンプラ117としては、種々な構成のものが用いられてもよく、例えば、1シンボル周期分のN個のサンプル値の中からシンボルタイミングに対応する1つのサンプル値を抽出して出力する構成や、或いは、シンボルタイミングに相当するタイミングにおいてのみ出力をオンとするオンオフスイッチからなる構成などを用いることができる。
符号判定部108は、遅延検波部107から入力された復号信号を判定して復号ビットを取得し、取得した復号ビットを例えばチャネルコーデック(CH−CODEC)処理部へ出力する。
S/P変換部109は、LPF105から入力されたI、Q成分の信号をシリアル信号からN個のパラレル信号へ変換して遅延検波部110へ出力する。ここで、本例では、N個のパラレル信号は、A/D変換器103によりサンプリングされるN個の信号に対応しており、1シンボル周期分の信号となる。
電力算出部201は、各パラレル信号について、前段の遅延検波部110により算出された値に基づいてI成分とQ成分の自乗和(I2+Q2)を算出して複素データの電力(本例では、総じてN個)を求めてオフセット除去部202へ出力する。
なお、一般に、電力の平方根を求めると振幅となるため、本例の電力算出部201と図1に示される振幅算出部111とは、電力の値又は振幅の値の大小関係を判定する場合には、実質的には同様な値を求めている。
図3(b)には、電力の変動が大きいときについて、オフセット除去の前後における各パラレル信号の電力値の一例を示してある。
これらの各グラフでは、電力を表す曲線の左端と右端が隣り合うシンボル点に相当し、曲線の中点が隣り合うシンボル点の中点に相当する。また、各グラフの曲線は1シンボル周期分を表している。
図3(b)に示されるように、シンボル点が原点付近を通過して遷移した場合には、電力の変動が大きく、シンボルタイミングを検出することが容易であるが、図3(a)に示されるように、例えば周波数偏差や雑音などにより、シンボル点が原点付近を通過しないで遷移した場合には、シンボルタイミングを検出する信号として信頼性が低いと考えられるため、本例では、オフセット除去部202により、電力の最小値がゼロとなるようにオフセットを除去して、電力の変動が大きい信号を強調する。
ここで、本例では、積分処理の好ましい態様例として、部分積分処理を用いている。複数の信号値の部分積分処理では、例えば、0<α<1として、既に得られている前回の積分結果に(1−α)を乗算した結果と今回の新たな信号値にαを乗算した結果とを加算し、当該加算結果を今回の新たな積分結果とする。
ここで、本例では、RWF115は、入力値を順次加算するようにレジスタに格納し、当該レジスタ値が所定の正の閾値(+L)を超えた場合にはその旨を示す値(例えば、+1)をタイミング制御部116へ出力して当該レジスタ値をゼロにクリアし、当該レジスタ値が所定の負の閾値(−L)未満となった場合にはその旨を示す値(例えば、−1)をタイミング制御部116へ出力して当該レジスタ値をゼロにクリアする。
また、タイミング制御部116は、例えば、サンプラ117におけるシンボルタイミングの位置をずらした分だけ、同期捕捉部102の基準値減算部114で使用される基準値又はバッファのインデックス値(最小値検索部113で使用されるインデックス値)の番号をずらすように制御する。
例えば、本例では、電力算出部201において、I、Q成分の両方を反映させた値(本例では、電力)を算出して用いることにより、周波数偏差が生じた場合においても、電力は変化しないことから、シンボルタイミングを正しく検出することができる。
また、本例では、オフセット除去部202において、各パラレル信号について、電力の最小値がゼロになるように電力の値からオフセット値を減算することにより、例えば、電力の変動が大きいときに積分処理部112に入力される値を大きくすることができ、つまりシンボルタイミングの検出に有効な信号を強調することができ、これにより、シンボルタイミングの検出精度を高めることができる。なお、オフセット除去は、平均化(本例では、積分)より前段で行っている。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
Claims (5)
- 変調信号のシンボルタイミングを検出するシンボルタイミング検出装置において、
シンボル周期より短い周期で前記変調信号の信号値をサンプリングするサンプリング手段と、
前記サンプリング手段によりサンプリングされた各サンプリング点における信号値について復調を行うサンプリング点復調手段と、
前記サンプリング点復調手段により得られた各サンプリング点における復調結果の電力値又は振幅値を検出する値検出手段と、
前記値検出手段により検出された値の中から1シンボル周期分の最小値を検出し、前記最小値のサンプリング点と、前記1シンボル周期内に設定された基準サンプリング点との時間差に基づいてシンボルタイミングであるとみなすタイミングを検出するシンボルタイミング検出手段と、
を備えたことを特徴とするシンボルタイミング検出装置。 - 変調信号のシンボルタイミングを検出するシンボルタイミング検出装置において、
シンボル周期より短い周期で前記変調信号の信号値をサンプリングするサンプリング手段と、
前記サンプリング手段によりサンプリングされた各サンプリング点における信号値について復調を行うサンプリング点復調手段と、
前記サンプリング点復調手段により得られた各サンプリング点における復調結果の電力値又は振幅値を検出する値検出手段と、
前記値検出手段により検出された複数のサンプリング点における値について1シンボル周期分の最小値がゼロ或いはゼロ付近となるようにシフトさせるオフセット除去手段と、
前記オフセット除去手段によりシフトさせられた各サンプリング点における値を各サンプリング点毎に平均化する平均化手段と、
前記平均化手段により得られた平均化結果に基づいてシンボルタイミングであるとみなすタイミングを検出するシンボルタイミング検出手段と、
を備えたことを特徴とするシンボルタイミング検出装置。 - 受信された変調信号のシンボルタイミングを検出して当該変調信号を復調する無線端末装置において、
シンボル周期より短い周期で前記変調信号の信号値をサンプリングするサンプリング手段と、
前記サンプリング手段によりサンプリングされた複数のサンプリング点における信号値の中からシンボルタイミングの位置にあるとみなされる信号値を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された信号値について復調を行う復調手段と、
前記サンプリング手段によりサンプリングされた各サンプリング点における信号値について復調を行うサンプリング点復調手段と、
前記サンプリング点復調手段により得られた各サンプリング点における復調結果の電力値又は振幅値を検出する値検出手段と、
前記値検出手段により検出された値の中から1シンボル周期分の最小値を検出し、前記最小値のサンプリング点と、前記1シンボル周期内に設定された基準サンプリング点との時間差に基づいて前記抽出手段によりシンボルタイミングであるとみなすタイミングを制御するシンボルタイミング制御手段と、
を備えたことを特徴とする無線端末装置。 - 受信された変調信号のシンボルタイミングを検出して当該変調信号を復調する無線端末装置において、
シンボル周期より短い周期で前記変調信号の信号値をサンプリングするサンプリング手段と、
前記サンプリング手段によりサンプリングされた複数のサンプリング点における信号値の中からシンボルタイミングの位置にあるとみなされる信号値を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された信号値について復調を行う復調手段と、
前記サンプリング手段によりサンプリングされた各サンプリング点における信号値について復調を行うサンプリング点復調手段と、
前記サンプリング点復調手段により得られた各サンプリング点における復調結果の電力値又は振幅値を検出する値検出手段と、
前記値検出手段により検出された複数のサンプリング点における値について1シンボル周期分の最小値がゼロ或いはゼロ付近となるようにシフトさせるオフセット除去手段と、
前記オフセット除去手段によりシフトさせられた各サンプリング点における値を各サンプリング点毎に平均化する平均化手段と、
前記平均化手段により得られた平均化結果に基づいて前記抽出手段によりシンボルタイミングであるとみなすタイミングを制御するシンボルタイミング制御手段と、
を備えたことを特徴とする無線端末装置。 - 請求項3又は請求項4に記載の無線端末装置において、
前記サンプリング手段によるサンプリングのタイミングを制御するサンプリング制御手段を備えた、
ことを特徴とする無線端末装置。
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