JPWO2002060677A1 - 粉末成形方法 - Google Patents

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篤史 小川
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Abstract

得られる成形体(39)の配向性を向上できる、粉末成形方法を提供する。ダイ(16)の貫通孔(24)に形成されたキャビティ(28)に磁石用の粉末を充填する。粉末は急冷法によって製造されている。振動装置(30)によって下パンチ(26)を貫通孔(24)内でプレス方向に振動させながら磁場発生装置(40)によってキャビティ(28)内の粉末に静磁場の配向磁場を印加し、キャビティ(28)内の粉末を上パンチ(34)および下パンチ(26)によってプレス成形して成形体(39)を得る。このとき、プレス方向が磁場配向方向に垂直である。なお、プレス方向が磁場配向方向に平行であってもよい。

Description

技術分野
この発明は粉末成形方法に関し、より特定的には希土類磁石用の粉末をプレス成形するための粉末成形方法に関する。
背景技術
この種の従来技術の一例が日本特開昭61−2508号において開示されている。ここでは、押盤を昇降自在に支持すると共に成形台を振動自在に支持してなる振動プレス成形機が提案されている。この振動プレス成形機では、成形台の側と押盤の側にそれぞれバイブレータが配設支持されると共に、押盤の側と成形台の側にそれぞれ昇降自在な加圧シリンダが配設支持される。
しかし、上述の従来技術では、成形型内に充填された粉体原料を配向する技術について何ら言及されておらず、粉体原料ひいては得られる成形体の配向性を向上させることはできない。
それゆえにこの発明の主たる目的は、得られる成形体の配向性を向上できる粉末成形方法を提供することである。
発明の開示
この発明のある見地によれば、ダイの貫通孔に形成されたキャビティに磁石用粉末を充填する充填工程、ならびに磁場配向時に貫通孔内で上パンチおよび下パンチの少なくともいずれか一方をプレス方向に振動させ、キャビティ内の磁石用粉末を上パンチおよび下パンチによってプレス成形し成形体を得るプレス工程を備える、粉末成形方法が提供される。
この発明では、プレス成形時にダイの貫通孔内で上パンチおよび下パンチの少なくともいずれか一方をプレス方向に振動させることによって、キャビティ内の磁石用粉末相互に働く摩擦が静摩擦から動摩擦に変わり磁石用粉末間の摩擦力を低減できるので、磁石用粉末の流動性が高くなる。このようにパンチを振動させながら配向磁場を印加すれば、磁場配向方向により揃うように磁石用粉末が移動し磁石用粉末の配向性が向上する。したがって、その状態の磁石用粉末をプレスすれば配向性の高い成形体が得られる。
好ましくは、プレス工程における配向磁場が静磁場である。プレス成形時に静磁場を印加すると粉末の流動に必要な時間を確保しつつプレスできるので、磁石用粉末ひいては成形体の配向性を向上できる。
また、好ましくは、プレス方向が磁場配向方向に垂直である。この場合、磁場発生機構をプレス機構から容易に分離できるので、簡単な構成で磁石用粉末ひいては成形体の配向性を向上できる。
この発明は、プレス方向が磁場配向方向に平行である場合に適する。プレス方向が磁場配向方向に垂直の場合より平行の場合の方が磁場印加時の配向を崩しながらプレスするので磁石用粉末の配向くずれが大きくなる。しかし、この発明では、上パンチおよび下パンチの少なくともいずれか一方を貫通孔内で振動させることによってその弊害を抑制できる。
また、この発明は、磁石用粉末が急冷法によって製造されている場合に適する。急冷法によって製造された磁石用粉末を用いた場合、従来では粉末が角張った形状のためそれ以外の粉末と比べ粉末間に働く摩擦力が大きい。そのため、磁場配向時粉末の流動性が悪くなり、配向性の向上が妨げられていた。しかし、この発明では、このような磁石用粉末であっても、磁場配向時に貫通孔内でパンチをプレス方向に振動させてプレスすることで、キャビティ内の磁石用粉末間に働く摩擦力を低減することができ磁石用粉末の流動性を改善できるので、磁石用粉末ひいては成形体の配向性を向上できる。
希土類焼結磁石では、焼結後のRFe14B相の結晶粒径を小さくさせるため、微粉砕後の粉砕粉を小さくする傾向にある。粉末粒径が5μm(FSSS粒径)以下になると強い配向磁場を印加しても、個々の粉末に発生する回転力が小さくなるので配向度が低下する。この発明によれば、このような粒径の小さい粉末においても配向度を向上させることが可能になる。
さらに、この発明は、成形体が異形状である場合に適する。得られる成形体が弓形等の異形状の場合、成形部位によってプレス時の圧縮率が異なる。したがって、従来では、成形体のうち圧縮率が高い端部では他の部位の圧縮率との違いによるワレが発生し、また成形部位によって配向性がばらついていた。しかし、この発明では、異形状の成形体を得る場合であっても、振動によって磁石用粉末の流動性が高まり、キャビティ内での磁石用粉末の密度ばらつきが小さくなる。したがって、各成形部位の成形後の密度が略均一な異形状の成形体を成形することができ、ワレの発生を抑制できかつ配向性を向上できる。
この発明の他の見地によれば、上述の粉末成形方法を含む、希土類磁石の製造方法が提供される。上述の粉末成形方法を用いれば、配向性の向上した成形体が得られるので、この発明では、磁気特性の高い希土類磁石が得られる。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面を参照してこの発明の実施形態について説明する。
第1図を参照して、この発明の一実施形態の粉末成形装置10は、プレス方向が磁場配向方向に垂直でありかつウィズドロアル方式の磁石用粉末成形装置である。
粉末成形装置10はベースプレート12を含み、ベースプレート12は複数の脚部14によって支持される。ベースプレート12の上方にはダイ16が配置される。ダイ16の下面は、ベースプレート12を貫通する一対のガイドポスト18を介して連結板20に接続される。連結板20はシリンダロッド22を介して図示しない下部油圧シリンダに接続される。したがって、ダイ16は下部油圧シリンダによって上下方向に移動可能とされる。
ダイ16の略中央部には鉛直方向に貫通する貫通孔24が形成される。貫通孔24には下側から下パンチ26が挿入され、貫通孔24内にキャビティ28が形成される。キャビティ28には、キャビティ28に対して進退可能な図示しない給粉装置によってたとえば希土類合金粉末などの磁石用の粉末が供給される。
給粉装置としては、たとえば日本特開2000−248301号に記載の給粉装置が用いられる。キャビティ28に充填される粉末の充填密度は、たとえば2.2g/cm以上2.5g/cm以下である。
下パンチ26は振動装置30上に配置され、振動装置30はダイプレート12上に配置される。したがって、下パンチ26は、ベースプレート12上に固定されるが、振動装置30によって上下方向すなわちプレス方向に振動可能とされる。
ダイ16の上方には上パンチプレート32が配置される。上パンチプレート32の下面には、キャビティ28に挿入可能な位置に上パンチ34が設けられる。上パンチプレート32の上面にはシリンダロッド36が設けられる。シリンダロッド36には図示しない上部油圧シリンダが接続される。上パンチプレート32の両端近傍には、鉛直方向に設けられた一対のガイドポスト38が挿通され、ガイドポスト38の下端部がダイ16の上面に接続される。
したがって、上パンチプレート32は、ガイドポスト38に案内されながら上部油圧シリンダによって上下方向に移動可能とされ、それに伴って上パンチ34が上下方向に移動可能とされキャビティ28内に挿入可能となる。プレス成形時には、キャビティ28内で下パンチ26と上パンチ34とによって粉末が圧縮され成形体39が形成される。この実施形態では、第2図に示すように、ボイスコイルモータ用磁石を製造するための弓形の成形体39が形成される。この場合、成形体39の上面39aが上パンチ34との接触面となり、成形体39の下面39bが下パンチ26との接触面となる。
ダイ16近傍にはキャビティ28内の粉末を配向させるための磁場発生装置40が設けられる。磁場発生装置40は、ダイ16を両側から挟むように対称的に配置される一対のヨーク42a、42bを含む。ヨーク42a、42bは、炭素鋼などの透磁率の高い材料で構成される。ヨーク42a、42bにはそれぞれコイル44a、44bが巻回される。コイル44a、44bに通電されると矢印Xに示す方向に静磁場が発生し、キャビティ28内の粉末が配向される。
このように上述の粉末成形装置10では、プレス方向が磁場配向方向に垂直となる。印加される磁界強度は、たとえば略0.8MA/m以上1.3MA/m以下である。
ここで、粉末にはたとえばNd−Fe−B系粉末などの希土類合金粉末が用いられる。
希土類合金粉末は、たとえばつぎのようにして作製される。まず、急冷法(冷却速度10℃/sec以上10℃/sec以下)による合金の作製法として米国特許第5,383,978号に示されるようなストリップキャスト法を用いて、鋳片が作製される。
具体的には、公知の方法によって製造された、Nd:30wt%、B:1.0wt%、Dy:1.2wt%、Al:0.2wt%、Co:0.9wt%、残部Feおよび不可避不純物からなる組成の合金が高周波溶解により溶湯とされる。この溶湯が、1,350°Cに保持された後、ロール周速度を約1m/秒、冷却速度500°C/sec、過冷度200°Cの条件で、単ロール上で急冷され、厚さ約0.3mmのフレーク状合金鋳塊が得られる。
つぎに、合金鋳塊が、水素吸蔵法によって粗粉砕された後、ジェットミルを用いて窒素ガス雰囲気中で微粉砕され、平均粒径3.5μmの合金粉末が得られる。
このような希土類合金粉末には潤滑剤が添加される。この場合、たとえば、潤滑剤として脂肪酸エステル、溶剤として石油系溶剤が用いられる。そして、希土類合金粉末に対して、脂肪酸エステルを石油系溶剤で希釈したものが0.3wt%(潤滑剤ベース)添加混合され、潤滑剤が希土類合金粉末の表面に被覆される。
第3図を参照して、粉末成形装置10の動作について説明する。
最初は、期間Aに示すように、ダイ16は下降端に位置するとともに上パンチ34は上昇端に位置しており、ダイ16および下パンチ26のそれぞれの上面は面一とされる。ついで、期間Bに示すようにダイ16を上昇させて貫通孔24内にキャビティ28が形成される。その後、期間Cに示すように、給粉装置(図示せず)がキャビティ28上に移動され、給粉装置を前後に小さく揺動させることによって給粉装置内の粉末がキャビティ28内に充填され、粉末充填後給粉装置は退去される。そして、期間Dに示すように、ダイ16をさらに上昇させると共に上パンチ34を下降させ、期間Eに示すように、磁場発生装置40による配向磁場の印加および振動装置30による下パンチ26の振動が開始される。さらに、期間Fに示すように、配向磁場の印加および振動を加えながら下パンチ26と貫通孔24内に上方から挿入された上パンチ34とによってキャビティ28内で粉末のプレス成形が開始され、期間Gで脱磁されかつ振動が停止された状態で最大のプレス圧で粉末のプレス成形が継続される。その後、期間Hに示すように、上パンチ34を徐々に上昇させることによって徐々に減圧してプレス成形が終了され成形体39が形成される。そして、期間Iに示すように、ダイ16を下降端まで下降させることによってキャビティ28内の成形体39がダイ16上面に抜き出される。さらに期間Jに示すように、上パンチ34を上昇端まで上昇させたのち、時間Kにおいて成形体39が取り出され、次回のプレス成形処理に備える。以上の処理を繰り返して粉末がプレス成形される。
粉末成形装置10によれば、プレス成形時に貫通孔24内で下パンチ26をプレス方向に振動させることによって、キャビティ28内の粉末間の摩擦力を低減でき粉末の流動性が高くなる。このように下パンチ26を振動させながら粉末に配向磁場を印加すれば、磁場配向方向により揃うように粉末が移動し粉末の配向性が向上する。また、粉末が隙間を埋めるように移動することによって粉末をキャビティ内でより均等に分布させることができるので、圧縮成形時の配向みだれを抑制できる。その状態の粉末をプレスすることによって配向性の高い成形体39が得られる。
たとえ粉末を2.5g/cm以上の高密度に充填しプレス成形する場合であっても、振動により粉末が隙間を埋めるように移動する。したがって、低いプレス圧で所望の磁気特性を得るための成形密度に達することができるので、プレス圧による磁場配向みだれを抑制でき磁場配向状態を維持したままプレス成形体を作製することができる。また、高さ方向の配向性のばらつきを抑えることができ、特に高さが20mm以上の成形体39を得る場合に効果的となる。
また、プレス成形時に静磁場を印加することによって粉末の流動に必要な時間を確保しつつプレスできるので、粉末ひいては成形体39の配向性を向上できる。
粉末成形装置10では、磁場発生装置40を、ダイ16および上パンチ34等のプレス機構と分離できるので、粉末成形装置10の構成が簡単になる。
一般的に、急冷法によって製造されたNd−Fe−B系粉末はNd−Fe−B系造粒粉よりも、粉末間に働く摩擦力が大きく、配向性の向上が難しい。これは、急冷法によって製造されたNd−Fe−B系粉末の方が、格段に粒径が小さくかつ粒度分布が狭くてシャープなため粉末間の隙間が小さくなり粉末の表面積が大きくなり、さらに粒形状が角張っているからである。また、磁気特性の向上を目的として最近、粉末の平均粒径を5μm(FSSS粒径)とすることが行われている。しかし、粉末成形装置10によれば、急冷法によって製造された細かい粉末であっても、磁場配向時に貫通孔24内で下パンチ26をプレス方向に振動させてプレスすることで、キャビティ28内の粉末相互に働く摩擦力を低減することができ粉末の流動性を改善できるので、粉末ひいては成形体39の配向性を向上できる。
さらに、Nd−Fe−B系粉末に潤滑剤が添加されると、粉末間の摩擦は緩和され粉末の流動性が向上するので配向性がより向上する。
また、成形体39のような弓形等の異形状の成形体を得る場合であっても、振動によってキャビティ28内の粉末の流動性が高まり粉末がキャビティ28内により均一に配分される。したがって、各成形部位の成形後の密度(グリーン密度)が略均一な異形状の成形体を製造することができる。
上述のようにして得られた成形体は、キャビティ28内の粉末の密度ばらつきが低減されかつ磁気異方性がより揃った状態でプレスされたものである。この成形体を焼結した場合、収縮量のばらつきが低減され、得られる焼結体の輪郭度が従来と比較して向上する。したがって、成形体において修正のために必要とされる加工代がわずかで足りる。このような焼結体にさらに時効処理を施すことによって、磁気特性の良好な希土類磁石等の磁石が得られる。
ついで、実験例について説明する。
ここでは、粉末成形装置10を用いて得られた磁石と、粉末成形装置10から振動装置30を除いた粉末成形装置(以下、「比較装置」という)を用いて得られた磁石のそれぞれの磁気特性を比較した。すなわち、振動の有無による磁石の磁気特性を比較した。磁石は、粉末成形装置によって製造された成形体に、さらに焼結、時効処理を施して得られた。
実験条件を以下に示す。
粉末として、ストリップキャスト法によって平均粒径2μm以上3μm以下に製造されたNd−Fe−B系合金粉末(たとえばNEOMAX−48BH:住友特殊金属株式会社製)が用いられ、粉末にはたとえばステアリン酸亜鉛などの潤滑剤が添加された。ダイ16として、1サイクルで51.3mm×53.3mm×25mmの成形体が1個形成される(1個取り用)ダイが用いられた。成形密度は4.0g/cm以上4.5g/cm以下、給粉方法はフィーダ充填(押し込み充填)、配向磁場はコア中心磁場1.66T、振動周波数は約50Hz、振幅は約0.02mm、振動装置26は株式会社ダイイチ製であった。そして得られた成形体をAr雰囲気の下で1050°Cにて5.5時間焼結し、さらに500°C、Ar雰囲気中で3時間時効処理して、焼結磁石(Nd−Fe−B系磁石)を得た。
上述の条件下で、粉末成形装置10を用いて得られたNd−Fe−B系磁石と比較装置とを用いて得られたNd−Fe−B系磁石について、磁気特性を測定した結果を第4図および第5図に示す。
具体的にはつぎのようにして磁気特性を測定した。
まず、粉末成形装置を用いて所望の成形密度の成形体が形成された。成形体は、2回のプレス成形によって合計2個得られた。得られた2個の成形体について焼結・時効処理を施した後、切断して9枚の磁石が得られた。9枚の各磁石について、第6図に示すように中央部Sの残留磁束密度Brおよび最大エネルギー積(BH)maxが測定され、9個の値が平均された。このような処理が、粉末成形装置10と比較装置とについて、第4図に示すような成形密度ごとに行われ、第4図および第5図に示す結果が得られた。
第5図(a)からわかるように、同じ成形密度で比較すると、粉末成形装置10を用いた場合(振動ありの場合)の方が比較装置を用いた場合(振動なしの場合)より、残留磁束密度Brが大きくなる。また、第5図(b)からわかるように、同じ成形密度で比較すると、粉末成形装置10を用いた場合(振動ありの場合)の方が比較装置を用いた場合(振動なしの場合)より、最大エネルギー積(BH)maxが大きくなる。
したがって、成形密度が同じ場合、粉末成形装置10を用いた場合の方が比較装置を用いた場合より、得られる磁石の磁気特性が改善されることがわかる。したがって、同じ磁気特性の磁石を得るためには、粉末成形装置10を用いた場合の方が比較装置を用いた場合より、小さい成形圧力で足りる。
なお、この発明によれば、振動を加えつつ磁場成形することで、成形体の成形密度のばらつきおよび焼結による変形を抑制できる。したがって、粉末の充填には、日本特開2001−9595号に開示するような、キャビティ毎に対応する粉末を秤量し、その粉末をキャビティに落下させて充填する方法を用いてもよい。
つぎに、第7図を参照して、この発明の他の実施形態の粉末成形装置10aについて説明する。
粉末成形装置10aは、プレス方向が磁場配向方向に垂直でありかつ両押し方式の磁石用粉末成形装置である。
粉末成形装置10aでは、ダイ16が複数の脚部46を介してベースプレート12上に固定され、振動装置30がテーブル48上に配置され、テーブル48がガイドポスト50を介して連結板20に接続される。その他の構成については第1図に示す粉末成形装置10と同様であるので、その重複する説明は省略する。したがって、粉末成形装置10aでは、ダイ16の貫通孔24内を下パンチ26および上パンチ34が上下方向に移動してキャビティ28内の粉末がプレスされる。
第8図を参照して、粉末成形装置10aの動作について説明する。
粉末成形装置10aでは、ダイ16は固定され下パンチ26が上下方向に移動する。第8図を第3図と比較してわかるように、粉末成形装置10aにおける下パンチ26が粉末成形装置10におけるダイ16とは略正反対に動作して、キャビティ28内の粉末が下パンチ26および上パンチ34によって両押しされる。また、キャビティ28からの上パンチ34の抜き出しは期間Iから開始される。これらの点を除いて、粉末成形装置10aの動作は粉末成形装置10と同様であるので、その重複する説明は省略する。
粉末成形装置10aについても粉末成形装置10と同様の効果が得られる。
さらに、第9図を参照して、この発明のその他の実施形態の粉末成形装置10bについて説明する。
粉末成形装置10bは、プレス方向が磁場配向方向に平行でありかつウィズドロアル方式の磁石用粉末成形装置である。
粉末成形装置10bは、粉末成形装置10と同様、ダイ16が上下方向に移動し、下パンチ26は上下方向に振動する。この点について重複する説明は省略する。また、粉末成形装置10bは磁場発生装置52を含む。磁場発生装置52は、ダイ16の上方にダイ16と略平行に配置されるヨーク54を含む。ヨーク54の下面には貫通孔24に挿入可能な位置に上パンチ34が設けられる。ダイ16はヨーク54と対をなすヨークとして機能する。ヨーク54およびダイ16にはそれぞれコイル56aおよび56bが巻回される。したがって、コイル56a、56bに通電されると矢印Yに示す方向に静磁場が発生し、キャビティ28内の粉末が配向される。このように粉末成形装置10bでは、プレス方向が磁場配向方向に平行となる。
粉末成形装置10bによって図2に示す成形体39を形成する場合には、成形体39の側面39cが上パンチ34との接触面となり、成形体39の側面39dが下パンチ26との接触面となる。したがって、粉末成形装置10bにおける上パンチ34および下パンチ26の形状ならびに貫通孔24の断面形状は、粉末成形装置10の場合とは異なる。
粉末成形装置10bは、粉末成形装置10と同様、第3図に示すように動作するのでその重複する説明は省略する。
粉末成形装置10bにおいても粉末成形装置10と同様の効果が得られる。
なお、一般に、プレス方向が磁場配向方向に平行の場合には、プレス方向と磁場配向方向とが同方向であるので、成形圧力によって成形体内の磁場配向が崩れ易くなる。しかし、粉末成形装置10bによれば、下パンチ26を貫通孔24内でプレス方向に振動させることによってその弊害を抑制でき、効果がより顕著となる。
特に、粉末成形装置10bは、貫通孔24の開口寸法(長さ方向および幅方向のいずれか一方)が狭く、キャビティ深さが大きく、薄型の成形体を形成する場合に効果的である。
プレス方向が磁場配向方向に平行であって上述のような薄型の成形体を形成する場合、従来では、磁気特性を確保するためには低い成形密度でプレスしなければならなかった。これは、成形密度が高くなると磁気特性が低下するためである。しかし、成形密度が低くなると成形体の強度は低下し、成形体はキャビティから抜き出す際に容易に圧壊され、成形体を抜き出すことが困難となり、生産性が低下する。一方、成形体強度を確保するために成形密度を高く設定すると、通常より高い成形圧力がキャビティ内の粉末へ加わってしまい、配向を崩しながら成形してしまう。
粉末成形装置10bを用いれば、成形密度を比較的高くしても、高い磁気特性を有する磁石が得られる。たとえば、粉末成形装置10bを用いて得られた成形密度が4.4g/cmの磁石の磁気特性は、振動なしで得られた成形密度が4.1g/cmの磁石の磁気特性と同等である。
したがって、粉末成形装置10bによれば、薄型の成形体(磁石)を得る場合であっても、成形体をキャビティから抜き出す際に圧壊しないように成形密度を高くできるとともに、良好な磁気特性を有する磁石を得ることができる。
第10図を参照して、この発明のさらにその他の実施形態の粉末成形装置10cについて説明する。
粉末成形装置10cは、プレス方向が磁場配向方向に平行でありかつ両押し方式の磁石用粉末成形装置である。
粉末成形装置10cでは、ダイ16が複数の脚部46を介してベースプレート12上に固定され、振動装置30がテーブル48上に配置され、テーブル48がガイドポスト50を介して連結板20に接続される。その他の構成については第9図に示す粉末成形装置10bと同様であるので、その重複する説明は省略する。したがって、ダイ16の貫通孔24内を下パンチ26および上パンチ34が上下方向に移動してキャビティ28内の粉末がプレスされ、プレス方向が磁場配向方向に平行となる。
粉末成形装置10cは、粉末成形装置10aと同様、第8図に示すように動作するのでその重複する説明は省略する。
粉末成形装置10cにおいても粉末成形装置10と同様の効果が得られる。
また、粉末成形装置10cは、粉末成形装置10bと同様、プレス方向が磁場配向方向に平行であるので効果がより顕著となり、特に、薄型の成形体を形成する場合に効果的である。
なお、上述の各粉末成形装置10、10a、10bおよび10cにおいて、下パンチ26の振幅が0.001mm以上0.2mm以下であることが好ましい。振幅が0.001mm未満であれば成形時に粉末間に発生する摩擦を低減することができず、一方、振幅が0.2mmを超えると、たとえばダイ16と下パンチ26との間に粉末をかみ込みやすくなり、ダイ16や下パンチ26を損傷する原因となるからである。
また、上述の各粉末成形装置10、10a、10bおよび10cにおいて、下パンチ26の振動周波数が5Hz以上1000Hz以下であることが好ましい。振動周波数が5Hz未満であれば成形時に粉末間の摩擦を低減させることができず、一方、振動周波数が1000Hzを超えると振動装置30のコストがかかり過ぎて実用的ではないからである。
この発明は、貫通孔24内で下パンチ26だけを振動させる場合に限定されず、貫通孔24内で、上下パンチ34、26ともに振動させてもよく、上パンチ34のみ振動させてもよい。
また、この発明は、異形状の成形体39を形成する場合に限定されず、リング形状や段付き形状等の任意の形状の成形体を得る場合に適用できる。
配向磁場としては、静磁場だけではなくパルス磁場が用いられてもよい。ここで、静磁場とは、第11図(a)に示すように時間とともに磁場強度が変化しない磁場をいう。パルス磁場とは、時間とともに磁場強度が変化する動磁場の一種であり、第11図(b)に示すように一時的に発生する磁場をいう。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施形態を示す図解図であり、
第2図は、得られる成形体の一例を示す斜視図であり、
第3図は、第1図の実施形態の動作の一例を示すタイミングチャートであり、
第4図は、実験結果の一例を示すテーブルであり、
第5図は、第4図に示す実験結果から得られるグラフであり、
第6図は、実験における磁石の磁気特性の測定個所の一例を示す図解図であり、
第7図は、この発明の他の実施形態を示す図解図であり、
第8図は、第7図の実施形態の動作の一例を示すタイミングチャートであり、
第9図は、この発明のその他の実施形態を示す図解図であり、
第10図は、この発明のさらにその他の実施形態を示す図解図であり、
第11図は、静磁場およびパルス磁場のそれぞれの一例を示す波形図である。

Claims (7)

  1. ダイの貫通孔に形成されたキャビティに磁石用粉末を充填する充填工程、ならびに
    磁場配向時に前記貫通孔内で上パンチおよび下パンチの少なくともいずれか一方をプレス方向に振動させ、前記キャビティ内の前記磁石用粉末を前記上パンチおよび前記下パンチによってプレス成形し成形体を得るプレス工程を備える、粉末成形方法。
  2. 前記プレス工程における配向磁場が静磁場である、請求項1に記載の粉末成形方法。
  3. 前記プレス方向が磁場配向方向に垂直である、請求項1または2に記載の粉末成形方法。
  4. 前記プレス方向が磁場配向方向に平行である、請求項1または2に記載の粉末成形方法。
  5. 前記磁石用粉末が急冷法によって製造されている、請求項1または2に記載の粉末成形方法。
  6. 前記成形体が異形状である、請求項1または2に記載の粉末成形方法。
  7. 請求項1または2に記載の粉末成形方法を含む、希土類磁石の製造方法。
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