JP4797283B2 - 粉末プレス装置および粉末プレス方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は粉末プレス装置および粉末プレス方法に関し、より特定的には、プレス方向に対して平行に配向磁場を印加して粉末をプレスする粉末プレス装置および粉末プレス方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来技術として、図6および図7に示すような粉末プレス装置1が提案されている。
粉末プレス装置1は、プレス方向に対して平行に配向磁場が印加されかつ1回のプレスサイクルで複数個の成形体が得られるように構成される。
粉末プレス装置1はダイ2を含み、ダイ2には複数(ここでは4×2=8個)の貫通孔2aが形成される。貫通孔2aにはコア3が挿入され、さらに貫通孔2aには下側から下パンチ4が挿入され、貫通孔2a内に中空円筒状のキャビティ5が形成される。下パンチ4はキャビティ5側の非磁性部材4aとそれに連なる磁性部材4bとを含み、下パンチ4は押え金6aと座金6bとによって固定される。また、ダイ2の上方には貫通孔2aに挿入可能な上パンチ7が設けられ、上パンチ7はキャビティ5側の非磁性部分7aとそれに連なる磁性部分7bとを含み、上パンチ7は押え金8aと座金8bとによって固定される。さらに、粉末プレス装置1は、図6に示すように、プレス方向に対して平行に配向磁場を印加できるように磁場印加手段9を含む。磁場印加手段9は、一対のポールピース9a,9bと一対のコイル9c,9dとを含む。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、粉末プレス装置1のように、1回のプレスサイクルによって得られる成形体の数が多くなると、図8に示すように磁場印加時に各キャビティ5を通過する磁束が均一にならずキャビティ5内で磁場強度のばらつきが大きくなる。特に、端部に位置するキャビティ5(図8では左側)内の磁場強度のばらつきが大きくなる。このような状況下で磁場プレスを行うと磁場強度のばらつきに起因してキャビティ5内で粉末が移動し粉末密度が不均一になり易くなる。したがって、プレス成形後の成形体に割れが生じ易くなり歩留まりが悪化するという問題点があった。
特に、磁気特性の高い磁石を製造する場合には、プレス時に磁場が印加されたキャビティの磁束密度が1.2T以上となりキャビティ5内の磁場強度のばらつきが大きくなるので、プレス成形後の成形体の割れが発生しやすくなる。
それゆえに、この発明の主たる目的は、キャビティ内の磁場の均一性を高めて成形体の歩留まりを向上できる、粉末プレス装置および粉末プレス方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の粉末プレス装置は、ダイの複数の貫通孔にそれぞれ設けられるキャビティに充填された粉末をプレスする粉末プレス装置であって、キャビティ側の第1非磁性部分と第1非磁性部分に連なる第1磁性部分とを含みキャビティに充填された粉末をプレスするためのパンチ、キャビティ側の第2非磁性部分と第2非磁性部分に連なる第2磁性部分とを含みキャビティに充填された粉末をプレスするための下パンチ、第1磁性部分の外側にキャビティの側面より外方へ延びるように設けられる第1磁性体、第2磁性部分の外側にキャビティの側面よりも外方へ延びるように設けられる第2磁性体、およびキャビティに充填された粉末にパンチおよび下パンチによるプレス方向に対して平行に磁場を印加するための磁場印加手段を備える。
請求項2に記載の粉末プレス装置は、請求項1に記載の粉末プレス装置において、第1磁性部分の第1非磁性部分側端部と第1磁性体の主面との段差、および第2磁性部分の第2非磁性部分側端部と第2磁性体の主面との段差が5mm以下であることを特徴とする。
【0005】
請求項3に記載の粉末プレス装置は、請求項1に記載の粉末プレス装置において、磁場印加手段によって磁場が印加されたキャビティの磁束密度が1.2T以上であることを特徴とする。
請求項4に記載の粉末プレス装置は、請求項1に記載の粉末プレス装置において、キャビティ内の磁場印加時の粉末密度が2.3g/cm3以下であることを特徴とする。
請求項5に記載の粉末プレス装置は、請求項1に記載の粉末プレス装置において、粉末が急冷法によって製造されたR−Fe−B系合金粉末であることを特徴とする。
【0006】
請求項6に記載の粉末プレス装置は、ダイの複数の貫通孔にそれぞれ設けられるキャビティに充填された粉末をプレスする粉末プレス装置であって、キャビティ側の第1非磁性部分と第1非磁性部分に連なる第1磁性部分とを含みキャビティに充填された粉末をプレスするためのパンチ、キャビティ側の第2非磁性部分と第2非磁性部分に連なる第2磁性部分とを含みキャビティに充填された粉末をプレスするための下パンチ、キャビティに充填された粉末にパンチおよび下パンチによるプレス方向に対して平行に磁場を印加するための磁場印加手段磁場印加手段によって発生される磁場を調整するために第1磁性部分の外側に設けられかつ磁性体からなる第1補助ヨーク、および磁場印加手段によって発生される磁場を調整するために第2磁性部分の外側に設けられかつ磁性体からなる第2補助ヨークを備える。
請求項7に記載の粉末プレス方法は、ダイの複数の貫通孔にそれぞれ設けられるキャビティに充填された粉末をプレスする粉末プレス方法であって、キャビティ側の第1非磁性部分と第1非磁性部分に連なる第1磁性部分とを含むパンチおよびキャビティ側の第2非磁性部分と第2非磁性部分に連なる第2磁性部分とを含む下パンチを用い、第1磁性部分の外側にキャビティの側面より外方へ延びるように第1磁性体を設けかつ第2磁性部分の外側にキャビティの側面よりも外方へ延びるように第2磁性体を設けた状態で、パンチおよび下パンチによるプレス方向に対して平行に磁場を印加し、キャビティに充填された粉末をパンチおよび下パンチによってプレスする。
【0007】
請求項1に記載の粉末プレス装置では、パンチの磁性部分の外側に磁性体を設けることによって、磁場印加時のキャビティ内の磁場の均一性を向上でき、キャビティ内での粉末の移動が少なくなる。したがって、磁場プレスによるキャビティ内の粉末密度のばらつきを抑制でき、得られる成形体の割れを防止でき、歩留まりを向上できる。特に、複数のキャビティのうち端部に位置するキャビティにおいて磁場の均一性を向上でき、得られる成形体の割れを効果的に防止できる。
請求項7に記載の粉末プレス方法についても同様である。
請求項2に記載の粉末プレス装置では、パンチの磁性部分の非磁性部分側端部と磁性体の主面との段差が小さいので、各キャビティに均一性の高い磁場を印加でき、良質の成形体が得られる。
【0008】
磁束密度が1.2T以上の磁場でキャビティ内の粉末をプレスした場合、キャビティ内の磁場強度のばらつきが大きくなり粉末密度が不均一になるので、プレス成形後の成形体の割れを引き起こしやすくなる。しかし、請求項3に記載の粉末プレス装置では、パンチの磁性部分の外周に磁性体を設けることによって、各キャビティ内の磁場の均一性を向上でき成形体の割れを防止できる。
また、キャビティ内の磁場印加時の粉末密度が2.3g/cm3以下と小さければ、キャビティ内で粉末が移動し易いので、磁場強度のわずかなばらつきによって粉末密度が不均一になってしまう。しかし、請求項4に記載の粉末プレス装置では、粉末密度が小さい場合でも各キャビティ内の磁場の均一性を向上でき、成形体の割れを防止できる。
【0009】
粉末としてR−Fe−B系合金粉末を用いて磁気特性の高い磁石を製造する場合には、成形時に高い磁場を印加する必要がある。この場合、特に、端部に位置するキャビティ内において、磁場強度のばらつきが大きくなり粉末密度が不均一になるので、得られた成形体に割れが発生し易い。しかし、請求項5に記載の粉末プレス装置では、キャビティ内の磁場の均一性を向上できるので、端部に位置するキャビティでプレスされた成形体であっても割れを防ぐことができる。
請求項6に記載の粉末プレス装置では、パンチの磁性部分の外側に補助ヨークを設けることによって請求項1と同様に、各キャビティ内、特に端部に位置するキャビティにおける磁場の均一性を向上できる。したがって、磁場プレスによるキャビティ内の粉末密度のばらつきを抑制でき、良質の成形体が得られ、歩留まりを向上できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施形態について説明する。
図1および図2を参照して、この発明の一実施形態の粉末プレス装置10は1回のプレスサイクルで複数個の成形体が得られるように構成される。
粉末プレス装置10は、上面開口かつ筐体状のフレーム12を含み、フレーム12の開口部にはプレート14が配置される。
フレーム12内にはダイ16が配置され、図3に示すようにダイ16には複数(この実施形態では4×2=8個)の貫通孔18が形成される。各貫通孔18には非磁性(たとえば超硬)からなるコア20が挿入され、さらに各貫通孔18には下側から下パンチ22が挿入される。ダイ16とコア20と下パンチ22とによって各貫通孔18内に中空円筒状のキャビティ24が形成される。
【0011】
下パンチ22はキャビティ24側の略中空円筒状の非磁性部分26と非磁性部分26に連なる略中空円筒状の磁性部分28とを含み、磁性部分28が座金30と押え金32とによって固定され、これによって下パンチ22が固定される。座金30および押え金32はそれぞれ磁性体からなる。コア20は座金30に挿通されてシリンダ34に接続され、シリンダ34によって上下方向に移動可能となる。ダイ16は図示しない別のシリンダによって上下方向に移動可能となる。
ここで注目すべきは、押え金32の上面に磁性体からなり磁場を調整するための補助ヨーク36が設けられることである。補助ヨーク36は少なくとも、端部に位置する下パンチ22の磁性部分28の非磁性部分寄り外周28bにおいてキャビティ24の側面24aより外方(水平方向)へ延びるように設けられる。キャビティ24の側面24aからの補助ヨーク36の寸法L1はたとえば40mm以上に設定される。また、補助ヨーク36の上面36aと下パンチ22の磁性部分28の非磁性部分側端部28aとが面一に形成され、上面36aおよび非磁性部分側端部28aはダイ16の上面16aに平行である。なお、補正ヨーク36の上面36aと磁性部分28の非磁性部分側端部28aとの段差は5mm以下であればよい。
【0012】
キャビティ24内には図示しないフィーダーボックスから粉末38が充填される。粉末38としてはたとえば急冷法によって製造されたR−Fe−B系合金粉末などの希土類合金粉末が用いられる。
粉末38はたとえばつぎのようにして作製される。まず、急冷法による合金の作製法として米国特許第5,383,978号に示されるようなストリップキャスト法を用いて、鋳片が作製される。
【0013】
具体的には、公知の方法によって製造された、Nd:30wt%、B:1.0wt%、Dy:1.2wt%、Al:0.2wt%、Co:0.9wt%、残部Feおよび不可避不純物からなる組成の合金が高周波溶解により溶湯とされる。この溶湯が1,350゜Cに保持された後、ロール周速度を約1m/秒、冷却速度102゜C/sec〜104゜C/sec、過冷度200゜Cの条件で、単ロール上で急冷され、厚さ0.3mmのフレーク状合金鋳塊が得られる。合金としては、上記組成のほか、米国特許第4,770,723号、第4,792,368号に示すものを使用できる。
【0014】
つぎに、合金インゴットが、水素吸蔵法によって粗粉砕された後、ジェットミルを用いて窒素ガス雰囲気中で微粉砕され、平均粒径3.5μmの合金粉末が得られる。
このような粉末38には配向性を向上させるとともに圧縮性を改善するため潤滑剤が添加される。この場合、たとえば、潤滑剤として脂肪酸エステル、溶剤として石油系溶剤が用いられる。そして、粉末38に対して、脂肪酸エステルを石油系溶剤で希釈したものが0.3wt%(潤滑剤ベース)添加混合され、潤滑剤が粉末38の表面に被覆される。
【0015】
また、プレス処理時におけるダイ16の貫通孔18と粉末38との摩擦を低減するために、貫通孔18の内面に金型潤滑剤が供給されてもよい。
ダイ16の上方にはダイ16の貫通孔18に挿入可能な上パンチ40が設けられる。上パンチ40は、キャビティ24側の略中空円筒状の非磁性部分42、非磁性部分42に連なる略中空円筒状の磁性部分44、および非磁性部分42と磁性部分44とに挿入されるコア46を含む。上パンチ40は座金48および押え金50によって固定され、座金48がポールピース58b(後述)に接続され、ポールピース58bがプレート14の下面に設けられる。座金48および押え金50はそれぞれ磁性体からなる。さらに、プレート14の上面にシリンダ52接続される。したがって、シリンダ52の動作によって、プレート14に設けられた部材とともに上パンチ40が上下方向に移動可能となる。
【0016】
ここで注目すべきは、押え金50の下面に磁性体からなり磁場を調整するための補助ヨーク54が設けられることである。補助ヨーク54は少なくとも、端部に位置する上パンチ40の磁性部分44の非磁性部分寄り外周44bにおいてキャビティ24の側面24aより外方(水平方向)へ延びるように設けられる。キャビティ24の側面24aからの補助ヨーク54の寸法L2はたとえば40mm以上に設定される。また、補助ヨーク54の下面54aと上パンチ40の磁性部分44の非磁性部分側端部44aとが面一に形成され、下面54aおよび非磁性部分側端部44aはダイ16の上面16aに平行である。補助ヨーク54の下面54aと磁性部材44の非磁性部分側端部44aとの段差もまた5mm以下であればよい。
【0017】
また、図1に示すように、コイル56aが巻回された中空円筒状のポールピース58aが座金30の周囲に設けられ、コイル56bが巻回された略円柱状のポールピース58bがプレート14の下面に設けられ、これによって磁場印加手段60が構成され、各キャビティ24に充填された粉末38にプレス方向に対して平行に磁場が印加される。この磁場は、各キャビティ24の磁束密度がたとえば1.2T以上となるように印加される。なお、各キャビティ24内の磁場印加時の粉末密度はたとえば2.3g/cm3以下とされる。
【0018】
このような粉末プレス装置10の動作を簡単に説明する。
最初は、ダイ16およびコア20は下降端に位置するとともに、上パンチ40は上昇端に位置しており、ダイ16、コア20および下パンチ22の上面はそれぞれ面一とされる。その状態で、図示しないフィーダーボックスが、図1および図2でいえば紙面の奥から手前側にダイ16に向かってスライドし 、フィーダーボックスは貫通孔18上に位置したときに停止する。その後、ダイ16およびコア20が上昇し始め、貫通孔18上部にキャビティ24が形成され、フィーダーボックス内の粉末38がキャビティ24内に充填される。
【0019】
ついで、ダイ16およびコア20が上昇端に達すると、フィーダーボックスがキャビティ24上から退去する。このとき、フィーダーボックスの下端でキャビティ24上の粉末38が摺り切られる。
そして、上パンチ40が下降して貫通孔18(キャビティ24)に挿入され、キャビティ24内の粉末38に磁場印加手段60によって配向磁場が印加されかつ粉末38が上パンチ40と下パンチ22とによってプレスされることで、成形体が形成される。
プレスが終了すると、上パンチ40が上昇するとともにダイ16およびコア20が下降して下パンチ22上の成形体が抜き出されダイ16上から取り除かれる。その後は、上述した動作が繰り返される。
【0020】
粉末プレス装置10によれば、下パンチ22の磁性部分28の非磁性部分寄り外周28bに磁性体である補助ヨーク36を、上パンチ40の磁性部分44の非磁性部分寄り外周44bに磁性体である補助ヨーク54を、それぞれ設ける。
これによって、たとえ磁場が印加されたキャビティ24の磁束密度が1.2T以上であり、キャビティ24内の磁場印加時の粉末密度が2.3g/cm3以下と小さい場合であっても、図4に示すように、各キャビティ24を通過する磁束を略均一にでき、各キャビティ24内、特に、端部に位置するキャビティ24(図4では左側)における磁場の均一性を向上でき、磁場プレスによるキャビティ24内の粉末密度のばらつきを抑制できる。
【0021】
この実施形態のように、中空円板状の成形体を得る場合には内径と外径との差が大きくなれば中空円板状のキャビティ24内の内径側と外径側との粉末密度差が大きくなりやすいが、粉末プレス装置10によれば、このようなキャビティ24であっても粉末密度のばらつきを抑制できる。
その結果、良質の成形体が得られ成形体の割れを抑制でき、歩留まりを向上できる。特に、不良品が発生しやすい端部に位置するキャビティ24内でプレスされた成形体について効果が顕著となる。
【0022】
ついで、この発明の一実験例について説明する。
ここでは、補助ヨーク36および54のない図6に示す従来の粉末プレス装置1と、補助ヨーク36および54のある図1に示す本発明の粉末プレス装置10とを用いた。そして、図3において矢印Aで示すキャビティおよび矢印Bで示すキャビティで成形された成形体について、図5に示す4点(4本の矢印の先端位置)で磁場強度(磁束密度)を測定した。上下のパンチ間距離(再接近距離)は4.5mmとした。なお、図3において、紙面上側が給粉のためにフィーダボックス側、紙面下側が成形体を取り出すための取り出し側である。
【0023】
矢印Aに示すキャビティで得られた成形体について、図5に示す4点の磁場強度の最大値と最小値との差は、従来の粉末プレス装置1では0.017Tであったのに対して、本発明の粉末プレス装置10では0.011Tとなり、磁場強度のばらつきが小さくなった。
また、矢印Bに示すキャビティで得られた成形体について、図5に示す4点の磁場強度の最大値と最小値との差は、従来の粉末プレス装置1では0.088Tであったのに対して、本発明の粉末プレス装置10では0.041Tとなり、この場合も磁場強度のばらつきが小さくなった。
したがって、補助ヨーク36および54を用いることによって磁場の均一性が向上することがわかる。
【0024】
また、補助ヨーク36および54を用いないプレス装置にて作製した成形体を焼結した場合、その焼結体のサンプル200個中、目視できるひびのある不良品が7個発生し不良率は3.5%であったが、補助ヨーク36および54を用いたプレス装置にて作製した成形体を焼結した場合、その焼結体のサンプル200個中不良品は1個だけであり不良率を0.5%に抑えることができた。
【0025】
なお、下パンチ22の磁性部分28と補助ヨーク36、上パンチ40の磁性部分44と補助ヨーク54は、それぞれ一体的に形成されてもよい。
また、補助ヨーク36,54は、磁場配向時にのみそれぞれ下パンチ22の磁性部分28の非磁性部分寄り外周28b,上パンチ40の磁性部分44の非磁性部分寄り外周44bに設けられてもよい。
さらに、上述の実施形態において、磁性体や磁性部分にはたとえば炭素鋼が用いられる。
【0026】
【発明の効果】
この発明によれば、磁場プレスによるキャビティ内の粉末密度のばらつきを抑制でき、得られる成形体の割れを防止でき、歩留まりを向上できる。特に、複数のキャビティのうち端部に位置するキャビティにおいて磁場の均一性を向上でき、得られる成形体の割れを効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示す図解図である。
【図2】図1の実施形態の要部を示す図解図である。
【図3】図1の実施形態で用いられるダイ、コアおよび下パンチを示す平面図解図である。
【図4】図1の実施形態における磁束線図である。
【図5】成形体の磁場強度の測定点を示す図解図である。
【図6】従来技術の一例を示す図解図である。
【図7】図6に示す従来技術の要部を示す図解図である。
【図8】図6に示す従来技術における磁束線図である。
【符号の説明】
10 粉末プレス装置
16 ダイ
18 貫通孔
20,46 コア
22 下パンチ
24 キャビティ
24a キャビティの側面
26,42 非磁性部分
28,44 磁性部分
28a,44a 磁性部分の非磁性部分側端部
28b,44b 磁性部分の非磁性部分寄り外周
36,54 補助ヨーク
36a,54a 補助ヨークの主面
38 粉末
40 上パンチ
56a,56b コイル
58a,58b ポールピース
60 磁場印加手段

Claims (7)

  1. ダイの複数の貫通孔にそれぞれ設けられるキャビティに充填された粉末をプレスする粉末プレス装置であって、
    前記キャビティ側の第1非磁性部分と前記第1非磁性部分に連なる第1磁性部分とを含み前記キャビティに充填された前記粉末をプレスするためのパンチ、
    前記キャビティ側の第2非磁性部分と前記第2非磁性部分に連なる第2磁性部分とを含み前記キャビティに充填された前記粉末をプレスするための下パンチ、
    前記第1磁性部分の外側に前記キャビティの側面より外方へ延びるように設けられる第1磁性体
    前記第2磁性部分の外側に前記キャビティの側面よりも外方へ延びるように設けられる第2磁性体、および
    前記キャビティに充填された前記粉末に前記パンチおよび前記下パンチによるプレス方向に対して平行に磁場を印加するための磁場印加手段を備える、粉末プレス装置。
  2. 前記第1磁性部分の前記第1非磁性部分側端部と前記第1磁性体の主面との段差、および前記第2磁性部分の前記第2非磁性部分側端部と前記第2磁性体の主面との段差が5mm以下である、請求項1に記載の粉末プレス装置。
  3. 前記磁場印加手段によって磁場が印加された前記キャビティの磁束密度が1.2T以上である、請求項1に記載の粉末プレス装置。
  4. 前記キャビティ内の磁場印加時の粉末密度が2.3g/cm3以下である、請求項1に記載の粉末プレス装置。
  5. 前記粉末が急冷法によって製造されたR−Fe−B系合金粉末である、請求項1に記載の粉末プレス装置。
  6. ダイの複数の貫通孔にそれぞれ設けられるキャビティに充填された粉末をプレスする粉末プレス装置であって、
    前記キャビティ側の第1非磁性部分と前記第1非磁性部分に連なる第1磁性部分とを含み前記キャビティに充填された前記粉末をプレスするためのパンチ、
    前記キャビティ側の第2非磁性部分と前記第2非磁性部分に連なる第2磁性部分とを含み前記キャビティに充填された前記粉末をプレスするための下パンチ、
    前記キャビティに充填された前記粉末に前記パンチおよび前記下パンチによるプレス方向に対して平行に磁場を印加するための磁場印加手段
    前記磁場印加手段によって発生される磁場を調整するために前記第1磁性部分の外側に設けられかつ磁性体からなる第1補助ヨーク、および
    前記磁場印加手段によって発生される磁場を調整するために前記第2磁性部分の外側に設けられかつ磁性体からなる第2補助ヨークを備える、粉末プレス装置。
  7. ダイの複数の貫通孔にそれぞれ設けられるキャビティに充填された粉末をプレスする粉末プレス方法であって、
    前記キャビティ側の第1非磁性部分と前記第1非磁性部分に連なる第1磁性部分とを含むパンチおよび前記キャビティ側の第2非磁性部分と前記第2非磁性部分に連なる第2磁性部分とを含む下パンチを用い、
    前記第1磁性部分の外側に前記キャビティの側面より外方へ延びるように第1磁性体を設けかつ前記第2磁性部分の外側に前記キャビティの側面よりも外方へ延びるように第2磁性体を設けた状態で、前記パンチおよび前記下パンチによるプレス方向に対して平行に磁場を印加し、前記キャビティに充填された前記粉末を前記パンチおよび前記下パンチによってプレスする、粉末プレス方法。
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