JPH09312229A - 希土類系焼結磁石の製造方法 - Google Patents

希土類系焼結磁石の製造方法

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JPH09312229A
JPH09312229A JP8153207A JP15320796A JPH09312229A JP H09312229 A JPH09312229 A JP H09312229A JP 8153207 A JP8153207 A JP 8153207A JP 15320796 A JP15320796 A JP 15320796A JP H09312229 A JPH09312229 A JP H09312229A
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slurry
granulated powder
rare earth
binder
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JP8153207A
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English (en)
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Yoshihisa Kishimoto
芳久 岸本
Osamu Yamashita
治 山下
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Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Publication date
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    • B30B11/02Presses specially adapted for forming shaped articles from material in particulate or plastic state, e.g. briquetting presses, tabletting presses using a ram exerting pressure on the material in a moulding space
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 希土類含有合金粉末とバインダーとの反応を
抑制し、焼結後の焼結体の残留酸素量、残留炭素量を低
減させるとともに、成形時の粉体の流動性、潤滑性を向
上させて、成形体の寸法精度の向上及び生産性の向上を
図り、薄肉形状や小型形状でかつ優れた磁気特性を有す
るR−Fe−B系やR−Co系などの希土類系焼結永久
磁石の製造方法の提供。 【構成】 希土類含有合金粉末にポリマーと水からなる
バインダー、あるいは有機溶剤と少なくとも1種以上の
ポリマーからなるバインダーを添加してスラリー状に撹
拌した後、スプレードライヤー装置のチャンバー内で噴
霧して液滴を作り、そのまま瞬時に乾燥固化させて造粒
粉となすことにより、圧縮成形時の粉体の流動性、潤滑
性を向上させ、更に成形前に金型内で機械的振動を加え
た後に成形することにより、磁場配向性が向上し、磁気
特性の優れた薄肉形状や複雑形状の焼結永久磁石を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、流動性の高い球形状
の造粒粉でかつ磁気特性の優れた粉末を得て、該造粒粉
を用いて成形することによりR−Fe−B系合金やR−
Co系合金などの希土類(R)系永久磁石を製造する方
法に係り、該希土類含有合金粉末にポリマーと水からな
るバインダー、あるいは有機溶剤と少なくとも1種以上
のポリマーからなるバインダーを添加してスラリー状に
撹拌した後、スプレードライヤー装置のチャンバー内で
噴霧して液滴を作り、そのまま瞬時に乾燥固化させて造
粒粉となすことにより、圧縮成形時の粉体の流動性、潤
滑性を向上させ、更に成形前に金型内で所要の機械的振
動を加えた後に成形することにより、磁場配向性が向上
し、磁気特性の優れた薄肉形状や複雑形状の焼結永久磁
石を提供することができる希土類系焼結磁石の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、家電製品を初めコンピュータの周
辺機器や自動車等の用途に用いられる小型モーターやア
クチュエータ等には、小型化、軽量化とともに高性能化
が求められており、その磁石材料も小型化、軽量化、薄
肉化からさらに磁石材料表面の所定位置に凹凸を設けた
り、貫通孔を設ける等、複雑な形状製品が要求されてい
る。
【0003】現在の代表的な焼結永久磁石材料として
は、フェライト磁石、R−Co系磁石、そして、出願人
が先に提案したR−Fe−B系磁石(特公昭61−34
242号等)が挙げられる。上記の中でも、特に、R−
Co系磁石やR−Fe−B系磁石などの希土類系磁石
は、他の磁石材料に比べて磁気特性が格段にすぐれるた
めに、各種用途に多用されている。
【0004】上記の希土類系磁石、例えばR−Fe−B
系焼結永久磁石は、最大エネルギー積((BH)ma
x)が40MGOeを超え、最大では50MGOeを超
える極めて優れた磁気特性を有するが、それを発現させ
るためには、所要組成からなる合金を1〜10μm程度
の平均粒度に粉砕することが必要となる。しかし、合金
粉末の粒度を小さくすると、成形時の粉末の流動性が悪
くなり、成形体密度のバラツキや成形機の寿命を低下さ
せるとともに、焼結後の寸法精度にもバラツキを生じる
こととなり、特に薄肉形状や小型形状の製品を得るのが
困難であった。
【0005】また、希土類系磁石は、大気中で酸化し易
い希土類元素や鉄を主成分とする合金相を含有するた
め、合金粉末の粒度を小さくすると、酸化により磁気特
性が劣化する問題があり、特にR−Fe−B系焼結永久
磁石は、従来から知られる希土類コバルト磁石等に比べ
極めて優れた磁気特性を発現するという特徴を有する
が、その磁気特性の発源となる希土類やBとの新たな組
織の特定の化合物や化合物相が活性なため、合金粉末の
粒度を小さくすると、酸化により磁気特性が劣化する問
題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そのため、特に成形性
を改良するために、成形前の合金粉末に、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル等を添加したもの(特公平4−
80961号)、それらにさらにパラフィンやステアリ
ン酸塩を添加したもの(特公平4−80962号、特公
平5−53842号)、またオレイン酸を添加したもの
(特公昭62−36365号)等が提案された。しか
し、ある程度の成形性は向上できるものの、その改善効
果にも限界があり、近年要求される薄肉形状や小型形状
の成形は依然困難であった。
【0007】また、上記のバインダーや潤滑剤の添加と
ともに、さらに成形性を改良し、薄肉形状品や小型形状
品を製造する方法として、成形前の合金粉末に飽和脂肪
族カルボン酸や不飽和脂肪族カルボン酸にミリスチン酸
エチルやオレイン酸からなる滑剤を添加して混練した
後、造粒を行なって成形する方法(特開昭62−245
604号)、あるいはパラフィン混合物に飽和脂肪族カ
ルボン酸や不飽和脂肪族カルボン酸等添加、混練後、造
粒した後成形する方法(特開昭63−237402号)
も提案されている。
【0008】しかし、上記の方法では、粉末粒子の結合
力が十分でなく、造粒粉が壊れやすいために、十分な粉
末の流動性を実現することが困難であった。成形性を向
上させたり、粉末粒子の結合力を高めるためには、種々
バインダーや潤滑剤の添加量を増やすことが考えられる
が、多量に添加すると、希土類合金粉末中のR成分とバ
インダーとの反応により、焼結後の焼結体の残留酸素
量、残留炭素量が増加し、磁気特性の劣化を招くことに
なるので、添加量にも制限があった。
【0009】また、希土類含有の磁性合金粉末を対象と
するものではないが、Co系スーパーアロイ粉末を対象
とした圧縮成形用のバインダーとして、対象合金粉末に
対して、1.5〜3.5wt%のメチルセルロースとさ
らに所定量の添加物であるグリセリンとほう酸を混合し
た組成が提案(USP4,118,480)され、ま
た、工具用合金粉末の射出成形用のバインダーとして、
特殊組成からなり、対象合金粉末に対して0.5〜2.
5wt%のメチルセルロースに水、グリセリン等の可塑
剤、ワックスエマルジョン等の滑剤、離型剤を添加した
組成が提案(特開昭62−37302号)されている。
【0010】しかし、それらはいずれも所定の流動性と
成形体強度を確保するため、いずれも対象合金粉末に対
して、上記のように例えば0.5wt%以上もの比較的
多量のバインダーを使用するもので、しかも種々のバイ
ンダー添加剤の添加、例えばグリセリン等の可塑剤をメ
チルセルロースと同量程度添加することが不可欠である
ため、射出成形や圧縮成形後、脱脂した後、焼結後でも
かなりの炭素と酸素が残留し、特に希土類系磁石の場
合、磁気の劣化を招くので、容易には適用できない。
【0011】また、フェライトなどの酸化物粉末を対象
として、平均粒度1μm以下の粉末に、バインダーとし
て0.6〜1.0wt%のポリビニルアルコールを添加
したのち、スプレードライヤー装置により造粒粉を製造
し、該造粒粉を成形、焼結する方法が知られている。
【0012】しかし、それらはいずれも酸化物粉末に対
して0.6wt%以上もの多量のバインダーを使用する
もので、脱脂処理を施したのちの焼結体にもかなりの炭
素及び酸素が残留するため、非常に酸化及び炭化しやす
い性質を有し、少しの酸化あるいは炭化によっても極端
に磁気特性が劣化するこの発明の対象とする希土類含有
合金粉末に、上記のような酸化物を対象とした方法をそ
のまま適用することはできない。
【0013】特に、酸化物の場合は比較的多量のバイン
ダーを用いても大気中で脱脂、焼結できるため、脱脂、
焼結時にバインダーが燃焼してある程度の残留炭素の抑
制を図ることができるが、この発明の対象とする希土類
含有合金粉末の場合は、酸化により磁気特性が劣化する
ため大気中で脱脂、焼結することができないので、多量
のバインダー添加は得られる焼結磁石の磁気特性に致命
的な悪影響を及ぼすこととなる。
【0014】このように、成形前の合金粉末に、種々の
バインダーや潤滑剤を添加したり、さらに造粒を行なっ
て、成形性を改良する試みが種々提案されてはいるが、
いずれの方法によっても、近年要求されるような、薄肉
形状や小型形状でかつ優れた磁気特性を有する希土類系
磁石を製造するのは困難であった。
【0015】発明者らは先に、成形性の良好な造粒粉を
容易に製造できる製造方法について種々検討した結果、
回転ディスク型スプレードライヤー装置に着目し、磁性
粉末と所要のバインダーとを添加、混練してスラリー状
となして、該スラリーを噴霧、乾燥させることにより、
該スラリーを所要の平均粒径の造粒粉となすことがで
き、その後、該造粒粉を用いて成形すると、造粒粉自体
が十分な結合力を有するため、粉体の流動性が格段に向
上し、成形体密度のバラツキや成形機の寿命を低下させ
ることもなく、焼結後の寸法精度にもすぐれ、薄肉形状
や複雑形状でかつすぐれた磁気特性を有する希土類系焼
結永久磁石が効率よく得られることを知見した。
【0016】しかしながら、これらの発明者らの知見に
おいては、造粒化を容易にするために高い粒子間結合力
を有するポリマーを用いるため、保形性は優れているも
のの、従来の圧縮成形時において一定加圧化でも、その
保形性を保持するために、圧粉体密度が下がったり、時
には磁場中成形時において印加磁場に対して、その優れ
た粒子間結合力のため、完全に配向せず、その結果、得
られる焼結体の残留磁束密度が低下し、磁気特性が劣化
するという問題があった。
【0017】また、発明者らは、磁場中成形時におい
て、印加磁場に対しての一次粒子の配向性を向上させる
手段として、該造粒粉を金型に充填した後、超音波振動
を印加する方法を提案(特願平7−183441号)し
た。これは、超音波の付与により、粉末間の摩擦および
/または造粒粉末を構成するバインダー樹脂の内部摩擦
によって、造粒粉末を加熱し、バインダーを軟化させ、
磁場配向性を向上させるものである。
【0018】しかしながら、この方法においては、超音
波により造粒粉のみを実質的に加熱するため、超音波を
停止すると、直ちに金型へ熱が伝達し、造粒粉末が冷却
され、再融着する結果、一次粒子間の結合が高まり、充
分な配向性を得ることができなかった。また、一時的に
ではあるが粉末が高温になるため、酸化されたり、発火
の危険性があるといった問題があった。
【0019】この発明は、優れた磁気特性を有する希土
類系磁石を製造するのに必要な造粒粉を容易に製造で
き、希土類含有合金粉末とバインダーとの反応を抑制
し、焼結後の焼結体の残留酸素量、残留炭素量を低減さ
せるとともに、成形時の粉体の流動性、潤滑性を向上さ
せて、成形体の寸法精度の向上及び生産性の向上を図
り、さらには、磁場中成形時の配向性を向上させ、得ら
れる焼結体の残留磁束密度を向上させることにより優れ
た磁気特性を付与することを目的とし、薄肉形状や複雑
形状でかつ優れた磁気特性を有するR−Fe−B系やR
−Co系などの希土類系焼結永久磁石を安定的に量産で
きる製造方法の提供を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記の製造
方法において、特に希土類含有合金粉末との反応を抑制
でき、焼結体の残留酸素量、残留炭素量を低減させるバ
インダーについて種々検討した結果、少なくとも1種以
上のポリマーと水からなるバインダー、あるいは少なく
とも1種以上の溶剤系ポリマーと有機溶剤からなるバイ
ンダーを用いることにより、焼結前の工程における希土
類系合金粉末とバインダーとの反応を抑制することがで
き、次いで通常の粉末冶金方法を適用することにより、
焼結後の焼結体の残留酸素量、残留炭素量を大幅に低減
できることを見い出した。
【0021】また、発明者らは、希土類系合金粉末との
反応を抑制でき、焼結体の残留炭素量、残留酸素量を低
減させる上記のバインダーを用い、スプレードライヤー
装置にて造粒した所要の平均粒径の造粒粉は粉体の流動
性が格段に向上して、焼結後の寸法精度にもすぐれ、薄
肉形状や複雑形状の焼結磁石が得られるが、さらに、優
れた磁気特性を有する焼結磁石を得る方法を種々検討し
た結果、該造粒粉を圧縮成形時において圧縮成形用金型
に充填した後、機械的振動を該造粒粉に印加し、次いで
通常の粉末冶金方法を適用することにより、造粒粉末が
機械的振動の付与により一次粒子に解砕され、成形体中
の一次粒子の磁化容易方向が印加磁場に対して揃い易く
なり、磁場配向性が向上する結果、焼結後の焼結体の残
留酸素量、残留炭素量が少なくかつ寸法精度にも優れる
薄肉形状や複雑形状でかつ優れた磁気特性を有するR−
Fe−B系焼結磁石が効率よく得られることを知見し、
この発明を完成した。
【0022】すなわち、この発明は、希土類系合金粉末
に、バインダーを添加、混練してスラリー状となし、該
スラリーをスプレードライヤー装置により造粒粉とな
し、該造粒粉をパンチで加圧するプレス成形用金型に充
填した後、振動数10〜100Hz振幅100μm以
下の超音波振動を金型および/またはパンチに付与しな
がら、100kg/cm2以下の加圧力で0.5秒以上
加圧し、次いで機械的振動を停止して、あるいは機械的
振動を付与しながら100kg/cm2以上の加圧力で
成形することを特徴とする希土類系焼結磁石の製造方法
である。
【0023】また、この発明は、上記の希土類系焼結磁
石の製造方法において、少なくとも1種以上のポリマー
と水からなるバインダー、あるいは有機溶剤と少なくと
も1種以上のポリマーからなるバインダーを用いる希土
類系焼結磁石の製造方法を併せて提案する。
【0024】
【発明の実施の形態】
希土類含有合金粉末 この発明において、対象とする希土類含有合金粉末は、
希土類元素Rを含有するいずれの組成のものも適用可能
であるが、中でもR−Fe−B系合金粉末や、R−Co
系合金粉末あるいはそれらの合金粉末中の希土類元素以
外の元素を別の元素で置換したもの、例えば、R−Fe
−B系のFeをCo等の遷移金属で、BをCやSi等の
半金属で置換したものなどが最も適している。特に、希
土類含有合金粉末としては、所要組成からなる単一の合
金を粉砕した粉末や、異なる組成の合金を粉砕した後、
混合して所要組成に調整した粉末、保磁力の向上や製造
性を改善するため添加元素を加えたものなど、公知のR
−Fe−B系合金粉末、R−Co系合金粉末を用いるこ
とができる。
【0025】また、その製造方法も、溶解・粉化法、超
急冷法、直接還元拡散法、水素含有崩壊法、アトマイズ
法等の公知の方法を適宜選定することができ、その粒度
も特に限定しないが、合金粉末の平均粒度が1μm未満
では大気中の酸素あるいはバインダー及び溶媒と反応し
て酸化しやすくなり、焼結後の磁気特性を低下させる恐
れがあるため好ましくなく、また、10μmを超える平
均粒径では粒径が大きすぎて焼結密度が95%程度で飽
和し、該密度の向上が望めないため好ましくない。よっ
て1〜10μmの平均粒度が好ましい範囲である。特に
好ましくは1〜6μmの範囲である。
【0026】この発明において、合金粉末をスラリー状
にするために添加するバインダーのひとつはポリマーと
水からなるもので、水に溶解するポリマー成分には、ポ
リビニルアルコール、ポリアクリルアミド、水溶性セル
ロースエーテル、ポリエチレンオキサイド、水溶性ポリ
ビニルアセタール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸誘
導体から選ばれた少なくとも1種が選定される。
【0027】上記ポリビニルアルコール、ポリアクリル
アミド、水溶性セルロースエーテル、ポリエチレンオキ
サイド、水溶性ポリビニルアセタール、ポリアクリル
酸、ポリアクリル酸誘導体から選ばれたポリマーは、そ
の添加量を合金粉末100重量部に対して0.5重量部
以下としても、成形時に金型へ粉末を供給するためのフ
ィーダー内における振動にも充分耐えられる程度の一次
粒子の粒子間結合力と、充分な流動性および成形体強度
を得ることができる。また、少量の添加で均一なスラリ
ーとなし、しかも該スラリー粘度をスプレー造粒を行う
ために好適な粘度に調整することが容易であるととも
に、乾燥後においても高い結合力を保持することがで
き、また添加量が少量でよいため、粉末中の残留酸素
量、残留炭素量を低減することができる。
【0028】この発明で用いるポリマーにおいて、ポリ
ビニルアルコールは、水に容易に溶解し、かつ強力な接
着力を有し、化学的安定性、熱分解性にも優れ、圧縮成
形時の潤滑性にも優れ、工業的に安価に入手できること
から、この発明に用いるポリマーとして好適である。こ
れらの特性を充分に活かすためには、重合度の目安とし
て、20℃、4%水溶液濃度が3〜70cpsのポリマ
ーを用いるのが好ましい。3cps未満の重合度ではポ
リマー自体の破断強度が低くなり、得られる造粒粉の粒
子間結合力が低下し、完全に造粒化せず、一次粒子の微
粉のまま残存することになる。また、70cpsを越え
る重合度においてはスラリー粘度が著しく上昇し、スプ
レードライヤーへの定常的な供給が困難となり生産性が
著しく低下する。また、用いるポリマーの鹸化度は70
〜99モル%が好適である。70モル%未満の鹸化度で
は、残存するアセチル基が多いためポリビニルアルコー
ルが本来有する特性が充分得られず、逆に99モル%を
越える鹸化度を有するポリマーを工業的に入手すること
は困難である。
【0029】この発明で用いるポリマーにおいて、ポリ
アクリルアミドは、水に容易に溶解し、かつ強力な接着
力を有し、高い破断強度を有し、化学的安定性にも優
れ、熱分解性にも優れ、圧縮成形時の潤滑性にも優れ、
工業的に安価に入手できることから、この発明に用いる
ポリマーとして好適である。これらの特性を充分に活す
ためには、平均分子量数千〜百万程度のポリマーが好ま
しい。数千程度以下の重合度では、ポリマー自体の破断
強度が低くなり、得られる造粒粉の粒子間結合力が低下
し、完全に造粒化せず、一次粒子の微粉のまま残存する
ことになる。また、百万程度以上の重合度においてはス
ラリー粘度が著しく上昇し、スプレードライヤーへの定
常的な供給が困難となり生産性が著しく低下する。
【0030】この発明で用いるセルロースエーテル誘導
体は、セルース骨格中、1グルコースユニットあたり有
する3個の−OH基をエーテル化剤により一部エーテル
化した水溶性ポリマーである。用いるエーテル化剤によ
り種々のセルロースエーテルが得られるが、例えば、メ
チルセルロース、エチルセルロース、ベンジルセルロー
ス、シアンエチルセルロース、トリチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げら
れる。
【0031】これらのセルロースエーテルは、水溶性に
優れ、増粘性を備え、界面活性を有し、化学的安定性に
優れることから好適である。用いるポリマーの重合度
は、エーテル化の種類、置換度によって異なるが、目安
として20℃、2%水溶液粘度が10〜30000cp
s程度が好ましい。10cps未満の重合度ではポリマ
ー自体の破断強度が低くなり、得られる造粒粉の粒子間
結合力が低下し、完全に造粒化せず、一次粒子の微紛の
まま残存することになる。また、30000cpsを越
える重合度においてはスラリー粘度が著しく上昇し、ス
プレードライヤーへの定常的な供給が困難となり生産性
が著しく低下する。
【0032】この発明で用いるポリマーにおいて、ポリ
エチレンオキサイドは、水に容易に溶解し、加温しても
ゲル化せず、熱分解性も良好であり、スラリー作製時の
粉末の分散性にも優れ、プレス成形時の潤滑性にも優れ
ていることから、この発明に用いるポリマーとして好適
である。これらの特性を充分に活すためには、その平均
分子量が2万〜数百万のものが好ましい。分子量が2万
以下であると、ポリマー自体がロウ状固体から液体とな
り、ポリマー自体の強度が充分でなく、その結果、造粒
工程において乾燥後の合金粒子に対する結合力が不足
し、完全に造粒せず、微粉のまま残存することがある。
また、その分子量が数百万を超えると、結合力は向上す
るが、水溶液粘度が著しく上昇し、スラリー作製時に少
量の添加でもスラリー粘度が高くなるため、回転ディス
クへの供給安定性が悪くなり、得られる造粒粉の粒度分
布が乱れることがある。またこれ以上の分子量のもの
は、工業的に汎用的には製造されておらず、経済的にも
不利である。
【0033】この発明で用いるポリマーにおいて、水溶
性ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールとア
ルデヒドの縮合反応で得られるポリマーであり、この反
応で得られるポリマーの特性は、出発原料のポリビニル
アルコールの分子量、鹸化度、およびアセタール化度等
により大きく異なる。この発明においては、目的とする
結合力を有するとともに適当なスラリー粘度とスラリー
分散性を得ることができれば、これらの値に制限される
ものではないが、一般的には鹸化度70〜99モル%、
重合度数百から数千程度のポリビニルアルコールを用
い、数モル%から数十モル%程度をアセタール化したポ
リマーが好適である。
【0034】この発明で用いるポリマーにおいて、ポリ
アクリル酸、およびポリアクリル酸誘導体は、水溶性の
ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、およびこれらの金
属塩、アンモニウム塩等である。ポリアクリル酸、ポリ
メタクリル酸は無定形であり、非常に硬いポリマーであ
ることから、合金粒子に対して充分な結合力を与え、そ
の結果、少量の添加で造粒性を付与することが可能であ
る。また、それらの塩は、強度的には上記の2種のポリ
マーに比べて劣るものの、解膠作用を有することから、
スラリーの作製工程においてスラリーの均一性を向上さ
せるのに好適である。
【0035】この発明においては、合金粉末に上記ポリ
マーおよび溶媒である水を添加し、攪拌、混練すること
によりスラリーを作製するが、スラリー濃度はスラリー
粘度、合金粉末の分散性、スプレー造粒工程における処
理量等の観点から適宜選択することができるが、一般的
にはスラリー中の合金粉末濃度を40〜80重量%とす
ることが望ましい。40重量%未満では、攪拌混練工程
において固液分離が生じ、スラリーの分散性が低下し、
不均一なスラリーとなるのみならず、攪拌混練槽からス
プレードライヤー装置への供給中に供給パイプ内で沈降
が起こり、得られる造粒粉に造粒化されていない微紛が
混入したり、球状でない造粒になったりする。また、逆
に80重量%を超えるとスラリー粘度が著しく上昇し、
均一な攪拌混練ができないのみならず、攪拌混練槽から
スプレードライヤー装置まで該スラリーを供給できな
い。
【0036】この発明において、スプレードライヤーに
供給するスラリーは、少なくとも合金粉末、上記ポリマ
ーを含むポリマー類、溶媒である水からなるが、この時
添加するポリマー類の添加量は、該合金粉末100重量
部に対して、0.05重量部〜0.7重量部好ましくは
0.05〜0.5重量部である。添加量が0.05重量
部未満では造粒粉内の粒子間の結合力が弱く、粉末中に
未造粒の微紛が混入したり、成形前の給紛時に造粒粉が
壊れるとともに紛体の流動性が著しく低下する。また、
0.7重量部を超えると、焼結体における残留酸素量と
残留炭素量が増加して保磁力が低下し磁気特性が劣化す
るためである。
【0037】この発明で用いる溶媒である水は、R−F
e−B系合金粉末のR成分との反応を極力抑制するため
に、脱溶存酸素処理した純水、あるいは窒素等の不活性
ガスでバブリング置換した水を用いることが望ましい。
【0038】この発明において、合金粉末へのバインダ
ーの添加、該スラリーの攪拌は、0℃〜30℃の温度範
囲で行うことが好ましく、合金粉末と水との酸化反応を
より抑制することができる。逆に30℃を超える温度範
囲の攪拌は、合金粉末と水との酸化反応を促進させ、そ
の結果得られる焼結体中の残存酸素量が増加し、磁気特
性が劣ることになる。従って、撹拌は0℃〜30℃の温
度範囲に保持する必要があり、そのためには予め該温度
に冷却した水を用いたり、攪拌槽を冷却水で保冷するな
どの手段などを採用することができる。
【0039】また、上記スラリーに可塑剤を添加するこ
とが好ましい。可塑剤は、造粒化した粉末を用いてプレ
ス成形する際に、少しの力で粉末の形態を永久変形する
ために添加するものである。この発明におけるポリマー
類は、造粒化を容易にするために高い粒子間結合力を有
するため、保形性は優れているものの、プレス成形時に
おいて一定加圧下でも、その保形性を保持するため、圧
粉体密度が下がったり、時には磁場中成形時において印
加磁場に対して、その優れた粒子間結合力のため完全に
配向せず、その結果得られる焼結体の残留磁束密度が低
下し、磁気特性が劣化する原因となる。
【0040】そこで、ポリマー鎖の分子間相互作用を低
下させ、ガラス転移温度を低くするために可塑剤を添加
する。用いる可塑剤は、その可塑効果、ポリマーとの相
溶性、化学的安定性、物理特性(沸点,蒸気圧等)、合
金粉末との反応性などを考慮して、一般の公知の可塑剤
を用いることができ、この発明の如く水溶性ポリマーを
用いた水系スラリーの場合には、エチレングリコール、
トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、
ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン、ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールな
どを用いることができる。
【0041】水溶性スラリーへの可塑剤の添加量は、可
塑剤の上記特性により適宜選択できるが、通常スラリー
に添加するポリマー100重量部に対して、2〜100
重量部、好ましくは5〜70重量部である。添加量が2
重量部未満では、可塑効果が充分でなく、磁場中での配
向性が向上せず得られる焼結体の磁気特性(残留磁束密
度)が低下する。一方、100重量部を越える添加で
は、粒子間結合力が低下し、造粒性が低下し流動性が低
下するのみならず、これら水溶性可塑剤は一般的に吸湿
性が高いため、造粒工程での乾燥性が低下し粉末中の残
留水分が増加し酸化の原因になったり、粉末の保管中に
吸湿するといった問題を生じる。さらに必要に応じて、
解膠剤(分散剤)、滑剤、消泡剤、表面処理剤などの添
加剤を、焼結体の残留炭素濃度が大きく増加しない範囲
で添加することが可能である。
【0042】この発明において、合金粉末をスラリー状
にするために添加する有機溶媒系バインダー成分は、1
種以上の有機溶剤と該有機溶剤に可溶な1種以上のポリ
マーおよび必要に応じ1種以上の可塑剤からなるものを
用いる。この発明のバインダーにおいて用いるポリマー
は、その化学構造、分子量等は特に限定されるものでは
ないが、次のような特性が必要となる。
【0043】1)化学的安定性 用いる合金粉末に対して化学的に安定であり、スラリー
混練時および造粒粉末の状態で合金粉末と容易に反応し
ないのみならず、用いる有機溶剤や、可塑剤等の添加剤
に対して、酸化、分解、架橋等の化学反応を起こし物理
的、化学的物性に変化をきたさないことが必要である。
【0044】2)有機溶剤可溶性 有機溶剤に対して容易に溶解し、しかも造粒工程におい
てスラリーをスプレードライヤーに供給する過程におい
て、安定に供給するために必要な粘度範囲であることが
必要である。例えば、20℃、1重量%濃度において、
その溶液の粘度が100cps以下程度が好適である。
この粘度を越えるポリマーを用いた場合、スラリーの供
給が不安定となり、安定に供給するためにはスラリー濃
度を著しく低減する必要が生じて非効率的である。
【0045】3)高い粒子間結合力 合金粉末の造粒化を容易に行うためには、ポリマー自身
が合金粉末に対して高い粒子間結合力を有することが必
要である。すなわち、ポリマー自体が強靭な機械的性質
を有すると同時に、合金粉末に対して高い密着性を有す
ることが必要である。
【0046】この粒子間結合力を直接定量的に測定する
ことは困難であるが、その目安として、ポリマー単体を
熱プレス、溶媒キャスト等の方法でフィルム化し、その
ポリマー単体フィルムの破断強度を測定することにより
ある程度把握することが可能である。このようにして測
定される破断強度としては、20℃において、0.5k
gf/mm2以上であることが好ましく、かかる強度未
満では造粒性が不十分で未造粒の原料微粉が混入した
り、造粒性を向上させるためにはポリマー添加量を増大
させる必要があり、その結果得られる焼結体に大量の炭
素が残存し、磁気特性の低下を招く。
【0047】4)軟化温度 上述の粒子間結合力とも関連するが、得られる造粒粉末
は、通常室温で保管し、さらに室温においてプレス成形
するため、室温において必要とする粒子間結合力を保持
するには、その軟化温度が室温以上であることが必要で
ある。実際には、後述のごとく磁場配合性を向上させる
ために、可塑剤を添加する場合には、その添加効果によ
り、若干軟化温度が低下することを考慮に入れると、フ
ィルム単体の軟化温度は30℃以上、さらに好ましくは
50℃以上である。
【0048】この発明において用いるポリマーは、上述
の必要特性を満たしていれば、その化学構造、分子量等
は特に制限されるものではないが、上述の観点から具体
的に好適なポリマーを例示すると、ポリメタクリル酸メ
チル、ポリメタクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキ
シル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸
ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース等のセルロースエーテル類、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリアリレート樹脂等のホモポリマーの他、エ
チレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリレート共
重合体、スチレン−メチルタクリレート共重合体等のコ
ポリマーを挙げることができる。
【0049】この発明において用いる有機溶剤は、上述
から選択された1種以上のポリマーに対して、適宜選択
することができる。すなわち、用いるポリマーに対して
充分な溶解性を有し、かつポリマーおよび合金粉末に対
して化学的に安定であれば、特に制限されるものではな
い。しかしながら、工業的に安定に造粒粉を製造するた
めには、常圧での沸点が30℃〜150℃程度の有機溶
剤を選択することが好ましい。すなわち、沸点が30℃
未満では、スラリーの混練中における有機溶剤の揮発が
著しく、スラリー濃度を一定に保つのが困難であるのみ
ならず、不均一なスラリーとなりやすい。また、逆に1
50℃を越える沸点を有する有機溶剤を用いた場合、ス
プレードライ工程において、造粒粉末を乾燥するために
は非常に高温の雰囲気に保持する必要があり、また乾燥
に長時間要するため、造粒の処理能力が著しく低下する
ことになる。
【0050】この発明において、上記バインダーに可塑
剤を添加することが好ましい。可塑剤は、造粒化した粉
末を用いてプレス成形する際に、少しの力で粉末の形態
を永久変形するために添加するものである。この発明に
おけるポリマー類は、造粒化を容易にするために高い粒
子間結合力を有するため、保形性は優れているものの、
プレス成形時において一定加圧下でも、その保形性を保
持するため、圧粉体密度が下がったり、時には磁場中成
形時において印加磁場に対して、その優れた粒子間結合
力のため完全に配向せず、その結果、得られる焼結体の
残留磁束密度が低下し、磁気特性が劣化する原因とな
る。そこで、ポリマー鎖の分子間相互作用を低下させ、
ガラス転移温度を低くするために可塑剤を添加する。
【0051】用いる可塑剤は、ポリマーに対する可塑効
果、ポリマーとの相溶性、化学的安定性、物理特性(沸
点、蒸気圧等)、合金粉末との反応性等を考慮して、一
般に公知の可塑剤を用いることができ、本発明のごとく
有機溶剤系スラリーの場合には、フタル酸エステル系可
塑剤(ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジ
デシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等)、リ
ン酸エステル系可塑剤(トリクレジルホスフェート、ト
リオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、
オクチルジジフェニルホスフェート、クレジルジフェニ
ルホスフェート等)、アジピン酸エステル系可塑剤(ジ
オクチルアジペート、ジイソデシルアジペート等)、セ
バチン酸エステル系可塑剤(ジブチルセバケート、ジオ
クチルセバケート等)、アゼライン酸エステル系可塑剤
(ジオクチルアゼレート、ジヘキシルアゼレート等)、
クエン酸エステル系可塑剤(クエン酸トリエチル、アセ
チルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル等)、グ
リコール酸エステル系可塑剤(メチルフタリルエチルグ
リコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチ
ルフタリルブチルグリコレート等)、トリメリット酸エ
ステル系可塑剤(トリブチルトリメリテート、トリオク
チルトリメリテート等)等を採用することができる。
【0052】これら可塑剤の添加量は、可塑剤の上記特
性により適宜選択できるが、通常スラリーに添加するポ
リマー100重量部に対して、2〜100重量部、好ま
しくは5〜70重量部である。添加量が2重量部未満で
は可塑効果が充分でなく、磁場を印加中成形における粉
末の配合性が充分に向上せず、得られる焼結体の磁気特
性(残留磁束密度)が低下する。一方、100重量部を
越える添加では、得られる造粒粉末の粒子間結合力が低
下し、造粒性が低下するため良好な流動性が得られな
い。
【0053】この発明は、合金粉末に上記ポリマーおよ
び有機溶剤、必要に応じて可塑剤からなるバインダーを
添加し、撹拌、混練することによりスラリーを作製する
が、この際、スラリー濃度はスラリー粘度、合金粉末の
分散性、スプレー造粒工程における処理量等の観点から
適宜選択することができる。
【0054】スラリー中の合金粉末濃度を40〜80重
量%とすることが望ましく、40重量%未満では、撹拌
混練工程において固液分離が生じ、スラリーの分散性が
低下し、不均一なスラリーとなるのみならず、撹拌混練
槽からスプレードライヤー装置への供給中に供給パイプ
内で沈降が起こり、得られる造粒粉に造粒化されていな
い微粉が混入したり、球状でない造粒になり、また、8
0重量%を越えるとスラリー粘度が著しく上昇し、均一
な撹拌混練ができないのみならず、撹拌混練槽からスプ
レードライヤー装置まで該スラリーを供給できない。
【0055】この発明において、スプレードライヤーに
供給するスラリーは、少なくとも合金粉末、上記ポリマ
ー類、有機溶剤、および必要に応じて添加する可塑剤か
らなるが、添加するポリマー類の添加量は、該合金粉末
100重量部に対して、0.05重量部〜0.7重量
部、好ましくは0.05〜0.5重量部である。添加量
が0.05重量部未満では得られる造粒粉中の合金粉末
の粒子間の結合力が弱く、得られる造粒粉末中に未造粒
の原料微粉が混入したり、成形前の給粉時に造粒粉が壊
れるとともに粉体の流動性が著しく低下する。また、
0.7重量部を越えると、得られる焼結体中の残留酸素
量と残留炭素量が増加して保磁力が低下し磁気特性が劣
化する。さらに必要に応じて、解膠剤(分散剤)、滑
剤、消泡剤、表面処理剤等の添加剤を、焼結体の残留炭
素濃度が大きく増加しない範囲で添加することが可能で
ある。
【0056】スプレードライヤー装置 この発明において、合金粉末に前述したバインダーを添
加、混練したスラリーは、スプレードライヤー装置によ
って造粒粉にする。まず、スプレードライヤー装置を用
いた造粒粉の製造方法を説明すると、スラリー撹拌機か
らスラリーをスプレードライヤー装置に供給する、例え
ば、回転ディスクの遠心力で噴霧したり、加圧ノズル先
端部で霧状に噴霧され、噴霧された液滴は、加熱された
不活性ガスの熱風によって瞬時に乾燥されて造粒粉とな
り、回収部内の下部に自然落下する。
【0057】この発明において、スプレードライヤー装
置として回転ディスク型には、ベーン型、ケスナー型、
ピン型等種々のタイプがあるが、原理的にはどのタイプ
でも、上下2枚のディスクから構成され、そのディスク
が回転する構造となっている。スプレードライヤー装置
全体の構成としては、公知の開放型スプレードライヤー
装置を用いてもよいが、有機溶剤系スラリーの場合は環
境に悪影響を及ぼすのみならず、造粒する磁性粉末が希
土類含有合金粉末は非常に酸化し易いために、装置のス
ラリー収納部内あるいは造粒粉の回収部内を不活性ガス
などで置換でき、かつその酸素濃度を常時3%以下に保
持できる密閉構造であることが好ましい。
【0058】また、スプレードライヤー装置の回収部内
の構成としては、上述した回転ディスクにより噴霧され
た液滴を瞬時に乾燥させるために、回転ディスクの上方
に加熱された不活性ガスを噴射する噴射口を配置し、ま
た回収部内の下部に、噴射されたガスを回収部外へ排出
する排出口を設けるが、その際、予め装置外部あるいは
装置に付属された加熱器で所要温度に加熱された不活性
ガスの温度を低下させないように、上記噴射口を不活性
ガスの温度に応じた温度、例えば60〜150℃に保持
することが好ましい。
【0059】すなわち、不活性ガスの温度が低下する
と、噴霧された液滴を短時間で十分乾燥することができ
なくなるため、スラリーの供給量を減少させなければな
らず能率が低下してしまう。また、比較的大きな粒径の
造粒粉を作る場合は、回転ディスクの回転数を低下させ
るが、その際に不活性ガスの温度が低下していると、噴
霧された液滴を十分乾燥することができないので、結果
としてスラリーの供給量を減少させることにより、大き
な粒径の造粒粉を得る場合には極端に能率が低下するこ
とになる。
【0060】従って、予め加熱された不活性ガスの温度
をそのまま維持しながら回収部内へ送り込むには、噴射
口の温度を60〜150℃に保持することが好ましく、
特に100℃前後に保持することが最も好ましい。ま
た、不活性ガスの噴射口と排出口の温度差が小さい場合
も処理能率が低下する傾向があるので、排出口の温度は
50℃以下、好ましくは40℃以下、特に好ましくは常
温に設定することが望ましい。不活性ガスとしては、窒
素ガスやアルゴンガスが好ましく、加熱温度は60〜1
50℃が好ましい。
【0061】得られる造粒粉の粒度は、スプレードライ
ヤー装置へ供給するスラリーの濃度やその供給量、ある
いは回転ディスクの回転数によって制御することができ
るが、例えば、希土類含有合金造粒粉の平均粒径が10
μm未満では、造粒粉の流動性がほとんど向上せず、ま
た、平均粒径が400μmを超えると、粒径が大きすぎ
て成形時の金型内への充填密度が低下するとともに成形
体密度も低下し、ひいては、焼結後の焼結体密度の低下
を来たすこととなるため好ましくなく、よって、造粒粉
の平均粒径は10〜400μmが好ましい。さらに好ま
しくは40〜200μmである。
【0062】また、得られる造粒粉をふるいによりアン
ダーカット、オーバーカットを行うことにより、さらに
極めて流動性に富んだ造粒粉を得ることができる。さら
に、造粒粉にステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシ
ウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニ
ウム、ほう酸エステル類等の潤滑剤を少量添加すること
により、さらに流動性を高めることも可能である。
【0063】この発明の特徴は、上述の工程により得ら
れた造粒粉末を目的とする形状のプレス用金型に充填し
た後、金型および/またはパンチを通して、造粒粉末に
機械的振動を付与することにある。その結果、造粒粉末
および金型が加熱されることなく、振動の効果により造
粒粉と造粒粉が、あるいは造粒粉と金型が衝突し、造粒
粉が解砕され、実質的に一次粒子のみの粉末になる。
【0064】この発明において付与する機械的振動とし
ては、振動数10〜100Hz、振幅100μm以下の
ものが適用できる。振動数が10Hz未満では振動によ
る破砕の効果が充分でなく、一次粒子に完全に破砕する
ためには長時間を要する。また、100Hzを超える周
波数の場合、造粒粉の振動が著しく、破砕効果は得られ
るものの発生する摩擦熱が大きくなり、粉末が加熱され
て酸化による特性の劣化を惹起する。振幅が100μm
を超える振動を付与しようとした場合、その振幅に見合
う金型とパンチ間のクリアランスを設定する必要があ
り、その結果、得られる成形体の寸法精度が低下するた
め実質的ではない。また、振幅が極端に小さい場合も、
振動による解砕の効果が充分でない。従って、好ましく
は振幅は1〜100μm、さらに好ましくは、5〜50
μmの範囲である。
【0065】機械的振動の付与は、上パンチ、下パン
チ、ダイスなどの金型の少なくとも1つを、振動板等の
発振装置に密着させることにより行うことができる。ま
た、リング形状の成形体を得る場合、リング状磁石の成
形時に、その内径部に相当する位置に配置した円柱状の
部材でリング状の下パンチの中央にあるコアから振動を
付与させてもよい。
【0066】機械的振動の付与中は、金型内に充填され
た造粒粉末に負荷する加圧力を100kg/cm2以下
とする。この発明による手段の目的は、金型に充填した
造粒粉末を圧縮の力によらず、一次粒子に解砕すること
である。従って、好適な加圧力は、造粒粉末の崩壊強度
にも大きく依存するが、通常の造粒粉末の場合、100
kg/cm2以下が好適である。加圧力が100kg/
cm2を超えると、解砕された一次粒子が加圧により圧
縮されるため、成形時に磁場を印加した場合、配向する
ための空間が充分でなく、その結果得られる焼結磁石の
残留磁束密度が低下する。機械的振動付与中の加圧力の
下限は、特に制限されないが、造粒粉末がある程度自由
に振動でき、かつ衝突頻度を高めるためには、通常0.
1kg/cm2以上の加圧力が必要である。従って、機
械的振動付与中の好ましい加圧力は0.1〜100kg
/cm2、より好ましくは、0.1〜30kg/cm2
範囲である。なお、機械的振動の付与前に、造粒粉末を
上記加圧力で予備加圧しても差し支えない。
【0067】機械的振動の付与時間は0.5秒以上とす
る。0.5秒未満では、造粒粉末の解砕の効果が充分で
ない。この付与時間は、造粒粉末が一次粒子に完全に解
砕されるのに必要な時間とすることが好ましい。このた
めの機械的振動付与時間は、周波数、振幅、造粒粉末の
崩壊強度等に応じて変動するが、通常0.5秒〜2分、
好ましくは10秒〜1分の範囲内である。
【0068】機械的振動の方向は、水平あるいは垂直方
向の2次元的方向でも、また、3次元的方向でもよい。
しかしながら、造粒粉末の衝突頻度を高め、解砕効果を
向上させるためには、3次元的振動が好ましい。
【0069】機械的振動を付与して、100kg/cm
2以下で加圧を行った後、機械的振動を停止して、ある
いは、機械的振動を付与しながら金型内の粉末をさらに
加圧して圧縮成形による賦形を行う。この圧縮成形圧力
は、次の脱炭・焼結工程までのハンドリングに必要な強
度を持った圧粉体が得られるように選択すればよく、特
に制限されないが、一般に100kg/cm2以上であ
る。
【0070】この発明において、機械的振動を付与し
て、造粒粉末を一次粒子に解砕して、さらに機械的振動
を付与しながら圧縮成形する場合、振動の効果により圧
縮・充填性が向上するため、従来のプレス成形で得られ
る成形体よりも密度が向上し、高強度のグリーン体を得
ることができる。
【0071】磁気異方性を有する焼結磁石を得る場合、
従来と同様に磁場コイル等を付設した金型を用いて、プ
レス成形中に金型内の一次粒子に解砕された粉末に所定
の横方向、または縦方向の静磁場および/またはパルス
磁場を印加して、磁性粉末の磁化容易方向が揃うように
合金粉末を回転させる。この磁場の印加は、機械的振動
の付与中にも行うことが好ましい。機械的振動の付与中
に磁場を造粒粉末に印加することにより、両者の相乗効
果により配向度が向上するとともに、造粒粉末を完全に
一次粒子に解砕する時間を短縮することができる。
【0072】焼結永久磁石の製造方法 この発明による造粒粉を用いて焼結永久磁石を製造する
工程、すなわち、成形、焼結、熱処理など条件、方法は
公知のいずれの粉末冶金的手段を採用することができ
る。以下に好ましい条件の一例を示す。成形は、公知の
いずれの成形方法も採用できるが、圧縮成形で行なうこ
とが最も好ましく、その圧力は、0.1〜2.0ton
/cm2が好ましい。また、磁場を印加して成形する場
合の磁場強度としては10〜20kOeが好ましい範囲
である。焼結前には、真空中で加熱する一般的な方法
や、水素流気中で100〜200℃/時間で昇温し、3
00〜600℃で1〜2時間程度保持する方法などによ
り脱バインダー処理を行なうことが好ましい。脱バイン
ダー処理を施すことにより、バインダー中のほぼ全炭素
が脱炭され、磁気特性の向上に繋がる。
【0073】なお、R元素を含む合金粉末は、水素を吸
蔵しやすいために、水素流気中での脱バインダー処理後
には脱水素処理工程を行なうことが好ましい。脱水素処
理は、真空中で昇温速度は、50〜200℃/時間で昇
温し、500〜800℃で1〜2時間程度保持すること
により、吸蔵されていた水素はほぼ完全に除去される。
また、脱水素処理後は、引き続いて昇温加熱して焼結を
行うことが好ましく、500℃を超えてからの昇温速度
は任意に選定すればよく、例えば100〜300℃/時
間など、焼結に際して取られる公知の昇温方法を採用で
きる。
【0074】脱バインダー処理後の成形品の焼結並びに
焼結後の熱処理条件は、選定した合金粉末組成に応じて
適宜選定されるが、例えばR−Fe−B系磁石の場合で
あれば、焼結並びに焼結後の熱処理条件としては、10
00〜1200℃、1〜6時間保持する焼結工程、45
0〜800℃、1〜8時間保持する時効処理工程などが
好ましい。
【0075】さらに、希土類含有合金粉末がR−Fe−
B系合金粉末の場合、該粉末中のR成分とバインダー及
び有機溶媒との反応を抑制するために、従来の粉末冶金
法で一般的に使用されている所要の単一組成のR−Fe
−B系合金原料粉末の代わりに、R2Fe14B相を主相
とする平均粒径1〜10μmの主相系合金粉末と、R3
Co相を含むCoまたはFeとRとの金属間化合物相に
一部R2(FeCo)14B相等を含みかつ希土類含有量
が多く、極力有機バインダーとの反応を抑えるように主
相系合金より平均粒径の大きい平均粒径8〜40μmの
液相系化合物粉末の2種類の原料粉末を用いることによ
り、焼結後の残留酸素量を低減できる。
【0076】この発明は、R−Fe−B系合金粉末やR
−Co系合金粉末等の希土類系合金粉末に、少なくとも
1種以上のポリマーと水からなる水溶性バインダー、あ
るいは有機溶剤とその溶剤に対して可溶なポリマー、さ
らに必要に応じて添加する可塑剤とからなる溶媒系バイ
ンダーを添加、混練してスラリー状となし、該スラリー
をスプレードライヤー装置により平均粒度10μm〜4
00μmの流動性の高い球状の造粒粉となすことによ
り、バインダー自体のすぐれた流動性とも相まって、粉
体の流動性が格段に向上し、成形サイクルが向上すると
ともに、成形体密度のバラツキや成形機の寿命を低下さ
せることもなく、焼結後の寸法精度にもすぐれる、小型
形状や薄肉形状の希土類系焼結磁石が得られる効果を有
する。
【0077】さらに、この発明は該造粒粉を用いて、圧
縮成形時において圧縮成形用金型に充填した後、機械的
振動を該造粒粉に印加し、次いで機械的振動を停止、あ
るいは機械的振動を付与しながら、所要加圧力で成形す
ることにより、上述した造粒粉のバインダー自体の優れ
た流動性とも相まって、粉体の流動性が格段に向上し、
成形サイクルが向上するとともに、成形体の密度のばら
つきや成形機の寿命を低下させることもなく、さらに機
械的振動の付与効果により、造粒粉末が一次粒子に解砕
され、成形体中の一次粒子の磁化容易方向が印加磁場に
対して揃い易くなり、磁場配向性が向上する結果、焼結
後の焼結体の残留酸素量、残留炭素量が少なくかつ寸法
精度にも優れる小型形状や薄肉形状でかつ優れた磁気特
性を有する希土類系焼結磁石が効率よく得られる。
【0078】
【実施例】
実施例1 Nd:13.3原子%、Pr:0.31原子%、Dy:
0.28原子%、Co:3.4原子%、B:6.5原子
%、残部:Feおよび不可避的不純物からなる原料を、
Arガス雰囲気中で高周波溶解して、ボタン状溶製合金
を得た。次に、該合金を粗粉砕した後、ジョークラッシ
ャーなどにより平均粒度15μmに粉砕し、さらにジェ
ットミルにより平均粒度3μmの粉末を得た。
【0079】得られた粉末に、ポリマーとして、ポリエ
チレンオキサイド(平均分子量:50万)を用い、合金
粉末100重量部に対して、水、可塑剤を表1に示す組
成で配合し、温室で攪拌混練を行うことによりスラリー
を作製し、該スラリーをディスク回転型スプレードライ
ヤー装置により、不活性ガスとして窒素を用い、熱風入
口温度を100℃、出口温度を40℃に設定して造粒を
行った。得られた造粒粉を、#440のふるいにより微
粒子をアンダーカットし、また、#70のふるいにより
粗粒子をオーバーカットした。該造粒粉の平均粒度およ
び#440から#70の歩留りを表1に示す。
【0080】圧縮成形は、図1に示す磁場中プレス成形
機を用いて、10mm×15mm×厚み10mmの形状
を得るように行った。このプレス成形機では、図1に示
すように、上下ベッド1,9に設けた振動板2,8から
上下パンチ3,7を介して、造粒粉末4に3次元方向の
振動を付与でき、また、金型5内の造粒粉末4に対して
は、磁化コイル6から圧下方向に垂直な横磁場を印加で
きる。まず、上記原料造粒粉末を金型5内に充填した
後、表2に示した条件の機械的振動を上下パンチ3,7
に付与した後、表2に示した条件で磁場強度15kOe
の横磁場中で加圧成形した。
【0081】このようにして得られた成形体を、水素雰
囲気中で100℃/時間の昇温速度で、温室から300
℃まで加熱して脱バインダー処理を行った。引き続いて
真空中で1100℃まで昇温し1時間保持する焼結を行
い、さらに焼結完了後、Arガスを導入して7℃/分の
速度で800℃まで冷却し、その後100℃/時間の速
度で冷却して550℃で2時間保持することにより時効
処理を施し、異方性の焼結体を得た。得られた焼結体に
は、割れ、ヒビ、変形などは全く見られなかった。
【0082】成形時の造粒粉の流動性、成形体の寸法、
成形体密度、および得られた焼結磁石の残留酸素量、残
留炭素量、磁気特性を表2〜3に示す。なお、流動性
は、内径5mmのロートの管を50gの粉末が自然落下
し通過するまでに要した時間で測定した。
【0083】実施例2 実施例1で用いたR−Fe−B系合金粉末に、バインダ
ー中のポリマー成分として、水溶性ポリビニルアセター
ル(平均分子量:3万、アセタール基:10mol%、
アセチル基:5mol%、水酸基:85mol%)を用
い、表1に示す組成で配合しスラリーを作製し、造粒粉
末を得た後、表2に示す条件で成形し、実施例1と同様
に脱バインダー処理、焼結し、時効処理を行った。成形
時の造粒粉の流動性、成形体の寸法、成形体密度、およ
び得られた焼結磁石の残留酸素量、残留炭素量、磁気特
性を表2〜3に示す。
【0084】実施例3 実施例1で用いたR−Fe−B系合金粉末に、バインダ
ー中のポリマー成分として、ポリアクリル酸(平均分子
量:1万)を用い、表1に示す組成で配合しスラリーを
作製し、造粒粉末を得た後、表2に示す条件で成形し、
実施例1と同様に脱バインダー処理、焼結し、時効処理
を行った。成形時の造粒粉の流動性、成形体の寸法、成
形体密度、および得られた焼結磁石の残留酸素量、残留
炭素量、磁気特性を表2〜3に示す。
【0085】実施例4 実施例1で用いたR−Fe−B系合金粉末に、バインダ
ー中のポリマー成分として、ポリアクリル酸アンモニウ
ム(平均分子量:2万)を用い、表2に示す組成で配合
しスラリーを作製し、造粒粉末を得た後、表1に示す条
件で成形し、実施例1と同様に脱バインダー処理、焼結
し、時効処理を行った。成形時の造粒粉の流動性、成形
体の寸法、成形体密度、および得られた焼結磁石の残留
酸素量、残留炭素量、磁気特性を表2〜3に示す。
【0086】実施例5 実施例1で用いたR−Fe−B系合金粉末に、バインダ
ー中のポリマー成分として、カルボキシメチルセルロー
スアンモニウム塩を用い、表1に示す組成で配合しスラ
リーを作製し、造粒粉末を得た後、表2に示す条件で成
形し、実施例1と同様に脱バインダー処理、焼結し、時
効処理を行った。成形時の造粒粉の流動性、成形体の寸
法、成形体密度、および得られた焼結磁石の残留酸素
量、残留炭素量、磁気特性を表2〜3に示す。
【0087】実施例6 実施例1で用いたR−Fe−B系合金粉末に、バインダ
ー中のポリマー成分として、ポリビニルアルコール(2
0℃、4%水溶液粘度:30cps、鹸化度90モル
%)を用い、表1に示す組成で配合しスラリーを作製
し、造粒粉末を得た後、表2に示す条件で成形し、実施
例1と同様に脱バインダー処理、焼結し、時効処理を行
った。成形時の造粒粉の流動性、成形体の寸法、成形体
密度、および得られた焼結磁石の残留酸素量、残留炭素
量、磁気特性を表2〜3に示す。
【0088】実施例7 実施例1で用いたR−Fe−B系合金粉末に、バインダ
ー中のポリマー成分として、ポリアクリルアミド(平均
分子量:1万)を用い、表1に示す組成で配合しスラリ
ーを作製し、造粒粉末を得た後、表2に示す条件で成形
し、実施例1と同様に脱バインダー処理、焼結し、時効
処理を行った。その結果を、成形時の造粒粉の流動性、
成形体の寸法、成形体密度、および得られた焼結磁石の
残留酸素量、残留炭素量、磁気特性を表2〜3に示す。
【0089】実施例8、実施例9 実施例1で用いたR−Fe−B系合金粉末に、バインダ
ー中のポリマー成分として、ポリエチレンオキサイド
(平均分子量:50万)を用い、表1に示す組成で配合
しスラリーを作製し、造粒粉末を得た後、表2に示す条
件で成形し、実施例1と同様に脱バインダー処理、焼結
し、時効処理を行った。成形時の造粒粉の流動性、成形
体の寸法、成形体密度、および得られた焼結磁石の残留
酸素量、残留炭素量、磁気特性を表2〜3に示す。な
お、これら実施例2〜9において得られた焼結体には、
割れ、ヒビ、変形などは全く見られなかった。
【0090】比較例1〜3 実施例1で製造した造粒粉末を用いて、表2に示す種々
の条件で成形し、実施例1と同様に脱バインダー処理、
焼結し、時効処理を行った。成形時の造粒粉の流動性、
成形体の寸法、成形体密度、および得られた焼結磁石の
残留酸素量、残留炭素量、磁気特性を表2〜3に示す。
【0091】比較例4 実施例1で製造した造粒粉末を用いて、超音波振動を付
与せず、表2に示す条件で成形し、実施例1と同様に脱
バインダー処理、焼結し、時効処理を行った。成形時の
造粒粉の流動性、成形体の寸法、成形体密度、および得
られた焼結磁石の残留酸素量、残留炭素量、磁気特性を
表2〜3に示す。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】実施例10 Nd:13.3原子%、Pr:0.31原子%、Dy:
0.28原子%、Co:3.4原子%、B:6.5原子
%、残部:Feおよび不可避的不純物、からなる原料を
Arガス雰囲気中で高周波溶解して、ボタン状溶製合金
を得た。次に、該合金を粗粉砕した後、ジョークラッシ
ャーなどにより平均粒度15μmに粉砕し、さらにジェ
ットミルにより平均粒度3μmの粉末を得た。
【0096】得られた粉末に、ポリマーとして、ポリメ
チルメタクリレート(破断強度:0.65kgf/mm
2)を用い、有機溶剤としてトルエンを用い、合金粉末
100重量部に対して表4に示す組成で配合し、室温で
撹拌混練を行うことによりスラリー濃度60%のスラリ
ーを作製し、該スラリーをディスク回転型スプレードラ
イヤー装置により、不活性ガスとして窒素を用い、熱風
入口温度を100℃、出口温度を40℃に設定して造粒
を行った。得られた造粒粉の流動性を表4に示す。な
お、流動性は、内径5mmのロートの管を50gの粉末
が自然落下し通過するまでに要した時間で測定した。
【0097】上記造粒粉を実施例1と同様の圧縮磁場成
形機を用いて、表5に示す種々の機械的振動付与条件
で、磁場強度15kOe、圧力1ton/cm2で10
mm×15mm×10mmの形状に成形した後、水素雰
囲気中で100℃/時間の昇温速度で、室温から300
℃まで加熱し脱バインダー処理を行った。引き続いて真
空中で1100℃まで昇温し1時間保持する焼結を行
い、さらに焼結完了後、Arガスを導入して7℃/分の
速度で800℃まで冷却し、その後100℃/時間の速
度で冷却して550℃で2時間保持することにより時効
処理を施し、異方性の焼結体を得た。得られた焼結磁石
の残留酸素量、残留炭素量、磁気特性を表5に示す。
【0098】実施例11 ポリマーとしてポリメチルメタクリレートにかえて、ポ
リビニルアセタール(破断強度:1.0kgf/m
2)を用い、また有機溶剤としてトルエンにかえてジ
オキサンを用いた点を除いて実施例10と同様に造粒粉
を作製し、この造粒粉を用いて焼結体を得た。実施例1
0と同様の試験結果を表4,5に示す。
【0099】実施例12 ポリマーとしてエチレン−メチルメタクリレート共重合
体(破断強度:0.55kgf/mm2)を用い、有機
溶剤としてジクロロエタンとキシレンの混合溶剤(1/
1:重量比)を用い、合金粉末100重量部に対して表
4に示す組成で配合した以外は実施例10と同様に造粒
粉を作製し、この造粒粉を用いて焼結体を得た。実施例
10と同様の試験結果を表4,5に示す。
【0100】実施例13 ポリマーとしてポリカーボネート(破断強度:3.5k
gf/mm2)、有機溶剤としてジクロロエタンを用
い、また、可塑剤としてジブチルフタレートを用い、合
金粉末100重量部に対して表4に示す組成で配合した
以外は実施例10と同様に造粒粉を作製し、この造粒粉
を用いて焼結体を得た。実施例10と同様の試験結果を
表4,5に示す。
【0101】実施例14 ポリマーとしてポリビニルブチラール(破断強度:4.
0kgf/mm2)、有機溶剤としてジオキサンを用
い、また、可塑剤としてジオクチルアジペートを用い、
合金粉末100重量部に対して表4に示す組成で配合し
た以外は実施例10と同様に造粒粉を作製し、この造粒
粉を用いて焼結体を得た。実施例10と同様の試験結果
を表4,5に示す。
【0102】実施例15 ポリマーとしてポリアリレート(破断強度:4.5kg
f/mm2)、有機溶剤としてベンゼンを用い、また、
可塑剤としてブチルフタリルブチルグリコールを用い、
合金粉末100重量部に対して表4に示す組成で配合し
た以外は実施例10と同様に造粒粉を作製し、この造粒
粉を用いて焼結体を得た。実施例10と同様の試験結果
を表4,5に示す。
【0103】実施例16 実施例17 実施例14で得られた造粒粉を用い、表5に示す種々の
機械的振動付与条件で実施例10と同様に成形、脱バイ
ンダー処理、焼結、時効処理を行い焼結体を得た。得ら
れた焼結体の残留炭素量、残留酸素量、磁気特性を表5
に示す。
【0104】比較例5〜8 実施例14で製造した造粒粉末を用いて、表5に示す条
件で成形し、脱バインダー処理、焼結し、時効処理を行
った。試験結果を表5に示す。
【0105】
【表4】
【0106】
【表5】
【0107】実施例18〜実施例20 Sm11.9at%、Cu8.8at%、Fe12.6
at%、Zr1.2at%、残部Co及び不可避的不純
物からなる原料を、Arガス雰囲気中で高周波溶解し
て、ボタン状溶製合金を得た。次に、該合金を粗粉砕し
た後、ジョークラッシャーなどにより平均粒度約15μ
mに粉砕し、さらにジェットミルにより平均粒度3μm
の粉末を得た。得られた粉末に表6に示す添加量のポリ
マー、水、有機溶媒、可塑剤を添加して室温で混練、撹
拌してスラリー状となし、該スラリーをディスク回転型
スプレードライヤー装置により、不活性ガスに窒素を用
い、熱風入口温度を100℃、出口温度を40℃に設定
して造粒を行なった。
【0108】上記造粒粉を実施例1と同様の圧縮磁場プ
レス機を用いて、表7に示す種々の機械的振動付与条件
で、磁場強度15kOe、圧力1ton/cm2で10
mm×15mm×厚み10mmの形状に成形した後、水
素雰囲気中で室温から300℃までを昇温速度100℃
/時で加熱する脱バインダー処理を行ない、引き続いて
真空中で1200℃まで昇温し1時間保持する焼結を行
ない、さらに焼結完了後、1160℃にて溶体化処理を
施し、Arガスを導入して800℃から400℃まで多
段時効処理を施して焼結磁石を得た。得られた焼結体に
は、ワレ、ヒビ、変形などは全く見られなかった。成形
時の造粒粉の流動性を表6に、また得られた焼結磁石の
残留酸素量、残留炭素量、磁気特性を表7に示す。な
お、流動性は、内径5mmのロートの管を50gの原料
粉が自然落下し通過するまでに要した時間で測定した。
【0109】比較例9 実施例18で得られた造粒粉を用い、機械的振動を付与
しなかった以外は実施例11と同様に成形、脱バインダ
ー処理、焼結し、時効処理を行い焼結磁石を得た。成形
時の造粒粉の流動性を表6に、また得られた焼結磁石の
残留酸素量、残留炭素量、磁気特性を表7に示す。な
お、流動性は実施例18と同一方法で測定した。
【0110】実施例21〜実施例24 Sm11.9at%、Cu8.8at%、Fe12.6
at%、Zr1.2at%、残部Co及び不可避的不純
物からなる原料を、Arガス雰囲気中で高周波溶解し
て、ボタン状溶製合金を得た。次に、該合金を粗粉砕し
た後、ジョークラッシャーなどにより平均粒度約15μ
mに粉砕し、さらにジェットミルにより平均粒度3μm
の粉末を得た。
【0111】得られた粉末に表8に示す添加量のポリマ
ー、水、有機溶媒、可塑剤を添加して室温で混練、撹拌
してスラリー状となし、該スラリーをディスク回転型ス
プレードライヤー装置により、不活性ガスに窒素を用
い、熱風入口温度を100℃、出口温度を40℃に設定
して造粒を行なった。さらに、得られた造粒粉を#44
0のふるいにより微粒子をアンダーカットし、また#7
0のふるいにより粗粒子をオバーカットした。該造粒粉
の平均粒度および#440から#70の歩留りを表9に
示す。
【0112】上記造粒粉を実施例1と同様の圧縮磁場プ
レス機を用いて、表9に示す種々の機械的振動付与条件
で、磁場強度15kOe、圧力1ton/cm2で10
mm×15mm×厚み10mmの形状に成形した後、水
素雰囲気中で室温から300℃までを昇温速度100℃
/時で加熱する脱バインダー処理を行ない、引き続いて
真空中で1200℃まで昇温し1時間保持する焼結を行
ない、さらに焼結完了後、1160℃にて溶体化処理を
施し、Arガスを導入して800℃から400℃まで多
段時効処理を施して焼結磁石を得た。得られた焼結体に
は、ワレ、ヒビ、変形などは全く見られなかった。成形
時の造粒粉の流動性、また得られた焼結磁石の残留酸素
量、残留炭素量、磁気特性を表9に示す。なお、流動性
は、内径5mmのロートの管を50gの原料粉が自然落
下し通過するまでに要した時間で測定した。
【0113】比較例10 比較例11 実施例21と同じ3μmの粉末を用いて、表8に示す添
加量のポリマー、可塑剤と水を添加して室温で撹拌して
スラリー状となし、該スラリーをディスク回転型スプレ
ードライヤー装置により実施例21と同一条件にて造粒
を行った。得られた造粒粉を#440のふるいにより微
粒子をアンダーカットし、また#70のふるいにより粗
粒子をオバーカットした。該造粒粉の平均粒度および#
440から#70の歩留りを表9に示す。
【0114】上記造粒粉を実施例1と同様の圧縮磁場プ
レス機を用いて、表9に示す種々の機械的振動付与条件
で、磁場強度15kOe、圧力1ton/cm2で10
mm×15mm×厚み10mmの形状に成形した後、実
施例22と同様に脱バインダー処理、焼結、溶体化処
理、時効処理を施して焼結磁石を得た。成形時の造粒粉
の流動性、得られた焼結磁石の残留酸素量、残留炭素
量、磁気特性を表9に示す。なお、流動性は実施例21
と同一方法で測定した。
【0115】
【表6】
【0116】
【表7】
【0117】
【表8】
【0118】
【表9】
【0119】表1〜9から明らかなように、この発明に
よれば、スプレー造粒により流動性に優れた造粒粉末を
用いて、プレス成形前に、金型に充填した造粒粉末に機
械的振動を付与することにより、造粒粉末を加熱するこ
となく、一次粒子に解砕することができる。その結果、
機械的振動付与時の加圧力、振動数、振幅をこの発明の
範囲に制限した場合には、この造粒粉末の予備破砕効果
により、優れた流動性により連続プレス性に優れるとと
もに、寸法精度が向上し、焼結後の磁気特性にも優れた
焼結磁石を得ることができる。
【0120】また、表1〜9に示す比較例から明らかな
ように、機械的振動を付与しない場合、および機械的振
動付与時の加圧力、振動数、振幅のいずれかがこの発明
の範囲以下である場合には、機械的振動の付与効果が充
分でなく、その結果、得られる焼結体の残留磁束密度
が、この発明の実施例に比べて劣っていることがわか
る。また、機械的振動の振動数が、この発明の範囲を超
えて付与した場合、造粒粉末が加熱されるため、大気中
の圧縮成形においては、活性な希土類合金が酸素と反応
するため焼結体の残留酸素濃度が上昇し、得られる焼結
体の磁気特性が劣っている。また付与する機械的振動の
振幅が本発明の範囲を超える場合、得られる成形体の寸
法精度が劣っていることがわかる。
【0121】
【発明の効果】この発明による希土類系焼結永久磁石の
製造方法は、R−Fe−B系合金粉末またはR−Co系
合金粉末などの希土類含有合金粉末に、少なくとも1種
以上のポリマーと水からなるバインダー、あるいは有機
溶剤と、該有機溶剤に可溶なポリマー、および必要に応
じて可塑剤からなるバインダーを添加、混練してスラリ
ー状となし、該スラリーをスプレードライヤー装置によ
り流動性の高い球状の造粒粉となし、該造粒粉を用い
て、圧縮成形時において圧縮成形用金型に充填した後、
機械的振動を該造粒粉に印加し、次いで機械的振動を停
止して、あるいは機械的振動を付与しながら成形し、さ
らに焼結、熱処理するため、造粒粉のバインダー自体の
優れた流動性とも相まって、粉体の流動性が格段に向上
し、成形サイクルが向上するとともに、成形体の密度の
ばらつきや成形機の寿命を低下させることもなく、さら
に機械的振動の付与効果により、造粒粉末が一次粒子に
解砕され、成形体中の一次粒子の磁化容易方向が印加磁
場に対して揃い易くなり、磁場配向性が向上する結果、
焼結後の焼結体の残留酸素量、残留炭素量が少なくかつ
寸法精度にも優れる複雑形状や薄肉形状でかつ優れた磁
気特性を有する希土類系焼結磁石が効率よく得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に用いた磁場中プレス成形機の略式断
面図である。
【符号の説明】
1 上ベッド 2,8 振動板 3 上パンチ 4 原料造粒粉末 5 金型 6 磁化コイル 7 下パンチ 9 下ベッド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類系合金粉末に、バインダーを添
    加、混練してスラリー状となし、該スラリーをスプレー
    ドライヤー装置により造粒粉となし、該造粒粉を用いて
    圧縮成形、焼結して焼結磁石とする希土類系焼結磁石の
    製造方法において、圧縮成形工程として、該造粒粉をパ
    ンチで加圧するプレス成形用金型に充填した後、振幅1
    00μm以下、振動数10〜100Hzの機械的振動を
    金型および/またはパンチに付与しながら、100kg
    /cm2以下の加圧力で0.5秒以上加圧し、次いで機
    械的振動を停止して、あるいは機械的振動を付与しなが
    ら、100kg/cm2以上の加圧力で成形することを
    特徴とする希土類系焼結磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、バインダーが少なく
    とも1種以上のポリマーと水からなることを特徴とする
    希土類系焼結磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、バインダーが有機溶
    剤と少なくとも1種以上のポリマーからなることを特徴
    とする希土類系焼結磁石の製造方法。
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