JP3174442B2 - R−Fe−B系焼結異方性永久磁石の製造方法 - Google Patents

R−Fe−B系焼結異方性永久磁石の製造方法

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JP3174442B2
JP3174442B2 JP29746093A JP29746093A JP3174442B2 JP 3174442 B2 JP3174442 B2 JP 3174442B2 JP 29746093 A JP29746093 A JP 29746093A JP 29746093 A JP29746093 A JP 29746093A JP 3174442 B2 JP3174442 B2 JP 3174442B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、粉末冶金法によりR
−Fe−B系焼結異方性永久磁石を製造する方法に係
り、R−Fe−B系合金粉末をメチルセルロースおよび
/またはポリアクリルアミドと水とからなるバインダー
にて混練して配向、乾燥し、特定粒度に造粒した造粒粉
を用いることにより、特に成形時の粉体の流動性、潤滑
性を向上させて、成形サイクルの向上、成形体の寸法精
度を向上させ、薄肉形状や複雑形状の焼結磁石を提供す
ることができるR−Fe−B系焼結異方性永久磁石の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、家電製品を初めコンピュータの周
辺機器や自動車等用途に用いられる小型モーターやアク
チュエータ等には、小型化、軽量化とともに高性能化が
求められており、その磁石材料も小型化、軽量化、薄肉
化からさらに磁石材料表面の所定位置に凹凸を設けた
り、貫通孔を設ける等、複雑な形状製品が要求されてい
る。代表的な高性能永久磁石としては、R−Fe−B系
(RはYを含む希土類元素の少なくとも1種)焼結永久
磁石が提案(特公昭61−34242号等)されてお
り、各種用途に用いられている。
【0003】R−Fe−B系焼結永久磁石は、最大エネ
ルギー積((BH)max)が40MGOeを超える極
めて優れた磁気特性を有するが、その優れた磁気特性を
発現させるためには、所要組成からなる合金を1〜10
μm程度の平均粒度に粉砕することが必要となる。合金
粉末の粒度を小さくすると、成形時の粉末の流動性が悪
くなり、成形体密度のバラツキや成形機の寿命を低下さ
せるとともに、焼結後の寸法精度にもバラツキを生じる
こととなり、特に薄肉形状や小型形状の製品を得るのが
困難であった。また、R−Fe−B系焼結永久磁石は、
大気中で酸化し易い希土類元素や鉄を主成分として含有
するため、合金粉末の粒度を小さくすると、酸化により
磁気特性が劣化する問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そのため、特に成形性
を改良するために、成形前の合金粉末に、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル等を添加したもの(特公平4−
80961号)、それらにさらにパラフィンやステアリ
ン酸塩を添加したもの(特公平4−80962号、特公
平5−53842号)、またオレイン酸を添加したもの
(特公昭62−36365)等が提案された。しかし、
ある程度の成形性は向上できるものの、その改善効果に
も限界があり、近年要求される薄肉形状や小型形状の成
形は依然困難であった。
【0005】また、上記のバインダーや潤滑剤の添加と
ともに、さらに成形性を改良し、薄肉形状品や小型形状
品を製造する方法として、成形前の合金粉末に飽和脂肪
族カルボン酸や不飽和脂肪族カルボン酸にミリスチル酸
エチルやオレイン酸からなる滑剤を添加して混練した
後、造粒を行なって成形する方法(特開昭62−245
604号)、あるいはパラフィン混合物に飽和脂肪族カ
ルボン酸や不飽和脂肪族カルボン酸等添加、混練後、造
粒した後成形する方法(特開昭63−237402号)
も提案されている。
【0006】しかし、上記の方法では、粉末粒子の結合
力が十分でなく、造粒粉が壊れやすいために、十分な粉
末の流動性を実現することが困難であった。成形性を向
上させたり、粉末粒子の結合力を高めるためには、種々
バインダーや潤滑剤の添加量を増やすことが考えられる
が、多量に添加すると、R−Fe−B系合金粉末中のR
成分とバインダーとの反応により、焼結後の焼結体の残
留酸素量、残留炭素量が増加し、磁気特性の劣化を招く
ことになるので、添加量にも制限があった。
【0007】このように、R−Fe−B系焼結永久磁石
の製造方法において、成形前の合金粉末に、種々のバイ
ンダーや潤滑剤を添加したり、さらに造粒を行なって、
成形性を改良する試みが種々提案されてはいるが、いず
れの方法によっても、近年要求されるような、薄肉形状
や小型形状でかつ優れた磁気特性を有するR−Fe−B
系焼結異方性永久磁石を製造するのは困難であった。
【0008】この発明は、粉末冶金法によりR−Fe−
B系焼結異方性永久磁石を製造する方法において、合金
粉末とバインダーとの反応を抑制し、焼結体の残留酸素
量、残留炭素量を低減させるとともに、成形時の粉体の
流動性、潤滑性を向上させて、成形体の寸法精度の向上
及び生産性の向上を図った、薄肉形状や複雑形状でかつ
優れた磁気特性を有するR−Fe−B系焼結異方性永久
磁石の製造方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者らは、R−Fe−
B系合金粉末とバインダーとの反応を抑制でき、焼結体
の残留酸素量、残留炭素量を低減させる方法を種々検討
した結果、バインダーとして、所定温度によりゾル・ゲ
ル変態を起こすメチルセルロースおよび/またはポリア
クリルアミドと水とからなるバインダーを用いることに
より、焼結前の工程におけるR−Fe−B系合金粉末と
バインダーとの反応を抑制することができ、焼結後の焼
結体の残留酸素量、残留炭素量を大幅に低減できること
を知見した。
【0010】また、上記バインダーが、メチルセルロー
ス単独の場合、その添加量を0.5wt%以下として
も、十分な流動性と成形体強度を得ることができるこ
と、ポリアクリルアミド単独の場合にも、その量を0.
4wt%としても十分な流動性と成形体強度が得られる
こと、また、それらを複合した場合においても同様な作
用効果が得られること、さらに、必要に応じて使用する
滑剤も0.3wt%以下と極少量でよく、総バインダー
中の炭素含有量を大幅低減できることを知見した。
【0011】さらに、R−Fe−B系合金粉末と上記の
バインダーとを混練した混練物を、予め磁場中で配向し
た後、乾燥させ、さらに平均粒度が50μm〜500μ
mになるように粉砕して得られた造粒粉を用いて成形す
ることにより、造粒粉は結合力が十分強く壊れ難いた
め、バインダー自体のすぐれた流動性とも相まって、粉
体の流動性が格段に向上し、成形体密度のバラツキや成
形機の寿命を低下させることもなく、焼結後の寸法精度
にもすぐれる、薄肉形状や複雑形状でかつ優れた磁気特
性を有するR−Fe−B系焼結異方性永久磁石が効率よ
く得られることを知見し、この発明を完成した。
【0012】すなわち、この発明は、R−Fe−B系合
金粉末(RはYを含む希土類元素の少なくとも1種)
に、メチルセルロースおよび/またはポリアクリルアミ
ドと水とからなるバインダーを添加して混練し、該混練
物を磁場中で配向した後、乾燥させ、さらに平均粒度が
50μm〜500μmになるように粉砕して得られた異
方性の造粒粉を用いて、成形、焼結する粉末冶金法によ
りR−Fe−B系焼結異方性永久磁石を製造することを
特徴とするR−Fe−B系焼結異方性永久磁石の製造方
法である。
【0013】R−Fe−B系合金粉末 この発明において、R−Fe−B系合金粉末(但しRは
Yを含む希土類元素のうち少なくとも1種)としては、
所要組成からなる単一の合金を粉砕した粉末や、異なる
組成の合金を粉砕した後、混合して所要組成に調整した
粉末、保磁力の向上や製造性を改善するため添加元素を
加えたものなど、公知のR−Fe−B系合金粉末を用い
ることができる。R−Fe−B系合金粉末の製造方法
も、溶解・粉化法、超急冷法、直接還元拡散法、水素含
有崩壊法、アトマイズ法等の公知の方法を適宜選定する
ことができる。
【0014】R−Fe−B系合金粉末の粒度は特に限定
しないが、合金粉末の平均粒径が1μm未満では混練物
とするためのバインダー添加量を、合金粉末の表面積を
増大させるため、合金粉末との容積比で、1:1.2に
増加させる必要があり、成形後の焼結品の焼結密度が9
5%程度と低下するため好ましくなく、また、10μm
を超える平均粒径では粒径が大きすぎて焼結密度が95
%程度で飽和し、該密度の向上が望めないため好ましく
ない。よって1〜10μmの平均粒度が好ましい範囲で
ある。特に好ましくは1〜6μmである。
【0015】バインダー成分 この発明において、バインダーには、所定温度によりゾ
ル・ゲル変態を起こすメチルセルロースおよび/または
ポリアクリルアミドに水を添加したものを用いる。バイ
ンダーとして、メチルセルロースを単独で用いる場合の
含有量は、0.05wt%未満では造粒粉内の粒子間の
結合力が弱く、成形前の給粉時に造粒粉が壊れるととも
に粉体の流動性が著しく低下し、また、0.5wt%を
越えると、焼結体における残留炭素量と酸素量が増加し
て保磁力が下がり磁気特性が劣化するので、0.05w
t%〜0.5wt%の含有量がこれらの点で好ましい。
ポリアクリルアミドを単独で用いる場合の含有量も、上
記のメチルセルロースを単独で用いる場合と同様に、
0.05wt%未満では造粒粉内の粒子間の結合力が弱
く、成形前の給粉時に造粒粉が壊れるとともに粉体の流
動性が著しく低下し、また、0.4wt%を越えると、
焼結体における残留炭素量と酸素量が増加して保磁力が
下がり磁気特性が劣化するので、0.05wt%〜0.
4wt%の含有量が好ましい範囲である。またメチルセ
ルロースとポリアクリルアミドを複合して用いる場合も
同様な理由により、0.05wt%〜0.4wt%が好
ましい範囲である。
【0016】この発明において、メチルセルロースおよ
び/またはポリアクリルアミドに加える水の含有量は、
5wt%未満では合金粉末とバインダーとの混練が均一
にできず、混練の不十分な部分が生じ好ましくなく、ま
た、15wt%を越えると混練物の磁場配向後の配向状
態が保持でき難くなるとともに、配向後の乾燥に時間が
かかることとなるので、5〜15wt%が好ましい範囲
である。また、水は、R−Fe−B系合金粉末のR成分
との反応を極力抑制するために、脱酸素処理した純水を
用いることが望ましい。
【0017】また、上述したバインダーにグリセリン、
ワックスエマルジョン、ステアリン酸等の滑剤のうち少
なくとも1種を添加することも有効であり、添加する場
合は、0.03wt%未満の含有量では造粒粉を成形後
の離型性改善に効果がなく、また0.3wt%を超える
と焼結体における残留炭素量と酸素量が増加して保磁力
が下がり磁気特性が劣化するので、0.03wt%〜
0.3wt%の含有量が好ましい。
【0018】磁場中配向 この発明において、磁場中での配向は、バインダーの添
加成分によっても変動するが、メチルセルロースを単独
で用いる場合は、混練物の温度を70〜90℃に昇温し
ゲル化させながら磁場中配向してもよいし、また、室温
での磁場中配向でもよい。また、ポリアクリルアミドを
単独で用いる場合及びメチルセルロースとポリアクリル
アミドを複合して用いる場合は、混練物の温度を80〜
90℃に昇温しゲル化させながら磁場中配向してもよい
し、また、室温での磁場中配向でもよい。なお、室温で
の磁場中配向の場合は、脱磁時に配向度が低下しないよ
うに予め混練物の粘度を高くして配向し、配向後に配向
状態が変わらないように乾燥することが好ましい。磁場
の強度は、10kOe未満では配向が不十分となるた
め、10kOe以上の磁場の強度で配向することが望ま
しい。また、磁場も従来の連続した磁場のほか、パルス
磁界を用いることも可能で、強度、時間、回数を適宜選
定して配向を行うことができる。また、後工程での取扱
いを考慮し、配向中あるいは配向後に、配向度を低下さ
せない程度の低圧力でプレスして成形体となしてもよ
く、例えば、通常用いる磁場プレスや、磁場押出成形機
などを用いることもできる。
【0019】乾燥 乾燥方法は特に限定しないが、例えば、昇温乾燥方法や
冷凍真空乾燥方法などが適用できる。昇温乾燥方法で行
う場合、昇温温度は選定した水の添加量に応じて変動す
るが、少なくとも20℃〜100℃までの昇温速度を3
0〜60℃/hrにすることが好ましく、30℃/hr
未満では混練物が酸化する恐れがあり、60℃/hrを
超えると水の急激な気化蒸発のため、混練物の配向状態
が乱れることがあるため好ましくない。また、乾燥雰囲
気は、混練物の酸化を抑制するために、1×10-3To
rrより高真空が好ましい。
【0020】冷凍真空乾燥方法で行なう場合は、冷却速
度は特に限定しないが、冷却速度が遅いと冷却途中に成
形体の酸化が進行する恐れがあるため、冷却速度は早い
方が好ましい。また冷却温度は、−5℃以下〜−100
℃が好ましい。−5℃よりも高温では乾燥に長時間を有
するため好ましくなく、また、−100℃より低温では
冷凍に要する電力量が急激に増大するため好ましくない
ためである。さらに、真空乾燥時の真空度は酸化を抑制
するためには、1×10-3Torrより高真空が好まし
く、また冷凍真空乾燥後は処理品をゆっくりと室温まで
戻すとよい。
【0021】なお、配向後の混練物を室温で長時間放置
すると、時間の経過とともに合金粉末とバインダー中の
水とが反応し、混練物が酸化する恐れがあるので、乾燥
は配向後にできるだけ早く行なうのが最も望ましいが、
保存する場合は、配向後の混練物を0℃以下の温度に冷
凍して保存することが望ましい。冷凍保存であれば、合
金粉末と氷とは反応し難いため、時間の経過に関係なく
混練物の酸素量はほとんど増加しないので、円滑な工程
進行に有効である。
【0022】粉砕 乾燥後の混練物は、配向した状態でバインダーによって
固化されているため、造粒粉を得るために粉砕する必要
がある。粉砕方法は特に限定しないが、微粉の発生が少
なく、粉砕後の粒子の形状が比較的球形に近くなるよう
に粉砕できる方法、例えば、ヘンシェルミキサーやディ
スクミルといった比較的ソフトな粉砕方法が好ましい。
粉砕後の造粒粉の平均粒径は、500μm未満では後の
成形工程での流動性が低下するため好ましくなく、また
500μmを超えると成形後の成形体密度にバラツキを
生じる恐れがあるとともに焼結後の焼結密度が低下する
恐れがあり、よって50μm〜500μmが最も望まし
い。また、ふるいによりアンダーカット、オーバーカッ
トを行なうことにより、さらに極めて流動性に富んだ造
粒粉を得ることができる。
【0023】造粒後の工程、すなわち、成形、焼結、熱
処理など条件、方法は公知のいずれの粉末冶金的手段を
採用することができる。以下に好ましい条件の一例を示
す。成形は、公知のいずれの成形方法も採用できるが、
圧縮成形で行なうことが最も好ましい。焼結前には、真
空中で加熱する一般的な方法や、水素流気中で100〜
200℃/時間で昇温し、300〜600℃で1〜2時
間程度保持する方法などにより脱バインダー処理を行な
うことが好ましい。脱バインダー処理を施すことによ
り、バインダー中のほぼ全炭素が脱炭され、磁気特性の
向上に繋がる。なお、R元素を含む合金粉末は、水素を
吸蔵しやすいために、水素流気中での脱バインダー処理
後には脱水素処理工程を行なうことが好ましい。脱水素
処理は、真空中で昇温速度は、50〜200℃/時間で
昇温し、500〜800℃で1〜2時間程度保持するこ
とにより、吸蔵されていた水素はほぼ完全に除去され
る。なお脱水素処理後は、引き続いて昇温加熱して焼結
を行うことが好ましく、500℃を超えてからの昇温速
度は任意に選定すればよく、例えば100〜300℃/
時間など、焼結に際して取られる公知の昇温方法を採用
できる。
【0024】脱バインダー処理後の成形品の焼結並びに
焼結後の熱処理条件は、選定した合金粉末組成に応じて
適宜選定されるが、焼結並びに焼結後の熱処理条件とし
ては、1000〜1180℃、1〜2時間保持する焼結
工程、450〜800℃、1〜8時間保持する時効処理
工程などが好ましい。
【0025】
【作用】この発明は、R−Fe−B系合金粉末に、所定
温度によりゾル・ゲル変態を起こすメチルセルロースお
よび/またはポリアクリルアミドと水とからなるバイン
ダーを添加、混練した、R−Fe−B系合金粉末とバイ
ンダーとの反応を抑制するとともに混練物に十分な流動
性を付与し、かつ総バインダー中の炭素含有量を大幅に
低減した混練物を、予め磁場中で配向した後、乾燥さ
せ、さらに平均粒度が50μm〜500μmになるよう
に粉砕して造粒粉となし、該造粒粉を用いて、成形、焼
結、熱処理することにより、造粒粉は結合力が十分強く
壊れ難いため、バインダー自体のすぐれた流動性とも相
まって、粉体の流動性が格段に向上し、成形サイクルが
向上するとともに、成形体密度のバラツキや成形機の寿
命を低下させることもなく、焼結後の寸法精度にもすぐ
れる、薄肉形状や複雑形状でかつ優れた磁気特性を有す
るR−Fe−B系焼結異方性永久磁石が得られる。
【0026】
【実施例】実施例1 Rとして、Nd13.3原子%、Pr0.31原子%、
Dy0.28原子%、Co3.4原子%、B6.5原子
%、残部Fe及び不可避的不純物からなる原料を、Ar
ガス雰囲気中で高周波溶解して、ボタン状溶製合金を得
た。次に、該合金を粗粉砕した後、ジョークラッシャー
などにより平均粒度約15μmに粉砕し、さらに、ジェ
ットミルにより平均粒度3μmの粉末を得た。該粉末に
表1に示す種類及び添加量のバインダー、水、滑剤を添
加して室温で混練し、得られた混練物を磁場プレス機を
用いて、磁場強度15kOe、圧力100kg/cm2
で直径50mm×厚み10mmの形状に成形して混練物
を磁場配向した後、磁場配向方向の逆方向に2kOeの
磁場強度をかけて脱磁を行なった。得られた成形体を真
空中で20℃〜100℃までの昇温速度を50℃/時で
加熱して乾燥させ、冷却後、乾燥した混練物を解砕し
て、さらにディスクミルにより粉砕した後、#280の
ふるいにより微粒子をアンダーカットし、また#35の
ふるいにより粗粒子をオーバーカットして、表1に示す
平均粒度の異方性の造粒粉を得た。この時、#280か
ら#35の歩留りは78wt%であった。該造粒粉を
磁場プレス機を用いて、磁場強度15kOe、圧力1
t/cm2で10mm×15mm×厚み10mmの形状
に成形した後、水素雰囲気中で室温から300℃までを
昇温速度100℃/時で加熱する脱バインダー処理を行
ない、引き続いて真空中で1100℃まで昇温し1時間
保持する焼結を行ない、さらに焼結完了後、Arガスを
導入して7℃/分の速度で800℃まで冷却し、その後
100℃/時の速度で冷却して550℃で2時間保持し
て時効処理を施した。成形時の造粒粉の流れ性、成形体
の寸法及び密度及び得られた焼結磁石の残留酸素量、残
留炭素量、磁気特性を表2に示す。なお、流れ性は、内
径8mmのロートの管を100gの原料粉が自然落下し
通過するまでに要した時間で測定した。また、得られた
焼結体には、ワレ、ヒビ、変形などは全く見られなかっ
た。
【0027】比較例1 実施例と同じ3μm粉末を用いて、造粒を行なわず、そ
のまま実施例と同一の磁場プレス機により、磁場強度1
5kOe、圧力1t/cm2で10mm×15mm×厚
み10mmの形状に成形した後、真空中で1100℃で
1時間保持する焼結を行ない、さらに焼結完了後、Ar
ガスを導入して7℃/分の速度で800℃まで冷却し、
その後100℃/時の速度で冷却して550℃で2時間
保持して時効処理を施して、焼結磁石を得た。成形時の
造粒粉の流れ性、成形体の寸法及び密度及び得られた焼
結磁石の残留酸素量、残留炭素量、磁気特性を実施例と
共に表2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】この発明によれば、R−Fe−B系合金
粉末に、所定温度によりゾル・ゲル変態を起こすメチル
セルロースおよび/またはポリアクリルアミドと水とか
らなるバインダーを添加、混練することにより、R−F
e−B系合金粉末とバインダーとの反応を抑制するとと
もに混練物に十分な流動性を付与し、かつ総バインダー
中の炭素含有量を大幅に低減した混練物を、予め磁場中
で配向した後、乾燥させ、さらに平均粒度が50μm〜
500μmになるように粉砕して造粒粉となし、該造粒
粉を用いて、成形、焼結、熱処理するため、造粒粉は結
合力が十分強く壊れ難いため、バインダー自体のすぐれ
た流動性とも相まって、粉体の流動性が格段に向上し、
成形サイクルが向上するとともに、成形体密度のバラツ
キや成形機の寿命を低下させることもなく、焼結後の寸
法精度にもすぐれる、薄肉形状や複雑形状でかつ優れた
磁気特性を有するR−Fe−B系焼結異方性永久磁石が
効率よく得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/08 B22F 1/00 C22C 33/02 H01F 41/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R−Fe−B系合金粉末(RはYを含む
    希土類元素の少なくとも1種)に、メチルセルロースお
    よび/またはポリアクリルアミドと水とからなるバイン
    ダーを添加して混練し、該混練物を磁場中で配向した
    後、乾燥させ、さらに平均粒度が50μm〜500μm
    になるように粉砕して得られた異方性の造粒粉を用い
    て、成形、焼結する粉末冶金法によりR−Fe−B系焼
    結異方性永久磁石を製造することを特徴とするR−Fe
    −B系焼結異方性永久磁石の製造方法。
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