JPWO2002052698A1 - 回転子のマグネット保持構造 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、アウタロータ型モータに適する回転子のマグネット保持構造に関するものである。
背景技術
従来、回転子にマグネットを配設した電動機または発電機にあっては、マグネットが回転することから、例えば同一出願人による実開昭61−129472号公報に開示されているように、何らかの方法でマグネットを固定状態に保持するようにしていた。
また、円筒状の周壁に設けた軸線方向孔にマグネットを挿入するようにしたIPM(Inner Permanent Magnet)方式があり、その一例を、図10を参照して以下に示す。図のものは、有底円筒状のロータ11の内部に円筒状のロータコア12を同軸的に収容してロータコアを構成し、そのロータコアが図示されない回転軸に同軸的に取り付けられるものである。
図に示されるように、ロータコア12の周壁部12aには、周方向に等角度ピッチで複数の軸線方向孔12bが設けられており、各軸線方向孔12bにはそれぞれマグネット13(一部のみ図示)が図の矢印に示されるように挿入されるようになっている。そして、ロータ11の周壁部11aの突出端部に薄肉のかしめ部11bを軸線方向に突設し、そのかしめ部11bをロータコア12側にかしめる(図の矢印)ことにより、ロータ11内に収容されたロータコア12が抜け止めされると共に、ロータ11にロータコア12を介してマグネット13が一体化されるようになっている。
上記したように回転子にマグネットを設けるものにあっては、回転方向と軸線方向とに対する固定が必要である。特に、自動車のスタータや発電機に用いられる場合には、熱や急激な加減速及び振動などによりマグネットの位置がずれてしまわないことを考慮して、マグネットを強固に固定する必要がある。
回転方向については、ロータ11とロータコア12との間をエンボス(図の11c)嵌合などにより容易に固定することができる。それに対して、軸線方向については、ロータコア12とマグネット13との加工寸法誤差による高さ違いを避けられないため、上記図示例のように軸線方向に対する固定をかしめ部11bのかしめによる場合には、ロータコア12とマグネット13とのいずれか一方のみが固定され、他方にがたが生じる虞がある。
その対策として、ロータ11・ロータコア12・マグネット13の各間を接着剤により固定するようにしたものがある。しかしながら、接着材の塗布作業や乾燥工程が生じるため、生産コストが高騰化するという問題がある。
発明の開示
上記課題を解決して、生産コストを低廉化し得る回転子のマグネット保持構造を実現するために、本発明においては、複数のマグネットと、前記複数のマグネットを円周方向に配置するための複数のマグネット保持孔を備える円筒状のロータコアと、前記ロータコアを同軸的に受容する円筒状の回転体とを有する回転子のマグネット保持構造であって、前記回転体が、前記ロータコアを軸線方向に受け止めるための受け部を有すると共に、前記受け部と前記ロータコアとの間に介装された第1ベースと、前記ロータコアの前記第1ベースとは相反する側に配置された第2ベースと、前記ロータコア及び前記マグネットを前記回転体に対して軸線方向に抜け止めするべく前記第2ベースを固定するために前記回転体に設けられたかしめ部と、前記ロータコアの前記回転体に対する周方向変位を防止するべく前記回転体及び前記第1ベース及び前記ロータコアとの各間に設けられた周方向変位防止手段とを有するものとした。
これによれば、マグネットを保持した状態のロータコアが、軸線方向に対しては回転体の受け部とかしめ部との間に両ベースにより挟持された状態で固定され、回転方向(周方向)に対しては周方向変位防止手段により回転体に対する周方向変位を防止される。したがって、回転体(ロータ)・ロータコア・マグネットの各間を接着することなく、それらを一体的に固定することができる。また、マグネットの抜け止めをベースにより行うことができ、かしめ部をマグネットの抜け止め用に形成する必要が無く、簡単な形状とすることができると共に、かしめ作業も簡単に行うことができる。また、ベースを介して周方向変位を防止することから、ベースに周方向変位防止用の凹凸部を設けることによりロータコア側に凹部を設ける必要が無くなり、ロータコア2を同一形状の積層材で形成することができるため、ロータコア2の形成作業が煩雑化することがなく、ロータコア2の製造効率を向上し得る。
また、前記両ベースの一方に、前記マグネットの軸線方向寸法誤差を吸収するべく前記マグネットの軸線方向端面を押圧する可撓性突起と、前記マグネットの周方向変位を規制するべく前記マグネット保持孔と前記マグネットとの間に突入させる係止片とを設けると良い。
これにより、マグネットとロータコアとの加工寸法誤差の吸収にあっては、高さ方向(軸線方向)に対しては可撓性突起の変形により、幅方向(周方向)に対しては係止片により対応することができる。ベースを合成樹脂材で形成することにより、可撓性突起が弾性変形し得るため、その弾性変形による反発力をもってマグネットを容易に押圧することができる。同様に、係止片が弾性変形し得るため、マグネット保持孔とマグネットとの間に係止片を容易に突入させることができると共に、弾性変形した係止片の復元力によりマグネット保持孔とマグネットとの間の隙間を埋めた状態にすることができ、マグネットの周方向変位を簡単に防止することができる。
また、前記回転体が前記ロータコアを外囲する周壁部を有し、前記かしめ部が前記周壁部の内径よりも拡径された位置に設けられていることにより、ロータコアを回転体に組み付けるためにロータコアを回転体の周壁部内に挿入する場合に、かしめ部により外囲された部分に対してはロータコアを遊挿することができるため、ロータコアをかしめ部によりガイドして周壁部内に挿入することができ、ロータコアの回転体への組み付け作業を容易に行うことができる。
また、前記マグネット保持孔が、前記ロータコアに設けられた軸線方向孔からなることにより、ロータコアを回転体に組み付ける前にマグネットをロータコアに組み付けることができ、マグネットを組み付ける時には回転体のみを押さえておけば良いなど取り扱いが楽である。また、軸線方向孔内に係止片を突入させることによりマグネットを容易に位置決めすることができる。
また、前記マグネット保持孔が、前記ロータコアの外周面に設けた凹設部と、前記周壁部の内周面とにより形成されていることにより、ロータコアに設ける軸線方向孔においてそのロータコアの半径方向外側の壁となる部分を回転体の周壁部を用いることから、その分だけロータコアの外周部分を無くすことができるため、その結果回転体の外径を小さくすることができ、回転子を小型化し得る。
また、前記両ベースの他方に、前記ロータコアを形成する積層材において前記軸線方向孔の打ち抜きを行っていないものが用いられ、あるいは前記両ベースの他方に、前記ロータコアを形成する積層材において前記凹設部を設けていないものが用いられていることにより、マグネットの抜け止め用のベースを別部材により加工したものを用いる必要が無く、単にロータコアを構成する積層材を形成する素材を用い、さらに打ち抜き加工を省略するだけでベースとして用いることができるため、部品コストや製造工数を低減し得る。
発明を実施するための最良の形態
次に、本発明の実施の態様を添附図面を参照して以下に示す。
図1は、本発明が適用された電動機または発電機の回転子を示す分解組み立て斜視図である。図に示されるように、本回転子は、図示されない回転軸(例えばエンジンのクランクシャフトであって良い)に嵌装状態に組み付けられるボス部材を中心に有する回転体としての有底円筒状のロータ1と、ロータ1内に同軸的に受容されるロータコアとしての円筒状ロータコア2と、ロータコア2を軸線方向に挟持するように設けられた円環状の第1及び第2ベース3・4と、複数(例えば12個、図では1個のみ示す)のマグネット5とにより構成されている。
ロータコア2は、例えば薄板鋼板を所定の形状に打ち抜き加工したものを所定の厚さに積層すると共にロータ1に対して挿入設定された外径にて形成されている。そのロータコア2の周壁部には、板状のマグネット5を挿入し得る断面形状の軸線方向孔2aが周方向に等角度ピッチで設けられている。なお、マグネット5の高さと軸線方向孔2aの長さとは略同一(マグネット5の方が若干短い)である。
第1及び第2ベース3・4は、合成樹脂材からなると共に、軸線方向孔2aの開口を覆うように、ロータコア2の周壁部の軸線方向両端面と略同一形状の円環状に形成されている。図におけるロータ1の底面からなる受け部1fとロータコア2の下面との間に第1ベース3が配置され、ロータコア2の上面側に第2ベース4が配置される。
上記したように形成された第1ベース3・ロータコア2・第2ベース4とのロータ1への組み付け要領を以下に示す。まず、図の矢印Aに示されるようにロータコア2及び第1ベース3を互いに同軸的に組み付ける。この第1ベース3には、図2に併せて示されるようにロータコア2と第1ベース3との位置決めをする一対の係止片3bが突設されている。それら係止片3bを、組み付け時にロータコア2の軸線方向孔2a内に突入させる。また、隣り合う係止片3bは、両者間に隔壁2bを圧入状態にし得る間隔で設けられている。これにより、各軸線方向孔2aを周方向に仕切る隔壁2bを係止片3bの隣り合うもの同士により弾発的に挟むことができる。このようにして、ロータコア2及び第1ベース3は圧入嵌合にて互いに組み付けられ一体化される。
次に、第1ベース3と一体化されたロータコア2の各軸線方向孔2aに各マグネット5を挿入し(矢印B)、その挿入後にマグネット5を第1ベース3に突き当たるまで挿入方向に加圧する。このとき、各係止片3bがマグネット5の周方向両側面と軸線方向孔2aとの各隙間を埋めつつ突入する(図2の矢印C)ように、軸線方向孔2aにマグネット5を挿入する。なお、係止片3bは、その隙間への突入を容易にするべく突入方向先端部を先細りに形成されていると共に、中間部を圧縮変形した状態で隙間に収まる肉厚に形成されている。したがって、マグネット5を挿入後加圧することにより、軸線方向孔2a内にて一対の係止片3b間にマグネット5が圧入嵌合され、これにより、各マグネット5の挿入方向高さや周方向位置のばらつきが吸収される。なお、ロータコア2をロータ1に組み付ける前にマグネット5を組み付けることができることから、マグネット5の組み付け相手がロータコア2のみ(第1ベース3は合成樹脂製のため重量的に無視できる)の軽いものになるため、マグネット組み付け作業時の部品の取り扱いが楽である。
上記マグネット5を組み付けられた状態のロータコア2を図1の矢印Dに示されるようにロータ1内に挿入する。なお、図3に示されるように、ロータ1の底面における第1ベース3が載置される部分には、図3に良く示されるように第1ベース3側に向けて突出するようにエンボス加工された係合凸部1bが設けられている。第1ベース3には、係合凸部1bに対応する係合凹部3aが設けられている。これら係合凸部1bと係合凹部3aとにより周方向変位防止手段が構成されている。なお、係合凹部3aは、係合凸部1bを突入容易にするために図2に示されるようにテーパ孔状に形成されている。それら係合凸部1bと係合凹部3aとを位置合わせしてロータコア2を押圧することにより、係合凹部3a内に係合凸部1bが圧入嵌合され、結果として第1ベース3を介してロータ1に対するロータコア2の周方向変位が防止される。
そして、第2ベース4をロータコア2の上面を覆うように載置し(図1の矢印E)、ロータ1の周壁部の突出端部に薄肉形成されたかしめ部1aを図3に示されるように半径方向内側に曲げて、第2ベース4に対してかしめ、そのようにしてかしめたかしめ部1aにより第2ベース4を係止する。これにより、ロータ1の底部とかしめ部1aとの間に、第1ベース3・ロータコア2・第2ベース4とが軸線方向に対して固定される(図2参照)。
また第1ベース3には、図2に示されるように、一対の係止片3b間に山形状の可撓性突起3cが一対設けられている。それら可撓性突起3cの両側には他の部分よりも低くされた逃げ部3dが設けられている。これは、図4に示されるように、組み付け時にマグネット5により圧縮変形された可撓性突起3cの変形代を確保するためのものである。なお、マグネット5に対する組み付け時の押圧力を解除することにより、マグネット5には、可撓性突起3cによる弾発的押し戻し力が作用する。
また、各一対の係止片3bの隣り合うもの同士の間には、上記したように隔壁2bが突入する際に係止片3bの摺接面から削り取った切片を逃がすための凹部3eが設けられている。これにより、組み付け時に上記切片が生じても、その切片によりロータコア2が第1ベース3に対して浮き上がるようになってしまうことを防止でき、ロータコア2と第1ベース3との軸線方向に対する位置関係を設計通りにすることができる。
図5に示されるように、第2ベース4には、組み付け状態で各隔壁2bの軸線方向端面(図4の上面)に当接する向きにそれぞれ突設された先細り状の高凸部4a及びその両側方の各一対の低凸部4bが設けられている。組み付け時に所定の荷重を加えることにより高凸部4aが圧縮変形し、図4に示されるように、圧縮変形した高凸部4aと一対の低凸部4bとにより隔壁2bが押圧される。これにより、マグネット5の高さとロータコア2との高さ違いを両突部4a・4bの圧縮変形により吸収し、組み付け状態において、ロータコア2の軸線方向高さに対する第2ベース4の位置が決まる。したがって、上記ロータコア2と第1ベース3との関係と合わせて、両ベース3・4間の間隔を、全周に渡って、マグネットの高さのばらつきに左右されることなく一定値にすることができる。なお、第2ベース4の周方向位置決めのため、第2ベース4の適所に、隔壁2bを挟むように係合し得る一対の位置決め片4cが設けられている。
このようにして構成されたロータコア2及び両ベース3・4のロータ1との組み付け状態にあっては、軸線方向に対しては上記かしめにより固定され、回転方向(周方向)に対しては、ロータ1と第1ベース3との間では係合凸部1bと係合凹部3aとが係合し、第1ベース3とロータコア2との間では係止片3bと軸線方向孔2aとが係合し、それらの係合により固定される。
そして、マグネット5とロータコア2(軸線方向孔2a)との加工寸法誤差の吸収にあっては、高さ方向(軸線方向)に対しては可撓性突起3cにて、幅方向(周方向)に対しては係止片3bにて、それぞれの弾性変形により対応することができる。なお図示例では、係止片3bの突入端部の圧入により、マグネット5と軸線方向孔2aとの隙間を埋めて固定状態にしている。これにより、接着材を用いることなく回転子におけるマグネット5の保持構造を実現でき、接着材の塗布・乾燥工程を必要とせず、生産性を向上し得る。
また、ベース(図示例では第1ベース3)を介してロータ1に対するロータコア2の周方向変位を防止することから、図示例のように第1ベース3を合成樹脂製とすることにより、周方向変位の防止におけるロータ1及びロータコア2間の寸法誤差を第1ベース3(係止片3b)の弾性変形により吸収できる。これにより、マグネット5を含めてロータ1及びロータコア2をそれ程高精度に制作する必要が無く、製造コストを低廉化し得る。
また、第1ベース3が無い場合には、ロータコア2の最下層部の積層材(例えば鋼板)を他の積層材とは別形状(例えば係合凸部1bに対応させた孔を設ける)に形成しなければならない。それに対して本願発明によれば、ロータコア2との間では軸線方向孔2aを利用して周方向変位を防止することができる。したがって、ロータコア2を同一形状の積層材で形成することができるため、ロータコア2の形成作業が煩雑化することがなく、ロータコア2の製造効率を向上し得る。
また、磁極の数を変更するなどのロータコア2の設計変更を行って、係合凸部1bの位置が軸線方向孔2aと重なるようになっても、形成容易な第1ベース3の係合凹部3aの位置変更で対処できるため、ロータ1側の設計変更を行う必要が無く、設計の自由度が増す。
次に、図6に本発明に基づく第2の例を示す。なお、図6(a)は図3に対応する図であり、図6(b)は図6(a)の矢印VI−VI線に沿って見た図であり、上記例と同様の部分には同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。この第2の例にあっては、ロータコア6が、図6(b)に示されるように、その外周面に半径方向外側に開口するように設けられた凹設部6aを有する形状をなしている。その凹設部6aとロータ1の周壁部1cとにより囲まれた空間により、上記軸線方向孔2aに相当するマグネット挿入孔6aが形成されている。
この第2の例にあっては、ロータコア6及び第1ベース3を一体化して、それらをロータ1に組み付けた後にマグネット5を組み付けることができる。なお、マグネット5に対する位置決め及び固定は第1の例と同様である。
また、図7に本発明に基づく第3の例を示す。この図7(a)も図3に対応する図であり、上記例と同様の部分には同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。この第3の例にあっては、ロータコア2の軸線方向孔2aの図における上側開口面を覆う第2ベース7に、ロータコア形成用積層材において図7(b)に示されるように軸線方向孔2aとなる部分を打ち抜きしていないものが用いられている。
この場合には、第2ベースに、単にロータコア2を形成する積層材となる素材(円環状薄鋼板)を用い、さらに打ち抜き加工を行わないそのままのものを用いることができる。したがって、第2ベースとして別部材により加工したものを用いる必要が無いため、部品コストや製造工数を低減し得るという効果がある。なお、ロータコアの形状にあっては、上記第2の例のものであっても良く、その場合でもこの第3の例を適用し得る。
また、図8に併せて示されるように、本ロータ1には、点火時期基準信号検出用のリラクタ1dが、周壁部1cの一部を半径方向内側から打ち出して形成されている。この影響を受けて、図8の想像線に示されるロータコア2(真円)に対して周壁部1cのリラクタ1d近傍が半径方向内側に変形した(図では説明上強調して示している)場合には、周壁部1cと略同一径のロータコア2を挿入する際にその角部が上記半径方向内側変形部にかじってしまい、ロータコア2をロータ1に挿入することが困難になる。
それに対して、本ロータ1のかしめ部1aは、図9に良く示されるようにロータ1の周壁部1cの内周面よりも外側に設けられている。すなわち、かしめ部1aは、ロータ1の周壁部1cの内径D1よりも拡径された内径D2(ロータコア2の外径D3よりも大径)の内周面を有するように、周壁部1cの内周面に対して半径方向外側に広げられた環状壁形状に形成されている。そして、周壁部1cの内周面とかしめ部1aとの間には軸線方向外方(図における上方)に拡開するテーパ面1eが形成されている。したがって、上記リラクタ1dの打ち出し形成による歪みが生じたロータ1に対しても、ロータコア2をかしめ部1aの部分には容易に挿入でき、さらに押し込むことにより、ロータコア2をテーパ面1eによりガイドして周壁部1c内に挿入可能である。その周壁部1c内への挿入時に、ロータコア2により周壁部1cが矯正されるため、ロータコア2をロータ1の底部まで容易に挿入することができる。
なお、上記テーパ面1eを有するかしめ部1aの加工にあっては、ロータ1を例えば絞り加工する時に同時に行うことができ、加工工数の増加となることはない。また、上記したように矯正しながら挿入可能であることから、ロータ1の周壁部1cとロータコア2とのクリアランス(D1−D3)をできるだけ小さく設定することができ、ロータ1とロータコア2との芯出し精度を高め得ることから、バランス性も向上する。
産業上の利用可能性
上記した説明により明らかなように、本発明によれば、マグネットを保持したロータコアを、軸線方向に対しては回転体の受け部とかしめ部との間に両ベースにより挟持された状態で固定し、回転方向(周方向)には回転体に対して周方向変位防止手段により周方向変位を防止することができる。
さらに、マグネットとロータコアとの加工寸法誤差の吸収にあっては、マグネットの高さ方向(軸線方向)に対しては可撓性突起の変形により、マグネットの幅方向(周方向)に対しては係止片の突入によりマグネット保持孔とマグネットとの間の隙間を埋めて対応することができるため、接着材を用いることなく回転子におけるマグネットの保持構造を実現でき、接着材の塗布・乾燥工程を必要とせず、生産コストを低廉化し得る。
また、回転体のかしめ部をロータコアを受容する周壁部の内径よりも拡径した位置に設けることにより、ロータコアの回転体への組み付け時にロータコアをかしめ部によりガイドして回転体に挿入することができ、例えば回転体とロータコアとの真円度が出ていなくても挿入することができるため、組み付け作業が容易になり、生産コストを低廉化し得る。
また、ロータコアに軸線方向孔を設けてマグネット保持孔とすることにより、ロータコアを回転体に組み付ける前にマグネットをロータコアに組み付けることができ、マグネットを組み付ける際の取り扱いが楽であると共に、ベースに設けた係止片を軸線方向孔内に突入させることにより、回転体への組み付け前にロータコアにマグネットを容易に位置決めすることができる。
また、ロータコアの外周面に設けた凹設部と回転体の周壁部とにより真マグネット保持孔を形成することにより、ロータコアの半径方向外側の肉厚を必要としないため、ロータコアの外径及び回転体の内径を小さくすることができる。したがって、回転体を小径化することができるため、モータ全体をコンパクト化し得る。
また、両ベースの一方に、ロータコア形成用積層材において軸線方向孔または凹設部を形成するための打ち抜きを行っていないものを用いることにより、そのベースとして別部材により加工したものを用いる必要が無く、単にロータコアを形成する積層材となる素材をそのまま用いことができ、部品コストや製造工数を低減し得る。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明が適用された電動機または発電機の回転子を示す分解組み立て斜視図。
図2は、第1ベースの要部を拡大して示す図。
図3は、回転子の組み付け状態を示す要部拡大縦断面図。
図4は、図2の矢印II−II線に沿って要部を破断して見た図。
図5は、第2ベースの要部を拡大して示す図。
図6aは第2の例を示す図3に対応する図であり、図6bは図6aの矢印VI−VI線に沿って見た部分破断平面図
図7aは第3の例を示す図3に対応する図であり、図7bは第2ベースを示す部分平面図。
図8は、ロータユニットのリラクタ部分を示す要部拡大説明図。
図9は、ロータユニットのかしめ部を拡大して示す断面図。
図10は、回転子のマグネット保持構造の一例を示す分解組み立て説明図。
Claims (7)
- 複数のマグネットと、前記複数のマグネットを円周方向に配置するための複数のマグネット保持孔を備える円筒状のロータコアと、前記ロータコアを同軸的に受容する円筒状の回転体とを有する回転子のマグネット保持構造であって、
前記回転体が、前記ロータコアを軸線方向に受け止めるための受け部を有すると共に、
前記受け部と前記ロータコアとの間に介装された第1ベースと、前記ロータコアの前記第1ベースとは相反する側に配置された第2ベースと、前記ロータコア及び前記マグネットを前記回転体に対して軸線方向に抜け止めするべく前記第2ベースを固定するために前記回転体に設けられたかしめ部と、前記ロータコアの前記回転体に対する周方向変位を防止するべく前記回転体及び前記第1ベース及び前記ロータコアとの各間に設けられた周方向変位防止手段とを有することを特徴とする回転子のマグネット保持構造。 - 前記両ベースの一方に、前記マグネットの軸線方向寸法誤差を吸収するべく前記マグネットの軸線方向端面を押圧する可撓性突起と、前記マグネットの周方向変位を規制するべく前記マグネット保持孔と前記マグネットとの間に突入させる係止片とを設けたことを特徴とする請求項1に記載の回転子のマグネット保持構造。
- 前記回転体が前記ロータコアを外囲する周壁部を有し、
前記かしめ部が前記周壁部の内径よりも拡径された位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転子のマグネット保持構造。 - 前記マグネット保持孔が、前記ロータコアに設けられた軸線方向孔からなることを特徴とする請求項2に記載の回転子のマグネット保持構造。
- 前記マグネット保持孔が、前記ロータコアの外周面に設けた凹設部と、前記周壁部の内周面とにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転子のマグネット保持構造。
- 前記両ベースの他方に、前記ロータコアを形成する積層材において前記軸線方向孔の打ち抜きを行っていないものが用いられていることを特徴とする請求項4に記載の回転子のマグネット保持構造。
- 前記両ベースの他方に、前記ロータコアを形成する積層材において前記凹設部を設けていないものが用いられていることを特徴とする請求項5に記載の回転子のマグネット保持構造。
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