JPWO2002029129A1 - 圧電薄膜及びその製造方法、並びにその圧電薄膜を備えた圧電素子、並びにその圧電素子を用いたインクジェットヘッド、並びにそのインクジェットヘッドを備えたインクジェット式記録装置 - Google Patents

圧電薄膜及びその製造方法、並びにその圧電薄膜を備えた圧電素子、並びにその圧電素子を用いたインクジェットヘッド、並びにそのインクジェットヘッドを備えたインクジェット式記録装置 Download PDF

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Abstract

大きな圧電変位を得ることのできる圧電薄膜である。この圧電薄膜の化学組成はPb1+a(ZrxTi1−x)O3+a(但し、0.2≦a≦0.6、0.50≦x≦0.62)で表記される。この圧電薄膜の結晶構造は、構成元素である酸素イオン、チタンイオン、ジルコニウムイオンの一部が欠けたイオン欠損のあるペロブスカイト型の柱状結晶領域(24)と、イオン欠損のない化学量論組成のペロブスカイト型の柱状結晶領域(25)の混合体からなる。この圧電薄膜の構成によれば、イオン欠陥のあるペロブスカイト型の柱状結晶領域(24)によって結晶内の残留圧縮応力を緩和することができるので、大きな圧電変位(変位量)を得ることが可能となる。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、マイクロポンプ、マイクロスピーカー、インクジエツトヘツド等に利用される圧電薄膜及びその製造方法、並びにその圧電薄膜を備えた圧電素子、並びにその圧電薄膜を用いたインクジェットヘッド、並びにそのインクジェットヘッドを備えたインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
(背景技術)
圧電材料は、機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換し、あるいは電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する材料である。圧電材料の代表的なものとしては、ペロブスカイト型の結晶構造を有するチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)(以下、『PZT』と記す)がある。特にペロブスカイト型の正方晶系結晶構造を有するPZTの場合には、c軸方向(〈001〉軸方向)に最も大きな圧電変位が得られる。しかし、多くの圧電材料は、結晶粒子の集合体からなる多結晶体であり、各結晶粒子の結晶軸はでたらめな方向を向いている。従って、自発分極Psもでたらめに配列している。
【0003】
ところで、近年の電子機器の小型化に伴なって、圧電素子に対しても小型化が強く要求されるようになってきた。そして、その要求を満たすために、圧電素子は従来から多く使用されてきた焼結体に比べて著しく体積の小さい薄膜の形態で使用されるようになりつつあり、圧電素子に対する薄膜化の研究開発が盛んになってきた。例えば、PZTの場合、自発分極Psはc軸方向を向いているので、薄膜化しても高い圧電特性を実現するためには、PZT薄膜を構成する結晶のc軸を基板表面に対して垂直方向に揃える必要がある。そして、これを実現するために、従来においては、結晶方位(100)面が表面に出るように切り出した岩塩型結晶構造の酸化マグネシウム(MgO)からなる単結晶の基板を用い、その表面に対して垂直方向にc軸(〈001〉軸)配向したPZT薄膜を600〜700℃の温度で形成していた(例えば、J. Appl. Phys. vol.65, No.4 (15 Feb. 1989) pp.1666−1670、特開平10−209517号公報)。
【0004】
しかし、MgO単結晶基板の熱膨張係数は120×10−7/degであり、PZTの熱膨張係数は56×10−7/degであるため、MgO単結晶基板上にPZT薄膜を形成すると、600〜700℃の形成温度から室温まで冷却する過程において両者の熱膨張係数の差によりPZT薄膜に大きな圧縮応力がかかることになる。そのため、PZT薄膜は、全体が大きく縮んだ状態となり、電気エネルギーによって大きく伸び縮みする性質、すなわち、高い圧電特性が得られないことになる。たとえエッチングによってMgO単結晶基板を取り除いたとしても、室温付近では結晶内の各イオンの拡散が起こらないために、PZT薄膜に圧縮応力が残留し完全に緩和されることはないので、大きな圧電変位を得ることができないという問題がある。
【0005】
(発明の開示)
本発明は、従来技術における前記課題を解決するためになされたものであり、大きな圧電変位を得ることのできる圧電薄膜及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、高性能な圧電素子、インクジェットヘッド、及びインクジェット式記録装置を提供することを目的とする。
【0007】
前記目的を達成するため、本発明に係る圧電薄膜の構成は、化学組成がPb1+a(ZrTi1−x)O3+a(但し、0.2≦a≦0.6、0.50≦x≦0.62)で表記され、その構成元素である酸素イオン、チタンイオン、ジルコニウムイオンの一部が欠けたイオン欠損のあるペロブスカイト型の柱状結晶領域と、イオン欠損のない化学量論組成のペロブスカイト型の柱状結晶領域とからなることを特徴とする。
【0008】
イオン欠陥のあるペロブスカイト型の柱状結晶領域は、結晶内の残留圧縮応力を、柔らかいコイルバネのように自ら変形することによって吸収することができる。従って、前記本発明の圧電薄膜の構成によれば、イオン欠陥のあるペロブスカイト型の柱状結晶領域によって結晶内の残留圧縮応力を緩和することができ、その結果、大きな圧電変位(変位量)を得ることが可能となる。
【0009】
また、前記本発明の圧電薄膜の構成においては、前記のイオン欠損のない化学量論組成のペロブスカイト型の柱状結晶の直径が150〜400nmの範囲にあるのが好ましい。
【0010】
また、前記本発明の圧電薄膜の構成においては、X線回折的に正方晶系のペロブスカイト型の結晶構造を示し、かつ、c軸方向に成長した薄膜であるのが好ましい。
【0011】
また、前記本発明の圧電薄膜の構成においては、表面に垂直な方向から電子線を入射させたときの電子線回折がペロブスカイト型単結晶のc面のスポットパターンを示すのが好ましい。
【0012】
本発明に係る圧電薄膜の製造方法は、基板上に、チタン酸ランタン鉛のターゲットを用いて、スパッタリング法により、c軸が前記基板表面に対して垂直方向に成長したペロブスカイト型の結晶からなる膜厚が0.005〜0.05μmの極薄の第1の層を形成し、前記第1の層の上に、酸化鉛が過剰のチタン酸ジルコン酸鉛のターゲットを用いて、スパッタリング法により、化学組成がPb1+a(ZrTi1−x)O3+a(但し、0.2≦a≦0.6、0.50≦x≦0.62)で表記され、その構成元素である酸素イオン、チタンイオン、ジルコニウムイオンの一部が欠けたイオン欠損のあるペロブスカイト型の柱状結晶領域と、イオン欠損のない化学量論組成のペロブスカイト型の柱状結晶領域とからなる圧電薄膜を形成することを特徴とする。
【0013】
また、前記本発明の圧電薄膜の製造方法においては、前記のイオン欠損のない化学量論組成のペロブスカイト型の柱状結晶の直径が150〜400nmの範囲にあるのが好ましい。
【0014】
また、前記本発明の圧電薄膜の製造方法においては、前記圧電薄膜が、X線回折的に正方晶系のペロブスカイト型の結晶構造を示し、かつ、c軸方向に成長した薄膜であるのが好ましい。
【0015】
また、前記本発明の圧電薄膜の製造方法においては、前記圧電薄膜の表面に垂直な方向から電子線を入射させたときの電子線回折がペロブスカイト型単結晶のc面のスポットパターンを示すのが好ましい。
【0016】
本発明に係る圧電素子の構成は、一対の電極の間に、化学組成がPb1+a(ZrTi1−x)O3+a(但し、0.2≦a≦0.6、0.50≦x≦0.62)で表記され、その構成元素である酸素イオン、チタンイオン、ジルコニウムイオンの一部が欠けたイオン欠損のあるペロブスカイト型の柱状結晶領域と、イオン欠損のない化学量論組成のペロブスカイト型の柱状結晶領域とからなる圧電薄膜を備えたことを特徴とする。
【0017】
前記本発明の圧電素子の構成によれば、大きな圧電変位(変位量)を得ることが可能な前記本発明の圧電薄膜を備えているので、高性能な圧電素子を実現することができる。
【0018】
また、前記本発明の圧電素子の構成においては、前記のイオン欠損のない化学量論組成のペロブスカイト型の柱状結晶の直径が150〜400nmの範囲にあるのが好ましい。
【0019】
また、前記本発明の圧電素子の構成においては、前記圧電薄膜が、X線回折的に正方晶系のペロブスカイト型の結晶構造を示し、かつ、c軸方向に成長した薄膜であるのが好ましい。
【0020】
また、前記本発明の圧電素子の構成においては、前記圧電薄膜の表面に垂直な方向から電子線を入射させたときの電子線回折がペロブスカイト型単結晶のc面のスポットパターンを示すのが好ましい。
【0021】
本発明に係るインクジェットヘッドは、一対の電極間に前記本発明の圧電薄膜を備えた圧電素子からなるアクチュエータ部と、前記アクチュエータ部の変位によってインク液に圧力を加える圧力室部品と、前記圧力室部品にインク液を供給するインク液流路部品と、インク液を押し出すノズル板とが接着されたインク吐出素子と、前記インク吐出素子を駆動する駆動電源素子とから構成されていることを特徴とする。このインクジェットヘッドの構成によれば、アクチュエータ部が大きな圧電変位(変位量)を得ることが可能な圧電素子を用いて作製されているため、インク液の吐出能力が高い。また、このようにインク液の吐出能力が高いため、電源電圧の調整幅にマージンを大きくとることができるので、インク液の吐出のばらつきを容易にコントロールすることができる。
【0022】
また、本発明に係るインクジェット式記録装置の構成は、前記本発明のインクジェットヘッドと、前記のインクジェットヘッドを記録媒体の幅方向に移送するインクジェットヘッド移送手段と、前記インクジェットヘッドの移送方向に対して略垂直方向に前記記録媒体を移送する記録媒体移送手段とを備えたことを特徴とする。このインクジェット式記録装置の構成によれば、インク液の吐出のばらつきを容易にコントロールすることのできるインクジェットヘッドを用いて構成することにより、記録媒体に対する記録のばらつきを小さくすることができるので、信頼性の高いインクジェット式記録装置を実現することができる。
【0023】
(発明を実施するための最良の形態)
以下、実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
【0024】
[第1の実施の形態]
図1は本発明の第1の実施の形態における圧電素子を示す斜視図である。図1に示すように、本実施の形態の圧電素子10は、長さが800μm、厚さが4.1μmのT字型の平板形状に形成されている。圧電素子10の一端部10a(長さ300μm)は、他の部分10b(長さ500μm)と比べて幅広に形成されている。すなわち、圧電素子10の一端部10aの幅は500μmであり、圧電素子10の他の部分10bの幅は50μmである。圧電素子10は、その一端部10aが導電性接着剤(銀ペースト)7によって導電性支持基板(ステンレス基板)4に固定され、これにより片持ち梁が構成されている。
【0025】
圧電素子10は、厚さ0.1μmの白金製下部電極1と、下部電極1の上に設けられた厚さ2.5μmの圧電薄膜2と、圧電薄膜2の上に設けられた厚さ1.5μmのアルミニウム製上部電極3とにより構成されている。下部電極1と電気的に導通している導電性支持基板4には、リード線5が接続されている。また、上部電極3には、圧電素子10の一端部10aに位置してリード線6が接続されている。そして、リード線5、6を介して圧電素子10の下部電極1と上部電極3との間に電圧を印加すると、圧電薄膜2は図1のx方向に伸びる。圧電薄膜2の伸びの変化量ΔL(m)は、印加電圧をE(V)、圧電薄膜2の厚さをt(m)、圧電薄膜2の長さをL(m)、圧電薄膜2の圧電定数をd31(pm/V)として、下記(数1)によって表記される。
[数1]
ΔL=d31×L×E/t
ここで、膜厚の薄い下部電極1と接合している圧電薄膜2の下側部分はx方向へ伸びるが、膜厚の厚い上部電極3と接合している圧電薄膜2の上側部分は、膜厚の厚い上部電極3によってその伸び変位が抑制される。その結果、導電性支持基板4に固定された一端部10a(端子側)と反対側の圧電素子10の先端が図1の+z軸方向に変位する。従って、電圧の印加と除去を一定周波数で繰り返すと、圧電素子10の先端が所定の変位幅でz軸方向に上下運動する。そして、印加電圧と圧電素子10の先端の変位幅の大きさの関係を測定することにより、圧電薄膜2の変位特性を評価することができる。
【0026】
次に、圧電素子10の製造方法について、図2を参照しながら説明する。図2は本発明の第1の実施の形態における圧電素子の製造方法を示す工程図である。
【0027】
まず、図2(a)に示すように、酸化マグネシウム(MgO)からなる単結晶基板20上にスパッタリング法によって白金(Pt)からなる下部電極1を形成し、次いで、下部電極1上にスパッタリング法によって圧電薄膜2を形成した。この圧電薄膜2の製造方法については、後で詳細に説明する。ここで、単結晶基板20は、結晶方位(100)面が表面に出るように切り出されており、その厚みは0.3mm、表面サイズは20mm×10mmである。また、下部電極1は、その厚みが0.1μmであり、(100)面が表面となっている。また、圧電薄膜2の厚みは2.5μmである。次いで、圧電薄膜2上にスパッタリング法によってアルミニウム(Al)からなる厚み1.5μmの上部電極3を形成した。これにより、単結晶基板20と下部電極1と圧電薄膜2と上部電極3とからなる積層体26が得られた。
【0028】
次いで、図2(b)に示すように、積層体26を、接着剤(アクリル樹脂)21を用いてガラス基板22に貼り合わせた。ここで、ガラス基板22は上部電極3と対向配置されており、また、ガラス基板22と上部電極3との間にも接着剤21が介在した状態となっている。
【0029】
次いで、単結晶基板20をリン酸水溶液を用いて除去し、その後、図2(c)に示すように、下部電極1上にT字型(図1参照)のフォトレジストパターン23を形成した。
【0030】
次いで、図2(d)に示すように、ドライエッチング法によって下部電極1と圧電薄膜2と上部電極3を図1に示す圧電素子10の形状と寸法に加工した。
【0031】
次いで、図2(e)に示すように、下部電極1の一端部(図1の圧電素子10の一端部10aを参照)を導電性接着剤7によって導電性支持基板4に固定した。
【0032】
次いで、図2(f)に示すように、接着剤21とガラス基板22を有機溶剤(エチルアルコール)を用いて溶解除去し、図1に示すように、下部電極1と電気的に導通している導電性支持基板4にリード線5を取り付けると共に、上部電極3にリード線6を取り付けた。
【0033】
圧電薄膜2は、以下のようにして作製した。
【0034】
すなわち、まず、(100)面が表面となっている白金(Pt)からなる下部電極1が形成された酸化マグネシウム(MgO)からなる単結晶基板20を、RFマグネトロンスパッタ装置のチャンバーの中で予め560℃の温度に加熱保持し、チタン酸ランタン鉛(Pb0.92(La0.08Ti)O)のターゲットを用いて、下部電極1上に、c軸(〈001〉軸)が表面に対して垂直方向に成長したペロブスカイト型結晶構造でランタンを含有するチタン酸鉛からなる膜厚0.02μmの極薄の薄膜を形成した。この場合、アルゴンと酸素の混合ガス(ガス体積比Ar:O=19:1)をスパッタリングガスとして用い、そのトータルガス圧力を0.3Paに保持し、300Wの高周波電力を印加して10分間スパッタリングを行った。尚、この極薄の薄膜の膜厚は0.005〜0.05μmの範囲にあるのが望ましい。
【0035】
次いで、基板温度を600℃にし、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr0.53Ti0.47)O)に酸化鉛(PbO)をモル比で50%過剰に加えて調合したターゲットを用いて、前記極薄の薄膜の上に化学組成がPb1.50(Zr0.53Ti0.47)O3.5で表記される膜厚2.5μmの圧電薄膜2を形成した。この場合、アルゴンと酸素の混合ガス(ガス体積比Ar:O=19:1)をスパッタリングガスとして用い、そのトータルガス圧力を0.3Paに保持し、600Wの高周波電力を印加して2時間スパッタリングを行った。尚、加えられる酸化鉛(PbO)の量は、モル比で20〜60%であるのが望ましい。
【0036】
X線回折法によって解析した結果、圧電薄膜2は、正方晶系のペロブスカイト型の結晶構造を示し、かつ、c軸方向に成長した薄膜(c軸のみが表面に垂直な方向を向いた構造の薄膜)であることが分かった。
【0037】
また、X線マイクロアナライザーによる組成分析の結果、圧電薄膜2の陽イオンの組成比はPb:Zr:Ti=1.50:0.53:0.47であり、Pb1.50(Zr0.53Ti0.47)O3.5で表記できる化学組成になっていることが分かった。また、圧電薄膜2と白金薄膜(下部電極1)の界面近傍をX線マイクロアナライザーによって分析した結果、白金薄膜(下部電極1)の表面近傍に微量のランタンが存在していることが分かった。
【0038】
また、圧電薄膜2の表面に垂直な方向から電子線を入射させて電子線回折パターンを解析した結果、ペロブスカイト型単結晶のc面のスポットパターンを示すことが分かった。
【0039】
さらに、透過型電子顕微鏡による圧電薄膜断面の解析結果を加味すると、本実施の形態の圧電薄膜2の断面構造は、図3に模式的に示す構造になっていることが分かった。すなわち、図3に示すように、本実施の形態の圧電薄膜2は、酸素イオン、チタンイオン、ジルコニウムイオンの一部が欠けたイオン欠陥のあるペロブスカイト型の柱状結晶領域24と、イオン欠陥のない化学量論組成のペロブスカイト型の柱状結晶領域25とにより構成されている。このような圧電薄膜2の構成によれば、イオン欠陥のあるペロブスカイト型の柱状結晶領域24によって、従来問題となっていた結晶内の残留圧縮応力を緩和することができる。尚、イオン欠陥のない化学量論組成のペロブスカイト型の柱状結晶領域25の柱状結晶の直径は150〜400nmの範囲にあるのが望ましい。
【0040】
上記のようにして作製した圧電素子10の下部電極1と上部電極3との間にリード線5、6を介して±20Vの三角波電圧を印加し、圧電素子10の先端のz軸方向の上下運動の変位量を測定した。図4に、周波数10Hzの電圧を印加した場合の圧電素子10の先端のz軸方向の上下運動の変位量を示す。図4に示すように、±20Vの電圧を印加した場合、圧電素子10の先端は最大で±32μm変位している。
【0041】
化学組成の異なるスパッタターゲットを用いて圧電薄膜の組成と厚みの異なる圧電素子を作製し、上記と同様にしてそれぞれの先端のz軸方向の上下運動の変位量を測定した。尚、このときの下部電極1と上部電極3の材料と厚みは、上記圧電素子10の場合と同じである。下記(表1)に、その結果を示す。
【0042】
【表1】
Figure 2002029129
上記(表1)から明らかなように、圧電薄膜の化学組成をPb1+a(ZrTi1−x)O3+aで表記したとき、鉛の過剰モル比aが0.2以上0.6以下の場合に大きな変位量が得られ、また、ジルコンの組成モル比xが0.50以上0.62以下の場合に大きな変位量が得られることが分かる。また、圧電薄膜の厚みが1.7μm以上の場合に大きな変位量が得られることが分かる。しかし、圧電薄膜の厚みが7μmを超えると、圧電薄膜の形成時に表面の凹凸が大きくなり、上部電極3を平坦に形成することが困難となり、その結果、変位量のばらつきの小さい圧電素子を安定して作製することが困難になることが分かった。
【0043】
比較例として、従来の圧電薄膜である化学組成がPb(Zr0.53Ti0.47)Oで表記できる薄膜を用いて、その他の構成が図1と同じ圧電素子を作製して、印加電圧と先端変位量との関係を測定した。その結果を図5に示す。図5に示すように、±20Vの電圧を印加したとき、この圧電素子の先端の変位量は最大±15μmであり、本実施の形態の圧電素子の場合よりも小さかった。尚、この結果は、上記(表1)のNo.20に従来例として挙げられている。
【0044】
以上のように、本実施の形態の圧電薄膜によれば、化学組成がPb1+a(ZrTi1−x)O3+a(但し、0.2≦a≦0.6、0.50≦x≦0.62)で表記され、その構成元素である酸素イオン、チタンイオン、ジルコニウムイオンの一部が欠けたイオン欠陥のあるペロブスカイト型の柱状結晶領域24と、イオン欠陥のない化学量論組成のペロブスカイト型の柱状結晶領域25とにより構成されることにより、イオン欠陥のあるペロブスカイト型の柱状結晶領域24によって結晶内の残留圧縮応力を緩和することができるので、大きな圧電変位(変位量)を得ることが可能となる。
【0045】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の圧電薄膜を用いたインクジェットヘッドについて説明する。
【0046】
図6は本発明の第2の実施の形態におけるインクジェットヘッドを示す概略構成図である。図6に示すように、本実施の形態のインクジェットヘッド201は、10個が列になって並んで配置された同形状のインク吐出素子202と、それぞれのインク吐出素子202の電極と連結され、それらのインク吐出素子202を駆動する駆動電源素子203とより構成されている。
【0047】
図7は本発明の第2の実施の形態におけるインクジェットヘッドに用いられるインク吐出素子を示す一部破断した分解斜視図である。図7に示すインク吐出素子202において、Aは圧力室部品であって、この圧力室部品Aには圧力室用開口部31が形成されている。Bは圧力室用開口部31の上端開口面(大きさ:短軸が200μm、長軸が400μmの楕円形状)を覆うように配置されたアクチュエータ部、Cは圧力室用開口部31の下端開口面を覆うように配置されたインク液流路部品である。すなわち、圧力室部品Aの圧力室用開口部31は、その上下に位置するアクチュエータ部Bとインク液流路部品Cとにより区画され、これにより圧力室32(厚さ0.2mm)が形成されている。尚、アクチュエータ部Bには、圧力室32の上方に位置して個別電極33が配置されている。また、インク液流路部品Cには、インク液供給方向に並ぶ、複数個のインク吐出素子202の各圧力室32間で共用される共通液室35と、この共通液室35を圧力室32に連通する供給口36と、圧力室32内のインク液が流出するインク流路37とが形成されている。Dはノズル板であって、このノズル板Dにはインク流路37に連通するノズル孔38(直径30μm)が穿設されている。以上の部品A〜Dが接着剤によって接着されて、インク吐出素子202が得られる。尚、図6において、駆動電源素子203は、ボンディングワイヤーを介して複数のインク吐出素子202の各個別電極33に電圧を供給する。
【0048】
次に、アクチュエータ部Bの構成について、図8を参照しながら説明する。図8は本発明の第2の実施の形態におけるインクジェットヘッドに用いられるインク吐出素子のアクチュエータ部を示す図7のVII−VII線断面図である。図8に示すように、アクチュエータ部Bは、上方に位置する厚さ0.1μmの白金(Pt)薄膜からなる個別電極33と、この個別電極33の直下に位置する厚さ3.0μmの圧電薄膜41と、この圧電薄膜41の圧電効果によって変位し振動する振動板を兼ねた共通電極44とを有している。ここで、圧電薄膜41の材料としては、化学組成がPb1.50(Zr0.53Ti0.47)O3.5で表記される圧電材料が用いられている。また、振動板を兼ねた共通電極44は、導電性物質であるクロム(Cr)薄膜(厚さ3.5μm)からなり、各インク吐出素子202のそれぞれの圧力室32間で共用されている。さらに、アクチュエータ部Bは、振動板を兼ねた共通電極44と各圧電薄膜41との間に配置され、両者の密着を強固にする密着層43を有している。この密着層43は、チタン(Ti)の薄膜(厚さ0.05μm)からなる。また、個別電極33が上部表面に形成された圧電薄膜41の周囲には、この圧電薄膜41と同じ膜厚のポリイミド樹脂からなる電気絶縁有機膜42によって覆われており、個別電極33のリード線形状部分は、この電気絶縁有機膜42の上部に形成されている。尚、電気絶縁有機膜42は印刷法によって形成し、その他の薄膜はスパッタリング法によって形成した。
【0049】
以上のように構成されたインクジェットヘッド201においては、駆動電源素子203からボンディングワイヤーを介して複数のインク吐出素子202の各個別電極33に電圧が供給され、圧電薄膜41の圧電効果によって共通電極44が変位し振動することにより、共通液室35内のインク液が供給口36、圧力室32、インク流路37を経由してノズル孔38から吐出される。この場合、インクジェットヘッド201は、大きな圧電変位(変位量)を得ることが可能な圧電薄膜41を用いて作製されているため、インク液の吐出能力が高い。また、このようにインク液の吐出能力が高いために、電源電圧の調整幅にマージンを大きくとることができるので、複数個のインク吐出素子202間のインク液の吐出のばらつきを容易にコントロールすることができる。
【0050】
[第3の実施の形態]
次に、本発明のインクジェットヘッドを備えたインクジェット式記録装置について説明する。
【0051】
図9は本発明の第3の実施の形態におけるインクジェット式記録装置の全体を示す概略斜視図である。図9に示すように、本実施の形態のインクジェット式記録装置51は、圧電薄膜の圧電効果を利用して記録を行う本実施の形態のインクジェットヘッド201を備えており、インクジェットヘッド201から吐出したインク滴を紙等の記録媒体52に着弾させることにより、記録媒体52に記録を行うことができる。インクジェットヘッド201は、主走査方向(図9のX方向)に沿って配置されたキャリッジ軸53に摺動可能に取り付けられたキャリッジ54に搭載されている。そして、キャリッジ54がキャリッジ軸53に沿って往復動することにより、インクジェットヘッド201は主走査方向Xに往復動する。さらに、インクジェット式記録装置51は、記録媒体52をインクジェットヘッド201の幅方向(すなわち、主走査方向X)と略垂直方向の副走査方向Yに移動させる複数個のローラ(記録媒体移送手段)55を備えている。
【0052】
以上のように、複数個のインク吐出素子間のインク液の吐出のばらつきを容易にコントロールすることのできる上記第2の実施の形態のインクジェットヘッド201を用いてインクジェット式記録装置を構成することにより、紙等の記録媒体52に対する記録のばらつきを小さくすることができるので、信頼性の高いインクジェット式記録装置を実現することができる。
【0053】
(産業上の利用可能性)
以上のように、本発明によれば、大きな圧電変位(変位量)を得ることが可能な圧電薄膜を実現することができるので、インク液の吐出能力の向上が要求されるインクジェットヘッドに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第1の実施の形態における圧電素子を示す斜視図
【図2】
本発明の第1の実施の形態における圧電素子の製造方法を示す工程図
【図3】
本発明の第1の実施の形態における圧電薄膜の断面構造を示す模式図
【図4】
本発明の第1の実施の形態における圧電素子の特性図
【図5】
本発明の第1の実施の形態における従来の圧電素子を用いた場合の特性図
【図6】
本発明の第2の実施の形態におけるインクジェットヘッドを示す概略構成図
【図7】
本発明の第2の実施の形態におけるインクジェットヘッドに用いられるインク吐出素子を示す一部破断した分解斜視図
【図8】
本発明の第2の実施の形態におけるインクジェットヘッドに用いられるインク吐出素子のアクチュエータ部を示す図7のVII−VII線断面
【図9】
本発明の第3の実施の形態におけるインクジェットヘッドを備えたインクジェット式記録装置の全体を示す概略斜視図

Claims (14)

  1. 化学組成がPb1+a(ZrTi1−x)O3+a(但し、0.2≦a≦0.6、0.50≦x≦0.62)で表記され、その構成元素である酸素イオン、チタンイオン、ジルコニウムイオンの一部が欠けたイオン欠損のあるペロブスカイト型の柱状結晶領域と、イオン欠損のない化学量論組成のペロブスカイト型の柱状結晶領域とからなる圧電薄膜。
  2. 前記のイオン欠損のない化学量論組成のペロブスカイト型の柱状結晶領域柱状結晶の直径が150〜400nmの範囲にある請求項1に記載の圧電薄膜。
  3. X線回折的に正方晶系のペロブスカイト型の結晶構造を示し、かつ、c軸方向に成長した薄膜である請求項1に記載の圧電薄膜。
  4. 表面に垂直な方向から電子線を入射させたときの電子線回折がペロブスカイト型単結晶のc面のスポットパターンを示す請求項1に記載の圧電薄膜。
  5. 基板上に、チタン酸ランタン鉛のターゲットを用いて、スパッタリング法により、c軸が前記基板表面に対して垂直方向に成長したペロブスカイト型の結晶からなる膜厚が0.005〜0.05μmの極薄の第1の層を形成し、前記第1の層の上に、酸化鉛が過剰のチタン酸ジルコン酸鉛のターゲットを用いて、スパッタリング法により、化学組成がPb1+a(ZrTi1−x)O3+a(但し、0.2≦a≦0.6、0.50≦x≦0.62)で表記され、その構成元素である酸素イオン、チタンイオン、ジルコニウムイオンの一部が欠けたイオン欠損のあるペロブスカイト型の柱状結晶領域と、イオン欠損のない化学量論組成のペロブスカイト型の柱状結晶領域とからなる圧電薄膜を形成する圧電薄膜の製造方法。
  6. 前記イオン欠損のない化学量論組成のペロブスカイト型の柱状結晶領域の柱状結晶の直径が150〜400nmの範囲にある請求項5に記載の圧電薄膜の製造方法。
  7. 前記圧電薄膜が、X線回折的に正方晶系のペロブスカイト型の結晶構造を示し、かつ、c軸方向に成長した薄膜である請求項5に記載の圧電薄膜の製造方法。
  8. 前記圧電薄膜の表面に垂直な方向から電子線を入射させたときの電子線回折がペロブスカイト型単結晶のc面のスポットパターンを示す請求項5に記載の圧電薄膜の製造方法。
  9. 一対の電極の間に、化学組成がPb1+a(ZrTi1−x)O3+a(但し、0.2≦a≦0.6、0.50≦x≦0.62)で表記され、その構成元素である酸素イオン、チタンイオン、ジルコニウムイオンの一部が欠けたイオン欠損のあるペロブスカイト型の柱状結晶領域と、イオン欠損のない化学量論組成のペロブスカイト型の柱状結晶領域とからなる圧電薄膜を備えた圧電素子。
  10. 柱状結晶の直径が150〜400nmの範囲にある請求項9に記載の圧電素子。
  11. 前記圧電薄膜が、X線回折的に正方晶系のペロブスカイト型の結晶構造を示し、かつ、c軸方向に成長した薄膜である請求項9に記載の圧電素子。
  12. 前記圧電薄膜の表面に垂直な方向から電子線を入射させたときの電子線回折がペロブスカイト型単結晶のc面のスポットパターンを示す請求項9に記載の圧電素子。
  13. 一対の電極間に請求項1に記載の圧電薄膜を備えた圧電素子からなるアクチュエータ部と、前記アクチュエータ部の変位によってインク液に圧力を加える圧力室部品と、前記圧力室部品にインク液を供給するインク液流路部品と、インク液を押し出すノズル板とが接着されたインク吐出素子と、前記インク吐出素子を駆動する駆動電源素子とによって構成されたインクジェットヘッド。
  14. 請求項13に記載のインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドを記録媒体の幅方向に移送するインクジェットヘッド移送手段と、前記インクジェットヘッドの移送方向に対して略垂直方向に前記記録媒体を移送する記録媒体移送手段とを備えたインクジェット式記録装置。
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