JP3127672B2 - 薄膜におけるPb含有量の局部的バラツキがきわめて小さい強誘電体薄膜の形成が可能なスパッタリングターゲット材 - Google Patents
薄膜におけるPb含有量の局部的バラツキがきわめて小さい強誘電体薄膜の形成が可能なスパッタリングターゲット材Info
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Description
有量の局部的バラツキがきわめて小さい、安定したPb
含有量の強誘電体薄膜の形成が可能なスパッタリングタ
ーゲット材に関するものである。
ルター、さらにキャパシター膜や不揮発性メモリーなど
の強誘電体薄膜としてペロブスカイト結晶構造を有する
PZT,PLZT、およびPLTが知られており、ま
た、これら強誘電体薄膜が、PbとTiの複合酸化物
[以下、(Pb,Ti)O3 で示す]、あるいはPbと
Zrおよび/またはLaとTiの複合酸化物[以下、
[(Pb,Zr/La),Ti]O3 で示す]と、全体
に占める割合で5〜40重量%の過剰の酸化鉛(以下、
PbOで示す)の焼結体からなるターゲット材を用い、
スパッタリングにより形成されることも良く知られると
ころである。
bOは、上記強誘電体薄膜のエピタキシャル温度が約6
00℃と高いために、主成分のPbがスパッタ膜中で不
足気味になり、その化学組成がしばしば目標組成からず
れてしまうことから、このPbの不足を償うために加え
られるものである。
パッタリングターゲット材を用いて形成された強誘電体
薄膜においては、これのPb含有量の局部的バラツキが
大きく、これが原因の特性のバラツキが避けられないの
が現状である。
上述のような観点から、強誘電体薄膜におけるPb含有
量の局部的バラツキを低減すべく、特にスパッタリング
ターゲット材に着目し研究を行なった結果、上記の従来
スパッタリングターゲット材を製造するに際して原料粉
末として用いられているPbO粉末は、その結晶構造が
正方晶系と斜方晶系の混ったものからなるが、これを正
方晶系が90重量%以上を占めたもので構成すると、こ
の結果のスパッタリングターゲット材においては、これ
を用いて強誘電体薄膜を形成した場合、この薄膜におけ
るPb含有量の局部的バラツキがきわめて小さなものと
なるという研究結果を得たのである。
なされたものであって、(Pb,Ti)O3 または
[(Pb,Zr/La),Ti]O3 と、全体に占める
割合で5〜40重量%の過剰のPbOの焼結体、望まし
くはホットプレス焼結体からなるスパッタリングターゲ
ット材において、上記過剰のPbOの90重量%以上を
正方晶系結晶構造を有するPbOで構成することによ
り、薄膜におけるPb含有量の局部的バラツキがきわめ
て小さい強誘電体薄膜の形成を可能ならしめる点に特徴
を有するものである。
過剰のPbOの含有量を5〜40重量%と定めたのは、
その含有量が5重量%未満でも、また40重量%を越え
てもペロブスカイト結晶構造を有する強誘電体薄膜を安
定して形成することができないという理由によるもので
ある。また、この発明のターゲット材を構成する90重
量%以上が正方晶系のPbOは、正方晶系と斜方晶系の
混合物からなる従来PbO粉末を、水に懸濁させた状態
で、これに常温で空気を吹き込む酸化処理を施すことに
より調製することができる。
より具体的に説明する。原料粉末として、いずれも平均
粒径が5μmにして、純度が99.9%以上の(Pb,
Ti)O3 粉末、ZrO2 粉末、La2 O3 粉末、Ti
O2 粉末、さらに表1,2に示される通り正方晶系Pb
Oの目標含有量が、重量%でそれぞれ35%,45%,
55%、および65%、したがって斜方晶系のPbOの
目標含有量がそれぞれこれに対応して65%,55%,
45%、および35%となる4種の従来PbO粉末と、
これら従来PbO粉末に上記の酸化処理を施して、Pb
O粉末中の正方晶系の占める割合をそれぞれ90%,9
5%、および100%の目標値に調製したPbO粉末を
用意し、これら原料粉末を所定の配合組成に配合し、ロ
ッキングミキサーにて15分間混合した後、温度:84
0℃、圧力:200kg/cm2 、保持時間:3時間の条件
でホットプレスして同じく表1,2に示される組成をも
った焼結体とし、これに旋盤加工を加えて外径:324
mm×厚さ:6.35mmの寸法とすることにより過剰Pb
Oの主体(90重量%以上)が正方晶系からなる本発明
ターゲット材1〜12、並びに過剰なPbOにおける正
方晶系と斜方晶系が相互にそれぞれかなりの割合を占め
る従来ターゲット材1〜4をそれぞれ製造した。
ト材1〜12および従来ターゲット材1〜4について、
これをIn−Sn合金はんだ(Sn:30重量%含有)
を用い、無酸素銅製基板にろう付けした状態で、 電源:RF方式、 電力:500W、 雰囲気ガス組成:Ar/O2 =容量比で1/1、 スパッタガス圧:1mm torr 、 ターゲットと強誘電体薄膜形成基体との距離:50mm、 上記基体温度:600℃、 スパッタ時間:10分、 の条件で単結晶Siウェハー(基体)の表面に5000
オングストロームの厚さの強誘電体薄膜を形成した。
ついて、EPMA装置を用い、加速電圧:15KV、照
射電流:5×10-8A、ビーム径:30μmの条件でP
b含有量を測定し、最大値、最小値、および平均値を求
めた。これらの結果を表1,2に示した。
ーゲット材1〜12を用いて形成された強誘電体薄膜中
におけるPb含有量の局部的バラツキが、従来ターゲッ
ト材1〜4を用いて形成された強誘電体薄膜におけるそ
れより一段と小さいことが明らかである。上述のよう
に、この発明のスパッタリングターゲット材は、これを
用いて強誘電体薄膜を形成した場合、前記薄膜における
Pb含有量の局部的バラツキを著しく小さくすることが
できるので、前記薄膜特性の安定化に大いに寄与するも
のである。
Claims (2)
- 【請求項1】 PbとTiの複合酸化物と、全体に占め
る割合で5〜40重量%の過剰の酸化鉛の焼結体からな
るスパッタリングターゲット材において、上記過剰の酸
化鉛の90重量%以上を正方晶系結晶構造を有する酸化
鉛で構成したことを特徴とする薄膜におけるPb含有量
の局部的バラツキがきわめて小さい強誘電体薄膜の形成
が可能なスパッタリングターゲット材。 - 【請求項2】 PbとZrおよび/またはLaとTiの
複合酸化物と、全体に占める割合で5〜40重量%の過
剰の酸化鉛の焼結体からなるスパッタリングターゲット
材において、 上記過剰の酸化鉛の90重量%以上を正方晶系結晶構造
を有する酸化鉛で構成したことを特徴とする薄膜におけ
るPb含有量の局部的バラツキがきわめて小さい強誘電
体薄膜の形成が可能なスパッタリングターゲット材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05187482A JP3127672B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 薄膜におけるPb含有量の局部的バラツキがきわめて小さい強誘電体薄膜の形成が可能なスパッタリングターゲット材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05187482A JP3127672B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 薄膜におけるPb含有量の局部的バラツキがきわめて小さい強誘電体薄膜の形成が可能なスパッタリングターゲット材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0718427A JPH0718427A (ja) | 1995-01-20 |
JP3127672B2 true JP3127672B2 (ja) | 2001-01-29 |
Family
ID=16206849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP05187482A Expired - Lifetime JP3127672B2 (ja) | 1993-06-30 | 1993-06-30 | 薄膜におけるPb含有量の局部的バラツキがきわめて小さい強誘電体薄膜の形成が可能なスパッタリングターゲット材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3127672B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1056145A (ja) | 1996-08-07 | 1998-02-24 | Hitachi Ltd | 半導体集積回路装置の製造方法 |
EP1338672B1 (en) | 2000-10-03 | 2012-01-11 | Panasonic Corporation | Piezoelectric thin film and method for preparation thereof, piezoelectric element, ink-jet head, and ink-jet recording device |
-
1993
- 1993-06-30 JP JP05187482A patent/JP3127672B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0718427A (ja) | 1995-01-20 |
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