JPH069220A - 安定化または部分安定化ジルコニア薄膜およびその製造方法 - Google Patents

安定化または部分安定化ジルコニア薄膜およびその製造方法

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JPH069220A
JPH069220A JP3018351A JP1835191A JPH069220A JP H069220 A JPH069220 A JP H069220A JP 3018351 A JP3018351 A JP 3018351A JP 1835191 A JP1835191 A JP 1835191A JP H069220 A JPH069220 A JP H069220A
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thin film
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zirconia thin
earth metal
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JP3018351A
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Shuji Yamamoto
修二 山本
Hiroshi Ichimura
博司 市村
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】アルカリ土類金属および希土類金属からなる群
から選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物が固溶した
ジルコニアからなり、(111)面のX線回折強度に対
する他の結晶面のX線回折強度が全て20%未満で、かつ
(111)面の回折ピークの半値幅が 0.8度以下である
安定化または部分安定化ジルコニア薄膜およびその製造
方法。 【効果】低温でも酸素イオン導電性を示すため、低温で
使用する酸素センサとして好適である。また、大きな電
流値を得ることができるので、第3世代燃料電池用の固
体電解質としても好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸素センサ、燃料電池
用固体電解質等に用いられる安定化または部分安定化ジ
ルコニア薄膜およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ジルコニアは、室温では単斜晶
系、高温では正方晶系の歪んだ螢石型構造を採るが、ジ
ルコニアにCa,Mg等のアルカリ土類金属やY等の希
土類金属の酸化物を添加すると、広い温度範囲で安定な
正方晶または立方晶が部分的もしくは全体的に生じ、安
定化ジルコニアまたは部分安定化ジルコニアとなる。安
定化ジルコニアとは、最高高温相である螢石型立方晶と
して低温でも安定して存在するものであり、部分安定化
ジルコニアとは、正方晶と立方晶の混合物、立方晶と単
斜晶の混合物、正方晶と単斜晶の混合物または正方晶単
相として存在するものである。両者の相違は前記酸化物
の添加量の差によりもたらされる。
【0003】また、ジルコニア中にCa2+,Mg2+等の
アルカリ土類金属イオンやY3+等の希土類金属イオンな
どのZr4+と価数の異なる金属イオンの酸化物が固溶す
ると、結晶格子中に酸素イオン空孔が生じ、この空孔を
介して酸素イオン導電性が示される。このため、この性
質を利用して、安定化ジルコニアや部分安定化ジルコニ
アを酸素センサや第3世代燃料電池用の固体電解質とし
て使用することが種々検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】酸素センサや燃料電池
用固体電解質としてのジルコニアは、通常、焼結法やプ
ラズマ溶射法により作製される。しかし、これらの方法
で作製されるジルコニアは、密度が理論値より低く、不
透明である上、強度的にも弱いため、ガラス隔膜に用い
た場合にガス漏れを生じるという問題点がある。また、
必要な強度を確保するためには厚さを厚くせざるを得
ず、その結果、内部抵抗が高くなり、取り出せる電流値
が小さくなってしまうという問題点もある。
【0005】本発明の目的は、上記問題点を有しない、
酸素センサや燃料電池用固体電解質として好適な安定化
または部分安定化ジルコニア薄膜およびその製造方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するものとして、アルカリ土類金属および希土類金属
からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物
が固溶したジルコニアからなり、(111)面のX線回
折強度に対する他の結晶面のX線回折強度が全て20%未
満で、かつ(111)面の回折ピークの半値幅が 0.8度
以下である安定化または部分安定化ジルコニア薄膜を提
供する。
【0007】また、本発明は、ジルコニアと、アルカリ
土類金属および希土類金属からなる群から選ばれる少な
くとも一種の金属の酸化物とを蒸着材として用い、5×
10-4Torr以下の真空中で電子ビーム加熱法により成膜速
度50Å/sec以下で成膜することからなる請求項1記載の
安定化または部分安定化ジルコニア薄膜の製造方法を提
供する。
【0008】安定化または部分安定化ジルコニア薄膜 本発明の安定化または部分安定化ジルコニア薄膜は、ジ
ルコニア中にアルカリ土類金属および希土類金属からな
る群から選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物が固溶
していることにより、最高高温相である螢石型立方晶と
して低温でも安定して存在する安定化ジルコニア、また
は正方晶と立方晶の混合物、立方晶と単斜晶の混合物、
正方晶と単斜晶の混合物もしくは正方晶単相として存在
する部分安定化ジルコニアとなっているため、広い温度
範囲で安定しており、しかも結晶格子中に酸素イオン空
孔が生じ、この空孔を介して酸素イオン導電性が示され
る。このジルコニア薄膜中における上記酸化物の含有量
は、通常2〜20 mol%である。また、このジルコニア薄
膜は、(111)面のX線回折強度に対する他の結晶面
のX線回折強度が全て20%未満で、かつ(111)面の
回折ピークの半値幅が 0.8度以下という条件を満たすた
め、緻密で結晶性が良く、かつ大きな結晶で構成された
薄膜となっており、そのためにこのジルコニア薄膜は透
明である。
【0009】製造方法 本発明の製造方法では、蒸着材として、Ca,Mg等の
アルカリ土類金属および/またはY等の希土類金属の酸
化物とジルコニアとを、前者が後者のジルコニアに固溶
している状態、あるいはジルコニアと上記酸化物とを別
々の状態で用いれば良い。但し、Ca等のアルカリ土類
金属の酸化物は一般に蒸気圧がジルコニアよりも高いの
で、このような蒸気圧の高い酸化物が固溶したジルコニ
アを蒸着材とする場合には、作製するジルコニア薄膜の
組成より酸化物含有量が低い蒸着材を用いる必要があ
る。なお、Y2 3 等の希土類金属酸化物が固溶したジ
ルコニアを蒸着材とする場合には、酸化物の蒸気圧がジ
ルコニアと同程度であるため、作製するジルコニア薄膜
と同じ組成の蒸着材を用いれば良い。
【0010】本発明のジルコニア薄膜を製造する場合に
は、上記の蒸着材を用いて、電子ビーム加熱法により成
膜する。すなわち、例えばジルコニア中に所定量のアル
カリ土類金属および/または希土類金属の酸化物が固溶
した蒸着材を用いる場合には、この蒸着材をルツボの中
に入れ、電子ビーム加熱式真空蒸着装置を用いて、5×
10-4Torr以下の真空中で基板上に成膜速度50Å/sec以下
で成膜する。膜厚は、通常30μm以下であり、膜を多孔
質にするためには20μm以下であることが好ましい。ま
た、ジルコニアと上記酸化物とを別の化合物の状態で蒸
着材として用いる場合には、ジルコニアと上記酸化物と
を別のルツボに入れ、電子パワーを制御しつつ多元型で
薄膜中の組成を調整する。上記の成膜時の真空圧が5×
10-4Torrよりも大きいと電子ビーム加熱法を用いること
ができず、また、成膜速度が50Å/secを超えると、得ら
れる薄膜が不透明なものとなる。なお、5×10-4Torr以
下の成膜速度で成膜した場合でも、場合によってはジル
コニアが分解されて酸素含有量が減少し、得られるジル
コニア薄膜の組成が非化学量論的組成となって黒みを帯
びることがある。しかし、その場合には、得られたジル
コニア薄膜を大気中または酸素雰囲気中で焼鈍すれば良
く、焼鈍によって薄膜中に酸素が導入され、薄膜は透明
になる。
【0011】上記のジルコニア薄膜を成膜する基板とし
ては、通常、アルミナ基板、ガラス基板、シリコン基板
等が用いられる。また、上記の成膜時のが低すぎると、
得られるジルコニア薄膜のX線回折強度は(200)配
向が強くなる。しかし、その場合でも、得られた薄膜を
焼鈍すると(111)配向が強くなり、(111)面の
X線回折強度に対する他の結晶面のX線回折強度が全て
20%未満である本発明のジルコニア薄膜とすることがで
きる。また、得られたジルコニア薄膜を成膜時の基板温
度よりも高い温度で使用した場合には、薄膜中の結晶が
微細化し、(111)面の回折ピークの半値幅が増大す
ることがある。これを防ぐには、予めジルコニア薄膜の
使用温度よりも高い温度で焼鈍しておけば良い。なお、
成膜時の基板温度を使用温度より高くしておけば、焼鈍
を省略することができる。
【0012】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。下記の実施例1〜7では、ジルコニア中にY2 3
が固溶した蒸着材を水冷ジャケット付銅製ルツボの中に
入れ、電子ビーム加熱式真空蒸着装置を用いて、5×10
-4Torr以下の真空中で、各温度の基板上に各成膜速度で
成膜した。
【0013】実施例12 3 含有量8 mol%のジルコニアを蒸着材として用
いて、アルミナ基板温度 200℃、成膜速度6Å/secで30
分間かけて厚さ 1.1μmのジルコニア薄膜を成膜した。
同様にして、アルミナ基板温度を300, 400, 500, 600お
よび 700℃に変えて合計6種類のジルコニア薄膜を得
た。これらの各ジルコニア薄膜のX線回折像を求めて
(111)面の回折ピークの半値幅を比較したところ、
アルミナ基板温度が高いほど(111)ピークの半値幅
が大きくなった。このことは、成膜温度が高いほど、結
晶子が大きくなり、優れた特性の薄膜が得られることを
示している。また、各ジルコニア薄膜の(111)面の
X線回折強度に対する他の結晶面のX線回折強度を測定
したところ、何れのジルコニア薄膜のX線回折強度も図
1のグラフに示すような結果になり、(111)面のX
線回折強度に対する他の結晶面のX線回折強度は20%未
満であった。
【0014】実施例2 実施例1においてアルミナ基板温度 250℃で成膜したジ
ルコニア薄膜について、高温X線回折装置を用いて測定
を行い、加熱温度と(111)ピークの半値幅との関係
を求めた。その結果、図2に示すように、半値幅は 600
℃まで 0.7度とほぼ一定であり、 600℃を超えると漸次
減少し、 800℃で約 0.6度、1000℃で約0.35度となっ
た。このことから、高温度で焼鈍すれば、成膜温度を上
げた場合と同様に結晶子の大きな薄膜が得られることが
わかる。また、この実施例2および上記実施例1の結果
から、ジルコニア薄膜を使用温度より高温で焼鈍する
か、あるいは成膜温度を使用温度より高くすれば、使用
中に結晶子の大きさが変化しないことがわかり、このこ
とから、本願発明のジルコニア薄膜は、高温での使用が
可能で、第3世代燃料電池用の固体電解質として使用で
きることがわかる。
【0015】実施例3 アルミナ基板温度を 300℃とし、成膜速度を20, 30, 4
0, 50, 60および70Å/secに変えた以外は実施例1と同
様にして、厚さ約 1.5μmの6種類のジルコニア薄膜を
得た。得られたジルコニア薄膜を目視観察したところ、
表1に示すように、20〜50Å/secの成膜速度で成膜した
ジルコニア薄膜はいずれも透明であったが、60, 70Å/s
ecの成膜速度で成膜したジルコニア薄膜は透明度が悪く
白濁していた。
【0016】
【0017】実施例4 使用した蒸着材のY2 3 含有量を4,8,12および21
mol%に変え、アルミナ基板をシリコン基板に変え、基
板温度を 300℃とした以外は実施例1と同様にして、厚
さ1〜2μmの3種類のジルコニア薄膜を得た。得られ
たジルコニア薄膜の組成をEPMAを用いて測定し、蒸
着材のY2 3 含有量と得られたジルコニア薄膜のY2
3 含有量との関係を求めた。その結果、表2に示すよ
うに、両者は、ほぼ1:1の良い対応を示した。このこ
とから、Y2 3 を含有するジルコニア薄膜を成膜する
場合、成膜すべきジルコニア薄膜と同じ組成の蒸着材を
用いれば良いことがわかる。また、得られた各ジルコニ
ア薄膜のX線回折像を求めて(111)面の回折ピーク
の半値幅および(111)面のX線回折強度に対する他
の結晶面のX線回折強度を測定したところ、Y2 3
有量に関係なく、実施例1と同様な結果であった。
【0018】
【0019】実施例5 蒸着材のY2 3 含有量を適当に変え、得られるジルコ
ニア薄膜のY2 3 含有量を4,8,12および21 mol%
とし、基板温度を 300℃とした以外は実施例1と同様に
して、厚さ1〜2μmの4種類のジルコニア薄膜を得
た。得られた各ジルコニア薄膜の表面に白金ペーストを
塗布して電極を形成し、1000℃で1時間焼鈍を行い、次
いで温度を 900℃に保って直流2端子法により電気伝導
度を測定した。各ジルコニア薄膜の電気伝導度を表3に
示す。この電気伝導度の値を同一組成の純粋なバルク材
(Y2 3 以外の不純物や格子欠陥が極めて少ない理想
的なバルク材)の電気伝導度と比較したところ、表3に
示すように、これらはほぼ同じ値であった。
【0020】
【0021】実施例6 基板温度を 300℃とし、蒸着材のY2 3 含有量を変え
た以外は実施例1と同様にして、Y2 3 含有量8 mol
%、厚さ1μmのジルコニア薄膜を得た。次いで、同じ
組成のジルコニアを用いて厚さ1mmの同一電極面積の板
状電極を作製した。両者の 900℃における内部抵抗を測
定したところ、本実施例の厚さ1μmのジルコニア薄膜
は内部抵抗が 3.7×10-3Ωであるのに対して、厚さ1mm
の板状電極の内部抵抗は1Ωであり、薄膜化した方が内
部抵抗が小さくなることがわかった。このことから、本
発明のジルコニアは、薄膜化により、より大きな電流値
を得ることが可能になり、燃料電池として利用する場合
に有利になることがわかる。
【0022】実施例7 実施例4で得られた4種類のジルコニア薄膜の活性化エ
ネルギー(酸素の移動のための活性化エネルギー)を求
め、同一組成の純粋なバルクの活性化エネルギーと比較
した。各ジルコニア薄膜の活性化エネルギーは、表4に
示すように、純粋のバルクのそれとほぼ同一で小さく、
2 3 含有量の増加と共に増加した。ジルコニア薄膜
の活性化エネルギーが純粋なバルクのそれと等しくなる
ことは、Y2 3 以外の不純物が少ないことを示す。ま
た、活性化エネルギーが小さいことは、低温でも電気伝
導度が大きく、低温での使用が可能なことを意味する。
【0023】
【0024】
【発明の効果】本発明の安定化または部分安定化ジルコ
ニア薄膜は、アルカリ土類金属イオンおよび希土類金属
イオンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属の
酸化物がジルコニア中に固溶しており、しかも酸素イオ
ンの移動のための活性化エネルギーが理論値とほぼ同じ
で小さいため、低温でも酸素イオン導電性を示す。この
ため、このジルコニア薄膜は、低温で使用する酸素セン
サとして好適である。その上、このジルコニア薄膜は、
上記酸化物の含有量を少なくすると、上記活性化エネル
ギーがより小さくなり、より優れた酸素センサになる。
また、このジルコニア薄膜は、(111)面のX線回折
強度に対する他の結晶面のX線回折強度が全て20%未満
で、かつ(111)面の回折ピークの半値幅が 0.8度以
下であるため、結晶子が大きく、透明であり、しかも上
記酸化物以外の不純物や格子欠陥が少ないため、緻密
で、強度的に強い。このため、このジルコニア薄膜は、
厚さを薄くしても十分な強度を持ち、ガラス隔膜として
用いた場合にガス漏れを生じる恐れがない。また、厚さ
を薄くすることにより内部抵抗を小さくすることがで
き、より大きな電流値を得ることができるので、第3世
代燃料電池用の固体電解質として使用することができ
る。
【0025】本発明の製造方法によれば、上記のような
優れたジルコニア薄膜を容易に得ることができる。その
上、この製造方法では、成膜温度を高くすることによ
り、(111)面の回折ピークの半値幅を小さくするこ
とができ、より大きな結晶子からなるジルコニア薄膜を
得ることができる。また、成膜温度が低い場合でも、成
膜後に焼鈍することにより、成膜温度を高くした場合と
同様に(111)ピークの半値幅を小さくすることがで
き、結晶子を大きくすることができる。さらに、成膜温
度または焼鈍時のアニール温度を使用温度より高くする
ことにより、使用中の結晶子の大きさの変化を防止する
ことができるので、使用温度に応じた、各種用途に適し
たジルコニア薄膜を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたジルコニア薄膜の各結晶面
のX線回折強度を示すグラフである。
【図2】実施例2で得られたジルコニア薄膜の焼鈍温度
と(111)ピークの半値幅との関係を示すグラフであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ土類金属および希土類金属から
    なる群から選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物が固
    溶したジルコニアからなり、(111)面のX線回折強
    度に対する他の結晶面のX線回折強度が全て20%未満
    で、かつ(111)面の回折ピークの半値幅が 0.8度以
    下である安定化または部分安定化ジルコニア薄膜。
  2. 【請求項2】 ジルコニアと、アルカリ土類金属および
    希土類金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の金
    属の酸化物とを蒸着材として用い、5×10-4Torr以下の
    真空中で電子ビーム加熱法により成膜速度50Å/sec以下
    で成膜することからなる請求項1記載の安定化または部
    分安定化ジルコニア薄膜の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7291574B2 (en) * 2003-02-28 2007-11-06 Sumitomo Chemical Company, Limited Zirconia sintered body and a method for producing the same
US8185048B2 (en) 2007-04-20 2012-05-22 Alps Electric Co., Ltd. Communication apparatus
WO2016031986A1 (ja) * 2014-08-29 2016-03-03 国立大学法人 東京工業大学 強誘電性薄膜、電子素子及び製造方法

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