JPH0288407A - セラミック超伝導体ペーストおよびその製造方法ならびにセラミック超伝導体配線板およびその製造方法 - Google Patents

セラミック超伝導体ペーストおよびその製造方法ならびにセラミック超伝導体配線板およびその製造方法

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JPH0288407A
JPH0288407A JP63239342A JP23934288A JPH0288407A JP H0288407 A JPH0288407 A JP H0288407A JP 63239342 A JP63239342 A JP 63239342A JP 23934288 A JP23934288 A JP 23934288A JP H0288407 A JPH0288407 A JP H0288407A
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paste
ceramic
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superconductor
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Masami Koshimura
正己 越村
Mamoru Kamiyama
上山 守
Hidenao Matsushima
秀直 松島
Mikiya Ono
幹也 尾野
Takashi Yamamoto
孝 山本
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Mitsubishi Mining and Cement Co Ltd
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Mitsubishi Mining and Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は超伝導体厚膜回路の製造に利用する。
特に、セラミック超伝導体の粉末、有機結合材および溶
剤が混合されたセラミック超伝導体ペーストに関する。
このようなセラミック超伝導体ペーストは、セラミック
基板上に印刷または塗布した後に焼成することにより、
超伝導体配線を形成する。
〔概 要〕
本発明は、セラミック超伝導体の粉末、有機結合材およ
び溶剤が混合されたセラミック超伝導体ペーストおよび
その製造方法において、高濃度の貴金属元素を混合し、
焼成時にセラミック超伝導体層の表面および基板との界
面に貴金属を析出させることにより、 基板および外部電極との接合性を高め、しかも環境によ
る劣化の少ないセラミック超伝導体を得るものである。
本発明はまた、このセラミック超伝導体ペーストを用い
たセラミック超伝導体配線板およびその製造方法を提供
するものである。
〔従来の技術〕
従来から、炭酸バリウム、酸化イツトリウムおよび酸化
銅の混合粉末を有機結合材と混合したセラミック超伝導
体ペーストや、上記の混合粉末を焼成してから粉砕して
得られた酸素欠損ペロブスカイト型のBa2YCu、、
0t−y超伝導体(yは酸素欠損量)の粉末をを機結合
材と混合したセラミック超伝導体ペーストが知られてい
る。セラミック超伏°導体ペーストは、スクリーン印刷
その他の方法により基板に印刷して焼成することにより
、超伝導配線を形成できる。
しかし、このような方法でセラミック基板上に超伝導体
配線を形成するには種々の問題がある。
まず第一に、900℃以上の高温で焼成するため、焼成
工程において超伝導体材料が基板と反応し、臨界温度、
臨界電流その他の超伝導特性が低下する。第二に、セラ
ミック超伝導体は、よく知られているように緻密な焼結
体になりにくく、このため基板との間の強い接着力が得
られない。第三に、セラミック超伝導体、特に3a2Y
Cu30i−y超伝導体は、水分を吸収すると分解して
超伝導特性が大きく劣化し、環境により特性が大きく変
化してしまう。この第三の問題点は、特に厚膜のような
緻密化が困難な場合に著しい。
本発明者等は、セラミック超伝導体粉末100重量部に
対して0.1〜50重量部の範囲で金属酸化物、特に酸
化銀を添加することにより以上の問題点が解決できるこ
とを見出し、先に特許出願したく特願昭63−1420
9、特願昭63−55615)。すなわち、高温では酸
化銀から酸素が容易に脱離し、しかも液相となるため、
緻密で接着強度の大きなセラミック超伝導体厚膜を低温
度、短時間で形成できる。
これにより、基板との反応が少なく、緻密なだめ臨界温
度および臨界電流密度が高く、しかも環境に対して安定
な超伝導体厚膜配線回路の形成が可能となった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、セラミック超伝導体に金属酸化物を添加した場
合でも、以下の問題があることがわかった。
第一に、基板材料が制限される問題がある。セラミック
超伝導体に金属酸化物を添加した場合でも、超伝導体厚
膜を形成するための基板材料は、超伝導体と反応しにく
い酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、チタン酸スト
ロンチウム等に限定されてしまう。これらの基板材料は
高価であり、加工形状も限定され、電気的絶縁性にも限
界がある欠点があった。
第二に、外部電極の取り付けの問題がある。セラミック
超伝導体の配線に外部電極を取り付ける場合に、従来は
、圧着法によりインジウム電極、印刷法により銀ペース
ト、または真空蒸着法、スパッタ法により金、銀または
銅の電極を取り付けていだが、接触抵抗、接着強度、接
続の容易さその他の接合特性にそれぞれ問題があった。
すなわち、圧着法では接触抵抗が高く、しかも十分な接
着強度が得られない。特に、配線を細かくした場合に、
圧着条件により一定の接触抵抗および接着強度を得られ
ない。印刷法では、接着強度を向上させるために銀ペー
スト中にガラス成分が含まれているため、接触抵抗に問
題がある。さらに、真空蒸着、スパッタその他の物理蒸
着法では、厚膜配線に対する接着強度が十分に得られず
、しかもその装置が高価である。さらに物理蒸着法では
、接着強度が電極形成面の表面粗さにより影響を受ける
ため、場合によっては表面を加工する必要がある欠点が
あった。
第三に、保護皮膜の問題がある。セラミック超伝導体は
、水分を含む環境により特性が大きく変化してしまうた
め、防湿用の保護皮膜が必要である。しかし、セラミッ
ク超伝導体厚膜はその表面粗さが大きいため、保護皮膜
を形成しても、皮膜が薄い場合にはピンホールが生じて
しまう。また、厚い場合には、熱膨張係数の違いにより
、超伝導体配線の動作温度である低温と、常温との温度
変化を繰り返すと、この皮膜に亀裂が生じやすくなる欠
点があった。
本発明は、以上の問題点を解決し、基板材料に限定され
ず、外部型Iとの接合特性に優れ、しかも環境に対する
特性に優れたセラミック超伝導体ペーストおよびその製
造方法を提供することを目的とする。
本発明はさらに、上述のセラミック超伝導体ペーストを
用いたセラミック超伝導体配線板およびその製造方法を
提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明のセラミック超伝導体ペーストは、焼成時に溶融
する貴金属元素を金属、合金、酸化物またはこれらの混
合物の形で含有する。その含有量は、セラミック超伝導
体物質100重量部に対して50重量部を越える範囲で
ある。
このセラミック超伝導体ペーストを製造するには、セラ
ミック超伝導体物質の粉末、有機結合材、溶剤および焼
成時に溶融する物質を混合する。この物質の混合量は、
セラミック超伝導体物質100重量部に対して50重量
部を越える範囲とする。
また、!!造時には、セラミック超伝導体物質の粉末を
解粒しながら有機結合材で被覆し、この粉末を乾燥させ
、溶剤と混合されるまで、水分を含まずしかもセラミッ
ク超伝導体物質と反応しない乾燥気体雲囲気中、または
真空中に保存することが望ましい。使用時には、この粉
末と溶剤とを混合してペースト化する。これにより、ペ
ーストの溶媒中に含まれる水分との反応によるセラミッ
ク超伝導体粉末の分解を抑制することができると同時に
、ペースト化したときに粒子が再凝集しないため、印刷
乾燥後の膜厚方向の粒子配向の不均質性がなくなる。こ
のため、焼成した厚膜の表面粗さを小さくすることがで
きる。したがって、保護皮膜のピンホールを削減できる
セラミック超伝導体物質の粉末としては、■ アルカリ
土類元素、イブトリウムとランタニド元素との一方また
は双方、および銅を構成成分とする酸化物、 ■ ビスマスと鉛との一方または双方、ストロンチウム
、カルシウムおよび銅を構成成分とする酸化物、 ■ タリウム、バリウム、カルシウムおよび銅を構成成
分とする酸化物、 ■ バリウム、カリウムと鉛との一方または双方、およ
びビスマスを構成成分とする酸化物などが適する。
焼成時に溶融する貴金属元素としては、銀または金を用
いることが望ましい。さらには、白金やパラジウムを用
いることもできる。これらの元素は、金属、合金、これ
らの酸化物、酸化物の混合物、金属と酸化物の混合物等
の形で用いられる。
これらの物質の混合割合としては、上述したように、セ
ラミック超伝導体物質100重置部に対して50重量部
を越える範囲であれば、焼成時にセラミック超伝導体厚
膜の表面および基板との界面に溶融物質を析出させるこ
とができる。
この溶融物質は、50重量部以下では主にセラミック超
伝導体の粒界三重結合点付近に偏析する。
しかし、50重量部を越えると、界面および表面により
多く析出する。これは、導体ペースト中に含まれるガラ
スフリットと同等の作用によると考えられるが、導体ペ
ーストの場合には、過剰なガラスフリフトが表面に析出
することは望ましくない。
しかし、本発明ではこの性質を積極的に利用する。
過剰の溶融物質は表面に析出するため、混合割合の上限
は特に限定されない。しかし、実用上は300重量部以
下の混合で十分である。
有機結合材としては、エチルセルローズ、ニトロセルロ
ーズその他のセルローズ系樹脂、ポリメチルメタクリレ
ートその他のアクリル系樹脂、アルキッドフェノール系
樹脂、ビニール系樹脂、エポキシ系樹脂その他の焼成雰
囲気中で容易に熱分解が進行するものであれば、どのよ
うな材料を使用してもよい。
ペースト化に用いる溶剤は、印刷性に優れたカルピトー
ルアセテート、テルピネオールその他が使用されるが、
印刷性を有するものであればどのような溶剤を用いても
よい。
本発明のセラミック超伝導体ペーストには、上述の粉末
、有機結合材、溶剤および貴金属のほかに、必要に応じ
て可塑材、界面活性材、水分のみを吸収する乾燥材その
他′を添加してもよい。
このセラミック超伝導体ペーストを基板上に塗布し、焼
成時に、セラミック超伝導体厚膜配線の表面および基板
との界面に溶融物質を析出させることにより、基板材料
に限定されず、外部電極との接合特性に優れ、しかも環
境に対する特性に優れたセラミック超伝導体配線板が得
られる。
すなわち、セラミック超伝導体物質の粉末、有機結合材
および溶剤が混合されたセラミック超伝導体ペーストを
基板上に塗布する塗布工程と、この工程により塗布され
たセラミック超伝導体ペーストを焼成してセラミック超
伝導体厚膜配線を形成する焼成工程とを含むセラミック
超伝導体配線板の製造方法において、上記塗布工程に先
立って、焼成時に溶融する物質をセラミック超伝導体ペ
ーストに混合し、焼成工程中に、溶融物質をセラミック
超伝導体厚膜配線の表面およびセラミック超伝導体層と
基板との界面に析出させる。
これにより、セラミック超伝導体厚膜配線が焼成時に溶
融する物質を含み、この物質が、セラミック超伝導体厚
膜配線の内部に比較してその表面および基板との界面に
高濃度に存在するセラミック超伝導体配線板が得られる
〔作 用〕
セラミック超伝導体厚膜の表面および基板との境界に溶
融物質を析出させることにより、基板とセラミック超伝
導体との反応を抑えることができる。このため、従来は
酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等に限定されてい
た基板材料として、厚膜用の汎用基板であるアルミナや
、その他の種々の材料の基板を用いることができる。こ
のような基板を用いても、超伝導体物質としての性質が
損なわれることなく、厚膜配線を得ることができる。
また、厚膜表面に貴金属が析出することにより、外部電
極との接触抵抗が低下し、付着強度が増加する。このた
め、超伝導体配線の外部電極材料として、従来用いられ
ていた印刷法による導体ペーストや蒸着法による貴金属
電極の形成が容易になるだけでなく、貴金属の析出を多
くすれば、ワイヤボンディング、ろう付け、ハンダ付け
その他によりリード線を直接に接続することも可能とな
る。
さらに、貴金属が表面に析出することにより表面の粗さ
が軽減され、その表面に形成される防湿膜のピンホール
が減少する。しかも、防湿膜を薄くできるため、熱膨張
係数の違いによる亀裂の発生を抑制でき、環境に対する
特性が優れた厚膜配線が得られる。
〔実施例〕
出発原料として炭酸バリウムBaC[la 、三酸化二
イツトリウムY20.および酸化第二銅CuOを用い、
これらを混合し、通常のセラミックスにおける手順、す
なわち、仮焼、粉砕、造粒・成形および焼成を行ってセ
ラミック超伝導体を得た。仮焼および焼成は大気中で行
い、温度条件は925℃とし、20時間加熱した後に、
50℃/時の速度で冷却した。
得られたセラミック超伝導体は、結晶状態を観察し結晶
組織がBa2YCu30t−Yの斜方晶構造体であるか
どうか、また室温から液体窒素温度までの電気抵抗を測
定して評価確認した。
このようにして得られたセラミック超伝導体をジルコニ
アボールを用いて乾燥窒素ガス雰囲気下のエタノール中
で10時時間式粉砕して平均粒径が1μ0のセラミック
超伝導体物質粉とした。この超伝導体物質粉に対して酸
化銀粉(粒径0.5μm)を50.1〜300重量部混
合して混合粉とした。次いでこの混合粉100重量部に
対しエチルセルローズ(米国パーキュリーズ社、品番N
−7)を5重量部添加し、テルピネオール−エチレング
リコールモノブチルエーテルの等量混合溶剤を加え、捕
潰機で乾燥しないように留意しながら乾燥窒素ガス雰囲
気中で混合してペースト化してセラミック超伝導体ペー
ストを作製した。
比較例として、超伝導体物質粉に対して酸化銀粉(粒径
0.5μm)を30重量部混合したセラミック超伝導体
ペーストと、酸化銀を含まないセラミック超伝導体ペー
ストとを作製した。
(実施例1) 実施例のセラミック超伝導体ペーストをアルミナセラミ
ック基板(厚さ0.5mm) にスクリーン印刷し、9
00〜1000℃の温度範囲で1〜60分間、酸素中で
焼成してセラミック超伝導体配線板を作製した。
第1表に、985℃で3分間焼成して作製したセラミッ
ク超伝導体配線板の超伝導臨界温度、臨界電流密度の測
定結果を示す。
また、比較例のセラミック超伝導体ペーストを用いて、
同様のセラミック超伝導体配線板を作製した。第1表に
は、この配線板の超伝導臨界温度、臨界電流密度の測定
結果も併せて示す。
表かられかるように、本発明のセラミック超伝導配線板
は優れた超伝導特性を示すのに対し、比較例で示した酸
化銀の含有量が少ない場合には、厚膜の一部が超伝導を
示すが、液体窒素でも抵抗が零とならず、厚膜超伝導配
線として有効でないことがわかる。
(実施例2) 上述の実施例で得たセラミック超伝導体ペーストをジル
コニアセラミック基板(厚さ0.5[11[11)にス
クリーン印刷し、900〜1000℃の温度範囲で1〜
60分間、酸素中で焼成してセラミック超伝導体配線板
を作製した。
第2表に、985℃で3分間焼成して作製したセラミッ
ク超伝導体厚膜配線板に種々の外部電極を取り付けた場
合の接触抵抗および接着強度を示した。
銀ペーストの場合には、印刷法によりセラミック超伝導
体配線に銀ペーストを塗布し、500℃酸素雰囲気中で
焼成して外部電極を作製した。
蒸着電極の場合には、電極部以外をマスキングし、スパ
ッタリング法により銀電極膜を作製した。
これらの電極に共晶ハンダを用いてリード線を取り付け
、接触抵抗および接着強度を測定した。
また、比較例のセラミック超伝導体ペーストを用いて、
同様のセラミック超伝導体配線板を作製した。第2表に
は、この配線板の接触抵抗および接着強度も併せて示す
表かられかるように、銀ペーストの場合には、本発明の
セラミック超伝導体配線板を比較例と比べた場合に、接
着強度には大きな差がない。しかし、接触抵抗は大幅に
小さくなっている。一方、蒸着電極は比較例と比べて、
接触抵抗、接着強度いずれも向上している。特に、比較
例の場合には、リード線取り付は時に、電極がハンダに
溶けてしまい、安定に電極を形成ができなかった。
(実施例3) 上述の実施例で得たセラミック超伝導体ペーストをジル
コニアセラミック基板(厚さ0.5m+n) にスクリ
ーン印刷し、985℃で3分間酸素中で焼成してセラミ
ック超伝導体配線板を作製した。
比較例のセラミック超伝導体ペーストを用いて、同様に
セラミック超伝導体配線板を作製した。
図は、実施例における酸化銀を100重量部混合した場
合と、比較例における酸化銀を30重量部混合した場合
とにおける得られた厚膜配線の表面の粗さを示す。この
測定値は、表面粗さ計で測定したものである。
図にみるように、表面粗さは酸化銀の混合割合を増すと
抑えろれ、この効果は50重量部を越えると顕著であっ
たユこれは、焼成工程で酸化銀が酸素を脱離後溶融し、
銀が表面に析出したためと考えられる。
次に、得ちれたセラミック超伝導体配線板に銀ペースト
を用いて電極を形成し、リード線を取り出した後に、電
極部以外の超伝導体配線部分をフッソ樹脂(旭硝子、商
品名ルミフロン)で厚さ10μmの皮膜を形成した。こ
れらの超伝導配線板を温度60℃、相対湿度85%下に
1ケ月間放置し、放置前後の臨界温度、および臨界電流
値を測定した。
この測定値を第3表に示す。表かられかるように、実施
例のセラミック超伝導体配線板は劣化が少ないのに対し
、比較例で示した酸化銀の含有量が少ない場合には劣化
が大きい。これは、本発明者等の考えによれば、皮膜下
地の凹凸が減少したため、皮膜のピンホールの発生量が
減少したものと推定される。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明のセラミック超伝導体ペー
ストは、その製造の際に、セラミック超伝導体粉末に対
して50重量部を越える範囲で焼成時に溶融する貴金属
あるいはその酸化物を混合し、厚膜形成時に、この溶融
物質を表面および基板との界面に析出させる。これによ
り、次のような効果が得られる。
第一に、基板と超伝導体厚膜の界面にこの貴金属が形成
されることにより、基板とセラミック超伝導体との反応
を抑えることができる。このため、従来は酸化ジルコニ
ウム、酸化マグネシウムなどに限定されていた基板材料
に替えて、厚膜用の汎用基板であるアルミナやその他の
種々の基板材料を用いることができる。このような基板
材料を使用しても、超伝導体物質としての性質が損なわ
れることなく厚膜配線を得ることができる。
第二に、厚膜表面にこの貴金属が析出することにより、
外部電極との接触抵抗と付着強度が向上する。このため
、超伝導体配線の外部電極材料として、従来から用いら
れていた印刷法による導体ペーストや、蒸着法による貴
金属電極の形成が容易になる。さらに、貴金属の析出量
を多くすれば、ワイヤボンディング、ろう付け、ノ\ン
ダ付けなどにより、リード線を直接に取り付けることも
可能となる。
第三に、貴金属が表面に析出することにより、それ自身
が防湿膜となるばかりでなく、表面の粗さが軽減される
。このため、この上に形成される防湿膜のピンホールを
減少すると同時に、薄くできる。したがって、熱膨張係
数の違いによる亀裂の発生も押さえられるため、環境特
性に優れた厚膜配線板の製造が可能となる。
本発明のセラミック超伝導体ペーストは、超伝導体配線
板の製造に用いられるだけでなく、磁気シールド体、セ
ンサ、アンテナなどの製造にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
図はセラック超伝導体ペーストを用いて得られた厚膜配
線の表面の粗さを示す。 特許出願人 三菱鉱業セメント株式会社代理人 弁理士
 井 昌 直 孝

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.セラミック超伝導体物質の粉末、有機結合材および
    溶剤が混合されたセラミック超伝導体ペーストにおいて
    、 焼成時に溶融する貴金属元素を含有する金属、合金、酸
    化物およびこれらの混合物から選択された少なくともひ
    とつの物質を上記セラミック超伝導体物質100重量部
    に対して50重量部を越える範囲で含む ことを特徴とするセラミック超伝導体ペースト。
  2. 2.貴金属元素は金および銀よりなる群より選ばれる少
    なくともひとつの元素を含む請求項1記載のセラミック
    超伝導体ペースト。
  3. 3.セラミック超伝導体物質の粉末、有機結合材および
    溶剤を混合するセラミック超伝導体ペーストの製造方法
    において、 焼成時に溶融する貴金属元素を含有する金属、合金、酸
    化物およびこれらの混合物から選択された少なくともひ
    とつの物質を上記セラミック超伝導体物質100重量部
    に対して50重量部を越える範囲で混合する ことを特徴とするセラミック超伝導体ペーストの製造方
    法。
  4. 4.基板と、この基板上に形成されたセラミック超伝導
    体厚膜配線とを備えたセラミック超伝導体配線板におい
    て、 上記セラミック超伝導体厚膜配線は焼成時に溶融する物
    質を含み、 この物質が、上記セラミック超伝導体厚膜配線の内部に
    比較してその表面および上記基板との界面に高濃度に存
    在する ことを特徴とするセラミック超伝導体配線板。
  5. 5.焼成時に溶融する物質は、金および銀からなる群よ
    り選ばれた貴金属元素を含有する金属、合金酸化物また
    はこれらの混合物から選択された少なくともひとつの物
    質を含む請求項4記載のセラミック超伝導体配線板。
  6. 6.セラミック超伝導体物質の粉末、有機結合材および
    溶剤が混合されたセラミック超伝導体ペーストを基板上
    に塗布する塗布工程と、 この工程により塗布されたセラミック超伝導体ペースト
    を焼成してセラミック超伝導体厚膜配線を形成する焼成
    工程と を含むセラミック超伝導体配線板の製造方法において、 上記塗布工程に先立って、焼成時に溶融する物質を上記
    セラミック超伝導体ペーストに混合し、上記焼成工程中
    に、上記物質を上記セラミック超伝導体厚膜配線の表面
    および上記セラミック超伝導体層と上記基板との界面に
    析出させる ことを特徴とするセラミック超伝導体配線板の製造方法
  7. 7.焼成時に溶融する物質は、金および銀からなる群よ
    り選ばれた貴金属元素を含有する金属、合金酸化物また
    はこれらの混合物から選択された少なくともひとつの物
    質を含む請求項6記載のセラミック超伝導体配線板の製
    造方法。
JP63239342A 1988-09-24 1988-09-24 セラミック超伝導体ペーストおよびその製造方法ならびにセラミック超伝導体配線板およびその製造方法 Pending JPH0288407A (ja)

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