JP2000006400A - 液体噴射装置及びその製造方法 - Google Patents

液体噴射装置及びその製造方法

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JP2000006400A
JP2000006400A JP18053098A JP18053098A JP2000006400A JP 2000006400 A JP2000006400 A JP 2000006400A JP 18053098 A JP18053098 A JP 18053098A JP 18053098 A JP18053098 A JP 18053098A JP 2000006400 A JP2000006400 A JP 2000006400A
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piezoelectric
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liquid ejecting
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JP18053098A
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English (en)
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Masahito Sugimoto
雅人 杉本
Yoshihiro Tomita
佳宏 冨田
Osamu Kawasaki
修 川▲崎▼
Tetsuyoshi Ogura
哲義 小掠
Akihiko Nanba
昭彦 南波
Atsushi Komatsu
敦 小松
Yuko Okano
祐幸 岡野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 狭ピッチ化及び多ノズル化が容易であり、か
つ組み立て時に部材の位置ずれが生じない、インクジェ
ットプリンタ等に用いられる液体噴射装置ないしはその
製造方法を提供する。 【解決手段】 液体噴射装置においては、液体噴射口
2、液体注入口3、液体貯蔵部4等からなるインク流路
の隔壁5が、電鋳法により形成される金属層でもって単
結晶上に精度よく形成されている。これにより、液体の
噴射特性の再現性が高く、狭ピッチ化及び多ノズル化が
容易な、インクジェットプリンタ等に用いられる液体噴
射装置が得られる。また、この液体噴射装置では、組み
立て時に部材の位置ずれが生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体噴射装置、特
にインクジェットプリンタのプリンタヘッドに代表され
る微細な液体粒子を間欠的に噴射する液体噴射装置と、
その製造方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコンの普及が急速に進み、映
像情報をはじめとする各種情報のカラー印刷を低価格で
実現することができるインクジェットプリンタが急速に
普及している。特に、近年はデジタルカメラなどの開発
が進み、インクジェットプリンタにおいても、写真並の
印刷を得るために、高解像度印刷、多階調印刷、高速印
刷を低価格で実現することが求められている。このイン
クジェットプリンタの性能を決めるのがプリンタヘッド
であり、現在実用化されているプリンタヘッドの駆動方
式は、大きくは、圧電式(圧電方式)と熱式(熱方式)
の2つに分類される。
【0003】なお、圧電式のプリンタヘッドは、圧電体
に電圧を印加すると変形するといった圧電効果を利用し
たものであり、積層型又はバイモルフ型の圧電アクチュ
エータの圧電効果による変形を利用して、液体粒子をノ
ズルから間欠的に噴射するようにした液体噴射装置であ
る。一方、熱式のプリンタヘッドは、薄膜ヒータの加熱
による液体の突沸の力を利用して、微細な液体粒子を間
欠的にノズルから噴射するようにした液体噴射装置であ
る。
【0004】そして、インクジェットプリンタは、直径
が数10μmの微細なインク滴を飛ばして、印刷用紙の
決められた位置に正確に吹き付けることにより、文字又
は絵を印刷する。従って、高解像度印刷を行うには、1
ドットあたりのインク粒径を小さくすることができ、そ
の粒径を精度よく制御することができ、しかもインク粒
を所定の位置に正確に噴射することができる液体噴射装
置が必要とされる。例えば、600dpiの分解能の印
刷には、紙面上で40μm以下のドットを形成すること
が必要であり、40μmよりも小さいインク粒をμm単
位の誤差内で正確に所定の位置に噴射することが求めら
れる。また、多階調印刷のためには、正確なインク粒径
の寸法制御が必要であり、インク粒径の寸法制御性や再
現性の良い液体噴射装置が必要とされる。例えば、一色
あたり16階調の印刷を実現するには、1ドットあたり
のインク量制御を5%単位の誤差内で行わなければなら
ない。
【0005】しかしながら、従来の圧電セラミックを構
成要素とする圧電アクチュエータを使用した液体噴射装
置では、圧電アクチュエータの印加電圧に対する変位の
非線形性とヒステリシスが大きいので、インク粒径の寸
法制御性や再現性のよい液体噴射装置を実現することは
困難である。また、薄膜ヒータの加熱による液体の突沸
の力を利用した液体噴射装置では、突沸を正確に制御す
ることが困難であることから、同様にインク粒径の寸法
制御性や再現性のよい液体噴射装置を実現することは困
難である。その結果、現在ではドット当たりの階調は2
〜4と極めて小さく、印刷するドットを間引いて印刷密
度を下げることにより中間色を実現しており、厳密な意
味での高解像度・多階調印刷とはいえない。
【0006】また、高速印刷のためには、短時間でイン
クの噴射を完結することができる高速液体噴射装置が必
要である。例えば、A4サイズの印刷用紙に600dp
iの分解能で印刷するには、一色あたり3〜4千万ドッ
ト必要であり、1つのノズルからインクを噴射すること
により、A4サイズの印刷用紙に1分間で印刷を行おう
とすれば、3千万ドット/秒以上の高速で間欠噴射を行
うことができる液体噴射装置が必要である。しかしなが
ら、実際問題として、1つのノズルの噴射速度をそこま
で高めること極めて困難である。そこで、多数の液体噴
射ノズルを並列に設置することにより高速印刷を実現し
ている。しかしながら、プリンタヘッドの価格がその分
高くなったり、加工上の理由で、並列に設置することが
できるプリンタヘッドの数には限界があり、上記の高速
化を実現した液体噴射装置は実現されていない。
【0007】その大きな理由は、個々の部品の寸法、特
にピッチ精度及び位置合わせ精度が現行の組立工程にお
いて限界に達しており、ノズルのピッチをこれ以上は小
さくすることができないことにある。個々の部品が別々
に作製され、組み上げられ、設計通りの性能を発揮する
ためには、すべてが同ピッチで形成され、寸分のずれな
く位置合わせされることが望ましく、そのときのサイズ
が、理論上の最小サイズである。しかしながら、実際
は、ある程度のずれを考慮し、設計に余裕をもって大き
めに作製されるため、究極的な小型化は難しい。
【0008】また、インクなどの液体を精度よく噴射す
る装置は、インクジェットプリンタのみならず、工業製
品への刻印や描画、薬液の塗布、あるいは様々な製品の
製造ラインでも利用されており、多くの分野において高
速で精度のよい液体噴射装置が求められている。
【0009】ここで、従来の液体噴射装置として、代表
的なインクジェットプリンタ用のプリンタヘッドを例に
とって説明する。前記のとおり、インクジェットプリン
タ用のプリンタヘッドは大きくは熱式と圧電式の2種類
に分類することができる。まず、図31及び図32
(a)〜(d)を参照しつつ、熱式インクジェットプリ
ンタの構造及び動作原理を説明する。図31は該熱式イ
ンクジェットプリンタのプリンタヘッドの立面断面図で
あり、図32(a)〜(d)は該プリンタヘッドの動作
原理を示す図である。
【0010】図31に示すように、このプリンタヘッド
においては、基板101と基板102とによりインク貯
蔵部103が構成され、該インク貯蔵部103の一部に
薄膜ヒータ104が設けられている。さらに、個々のノ
ズル用の薄膜ヒータ104は、ボンディングワイヤ10
7などを介して、該薄膜ヒータ104をオン/オフ制御
するための制御回路108に接続されている。
【0011】かくして、図32(a)に示すように、イ
ンクは、毛細管現象などによりインク貯蔵部103の供
給側(インク注入口105)から自然に供給され、該イ
ンク貯蔵部103に満たされる。ここで、薄膜ヒータ1
04に電流を流すと、図32(b)に示すように、該薄
膜ヒータ104が発熱・昇温してインクが突沸する。そ
して、図32(c)に示すように、突沸の力により先端
部のインクが微小なインク滴109となってインク噴射
口106から噴射される。この後、電流をオフすれば、
図32(d)に示すように、薄膜ヒータ104は自然に
冷却され、元の状態に徐々に戻る。
【0012】次に、従来の圧電式のインクジェットプリ
ンタのプリンタヘッドの具体例を説明する。圧電式のプ
リンタヘッドには、積層型と、バイモルフ型やモノモル
フ型などの貼り合わせ型とがある。まず、図33を参照
しつつ、積層型圧電素子をアクチュエータとして用いた
プリンタヘッドを説明する。図33は、該プリンタヘッ
ドの断面図である。図33において、111は圧電アク
チュエータである積層型圧電素子であり、ベース112
に固定されている。このプリンタヘッドのインク流路に
は、インク貯蔵部113とインク注入口114とインク
噴射口115とが形成されている。積層型圧電素子11
1は、圧電性セラミックの薄板を複数枚重ねた構造とさ
れ、その厚み方向に電界を印加すると、図33中の矢印
Yの方向に変形する。ここで、インク貯蔵部113を構
成する壁の一部分は移動可能な構造とされ、積層型圧電
素子111の一端に固着された構造とされている。
【0013】ここで、インクの供給はインク供給口11
4からなされ、毛細管現象などによりインク貯蔵部11
3に満たされる。そして、積層型圧電素子111に駆動
電圧を印加すると、該積層型圧電素子111は圧電効果
により矢印Yの方向に変形する。その結果、インク貯蔵
部113(インク流路部)のインクが加圧され、これに
よりインク噴射口115からインク粒116の噴射が行
われる。なお、実際のプリンタヘッドは、高速印刷を行
うために、以上に説明した構成のプリンタヘッドが複数
一列に並んだ構造となっている。
【0014】以下、図34(a)、(b)を参照しつ
つ、貼り合わせ型のモノモルフ型圧電素子をアクチュエ
ータとして用いたプリンタヘッドを説明する。図34
(a)、(b)は該プリンタヘッドの断面図である。図
34(a)、(b)において、121は圧電アクチュエ
ータであるモノモルフ型圧電素子であり、122は圧電
厚膜であり、123はセラミック基板123である。ま
た、このプリンタヘッドでは、インク流路124(イン
ク貯蔵部)とインク注入口125とインク噴射口126
とは、金属127を接着層128を介して積層すること
により形成されている。モノモルフ型圧電素子121
は、ジルコニアなどのセラミック基板123の上に、圧
電厚膜122としてチタン酸ジルコン酸鉛(以下PZ
T)のペーストを印刷・焼成することにより形成されて
いる。インクの噴射は、モノモルフ型圧電素子121を
構成する圧電厚膜122に駆動電圧を印加し、これを圧
電効果により矢印Zの方向に変形させ、インク流路部1
24(インク貯蔵部)のインクを加圧してインク噴射口
126からインク粒129を噴射させることにより行
う。なお、実際のプリンタヘッドは、高速印刷を行うた
めに、以上に説明したモノモルフ型圧電素子121が複
数一列に並んだ構造となっている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱式及び圧電式の液体噴射装置では、高解像印刷、多階
調印刷、高速印刷を低価格で実現する上で、以下のよう
な問題がある。すなわち、従来の熱式の液体噴射装置は
構造が簡単であるため、安価に製造することができると
いった利点を有しているものの、薄膜ヒータの加熱でイ
ンクなどの液体を突沸させ、この突沸力を利用して液体
を噴射しているため、液体の噴射量を制御するのがきわ
めて難しく、高解像度、多階調の印刷が困難であり、し
かも液体の噴射毎に加熱、冷却を繰り返すため、昇温、
降温に時間がかかり、高速印刷が困難であるといった問
題がある。さらに、加熱、冷却を繰り返すため、熱衝撃
により液体噴射装置の構成要素、特にヒータが損傷し、
寿命が短いといった問題もある。
【0016】一方、圧電式の液体噴射装置は、圧電駆動
素子の圧電効果による変形を用いて液体を押し出してい
るため、熱式の液体噴射装置に比べて液体噴射の繰り返
し時間を短くすることができ、噴射量の制御も容易であ
るといった利点がある。従来の圧電式の液体噴射装置の
1つである積層型圧電素子を用いた液体噴射装置は、例
えば図33にも記載されているとおり、インク貯蔵部1
13の一部に変形しやすい箇所を配置し、積層型圧電素
子111に電圧を印加して変形させ、この変形しやすい
箇所を押すことによりインク噴射口115からインク粒
116を噴射するものである。
【0017】しかしながら、積層型圧電素子111の変
位量が小さいため、該積層型圧電素子111をベース1
12に精度よく設置しなければならず、この工程が難し
いので組み立てに多くの時間を必要とするといった問題
がある。また、積層型圧電素子111とベース112と
の間の熱膨張係数差により、積層型圧電素子111の実
効的な変位量が変化して、インク噴射量が変化するなど
といった問題もある。さらには、積層型圧電素子111
の駆動電圧が高くなり、該積層型圧電素子111が大き
くなるため、液体噴射装置の小型化が困難であり、これ
を多数個配列するのが困難であり、したがって高分解能
の液体噴射装置を実現することが困難であるといった問
題もある。
【0018】また、従来の圧電式の液体噴射装置のもう
1つの典型例であるモノモルフ圧電駆動素子を用いた液
体噴射装置は、ジルコニアのグリーンシートに流路形状
の穴を抜いたものを多数枚積層した後、1500°C程
度の高温で焼成して流路を形成しており、穴開けの精
度、積層時の加圧による流路形状の変形、焼成時のジル
コニアの収縮と撓みなどが生じ、微細で高精度な流路を
形成するのが困難であるといった問題がある。さらに
は、PZTなどの圧電セラミック材料を、流路材料であ
るジルコニアの上に高温で焼成するため、モノモルフ型
圧電素子部が変形してしまうといった問題もある。
【0019】これらの焼成変形は、大面積になるほど大
きくなり、高速印刷に対応して、多ノズル化した場合の
ノズル間ピッチなどの寸法精度を出すことが困難とな
り、このため大面積化、多ノズル化には限界がある。ま
た、圧電駆動部と液体貯蔵・噴射部とを別部品として樹
脂フィルムにより接着固定しており、それぞれのずれを
許容できるだけの余裕をもって設計する必要があるた
め、必要最小限まで、寸法、ピッチを小さくすることが
できない。また、位置合わせのずれや接着層の厚さ、あ
るいは接着状態のむらにより、流路の条件が微妙に異な
り、噴射量のばらつきが生ずる。また、圧電駆動部と液
体貯蔵・噴射部とが別部品であり、したがって高精度な
位置合わせを必要とすることから、組み立てが難しく、
組み立てコストの増大を招くといった問題もある。
【0020】また、従来の圧電式液体噴射装置に使用さ
れる圧電セラミックは、圧電定数が圧電単結晶に比べて
大きいが、印加電圧に対する変位特性が非線形であり、
高精度な変位制御が難しい。さらに、印加電圧に対する
変位特性にヒステリシスがあるため、印加された駆動電
圧の履歴により噴射量のばらつきが生じる。また、分極
処理が容易なキュリー点が200〜300°C程度のも
のが用いられるため、動作時の自己発熱と印加電圧の影
響により、分極状態が徐々に変化してしまうといった問
題がある。また、多ノズル化した場合、それぞれの圧電
素子の特性が、組成や焼結条件や分極処理条件によりば
らつくといった問題もある。
【0021】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたものであって、噴射する液体粒を小径化しつ
つ粒径寸法を精密に制御することにより高解像な印刷を
実現することができる液体噴射装置ないしはその製造方
法を提供することを解決すべき課題とする。また、液体
の噴射量の再現性を高めつつ精密に粒径寸法を制御する
ことにより、多階調な印刷を実現することができ、さら
には短い時間で間欠的に液体を噴射する(高速噴射)す
ることができるとともに装置に具備されるノズルの数を
増やすこと(多ノズル化)ができ、ひいては高速印刷を
実現することができる液体噴射装置ないしはその製造方
法を提供することを解決すべき課題とする。加えて、長
寿命で安価な液体噴射装置を提供すること、さらには本
発明の液体噴射装置を用いることにより高解像、多階
調、高速な印刷を低価格で実現することができるプリン
タを提供することを解決すべき課題とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の第1の態様にかかる液体噴射装置
は、液体を貯蔵する液体貯蔵部と、液体貯蔵部に液体を
注入する液体注入口と、液体貯蔵部に貯蔵されている液
体を噴射する液体噴射口と、液体貯蔵部に貯蔵されてい
る液体を駆動して液体噴射口から噴射させるバイモルフ
型圧電駆動素子とを備えた液体噴射構造を少なくとも1
組有している液体噴射装置であって、液体注入口から液
体貯蔵部を経て液体噴射口に至る液体流路を画成する隔
壁が、圧電駆動素子上に一連となって形成された金属層
からなることを特徴とするものである。
【0023】本発明の第1の態様にかかる液体噴射装置
においては、バイモルフ型圧電駆動素子の表側表面と裏
側表面とに、それぞれ駆動電極が互いに対向するように
設けられ、表側又は裏側の駆動電極のうち、いずれか一
方の駆動電極が、順次隣り合う少なくとも2つの液体噴
射構造について共通な共通電極として形成されていても
よい。ここで、バイモルフ型圧電駆動素子は、ニオブ酸
リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウム、チ
タン酸ランタン酸ジルコン酸鉛又はランガサイトからな
る2枚の基板が分極軸が反転するようにして直接接合さ
れているのが好ましい。また、バイモルフ型圧電駆動素
子は、2層以上の積層バイモルフ構造を備えた圧電セラ
ミックであってもよい。
【0024】本発明の第2の態様にかかる液体噴射装置
は、前記の本発明の第1の態様にかかる液体噴射装置と
基本的には同一の構成において、バイモルフ型圧電駆動
素子に代えてユニモルフ型圧電駆動素子を用いることを
特徴とするものである。
【0025】この本発明の第2の態様にかかる液体噴射
装置においては、ユニモルフ型圧電駆動素子の表側表面
と裏側表面とに、それぞれ駆動電極が互いに対向するよ
うに設けられ、表側又は裏側の駆動電極のうち、いずれ
か一方の駆動電極が、順次隣り合う少なくとも2つの液
体噴射構造について共通な共通電極として形成されてい
てもよい。ここで、ユニモルフ型圧電駆動素子は、圧電
体と金属体の積層体からなり、積層体の、金属体と反対
側の面上に液体流路が形成される一方、金属体が前記共
通電極として機能するようになっていてもよい。また、
積層体の、金属体と同じ側の面上に液体流路が形成され
る一方、金属体が前記共通電極として機能するようにな
っていてもよい。ユニモルフ型圧電駆動素子は、ニオブ
酸リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウム、
チタン酸ランタン酸ジルコン酸鉛又はランガサイトから
なる圧電体と、該圧電体上にめっきにより形成された金
属体とが積層されてなる積層体であってもよい。また、
ユニモルフ型圧電駆動素子は、圧電セラミックと該圧電
セラミック上にめっきにより形成された金属体とが積層
されてなる積層体であってもよい。
【0026】本発明の第1又は第2の態様にかかる液体
噴射装置においては、液体噴射口が、圧電駆動素子とは
接していない電鋳金属の底面の一部に開口するように形
成されているのが好ましい。なお、これに代えて、液体
噴射口が、圧電駆動素子と接する電鋳金属の側面の一部
に開口するように形成されていてもよい。
【0027】本発明の第3の態様にかかる液体噴射装置
の製造方法は、(a)2つの圧電単結晶を、分極軸を反
転させて直接接合してバイモルフ型圧電駆動素子基板を
形成する工程と、(b)バイモルフ型圧電駆動素子基板
の上に、電鋳法により、液体を貯蔵する液体貯蔵部と、
液体貯蔵部に液体を注入する液体注入口と、液体貯蔵部
に貯蔵されている液体を噴射する液体噴射口とをパター
ン形成する工程とを含むことを特徴とするものである。
なお、上記工程(a)に代えて、圧電セラミックを積層
して焼成し、分極してバイモルフ型圧電駆動素子基板を
形成する工程を設けてもよい。
【0028】これらの液体噴射装置の製造方法において
は、バイモルフ型圧電駆動素子の表側表面と裏側表面と
に、それぞれ互いに対向するように設けられる駆動電極
のうち、いずれか一方の駆動電極を、順次隣り合う少な
くとも2つの液体噴射構造について共通化し、共通化さ
れた駆動電極を、電鋳金属の下地層として用いて、電鋳
金属により、隔壁を形成するようにしてもよい。
【0029】本発明の第4の態様にかかる液体噴射装置
の製造方法は、(a)圧電単結晶上に電鋳法により金属
層を形成してユニモルフ型圧電駆動素子基板を形成する
工程と、(b)ユニモルフ型圧電駆動素子基板の上に、
電鋳法により、液体を貯蔵する液体貯蔵部と、液体貯蔵
部に液体を注入する液体注入口と、液体貯蔵部に貯蔵さ
れている液体を噴射する液体噴射口とをパターン形成す
る工程とを含むことを特徴とするものである。なお、上
記工程(a)に代えて、圧電セラミック上に電鋳法によ
り金属層を形成してユニモルフ型圧電駆動素子基板を形
成する工程を設けてもよい。
【0030】これらの液体噴射装置の製造方法において
は、さらにユニモルフ型圧電駆動素子基板を構成する金
属層と同じ面上に、該金属層を下地として、液体注入口
から液体貯蔵部を経て液体噴射口に至る液体流路を電鋳
法によりパターン形成する工程を含んでいてもよい。
【0031】また、前記の各液体噴射装置の製造方法に
おいては、液体注入口と液体貯蔵部と液体噴射口とを構
成する隔壁を、2層以上の電鋳法で製造するようにした
上で、1層目のパターニングしたレジストで少なくとも
液体貯蔵部の形状を規制し、1層目のレジスト上にパタ
ーニングしたレジストで少なくとも液体噴射口の形状を
規制するようにしてもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。 (実施の形態1)以下、添付の図面を参照しつつ、本発
明の実施の形態1にかかる液体噴射装置を詳細に説明す
る。図1は実施の形態1にかかる液体噴射装置の構造を
示す斜視図であり、図2は図1に示す液体噴射装置の側
面図であり、図3は図1に示す液体噴射装置の平面図で
ある。
【0033】図1〜図3において、1はバイモルフ型の
圧電駆動素子であり、2はインク等の液体を噴射するた
めの液体噴射口であり、3は液体を注入するための液体
注入口であり、4は液体を貯蔵するための液体貯蔵部で
ある。また、5は、液体噴射口2と液体注入口3と液体
貯蔵部4とを形成する隔壁であり、一体形成された(一
連の)金属層、例えば電鋳法により形成されたNi層か
らなる。なお、6は駆動電極である。
【0034】次に、この液体噴射装置の動作を、図2を
中心として簡単に説明する。液体注入口3からインクな
どの液体が注入されると、この液体は毛細管現象などに
より液体貯蔵部4に誘導され貯蔵される。ここで、圧電
駆動素子1によって液体貯蔵部4内の液体に圧力が加え
られると、この液体は液体噴射口2から突出ないしは噴
出する。
【0035】以下、この実施の形態1にかかる液体噴射
装置の具体的な構造を説明する。圧電駆動素子1は、バ
イモルフ型の撓み変位アクチュエータである。この圧電
駆動素子1は、例えば、圧電単結晶である2枚のニオブ
酸リチウム基板を基板厚み方向に対して分極方向が反対
となるように直接接合して形成するか、あるいは別の圧
電単結晶を直接接合してバイモルフ構造を形成した上
で、図3に示すような配置で、表面と裏面とにそれぞれ
個別の(各単一の液体噴射装置毎の)駆動電極6を設け
ることにより形成されている。これらの駆動電極6にお
いては、上下の重なりがずれないように、表面の駆動電
極6は裏面の駆動電極6よりもわずかに大きく形成され
ている。また、周囲の隔壁5は、金属製であるので、イ
ンク貯蔵部側の駆動電極6と接触して短絡することがな
いようなパターン(形状)に形成されている。なお、裏
面側の駆動電極6は、インク供給路を通って制御部(図
示せず)に取り出されている。
【0036】ニオブ酸リチウム基板、タンタル酸リチウ
ム基板などの圧電結晶材料は、基板厚み方向に電圧が印
加されると基板の長手方向に伸縮するといった特性を備
えている。このため、該基板を分極方向を反対にして貼
り合わせることにより、図3の電極配置でもって、一方
が伸びるときには他方が縮むように構成することがで
き、屈曲変位を得ることができる。実施の形態1では、
圧電駆動素子1は、それぞれほぼ周辺固定の条件で使用
されている。そして、圧電駆動素子1には、個別の駆動
電極6が相対して、液体貯蔵部4に対応するように形成
されている。このため、駆動電極6に電圧が印加される
と、液体貯蔵部4の中心部が変位することになる。
【0037】また、直接接合で形成されたバイモルフ型
の圧電駆動素子1には、隔壁5が金属層の電鋳により形
成されているので、電鋳の精度で、液体噴射口2、液体
注入口3、液体貯蔵部4などの液体流路が一体的に構成
されている。なお、ここでは、液体噴射口2と液体注入
口3とは同様の形状で示されているが、実際には、液体
が液体注入口3から液体噴射口2へは流れやすく、逆に
液体噴射口2から液体注入口3へは流れにくくなるよう
に、弁を付けるなどして流路の形状を工夫することにな
る。
【0038】以下、バイモルフ型の圧電駆動素子1を形
成するための直接接合プロセスを説明する。かかる直接
接合は、以下のような工程で実現される。 1.2枚の基板の重ね合わせ面を研磨などで鏡面仕上げ
する。 2.2枚の基板を洗浄し、基板表面を親水化処理する。 3.2枚の基板を分極軸が反転した状態で重ね合わせ
る。 4.適切な温度で熱処理を行う。
【0039】以上の工程で基板は直接接合される。この
ような直接接合によれば、2枚の基板が原子レベルで固
着するので、経年変化がほとんどない安定な接合を実現
することができる。また、直接接合により固着した2枚
の圧電基板においては、圧電振動を起こした場合でも接
合面における弾性エネルギーの損失はほとんど生じな
い。
【0040】前記の実施の形態1にかかる液体噴射装置
においては、圧電駆動素子1を構成する圧電体として、
ニオブ酸リチウム基板、ニオブ酸カリウム基板、タンタ
ル酸リチウム基板、チタン酸ランタン酸ジルコン酸鉛、
ランガサイトなどの圧電単結晶材料を用い、これらの圧
電体を直接接合により分極軸を反転して接合して圧電駆
動素子1を形成している。
【0041】図4は、実施の形態1にかかる直接接合に
よる圧電単結晶バイモルフ型圧電駆動素子1と、従来技
術にかかるPZTなどの圧電セラミック材料バイモルフ
型圧電駆動素子とについて、相対駆動電圧値と規格化変
位との関係を示した電圧−変位特性図である。図4に示
すように、実施の形態1にかかる圧電駆動素子1では、
駆動電圧値に対する変位の直線性が優れているので、イ
ンクの噴出量を直線的に変化させることができる。ま
た、従来の圧電セラミックから成る圧電駆動素子に比べ
て、ヒステリシスが無視できる程度に小さいので、噴出
量の制御性を良くすることができ、さらに耐温度性、耐
湿度性などの信頼性を向上させることができる。
【0042】つまり、実施の形態1にかかる圧電駆動素
子1では、駆動電圧値に対する素子の変位量が直線的に
変化することから、インクジェットプリンタなどに使用
した場合には、インク噴射量の制御性が良くなり、ドッ
ト径の制御性が高くなる。また、単結晶材料は製造ロッ
ト間あるいは素子間での特性のばらつきが小さいため、
噴射量の再現性が高くなる。つまりは、高いドット再現
性を有することになる。さらに、単結晶材料はμmオー
ダーまで薄板化しても、材料の機械的強度の低下はセラ
ミック材料よりも小さく、このため圧電駆動素子1の駆
動周波数を高くした場合でも素子寿命の低下あるいは素
子特性の劣化は小さく、したがって高速噴射が可能とな
る。
【0043】また、直接接合により圧電駆動素子1を形
成することにより、次のような効果を奏する。すなわ
ち、直接接合は原子レベルでの固着であるため、経年変
化がほとんどない安定な接合である。これにより、圧電
駆動素子1の特性劣化あるいは素子間での特性のばらつ
きをなくして噴射量の再現性を高くし、高いドット再現
性を実現することができる。さらに、印加されたパルス
の履歴による特性のヒステリシスがなく、噴射量の再現
性あるいは制御性がともに高く、ドット径制御すなわち
ドット再現性の高い印刷が可能となる。また、曲げなど
の機械的衝撃に対しても直接接合部の変化はほとんどな
く、高周波で圧電駆動素子1を駆動することができ、高
速噴射を実現することができる。
【0044】加えて、隔壁5を、電鋳法により形成され
た金属を用いて形成すれば、駆動電極6の位置に対する
インク貯蔵部4の位置精度が上がり、別々の部品で組み
立てる場合に比べて、さらに特性及び信頼性の向上を実
現することができる。バイモルフ型の圧電駆動素子1
は、周辺固定の薄板であり撓み振動をしている。従っ
て、圧電駆動素子1の動作を安定させようとすれば、確
実で精度のよい周辺固定条件を実現する必要があるが、
隔壁5は金属層の電鋳により、直接に圧電体に密着する
金属体で形成されているので、この条件を満足させるこ
とができる。
【0045】(実施の形態2)以下、添付の図面を参照
しつつ、本発明の実施の形態2にかかる液体噴射装置を
詳細に説明する。なお、この実施の形態2にかかる液体
噴射装置の基本構成は、前記の実施の形態1にかかる液
体噴射装置と共通であるので、説明の重複を避けるた
め、実施の形態1と共通な部材には実施の形態1の場合
と同一の参照番号を付し、その説明を省略する。図5は
実施の形態2にかかる液体噴射装置の構造を示す斜視図
であり、図6は図5に示す液体噴射装置の側面図であ
り、図7は図5に示す液体噴射装置の平面図である。
【0046】図5〜図7において、7は共通電極(複数
の液体噴射装置に共通な電極)であり、8はユニモルフ
型の圧電駆動素子である。その他の構成要素は実施の形
態1の場合と同様であり、これらには実施の形態1の場
合と同一の参照番号が付されている。実施の形態2で
は、圧電駆動素子8がモノモルフ型であるので、ニオブ
酸リチウム基板に金属層を電鋳法により形成し、これを
共通電極7として用いている。そして、圧電駆動素子8
の裏面には、実施の形態1の場合と同様に個別の駆動電
極6を設けている。これらの点が実施の形態1との主な
違いである。モノモルフ型の圧電駆動素子8の場合は、
その本体部が伸縮しても電鋳金属層は伸縮しないので、
バイモルフ型の場合と同様に屈曲変位を得ることができ
る。なお、実施の形態2にかかる液体噴射装置の動作に
ついては、実施の形態1の場合とほぼ同様であるので、
その説明は省略する。
【0047】次に、実施の形態2にかかる液体噴射装置
の具体的な構造を説明する。圧電駆動素子8は、ユニモ
ルフ型の撓み変位アクチュエータである。そして、この
圧電駆動素子8は、例えば、圧電単結晶であるニオブ酸
リチウム基板の一面に下地となるNi層をめっきした
後、金属層内に応力が残らないような条件でNi層を電
鋳の手法を用いて厚く形成する。この金属層は、その厚
みが厚すぎると撓み量が小さくなり、他方薄すぎると機
械強度が低下するので、インク貯蔵部4の寸法に応じた
最適な厚みとなるように形成する必要がある。
【0048】このような構成のユニモルフ型基板の裏面
(インク貯蔵部側)には、図7に示すような配置でもっ
て、個別の駆動電極6が形成されている。周囲の隔壁5
は金属製であるので、実施の形態1の場合と同様に、イ
ンク貯蔵部側の駆動電極6と接触して短絡することがな
いようなパターンに形成されている。また、裏面側の駆
動電極6はインク供給路を通って制御部(図示せず)に
取り出される。
【0049】実施の形態2にかかる液体噴射装置におい
ては、圧電駆動素子8を構成する圧電体として、実施の
形態1と同様に、ニオブ酸リチウム基板、ニオブ酸カリ
ウム基板、タンタル酸リチウム基板、チタン酸ランタン
酸ジルコン酸鉛、ランガサイトなどの圧電単結晶材料を
用いている。したがって、前記の図4にも示すように、
駆動電圧値に対する変位の直線性が優れているので、イ
ンクの噴出量を直線的に変化させることができる。ま
た、従来の圧電セラミックからなる圧電駆動素子に比べ
てヒステリシスが無視できる程度に小さいので、噴出量
の制御性を良くすることができ、また耐温度性あるいは
耐湿度性などの信頼性を向上させることができる。
【0050】つまり、駆動電圧値に対する圧電駆動素子
8の変位量が直線的に変化することから、インクジェッ
トプリンタなどに使用した場合には、インク噴射量の制
御性が良くなり、ドット径の制御性が高くなる。単結晶
材料は製造ロット間あるいは素子間での特性のばらつき
が小さいので、噴射量の再現性が高く、高いドット再現
性を有することになる。また、単結晶材料はμmオーダ
ーまで薄板化しても、材料の機械的強度の低下はセラミ
ック材料よりも小さく、このため圧電駆動素子8の駆動
周波数を高くした場合でも、素子寿命の低下あるいは素
子特性の劣化が起こりにくくなり、ひいては高速噴射が
可能となる。
【0051】また、電鋳法で圧電駆動素子8を形成する
ことにより、次のような効果を奏する。すなわち、電鋳
法は、厚い金属層を単結晶上に形成することが可能であ
るので、圧電駆動素子8の機械強度を向上させることが
できる。例えば、典型的な単結晶圧電体の引っ張り強さ
は、1×108Pa以下であるのに対して、金属、例え
ばNiの引っ張り強さは、5.0〜9.0×108Paで
あり、ほぼ10倍である。このため、駆動力を生む圧電
体の厚みをより薄くすることができ、低電圧駆動が可能
となる。
【0052】また、電鋳法により形成された金属を用い
て隔壁5を形成すれば、駆動電極6の位置に対するイン
ク貯蔵部4の位置精度が高まり、別々の部品で組み立て
る場合に比べて、さらに特性及び信頼性の向上を実現す
ることができる。ユニモルフ型の圧電駆動素子8は、周
辺固定の薄板であり撓み振動をしている。したがって、
圧電駆動素子8の動作を安定させようとすれば、確実で
精度の良い周辺固定条件を実現する必要があるが、金属
層は、電鋳により直接に圧電体に密着した金属体から形
成されているので、この条件を満足させることができ
る。
【0053】(実施の形態3)以下、添付の図面を参照
しつつ、本発明の実施の形態3にかかる液体噴射装置の
製造方法を詳細に説明する。図8は、前記の実施の形態
1の液体噴射装置を製造する方法を示すフローチャート
(流れ図)である。
【0054】この液体噴射装置の製造においては、まず
ステップS1で、図9に示すように、分極軸を反転させ
て接合したバイモルフ型圧電素子形成用の基板9の上の
所定の位置に、第1の駆動電極6(裏面電極)を形成す
る。なお、この時点では、基板9は、第1の駆動電極形
成面側(インク貯蔵部側に相当する)のみを薄層化して
いるだけであり、全体の厚みは、取り扱いが容易なよう
に厚くしている。
【0055】次に、ステップS2で、図10(a)に示
すように、基板9の第1の駆動電極6が形成された面の
上に、スピンコートにより絶縁性の感光性塗料、すなわ
ちフォトレジストを全面的に塗布し、プリベークする。
そして、フォトマスクを密着させ、露光と現像とを行っ
た後、ポストベークすることにより、液体噴射口とイン
ク貯蔵部とインク注入口とを規制するレジストパターン
10を得る。このとき、レジストには、厚いレジスト膜
の形成が可能な高粘度のレジストを用い、レジストの厚
みが30μmとなるように塗布条件を管理する。ここ
で、フォトレジストパターンは、フォトリソグラフィ技
術を用いて、駆動電極上に正確に形成されるので、設計
余裕は必要以上にとらなくてもよい。このため、駆動電
極の配置とその周辺を規制する隔壁の距離とを最適にし
た上で、究極の狭ピッチ化及び多ノズル化を容易に実現
することができる。その具体的な実現手法は、以下の工
程で説明する。
【0056】続いて、ステップS3で、図10(b)に
示すように、基板9の第1の駆動電極形成面側より、隔
壁を形成するためのメッキ層を形成すべく、導電性を有
する層を形成するための下地処理を行う。この下地処理
は全面に対して行い、蒸着又はスパッタなどを用いて行
ってもよく、あるいは表面を活性化処理した後に無電解
めっきによって形成してもよい。この後、レジストパタ
ーン表面のみ金属層をラビングして除去する。この後に
残った導電層上に、厚み約30μmのNiめっきを成長
させ、これにより液体噴射口と液体貯蔵部と液体注入口
側面とを形成する隔壁を得る。この時点で、レジストパ
ターン10を除去し、その上に隔壁底面形成板を接着す
れば、圧電体と金属体に挟まれた、液体噴射口と液体貯
蔵部と液体注入口とが完成する。このとき、液体噴射口
部のレジストパターンはその幅が30μmとなるように
パターン形成されており、これにより30×30μmの
大きさの開口部を正確に形成することができる。なお、
隔壁底面部を形成する手法は、接着に限られるわけでは
なく、超音波溶接や熱溶着などの手法を用いてもよい。
単結晶圧電体は、キュリー点が高く、熱に対して安定で
あり、かつ機械強度も強いので、これらの手法によって
も圧電駆動素子部が劣化することはなく、都合がよい。
【0057】なお、ステップS4で、図10(c)に示
すように、さらにNi層を成長させてレジストを覆い、
この後液体噴射口と液体貯蔵部と液体注入口とを一括し
て形成(一体形成)するようにしてもよい。この場合
は、後からのレジストの除去が困難になるので、隔壁の
一部にレジスト除去用の穴を設けておき、後からふさぐ
といった手法を用いるのが望ましい。なお、この一部の
穴を液体注入口として用いることも可能である。あるい
は、図10(b)の状態でレジストを除去した後、隔壁
板とある間隙を保って金属板を対置し、両方向からめっ
きを堆積させ、一体化するといった方法を用いてもよ
い。この際、駆動電極部には通電しないようにしてお
き、隔壁板上のみに金属層が成長するようにしておく必
要がある。
【0058】ステップS4でNi層を成長させた後は、
ステップS5〜S6で図11(a)〜(b)に示すよう
に圧電駆動素子9を薄くし、この後ステップS7で図1
1(c)に示すように第2の駆動電極6(表面電極)を
形成する。なお、圧電駆動素子部が工程前に十分薄くさ
れており、所望の変位量及び共振周波数を示すようにな
っていれば、ステップS5〜S6は行う必要はない。し
かしながら、通常の小型の液体噴射装置においては、圧
電駆動素子部の厚みとして数10μmの厚みが必要とさ
れるので、これらステップは不可欠なものとなる。
【0059】具体的には、ステップS5で、図11
(a)に示すように、電鋳により形成された金属層を研
磨して平坦化する。このとき、あらかじめ精度良く研磨
された圧電駆動素子の面を基準に研磨すれば高精度な研
磨が可能となる。次に、ステップS6で、図11(b)
に示すように基板を裏返し、金属面を基準にして圧電駆
動素子表面を研磨する。このステップS6で、圧電駆動
素子は、ほぼ等しい板厚をもったバイモルフ型圧電駆動
素子となる。
【0060】この後、ステップS7で、図11(c)に
示すように、第2の駆動電極6(表面電極)を形成すれ
ば、圧電駆動素子と液体噴射口と液体貯蔵部と液体注入
口とが一体となった完成体が得られる。なお、この実施
の形態3では第2の駆動電極6(表面電極)が個別に形
成されているが、第1の駆動電極6(裏面電極)が個別
に形成されているので、表面の駆動電極を共通電極とし
ても、個別に制御が可能であり、特性上も問題がない。
【0061】(実施の形態4)以下、添付の図面を参照
しつつ、本発明の実施の形態4にかかる液体噴射装置の
製造方法を説明する。図12は、前記の実施の形態2の
液体噴射装置を製造する方法を示すフローチャートであ
る。
【0062】この液体噴射装置の製造においては、まず
ステップS11で、図13に示すように、ユニモルフ圧
電素子形成用の基板11の上の所定の位置に、駆動電極
6を形成する。なお、この時点では、基板11には、共
通電極となる15μmの厚みを有する金属層が電鋳によ
り形成されている。このため、圧電体の厚みがほぼ15
μm程度であっても、単体の圧電体に比べて強度が高
く、容易に取り扱うことができる。
【0063】次に、ステップS12〜S14で、図14
(a)〜(c)に示すように、圧電駆動素子は、金属体
と圧電体とが一体となったユニモルフ素子となり、圧電
駆動素子と液体噴射口と液体貯蔵部と液体注入口とがと
もに金属体からなり、すべてが一括形成(一体形成)さ
れた完成体が得られる。なお、ステップS12〜S14
は、基本的には、実施の形態3の場合とほぼ同様の手順
であるので、その詳しい説明は省略する。
【0064】ここで、ユニモルフ圧電素子の一部を形成
する共通電極7は、位置合わせが不要である。また、駆
動電極6と隔壁との間の位置関係はフォトリソグラフィ
技術を用いて正確に規定されるので、設計余裕を必要以
上にとらなくてもよい。このため、究極の狭ピッチ化及
び多ノズル化を容易に実現することができる。また、金
属体により補強されたユニモルフ基板を出発体とするこ
とにより、圧電駆動素子形成板の後研磨が不要になる。
さらに、一方の駆動電極が共通化されているため、工程
が簡略化される。なお、一方の駆動電極を共通とする構
成を用いて、さらに工程を簡略化することができるが、
かかる具体例は次の実施の形態で説明する。
【0065】(実施の形態5)以下、添付の図面を参照
しつつ、本発明の実施の形態5にかかる液体噴射装置の
製造方法を詳細に説明する。図15は、バイモルフ基板
を出発体として、裏面電極(インク貯蔵部側)を共通電
極として液体噴射装置を製造する場合の製造方法を示す
フローチャートである。
【0066】この液体噴射装置の製造においては、まず
ステップS21で、図16に示すように、分極軸を反転
させて接合したバイモルフ圧電素子形成用の基板9の裏
面全面に共通電極を形成する。なお、この時点では、基
板9は、第1の駆動電極形成面側(インク貯蔵部側に相
当)のみを薄層化しているだけであり、全体の厚みは、
取り扱いが容易なように厚くしている。
【0067】次に、ステップS22で、図17(a)に
示すように、基板9の共通電極が形成された面の上に、
スピンコートにより絶縁性の感光性塗料、すなわちフォ
トレジストを全面に塗布し、プリベークする。そして、
フォトマスクを密着させ、露光及び現像を行った後、ポ
ストベークすることにより、液体噴射口とインク貯蔵部
とインク注入口とを規制するレジストパターン10を得
る。このとき、レジストには、厚いレジスト膜の形成が
可能な高粘度のレジストを用い、レジストの厚みが30
μmとなるように塗布条件を管理する。レジストパター
ン10はフォトリソグラフィ技術を用いて駆動電極上に
正確に形成されるため、設計余裕を必要以上にとらなく
てもよい。このため、駆動電極の配置とその周辺を規制
する隔壁の距離とを最適にした上で、究極の狭ピッチ化
及び多ノズル化を容易に実現することができる。その具
体的な実現手法は、以下のとおりである。
【0068】すなわち、ステップS23では、図17
(b)に示すように、基板9の共通電極形成面側より、
隔壁を形成するためのメッキ層を形成する。前記の実施
の形態3では、隔壁を形成する面は圧電体表面であり、
したがって導電性がないので導電性を有する層を形成す
るための下地処理を行う必要がある。これに対して、こ
の実施の形態5では、すでに共通電極が形成されている
ので、この表面は導電性を有しており、したがって下地
処理を行う必要はない。
【0069】かくして、レジストパターン10で被覆さ
れた部分以外は自然に導電層となり、その上に厚み約3
0μmのNiめっきを成長させることにより、液体噴射
口と液体貯蔵部と液体注入口側面とを形成する隔壁を得
る。この時点で、レジストパターン10を除去し、その
上に隔壁底面形成板を接着すれば、圧電体と金属体に挟
まれた、液体噴射口と液体貯蔵部と液体注入口とが完成
する。このとき、液体噴射口部のレジストパターンはそ
の幅が30μmとなるようにパターン形成されており、
これにより30×30μmの大きさの開口部を正確に形
成することができる。なお、隔壁底面部を形成する手法
は、接着に限られるものではなく、超音波溶接や熱溶着
などの手法を用いてもよい。単結晶圧電体は、キュリー
点が高く、熱に対して安定であり、かつ機械強度も強い
ので、これらの手法によっても圧電駆動素子部が劣化す
ることはなく、都合がよい。
【0070】この後、ステップS24〜S27で、図1
7(c)及び図18(a)〜(c)に示すように液体噴
射装置が製造されるが、これらのステップS24〜S2
7における製造プロセスは、実施の形態3にかかる液体
噴射装置の製造方法の場合と同様であるので(図8中の
ステップS4〜S7)、説明の重複を避けるため、その
説明を省略する。
【0071】このようにして形成される完成体において
は、共通電極が裏面に形成されるので、電鋳層の形成が
容易であり、工程が簡略化される。この製造方法は、出
発体がユニモルフ基板11であっても、同様に用いるこ
とができる。なお、出発体がユニモルフ基板の場合の製
造方法は、次の実施の形態で説明する。
【0072】(実施の形態6)以下、添付の図面を参照
しつつ、本発明の実施の形態6にかかる液体噴射装置の
製造方法を詳細に説明する。図19は、圧電駆動素子が
ユニモルフ構造を備え、裏面が共通電極となっている液
体噴射装置の製造方法を示すフローチャートである。
【0073】この液体噴射装置の製造においては、まず
ステップS31で、図20(a)に示すように、基板1
1が準備される。この基板11には、共通電極となる1
5μmの厚みをもった金属層が電鋳により形成されてい
る。このため、圧電体の厚みがほぼ15μm程度であっ
ても、単体の圧電体に比べて強度が高く、容易に取り扱
うことができる。
【0074】次に、ステップS32で、図20(b)に
示すように、基板11の共通電極を兼ねたユニモルフの
一部である金属層が形成された面の上に、スピンコート
により絶縁性の感光性塗料、すなわちフォトレジストを
全面に塗布し、プリベークする。そして、フォトマスク
を密着させ、露光及び現像を行った後、ポストベークす
ることにより、液体噴射口とインク貯蔵部とインク注入
口とを規制するレジストパターン10を得る。このと
き、レジストには、厚いレジスト膜の形成が可能な高粘
度のレジストを用い、レジストの厚みが30μmとなる
ように塗布条件を管理する。
【0075】さらに、ステップS33で、図21(a)
に示すように、基板11の共通電極を兼ねたユニモルフ
金属層形成面に、隔壁を形成するためのメッキ層を形成
する。この実施の形態6においても、前記の実施の形態
5の場合と同様の理由により、導電層形成のための下地
処理を行う必要はない。かくして、レジストパターン1
0で被覆された部分以外は自然に導電層となり、その上
に厚み約30μmのNiめっきを成長させることによ
り、液体噴射口と液体貯蔵部と液体注入口側面とを形成
する隔壁を得る。この時点で、レジストパターン10を
除去し、その上に隔壁底面形成板を接着すれば、ユニモ
ルフ形成用金属体と隔壁形成用金属体とに挟まれた、液
体噴射口と液体貯蔵部と液体注入口とが完成する。この
とき、液体噴射口部のレジストパターンはその幅が30
μmとなるようにパターン形成されており、これにより
30×30μmの大きさの開口部を正確に形成すること
ができる。なお、隔壁底面部を形成する手法は、接着に
限られるものではなく、超音波溶接や熱溶着などの手法
を用いてもよい。単結晶圧電体は、キュリー点が高く、
熱に対して安定であり、かつ機械強度も強いので、これ
らの手法によっても圧電駆動素子部が劣化することはな
く、都合がよい。
【0076】なお、ステップS34で、図21(b)に
示すように、さらにメッキ層を成長させて、隔壁底面部
を形成してもよい。最後に、ステップS35で、図21
(c)に示すように、表面に個別の駆動電極6を形成す
ることにより、金属体と圧電体とが一体となったユニモ
ルフ素子となり、圧電駆動素子と液体噴射口と液体貯蔵
部と液体注入口とがともに金属体からなり、すべてが一
括形成(一体形成)された完成体が得られる。
【0077】(実施の形態7)以下、添付の図面を参照
しつつ、本発明の実施の形態7にかかる液体噴射装置の
製造方法を詳細に説明する。図22は、バイモルフ基板
を出発体とし、裏面電極(インク貯蔵部側)を共通電極
とした液体噴射装置の製造方法を示すフローチャートで
ある。
【0078】この液体噴射装置の製造においては、まず
ステップS41で、図23(a)に示すように、分極軸
を反転させて接合したバイモルフ圧電素子形成用の基板
9の裏面全面に共通電極7を形成する。なお、この時点
では、基板9は、第1の駆動電極形成面側(インク貯蔵
部側に相当)のみを薄層化しているだけであり、全体の
厚みは、取り扱いが容易なように厚くしている。
【0079】次に、ステップS42で、図23(b)に
示すように、基板9の共通電極7が形成された面の上
に、フォトレジストを何らかの手法で形成し、フォトマ
スクを密着させ、露光及び現像を行った後、ポストベー
クすることにより、液体噴射口とインク貯蔵部とインク
注入口とを規制する2段のレジストパターン10、12
を得る。より具体的には、この実施の形態7では、フォ
トレジストパターン上に、さらにフォトレジストを形成
し、1層目のレジストパターン10とは異なる2層目の
レジストパターン12を形成している。1層目のレジス
トパターン10は液体貯蔵部と液体注入部とを規制して
おり、2層目のレジストパターン12はインク噴射口と
第1層目の液体注入口につながる液体注入口の一部とを
規制するように形成されている。
【0080】このような構成は、1層目のレジスト及び
2層目のレジストの組成並びにその現像液を好ましく選
択し、1層目のパターンに影響を与えない現像液を用い
るレジストを2層目のレジストとしたり、1層目のレジ
ストをポジ型にして2層目をネガ型にするなどといった
方法で達成することができる。また、どちらかにフィル
ムレジストを用いることも可能である。
【0081】例えば、1層目のレジストにはアルカリ性
の現像液に可溶のポジ型フォトレジストを用いて1層目
のレジストパターンを得る。この後、ネガ型のフィルム
レジストを熱圧着ローラーによりラミネートする。フィ
ルムレジストはドライ工程で形成可能であるので、1層
目のレジストに影響を与えない。さらに、フィルムレジ
ストに、液体噴射口及び液体注入口を形成するために、
フォトマスクを密着させ、露光及び現像を行う。このと
き、ネガ型のレジスト用のフォトマスクパターンは、2
つの小さな開口を有するのみであるので、1層目に影響
をほとんど与えない。このようにして形成されるレジス
トパターンは、フォトリソグラフィ技術を用いて正確に
形成されるので、パターンの積層構造により、圧電駆動
素子と液体噴射口の位置関係を精密に決定することがで
きる。このため、噴射特性を最適化することができる。
【0082】さらに、ステップS43で、図24(a)
に示すように、基板9の共通電極形成面側より、隔壁を
形成するためのメッキ層を形成する。このめっきを成長
させることにより、液体噴射口と液体貯蔵部と液体注入
口側面とを形成する隔壁を得る。この時点で、レジスト
パターン10、12をそれぞれに最適な剥離液で除去
し、液体噴射口と液体貯蔵部と液体注入口とが完成す
る。このとき、液体噴射口部のレジストパターンはその
開口径が30μmとなるようにパターン形成されてお
り、このため30μmφの大きさの開口部を正確に形成
することができる。
【0083】次に、ステップS44で、図24(b)に
示すように、圧電駆動素子を薄くするために基板9を裏
返し、金属面を基準に圧電駆動素子表面を研磨する。こ
のステップS44で、圧電駆動素子は、ほぼ等しい板厚
をもったバイモルフ素子となる。この後、ステップS4
5で、図24(c)に示すように、第2の駆動電極6を
形成すれば、圧電駆動素子と液体噴射口と液体貯蔵部と
液体注入口とが一体となった完成体が得られる。このよ
うなステップを経ることにより、圧電駆動素子と液体噴
射口と液体貯蔵部と液体注入口とがともに金属体からな
り、すべてが一括形成された完成体が得られる。特に、
液体噴射口が隔壁底面に引き出されているので、撥水処
理などの表面処理を行いやすく、また液体噴射口周辺が
すべて金属体からなるので、強度も高くなり、クリーニ
ング時の損傷を避けることができる。
【0084】なお、この実施の形態7では、バイモルフ
圧電駆動素子を用いた場合を説明しているが、ユニモル
フ圧電素子を用いた場合も同様である。また、前記の実
施の形態のどの構成であっても実現可能であることはも
ちろんである。また、本発明にかかる液体噴射装置は、
実施の形態1〜7に示した構造及び電極配置に限られる
ものではなく、ユニモルフ、バイモルフ、個別電極、共
通電極を最適に配置して動作するようにしていればどの
ようなものでもよい。単結晶圧電体も、実施の形態1〜
7にあげた例に限定されるものではなく、圧電駆動素子
として動作する圧電性を有していればどのようなもので
もよい。また、隔壁を形成する金属体もNiに限られる
ものではなく、電鋳法により成長させることができるも
のであればどのようなものでもよい。さらに、本発明に
よれば、圧電セラミックの圧電定数が大きいことを利用
して、次の実施の形態のような構成を実現することがで
きる。
【0085】(実施の形態8)以下、添付の図面を参照
しつつ、本発明の実施の形態8にかかる液体噴射装置の
製造方法を詳細に説明する。図25は、圧電駆動素子が
ユニモルフ構造を備え、裏面の金属体が共通電極となっ
ている液体噴射装置の製造方法を示すフローチャートで
ある。
【0086】この液体噴射装置の製造においては、まず
ステップS51で、図26(a)に示すように、ユニモ
ルフ基板11が形成される。この基板11には、共通電
極となる15μmの厚みをもった金属層が電鋳により形
成されている。このため、圧電セラミックの厚みがほぼ
15μm程度であっても、単体の圧電セラミックに比べ
て強度が高く、容易に取り扱うことができる。この構成
においては、厚めの圧電セラミックの上に電鋳金属を全
面に形成し、それを下にして薄層化したものを用いる。
【0087】なお、圧電セラミックは、金属体とそれに
対向する電極とを形成し、分極して用いてもよく、ある
いはあらかじめ分極処理を施しておいてから金属体を成
長させてもよい。圧電単結晶の場合は、あらかじめ分極
処理が施されているものがほとんどであるので、分極処
理を行う必要がない場合が多い。
【0088】次に、ステップS52で、図26(b)に
示すように、基板11の共通電極を兼ねたユニモルフの
一部である金属層が形成された面上に、スピンコートに
より絶縁性の感光性塗料、すなわちフォトレジストを全
面に塗布し、プリベークする。そして、フォトマスクを
密着させ、露光及び現像を行った後、ポストベークする
ことにより、液体噴射口とインク貯蔵部とインク注入口
とを規制するレジストパターン10を得る。このとき、
レジストには、厚いレジスト膜の形成が可能な高粘度の
レジストを用い、レジストの厚みが30μmとなるよう
に塗布条件を管理する。
【0089】さらに、ステップS53で、図27(a)
に示すように、基板11の共通電極を兼ねたユニモルフ
金属層の形成面側より、隔壁を形成するためのメッキ層
を形成する。この実施の形態8においても、前記の実施
の形態5、6の場合と同様の理由により、導電層形成の
ための下地処理を行う必要はない。かくして、レジスト
パターン10で被覆された部分以外は自然に導電層とな
り、その上に厚み約30μmのNiめっきを成長させる
ことにより、液体噴射口と液体貯蔵部と液体注入口側面
とを形成する隔壁を得る。この時点で、レジストパター
ン10を除去し、その上に隔壁底面形成板を接着すれ
ば、ユニモルフ形成用金属体と隔壁形成用金属体とに挟
まれた、液体噴射口と液体貯蔵部と液体注入口とが完成
する。このとき、液体噴射口部のレジストパターンは、
その幅が30μmとなるようにパターン形成されてお
り、これにより30×30μmの大きさの開口部を正確
に形成することができる。圧電セラミックはキュリー点
が単結晶よりは低いので、プロセス中にキュリー点以上
の温度がこれにかからないように注意する必要がある。
【0090】なお、ステップS54で、図27(b)に
示すように、さらにめっき層を成長させて隔壁底面部を
形成してもよい。圧電セラミックは、薬品に対して、圧
電単結晶ほどは耐性をもたないので、長時間のめっきに
は、めっき液の組成あるいは方法について注意を要す
る。
【0091】最後に、ステップS55で、図27(c)
に示すように、表面に個別の駆動電極6を形成すること
により、金属体と圧電セラミックとが一体となったユニ
モルフ素子となり、圧電駆動素子と液体噴射口と液体貯
蔵部と液体注入口とがともに金属体からなり、すべてが
一括形成された完成体が得られる。また、圧電駆動素子
が圧電セラミックからなっているため、単結晶に同じ電
圧を印加した場合に比べて大きな変位が得られる。ただ
し、非線形性をもつため、制御を行う際にはその点を注
意する必要があるが、個々の部品の位置合わせを必要と
しないという本発明の利点を生かすことができる。な
お、非線形性を許容して、ユニモルフ基板を金属板と圧
電セラミックの接着により形成することも当然可能であ
る。
【0092】(実施の形態9)以下、添付の図面を参照
しつつ、本発明の実施の形態9にかかる液体噴射装置の
製造方法を詳細に説明する。図28は、圧電駆動素子が
バイモルフ構造を備え、素子内部に積層された電極が共
通電極となっている液体噴射装置の製造方法において、
圧電駆動素子にセラミックを用いた場合の製造方法を示
すフローチャートである。
【0093】この液体噴射装置の製造においては、まず
ステップS61で、図29(a)に示すように、基板9
の上に裏面電極6が形成される。ここで、基板9として
は、2層の圧電体の間に1層の共通電極7が形成された
積層圧電セラミックを用いている。圧電セラミックの厚
みは、1層目がほぼ15μm程度であり、2層目が10
0μmとされる。この構成においては、圧電セラミック
のグリーンシートを多数積層した後、電極層を積層し、
最後に1層分のグリーンシートを積層するようにしてい
る。圧電セラミックは、薄いシートを積層して、電極を
間に挟むことができるので、構成のバリエーションが広
がるといった利点がある。ただし、厚みを管理した薄い
グリーンシートを用いても、焼成により収縮するので、
1層当たりの厚みを正確に制御することは難しく、用途
に応じた使い分けが必要である。なお、積層した圧電セ
ラミックは、上下が分極用の電極ではさまれ、一方向に
分極され、一方に駆動電極6が形成されている。
【0094】次に、ステップS62で、図29(b)に
示すように、基板9の上に、電極パターン6を覆うレジ
ストパターン10を形成する。レジストパターン10
は、スピンコートにより絶縁性の感光性塗料、すなわち
フォトレジストを全面に塗布し、プリベークすることに
より形成する。この後、フォトマスクを密着させ、露光
及び現像を行った後、ポストベークすることにより、液
体噴射口とインク貯蔵部とインク注入口とを規制するレ
ジストパターン10を得る。このとき、レジストには、
厚いレジスト膜の形成が可能な高粘度のレジストを用
い、レジストの厚みが30μmとなるように塗布条件を
管理する。
【0095】さらに、ステップS63で、図30(a)
に示すように、基板9上に、隔壁を形成するための電鋳
層5(めっき層)を形成する。なお、前処理等は実施の
形態3の場合と同様である。かくして、厚み約30μm
のNiめっきを成長させることにより、液体噴射口と液
体貯蔵部と液体注入口側面とを形成する隔壁を得る。こ
の時点で、レジストパターン10を除去する。
【0096】次に、ステップS64で、図30(b)に
示すように、基板上に隔壁底面形成板13を接着すれ
ば、ユニモルフ形成用金属体と隔壁形成用金属体とに挟
まれた、液体噴射口と液体貯蔵部と液体注入口とが完成
する。このとき、液体噴射口部のレジストパターンはそ
の幅が30μmとなるようにパターン形成されており、
これにより30×30μmの大きさの開口部を正確に形
成することができる。圧電セラミックは、キュリー点が
単結晶よりは低いので、プロセス中にキュリー点以上の
温度がかからないように注意する必要がある。
【0097】最後に、ステップS65で、図30(c)
に示すように、圧電セラミックを表面側より1層目が約
15μmとなるように薄板化し、駆動電極6を形成して
バイモルフ構造を得る。なお、この実施の形態9におい
ては、隔壁底面部形成のために接着を用いているが、他
の実施の形態と同様に、さらにめっき層を成長させて隔
壁底面部を形成するようにしてもよい。また、実施の形
態9においては、バイモルフ基板の共通電極(基板内)
を印刷、積層により形成しているが、厚みの薄い金属板
とセラミック基板とを積層して接着してもよい。
【0098】なお、図30(c)においては、表面に個
別の駆動電極を形成し、裏面の電極と接続し、バイモル
フがたわみ駆動されるようになっている。そして、表面
の電極及び液体貯蔵部側の電極は基板端面でそれぞれ接
続され、圧電セラミック内の電極をアースすると、アー
スとの間に生じる電界が上下で逆になるので、たわみ変
位を行わせることが可能となる。
【0099】なお、基板は、実施の形態9で用いたバイ
モルフの構造の形態に限られるものではなく、その他の
電極配置においても同様に動作することはいうまでもな
い。実施の形態9の素子は、圧電駆動素子が圧電セラミ
ックからなり、さらにバイモルフ構造となっているた
め、同じ構成の単結晶に同じ電圧を印加した場合や、ユ
ニモルフ構造に比べて大きなたわみ変位が得られる。た
だし、セラミックの特性上、非線形性をもつので、制御
を行う際にはその点を注意する必要があるものの、個々
の部品の位置合わせを必要としないといった本発明の利
点を生かすことができる。
【0100】
【発明の効果】以上、本発明によれば、上記構成によ
り、噴射する液体をμmオーダーに小径化することがで
き(小ドット径)、液体の噴射量を精密に制御すること
ができ(ドット径制御)、液体の噴射量の再現性(ドッ
ト再現性)を高めることができ、短い時間で間欠的に液
体を噴射することができ(高速噴射)、装置に具備され
るノズルの数を増やすことができる(多ノズル化)、長
寿命で安価な液体噴射装置を得ることができる。また、
本発明の液体噴射装置をインクジェットプリンタに用い
ることにより、高解像、多階調、高速な印刷を低価格で
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかる液体噴射装置
の斜視図である。
【図2】 図1に示す液体噴射装置の側面図である。
【図3】 図1に示す液体噴射装置の平面図である。
【図4】 実施の形態1にかかる液体噴射装置を構成す
る圧電駆動素子の変位特性図である。
【図5】 本発明の実施の形態2にかかる液体噴射装置
の斜視図である。
【図6】 図5に示す液体噴射装置の側面図である。
【図7】 図5に示す液体噴射装置の平面図である。
【図8】 本発明の実施の形態3にかかる、液体噴射装
置の製造方法を示すフローチャートである。
【図9】 図8に示すフローチャートのステップS1に
おける基板の状態を示す図である。
【図10】 (a)〜(c)は、それぞれ、図8に示す
フローチャートのステップS2〜S4における基板の状
態を示す図である。
【図11】 (a)〜(c)は、それぞれ、図8に示す
フローチャートのステップS5〜S7における基板の状
態を示す図である。
【図12】 本発明の実施の形態4にかかる、液体噴射
装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図13】 図12に示すフローチャートのステップS
11における基板の状態を示す図である。
【図14】 (a)〜(c)は、それぞれ、図12に示
すフローチャートのステップS12〜S14における基
板の状態を示す図である。
【図15】 本発明の実施の形態5にかかる、液体噴射
装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図16】 図15に示すフローチャートのステップS
21における基板の状態を示す図である。
【図17】 (a)〜(c)は、それぞれ、図15に示
すフローチャートのステップS22〜S24における基
板の状態を示す図である。
【図18】 (a)〜(c)は、それぞれ、図15に示
すフローチャートのステップS25〜S27における基
板の状態を示す図である。
【図19】 本発明の実施の形態6にかかる、液体噴射
装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図20】 (a)〜(b)は、それぞれ、図19に示
すフローチャートのステップS31〜S32における基
板の状態を示す図である。
【図21】 (a)〜(c)は、それぞれ、図19に示
すフローチャートのステップS33〜S35における基
板の状態を示す図である。
【図22】 本発明の実施の形態7にかかる、液体噴射
装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図23】 (a)〜(b)は、それぞれ、図22に示
すフローチャートのステップS41〜S42における基
板の状態を示す図である。
【図24】 (a)〜(c)は、それぞれ、図22に示
すフローチャートのステップS43〜S45における基
板の状態を示す図である。
【図25】 本発明の実施の形態8にかかる、液体噴射
装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図26】 (a)〜(b)は、それぞれ、図25に示
すフローチャートのステップS51〜S52における基
板の状態を示す図である。
【図27】 (a)〜(c)は、それぞれ、図25に示
すフローチャートのステップS53〜S55における基
板の状態を示す図である。
【図28】 本発明の実施の形態9にかかる、液体噴射
装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図29】 (a)〜(b)は、それぞれ、図28に示
すフローチャートのステップS61〜S62における基
板の状態を示す図である。
【図30】 (a)〜(c)は、それぞれ、図28に示
すフローチャートのステップS63〜S65における基
板の状態を示す図である。
【図31】 従来の熱方式の液体噴射装置の立面断面図
である。
【図32】 (a)〜(d)は、それぞれ、図31に示
す従来の熱方式の液体噴射装置の動作を説明するための
該液体噴射装置の立面断面図である。
【図33】 従来の圧電積層方式の液体噴射装置の立面
断面図である。
【図34】 (a)〜(b)は、それぞれ、従来の圧電
モノモルフ方式の液体噴射装置の立面断面図であり、該
液体噴射装置の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1 バイモルフ圧電駆動素子、2 液体噴射口、3 液
体注入口、4 液体貯蔵部、5 隔壁、6 駆動電極、
7 共通電極、8 ユニモルフ圧電駆動素子、9 バイ
モルフ圧電駆動素子形成用基板、10 レジストパター
ン、11 ユニモルフ圧電駆動素子形成用基板、12
2層目のレジストパターン、13 隔壁底面形成板、1
01 基板(隔壁形成用基板)、102 基板(隔壁形
成用基板)、103 インク貯蔵部、104 薄膜ヒー
ター、105 インク注入口、106 インク噴射口、
107 ボンディングワイヤ、108 制御回路、11
1積層型圧電素子、112 ベース(固定用ベース)、
113 インク貯蔵部、114 インク注入口、115
インク噴射口、116 インク粒、121 モノモル
フ型圧電素子、122 圧電厚膜、123 セラミック
基板、124 インク流路、125 インク注入口、1
26 インク噴射口、127 金属(ノズル板)、12
8 接着層、129 インク粒。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川▲崎▼ 修 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小掠 哲義 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 南波 昭彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小松 敦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 岡野 祐幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF33 AF93 AG12 AG44 AG90 AG92 AG93 AP02 AP38 AP57 AP77 BA05 BA14

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を貯蔵する液体貯蔵部と、該液体貯
    蔵部に前記液体を注入する液体注入口と、前記液体貯蔵
    部に貯蔵されている前記液体を噴射する液体噴射口と、
    前記液体貯蔵部に貯蔵されている前記液体を駆動して前
    記液体噴射口から噴射させるバイモルフ型圧電駆動素子
    とを備えた液体噴射構造を少なくとも1組有している液
    体噴射装置であって、 前記液体注入口から前記液体貯蔵部を経て前記液体噴射
    口に至る液体流路を画成する隔壁が、前記圧電駆動素子
    上に一連となって形成された金属層からなることを特徴
    とする液体噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記バイモルフ型圧電駆動素子の表側表
    面と裏側表面とに、それぞれ駆動電極が互いに対向する
    ように設けられ、 前記表側又は裏側の駆動電極のうち、いずれか一方の駆
    動電極が、順次隣り合う少なくとも2つの液体噴射構造
    について共通な共通電極として形成されていることを特
    徴とする、請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記バイモルフ型圧電駆動素子が、ニオ
    ブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウ
    ム、チタン酸ランタン酸ジルコン酸鉛又はランガサイト
    からなる2枚の基板が分極軸が反転するようにして直接
    接合されてなることを特徴とする、請求項1に記載の液
    体噴射装置。
  4. 【請求項4】 前記バイモルフ型圧電駆動素子が、2層
    以上の積層バイモルフ構造を備えた圧電セラミックであ
    ることを特徴とする、請求項1に記載の液体噴射装置。
  5. 【請求項5】 液体を貯蔵する液体貯蔵部と、該液体貯
    蔵部に前記液体を注入する液体注入口と、前記液体貯蔵
    部に貯蔵されている前記液体を噴射する液体噴射口と、
    前記液体貯蔵部に貯蔵されている前記液体を駆動して前
    記液体噴射口から噴射させるユニモルフ型圧電駆動素子
    とを備えた液体噴射構造を少なくとも1組有している液
    体噴射装置であって、 前記液体注入口から前記液体貯蔵部を経て前記液体噴射
    口に至る液体流路を画成する隔壁が、前記圧電駆動素子
    上に一連となって形成された金属層からなることを特徴
    とする液体噴射装置。
  6. 【請求項6】 前記ユニモルフ型圧電駆動素子の表側表
    面と裏側表面とに、それぞれ駆動電極が互いに対向する
    ように設けられ、 前記表側又は裏側の駆動電極のうち、いずれか一方の駆
    動電極が、順次隣り合う少なくとも2つの液体噴射構造
    について共通な共通電極として形成されていることを特
    徴とする、請求項5に記載の液体噴射装置。
  7. 【請求項7】 前記ユニモルフ型圧電駆動素子が、圧電
    体と金属体の積層体からなり、 前記積層体の、前記金属体と反対側の面上に前記液体流
    路が形成される一方、前記金属体が前記共通電極として
    機能するようになっていることを特徴とする、請求項6
    に記載の液体噴射装置。
  8. 【請求項8】 前記ユニモルフ型圧電駆動素子が、圧電
    体と金属体の積層体からなり、 前記積層体の、前記金属体と同じ側の面上に前記液体流
    路が形成される一方、前記金属体が前記共通電極として
    機能するようになっていることを特徴とする、請求項6
    に記載の液体噴射装置。
  9. 【請求項9】 前記ユニモルフ型圧電駆動素子が、ニオ
    ブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウ
    ム、チタン酸ランタン酸ジルコン酸鉛又はランガサイト
    からなる圧電体と、該圧電体上にめっきにより形成され
    た金属体とが積層されてなる積層体であることを特徴と
    する、請求項5に記載の液体噴射装置。
  10. 【請求項10】 前記ユニモルフ型圧電駆動素子が、圧
    電セラミックと該圧電セラミック上にめっきにより形成
    された金属体とが積層されてなる積層体であることを特
    徴とする、請求項5に記載の液体噴射装置。
  11. 【請求項11】 前記液体噴射口が、前記圧電駆動素子
    とは接していない電鋳金属の底面の一部に開口するよう
    に形成されていることを特徴とする、請求項1又は5に
    記載の液体噴射装置。
  12. 【請求項12】 前記液体噴射口が、前記圧電駆動素子
    と接する電鋳金属の側面の一部に開口するように形成さ
    れていることを特徴とする、請求項1又は5に記載の液
    体噴射装置。
  13. 【請求項13】 2つの圧電単結晶を、分極軸を反転さ
    せて直接接合してバイモルフ型圧電駆動素子基板を形成
    する工程と、 前記バイモルフ型圧電駆動素子基板の上に、電鋳法によ
    り、液体を貯蔵する液体貯蔵部と、該液体貯蔵部に前記
    液体を注入する液体注入口と、前記液体貯蔵部に貯蔵さ
    れている前記液体を噴射する液体噴射口とをパターン形
    成する工程とを含むことを特徴とする液体噴射装置の製
    造方法。
  14. 【請求項14】 圧電セラミックを積層して焼成し、分
    極してバイモルフ型圧電駆動素子基板を形成する工程
    と、 前記バイモルフ型圧電駆動素子基板の上に、電鋳法によ
    り、液体を貯蔵する液体貯蔵部と、該液体貯蔵部に前記
    液体を注入する液体注入口と、前記液体貯蔵部に貯蔵さ
    れている前記液体を噴射する液体噴射口とをパターン形
    成する工程とを含むことを特徴とする液体噴射装置の製
    造方法。
  15. 【請求項15】 前記バイモルフ型圧電駆動素子の表側
    表面と裏側表面とに、それぞれ互いに対向するように設
    けられる駆動電極のうち、いずれか一方の駆動電極を、
    順次隣り合う少なくとも2つの液体噴射構造について共
    通化し、 前記共通化された駆動電極を、電鋳金属の下地層として
    用いることを特徴とする、請求項13又は14に記載の
    液体噴射装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 圧電単結晶上に電鋳法により金属層を
    形成してユニモルフ型圧電駆動素子基板を形成する工程
    と、 前記ユニモルフ型圧電駆動素子基板の上に、電鋳法によ
    り、液体を貯蔵する液体貯蔵部と、該液体貯蔵部に前記
    液体を注入する液体注入口と、前記液体貯蔵部に貯蔵さ
    れている前記液体を噴射する液体噴射口とをパターン形
    成する工程とを含むことを特徴とする液体噴射装置の製
    造方法。
  17. 【請求項17】 圧電セラミック上に電鋳法により金属
    層を形成してユニモルフ型圧電駆動素子基板を形成する
    工程と、 前記ユニモルフ型圧電駆動素子基板の上に、電鋳法によ
    り、液体を貯蔵する液体貯蔵部と、該液体貯蔵部に前記
    液体を注入する液体注入口と、前記液体貯蔵部に貯蔵さ
    れている前記液体を噴射する液体噴射口とをパターン形
    成する工程とを含むことを特徴とする液体噴射装置の製
    造方法。
  18. 【請求項18】 前記ユニモルフ型圧電駆動素子基板を
    構成する金属層と同じ面上に、前記金属層を下地とし
    て、前記液体注入口から前記液体貯蔵部を経て前記液体
    噴射口に至る液体流路を電鋳法によりパターン形成する
    工程を含むことを特徴とする、請求項16又は17に記
    載の液体噴射装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記液体注入口と前記液体貯蔵部と前
    記液体噴射口とを構成する隔壁を、2層以上の電鋳法で
    製造するようにした上で、 1層目のパターニングしたレジストで少なくとも前記液
    体貯蔵部の形状を規制し、前記1層目のレジスト上にパ
    ターニングしたレジストで少なくとも前記液体噴射口の
    形状を規制するようにしたことを特徴とする、請求項1
    3、14、16又は17に記載の液体噴射装置の製造方
    法。
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