JP3545147B2 - ノズル形成部材の製造方法及びインクジェットヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はノズル形成部材の製造方法に関し、特にインクジェットヘッド用ノズル形成部材の製造方法及びインクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置は、記録時の振動、騒音が殆どなく、特にカラー化が容易なことから、コンピュータ等のデジタル処理装置のデータを出力するプリンタの他、ファクシミリやコピー機等にも用いられるようになっている。このようなインクジェット記録装置に用いられるインクジェットヘッドは、圧電素子、発熱抵抗体等のアクチュエータ素子を記録信号に応じて駆動することによってノズルからインク滴を吐出飛翔させることによって記録媒体上に画像記録を行なうものである。
【0003】
このようなインクジェットヘッドは、構造上、ヘッド構成部材の積層の端面側よりインク滴を吐出するエッジシュータ方式のものと、ノズル形成部材に略円形のノズルを形成するサイドシュータ方式のものとに大別することができる。このサイドシュータ方式のインクジェットヘッドとしては、従来、例えば特開平6−255099号公報に記載されているように、圧電素子上に、ダイアフラム部を有する振動板を積層し、この振動板上に圧電素子でダイアフラム部を介して加圧される液室及びこの液室にインクを供給するインク供給路を形成する流路形成部材を積層し、更にこの流路形成部材上にノズルを形成したノズル形成部材を積層したものが知られている。
【0004】
このようなインクジェットヘッドにおけるノズル形成部材の製造方法としては、特開昭62−234941号公報に記載されているように、金属基板上に第1のマスクを形成し、このマスク上に第1のマスクのマスク幅よりも狭く且つ高さの高い第2のマスクを形成して、金属基板の露出表面上に金属を形成して、第1、第2のマスク及び金属基板を除去する方法が知られている。
【0005】
また、特開平4−142929号公報に記載されているように、厚付けメッキにより形成され、ノズル穴を形成するためのフォトレジストによるパターニングと、ノズル穴の穴径が一定になるようにパターニングの中心部分へノズル穴の穴径を規制するためのフォトレジストによるパターニングを行う方法も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
インクジェットヘッドにおけるノズル形成部材はインク滴吐出特性に大きな影響を及ぼすものであり、ノズルの径寸法はインク滴体積Mj及びインク滴吐出速度Vjを制御する重要なパラメータである。さらに、ノズル形成部材のインク吐出表面部(以下、「ノズル表面」という。)のインクに対する濡れ性は、インク滴吐出方向やインク滴吐出安定性を左右し、ノズル表面にインク溜りが存在すると、インク溜りと吐出されたインク滴とが引き付け合って吐出方向が歪められる。さらに、インク滴吐出の不均一の原因となってインク滴吐出速度Vjが低下したり、インク液室への気泡の巻き込みが発生して、インク滴吐出不良に発展する。
【0007】
特に、ノズル内部形状はインク滴吐出方向やインク滴吐出安定性を向上させるために大きな影響を及ぼす。上述した従来のノズル形成部材の製造方法は、いずれもノズル径精度の向上、ノズル厚さ向上などを目的とするものであるが、ノズル内部形状を規定することができない。そのために、インク滴吐出方向、滴吐出安定性を十分に確保するだけのノズル内部形状を有するノズル形成部材を得ることができない。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ノズル内部形状を理想的に形成することができるノズル形成部材の製造方法を提供し、ノズル内部形状が理想的なインクジェットヘッドを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1のノズル形成部材の製造方法は、ノズル孔を有する部材を形成するノズル形成工程と、このノズル形成工程で得られた部材に対してノズル内部形状を規定するためのフォトレジストパターンを、前記ノズル形成工程で得られた部材をマスクパターンとして使用して、前記ノズル孔内に形成するフォトレジストパターン形成工程と、このフォトレジストパターン形成工程で得られた部材に対して、前記ノズル孔内周面と前記ノズル孔内に形成されたフォトレジストパターン外周面との間に入り込むメッキ層を形成する金属電鋳工程と、前記フォトレジストパターンを除去する工程を順次行う構成とした。
【0010】
請求項2のノズル形成部材の製造方法は、ノズル孔を有する部材を形成するノズル形成工程と、このノズル形成工程で得られた部材に対してノズル内部形状を規定するためのフォトレジストパターンを、ノズル形成工程で得られた部材をマスクパターンとして使用して前記ノズル孔内に形成する第1フォトレジストパターン形成工程と、この第1フォトレジストパターン形成工程で得られた部材に対して、前記ノズル孔内周面と前記ノズル孔内に形成されたフォトレジストパターン外周面との間に入り込むメッキ層を形成する金属電鋳工程と、この金属電鋳工程で得られた部材に対してノズル表面処理形成用のフォトレジストパターンを形成する第2フォトレジストパターン形成工程と、この第2フォトレジストパターン形成工程で得られた部材のノズル表面側に表面処理層を形成する表面処理層形成工程と、前記フォトレジストパターンを除去する工程を順次行う構成とした。
【0012】
請求項3のノズル形成部材の製造方法は、上記請求項1又は2のノズル形成部材の製造方法において、前記フォトレジストパターン形成工程では、フォトレジスト材としてドライフィルムレジストを使用し、部材の両面にラミネートした後、所定のパターンを形成する構成とした。
【0013】
請求項4のノズル形成部材の製造方法は、上記請求項1乃至3のいずれかのノズル形成部材の製造方法において、前記ノズル形成工程は、基板上のノズル形成位置に対応するフォトレジストパターンを形成する工程と、前記基板上の露出面に金属電鋳を行う工程を含む構成とした。
【0014】
請求項5のインクジェットヘッドは、ノズルを有するノズル形成部材を備えたインクジェットヘッドにおいて、前記ノズル形成部材は、請求項1ないし4のいずれかに記載の製造方法で形成され、ノズルの内部形状が略円柱形状又は略円錘台形状である構成とした。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1は本発明を適用したインクジェットヘッドの分解斜視図、図2は同ヘッドのチャンネル方向(ノズル配列方向)と直交する方向の要部拡大断面図、図3は同ヘッドのチャンネル方向の要部拡大断面図である。
【0016】
このインクジェットヘッドは、駆動ユニット1と、液室ユニット2と、ヘッドカバー3とを備えている。
駆動ユニット1は、セラミックス基板、例えばチタン酸バリウム、アルミナ、フォルステライトなどの絶縁性の基板11上に、エネルギー発生素子である複数の積層型圧電素子12を列状に2列配置して接合し、これら2列の各圧電素子12の周囲を取り囲む樹脂、セラミック等からなるフレーム部材(支持体)13を接着剤(接合剤)14によって接合している。
【0017】
複数の圧電素子12は、インクを液滴化して飛翔させるための駆動パルスが与えられる圧電素子(これを「駆動部」という。)17,17…と、駆動部17,17間に位置し、駆動パルスが与えられずに単に液室ユニット2を基板11に固定する液室支柱部材となる圧電素子(これを「非駆動部」という。)18,18…とを交互に構成している。
【0018】
ここで、圧電素子12としては10層以上の積層型圧電素子を用いている。この積層型圧電素子は、例えば図2に示すように、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)20と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極21とを交互に積層したものであるが、圧電素子として用いる材料は上記に限られるものでなく、その他の電気機械変換素子を用いることもできる。
【0019】
各圧電素子12の内部電極21は1層おきにAgPdからなる左右の端面電極22,23(2つの圧電素子列の対向する面側を端面電極22とし、対向しない面側を端面電極23とする。)に接続している。一方、基板11上には、図1に示すようにNi・Au蒸着、Auメッキ、AgPtペースト印刷、AgPdペースト印刷等によって共通電極24及び個別電極25の各パターンを設けている。
【0020】
そして、各列の各圧電素子12の対向する端面電極22を導電性接着剤26を介して共通電極24に接続し、他方、各列の各圧電素子12の対向しない端面電極23を同じく導電性接着剤26を介してそれぞれ個別電極25に接続している。これにより、駆動部17に駆動電圧を与えることによって、積層方向に電界が発生して、駆動部17には積層方向の伸びの変位(d33方向の変位)が生起される。なお、共通電極24は、図2にも示すように、フレーム部材13に設けた穴13a内に導電性接着剤26を充填することで各圧電素子に接続されたパターンの導通を取っている。
【0021】
一方、液室ユニット2は、金属或いは樹脂の薄膜からなる振動板31と、ドライフィルムレジスト(DFR)からなる感光性樹脂層で形成した2層構造の液室隔壁部材32と、金属、樹脂等からなるノズルプレート33とを順次を積層し、熱融着して形成している。これらの各部材によって、1つの圧電素子12(駆動部17)と、この1つの圧電素子12に対応するダイアフラム部34と、各ダイアフラム部34を介して加圧される加圧液室35と、この加圧液室35の両側に位置して加圧液室35に供給するインクを導入する共通液室36,36と、加圧液室35と共通液室36,36とを連通するインク供給路37,37と、加圧液室35に連通するノズル38とによって1つのチャンネルを形成し、このチャンネルを複数個2列設けている。
【0022】
振動板31は、駆動部17に対応する前記ダイアフラム部34と、非駆動部18に接合する梁41及びフレーム部材13に接合するベース42とを形成している。ダイアフラム部34は、駆動部17に接合する島状凸部43と、この凸部43の周囲に形成した厚み3〜10μm程度の最薄膜部分(ダイアフラム領域)44とからなる。
【0023】
液室隔壁部材32は、振動板31側に予めドライフィルムレジストを塗布して所要のマスクを用いて露光し、現像して所定の液室パターンを形成した第1感光性樹脂層45と、ノズルプレート33側に予めドライフィルムレジストを塗布して所要のマスクを用いて露光し、現像して所定の液室パターンを形成した第2感光性樹脂層46とを熱圧着で接合してなる。
【0024】
ノズルプレート33にはインク滴を飛翔させるための微細な吐出口であるノズル38を多数を形成している。このノズル38の内部形状(内側形状)は、略円柱形状(又は略円錘台形状でもよい。)に形成している。また、このノズル38の径はインク滴出口側の直径で約25〜35μmである。このノズルプレート33の製造方法については後述する。
【0025】
このノズルプレート33のインク吐出面(ノズル表面側)は、図1に示すように撥水性の表面処理を施した撥水処理面47としている。例えば、PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、インク物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、インクの滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。なお、ノズルプレート33の周縁部は撥水処理膜を形成しない非撥水処理面48としている。
【0026】
これらの駆動ユニット1と液室ユニット2とはそれぞれ別個に加工、組立を行なった後、液室ユニット2の振動板31と駆動ユニット1の圧電素子12及びフレーム部材13とを接着剤49で接合している。
【0027】
そして、基板11をヘッド支持部材であるスペーサ部材(ヘッドホルダ)50上に支持して保持し、このスペーサ部材50内に配設したヘッド駆動用IC等を有するPCB基板と駆動ユニット1の各圧電素子12(駆動部17)に接続した各電極24,25とをFPCケーブル51,51を介して接続している。
【0028】
また、ノズルカバー(ヘッドカバー)3は、ノズルプレート33の周縁部及びヘッド側面を覆う箱状に形成したものであり、ノズルプレート33の撥水処理面47に対応して開口部を形成し、ノズルプレート33の周縁部に残した非撥水処理面48に接着剤にて接着接合している。さらに、このインクジェットヘッドには、図示しないインクカートリッジからのインクを液室に供給するため、スペーサ部材50、基板11、フレーム部材13及び振動板31にそれぞれインク供給穴52〜55を設けている。
【0029】
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、記録信号に応じて駆動部17に駆動波形(10〜50Vのパルス電圧)を印加することによって、駆動部17に積層方向の変位が生起し、振動板31のダイアフラム部34を介して加圧液室35が加圧されて圧力が上昇し、ノズル38からインク滴が吐出される。このとき、加圧液室35から共通液室36へ通じるインク供給路37,37方向へもインクの流れが発生するが、インク供給路37,37の断面積を狭小にすることで流体抵抗部として機能させて共通液室36,36側へのインクの流れを低減し、インク吐出効率の低下を防いでいる。
【0030】
そして、インク滴吐出の終了に伴い、加圧液室35内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧液室34内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、インクタンクから供給されたインクは共通液室36,36に流入し、共通液室36,36からインク供給路37,37を経て加圧液室35内に充填される。そして、ノズル38の出口付近のインクメニスカス面の振動が減衰し、表面張力によってノズル38の出口付近に戻されて(リフィル)安定状態に至れば、次のインク滴吐出動作に移行する。
【0031】
次に、このインクジェットヘッドにおけるノズルプレート(ノズル形成部材)のノズル内部形状及びその製造方法について図4以降をも参照して説明する。
先ず、本発明に係るノズル形成部材の製造方法のうちのノズル径を規定した部材を形成するノズル形成工程について図4を参照して説明する。
【0032】
同図(a)に示すように金属基板61を準備して、同図(b)に示すように基板61上に液体フォトレジスト剤をスピンコート法などで約0.5〜3μmの膜厚で塗布してフォトレジスト膜62を形成する。この膜厚制御は、レジスト剤の粘度とスピン回転数の制御によって行うことができる。
【0033】
次いで、同図(c)に示すように各ノズル位置に対応した箇所にレジスト膜62を残すために、マスク63を用いて露光し、現像工程、リンス工程、レジスト剤硬化工程を経て、同図(d)に示すようにノズル形成用のレジストパターン64を形成する。そして、このノズル形成用レジストパターン64を形成した基板61を電鋳メッキ槽内にセッティングして、金属基板61の露出した表面にメッキ成長させる。
【0034】
そして、同図(e)に示すように所望のノズル径になるまで電鋳形成したメッキ膜65を形成した後、同図(f)に示すように基板61からメッキ膜65を剥離して付着したレジスト剤を除去することによって、ノズル孔67を有する第1ノズル形成部材66が完成する。このようなフォトレジストパターンを用いた電鋳工法による第1ノズル形成部材66は、ノズル孔67の開口部を最小径とし、液室方向に向かって略円孤を描くように径が大きくなる。
【0035】
ここで、ノズルの内部形状(ノズル孔形状)がインク滴吐出特性に及ぼす影響について説明すると、ノズルの役割として最も重要なのはメニスカスを形成することである。メニスカスの形成位置は基本的にノズルの最小径部に形成されるので、インク滴飛翔方向に対して徐々に小径化することが望ましく、この点ではノズル孔67は要求を満足するものである。
【0036】
さらに、ノズル内部形状がインク滴吐出特性に及ぼす影響として、インク滴吐出後のインクリフィル能力に対するものがある。すなわち、上述したようにノズルからインクが吐出した後、メニスカス位置は大きく液室内部に引き込まれた状態にあり、次のインク滴を吐出するまでに初期のメニスカス位置に戻ることが要求される。メニスカスが十分に戻り切らない内に次のインク滴吐出動作が行われると、インク滴体積Mjが小さくなり、インク滴吐出速度Vjが速くなる。オンディマンド型インクジェットヘッドにおいて、インク滴吐出タイミングによってインク滴体積Mj、インク滴吐出速度Vjが変動すると、出力画像の劣化に直接つながることになる。
【0037】
また、メニスカスをより早いタイミングで初期位置に戻すことがインク滴吐出の駆動周波数を高くする、つまり記録速度の高速化につながる。例えば、125μs後に定常位置に戻るものであれば、駆動周波数は8kHzが限界になるが、50μsで定常位置に戻すことができれば駆動周波数を20kHzにすることができる。この記録速度の高速化を図る上では、上述した第1ノズル形成部材66のノズル孔67の内部形状では十分ではない。
【0038】
この場合、メニスカス復帰速度を制御する因子は大きく2つに分けることができる。1つはノズルの毛管力の大きさである。ノズル内部径を小さくすることで毛管力が大きくなり、メニスカスの戻りを早くすることができる。しかし、ノズル内部径を小さくすると、インク滴体積Mjが小さくなる。インク滴体積Mjを小さくすることなく毛管力を向上させるには、ノズル内部形状を略円柱形状又は略円錘台形状にする。他の1つは液室形状に伴うインク流体抵抗の大きさである。インク流体抵抗が大きすぎると、毛管力が大きくてもリフィル速度は上昇しない。また、ノズルと液室の流体抵抗のバランスが崩れると、インク滴体積Mj、インク滴吐出速度Vjが大きく低下するので、ノズルの内部形状と液室形状のマッチングが重要になる。
【0039】
また、ノズルの内部形状はインク滴吐出安定性にも大きく寄与する。ノズルにはメニスカスが形成されるが、インク滴を吐出していないときもあり、あらゆる外乱に対してもメニスカスを維持できることが重要になる。ドロップオンディマンド−シャトル型のインクジェット記録装置おいては、ヘッドは印字時にキャリッジ上で往復移動するが、このときに起きる振動や隣接ノズルの駆動による残留振動などの外乱でメニスカスが不安定状態になると、ノズルから気泡を巻き込んだり、ノズル表面をインクで汚し、結果的に記録紙を汚してしまうことになる。
【0040】
ここで、メニスカスを安定的に維持するためには、メニスカスを形成している状態を極力変動させないことが望ましいが、ノズル内部形状をメニスカス形成部とほぼ同一略円柱状に形成してあると、メニスカスは外乱による影響を受けにくくなって安定性が向上する。
【0041】
したがって、前述したようにノズルプレート33のノズル38の内部形状を略円柱形状又は略円錘台形状に形成することによって、インク滴体積Mj及びインク滴吐出速度Vjを精度良くコントロールでき、インク滴吐出安定性が向上したインクジェットヘッドを得ることができる。
【0042】
そこで、このようなノズルプレートを形成するための本発明に係るノズル形成部材の製造方法のうちのノズル形成工程に続く工程について説明する。
図5は本発明に係るノズル形成部材の製造方法の第1例を示す工程図である。
【0043】
前述したノズル形成工程と同様にして製造した同図(a)に示すように第1ノズル形成部材71を準備して、同図(b)に示すように、この第1ノズル形成部材71のノズル表面及びノズル裏面(図2の加圧液室35側の面)及びノズル孔72内部に液体ネガ型レジスト剤をスピンコート法若しくはディッピング法にて塗布してフォトレジスト膜73を形成する。このとき、ノズル孔72内部にレジスト剤が溜まるようにスピンコート法の場合にはレジスト剤の粘度、スピン回転数を制御し、ディッピング法の場合にはレジスト剤の粘度、引き上げ速度を制御する。
【0044】
その後、同図(c)に示すようにノズル孔71の小径部側(ノズル表面側)から紫外線(UV)露光をすることによって、ノズル表面側のレジスト膜73が硬化すると共に、第1ノズル形成部材71がマスクとなるので、ノズル孔72内側部分のレジスト膜73が硬化して、これらの部分は硬化レジスト膜74となる。そこで、これを現像等することによって、同図(d)に示すようにノズル孔72内にノズル裏面側に向かって立設した柱状部75aを有するレジストパターン75が形成される。このとき、柱状部75aは、露光量・レジスト硬化温度をコントロールすることによって略円柱形状(又は略円錘台形状)に形成することができる。
【0045】
そして、このレジストパターン75が形成された部材を電鋳槽にセットして、電鋳を行なうことによって、同図(e)に示すように第1ノズル形成部材71のレジスト膜73が除去されたノズル裏面側(ここでは、液室側)及びノズル孔72内周面とレジストパターン75の柱状部75a外周面との間に入り込むメッキ層76が形成される。なお、このメッキ層76は、前記第1ノズル形成部材71自体もメッキ層であるので、第1ノズル形成部材71を第1メッキ層とすれば、メッキ層76は第2メッキ層になる。
【0046】
したがって、その後、レジストパターン75を剥離、除去することによって、同図(f)に示すように略円柱形状(又は略円錘台形状)のノズル孔78を有する第2ノズル形成部材77が完成する。この第2ノズル形成部材77も本発明に係るノズル形成部材であるが、後述するようにノズル表面に表面処理膜を形成してノズルプレート33とする。
【0047】
次に、図6は本発明に係るノズル形成部材の製造方法の第2例を示す工程図である。
同図(a)に示すようなノズル孔72を有する第1ノズル形成部材71を準備して、同図(b)に示すように、この第1ノズル形成部材71のノズル表面及びノズル裏面(図2の加圧液室35側の面)及びノズル孔72内部にドライフィルムレジスト77をラミネートする。このとき、ノズル孔72の大径部側表面(ノズル裏面側)からドライフィルムレジスト74をラミネートし、ラミネータの温度、加圧力によってノズル孔72からドライフィルムレジスト74がノズル表面側にはみ出るように調整し、ノズル表面にもドライフィルムレジスト74をラミネートして、全体としてドライフィルムレイジスト74を一体化する。
【0048】
その後、同図(c)に示すようにノズル孔71の小径部側(ノズル表面側)から紫外線(UV)露光をすることによって、ノズル表面側のドライフィルムレジスト77が硬化すると共に、第1ノズル形成部材71がマスクとなるので、ノズル孔72内側部分のドライフィルムレジスト77が硬化して、これらの部分は硬化ドライフィルムレジスト78となる。そこで、これを現像等することによって、同図(d)に示すようにノズル孔72内にノズル裏面側に向かって立設した柱状部79aを有するレジストパターン78が形成される。このとき、柱状部79aは、露光量・レジスト硬化温度をコントロールすることによって略円柱形状(又は略円錘台形状)に形成することができる。
【0049】
そして、このレジストパターン79が形成された部材をこれを電鋳槽にセットして、電鋳を行なうことで、同図(d)に示すようにノズル形成部材66のドライフィルムレジスト77が除去されたノズル裏面側(ここでは、液室側)及びノズル孔72内周面とレジストパターン79の柱状部79a外周面との間に入り込むメッキ層76が形成される。なお、このメッキ層76は、前記第1ノズル形成部材71自体もメッキ層であるので、第1ノズル形成部材71を第1メッキ層とすれば、メッキ層76は第2メッキ層になる。
【0050】
したがって、その後、レジストパターン79を剥離、除去することによって、同図(f)に示すように略円柱形状(又は略円錘台形状)のノズル孔78を有する第2ノズル形成部材77が完成する。この第2ノズル形成部材77も本発明に係るノズル形成部材であるが、後述するようにノズル表面に表面処理膜を形成してノズルプレート33とする。
【0051】
このようにドライフィルムレジストを用いた第2例の場合には液体フォトレジストを用いる第1例の場合よりもレジスト膜厚を厚くできるので、ノズル内部形状を大きく改善することができて、インク滴吐出性能を大幅に向上することができる。
【0052】
また、これらの例では、ノズル形成部材として均一化、インクに対する濡れ性、熱膨張係数一致による反りを防止するためにエレクトロフォーミング工法で形成したノズル形成部材を用いている。また、2度目のメッキ(電鋳)を行なう前の処理として、酸化膜除去のための酸洗処理や有機物除去のためのアルカリ脱脂処理などを行なって第1メッキ層(第1ノズル形成部材71)と第2メッキ層76との密着強度を向上させるようにしている。
【0053】
次に、ノズル形成部材のノズル表面に撥水性(撥インク性)表面処理膜(層)を形成してノズルプレート33とする工法について図7以降をも参照して説明する。
【0054】
図7は表面処理層形成工程の第1例を示す工程図である。上述した工程を経て形成した同図(a)に示す第2ノズル形成部材77を用いて、同図(b)に示すように第2ノズル形成部材77の吐出面裏側(ノズル裏面側)にネガ型ドライフィルムレジスト81をラミネートする。このとき、ラミネート温度、圧力を調整して、同図(b)に示すようにドライフィルムレジスト81の一部がノズル孔78の孔部から吐出面側(ノズル表面側)にはみ出したはみ出し部81aが形成されるようにする。このはみ出し部81aのノズル表面からのはみ出し量は形成する表面処理層(膜)の厚みに応じて設定する。
【0055】
その後、同図(c)に示すように第2ノズル形成部材77の吐出面裏側から紫外線(UV光)を照射して全面露光することにより、同図(d)に示すようにドライフィルムレジスト81が硬化して硬化ドライフィルムレジスト82となる。このとき、第2ノズル形成部材77がマスクとなっているので、ノズル孔78から吐出面側にはみ出しているはみ出し部81aはノズル孔82に対向している部分のみが硬化されて硬化はみ出し部82aとなる。
【0056】
そこで、これを現像することによって、同図(e)に示すようにノズル孔78から吐出面側にはみ出したテーパ状の凸形状をなす突出部83aを有するドライフィルムレジストパターン83ができ上がる。この場合、露光量及び/又は現像時間を調整可能な露光装置や現像装置を使用することによって、露光量を大きくして現像時間を短くしたときには突出部83aは相対的に太くなり、露光量を小さくして現像時間を長くしたときには突出部83aは相対的に細くなる、というようにドライフィルムレジストパターン83の突出部83aの形状を容易に変更設定することができる。
【0057】
次いで、同図(f)に示すように撥水化処理をする場合には例えばフッ素系樹脂共析メッキを積んで所定の厚みの表面処理層(撥水処理膜)47を形成する。なお、このときの表面処理層47の厚みは、ドライフィルムレジストパターン83の突出部83aの厚み(第2ノズル形成部材77表面からの高さ)より薄くなるようにすることが好ましい。これは、表面処理層47の厚み(メッキ厚)が突出部83aの厚みより厚くなると、突出部83a上に表面処理層47が乗り上げてしまって、充分な精度が得られず、かつフォトレジストパターン83の剥離時に剥離不良を引き起こすおそれがあるからである。
【0058】
その後、フォトレジストパターン83を剥離することによって、同図(g)に示すようにノズル孔78を形成した第2ノズル形成部材77の表面にテーパ形状の穴47aを形成した表面処理層47を形成してなるノズルプレート33が得られる。
【0059】
ここで、上述したドライフィルムレジストを用いた凸部形状(突出部の形状)には、▲1▼ノズル形成部材をマスクとして露光するため、ノズル孔の径以上には広がらない、▲2▼現像の段階で露光面の反対側から現像するため、ドライフィルムレジスト上面側は架橋率が低く、パターン細りが生じて径が小さくなり易い、▲3▼露光量を抑え、突出部の径の細りを大きくしていくと、今後はパターンの真円度がくずれ、ノズル孔形状が適さなくなる(縦スジ等が発生する)、などの制約がある。このような制約を考慮すると、表面処理層の穴径はノズル孔径の50%以上〜100%未満に限定される。
【0060】
このように、ネガ型ドライフィルムレジストをノズル形成部材の吐出面裏側からラミネートし、ノズル孔から吐出面側にはみ出させ、ノズル形成部材をマスクとしてノズル形成部材の吐出面裏側から露光して硬化させ、現像を行なうことによってノズル形成部材の吐出面側にノズル孔から凸形状に突出した凸部を有するドライフィルムレジストパターンを形成し、その後、ノズル形成部材の吐出面側に表面処理層を形成する処理を施し、次いで硬化したドライフィルムレジストを剥離することにより、容易にノズル孔径よりも穴径の小さな表面処理部分を設けた表面処理ノズル(ノズルプレート)を得ることができる。
【0061】
次に、図8及び図9を参照して表面処理層形成工程の第2例を説明する。図8(a)に示す第2ノズル形成部材77を用いて、同図(b)に示すように第2ノズル形成部材77の吐出面裏側にネガ型ドライフィルムレジスト81をラミネートする。このとき、ラミネート温度、圧力を調整して、同図(b)に示すようにドライフィルムレジスト81の一部がノズル孔38の穴部から吐出面側にはみ出たはみ出し部81aが形成されるようにする。
【0062】
その後、同図(c)に示すように第2ノズル形成部材77の吐出面側にもネガ型ドライフィルムレジスト84をラミネートする。このときドライフィルムレジスト81のはみ出し部81aは、ドライフィルムレジスト84と一体になる。この際、はみ出し部81aのはみ出し量が充分でないと、ドライフィルムレジスト84のラミネート時にノズル孔内壁部に空気がとじ込められ、形成される凸部の形状、強度に悪影響が生じる。
【0063】
次いで、同図(d)に示すように第2ノズル形成部材77の吐出面裏側から紫外線(UV光)を照射して全面露光することにより、図9(a)に示すようにドライフィルムレジスト81が硬化すると共に、第2ノズル形成部材77がマスクとなっているので、ドライフィルムレジスト84のノズル孔78に対向している部分のみが硬化して、これらが一体となった硬化ドライフィルムレジスト85となる。
【0064】
そこで、これを現像することによって、同図(b)に示すようにノズル孔78に凸形状の突出部86aを有するドライフィルムレジストパターン86ができ上がる。この場合も、露光量及び/又は現像時間を調整可能な露光装置や現像装置を使用することによって、ドライフィルムレジストパターン86の突出部86aの形状を容易に設定することができる。
【0065】
次いで、同図(c)に示すように撥水化処理をする場合には例えばフッ素系樹脂共析メッキを積んで所定の厚みの表面処理層47を形成した後、フォトレジストパターン86を剥離することによって、同図(d)に示すようにノズル孔38を形成した第2ノズル形成部材77の表面にテーパ形状の穴47aを形成した表面処理層47を形成してなるノズルプレート33が得られる。
【0066】
このように、ネガ型ドライフィルムレジストをノズル形成部材の両面側からラミネートし、ノズル形成部材をマスクとしてノズル形成部材の吐出面裏側から露光して硬化させ、現像を行なうことによってノズル形成部材の吐出面側にノズル孔から凸形状に突出した凸部を有するドライフィルムレジストパターンを形成し、その後、ノズル形成部材の吐出面側に表面処理層を形成する処理を施し、次いで硬化したドライフィルムレジストを剥離することにより、容易にノズル径よりも穴径の小さな表面処理部分を設けた表面処理ノズルを得ることができると共に、吐出面裏側からのみラミネートする場合に比べてより厚い表面処理層を形成することができる。
【0067】
なお、上記実施例においては、本発明をアクチュエータ素子として圧電素子を用いるピエゾアクチュエータ方式のインクジェットヘッドに適用した例について説明したが、発熱抵抗体を用いるいわゆるバブルジェット方式のインクジェットヘッドにも適用することができる。さらに、ノズル形成部材としては加圧液室を形成する部材と別体にした構造のものに限らず、加圧液室を形成する部材と一体構造のものにも適用することができる。
【0068】
さらに、上記実施例においては、ノズル形成部材としてプレート状のものを用いた例について説明したが、複数の部材(例えば溝を形成した部材とその溝を覆う部材)を組合わせてノズルを形成するものであっても、本発明を同様に適用することができる。さらにまた、ノズルの開口方向を圧電素子の変位方向と同じにしたサイドシュータ方式のインクジェットヘッドで説明しているが、ノズルの開口方向を圧電素子の変位方向と直交する方向にしたエッジシュータ方式のインクジェットヘッドにも適用することができる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1のノズル形成部材の製造方法によれば、ノズル孔を有する部材を形成するノズル形成工程と、このノズル形成工程で得られた部材に対してノズル内部形状を規定するためのフォトレジストパターンを、ノズル形成工程で得られた部材をマスクパターンとして使用して、ノズル孔内に形成するフォトレジストパターン形成工程と、このフォトレジストパターン形成工程で得られた部材に対して、ノズル孔内周面とノズル孔内に形成されたフォトレジストパターン外周面との間に入り込むメッキ層を形成する金属電鋳工程と、フォトレジストパターンを除去する工程を順次行う構成としたので、インク滴体積Mj及びインク滴吐出速度Vjを精度良くコントロールすることができ、インク的吐出安定性を向上することができ、さらに前工程で形成したノズル径精度を維持したまま精度の高いノズル内部形状を形成することができると共に、マスク位置合わせによる位置ずれがなくなり、ノズル形成部材のヘッド毎の品質のばらつきやロット間での品質のばらつきを低減することができる。
【0070】
請求項2のノズル形成部材の製造方法によれば、ノズル孔を有する部材を形成するノズル形成工程と、このノズル形成工程で得られた部材に対してノズル内部形状を規定するためのフォトレジストパターンを、ノズル形成工程で得られた部材をマスクパターンとして使用して、ノズル孔内に形成する第1フォトレジストパターン形成工程と、この第1フォトレジストパターン形成工程で得られた部材に対して、ノズル孔内周面とフォトレジストパターン外周面との間に入り込むメッキ層を形成する金属電鋳工程と、この金属電鋳工程で得られた部材に対してノズル表面処理形成用のフォトレジストパターンを形成する第2フォトレジストパターン形成工程と、この第2フォトレジストパターン形成工程で得られた部材のノズル表面側に表面処理層を形成する表面処理層形成工程と、前記フォトレジストパターンを除去する工程を順次行う構成としたので、インク滴体積Mj及びインク滴吐出速度Vjを精度良くコントロールすることができ、インク的吐出安定性を向上することができると共に、ノズル表面に付着するインク溜りを減少させてインク滴吐出方向を安定化することができ、さらに前工程で形成したノズル径精度を維持したまま精度の高いノズル内部形状或いはノズル表面処理層を形成することができると共に、マスク位置合わせによる位置ずれがなくなり、ノズル形成部材のヘッド毎の品質のばらつきやロット間での品質のばらつきを低減することができる。
【0072】
請求項3のノズル形成部材の製造方法によれば、上記請求項1又は2のノズル形成部材の製造方法において、フォトレジストパターン形成工程では、フォトレジスト材としてドライフィルムレジストを使用し、部材の両面にラミネートした後、所定のパターンを形成する構成としたので、レジストパターンの厚膜化を図れ、インク滴吐出性能がより優れたノズル形成部材を得ることができる。
【0073】
請求項4のノズル形成部材の製造方法によれば、上記請求項1乃至3のいずれかのノズル形成部材の製造方法において、ノズル形成工程は、基板上のノズル形成位置に対応するフォトレジストパターンを形成する工程と、基板上の露出面に金属電鋳を行う工程を含む構成としたので、ノズル形成部材の均一化でき、表面濡れ性の均一化、熱ストレスによる反り、剥離などの変形を防止することができ、部品精度の向上、工程品質の安定化を図ることができる。
【0074】
請求項5のインクジェットヘッドによれば、ノズル形成部材は、請求項1ないし4のいずれかに記載の製造方法で製造され、ノズルの内部形状が略円柱形状又は略円錘台形状である構成としたので、インク滴体積Mj及びインク滴吐出速度Vjを精度良くコントロールすることができ、インク的吐出安定性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェットヘッドの分解斜視図
【図2】図1のノズル配列方向と直交する方向の要部断面図
【図3】図1のノズル配列方向の要部断面図
【図4】本発明に係るノズル形成部材の製造方法のノズル形成工程を説明する模式的断面図
【図5】同製造方法のフォトレジストパターン形成工程及び金属電鋳工程の第1例を説明する模式的断面図
【図6】同製造方法のフォトレジストパターン形成工程及び金属電鋳工程の第2例を説明する模式的断面図
【図7】同製造方法の表面処理工程の第1例を説明する模式的断面図
【図8】同製造方法の表面処理工程の第2例のフォトレジスト膜形成工程までを説明する模式的断面図
【図9】同製造方法の表面処理工程の第2例の露光工程以後を説明する模式的断面図
【符号の説明】
1…駆動ユニット、2…液室ユニット、12…圧電素子、33…ノズルプレート、38…ノズル孔、47…表面処理層(撥水処理膜)、61…金属基板、62…レジスト膜、66…第1ノズル形成部材、67…ノズル孔、67…第1ノズル形成部材、68…ノズル孔、75…レジストパターン、75a…柱状部、77…第2ノズル形成部材、78…ノズル孔、79…ドライフィルムレジストパターン、79a…柱状部、83…ドライフィルムレジストパターン、83a…突出部。
Claims (5)
- インクジェットヘッド用のノズルを有するノズル形成部材の製造方法において、ノズル孔を有する部材を形成するノズル形成工程と、このノズル形成工程で得られた部材に対してノズル内部形状を規定するためのフォトレジストパターンを、前記ノズル形成工程で得られた部材をマスクパターンとして使用して、前記ノズル孔内に形成するフォトレジストパターン形成工程と、このフォトレジストパターン形成工程で得られた部材に対して、前記ノズル孔内周面と前記ノズル孔内に形成されたフォトレジストパターン外周面との間に入り込むメッキ層を形成する金属電鋳工程と、前記フォトレジストパターンを除去する工程を順次行い、ノズルを有するノズル形成部材を形成することを特徴とするノズル形成部材の製造方法。
- インクジェットヘッド用のノズルを有するノズル形成部材の製造方法において、ノズル孔を有する部材を形成するノズル形成工程と、このノズル形成工程で得られた部材に対してノズル内部形状を規定するためのフォトレジストパターンを、前記ノズル形成工程で得られた部材をマスクパターンとして使用して、前記ノズル孔内に形成する第1フォトレジストパターン形成工程と、この第1フォトレジストパターン形成工程で得られた部材に対して、前記ノズル孔内周面と前記ノズル孔内に形成されたフォトレジストパターン外周面との間に入り込むメッキ層を形成する金属電鋳工程と、この金属電鋳工程で得られた部材に対してノズル表面処理形成用のフォトレジストパターンを形成する第2フォトレジストパターン形成工程と、この第2フォトレジストパターン形成工程で得られた部材のノズル表面側に表面処理層を形成する表面処理層形成工程と、前記フォトレジストパターンを除去する工程を順次行い、ノズル表面側に表面処理層を形成した、ノズルを有するノズル形成部材を形成することを特徴とするノズル形成部材の製造方法。
- 請求項1又は2に記載のノズル形成部材の製造方法において、前記フォトレジストパターン形成工程では、フォトレジスト材としてドライフィルムレジストを使用し、部材の両面にラミネートした後、所定のパターンを形成することを特徴とするノズル形成部材の製造方法。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のノズル形成部材の製造方法において、前記ノズル形成工程は、基板上のノズル形成位置に対応するフォトレジストパターンを形成する工程と、前記基板上の露出面に金属電鋳を行う工程を含むことを特徴とするノズル形成部材の製造方法。
- ノズルを有するノズル形成部材を備えたインクジェットヘッドにおいて、前記ノズル形成部材は、請求項1ないし4のいずれかに記載の製造方法で形成され、ノズルの内部形状が略円柱形状又は略円錘台形状であることを特徴とするインクジェットヘッド。
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