JP2003094644A - インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置

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JP2003094644A
JP2003094644A JP2001288068A JP2001288068A JP2003094644A JP 2003094644 A JP2003094644 A JP 2003094644A JP 2001288068 A JP2001288068 A JP 2001288068A JP 2001288068 A JP2001288068 A JP 2001288068A JP 2003094644 A JP2003094644 A JP 2003094644A
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ink
gradually
nozzle hole
liquid chamber
ink jet
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JP2001288068A
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Mitsuru Shingyouchi
充 新行内
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、より効果的にインク滴を突出させ
ることができるインクジェットヘッド及びインクジェッ
ト記録装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、加圧液室におけるインクに対する圧力作用部の最大
圧力領域がインク供給路側に寄っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットヘッ
ド及びインクジェット記録装置に関し、特に電気機械変
換素子(主に圧電素子)により振動板を変位させてノズ
ル孔からインク滴を吐出させるインクジェットヘッドに
関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プ
ロッタ等の画像形成装置として使用するインクジェット
記録装置におけるインクジェットヘッドは、インク滴を
吐出するノズルと、このノズルが連通する、圧力室、加
圧液室、液室、インク室、インク流路等を含む吐出室
と、この吐出室内のインクを加圧するエネルギーを発生
するアクチュエータ手段とを備え、アクチュエータ手段
を駆動することで吐出室内のインクを加圧してノズルか
らインク滴を吐出させるものであり、記録の必要なとき
にのみインク滴を吐出するインク・オン・デマンド方式
のものが主流である。そして、インク滴を吐出させるた
めのアクチュエータ手段の種類により、幾つかの方式に
大別される。例えば、特開平10−100401号公報
に記載されているように、液室の壁の一部を薄い振動板
とし、これに対応して電気機械変換素子としての圧電素
子を配置し、電圧印加に伴って発生する圧電素子の変形
により振動板を変形させることで液室内の圧力を変化さ
せて、インク滴を吐出させるピエゾ方式のものがある。
その他には、液室内部に発熱体素子を配置し、通電によ
る発熱体の加熱によって気泡を発生させ、気泡の圧力に
よってインク滴を吐出させるバブルジェット(登録商
標)方式のものが一般に良く知られている。
【0003】また、例えば特開平2−289351号公
報に記載されているように、液室の壁面を形成する振動
板と、この振動板に対向して配置された液室外の個別電
極とを備え、振動板と電極との間に電界を印加すること
で発生する静電力により振動板を変形させて、液室内の
圧力/体積を変化させることによりノズルからインク滴
を吐出させる静電型のものも提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、画質の高品位化
の要求から、益々ノズルピッチが狭くなる傾向にあり、
これに伴い加圧液室の幅も狭くなっている。しかし、微
小滴だけで印字したのでは、副走査方向に必要なノズル
数が増えるため、コストをかけてノズル列の数を増やし
たり、印字速度を犠牲にして複数回のキャリッジ走査で
印字する必要がある。そのため、特に圧電方式のヘッド
では、駆動方法により比較的大きなインク滴と、微小イ
ンク滴を打ち分ける多値化印字を採用することが多い。
しかし、ヘッドとしては吐出最大のインク滴を吐出させ
るだけの容量が必要であり、また先に述べたように加圧
液室の幅が狭くなっているので、加圧液室は細長い構成
になっている。吐出量を確保するために、振動板の変位
量を大きくすることは、駆動電圧が高くするか、PZT
を高く加工する必要があり、ドライバICコスト、歩留
り等また別の問題が発生する。
【0005】また、加圧液室が長細い形状になった場
合、振動板の変位による圧力の発生により生じるインク
の流れは、振動板上の圧力作用部の圧力分布で決まると
いって良い。インク圧縮性により、流れが伴わない状態
で圧力分布が決まり、この圧力分布で流れが発生し、圧
力作用部から外側では、慣性によりそのインク流れが支
配的になっている。つまり、圧力作用部から見て、ノズ
ル孔側とインク供給路側(通常は流体抵抗部)の流体抵
抗の比では、インクの流れは決まらない。特開平6−3
20725号公報のように、圧力作用部の外側にコンプ
ライアンスを設けても吐出効率という目的では効果が少
ない。特に、平衡状態から加圧液室を収縮させて吐出す
るいわゆる“押し打ち”では、圧力作用部で発生したイ
ンクの流れが、その慣性で吐出することになる。流体抵
抗は吐出後の残留圧力の減衰には効果があるが、引き打
ちの場合インクの主たる流れは振動板上の圧力作用部の
影響が大きい。
【0006】本発明はこれらの問題点を解決するための
ものであり、より効果的にインク滴を突出させることが
できるインクジェットヘッド及びインクジェット記録装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するた
めに、本発明のインクジェットヘッドは、インクを吐出
する複数のノズル孔と、インクが供給される供給路と、
各ノズル孔に対応してインクが加圧される圧力液室と、
圧力液室のインクを加圧するための振動板と、振動板を
変位させる電気機械変換手段とを有する。そして、本発
明によれば、加圧液室におけるインクに対する圧力作用
部の最大圧力領域がインク供給路側に寄っている。よっ
て、ノズル孔側に流れるインク量が多くなり、より効果
的にインク滴を突出することができる。
【0008】また、振動板の変位体積が、ノズル孔側に
向かって徐々に、あるいは段階的に小さくしていること
により、圧力作用部の最大圧力がインク供給路側に寄
り、ノズル孔側に流れるインク量が多くなり、より効果
的にインク滴を突出させることができる。
【0009】更に、振動板の変位量が、ノズル孔側に向
かって徐々に、あるいは段階的に小さくしていることに
より、振動板の変位体積に差が発生して、圧力作用部の
最大圧力がインク供給路側に寄り、ノズル孔側に流れる
インク量が多くなり、より効果的にインク滴を突出させ
ることができる。
【0010】また、振動板は凸部と薄膜部を有し、凸部
の幅がノズル孔側に向かって徐々に、あるいは段階的に
小さくしているので、振動板の変位体積に差が発生し
て、圧力作用部の最大圧力がインク供給路側に寄り、ノ
ズル孔側に流れるインク量が多くなり、より効果的にイ
ンク滴を突出させることができる。
【0011】更に、圧力作用部のコンプライアンスが、
ノズル孔側に向かって徐々に、あるいは段階的に大きく
しているので、振動板の体積変化に対して発生する圧力
に差が発生して、圧力作用部の最大圧力がインク供給路
側に寄り、ノズル孔側に流れるインク量が多くなり、よ
り効果的にインク滴を突出させることができる。
【0012】また、振動板は凸部と薄膜部を有し、薄膜
部の幅がノズル孔側に向かって徐々に、あるいは段階的
に大きくしているので、コンプライアンスの差により振
動板の体積変化に対して発生する圧力に差が発生して、
圧力作用部の最大圧力がインク供給路側に寄り、ノズル
孔側に流れるインク量が多くなり、より効果的にインク
滴を突出させることができる。
【0013】更に、振動板は凸部と薄膜部を有し、薄膜
部の厚さがノズル孔側に向かって徐々に、あるいは段階
的に薄くしているので、コンプライアンスの差により振
動板の体積変化に対して発生する圧力に差が発生して、
圧力作用部の最大圧力がインク供給路側に寄り、ノズル
孔側に流れるインク量が多くなり、より効果的にインク
滴を突出させることができる。
【0014】また、圧力作用部における加圧液室の容積
が、ノズル孔側に向かって徐々に、あるいは段階的に大
きくしているので、コンプライアンスの差により振動板
の体積変化に対して発生する圧力に差が発生して、圧力
作用部の最大圧力がインク供給路側に寄り、ノズル孔側
に流れるインク量が多くなり、より効果的にインク滴を
突出させることができる。
【0015】更に、圧力作用部における加圧液室の高さ
が、ノズル孔側に向かって徐々に、あるいは段階的に大
きくしているので、コンプライアンスの差により振動板
の体積変化に対して発生する圧力に差が発生して、圧力
作用部の最大圧力がインク供給路側に寄り、ノズル孔側
に流れるインク量が多くなり、より効果的にインク滴を
突出させることができると共に、ノズルピッチが狭い場
合でも加圧液室の高さで調整することでコンプライアン
スの変化幅が大きくなり、設計の自由度が大きい。
【0016】また、加圧液室の隔壁は、電気機械変換素
子側から支持されているので、柱有り構造で加圧液室の
コンプライアンスが小さく、振動板の凸部の動きに対す
るインク圧縮による圧力上昇の割合が大きいために、圧
力作用部で発生したインク流れが支配的になり、インク
突出性能に対して本発明の効果が堅調にあらわれ易い。
【0017】更に、別の発明として、インクジェット記
録装置は上記記載のインクジェットヘッドを有すること
に特徴がある。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェットヘッドに
よれば、加圧液室におけるインクに対する圧力作用部の
最大圧力領域がインク供給路側に寄っている。
【0019】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例に係るインクジ
ェットヘッドの構成を示す分解斜視図、図2は同ヘッド
の列間方向要部拡大断面図、図3は同ヘッドのチャンネ
ル間方向要部拡大断面図である。図1に示す本実施例の
インクジェットヘッドは、主として、駆動ユニット1
と、液室ユニット2と、ヘッドカバー3と、スペーサ部
材4とを備えている。駆動ユニット1は、チタン酸バリ
ウム系セラミックからなる基板11上に、複数の積層型
の圧電素子12−1,12−2を列状に2列配置して接
合し、これら2列の各圧電素子12−1,12−2の周
囲を取り囲む樹脂、セラミック等からなるフレーム部材
13を接着剤によって接合している。基板11上には、
インクを液滴化して飛翔させるための駆動パルスが与え
られる駆動用圧電素子12−1と、駆動用圧電素子12
−1間に位置し、駆動パルスが与えられずに単に液室ユ
ニット2を基板11に固定する液室支柱部材となる非駆
動用圧電素子12−2とを交互に配置されている。ここ
で、圧電素子としては、図2に示すように、厚さ10〜
50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)14
と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)
からなる内部電極15とを交互に積層した積層型圧電素
子を用いている。各圧電素子12−1,12−2の内部
電極は、1層おきにAgPdからなる左右の2つの端面
電極、つまり2つの圧電素子列の対向する面側を端面電
極16とし、対向しない面側を端面電極17に接続して
いる。一方、基板11上には、図1に示すようにNi・
Au蒸着、Auメッキ、AgPtペースト印刷、AgP
dペースト印刷等によって共通電極18及び個別電極1
9の各パターンを設けている。
【0020】また、各列の各圧電素子12−1,12−
2の対向する端面電極16は導電性接着剤を介して共通
電極18に接続され、一方各列の各圧電素子12−1,
12−2の対向しない端面電極17は同じく導電性接着
剤を介してそれぞれ個別電極19に接続されている。こ
れにより、駆動用圧電素子12−1に駆動電圧を与える
ことによって、積層方向に電界が発生して、駆動用圧電
素子12−1には積層方向の伸びの変位(d33方向の
変位)が生起される。なお、共通電極18は、図2にも
示すように、フレーム部材13に設けた穴20内に導電
性接着剤を充填することで各圧電素子に接続されたパタ
ーンの導通を取っている。一方、液室ユニット2は、電
鋳工法によるNiメッキ膜等で形成した振動板21と、
エッチング工法でパターニングしたSiの液室隔壁部材
22と、金属材料からなるノズルプレート23とを順次
を積層し、接着して形成している。これらの各部材によ
って、駆動用圧電素子12−1の積層方向の変位で振動
板21を介して加圧される加圧液室24と、この加圧液
室24の一方に位置して加圧液室24に供給するインク
を導入する共通液室25と、加圧液室24と共通液室2
5とを連通するインク供給路26と、加圧液室24に連
通するノズル孔27とによって1つのチャンネルを形成
し、このチャンネルを複数個2列設けている。振動板2
1は、薄膜のダイアフラム領域28と、このダイアフラ
ム領域28の中央部に形成した駆動用圧電素子12−1
と接合する島状凸部(アイランド部)29と、非駆動用
圧電素子12−2に接合する梁30及びフレーム部材1
3に接合するベース31とを形成している。この振動板
21の島状凸部29と駆動用圧電素子12−1とは振動
板21をエッチングで薄膜化するときにマスクとして用
いた感光性材料32にて接合している。
【0021】更に、ノズルプレート23は金属材料、例
えば電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成したもので、
インク滴を飛翔させるための微細な吐出口であるノズル
孔27を多数形成している。このノズル孔27の内部形
状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘
台形状でもよい。)に形成している。また、このノズル
孔27の径はインク滴出口側の直径で約20〜35μm
である。このノズルプレート27のインク吐出面(ノズ
ル表面側)は、図1に示すように撥水性の表面処理を施
した撥水処理層33としている。例えば、PTFE−N
i共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフ
ッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートした
もの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼
き付け等、インク物性に応じて選定した撥水処理膜を設
けて、インクの滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の
画像品質を得られるようにしている。
【0022】なお、駆動ユニット1の基板11と圧電素
子12及びフレーム部材13とは接着剤で接合して組付
け、また、液室ユニット2も駆動ユニット1とは別個に
加工、組立を行なった後、液室ユニット2の振動板21
と駆動ユニット1の圧電素子12及びフレーム部材13
とを感光性材料32で接合してインクジェットヘッドと
している。
【0023】また、基板11をヘッド支持部材であるス
ペーサ部材(ヘッドホルダ)4上に支持して保持し、こ
のスペーサ部材4内に配設したヘッド駆動用IC(駆動
回路)を実装したPCB基板34と駆動ユニット1の各
圧電素子12−1に接続した各電極18,19とをFP
Cケーブル35,36を介して接続している。
【0024】更に、ノズルカバー3は、ノズルプレート
23の周縁部及びヘッド側面を覆う箱状に形成した金属
材料からなり、ノズルプレート23の周縁部に接着剤に
て接合している。更に、このインクジェットヘッドに
は、図示しないインクカートリッジからのインクを液室
に供給するため、スペーサ部材4、基板11、フレーム
部材13及び振動板21にそれぞれインク供給穴37〜
40を設けている。
【0025】このように構成したインクジェットヘッド
においては、記録信号に応じて駆動用圧電素子12−1
に駆動波形(10〜50Vのパルス電圧)を印加するこ
とによって、駆動用圧電素子12−1に積層方向の変位
が生起し、振動板21を介して加圧液室24が加圧され
て圧力が上昇し、ノズル孔27からインク滴が吐出され
る。その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧液室24
内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パ
ルスの放電過程によって加圧液室24内に負圧が発生し
てインク充填行程へ移行する。このとき、インクタンク
から供給されたインクは共通液室25に流入し、共通液
室25からインク供給路26を経て加圧液室24内に充
填される。このとき、インク供給路26の断面積を狭小
にすることで流体抵抗部として機能させている。これ
は、吐出後の残留圧力振動の減衰に効果が有る反面、表
面張力による最充填(リフィル)に対して抵抗になる。
流体抵抗部を適宜に選択することで、残留圧力の減衰と
リフィル時間のバランスが取れ、次のインク滴吐出動作
に移行するまでの時間、つまり駆動周期を短くできる。
【0026】本実施例の特徴は、駆動用圧電素子12−
1の変位量をノズル孔方向に向かって徐々に小さくなる
ように構成したことにある。具体的には、図2に示すよ
うに、駆動用圧電素子12−1と島状凸部29の接合位
置が、従来のように変位が均等になる中央付近を使用せ
ず、あえて駆動用圧電素子12−1の最大変位付近(図
中一点鎖線A)をノズル孔側の圧電素子端部近くに接合
している。そして、駆動用圧電素子12−1の底面は基
板11に接着固定され拘束されており、また、端部には
電極が重なっていない、いわゆる不活性領域(図4を参
照)が存在する。これにより実際には、駆動用圧電素子
12−1に電圧を印加すると図4に示すように変位す
る。本実施例では、従来使用しない変位に傾斜のある部
分を利用することで、ノズル孔方向に向かって、島状凸
部29の変位に勾配を持たせている。このように島状凸
部29の変位に差が生じると、振動板21の変位体積が
ノズル孔方向に向かって小さくなり、インクの圧縮比率
に差が生じて、圧力が最大になるインク流れの中心がイ
ンク供給路側に寄る。これによりノズル孔方向に向かう
流れが大きくなり、大きなインク滴を効率良く吐出させ
ることができる。
【0027】図5は本発明の第2の実施例に係るインク
ジェットヘッドの構成を示す図であり、図5の(a)は
振動板の正面図、図5の(b)は図5の(a)のX−
X’断面図である。図中、菱形の点線は加圧液室の位
置、ノズル孔への連通管の位置を示している。なお、本
実施例において、図6に示すように、駆動用圧電素子1
2−1と島状凸部29は、駆動用圧電素子12−1の最
大変位付近(図中一点鎖線A)が島状凸部29の中央と
なるように接合し、変位が平坦な領域を使用しているも
のとする。本実施例の特徴は、図5の(a)からわかる
ように、島状凸部29の幅を、ノズル孔方向に向かって
徐々に小さくしていることにある。これにより、振動板
21の変位体積がノズル孔方向に向かって小さくなり、
インクの圧縮比率に差が生じて、圧力が最大になるイン
ク流れの中心がインク供給路側に寄る。これによりノズ
ル孔方向に向かう流れが大きくなり、大きなインク滴を
効率良く吐出させることができる。
【0028】なお、図5の振動板21では、ノズル孔方
向に向かってダイアフラム領域28が徐々に大きくなっ
ている。但し、ダイアフラム領域28の幅を一定に保っ
ても若干効果が小さくなるが同様の効果がある。
【0029】図7は本発明の第3の実施例に係るインク
ジェットヘッドの構成を示す図であり、図7の(a)は
振動板正面図、図7の(b)は振動板のX−X’断面図
である。図中、菱形の点線は加圧液室の位置、ノズル孔
への連通管の位置を示している。なお、本実施例も図6
に示すように、駆動用圧電素子12−1と島状凸部29
は、駆動用圧電素子12−1の最大変位付近(図中一点
鎖線A)が島状凸部29の中央となるように接合し、変
位が平坦な領域を使用しているものとする。本実施例の
特徴は、図7の(a)からわかるように、ダイアフラム
領域28の幅を、ノズル孔方向に向かって徐々に大きく
している(図中、ノズル孔側の幅W>インク供給路側
の幅W)ことにある。これにより、加圧液室の部分的
なコンプライアンスがノズル孔方向に向かって大きくな
り、要するに徐々に柔らかくなり、振動板の体積変化に
対する圧力上昇が異なり、圧力が最大になるインク流れ
の中心が供給口側に寄る。これによりノズル孔方向に向
かう流れが大きくなり、大きなインク滴を効率良く吐出
させることができる。
【0030】図8は本発明の第4の実施例に係るインク
ジェットヘッドの構成を示す図であり、図8の(a)は
振動板正面図、図8の(b)は振動板のX−X’線断面
図、図8の(c)はY−Y’線断面図である。図中、菱
形の点線は加圧液室の位置、ノズル孔への連通管の位置
を示している。なお、本実施例も図6に示すように、駆
動用圧電素子12−1と島状凸部29は、駆動用圧電素
子12−1の最大変位付近(図中一点鎖線A)が島状凸
部29の中央となるように接合し、変位が平坦な領域を
使用しているものとする。本実施例の特徴は、図8の
(b)からわかるように、ダイアフラム領域28の厚さ
を、2段階に分けて、ノズル孔方向側に厚さを薄くした
(図中、ノズル孔側の厚さD<インク供給路側の厚さ
)ことにある。具体的には、電鋳工法を3段階行い
(図の3層)、厚さを変えて、Niで振動板を作成して
いる。これにより、加圧液室のコンプライアンスが、ダ
イアフラム領域28の厚いインク供給路側より、ダイア
フラム領域28の薄いノズル孔側が大きくなり、振動板
の体積変化に対する圧力上昇が異なり、圧力が最大にな
るインク流れの中心がインク供給路側に寄る。これによ
りノズル孔方向に向かう流れが大きくなり、大きなイン
ク滴を効率良く吐出させることができる。
【0031】図9は本発明の第5の実施例に係るインク
ジェットヘッドの構成を示す列間方向要素拡大図であ
る。同図からわかるように、本実施例の特徴は、加圧液
室24の高さをノズル孔方向側に深く形成した(図中、
ノズル側の高さH>インク供給路側の高さH)こと
にある。これにより、加圧液室24の圧力作用部(振動
板21上)の容積がインク供給路側に向かって大きくな
ることで、コンプライアンスが徐々にノズル孔側が大き
くなり、振動板の体積変化に対する圧力上昇が異なり、
圧力が最大になるインク流れの中心がインク供給路側に
寄る。これによりノズル孔方向に向かう流れが大きくな
り、大きなインク滴を効率良く吐出させることができ
る。なお、加圧液室24の圧力作用部(振動板21上)
のインク容積を変える方法はこれに限ったものではな
い。加圧液室の幅を変えるのも有効である。但し、15
0dpi等ノズルピッチが狭くした場合、隔壁の厚さを
薄くするのは相互干渉に悪いので、高さを変える方がコ
ンプライアンスの変化範囲を大きくできる。
【0032】なお、上述した各実施例は、隔壁を圧電素
子で支持している、いわゆる"柱有り構造"のヘッドであ
る。この構造の特徴は加圧液室が高剛性(コンプライア
ンス小さい)になることで、インク圧縮性によるコンプ
ライアンスの比率が大きくなる。つまり、圧力作用部
(振動板上)での圧力分布でインク流れが決まり易い構
造といえる。よって、各実施例の効果がより顕著に現れ
る構造と言える。
【0033】図10は別の発明のインクジェット記録装
置の構成を示す概略断面図である。同図に示すように、
インクジェット記録装置101は、シアンC、マゼンタ
M、イエローY、ブラックBKの各色のインクをそれぞ
れ収納した4個のインクカートリッジ102と、複数の
ノズル孔を有し各カートリッジ102からインクが供給
される4個の上述した発明のインクジェットヘッド10
3と、インクカートリッジ102とインクジェットヘッ
ド103を搭載したキャリッジ104と、記録紙を収納
した給紙トレイ105a,105bや手差しテーブル1
06から記録紙を印字部107に搬送する搬送ローラ1
08と、印字した記録紙を排紙トレイ109に排出する
排出ローラ110を有する。そして、ホスト装置から送
られてくる画像データを記録紙に印字するときは、キャ
リッジ104をキャリッジローラ1111に倣って走査
しながら、搬送ローラ108により印字部107に送ら
れた記録紙に記録ヘッド103のノズルから画像データ
に応じてインクを噴射して文字や画像を記録する。
【0034】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変
形や置換可能であることは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェットヘッドは、インクを吐出する複数のノズル孔と、
インクが供給される供給路と、各ノズル孔に対応してイ
ンクが加圧される圧力液室と、圧力液室のインクを加圧
するための振動板と、振動板を変位させる電気機械変換
手段とを有する。そして、本発明によれば、加圧液室に
おけるインクに対する圧力作用部の最大圧力領域がイン
ク供給路側に寄っている。よって、ノズル孔側に流れる
インク量が多くなり、より効果的にインク滴を突出する
ことができる。
【0036】また、振動板の変位体積が、ノズル孔側に
向かって徐々に、あるいは段階的に小さくしていること
により、圧力作用部の最大圧力がインク供給路側に寄
り、ノズル孔側に流れるインク量が多くなり、より効果
的にインク滴を突出させることができる。
【0037】更に、振動板の変位量が、ノズル孔側に向
かって徐々に、あるいは段階的に小さくしていることに
より、振動板の変位体積に差が発生して、圧力作用部の
最大圧力がインク供給路側に寄り、ノズル孔側に流れる
インク量が多くなり、より効果的にインク滴を突出させ
ることができる。
【0038】また、振動板は凸部と薄膜部を有し、凸部
の幅がノズル孔側に向かって徐々に、あるいは段階的に
小さくしているので、振動板の変位体積に差が発生し
て、圧力作用部の最大圧力がインク供給路側に寄り、ノ
ズル孔側に流れるインク量が多くなり、より効果的にイ
ンク滴を突出させることができる。
【0039】更に、圧力作用部のコンプライアンスが、
ノズル孔側に向かって徐々に、あるいは段階的に大きく
しているので、振動板の体積変化に対して発生する圧力
に差が発生して、圧力作用部の最大圧力がインク供給路
側に寄り、ノズル孔側に流れるインク量が多くなり、よ
り効果的にインク滴を突出させることができる。
【0040】また、振動板は凸部と薄膜部を有し、薄膜
部の幅がノズル孔側に向かって徐々に、あるいは段階的
に大きくしているので、コンプライアンスの差により振
動板の体積変化に対して発生する圧力に差が発生して、
圧力作用部の最大圧力がインク供給路側に寄り、ノズル
孔側に流れるインク量が多くなり、より効果的にインク
滴を突出させることができる。
【0041】更に、振動板は凸部と薄膜部を有し、薄膜
部の厚さがノズル孔側に向かって徐々に、あるいは段階
的に薄くしているので、コンプライアンスの差により振
動板の体積変化に対して発生する圧力に差が発生して、
圧力作用部の最大圧力がインク供給路側に寄り、ノズル
孔側に流れるインク量が多くなり、より効果的にインク
滴を突出させることができる。
【0042】また、圧力作用部における加圧液室の容積
が、ノズル孔側に向かって徐々に、あるいは段階的に大
きくしているので、コンプライアンスの差により振動板
の体積変化に対して発生する圧力に差が発生して、圧力
作用部の最大圧力がインク供給路側に寄り、ノズル孔側
に流れるインク量が多くなり、より効果的にインク滴を
突出させることができる。
【0043】更に、圧力作用部における加圧液室の高さ
が、ノズル孔側に向かって徐々に、あるいは段階的に大
きくしているので、コンプライアンスの差により振動板
の体積変化に対して発生する圧力に差が発生して、圧力
作用部の最大圧力がインク供給路側に寄り、ノズル孔側
に流れるインク量が多くなり、より効果的にインク滴を
突出させることができると共に、ノズルピッチが狭い場
合でも加圧液室の高さで調整することでコンプライアン
スの変化幅が大きくなり、設計の自由度が大きい。
【0044】また、加圧液室の隔壁は、電気機械変換素
子側から支持されているので、柱有り構造で加圧液室の
コンプライアンスが小さく、振動板の凸部の動きに対す
るインク圧縮による圧力上昇の割合が大きいために、圧
力作用部で発生したインク流れが支配的になり、インク
突出性能に対して本発明の効果が堅調にあらわれ易い。
【0045】更に、別の発明として、インクジェット記
録装置は上記記載のインクジェットヘッドを有すること
に特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るインクジェットヘ
ッドの構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1の列間方向要部拡大断面図である。
【図3】図1のチャンネル間方向要部拡大断面図であ
る。
【図4】図1の駆動用圧電素子の変位の様子を示す図で
ある。
【図5】本発明の第2の実施例に係るインクジェットヘ
ッドの構成を示す図である。
【図6】第2の実施例におけるインクジェットヘッドの
構成を示す列間方向要部拡大断面図である。
【図7】本発明の第3の実施例に係るインクジェットヘ
ッドの構成を示す図である。
【図8】本発明の第4の実施例に係るインクジェットヘ
ッドの構成を示す図である。
【図9】本発明の第5の実施例に係るインクジェットヘ
ッドの構成を示す図である。
【図10】別の発明のインクジェット記録装置の構成を
示す概略断面図である。
【符号の説明】
1;駆動ユニット、2;液室ユニット、3;ヘッドカバ
ー、4;スペーサ部材、12−1;駆動用圧電素子、1
2−2;非駆動用圧電素子、21;振動板、24;加圧
液室、25;インク供給路、26;共通液室、27;ノ
ズル孔、28;ダイアフラム領域、29;島状凸部。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出する複数のノズル孔と、イ
    ンクが供給される供給路と、各ノズル孔に対応してイン
    クが加圧される圧力液室と、該圧力液室のインクを加圧
    するための振動板と、該振動板を変位させる電気機械変
    換手段とを有するインクジェットヘッドにおいて、 前記加圧液室におけるインクに対する圧力作用部の最大
    圧力領域が前記インク供給路側に寄っていることを特徴
    とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記振動板の変位体積が、前記ノズル孔
    側に向かって徐々に、あるいは段階的に小さくなる請求
    項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記振動板の変位量が、前記ノズル孔側
    に向かって徐々に、あるいは段階的に小さくなる請求項
    1又は2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記振動板は凸部と薄膜部を有し、該凸
    部の幅が前記ノズル孔側に向かって徐々に、あるいは段
    階的に小さくなる請求項1〜3のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 前記圧力作用部のコンプライアンスが、
    前記ノズル孔側に向かって徐々に、あるいは段階的に大
    きくなる請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェッ
    トヘッド。
  6. 【請求項6】 前記振動板は凸部と薄膜部を有し、該薄
    膜部の幅が前記ノズル孔側に向かって徐々に、あるいは
    段階的に大きくなる請求項5記載のインクジェットヘッ
    ド。
  7. 【請求項7】 前記振動板は凸部と薄膜部を有し、該薄
    膜部の厚さが前記ノズル孔側に向かって徐々に、あるい
    は段階的に薄くなる請求項5又は6に記載のインクジェ
    ットヘッド。
  8. 【請求項8】 前記圧力作用部における前記加圧液室の
    容積が、前記ノズル孔側に向かって徐々に、あるいは段
    階的に大きくなる請求項5記載のインクジェットヘッ
    ド。
  9. 【請求項9】 前記圧力作用部における前記加圧液室の
    高さが、前記ノズル孔側に向かって徐々に、あるいは段
    階的に大きくなる請求項5記載のインクジェットヘッ
    ド。
  10. 【請求項10】 前記加圧液室の隔壁は、前記電気機械
    変換素子側から支持されている請求項1〜9のいずれか
    に記載のインクジェットヘッド。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載のイ
    ンクジェットヘッドを有することを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008050435A1 (fr) * 2006-10-26 2008-05-02 Cluster Technology Co., Ltd. Appareil d'éjection de gouttelette
US20110234705A1 (en) * 2010-03-26 2011-09-29 Panasonic Corporation Ink jet head and ink jet device having the same

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