JP4380255B2 - インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置はインクジェット記録ヘッドを主走査方向に往復させ、また記録紙を副走査方向に搬送させて、複数のノズルから選択的にインク滴を吐出させることで記録紙に文字や画像を記録する。インクジェット記録ヘッドは圧力室内のインクをアクチュエータ、例えば、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する圧電素子を用いて振動板を介して圧力室を加圧することで、圧力室に連通するノズルからインク滴を吐出する方法が知られている。
さて、近年、インクジェット記録装置は高速化の傾向が強まっている。このため、ノズル、圧力室、アクチュエータ、インク供給路等からなるイジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群を形成するインクジェット記録ヘッドが提案されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
更に、特願2003−80949では、複数のノズルグループ(イジェクタ群)の境界を境に圧電素子間に隙間が開くように、例えば境界を境に圧電素子を点対称に配置している。このため複数の圧電プレートを繋ぎ合せても、インクジェット記録ヘッドの幅を増大させることなく組付性を確保し、長尺化することができるインクジェット記録ヘッドとなっている。
特開2001−334661号公報 特許2003−048323号公報
さて、図12に示す、特願2003−80949に記載されているような、アクチュエータ535を有するイジェクタ550がマトリックス状に配置されたイジェクタ群552を形成し、このイジェクタ群552を二つ備えたインクジェット記録ヘッド512について、本出願人が各種評価を行った結果、イジェクタ群52(ノズルグループ)の外縁部に配置されたイジェクタ550と外縁部以外に配置されたイジェクタ550とでは吐出特性が若干異なることを発見した。
この吐出特性が異なる現象について、本出願人が分析した結果、以下の原因が判った。
いま、あるイジェクタ550のアクチュエータ535が駆動すると隣接するイジェクタ550のアクチュエータ535に共振振動が励起される。そして、この共振振動は、駆動したアクチュエータ535の支持条件を変化させる。
ここで、イジェクタ群552の外縁部以外のイジェクタ550は、いずれも全周囲に8個の隣接するイジェクタ550が存在し、この隣接するイジェクタ550が共振する為、同じように影響を受け、支持条件が等しくなるので、結果的に吐出特性が等しくなる。
これに対し、イジェクタ群552の外縁部のイジェクタ550(イジェクタ群552の境界に面して配置されているイジェクタ550を含む)には、全周囲には隣接するイジェクタ550が存在していない。或いは、隙間Lが開いている。つまり、イジェクタ群552の外縁部のイジェクタ550のアクチュエータ535と外縁部以外のイジェクタ550のアクチュエータ535とは、支持条件が異なる。
従って、イジェクタ群552の外縁部のイジェクタ550は、イジェクタ群552の外縁部以外のイジェクタ550とは異なる吐出特性となる。このため、イジェクタ550がマトリックス状に配置されたイジェクタ群552の各イジェクタ550の吐出特性が均一ではない。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、イジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群の各イジェクタの吐出特性を均一化することを目的とする。
請求項1に記載の発明に係るインクジェット記録ヘッドは、インク滴を吐出するノズルと、前記ノズルと連通しインクが充填される圧力室と、前記圧力室の壁面の一部を構成する振動板を少なくとも有し、前記圧力室を加減圧するアクチュエータと、で構成されたイジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群を有するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記イジェクタ群の外周に、少なくともインク滴の吐出に寄与しない圧力室とアクチュエータとで構成されたダミーイジェクタを形成し、前記ダミーイジェクタの圧力室の形状は、前記イジェクタの圧力室と異なる形状に設定され、且つ、前記ダミーイジェクタの前記アクチュエータの共振周波数と前記各イジェクタの前記アクチュエータの共振周波数とが略同一となるように調整されていることを特徴としている。
請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドによれば、あるイジェクタのアクチュエータが駆動すると、隣接するイジェクタのアクチュエータに共振振動が励起される。この隣接するイジェクタのアクチュエータが共振することによって、駆動イジェクタのアクチュエータの支持条件が変わる。この支持条件が、アクチュエータの振動特性に影響を与え、ひいてはインク滴の吐出特性に影響を与える。
しかし、イジェクタ群の外縁部以外のイジェクタは、いずれも全周囲に等しく8個の隣接するイジェクタが存在し、この隣接するイジェクタのアクチュエータが共振する。このため、いずれのイジェクタも同じように影響を受け、結果的に吐出特性が等しくなる。
また、イジェクタ群の外縁部のイジェクタは、全周囲には隣接するイジェクタが存在していないが、イジェクタ群の外周には、ダミーイジェクタが設けられている。このダミーイジェクタのアクチュエータも隣接するイジェクタと同様に共振するため、結果的に吐出特性が等しくなる。
従って、イジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群の各イジェクタの吐出特性が均一化される。
すなわち、イジェクタの圧力室と異なる形状に設定された圧力室を有するダミーイジェクタのアクチュエータの共振周波数と、各イジェクタのアクチュエータの共振周波数と、が略同一であるのでダミーイジェクタのアクチュエータも隣接するイジェクタのアクチュエータと同じ程度の共振振動が励起される
また、同じように共振するため、各イジェクタのアクチュエータの支持条件が同一に保たれる。従って、イジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群の各イジェクタの吐出特性を均一に保つことができる。
尚、アクチュエータの共振周波数は、全く同じ周波数であることが望ましいが、約±5%の範囲であれば、各イジェクタの吐出特性は均一化される。
また、ダミーイジェクタの圧力室の形状によって、共振周波数が略同一になるように調整されているので、ダミーイジェクタの形状自由度が高くなる。
従って、ダミーイジェクタを、寸法制約や配置制約を満たしつつ、イジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群の各イジェクタの吐出特性を均一に保つことができる。
請求項2に記載の発明に係るインクジェット記録ヘッドは、請求項1に記載の構成において、前記イジェクタ群を複数有し、前記ダミーイジェクタは、前記イジェクタ群間に形成されたことを特徴としている。
請求項2に記載のインクジェット記録ヘッドによれば、イジェクタ群間にダミーイジェクタを形成することによって、イジェクタング群間の境界のイジェクタの吐出特性が均一に保たれる。
請求項3に記載のインクジェット記録ヘッドは、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記ダミーイジェクタの圧力室は、前記イジェクタの圧力室と比べ、細長い形状に設定されていることを特徴としている。
請求項3に記載のインクジェット記録ヘッドによれば、ダミーイジェクタの圧力室は、前記イジェクタの圧力室と比べ、細長い形状に設定されているので、イジェクタング群間が狭い場合であっても、イジェクタング群間にダミーイジェクタを形成することができる。
請求項4に記載の発明に係るインクジェット記録装置は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドを使用したことを特徴としている。
請求項4に記載のインクジェット記録装置によれば、イジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群を有し、各イジェクタの吐出特性が均一化されている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドを使用しているので、優れた印字品位の画像形成を高速に行うことができる。
以上、説明したように、本発明によれば、イジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群の各イジェクタの吐出特性を均一化することができる。
以下、本発明に係るインクジェット記録ヘッドの一の実施形態を図面に基づき説明する。
図3に示すように、インクジェット記録ヘッド112は、インク滴を吐出するノズル10と、インクを加圧し連通するノズル10からインク滴を吐出させる圧力室12と、ノズル10と圧力室12とを連通するノズル連通室16と、圧力室12に連通するインク供給路18と、を有している。
図4、図5に示すように、圧力室12の上面には振動板34が接着され、振動板34の上面には、圧電素子36が接着され、圧電素子36の上面にはボール半田40を介して配線基板38が接合されている。尚、圧力室12に対応する振動板34と圧電素子36とをアクチュエータ35とする。
そして、ノズル10、圧力室12、ノズル連通室16、アクチュエータ35でイジェクタ50が構成される。
また、共通インク流路14とインク供給路18とが開口部20で連通し、共通インク流路14は、図示しないインク供給口に繋がっている。
図1に示すように、インクジェット記録ヘッド112は、イジェクタ50(図中のハッチング無し)がマトリックス状に配置されたイジェクタ群52を上下に二つ備えている。(尚、ここでいう上下とは図中における上下であって、インクジェット記録ヘッド112の上下ではない)。
尚、図1及び後述する図2、図11では、圧力室12と後述するダミー圧力室212、312は、実際には見えないので点線で表すのが適切であるが、判り易くする為、本図では実線で表している。
さて、圧電素子36は、上下のイジェクタ群52の境界を境に点対称となって配置されている。このため、図2に示すように、ノズル10の間隔Dは均等となっているが、上下のイジェクタ群52の圧電素子36間に隙間Lが開いている。尚、隙間Lは圧力室12の幅より小さい。
また、図1に示すように、各イジェクタ群52の上下の境界を除いて、イジェクタ群52の外周には、インク滴を吐出しないダミーイジェクタ250がイジェクタ50と同ピッチ、同間隔で配置されている。
図1、図4に示すようにダミーイジェクタ250は、イジェクタ50と同様の構成であり、共通インク流路14からインクが充填される。但し、ダミー圧電素子236の上面には配線基板38が接合されていない。従って、ダミー圧電素子236は電気信号で駆動させることはできないので、ダミーイジェクタ250はインク滴を吐出しない。
また、上述した上下のイジェクタ群52の間の隙間Lには、同じくインク滴を吐出しないダミーイジェクタ350が配置されている。
図1、図5に示すように、ダミーイジェクタ350は、イジェクタ50と比べ、細長い形状をしている。そして、ダミーイジェクタ350は、上記形状のダミー圧力室312と、ダミー圧力室312に対応する振動板34と、ダミー圧力室312に共通インク流路14からインクを供給するダミーインク供給路318と、から構成されている。尚、このダミー圧力室312に対応する振動板34をダミーアクチュエータ335とする。
尚、ダミーイジェクタ350は、イジェクタ50とは構成は異なるが、アクチュエータ35の共振周波数とダミーアクチュエータ335の共振周波数とは、ほぼ同じ(約±5%以内)となるように、ダミー圧力室312の形状を調整している。
次にインクジェット記録ヘッド112の製造方法の概要を以下に記す。
図3、図4、図5に示すように、ノズル10とダミーノズル210が形成されるノズルプレート22と、ノズル連通室16と共通インク流路14とダミーノズル連通室216となる孔が形成されたインクプールプレート24、26と、ノズル連通室16と共通インク流路14の開口部20とダミーノズル連通室216となる孔が形成されたスループレート28と、インク供給路18とダミーインク供給路218、318となる孔が形成されたインク供給路プレート30と、圧力室12とダミー圧力室212、312となる孔が形成された圧力室プレート32とを順番に積層し接合する。
尚、ノズルプレート22の材質はポリイミドであり、ノズルプレート22、インクプールプレート24、26、スループレート28、圧力室プレート32の材質はSUSである。
次にノズルプレート22の表面に撥水コート膜(図示せず)を被覆すると共に、エキシマレーザでノズル10とダミーノズル210とを開ける。
さて一方、剥離可能な接着剤、例えば接着後に所定の温度で加熱すると、発泡して接着力が大幅に低下する性質を有する熱発泡性接着フィルムを介して図示しない固定基板に接着された、各イジェクタ群52に対応した2枚の図示しない圧電プレートに、例えばサンドブラスト加工を用いて、マトリックス状に配置された圧電素子36及びダミー圧電素子236を作成する。
つまり圧電素子36及びダミー圧電素子236が形成された2枚の固定基板ができあがる。そして、この2枚の固定基板の圧電素子36及びダミー圧電素子236を振動板34に接合する。
尚、図1、図2に示すように、イジェクタ群52の境界を境に対向する圧電素子36が点対称となっており、隣り合うイジェクタ群52の圧電素子36間には隙間Lが開いるので、組付性に問題が生じない。
また、このように2枚の圧電プレートから作られるので、圧電プレートは短尺となる。従って、インクジェット記録ヘッド112を長尺化しても、1枚の長尺の圧電プレートから圧電素子36を加工形成する必要が無く、2枚の短尺の圧電プレートで対応できるため、生産の歩留りが向上する。
そして、振動板34に接着後、固定基板を加熱して熱発泡性接着フィルムの接着力を低減させ、固定基板を剥離する。
最後に図4に示すように、圧電素子36毎にボール半田40を形成した配線基板38を圧電素子36と接合する。
尚、圧電素子36の両面には電極層(図示せず)が形成されているので、電極層、すなわち圧電素子36と配線基板38とは電気的に接続されている。また、配線基板38と振動板34とは導電性材にて接続されている。
次に本実施の形態のインクジェット記録ヘッド112の作用を説明する。
尚、図11に示すように、上下の各イジェクタ群52の各イジェクタ50の内、イジェクタ群52の外縁部以外のイジェクタ50をイジェクタ50Aと表記し、イジェクタ群52の境界に面したイジェクタ50をイジェクタ50Cと表記し、イジェクタ50Cを除くイジェクタ群52の外縁部のイジェクタ50をイジェクタ50Bと表記する。
図3(B)の矢印Fのように、インクジェット記録ヘッド112の図示しないインク供給口から導入されたインクが共通インク流路14に充填され、図4、図5にも示すように、この共通インク流路14からインク供給路18、ダミーインク供給路218、ダミーインク供給路318を通り、各圧力室12、各ダミー圧力室212、312にインクが充填される。
各圧力室12にインクが充填された状態で、駆動電圧波形が圧電素子36に印加されると、圧電素子36と共に振動板34がたわみ変形して圧力室12のインクが加圧され、ノズル10からインク滴が吐出する。
さて、図7に示すように、あるイジェクタ50のアクチュエータ35が駆動すると、隣接する周囲のイジェクタ50のアクチュエータ35が共振する。(この共振現象についての詳細は後述する)。そして、この隣接するイジェクタ50のアクチュエータ35の共振が、あるイジェクタ50のアクチュエータ35の支持条件、具体的には圧力室12の周囲の振動板34の接着部分(図7(B)の80部分)に影響を与える。このようにアクチュエータ35の支持条件に影響を受けると、アクチュエータ35の振動特性も影響を受ける。従って、あるイジェクタ50の吐出特性に影響を受ける。
特に、本実施形態は振動板34と圧力室プレート32とは接着し接合されているので、図6及び図7(B)に模式的に示すように、振動板34と圧力室プレート32との間に接着層90が存在する。接着層90が無い場合、例えば溶着接合で完全に固着すると、固定支持条件となるが、本実施形態のように接着層90が有ると、図7(B)に示すように接着層90が弾性変形し回転支持条件に近くなり、アクチュエータ35の支持条件が弱くなり、イジェクタ50の吐出特性に、より影響がでる。
さて、図1、図11に示すように、イジェクタ群52の外縁部以外のイジェクタ50Aは、それぞれ全周囲に8個の隣接するイジェクタ50A、50B、50Cが同ピッチ、同間隔で存在する。このため、各隣接するイジェクタ50A、50B、50Cの各アクチュエータ35が等しく共振し、いずれも等しく影響を受ける。従って、イジェクタ50Aのアクチュエータ35の支持条件が等しくなり、結果的に吐出特性が等しくなる。
イジェクタ群52の外縁部のイジェクタ50Bは、全周囲にイジェクタ50A、50B、50Cが存在しないが、イジェクタ群52の外周にイジェクタ50A、50B、50Cと同じ構成でありインクも充填されたダミーイジェクタ250が配置されている。上述したようにイジェクタ50A、50B、50Cとダミーイジェクタ250とは同じ構成であり、同ピッチ、同間隔であり、また、インクも充填されている。
このため隣接するダミーイジェクタ250のダミーアクチュエータ235は、隣接するイジェクタ50A、50B、50Cのアクチュエータ35と同じように共振する。
従って、イジェクタ群52の外縁部のイジェクタ50Bのアクチュエータ35は、いずれも8個の隣接するイジェクタ50A、50B、50Cのアクチュエータ35とダミーイジェクタ250のダミーアクチュエータ235が共振する為、結果的にイジェクタ群52の外縁部以外のイジェクタ50Aと吐出特性が等しくなる。
上下のイジェクタ群52の境界に面したイジェクタ50Cは、上下のイジェクタ群52の間に隙間Lが存在する。この為、境界に面したイジェクタ50Cは、境界を挟んだ向かいのイジェクタ50Cがあまり共振しない。従って、この境界に面したイジェクタ50Cの吐出特性は、イジェクタ群52の外縁部以外のイジェクタ50Aの特性と同一とならない。また、隙間Lは圧力室12の幅より狭いので、イジェクタ50A、50B、50Cと同じ構成のダミーイジェクタ250を配置することはできない。
しかし、隙間Lにはアクチュエータ35と共振周波数がほぼ等しいダミーアクチュエータ335を有する細長のダミーイジェクタ350を配置したので、境界に面したイジェクタ50Cのアクチュエータ35とダミーイジェクタ350のダミーアクチュエータ335とが共振する。
従って、上下のイジェクタ群52の境界に面したイジェクタ50Cも同様に、隣接するイジェクタ50A、50B、50Cのアクチュエータ35、ダミーイジェクタ250のダミーアクチュエータ235、ダミーイジェクタ350のダミーアクチュエータ335、が共振する為、結果的にイジェクタ群52の外縁部以外のイジェクタ50Aと吐出特性が等しくなる。
以上、見てきたようにインクジェット記録ヘッド112の各イジェクタ50(イジェクタ50A、50B、50C)は、吐出特性が等しくなっている。つまり、インクジェット記録ヘッド112の各ノズル10から吐出するインク滴の吐出特性は均一化されている。
さて、あるイジェクタのアクチュエータが駆動することで発生する隣接するイジェクタのアクチュエータの共振現象について、本出願人が検証の為に、隣接するイジェクタのアクチュエータの共振周波数と変位との関係を求めた結果が図8のグラフである。
共振周波数が約530000Hzのアクチュエータを駆動したときの駆動周波数とその変位との関係を実線Aで示している。
一点破線Bは共振周波数が同じ約530000Hzの隣接するアクチュエータに励起されて発生する変位を示している。このようにアクチュエータの共振周波数が等しいと、隣接するアクチュエータが大きく励起される。従って、駆動アクチュエータの支持条件は、隣の振動の影響をうける。
これに対し、実験上、特別に製作した共振周波数が約470000Hz、つまり駆動アクチュエータと異なる共振周波数をもつ隣接イジェクタのアクチュエータに励起されて発生する変位を示したのが点線Cである。このようにアクチュエータの共振周波数が異なると、隣の振動の影響を殆ど受けない。
つまり、隣接するアクチュエータの共振周波数が等しい場合に、隣接するイジェクタのアクチュエータは共振し大きく変位することがわかる。
なお、上記の調査では駆動アクチュエータに接して配置されたアクチュエータの振動の影響を見てきたが、さらに隣のアクチュエータ(つまり駆動アクチュエータから見て2周外側に隣接するアクチュエータ)の振動の影響を調べてみると、殆ど振動は発生しないことが確認された。このことから、駆動アクチュエータの支持条件に影響を与えるのはそれに接して配置されたイジェクタのアクチュエータのみを考えれば十分である。従って、全イジェクタのアクチュエータの支持条件を均一化するには、全周囲に1周分のダミーアクチュエータを設ければ実用的には十分であると言える。なお2周分以上のダミーアクチュエータを全周囲に設ければ、さらに支持条件を均一にすることができる。
さて、理想的には、隣接するアクチュエータの共振の影響を受けない方が良い。このため、一般的には隣接するアクチュエータの共振を絶縁することが考えられるが、それを実現するにはアクチュ−エータ間の距離を十分に確保する必要があるなど、現実的でない。そこで、隣接アクチュータの共振による支持条件の変化が全イジェクタについて均一となるようにした。
です。
このため、本実施形態では、各イジェクタ50のアクチュエータ35と共振周波数が等しいダミーアクチュエータ235、325を有するダミーイジェクタ250、350をイジェクタ群52の周囲に配置して各イジェクタ50のアクチュエータ35の支持条件を等しくし、結果的に各イジェクタ50のインク滴の特出特性を等しくしている。
尚、共振現象そのものは、インク滴の吐出に寄与しない周波数帯であるので、インク滴の吐出特性にはほとんど影響しない。また、共振周波数を等しくすることでアクチュエータの支持部(図7(B)の80部分)に与える影響も等しくなるため、長期に渡って吐出特性を均一に保つことができる。
次に本実施形態のインクジェット記録ヘッド112を備えたインクジェット記録装置102について図9に基づき説明する。
インクジェット記録装置102はインクジェット記録ヘッド112を搭載するキャリッジ104、キャリッジ104を主走査方向Mに走査する為の主走査機構106、記録媒体としての記録紙Pを副走査方向Sに走査する為の副走査機構108、及びインクジェット記録ヘッド112の吐出特性を回復するメンテナンスステーション110等を含んで構成されている。
インクジェット記録ヘッド112は、ノズル10が形成されたノズルプレート22(図4参照)が記録紙Pと対向するようにキャリッジ104上に搭載されており、主走査機構106によって主走査方向Mに移動されながら記録紙Pに対してインク滴を吐出することにより、一定のバンド領域BEに対して画像の記録を行う。
主走査方向への1回の移動が終了すると、副走査機構108によって記録紙Pが副走査方向Sに搬送され、再びキャリッジ104を主走査方向Mに移動させながら次のバンド領域BEを記録する。こうした動作を複数回繰り返すことにより、記録紙Pの全面にわたって画像記録を行うことができる。
本実施の形態のインクジェット記録ヘッド112は、イジェクタ50がマトリックス状に配置されたイジェクタ群52を上下に2つ備えている。このため、キャリッジ104の主走査方向Mの一回の移動で、広いバンド領域BEに画像が形成できる。つまり、少ないキャリッジ104の移動回数で記録紙Pの全面にわたって画像記録を行うことができる。また、前述したように各イジェクタ50の吐出特性は均一であるのでムラの少ない良好な画像形成が行える。
従って、優れた印字品位の画像の形成を高速に行うことができるインクジェット記録装置102となっている。
尚、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、ダミーイジェクタ350は、ダミー圧力室312と対応する振動板34からなるダミーアクチュエータ335を有していたが、これに限定されない。
例えば、図10に示すように、ダミー圧力室312と略同形状のダミー圧電素子C436を振動板34の上に設けたダミーアクチュエータ435を有するダミーイジェクタ450としても良い。尚、この場合、ダミー圧電素子436を有している為、ダミーアクチュエータ435の共振周波数は、イジェクタ50のアクチュエータ35とより等しくなるので好適である。あるいは、共振周波数がイジェクタ50と略同一であれば、その他の構成であっても良い。
また、図1及び図4に示すように、ダミーイジェクタ250は、ダミー圧電素子236に電気接続がされていない以外は、イジェクタ50と同構成で、同ピッチ、同間隔で配置されているが、これに限定されない。共振周波数がイジェクタ50と略同一であれば、その他の構成及び配置であっても良い。
また、上記実施の形態では、図1に示すように、インクジェット記録ヘッド112はイジェクタ群52が上下に二つ並び、更にイジェクタ群52の境界を境に圧電素子36が点対称に配置され、イジェクタ群52の境界には隙間Lが開いた構成となっていたが、これに限定されない。
例えば、特願2003−80949に記載されているような、その他の構成であっても良い。
イジェクタがマトリックス状に行列配置されたイジェクタ群を有するインクジェット記録ヘッドであっても良い。
また、図4に示すように、上記実施の形態では圧電素子36は、1枚の圧電素子36のたわみ振動によって圧力室12を加圧したが、これに限定されない。例えば、圧電素子を積層する形態であっても良いし、縦振動タイプの圧電素子であっても良い。或いは、その他形態の圧電素子であっても良い。
また、図9に示すように、上記実施の形態では、インクジェット記録ヘッド112をキャリッジ104で走査しながら記録を行ったが、これに限定されるものではない。例えば、ノズルを記録媒体の全般にわたって配置したインクジェット記録ヘッドを用い、インクジェット記録ヘッドは固定して、記録媒体のみを搬送しながら記録を行っても良い。
なお、本発明のインクジェット記録装置において画像記録の対象となる「記録媒体」には、インクジェット記録装置がインク滴を吐出する対象物であれば広く含まれる。また、インク滴が記録媒体上に付着されることで得られる記録媒体上のドットのパターンが、本発明の記録装置で得られる「画像」あるいは「記録画像」に広く含まれる。したがって、本発明のインクジェット記録装置は、記録紙上への文字や画像の記録に用いられるものに限定されない。また、記録媒体には、記録紙やOHPシートなどが含まれるのはもちろんであるが、これら以外にも、たとえば、配線パターン等が形成される基板などが含まれる。また、「画像」には、一般的な画像(文字、絵、写真など)のみならず、上記したような配線パターンや3次元物体、有機薄膜などが含まれる。吐出する液体も着色インクに限定されるわけではない。例えば、高分子フィルムやガラス上に着色インクを吐出して行うディスプレイ用のカラーフィルターの作製、溶融状態のハンダを基板上に吐出して行う部品実装用のバンプの形成、有機EL溶液を基板上に吐出させて行うELディスプレイパネルの形成、溶融状態のハンダを基板上に吐出して行う電気実装用のバンプの形成など、様々な工業的用途を対象とした液滴噴射装置一般に対して、本発明のインクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置を適用することが可能である。
本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを平面視し、模式的に表した図である。 本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを平面視した図1のイジェクタ群の境界を拡大した図である。 (A)は本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの要部を示す図である。(B)は(A)のX部の拡大図である。 (A)は本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの要部を示す断面図である。(B)は(A)のA−A断面の図である。 本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの要部を示す断面図である。 本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを示し、接着層を模式的に表した断面図である。 (A)は本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドのイジェクタのアクチュエータが共振する現象を模式的に表した図である。(B)は(A)の拡大図である。 本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドのイジェクタのアクチュエータが共振する現象において、共振周波数と変位との関係を示すグラフである。 本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを使用したインクジェット記録装置を示す図である。 本発明のその他の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの要部を示す断面図である。 本発明の一の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを平面視して模式的に表し、イジェクタ群の外縁部以外のイジェクタと、イジェクタ群の外縁部のイジェクタと、イジェクタ群の境界に面したイジェクタと、を区別して表記した図である。 従来のインクジェット記録ヘッドを示す図である。
符号の説明
10 ノズル
12 圧力室
14 共通インク流路
18 インク供給路
34 振動板
35 アクチュエータ
36 圧電素子
50 イジェクタ
52 イジェクタ群
102 インクジェット記録装置
112 インクジェット記録ヘッド
212 ダミー圧力室
235 ダミーアクチュエータ
250 ダミーイジェクタ
312 ダミー圧力室
335 ダミーアクチュエータ
350 ダミーイジェクタ

Claims (4)

  1. インク滴を吐出するノズルと、前記ノズルと連通しインクが充填される圧力室と、前記圧力室の壁面の一部を構成する振動板を少なくとも有し、前記圧力室を加減圧するアクチュエータと、で構成されたイジェクタがマトリックス状に配置されたイジェクタ群を有するインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記イジェクタ群の外周に、少なくともインク滴の吐出に寄与しない圧力室とアクチュエータとで構成されたダミーイジェクタを形成し、
    前記ダミーイジェクタの圧力室の形状は、前記イジェクタの圧力室と異なる形状に設定され、且つ、前記ダミーイジェクタの前記アクチュエータの共振周波数と前記各イジェクタの前記アクチュエータの共振周波数とが略同一となるように調整されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記イジェクタ群を複数有し、
    前記ダミーイジェクタは、前記イジェクタ群間に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記ダミーイジェクタの圧力室は、前記イジェクタの圧力室と比べ、細長い形状に設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドを使用することを特徴とするインクジェット記録装置。
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