JPH10138469A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JPH10138469A
JPH10138469A JP29640096A JP29640096A JPH10138469A JP H10138469 A JPH10138469 A JP H10138469A JP 29640096 A JP29640096 A JP 29640096A JP 29640096 A JP29640096 A JP 29640096A JP H10138469 A JPH10138469 A JP H10138469A
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JP
Japan
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ink
pressurized liquid
liquid chamber
jet head
ink jet
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Pending
Application number
JP29640096A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuzo Matsumoto
修三 松本
Yoshihisa Ota
善久 太田
Mitsuyoshi Fujii
光美 藤井
Taeko Murai
妙子 村井
Tomoaki Nakano
智昭 中野
Hideyuki Makita
秀行 牧田
Shinichi Tsunoda
慎一 角田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク滴吐出量の増大に伴って駆動周波数特
性が劣化している。 【解決手段】 インクが充填される複数の加圧液室3
6,37と、この複数の加圧液室36,37に対して同
時にエネルギーを付与する1つの共通のエネルギー発生
素子12と、複数の加圧液室36,37にそれぞれ連通
してインク滴を吐出する複数の吐出口42,43とを備
えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットヘッ
ドに関し、特に複数の吐出口から同時にインク滴を吐出
するインクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、記録時の振
動、騒音が殆どなく、特にカラー化が容易なことから、
コンピュータ等のデジタル処理装置のデータを出力する
プリンタの他、ファクシミリやコピー機等にも用いられ
るようになっている。このようなインクジェット記録装
置に用いられるインクジェットヘッドは、圧電素子など
の電機機械変換素子、発熱抵抗体等のエネルギー発生素
子(アクチュエータ素子)を記録信号に応じて駆動し
て、エネルギー発生素子で付与したエネルギーで加圧液
室内のインクを加圧して吐出口(ノズル)からインク滴
を吐出飛翔させ、記録媒体上に画像記録を行なうもので
ある。なお、本明細書では、エネルギー発生素子で付与
されたエネルギーで加圧されるインクが充填されるイン
ク流路を加圧液室と称する。
【0003】このようなインクジェットヘッドにおいて
は、使用される用途によって、記録媒体上で大きなドッ
ト径が要求される場合があり、そのためには、同一位置
に複数のインク滴を着弾させるか、1つのインク滴自体
を大きなインク滴とする必要がある。
【0004】そこで、従来のインクジェットヘッドとし
て、例えば、特開昭63−13751号公報に記載され
ているように、1つの加圧液室に対応する1つのノズル
を分割して複数のノズルからなる1つのノズル群にする
ことで、ノズル内のメニスカスによる力を大きくして吐
出量増大に伴う駆動周波数特性の劣化を改善しようとす
るものがある。
【0005】また、この他、特開平4−138255号
公報に記載されているように、複数個のノズルと、この
複数個のノズルを開閉するための各ノズルに対応して設
けた第1の圧電素子と、複数個のノズルを2個以上のノ
ズルを有する複数個のノズル群に分割した各ノズル群に
対応して設けた複数個の加圧液室と、複数個の加圧液室
に対して圧力を与えるため各加圧液室に対応して設けた
第2の圧電素子とを備え、第1の圧電素子でインク滴を
吐出するノズルを選択できるようにしたものもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、インクジェ
ットヘッドにあっては、インク滴吐出後インク充填行程
へ移行し、インクタンクから供給されたインクが加圧液
室内に充填されることで、ノズルの出口のインクメニス
カス面の振動が減衰し、表面張力によってノズルの出口
付近に戻されて(リフィル)安定状態に至れば、次のイ
ンク滴吐出動作に移行することができる。
【0007】そのため、上述した従来のインクジェット
ヘッドはノズル径自体は小さくして複数個にすることで
メニスカスの復帰速度を上げようとしているが、インク
滴吐出量の増大に伴うインクの充填に要する時間は短縮
されていないために、未だ十分に駆動周波数特性の劣化
を改善することができない。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、インク滴吐出量の増大に伴う駆動周波数特性の劣
化を改善することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のインクジェットヘッドは、インクが充填
される複数の加圧液室と、この複数の加圧液室に対して
同時にエネルギーを付与する1つの共通のエネルギー発
生素子と、前記複数の加圧液室にそれぞれ連通してイン
ク滴を吐出する複数の吐出口とを備えた構成とした。
【0010】請求項2のインクジェットヘッドは、上記
請求項1のインクジェットヘッドにおいて、前記1つの
共通のエネルギー発生素子に対応する複数の加圧液室
は、それぞれ形状及び/又は構造が異なる構成とした。
【0011】請求項3のインクジェットヘッドは、上記
請求項1又は2のインクジェットヘッドにおいて、前記
1つの共通のエネルギー発生素子に対応する複数の加圧
液室に連通する前記複数の吐出口は、それぞれ形状が異
なる構成とした。
【0012】請求項4のインクジェットヘッドは、イン
クが充填される加圧液室と、この加圧液室に対してエネ
ルギーを付与するエネルギー発生素子と、前記加圧液室
にそれぞれ連通してインク滴を吐出する複数の吐出口
と、前記加圧液室に対応してインクを供給する複数のイ
ンク供給路とを備えた構成とした。
【0013】請求項5のインクジェットヘッドは、上記
請求項4のインクジェットヘッドにおいて、前記加圧液
室にそれぞれ連通してインク滴を吐出する複数の吐出口
は、前記加圧液室の長手方向の異なる位置に設けた構成
とした。
【0014】請求項6のインクジェットヘッドは、上記
請求項4又は5のインクジェットヘッドにおいて、前記
加圧液室にそれぞれ連通してインク滴を吐出する複数の
吐出口は、それぞれ形状が異なる構成とした。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明を適用するイン
クジェットヘッドの一例を示す全体分解斜視図、図2は
同ヘッドのチャンネル方向と直交する方向の要部断面
図、図3は同ヘッドのチャンネル方向の要部断面図であ
る。
【0016】このインクジェットヘッドは、アクチュエ
ータユニット1と、液室ユニット2と、ヘッドカバー3
とを備えている。アクチュエータユニット1は、セラミ
ックス基板、例えばチタン酸バリウム、アルミナ、フォ
ルステライトなどの絶縁性の基板11上に、エネルギー
発生素子である複数の積層型圧電素子12を列状に2列
配置して接合し、これら2列の各圧電素子の周囲を取り
囲む樹脂、セラミック等からなるフレーム部材(支持
体)13を接着剤14によって接合している。
【0017】複数の圧電素子12は、インクを液滴化し
て飛翔させるための駆動パルスが与えられる圧電素子
(これを「駆動部」という。)17,17…と、駆動部
17,17間に位置し、駆動パルスが与えられずに単に
液室ユニット2を基板13に固定する液室支柱部材とな
る圧電素子(これを「非駆動部」という。)18,18
…とを交互に配置している。
【0018】また、圧電素子12としては10層以上の
積層型圧電素子を用いている。この積層型圧電素子は、
例えば図2に示すように、厚さ10〜50μm/1層の
PZT(=Pb(Zr・Ti)O3)20と、厚さ数μm/
1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極2
1とを交互に積層したものであるが、圧電素子として用
いる材料は上記に限られるものでなく、その他の電気機
械変換素子を用いることもできる。
【0019】各圧電素子12の内部電極21は1層おき
にAgPdからなる左右の端面電極22,23(2つの圧
電素子列の対向する面側を端面電極22とし、対向しな
い面側を端面電極23とする。)に接続している。一
方、基板11上には、図1に示すようにNi・Au蒸着、
Auメッキ、AgPtペースト印刷、AgPdペースト印刷
等によって共通電極パターン24及び個別電極パターン
25を設けている。
【0020】そして、各列の各圧電素子12の対向する
端面電極22を導電性接着剤26を介して共通電極パタ
ーン24に接続し、他方、各列の各圧電素子12の対向
しない端面電極23を同じく導電性接着剤26を介して
個別電極パターン25に接続している。これにより、駆
動部17に駆動電圧を与えることによって、積層方向に
電界が発生して、駆動部17には積層方向の伸びの変位
が生起される。なお、共通電極パターン24は、フレー
ム部材13に設けた穴13a内に導電性接着剤を充填す
ることで各パターン部の導通を取っている。
【0021】一方、液室ユニット2は、金属或いは樹脂
の薄膜からなる振動板31と、フォトレジストフィルム
からなる感光性樹脂層で形成した2層構造の液室隔壁部
材32と、金属、樹脂等からなるノズルプレート33と
を順次を積層し、熱融着して形成している。
【0022】これらの各部材によって、1つの圧電素子
12(駆動部17)と、この1つの圧電素子12に対応
する2つのダイアフラム部34,35と、各ダイアフラ
ム部34,35を介して加圧される2つの加圧液室3
6,37と、この加圧液室36,37の片側に位置して
加圧液室36,37に供給するインクを導入する共通液
室38,39と、加圧液室36と共通液室38、加圧液
室37と共通液室39とをそれぞれ連通するインク供給
路40,41と、加圧液室34,35に各々連通するノ
ズル42,43とによって1つのチャンネルを形成し、
このチャンネルを複数設けている。なお、共通液室3
8,39は各チャンネルで共通に形成している。
【0023】振動板31は、同一平面上に位置出し又は
研削加工した圧電素子12及びフレーム部材13上に接
着剤44で接合している。この振動板31は、駆動部1
7に対応する前記ダイアフラム部34,35と、非駆動
部18に接合する梁45及びフレーム部材13に接合す
るベース46とを形成している。ダイアフラム部34,
35は、駆動部17に接合する島状凸部47と、この凸
部47の周囲に形成した厚み3〜10μm程度の最薄膜
部分(ダイアフラム領域)48とからなる。
【0024】液室隔壁部材32は、振動板31側に予め
ドライフィルムレジストを塗布して所要のマスクを用い
て露光し、現像して所定の液室パターンを形成した第1
感光性樹脂層51と、ノズルプレート33側に予めドラ
イフィルムレジストを塗布して所要のマスクを用いて露
光し、現像して所定の液室パターンを形成した第2感光
性樹脂層52とを熱圧着で接合してなる。
【0025】ノズルプレート33にはインク滴を飛翔さ
せるための微細な吐出口である対になった2つの前記ノ
ズル42,43を多数を形成しており、このノズル4
2,43の径はインク滴出口側の直径で約25〜35μ
mである。このノズルプレート33は例えば電鋳工法に
よって製造したNi(ニッケル)の金属プレートを用い
ているが、Si、その他の金属材料を用いることもでき
る。このノズルプレート33のインク吐出側面に撥水性
の表面処理膜、例えばPTFE−Ni共析メッキやフッ
素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフ
ッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹
脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、インク物
性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、インクの滴形
状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られる
ようにしている。
【0026】そして、図1に示すように、基板11をヘ
ッド支持部材であるスペーサ部材(ヘッドホルダ)55
上に支持して保持し、このスペーサ部材55内に配設し
たヘッド駆動用IC等を有するPCB基板とアクチュエ
ータユニット1の各圧電素子12(駆動部17)に接続
した各電極パターン24,25とをFPCケーブル5
6,56を介して接続している。
【0027】また、ノズルカバー(ヘッドカバー)3
は、ノズルプレート33の周縁部及びヘッド側面を覆う
箱状に形成したものであり、ノズルプレート33の撥水
処理面に対応して開口部を形成し、ノズルプレート33
の周縁部に残した非撥水処理面に接着剤にて接着接合し
ている。さらに、このインクジェットヘッドには、図示
しないインクカートリッジからのインクを液室に供給す
るため、スペーサ部材55、基板11、フレーム部材1
3及び振動板31にそれぞれインク供給穴57〜60を
設けている。
【0028】以上のように構成したインクジェットヘッ
ドの作用について説明する。このインクジェットヘッド
においては、記録信号に応じて駆動部17に駆動波形
(10〜50Vのパルス電圧)を印加することによっ
て、駆動部17に積層方向の変位が生起し、振動板31
の2つのダイアフラム部34,35を介して2つの加圧
液室36,37が加圧されて圧力が上昇し、各ノズル4
2,43からインク滴が吐出される。このとき、加圧液
室36,37から共通液室38,39へ通じるインク供
給路40,41方向へもインクの流れが発生するが、イ
ンク供給路40,41の断面積を狭小にすることで流体
抵抗部として機能させて共通液室38,39側へのイン
クの流れを低減し、インク吐出効率の低下を防いでい
る。
【0029】そして、インク滴吐出の終了に伴い、加圧
液室36,37内のインク圧力が低減し、インクの流れ
の慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧液室36,
37内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。こ
のとき、インクタンクから供給されたインクは共通液室
38,39に流入し、共通液室38からインク供給路4
0を経て加圧液室36内に、共通液室39からインク供
給路41を経て加圧液室37内に充填される。そして、
ノズル42,43の出口のインクメニスカス面の振動が
減衰し、表面張力によってノズル42,43の出口付近
に戻されて(リフィル)安定状態に至れば、次のインク
滴吐出動作に移行する。
【0030】このように、このインクジェットヘッドで
は、2つの独立した加圧液室36,37とノズル42,
43及びダイアフラム部34,35と、共通の圧電素子
(駆動部17)とで1つのチャンネルを構成し、圧電素
子12を駆動することで2滴のインク滴を吐出させるよ
うにしているが、2つのノズル42,43間の距離と吐
出されるインク滴の体積を適切に設定することによっ
て、記録媒体(インク滴が付着するもの)上では実用的
に問題とならないレベルで1つの画素を形成することが
できる。
【0031】ここで、図4乃至図6を参照してインク滴
(記録液)吐出体積の駆動周波数特性について説明す
る。先ず、図4に示すように上述したインクジェットヘ
ッドの2つの加圧液室36,37間の隔壁を取り除いて
1つの加圧液室61を設け、この1つの加圧液室61に
連通する1つのノズル62を備える従前のインクジェッ
トヘッドの場合には、図5及び図6に破線で示すような
インク滴吐出体積の駆動周波数特性が得られる。
【0032】これに対して、本発明に係る上述したイン
クジェットヘッドのように、1つの圧電素子12に対応
する2つの加圧液室36,37と、各加圧液室36,3
7にそれぞれ連通する2つのノズル42,43とを備え
て、2つのノズル42,43から吐出するインク滴吐出
体積の和を従前のインクジェットヘッドのノズル62か
ら吐出するインク滴吐出体積と概略同一になるように設
定した場合、1つのノズル42又は43から吐出される
インク滴吐出体積の駆動周波数特性は図5に実線で示す
ようになり、そして、2つのノズル42,43から吐出
されるインク滴吐出体積の和と駆動周波数との関係は図
5に実線で示すようになって、駆動周波数特性が向上す
る。
【0033】すなわち、加圧液室を完全に分離して2つ
の加圧液室とし、各加圧液室に連通するノズルを備える
ことによって、エネルギー発生素子である圧電素子の変
位が同じ場合には、2つのノズルから吐出されるインク
滴吐出体積の和を1つのノズルから吐出されるインク滴
吐出体積と概略同一に設定することで、インク滴吐出体
積・速度の駆動周波数特性を向上することができる。ま
た、逆に駆動周波数特性を同等にすれば、インク滴吐出
体積の和を1つのノズルからインク滴を吐出する場合に
比べて増加することができる。
【0034】これは、図4に示すような1つの加圧液室
61を備えた場合と本発明に係るインクジェットヘッド
のように2つの加圧液室36,37を備えた場合の加圧
液室の容量変化量が略同一であることにより、基本的に
インク滴吐出体積は同等の吐出能力を持ち、2つの液室
が分担し合うことでインク滴吐出口(ノズル)を小径化
でき、メニスカスの力が向上し、更にインク供給路4
0,41も各ノズル42,43毎に設置して十分な流量
の供給が可能になる。その上、加圧液室も分割されるこ
とで加圧液室長が短くなり、液体の応答性も向上する
(加圧液室内のインクによる固有振動数が高くなる。)
ことによるものである。
【0035】次に、本発明に係るインクジェットヘッド
の加圧液室構造の他の例について図7乃至図9を参照し
て説明する。先ず、上述したインクジェットヘッドにお
いては、図7に示すように2つの加圧液室36,37を
それぞれ同一の形状に形成して、その高さH1,H2及
び長さL1,L2を同じ(H1=H2,L1=L2)に
している。
【0036】これに対して、図8に示す例においては、
2つの加圧液室36,37の形状・構造を異ならせて、
加圧液室36,37の高さH1,H2は同じ(H1=H
2)にし、長さL1,L2を異ならせている(L1<L
2)。また、図9に示す例では、2つの加圧液室36,
37の形状・構造を異ならせて、加圧液室36,37の
高さH1,H2を異ならせ(H1<H2)、長さL1,
L2を同じ(L1=L2)にしている。
【0037】すなわち、一般的にノズルから吐出するイ
ンク滴吐出体積及びインク滴吐出速度の駆動周波数特性
は、高周波数側で特性の変動が発生する。そこで、2つ
の加圧液室の形状及び/又は構造を異ならせることで、
2つの異なるインク滴吐出体積の周波数特性を相互に補
完するように重ね合わせることが可能になって駆動周波
数特性の劣化を低減することができる。
【0038】例えば、図10に示すように、2つの加圧
液室の内の一方の加圧液室のインク滴吐出体積の駆動周
波数特性を一点鎖線で示すように設定し、また、他方の
加圧液室のインク滴吐出体積の駆動周波数特性を同図に
二点鎖線で示すように設定することで、2つの加圧液室
を重ね合わせた全体としてのインク滴吐出体積の駆動周
波数特性は図11に示すようになって、実質的に駆動周
波数特性の変動を低減することができる。
【0039】また、2つの加圧液室の形状及び/又は構
造を異ならせることによって2つの異なるインク滴吐出
速度を得て、2つのインク滴の記録媒体上での着弾位置
を近付けて画素形状を一層真円化させることも可能とな
る。なお、複数(ここでは2つ)の加圧液室の形状及び
/又は構造は、図8或いは図9に示した例に限られるも
のではなく、その他の形状や構造を採用することもで
き、また加圧液室の壁面を構成している振動板のダイア
フラム部の厚みや材質などを複数の加圧液室間で異なら
せることによって、加圧液室の一部の剛性を変化させる
こともできる。
【0040】さらに、2つのインク滴吐出口(ノズル)
の形状、例えば吐出口口径、吐出口出口形状、吐出口内
部形状などを異ならせて、インク滴吐出速度の駆動周波
数特性を異ならせ、相互に補完するように重ね合わせる
ことや2つの異なるインク滴吐出速度とすることもでき
る。
【0041】例えば、図12に示すようにノズル42を
小径に、ノズル43を大径に形成した場合、各ノズル4
2,43から吐出されるインク滴I1,I2は吐出速度
ベクトルB1,B2のようになって、ノズル42から吐
出されるインク滴吐出速度が大、ノズル43から吐出さ
れるインク滴吐出速度が小になり、また、ノズル42か
ら吐出されるインク滴吐出体積が小、ノズル43から吐
出されるインク滴吐出体積が大になる。
【0042】そこで、図13に示すようにインクジェッ
トヘッドをキャリッジに搭載して所定の走査速度で主走
査しながら、記録紙Pに印写する場合、記録紙/ノズル
間の相対的な移動速度ベクトルB3としたとき、ノズル
42からのインク滴は飛翔ベクトルB4で、ノズル43
からのインク滴は飛翔ベクトルB5で示される方向に飛
翔して、2つのノズル42,43から吐出された2つの
インク滴は記録紙P上では同一の位置に着弾する。
【0043】次に、本発明の他の実施例について図14
を参照して説明する。この実施例では、加圧されるイン
ク滴を充填する1つの加圧液室64と、加圧液室64に
対応する振動板31のダイアフラム部65と、このダイ
アフラム部65を介して加圧液室64を加圧する1つの
圧電素子12(駆動部17)と、加圧液室64に連通す
る複数(ここでは2つ)のインク滴吐出口であるノズル
66,67と、加圧液室64にインクを供給するための
複数のインク供給路68,69とを備えている。
【0044】ここで、ノズルプレート33の2つのノズ
ル66,67は、加圧液室64の長手方向の異なる位置
に形成すると共に、その形状(吐出口口径)を異ならせ
ている。
【0045】このようにした場合、加圧液室は1つであ
るが、ノズルが複数であるので、2つのノズルから吐出
するインク滴を重ね合わせることによって、インク滴吐
出体積の駆動周波数特性を向上することができ、しか
も、加圧液室には複数のインク供給路からインクを供給
するので、リフィル時間を短縮することができてメニス
カスの力を大きくして、十分なインク供給を行うことが
でき、1つのノズルの場合よりも駆動周波数特性が改善
される。
【0046】そして、2つのノズル66,67を異なる
位置、形状に形成することによってインク滴吐出体積や
吐出速度を異ならせて相互補完することができる。ま
た、加圧液室を完全に複数の加圧液室に分離しないの
で、容易に高集積化を図ることができる。
【0047】なお、上記実施例においては、加圧液室の
液室隔壁部材として感光性樹脂を用いた例で説明した
が、これに限られるものではなく、金属、その他の樹脂
等を用いることもできる。また、積層構造を構成してい
る液室隔壁部材の層数も2層に限られるものではない。
さらに、インクジェットヘッドの構造も上記実施例に示
したように圧電素子の変位方向とインク滴との吐出方向
が同じになるサイドシュータ方式のものに限定されず、
圧電素子の変位方向とインク滴の吐出方向が直交するエ
ッジシュータ方式のものにも同様に適用することができ
る。
【0048】また、上記実施例ではエネルギー発生素子
として積層型圧電素子を用いたが、その他のバイモルフ
型圧電素子などの電気機械変換素子、或いは熱エネルギ
ーを発生させる発熱抵抗体などを用いることもできる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のインク
ジェットヘッドによれば、インクが充填される複数の加
圧液室と、この複数の加圧液室に対して同時にエネルギ
ーを付与する1つの共通のエネルギー発生素子と、複数
の加圧液室にそれぞれ連通してインク滴を吐出する複数
の吐出口とを備えた構成としたので、インク滴吐出口内
のメニスカスによる力を大きくし、インクリフィルに要
する時間を短縮することができ、吐出量の増大に伴う駆
動周波数特性の劣化を低減することができる。
【0050】請求項2のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1のインクジェットヘッドにおいて、1
つの共通のエネルギー発生素子に対応する複数の加圧液
室は、それぞれ形状及び/又は構造が異なる構成とした
ので、複数の異なるインク滴吐出特性(吐出体積、吐出
速度)を得ることができ、駆動周波数特性の向上を図る
ことができる。
【0051】請求項3のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1又は2のインクジェットヘッドにおい
て、1つの共通のエネルギー発生素子に対応する複数の
加圧液室に連通する複数の吐出口は、それぞれ形状が異
なる構成としたので、複数のインク滴を同一位置に着弾
させたときの画素の真円化を向上することができる。
【0052】請求項4のインクジェットヘッドによれ
ば、インクが充填される加圧液室と、この加圧液室に対
してエネルギーを付与するエネルギー発生素子と、加圧
液室にそれぞれ連通してインク滴を吐出する複数の吐出
口と、加圧液室に対応してインクを供給する複数のイン
ク供給路とを備えた構成としたので、インク滴吐出口内
のメニスカスによる力を大きくし、インクリフィルに要
する時間を短縮することができ、吐出量の増大に伴う駆
動周波数特性の劣化を低減することができると共により
高集積化を図ることができる。
【0053】請求項5のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項4のインクジェットヘッドにおいて、加
圧液室にそれぞれ連通してインク滴を吐出する複数の吐
出口は、加圧液室の長手方向の異なる位置に設けた構成
としたので、複数の異なるインク滴吐出特性(吐出体
積、吐出速度)を得ることができ、駆動周波数特性の向
上を図ることができる。
【0054】請求項6のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項4又は5のインクジェットヘッドにおい
て、加圧液室にそれぞれ連通してインク滴を吐出する複
数の吐出口は、それぞれ形状が異なる構成としたので、
複数の異なるインク滴吐出特性(吐出体積、吐出速度)
を得ることができ、駆動周波数特性の向上を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットヘッドの全体分解
斜視図
【図2】同インクジェットヘッドのチャンネル方向と直
交する方向の要部断面図
【図3】同インクジェットヘッドのチャンネル方向の要
部断面図
【図4】加圧液室及びノズルを1つにした従前のインク
ジェットヘッドの要部説明図
【図5】インク滴吐出体積の周波数特性の説明に供する
線図
【図6】インク滴吐出体積の周波数特性の説明に供する
線図
【図7】図1のインクジェットヘッドの液室構造を説明
する要部説明図
【図8】同ヘッドの他の液室構造を説明する要部説明図
【図9】同ヘッドの更に他の液室構造を説明する要部説
明図
【図10】形状・構造の異なる2つの加圧液室を備えた
ときの各インク滴吐出体積の駆動周波数特性を説明する
線図
【図11】図10の各インク滴吐出体積の駆動周波数特
性を重ね合わせたときの全体的な駆動周波数特性を説明
する線図
【図12】図1のインクジェットヘッドの2つのノズル
の形状を異ならせた例を説明する要部説明図
【図13】同ヘッドの各ノズルから吐出されたインク滴
の着弾位置の説明に供する説明図
【図14】本発明に係る他のインクジェットヘッドの要
部断面図
【符号の説明】
1…アクチュエータユニット、2…液室ユニット、3…
ノズルカバー、11…基板、12…圧電素子、13…フ
レーム部材、17…駆動部、18…非駆動部、31…振
動板、32…液室隔壁部材、33…ノズルプレート、3
4,35…ダイアフラム部、36,37…加圧液室、3
8,39…共通液室、40,41…インク供給路、4
2,43…ノズル(インク滴吐出口)。
フロントページの続き (72)発明者 村井 妙子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 中野 智昭 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 牧田 秀行 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 角田 慎一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクが充填される複数の加圧液室と、
    この複数の加圧液室に対して同時にエネルギーを付与す
    る1つの共通のエネルギー発生素子と、前記複数の加圧
    液室にそれぞれ連通してインク滴を吐出する複数の吐出
    口とを備えたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    において、前記1つの共通のエネルギー発生素子に対応
    する複数の加圧液室は、それぞれ形状及び/又は構造が
    異なることを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のインクジェット
    ヘッドにおいて、前記1つの共通のエネルギー発生素子
    に対応する複数の加圧液室に連通する前記複数の吐出口
    は、それぞれ形状が異なることを特徴とするインクジェ
    ットヘッド。
  4. 【請求項4】 インクが充填される加圧液室と、この加
    圧液室に対してエネルギーを付与するエネルギー発生素
    子と、前記加圧液室にそれぞれ連通してインク滴を吐出
    する複数の吐出口と、前記加圧液室に対応してインクを
    供給する複数のインク供給路とを備えたことを特徴とす
    るインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のインクジェットヘッド
    において、前記加圧液室にそれぞれ連通してインク滴を
    吐出する複数の吐出口は、前記加圧液室の長手方向の異
    なる位置に設けたことを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載のインクジェット
    ヘッドにおいて、前記加圧液室にそれぞれ連通してイン
    ク滴を吐出する複数の吐出口は、それぞれ形状が異なる
    ことを特徴とするインクジェットヘッド。
JP29640096A 1996-11-08 1996-11-08 インクジェットヘッド Pending JPH10138469A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007022040A (ja) * 2005-07-21 2007-02-01 Rengo Co Ltd インクジェットヘッド
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