JPH10119261A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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Publication number
JPH10119261A
JPH10119261A JP27570396A JP27570396A JPH10119261A JP H10119261 A JPH10119261 A JP H10119261A JP 27570396 A JP27570396 A JP 27570396A JP 27570396 A JP27570396 A JP 27570396A JP H10119261 A JPH10119261 A JP H10119261A
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JP
Japan
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liquid chamber
ink
jet head
ink jet
diaphragm
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Pending
Application number
JP27570396A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuyoshi Fujii
光美 藤井
Shuzo Matsumoto
修三 松本
Tomoaki Nakano
智昭 中野
Hideyuki Makita
秀行 牧田
Taeko Murai
妙子 村井
Yoshihisa Ota
善久 太田
Shinichi Tsunoda
慎一 角田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク滴吐出特性の低下を招くことなく圧力
波の回析を十分に防止することができない。 【解決手段】 ネルギー変換素子5で発生するエネルギ
ーでインクが加圧される第1液室11と、第1液室11
にインクを供給するための共通液室12と、第1液室1
1との間に位置する第2液室13と、第1液室11と第
2液室13とを連通する第1インク供給路14及び第2
液室13と共通液室12とを連通する第2インク供給路
15を設け、第2液室13内には圧力波を吸収しやすい
粘弾性材17を配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットヘッ
ドに関し、特に共通液室とインクが加圧される第1液室
との間に第2液室を設けたインクジェットヘッドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、記録時の振
動、騒音が殆どなく、特にカラー化が容易なことから、
コンピュータ等のデジタル処理装置のデータを出力する
プリンタの他、ファクシミリやコピー機等にも用いられ
るようになっている。このようなインクジェット記録装
置に用いられるインクジェットヘッドは、圧電素子など
の電機機械変換素子、発熱抵抗体等のアクチュエータ素
子を記録信号に応じて駆動して、液室内のインクを加圧
してノズルからインク滴を吐出飛翔させ、記録媒体上に
画像記録を行なうものである。なお、本明細書では、ア
クチュエータ素子によるエネルギー(機械的変位、バブ
ル)で加圧されるインクが充填されるインク流路を加圧
液室又は第1液室と称する。
【0003】このようにインクジェットヘッドは、加圧
液室内のインクを加圧することでノズル(吐出口)から
インク滴を吐出させるため、インクを加圧するためにア
クチュエータ素子で発生させた圧力波が加圧液室からイ
ンク供給路を介して複数の加圧液室にインクを供給する
ための共通液室を経て他の加圧液室へのインク供給路に
回り込むという回析現象が発生し、各ノズルからのイン
ク滴吐出特性にバラツキが生じて画像品質が低下するこ
とがある。
【0004】そこで、従来のインクジェットヘッドとし
て、例えば特開平3−82546号公報に記載されてい
るようなものがある。このインクジェットヘッドを図1
1乃至図13を参照して簡単に説明すると、先ず、図1
1に示すように、基板101上に積層型圧電素子102
を接合し、この圧電素子102上に液室形成部材103
を接合して、前面にインク滴を吐出するノズル104を
形成し、液室形成部材103の後方に連絡口板105を
介して共通液室形成部材106を設け、この共通液室形
成部材106内にインク供給パイプ107を介してイン
クを導入する。また、基板101の後方側には圧電素子
102を駆動するための電極パターン108,109を
形成している。
【0005】そして、図12に示すように液室形成部材
103で複数の第1液室(加圧液室)111を画成し、
連絡口板105で加圧液室111と共通液室形成部材1
06で形成した共通液室112とを隔てると共に、連絡
口板105に形成した隔壁部113で共通液室112と
加圧液室111との間に第2液室114を形成し、この
第2液室114と加圧液室111とを連絡口板105に
形成した連絡口115で連通させている。
【0006】この第2液室114を設けることによっ
て、圧電素子102で所定の加圧液室111を加圧した
ときの圧力波が連絡口115から共通液室112に向か
うとき、この共通液室112に向かう圧力波が第2液室
114の隔壁部113で乱反射されるので、共通液室1
12から他の加圧液室111の連絡口115に回り込む
ことが防止されるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来のインクジェットヘッドにあっては、第2
液室114の共通液室112側の開口が大きいために、
連絡口から出てきた圧力波が共通液室を経て他の加圧液
室へ回り込むことを防止するには不十分である。そこ
で、図13に示すように第2液室114の共通液室11
2側開口116を十分に狭くして流体抵抗を持たせるこ
とによって圧力波を減衰させることも提案されている
が、共通液室から第2液室への流体抵抗を大きくするこ
とは加圧液室へのインク充填に時間がかかることにな
り、高周波数駆動に対する応答性が低下することにな
る。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、インク滴吐出特性を低下することなく圧力波の回
析を防止して記録品質を向上することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のインクジェットヘッドは、アクチュエー
タ素子によるエネルギーで加圧されるインクを充填する
第1液室と、第1液室に連通するノズルと、インクを導
入する共通液室とを有するインクジェットヘッドにおい
て、前記第1液室と共通液室との間に第2液室を設け、
この第2液室の壁面の少なくとも一部を粘弾性材又は弾
性材で形成する構成とした。
【0010】請求項2のインクジェットヘッドは、上記
請求項1のインクジェットヘッドにおいて、前記第2液
室と共通液室とを連通するインク流路の形状と前記第2
液室と第1液室とを連通するインク流路の形状とが異な
る構成とした。
【0011】請求項3のインクジェットヘッドは、上記
請求項1又は2のインクジェットヘッドにおいて、電機
機械変換素子と、この電機機械変換素子の変位を受けて
変形して前記第1液室を加圧する振動板とを備え、この
振動板で前記第2液室の壁面を形成し、かつ第2液室に
対応する部分にダイアフラム部を設ける構成とした。
【0012】請求項4のインクジェットヘッドは、上記
請求項3のインクジェットヘッドにおいて、前記振動板
には第1液室に対応する部分にもダイアフラム部を設け
る構成とした。
【0013】請求項5のインクジェットヘッドは、上記
請求項3又は4のインクジェットヘッドにおいて、前記
振動板の第2液室に対応する部分のダイアフラム部には
付加質量部分を設ける構成とした。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明に係るインクジ
ェットヘッドの一例を示す要部断面図である。このイン
クジェットヘッドは、ベースプレート1と、液室隔壁を
形成する液室隔壁部材2と、ノズル4を形成したノズル
プレート3と、液室内のインクに圧力波を発生させるた
めの発熱抵抗体などのエネルギー変換素子(アクチュエ
ータ素子)5とを備えている。
【0015】液室隔壁部材2は、ドライフィルムレジス
トを用いてフォトリソプロセスで形成した第1感光性樹
脂層6及び第2感光性樹脂層7からなり、ベースプレー
ト1と共に、エネルギー変換素子5で発生するエネルギ
ーでインクが加圧される第1液室11と、この第1液室
11にインクを供給するためにインクを導入する共通液
室12と、第1液室11と共通液室14との間に位置す
る第2液室13と、第1液室11と第2液室13とを連
通するインク流路である第1インク供給路14及び第2
液室13と共通液室12とを連通するインク流路である
第2インク供給路15を画成する。また、第2感光性樹
脂層7はノズル4と第1液室11との間に導入口16を
形成している。
【0016】そして、第2液室13内には圧力波を吸収
しやすい粘弾性材17を配置して、この粘弾性材17で
第2液室13の壁面の一部を形成している。また、第2
液室と第1液室11とを連通する第1インク供給路14
の開口面積を、第2液室13と共通液室12とを連通す
る第2インク供給路15の開口面積よりも小さく形成し
ている。さらに、共通液室12にインクを導入するため
のインク供給パイプ18を取付けている。
【0017】なお、このインクジェットヘッドは、ベー
スプレート1上に第1感光性樹脂層6を熱圧着によって
固定し、一方Ni電鋳などによって形成したノズルプレ
ート3に第2感光性樹脂層7を熱圧着によって固定した
後、第1感光性樹脂層6と第2感光性樹脂層7とを熱圧
着して接合することにより製作する。
【0018】このように構成したこのインクジェットヘ
ッドにおいては、エネルギー変換素子5に駆動パルスを
印加させることによって第1液室11に満たされている
インクに圧力波が与えられ、これによってノズル4から
インク滴が吐出される。このとき、第1液室11に発生
した圧力波は第1インク供給路14を介して第2液室1
3に伝搬されるが、第2液室13に伝搬された圧力波
は、第2液室13の壁面の一部を構成している粘弾性材
17によって吸収されて十分に減衰し、第2インク供給
路15を介して共通液室12に伝搬することは殆どなく
なる。
【0019】したがって、複数の第1液室を備えた場合
でも1つの第1液室で発生した圧力波が共通液室を介し
て他の第1液室に伝搬する回析が防止され、各ノズルか
ら吐出するインク滴吐出特性のバラツキが低減して、安
定したインク滴吐出特性を得ることができ、記録品質が
向上する。
【0020】そして、第1液室と第2液室とを連通する
インク流路(第1インク供給路)の開口面積を、共通液
室と第2液室とを連通するインク流路(第2インク供給
路)の開口面積よりも小さくすることで、インク充填性
を損なうことなく圧力波を減衰させることができ、高周
波駆動による高速記録を行なうことができるようにな
る。
【0021】すなわち、第2液室13と共通液室12と
を連通する第2インク供給路(インク流路)15は、圧
力波のエネルギーが共通液室12に伝搬せず、粘弾性材
17の変形エネルギーに転換されるのに必要にして十分
な開口面積を有すればよい。一方、第1液室11と第2
液室13とを連通する第1インク供給路(インク流路)
14は、開口面積を大きくとると、圧力波が第2液室1
3に伝搬する割合が増加し、ノズル4からのインク滴吐
出エネルギーに変換される割合が減る。
【0022】そこで、第1液室と第2液室とを連通する
インク流路の形状と、共通液室と第2液室とを連通する
インク流路の形状を異ならせて、前者を後者に比べて小
さくすることで、圧力波の減衰とインク充填性の調和を
図ることができる。なお、開口面積を異ならせることに
代えて、或いはそれと共に、流路を屈曲させるなどして
も、流体抵抗値を変えることができ、同様の作用効果を
得ることができる。
【0023】次に、本発明に係るインクジェットヘッド
の他の実施例について図2乃至図9を参照して説明す
る。図2は同インクジェットヘッドの要部外観斜視図、
図3は図2のA−A線に沿う断面図、図4は図2のB−
B線に沿う断面図、図5は同ヘッドの分解概略斜視図、
図6は液室部の要部拡大断面図、図7は液室部の要部拡
大平面図、図8は振動板の裏面側からの要部拡大斜視
図、図9は作用説明に供する模式的平面図である。
【0024】このインクジェットヘッドは、アクチュエ
ータユニット21及び液室ユニット22を備えている。
アクチュエータユニット21は、セラミック、ガラスエ
ポキシ樹脂等からなる絶縁性の基板31上に、複数の積
層型圧電素子32を2列列状に接合して配置すると共
に、各列の複数の圧電素子32の周囲を取り囲むように
2つの穴部34,35を形成したフレーム部材33を接
合配置している。このアクチュエータユニット21の各
列の複数の圧電素子32は、チャンネル方向で、駆動波
形を印加する駆動部37と駆動波形を印加しない非駆動
部38とを交互に構成する。
【0025】ここで、圧電素子32は、厚さ10〜50
μm/1層のチタン酸ジルコン酸(PZT)41と、厚
さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる
内部電極42とを交互に積層したものである。圧電素子
を、厚さ10〜50μm/1層の積層型とすることによ
って駆動電圧の低電圧化を図れ、例えば10〜50Vの
パルス電圧で圧電素子の電界強度1000V/mmを得る
ことができる。なお、アクチュエータ素子として用いる
圧電素子を含む電気機械変換素子は上記に限られるもの
でない。
【0026】そして、この圧電素子32の内部電極42
を交互に端面に取り出して端面電極とし、一方、基板3
1上に共通電極パターン43及び個別(選択)電極パタ
ーン44を形成して、これらの共通電極パターン43及
び個別電極パターン44を駆動部37となる圧電素子3
2の端面電極に導電性接着剤等を介して電気的に接続
し、共通電極パターン43及び個別電極パターン44に
接続したFPCケーブル45,45を介して図示しない
ヘッド駆動用IC等を有するPCB基板と接続し、駆動
部37に駆動波形を印加することによって積層方向の伸
びの変位を生ぜしめる。
【0027】また、液室ユニット2は、金属或いは樹脂
の薄膜からなる振動板48と、フォトレジストフィルム
からなる感光性樹脂層で形成した液室隔壁部材49と、
ノズル51を形成した金属、樹脂等からなるノズルプレ
ート52とを順次を積層し、熱融着して形成している。
【0028】これらの各部材によって、図6及び図7に
拡大して示すように、ノズル51が連通し、駆動部37
で振動板48を介して加圧される第1液室である加圧液
室53と、この加圧液室53の両側に位置して加圧液室
53にインクを供給するためにインクを導入する共通液
室54,54と、加圧液室53と共通液室54との間に
位置する第2液室55と、加圧液室53と第2液室55
とを連通する第1インク供給路56と、第2液室55と
共通液室54とを連通する第2インク供給路57と、ノ
ズル51と加圧液室53との間に位置するノズル導入口
58とを形成している。
【0029】振動板48は、同一平面上に位置出し又は
研削加工した圧電素子37及びフレーム部材33上に接
着剤59で接合している。この振動板48には、図6及
び図8に拡大して示すように、駆動部37に対応する変
位部となる第1ダイアフラム部61と、第2液室55に
対応する粘弾性材又は弾性材である第2ダイアフラム部
62と、非駆動部38に接合する梁63及びフレーム部
材33に接合するベース64とを形成している。また、
加圧液室53に対応する第1ダイアフラム部61は圧電
素子32の内の駆動部37に接合する付加質量部分であ
る島状凸部65と、この凸部65の周囲に形成した厚み
3〜10μm程度の最薄膜部分(ダイアフラム領域)6
6とからなる。
【0030】液室隔壁部材49は、主として第2液室5
5及びインク供給路56,57を形成するための第1感
光性樹脂層71と、主として加圧液室53及び共通液室
54を形成するための第2感光性樹脂層72と、主とし
て共通液室54及びノズル導入口58を形成するための
第3感光性樹脂層73とを熱圧着で接合してなる。
【0031】また、ノズルプレート52にはインク滴を
飛翔させるための微細孔である多数のノズル51を形成
しており、このノズル51の径はインク滴出口側の直径
で約25〜35μmである。このノズルプレート52は
例えば電鋳工法によって製造したNi(ニッケル)の金
属プレートを用いているが、Si、その他の金属材料を
用いることもできる。このノズルプレート52のインク
吐出側面に撥水性の表面処理膜、例えばPTFE−Ni
共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ
素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたも
の、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き
付け等、インク物性に応じて選定した撥水処理膜を設け
て、インクの滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画
像品質を得られるようにしている。
【0032】さらに、共通液室54に外部からインクを
供給するために基板31、フレーム部材33及び振動板
48には、インク供給穴74,75,76をそれぞれ形
成し、基板31のインク供給穴74に接続したインク供
給パイプ77を介してインクが供給されるようにしてい
る。
【0033】このインクジェットヘッドの製造工程につ
いて簡単に説明すると、予めアクチュエータユニット2
1と液室ユニット22とを別々に加工組付けた後、接着
剤59によって両ユニット21,22を接着接合して製
造する。
【0034】ここで、液室ユニット2の組付工程は、次
のとおりである。 振動板48のフラットな面に第1感光性樹脂層71
となるドライフィルムレジスト(DFR)を熱と圧力に
よってラミネートする。 そのDFRを液室パターンに応じたマスクを使用し
て紫外線露光をし、未露光部分を除去できる溶剤を用い
て、未露光部分を除去して現像し、第1感光性樹脂層7
1による液室パターンを形成する。 水洗い、乾燥の後、再度紫外線露光と加熱により本
硬化する。
【0035】 ノズルプレート52に第3感光性樹脂
層73となるドライフィルムレジスト(DFR)をラミ
ネートする。そのDFRを液室パターンに応じたマスク
を使用して紫外線露光をし、現像して、第3感光性樹脂
層73による液室パターンを形成する。 更に、この第3感光性樹脂層73上に同様にし第2
感光性樹脂層72となるドライフィルムレジスト(DF
R)をラミネートして、露光、現像を行って第2感光性
樹脂層72による液室パターンを形成する。なお、DF
Rの層数は任意に選定することができ、複雑な構造の液
室を形成することができる。 水洗い、乾燥の後、再度紫外線露光と加熱により本
硬化する。
【0036】 振動板48の第1感光性樹脂層71と
ノズルプレート52の第2感光性樹脂層72とを合わせ
て接合する。この接合は位置決め治具を用いて圧力と熱
を加えて行う。なお、実際には〜の工程を複数個分
のヘッド面積のプレートにて組付を行う。
【0037】このようにして完成したアクチュエータユ
ニット21のフレーム部材33及び非駆動部38となる
圧電素子32と、液室ユニット2の振動板48とを接合
して、両ユニット21,22を接合して組み付ける。
【0038】このように構成したインクジェットヘッド
の作用について図9をも参照して説明すると、記録信号
に応じて駆動部37に駆動波形(10〜50Vのパルス
電圧)を印加することによって、駆動部37に積層方向
の変位が生起し、振動板48の第1ダイアフラム部61
を介して加圧液室53内に圧力波が発生し、加圧液室5
3内の圧力が上昇してノズル51からインク滴が吐出さ
れる。
【0039】このとき、加圧液室53内に発生した圧力
波Wは、図8に示すように加圧液室53から矢印で示す
ように両側の第1インク供給路56,56から第2液室
55に伝搬する。この第2液室55,55に伝搬してき
た圧力波Wは、振動板48の第2ダイアフラム部62,
62を変形させる。これによって、圧力波Wは十分に減
衰されて第2インク供給路57を介して共通液室54へ
伝搬する圧力波は殆どなくなり、圧力波の回析によるイ
ンク滴吐出特性のバラツキを低減することができる。
【0040】そして、インク滴吐出の終了に伴い、加圧
液室内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆
動パルスの放電過程によって加圧液室53内に負圧が発
生してインク充填行程へ移行する。このとき、インクタ
ンクから供給されたインクは共通液室54に流入し、共
通液室54から第2インク供給路57、第2液室55及
び第1インク供給路56を経て加圧液室53内に充填さ
れるが、第2インク供給路57を第1インク供給路56
よりも開口面積を大きくしているので、インク充填性を
阻害することを低減することができる。
【0041】そして、ノズル51の出口のインクメニス
カス面の振動が減衰し、表面張力によってノズル51の
出口付近に戻され(リフィル)て安定状態に至れば次の
インク滴吐出動作に移行する。
【0042】次に、図10を参照して、このインクジェ
ットヘッドの振動板の他の例について説明する。この例
の振動板48は、第2液室55に対応する第2ダイアフ
ラム部62に第1ダイアフラム部61と同様に付加質量
部分である島状凸部78を設けている。このように、付
加質量部分である島状凸部78を設けることによって、
第2ダイアフラム部62の変形エネルギーが大きくな
り、圧力波をより十分に減衰することができて、共通液
室54の圧力波の伝搬を一層低減することができ、圧力
波の回析によるインク滴吐出特性のバラツキを一層少な
くすることができる。また、振動板は電鋳工法で製作し
ているが、ダイアフラム部を設けることによってピンホ
ールができにくくなる。
【0043】なお、上記実施例においては、液室隔壁部
材として感光性樹脂を用いた例で説明したが、これに限
られるものではなく、金属、その他の樹脂等を用いるこ
ともできる。また、積層構造を構成しているインク液室
隔壁部材の層数も2層或いは3層に限られるものではな
い。さらに、インクジェットヘッドの構造も上記実施例
に示したものに限定されず、図11に示したようなエッ
ジシュータ方式のインクジェットヘッドにも同様に適用
することができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のインク
ジェットヘッドによれば、アクチュエータ素子によるエ
ネルギーで加圧されるインクを充填する第1液室とイン
クを導入する共通液室との間に第2液室を設け、この第
2液室の壁面の少なくとも一部を粘弾性材又は弾性材で
形成する構成としたので、インク滴吐出特性の低下を招
くことなく、インク滴吐出特性のバラツキを低減するこ
とができて、記録品質を向上することができる。
【0045】請求項2のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1のインクジェットヘッドにおいて、第
2液室と共通液室とを連通するインク流路の形状と第2
液室と第1液室とを連通するインク流路の形状とが異な
る構成としたので、第2液室と共通液室とを連通するイ
ンク流路の流体抵抗を第2液室と第1液室とを連通する
インク流路の流体抵抗よりも小さくすることができ、流
体抵抗を大きくすることによる駆動周波数の低下を招く
ことなく圧力波を十分に減衰して、記録品質を向上する
ことができる。
【0046】請求項3のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1又は2のインクジェットヘッドにおい
て、電機機械変換素子と、この電機機械変換素子の変位
を受けて変形して第1液室を加圧する振動板とを備え、
この振動板で第2液室の壁面を形成し、かつ第2液室に
対応する部分にダイアフラム部を設ける構成としたの
で、流体抵抗を大きくすることによる駆動周波数の低
下、インク滴吐出特性の低下を招くことなく、インク滴
吐出特性のバラツキを低減することができて、記録品質
を向上することができる。
【0047】請求項4のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項3のインクジェットヘッドにおいて、振
動板には第1液室に対応する部分にもダイアフラム部を
設ける構成としたので、第1液室を加圧するための振動
板で第2液室の壁面の少なくとも一部を形成する粘弾性
材又は弾性材を構成できるので、コストを低減すること
ができる。
【0048】請求項5のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項3又は4のインクジェットヘッドにおい
て、振動板の第2液室に対応する部分のダイアフラム部
には付加質量部分を設ける構成としたので、付加質量分
だけダイアフラム部の必要変形エネルギーが大きくなっ
て、圧力波を一層減衰させることができ、より記録品質
を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットヘッドの一実施例
を示す要部断面図
【図2】本発明に係るインクジェットヘッドの他の実施
例を示す斜視図
【図3】図2のA−A線に沿う要部拡大断面図
【図4】図2のB−B線に沿う要部拡大断面図
【図5】同ヘッドの分解斜視図
【図6】同ヘッドの液室部の拡大断面図
【図7】同液室部の要部拡大平面図
【図8】同ヘッドの振動板裏面側から見た要部拡大斜視
【図9】同ヘッドの作用説明に供する模式的説明図
【図10】同ヘッドの他の振動板を示す図8と同様の要
部拡大斜視図
【図11】従来のインクジェットヘッドの斜視図
【図12】同ヘッドの液室部の拡大説明図
【図13】同ヘッドの他の液室部の拡大説明図
【符号の説明】
1…ベースプレート、2…液室隔壁部材、3…ノズルプ
レート、4…ノズル、5…エネルギー発生素子、11…
第1液室、12…共通液室、13…第2液室、14…第
1インク供給路、15…第2インク供給路、21…アク
チュエータユニット、22…液室ユニット、31…基
板、32…圧電素子、33…フレーム部材、48…振動
板、49…液室隔壁部材、51…ノズル、52…ノズル
プレート、53…加圧液室、54…共通液室、55…第
2液室、56…第1インク供給路、57…第2インク供
給路、61…ダイアフラム部、62…ダイアフラム部、
78…島状凸部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧田 秀行 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 村井 妙子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 太田 善久 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 角田 慎一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクチュエータ素子によるエネルギーで
    加圧されるインクを充填する第1液室と、第1液室に連
    通するノズルと、インクを導入する共通液室とを有する
    インクジェットヘッドにおいて、前記第1液室と共通液
    室との間に第2液室を設け、この第2液室の壁面の少な
    くとも一部を粘弾性材又は弾性材で形成したことを特徴
    とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    において、前記第2液室と共通液室とを連通するインク
    流路の形状と前記第2液室と第1液室とを連通するイン
    ク流路の形状とが異なることを特徴とするインクジェッ
    トヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のインクジェット
    ヘッドにおいて、電機機械変換素子と、この電機機械変
    換素子の変位を受けて変形して前記第1液室を加圧する
    振動板とを備え、この振動板で前記第2液室の壁面を形
    成し、かつ第2液室に対応する部分にダイアフラム部を
    設けたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のインクジェットヘッド
    において、前記振動板には第1液室に対応する部分にも
    ダイアフラム部を設けたことを特徴とするインクジェッ
    トヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載のインクジェット
    ヘッドにおいて、前記振動板の第2液室に対応する部分
    のダイアフラム部には付加質量部分を設けたことを特徴
    とするインクジェットヘッド。
JP27570396A 1996-10-18 1996-10-18 インクジェットヘッド Pending JPH10119261A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010162862A (ja) * 2008-12-18 2010-07-29 Ricoh Co Ltd 液体吐出ヘッド及び画像形成装置
US9539809B2 (en) 2013-06-28 2017-01-10 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Fluid ejection apparatuses including compressible material
JP2020175595A (ja) * 2019-04-18 2020-10-29 株式会社リコー 液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置

Cited By (4)

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