JP2000318163A - インクジェットヘッド及びその製造方法並びにノズル形成部材及びその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド及びその製造方法並びにノズル形成部材及びその製造方法

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JP2000318163A
JP2000318163A JP13215599A JP13215599A JP2000318163A JP 2000318163 A JP2000318163 A JP 2000318163A JP 13215599 A JP13215599 A JP 13215599A JP 13215599 A JP13215599 A JP 13215599A JP 2000318163 A JP2000318163 A JP 2000318163A
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Shigeru Kanehara
滋 金原
Takeshi Nanjo
健 南條
Tadashi Kato
忠 加藤
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液滴吐出特性にばらつきが生じる。 【解決手段】 ノズルプレート5は導電体基材20の流
路部側の面及びノズル孔20a内壁面に酸化膜21を有
し、導電体基材20の露出した面に撥水膜22を成膜し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットヘッ
ド及びその製造方法並びにノズル形成部材及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プリンタ、ファクシミリ、複写
装置等の画像形成装置として用いるインクジェット記録
装置においては、インク滴を吐出する複数のノズルと、
各ノズルが連通する液流路(加圧室、吐出室、加圧液
室、圧力室、インク室、液室などとも称される。)を形
成する液流路形成部材と、各液流路内のインクを加圧し
てノズルからインク滴を吐出させるためのエネルギーを
発生する圧電素子等の電気機械変換素子、或いはヒータ
等の電気熱変換素子、若しくは電極などの静電気力発生
手段などからなるエネルギー発生手段(アクチュエータ
素子)とを備えたインクジェットヘッドを搭載し、この
ヘッドのアクチュエータ素子を画像情報に応じて駆動す
ることで所要のノズルからインク滴を吐出させて画像を
記録する。
【0003】このようなインクジェット記録装置のイン
クジェットヘッドはエネルギー発生手段を駆動すること
によってノズルから液滴化したインクを吐出飛翔させて
記録を行なうため、ノズル孔の形状、精度がインク滴の
噴射特性に影響を与えると共に、ノズル孔を形成してい
るノズル孔形成部材(基材)の表面特性がインク滴の噴
射特性に影響を与える。例えば、ノズル孔形成部材表面
(インク吐出面)のノズル孔周辺部にインクが付着して
不均一なインク溜りが生じると、インク滴の噴射方向が
曲げられたり、インク滴の大きさにばらつきが生じた
り、インク滴の飛翔速度が不安定になる等の不都合があ
る。
【0004】そこで、従来からノズル孔形成部材の表面
に撥水性(撥インク性)を有する表面処理層(膜)を設
けることで不均一なインク溜りが発生することを防ぐ方
法が知られている。例えば、シリコン系撥水剤、フッ素
系撥水剤などの撥水剤を塗布する方法(特開平55−6
5564号公報、特開平9−76512号公報参照)、
フロロアルコキシシランなどで表面処理する方法(特開
昭56−89569号公報参照)、フッ素系化合物やシ
ラン系化合物のプラズマ重合物を形成する方法(特開昭
64−87359号公報参照)、フッ素系高分子共析メ
ッキで撥水膜を形成する方法(特開平7−125220
号公報、特開平7−52382号公報、特開平8−24
4235号公報参照)などがある。
【0005】このうち、特開平8−244233号公報
記載のインクジェツト記録ヘッドの表面処理方法は、吐
出口内に溶解可能の固体を詰め、少なくとも吐出口の周
縁部に導電性層を設け、前記固体層を溶解し、その後に
フッ素系高分子を分散した複合共析メッキからなる電界
メッキ層を設けるものである。
【0006】また、特開平7−125220号公報記載
のノズルプレートの製造方法は、ノズルプレートの裏面
に感光性樹脂フィルムを圧接させて、温度により粘度を
制御しながらこの一部をノズル内に入り込ませ、ついで
これを紫外線の照射により硬化させた上、ノズルプレー
トの表面に共祈メッキを施し、その一部がノズル内へ入
り込むその量を硬化させた感光性樹脂フィルムにより規
制するものである。
【0007】さらに、特開平7−52382号公報記載
のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、硫酸ニッケ
ルとスルファミン酸の中にテフロン微粒子が混合されカ
チオン系界面活性剤を添加してホモジナイザで十分に分
散されたメッキ液にプラス側にはニッケル電極、マイナ
ス側はポリサルフォンからなる記録ヘッドのノズル端面
に金の導電性膜が形成されているものを配置し、複合メ
ッキ法によって導電性膜の表面に、テフロン微粒子とニ
ッケルとの複合メッキ膜を形成し、これを撥水層とする
ものである。
【0008】このように従来のノズル形成部材の表面処
理方法のうち、フッ素樹脂を含む複合共析メッキで撥水
層を形成するものにあっては、ノズル孔に溶解可能な固
体層を詰める、或いは感光性の樹脂を詰めるなどの方法
でノズル孔内部に何らかの材料を詰めた後にめっきを行
なう方法を用いている。更に詳しくは、撥水層端の制御
を行う方法として、溶解可能な固体層あるいは感光性の
樹脂を該溶解可能な固体層あるいは感光性の樹脂を圧接
する圧力で規定する、又は感光性の樹脂への露光量、現
像量で規定する、若しくは詰めた後にノズルプレートの
吐出面側をエッチングすることによって撥水層端の位置
を規定するといった方法がとられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような方法で多数のノズル孔に一様に(「一様に」と
は、ノズル表面と撥水層端部との間の位置精度が良いこ
とを意味する)に溶解可能な固体層や感光性樹脂を詰め
ることは困難である。溶解可能な固体層或いは感光性樹
脂のノズル孔への詰まり方が不均一になると、インク液
のメニスカス位置も不均一となり、インク滴の吐出方向
が曲げられたり、インク滴の大きさにばらつきが生じた
り、インク滴の吐出速度が不安定になる。また、金属膜
を高分子樹脂上に形成する場合は、ワイピング時の摩擦
での耐久性(高分子樹脂と金属との密着性)が十分でな
い。
【0010】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、表面処理層の端部位置精度のばらつきが少なく、
液滴吐出特性のばらつきが少ないインクジェットヘッド
及びその製造方法並びにノズル形成部材及びその製造方
法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係るインクジェットヘッドは、ノズル形成
部材が導電体基材の液流路側の面及びノズル孔内壁面に
絶縁層を有し、導電体基材表面に表面処理層が形成され
ている構成としたものである。
【0012】本発明に係るノズル形成部材の製造方法
は、ノズル孔を開口した導電体基材の液流路側の面及び
ノズル孔内壁面に絶縁層を形成し、その後電界めっき法
によって前記導電体基材の露出面に撥水性の表面処理層
を形成する構成としたものである。この場合、絶縁層
は、熱酸化、CVD、スパッタ、陽極酸化法のいずれか
で形成することが好ましい。
【0013】また、本発明に係るノズル形成部材の製造
方法は、ノズル孔を開口した導電体基材の液流路側の面
を覆い、ノズル孔内を埋め込むように、絶縁層を形成
し、次いで、電界めっき法によって前記導電体基材の露
出面に撥水性の表面処理層を形成する構成としたもので
ある。
【0014】さらに、本発明に係るノズル形成部材の製
造方法は、導電性基体上にノズル孔を有する導電体基材
を成膜した後、この導電体基材の液流路側の面及びノズ
ル孔内壁面に絶縁層を形成し、次いで、導電体基材を基
体から剥離した後、電界めっき法によって導電体基材の
露出面に撥水性の表面処理層を形成する構成としたもの
である。
【0015】さらにまた、本発明に係るノズル形成部材
の製造方法は、導電性基体上にノズル孔を有する導電体
基材を成膜した後、この導電体基材の液流路側の面を覆
い、ノズル孔内壁部を埋め込むように、絶縁層を形成
し、次いで、導電体基材を基体から剥離した後、電界め
っき法によって前記導電体基材の露出面に撥水性の表面
処理層を形成する構成としたものである。
【0016】本発明に係るインクジェットヘッドの製造
方法は、上記本発明に係る各ノズル形成部材の製造方法
のいずれかの製造方法で製造したノズル形成部材を絶縁
層を除去した後液流路部材と接合する構成としたもので
ある。
【0017】また、インクジェットヘッドの製造方法
は、上記ノズル孔内壁面に絶縁層を形成する各ノズル形
成部材の製造方法で製造したノズル形成部材を絶縁層を
残したまま液流路部材と接合する構成としたものであ
る。
【0018】本発明に係るノズル形成部材は、導電体基
材の液流路側の面及びノズル孔内壁面に絶縁層を有し、
導電体基材表面に表面処理層が形成されている構成とし
たものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明を適用したイン
クジェットの模式的断面説明図、図2は同ヘッドの図1
と直交する方向の模式的断面説明図である。
【0020】このインクジェットヘッドは、振動板基板
1と、この振動板基板1の下側にギャップ部材2を介し
て設けた電極基板3と、振動板基板1の上側に設けた液
流路部材である液室基板4と、この液室基板4上に設け
たノズル形成部材であるノズルプレート5とを備え、複
数のノズル6と、各ノズル6が連通する吐出室7と、各
吐出室7にインクを供給するための共通インク室8と、
各吐出室7と共通インク室8とを連通する流体抵抗部9
などを形成している。なお、振動板基板1のみで液室基
板4を用いないときには振動板基板1が導電体基材を接
合する液流路部材になる。
【0021】振動板基板1には、吐出室7及びこの吐出
室7の底部をなす振動板11を形成する凹部12と、共
通インク室8を形成する凹部13、流体抵抗部9を形成
する溝部14などを形成している。この振動板基板1
は、SUS基板などの金属基板、シリコン基板等をエッ
チングすることで所望の微細な液室を構成するパターン
を形成したものである。
【0022】電極基板3にはギャップ部材2で形成され
る所定のギャップを置いて振動板11に対向する個別電
極15を埋設し、この個別電極15と振動板11とによ
って、振動板11を変位させて吐出室7の内容積を変化
させるアクチュエータ部を構成している。なお、個別電
極15表面には振動板11とのショートなどを防止する
ための酸化膜などからなる保護膜16を設けている。
【0023】液室基板4には吐出室7及び共通インク室
8を形成する貫通部17、18などを形成している。そ
して、この液室基板4上にノズル6を形成するノズルプ
レート5を設けている。このノズルプレート5は、ノズ
ル6となるノズル孔20aを形成する導電体基材(ノズ
ル孔形成部材)20の液室側面(流路部側の面)及びノ
ズル孔20a内壁面に酸化膜からなる絶縁層21を形成
し、導電体基材20のの表面(吐出面)に表面処理層と
しての撥水膜22を形成したものである。
【0024】これらの振動板基板1、ギャップ部材2、
電極基板3、液室基板4及びノズルプレート5は、直接
接合、共晶接合、陽極接合、接着剤による接合等によっ
て接合している。
【0025】このインクジェットヘッドにおいては、駆
動波形を個別電極15に印加して振動板11と電極15
との間に充電することで電荷によるクーロン力を発生さ
せ、振動板11を電極15側に撓ませて、吐出室7の容
積を拡大する。この状態から、電極15と振動板11と
の間の電荷を急激に放電させることにより、振動板11
はその弾性復元力によって復帰し、吐出室7内の容積が
急激に収縮し、このとき発生するインク圧力によってノ
ズル6からインク滴が吐出される。
【0026】そして、再度電極15に駆動波形を印加し
て振動板11を電極15側に変位させてその状態に保持
し、インク滴吐出により吐出室7内に負圧が生じて共通
インク室8からインク供給路(流体抵抗部)9を通じて
吐出室7内にインクが供給され、ノズル6のインクメニ
スカスがある程度安定した状態で、次のインク滴吐出行
程へと移行する。
【0027】このように、インクジェットヘッドのノズ
ル形成部材は導電体基材の液流路側の面及びノズル孔内
壁面に絶縁層を有し、導電体基材表面に表面処理層が形
成されている構成とすることで、絶縁層のない領域に表
面処理層を選択的に精度良く形成することができるよう
になり、表面処理層の端部を一定の範囲に抑えることが
できて、ばらつきの少ない安定したインク滴吐出特性が
得られる。
【0028】そこで、本発明に係るノズル形成部材であ
るノズルプレート5の製造方法の第1実施形態について
図3を参照して説明する。先ず、同図(a)に示すよう
に、例えばSUS304基板(厚さ1mm)などの導電
性の基体31を用意し、この導電性基体31のノズルプ
レート形成面を不織布研磨した後、レジストをスピンコ
ート法で厚さ1μmで塗布する。レジストとしては東京
応化製OFPR−800(商品名)を用いた。その後、
このレジストをフォトリソグラフィー法により露光、現
像することで、例えばパターン径120μmのレジスト
パターン32を形成した。
【0029】次いで、同図(b)に示すように、レジス
トパターン32を形成した導電性基体31をスルファミ
ン酸Ni電鋳浴に入れ、液温50℃、電流密度3A/d
2にてメッキ処理を行い、Ni厚み46μm、吐出部径
(ノズル孔径)30μmのノズル孔20aを有するNi
プレート(導電体基材)20を形成する。
【0030】そして、同図(c)に示すように、このN
iプレート20の液室側面(流路部側の面)及びノズル
孔20a内壁面に厚さ1μmの絶縁層である酸化膜21
を成膜する。絶縁層としての酸化膜21は、陽極酸化法
に限らず、導電体基材の材質にもよるが、熱酸化法、C
VD法、スパッタ法などを用いて形成することができ
る。ここに挙げた方法を用いることで、絶縁層の層厚
(膜厚)を均一に形成することができ、上述したインク
ジェットヘッドのように絶縁層を除去しない場合にも、
良好なノズル孔を形成することができる。
【0031】その後、同図(d)に示すように、Niプ
レート20を導電性基体31から剥離し、Niプレート
20に付着しているノズル形成用レジストパターン32
をレジスト剥離液を用いて除去する。
【0032】次に、同図(e)に示すように、Niプレ
ート20をマイナス側電極に接続して、フッ素樹脂微粒
子を分散させた電界メッキ(例えば上村工業製メタフロ
ン:商品名)を用いて、撥水性(撥インク性)皮膜35
を形成する。この撥水性皮膜35の膜厚はワイピングの
耐久性を考慮すると2μm以上が好ましい。その後、3
50℃−1時間の熱処理を行って、撥水性を発生させて
撥水層22とした。
【0033】これにより、導電体基材であるNiプレー
ト20のノズル孔20aの周辺に撥水層22を膜厚およ
び端部の位置を精度良く形成したノズルプレート5が得
られた。
【0034】このノズルプレート5を液流路部材である
液室基板4に接合することで上述したインクジェットヘ
ッドが得られる。なお、絶縁層(酸化膜21)を除去し
ないので、導電体基材20のノズル孔20a内壁面の絶
縁層の厚さを考慮してノズル孔形成用のレジストパター
ン32の径を大きく形成する。
【0035】このように導電体基材に形成した絶縁層が
ノズル孔内部にコンフォーマルに形成されている場合に
は絶縁層を除去する必要がなく、例えば絶縁層として酸
化膜を用いることで長期信頼性に優れたノズル形成部材
を得ることができる。
【0036】また、ノズルプレート5の導電体基材20
裏面(液室面)側に形成した絶縁層(この例では酸化膜
21)を除去することもでき、この場合には同図(f)
に示すようなノズルプレート5が得られるので、この同
図(f)に示すノズルプレート5を液流路部材(液室基
板4)と接合することでインクジェットヘッドを得るこ
とができる。
【0037】このように、ノズル孔を開口した導電体基
材の液流路側の面及びノズル孔内壁面に絶縁層を形成
し、その後電界めっき法によって導電体基材の露出面に
撥水性の表面処理層を形成することで、撥水性の表面処
理層を絶縁層のない部分に選択的に精度良く形成するこ
とができるので、表面処理層の端部の位置を一定の範囲
に抑えることができ、液滴吐出方向、液滴吐出体積、液
滴吐出速度などの液滴吐出特性が向上したインクジェッ
トヘッドを得ることが可能になる。
【0038】この場合、導電体基材を導電性基体に成膜
した状態で液流路側の面及びノズル孔内壁面に絶縁層を
形成することで、導電体基材の吐出面が導電性基体に密
着している状態で絶縁層を形成できるので、より精度良
く撥水性を有する表面処理層を形成できる。
【0039】次に、本発明に係るノズル形成部材である
ノズルプレート5の製造方法の第2実施形態について図
4を参照して説明する。先ず、同図(a)に示すよう
に、上記第1実施形態と同様にして、例えばSUS30
4基板(厚さ1mm)などの導電性の基体31を用意
し、この導電性基体31のノズルプレート形成面を不織
布研磨した後、レジストをスピンコート法で塗布で厚さ
1μmで塗布する。レジストとしては東京応化製OFP
R−800(商品名)を用いた。その後、このレジスト
をフォトリソグラフィー法により露光、現像すること
で、例えばパターン径120μmのレジストパターン3
2を形成した。
【0040】次いで、同図(b)に示すように、レジス
トパターン32を形成した導電性基体31をスルファミ
ン酸Ni電鋳浴に入れ、液温50℃、電流密度3A/d
2にてメッキ処理を行い、Ni厚み46μm、吐出部径
(ノズル孔径)30μmのノズル孔20aを有するNi
プレート(導電体基材)20を形成する。
【0041】そして、同図(c)に示すように、レジス
ト剥離液に対して耐溶性を有する例えばポリイミドを、
スプレーコート法により、Niプレート20の液室側面
(流路部側の面)を覆い、かつノズル孔20aを埋め込
むようにして塗布することで、絶縁層である有機膜36
を形成する。ここでは、スプレーコート法により絶縁層
を形成しているが、これに限るものではなく、スピンコ
ート法、ロールコート法、ラミネート法などを用いて絶
縁層を形成することもできる。
【0042】その後、同図(d)に示すように、Niプ
レート20を導電性基体31から剥離し、Niプレート
20に付着しているノズル形成用レジストパターン32
をレジスト剥離液を用いて除去する。
【0043】次に、同図(e)に示すように、Niプレ
ート20をマイナス側電極に接続して、フッ素樹脂微粒
子を分散させた電界メッキ(例えば上村工業製メタフロ
ン:商品名)を用いて、撥水性(撥インク性)皮膜37
を形成する。この撥水性皮膜37の膜厚はワイピングの
耐久性を考慮すると2μm以上が好ましい。その後、3
50℃−1時間の熱処理を行って、撥水性を発生させて
撥水層22とした。
【0044】その後、ノズルプレート5の導電体基材2
0裏面(液室面)及びノズル孔20a内に形成した絶縁
層(この例では有機膜36)を除去する。
【0045】これにより、導電体基材であるNiプレー
ト20のノズル孔20aの周辺に撥水層22を膜厚およ
び端部の位置を精度良く形成したノズルプレート5が得
られた。このノズルプレート5を液流路部材(液室基板
4)と接合することでインクジェットヘッドを得ること
ができる。
【0046】このように、ノズル孔を開口した導電体基
材の液流路側の面を覆い、ノズル孔内を埋め込むよう
に、絶縁層を形成し、次いで、電界めっき法によって導
電体基材の露出面に撥水性の表面処理層を形成すること
で、撥水性の表面処理層を絶縁層のない部分に選択的に
精度良く形成することができるので、表面処理層の端部
の位置を一定の範囲に抑えることができ、液滴吐出方
向、液滴吐出体積、液滴吐出速度などの液滴吐出特性が
向上したインクジェットヘッドを得ることが可能にな
る。
【0047】この場合、導電体基材を導電性基体に成膜
した状態で液流路側の面を覆い、ノズル孔内を埋め込む
ように、絶縁層を形成することで、導電体基材の吐出面
が導電性基体に密着している状態で絶縁層を形成できる
ので、より精度良く撥水性を有する表面処理層を形成で
きる。
【0048】なお、上述したように、導電体基材に形成
したノズル孔開口及びその近傍が撥水層表面より低くな
るようにすることで、紙ジャムやワイピングによるノズ
ル孔周辺部の撥水層の剥離を低減することができ、長期
信頼性を確保することができる。
【0049】また、上記実施形態では本発明に係るノズ
ル形成部材がインクジェットヘッドのノズルプレートで
ある例で説明したが、これに限るものでない。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るイン
クジェットヘッドによれば、ノズル形成部材は導電体基
材の液流路側の面及びノズル孔内壁面に絶縁層を有し、
導電体基材表面に表面処理層が形成されている構成とし
たので、表面処理層の位置精度のばらつきが少なく、液
滴吐出特性のばらつきが少なくなって、インク滴吐出特
性の向上を図れ、また絶縁層によって長期信頼性を向上
できる。
【0051】本発明に係るノズル形成部材の製造方法に
よれば、ノズル孔を開口した導電体基材の液流路側の面
及びノズル孔内壁面に絶縁層を形成し、その後電界めっ
き法によって導電体基材の露出面に撥水性の表面処理層
を形成するので、表面処理層の位置精度のばらつきが少
なく、液滴吐出特性のばらつきが少なくなる。この場
合、絶縁層を、熱酸化、CVD、スパッタ、陽極酸化法
のいずれかで形成することで、均一な絶縁層を得ること
ができる。
【0052】また、本発明に係るノズル形成部材の製造
方法によれば、ノズル孔を開口した導電体基材の液流路
側の面を覆い、ノズル孔内を埋め込むように、絶縁層を
形成し、次いで、電界めっき法によって前記導電体基材
の露出面に撥水性の表面処理層を形成するので、表面処
理層の位置精度のばらつきが少なく、液滴吐出特性のば
らつきが少なくなる。この場合、絶縁層を、スピンコー
ト法、ロールコート法、スプレーコート法、ディップ法
などで形成することで、簡単に液流路側の面を覆い、ノ
ズル孔内を埋め込むように、絶縁層を形成することがで
きる。
【0053】さらに、本発明に係るノズル形成部材の製
造方法によれば、導電性基体にノズル孔を有する導電体
基材を成膜して、この状態で液流路側の面及びノズル孔
内壁面に絶縁層を形成するので、より精度良く撥水性の
表面処理層を形成することができ、一層表面処理層の位
置精度のばらつきが少なく、液滴吐出特性のばらつきが
少なくなる。この場合、絶縁層を、熱酸化、CVD、ス
パッタ、陽極酸化法のいずれかで形成することで、均一
な絶縁層を得ることができる。
【0054】さらにまた、本発明に係るノズル形成部材
の製造法方法によれば、導電性基体にノズル孔を有する
導電体基材を成膜して、この状態で液流路側の面を覆
い、ノズル孔内壁部を埋め込むように、絶縁層を形成す
るので、より精度良く撥水性の表面処理層を形成するこ
とができ、一層表面処理層の位置精度のばらつきが少な
く、液滴吐出特性のばらつきが少なくなる。この場合、
絶縁層を、スピンコート法、ロールコート法、スプレー
コート法のいずれかで形成することで、液流路側の面を
覆い、ノズル孔内を埋め込むように、絶縁層を容易に形
成することができる。
【0055】本発明に係るインクジェットヘッドの製造
方法によれば、上記本発明に係る各ノズル形成部材の製
造方法のいずれかの製造方法で製造したノズル形成部材
を絶縁層を除去した後液流路部材と接合する構成とした
ので、インク滴噴射特性に優れたインクジェットヘッド
を得ることができる。
【0056】また、インクジェットヘッドの製造方法に
よれば、上記ノズル孔内壁面に絶縁層を形成する各ノズ
ル形成部材の製造方法で製造したノズル形成部材を絶縁
層を残したまま液流路部材と接合する構成としたので、
インク滴噴射特性に優れ、長期信頼性の高いインクジェ
ットヘッドを得ることができる。
【0057】本発明に係るノズル形成部材によれば、導
電体基材の液流路側の面及びノズル孔内壁面に絶縁層を
有し、導電体基材表面に表面処理層が形成されている構
成としたので、表面処理層の位置精度のばらつきが少な
く、液滴吐出特性のばらつきが少なくなって、液滴吐出
特性の向上を図れ、また絶縁層によって長期信頼性を向
上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットヘッドの模式的断
面図
【図2】同ヘッドの図1と直交する方向の模式的断面図
【図3】本発明に係るノズル形成部材の製造方法の第1
実施形態の説明図
【図4】本発明に係るノズル形成部材の製造方法の第2
実施形態の説明図
【符号の説明】
1…振動板基板、2…ギャップ部材、3…電極基板、4
…液室基板、5…ノズルプレート、6…ノズル、7…吐
出室、8…共通インク室、11…振動板、15…電極、
20…導電体基材、20a…ノズル孔、21…絶縁層、
22…撥水膜、31…導電性基体、35、37…撥水性
皮膜、36…有機膜。
フロントページの続き (72)発明者 加藤 忠 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2C057 AF24 AF93 AG07 AG12 AP02 AP13 AP52 AP53 AP55 AP60 BA04 BA14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル孔を形成した基材表面に表面処理
    層を形成したノズル形成部材を備えたインクジェットヘ
    ッドにおいて、前記ノズル形成部材は導電体基材の液流
    路側の面及びノズル孔内壁面に絶縁層を有し、前記導電
    体基材表面に表面処理層が形成されていることを特徴と
    するインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 ノズル孔を形成した基材表面に表面処理
    層を形成したノズル形成部材の製造方法において、前記
    ノズル孔を開口した導電体基材の液流路側の面及びノズ
    ル孔内壁面に絶縁層を形成し、その後電界めっき法によ
    って前記導電体基材の露出面に撥水性の表面処理層を形
    成することを特徴とするノズル形成部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 ノズル孔を形成した基材表面に表面処理
    層を形成したノズル形成部材の製造方法において、前記
    ノズル孔を開口した導電体基材の液流路側の面を覆い、
    ノズル孔内を埋め込むように、絶縁層を形成し、次い
    で、電界めっき法によって前記導電体基材の露出面に撥
    水性の表面処理層を形成することを特徴とするノズル形
    成部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 ノズル孔を形成した基材表面に表面処理
    層を形成したノズル形成部材の製造方法において、導電
    性基体上にノズル孔を有する導電体基材を成膜した後、
    この導電体基材の液流路側の面及びノズル孔内壁面に絶
    縁層を形成し、次いで、前記導電体基材を前記基体から
    剥離した後、電界めっき法によって前記導電体基材の露
    出面に撥水性の表面処理層を形成することを特徴とする
    ノズル形成部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 ノズル孔を形成した基材表面に表面処理
    層を形成したノズル形成部材の製造方法において、導電
    性基体上にノズル孔を有する導電体基材を成膜した後、
    この導電体基材の液流路側の面を覆い、ノズル孔内壁部
    を埋め込むように、絶縁層を形成し、次いで、前記導電
    体基材を前記基体から剥離した後、電界めっき法によっ
    て前記導電体基材の露出面に撥水性の表面処理層を形成
    することを特徴とするノズル形成部材の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2又は4に記載のノズル形成部材
    の製造方法において、前記絶縁層を、熱酸化、CVD、
    スパッタ、陽極酸化法のいずれかで形成することを特徴
    とするノズル形成部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3又は5に記載のノズル形成部材
    の製造方法において、前記絶縁層を、スピンコート法、
    ロールコート法、スプレーコート法、ディップ法のいず
    れかで形成することを特徴とするノズル形成部材の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 ノズル形成部材と液流路の少なくとも隔
    壁を形成する液流路部材とを接合したインクジェットヘ
    ッドの製造方法において、前記請求項2乃至7のいずれ
    かに記載の製造方法で製造したノズル形成部材を前記絶
    縁層を除去した後前記液流路部材と接合することを特徴
    とするインクジェットヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 ノズル形成部材と液流路の少なくとも隔
    壁を形成する液流路部材とを接合したインクジェットヘ
    ッドの製造方法において、前記請求項2、4、6のいず
    れかに記載の製造方法で製造したノズル形成部材を前記
    絶縁層を残したまま前記液流路部材と接合することを特
    徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 ノズル孔を形成した基材表面に表面処
    理層を形成したノズル形成部材において、導電体基材の
    液流路側の面及びノズル孔内壁面に絶縁層を有し、前記
    導電体基材表面に表面処理層が形成されていることを特
    徴とするノズル形成部材。
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Cited By (7)

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