JPH05193141A - インクジェットヘッド - Google Patents
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- JPH05193141A JPH05193141A JP4007725A JP772592A JPH05193141A JP H05193141 A JPH05193141 A JP H05193141A JP 4007725 A JP4007725 A JP 4007725A JP 772592 A JP772592 A JP 772592A JP H05193141 A JPH05193141 A JP H05193141A
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- JP
- Japan
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- ink
- liquid
- nozzle opening
- nozzle
- repellent
- Prior art date
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- Pending
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-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J2/00—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
- B41J2/005—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
- B41J2/01—Ink jet
- B41J2/135—Nozzles
- B41J2/14—Structure thereof only for on-demand ink jet heads
- B41J2002/14475—Structure thereof only for on-demand ink jet heads characterised by nozzle shapes or number of orifices per chamber
Landscapes
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明はインクジェット記録における、イン
ク液滴位置決め精度を長期に渡り安定させるインクジェ
ットヘッドを提供する。 【構成】 ノズル開口部3周辺に親インク液領域7を形
成し、その外周に撥インク液領域6を形成する。 【効果】 予め均一なインク液溜りをノズル開口部周辺
に形成することで、インク液滴の位置決め精度を低下さ
せる、不均一なインク液溜りをなくすと共に、撥インク
液処理の劣化による耐久性の悪さを解消した。
ク液滴位置決め精度を長期に渡り安定させるインクジェ
ットヘッドを提供する。 【構成】 ノズル開口部3周辺に親インク液領域7を形
成し、その外周に撥インク液領域6を形成する。 【効果】 予め均一なインク液溜りをノズル開口部周辺
に形成することで、インク液滴の位置決め精度を低下さ
せる、不均一なインク液溜りをなくすと共に、撥インク
液処理の劣化による耐久性の悪さを解消した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク液滴を飛翔さ
せ、紙等に印字記録を行なうインクジェットヘッドに関
する。
せ、紙等に印字記録を行なうインクジェットヘッドに関
する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンターの印字品質を
左右する要素として、記録紙上のインク液滴位置精度が
ある。インク液滴位置精度はインクジェットヘッドから
飛翔するインク液滴の飛翔方向に依存する。インク液滴
の飛翔方向は、ノズル開口部周辺に不均一なインク液の
溜りがあると乱れる。すなわち、印字品質を確保するた
めには、ノズル開口部周辺にインク液の不均一な溜りを
なくすことが必要である。
左右する要素として、記録紙上のインク液滴位置精度が
ある。インク液滴位置精度はインクジェットヘッドから
飛翔するインク液滴の飛翔方向に依存する。インク液滴
の飛翔方向は、ノズル開口部周辺に不均一なインク液の
溜りがあると乱れる。すなわち、印字品質を確保するた
めには、ノズル開口部周辺にインク液の不均一な溜りを
なくすことが必要である。
【0003】そこで従来から、インク液の溜りを発生さ
せないために、ノズル開口部周辺にインク液に対し濡れ
づらい、所謂撥インク液処理を施すことが行われてい
る。この撥インク液処理によりノズル開口部から漏れ出
たインク液は、撥インク液領域ではじかれ再びノズル開
口部に吸い込まれるかあるいは、撥インク液効果により
独立したインク液溜りとなり、ノズル開口部との連結が
なくなり、ノズル開口部周辺に不均一なインク液溜りを
形成することを防止する。それにより飛翔方向を安定さ
せることができる。
せないために、ノズル開口部周辺にインク液に対し濡れ
づらい、所謂撥インク液処理を施すことが行われてい
る。この撥インク液処理によりノズル開口部から漏れ出
たインク液は、撥インク液領域ではじかれ再びノズル開
口部に吸い込まれるかあるいは、撥インク液効果により
独立したインク液溜りとなり、ノズル開口部との連結が
なくなり、ノズル開口部周辺に不均一なインク液溜りを
形成することを防止する。それにより飛翔方向を安定さ
せることができる。
【0004】図2(a)、(b)は、特公平3−243
43に示されている従来の撥インク液領域を示した図で
あり、ノズル形成部材101上にカーボン薄膜からなる
撥インク液領域106が設けられている。図2(a)
は、ノズル開口部エッヂまで撥インク液領域を形成させ
たものであり、図2(b)は、ノズル開口部の周辺から
ノズル開口部内面の一部の領域にわたり形成されたもの
である。
43に示されている従来の撥インク液領域を示した図で
あり、ノズル形成部材101上にカーボン薄膜からなる
撥インク液領域106が設けられている。図2(a)
は、ノズル開口部エッヂまで撥インク液領域を形成させ
たものであり、図2(b)は、ノズル開口部の周辺から
ノズル開口部内面の一部の領域にわたり形成されたもの
である。
【0005】しかし、長期間の使用により、撥インク液
領域には、インク液成分が徐々に付着するため、撥イン
ク液効果が低下する。特に、インク液が触れ易いノズル
開口部周囲110が最も劣化が激しい。またインクジェ
ットプリンタでは、ノズル形成部材に付着する塵を除去
するために、ゴム板等のクリーニング材によりノズル形
成部材の表面をこすり、機械的に塵を取り除くクリーニ
ング動作が必要となるが、それにより撥インク液領域の
表層が削り取られたり傷がついたりすることでも撥イン
ク液効果が劣化する。特にノズル開口部106では、ク
リーニング材が一旦落ち込み、再度乗り上げるため、ノ
ズル開口部周囲110には単なる摩擦モード以外に剥離
力も働くため、劣化が激しい。即ちノズル開口部周辺1
10が最も劣化する。且つクリーニング動作のこすり方
向により、劣化の度合に不均一が発生するため、不均一
なインク液の溜りも誘発することになる。
領域には、インク液成分が徐々に付着するため、撥イン
ク液効果が低下する。特に、インク液が触れ易いノズル
開口部周囲110が最も劣化が激しい。またインクジェ
ットプリンタでは、ノズル形成部材に付着する塵を除去
するために、ゴム板等のクリーニング材によりノズル形
成部材の表面をこすり、機械的に塵を取り除くクリーニ
ング動作が必要となるが、それにより撥インク液領域の
表層が削り取られたり傷がついたりすることでも撥イン
ク液効果が劣化する。特にノズル開口部106では、ク
リーニング材が一旦落ち込み、再度乗り上げるため、ノ
ズル開口部周囲110には単なる摩擦モード以外に剥離
力も働くため、劣化が激しい。即ちノズル開口部周辺1
10が最も劣化する。且つクリーニング動作のこすり方
向により、劣化の度合に不均一が発生するため、不均一
なインク液の溜りも誘発することになる。
【0006】このように従来の技術では、最も厳密に管
理されなくてはならないノズル開口部周辺の撥インク液
領域が、最も劣化し易いという問題点があった。
理されなくてはならないノズル開口部周辺の撥インク液
領域が、最も劣化し易いという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような、
課題に鑑みてなされたもので、良好な印字品質を長期使
用においても安定的に得られるインクジェットヘッドの
提供目的とする。
課題に鑑みてなされたもので、良好な印字品質を長期使
用においても安定的に得られるインクジェットヘッドの
提供目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドは、ノズル開口部の周囲に親インク液領域を形成
し、その外周に撥インク液領域を形成することを特徴と
する。また、ノズル開口部周辺の親インク液領域を撥イ
ンク液領域より、凹部となす。または、凸部となすこと
を特徴とする。
ヘッドは、ノズル開口部の周囲に親インク液領域を形成
し、その外周に撥インク液領域を形成することを特徴と
する。また、ノズル開口部周辺の親インク液領域を撥イ
ンク液領域より、凹部となす。または、凸部となすこと
を特徴とする。
【0009】
[実施例1]図1に本発明を用いたインクジェットヘッ
ドの一実施例を示す。これは、インク液滴発生手段とし
て、積層型圧電変換器11を用いたものである。
ドの一実施例を示す。これは、インク液滴発生手段とし
て、積層型圧電変換器11を用いたものである。
【0010】固定基板14上には、圧電変換器11と同
じ巾を持った電極パターン13が形成されており、この
電極パターン13上に、圧電変換器11の一部が導電性
接着剤により接合されている。圧電変換器11の内部電
極は、固定端面と自由端面に引き出され、それぞれ外部
電極11aと、11bに接続されている。固定部外部電
極11aは、電極パターン13側の面に引き回され、個
別電極としてFPC15より駆動回路に導通するように
なっており、自由部外部電極11bは反電極パターン面
に引き回され、共通電極板12に接続され、やはり駆動
回路に導通するようになっている。
じ巾を持った電極パターン13が形成されており、この
電極パターン13上に、圧電変換器11の一部が導電性
接着剤により接合されている。圧電変換器11の内部電
極は、固定端面と自由端面に引き出され、それぞれ外部
電極11aと、11bに接続されている。固定部外部電
極11aは、電極パターン13側の面に引き回され、個
別電極としてFPC15より駆動回路に導通するように
なっており、自由部外部電極11bは反電極パターン面
に引き回され、共通電極板12に接続され、やはり駆動
回路に導通するようになっている。
【0011】圧電変換器11の固定されていない端面に
は、圧力板18が接着剤17により接合されている。圧
力板18はさらに、弾性板19に接合されている。弾性
板19は、フレーム16により固定されている。弾性板
19上には、スペーサ20を介して、ノズル開口部3を
もったノズル形成部材1が接合されている。ノズル開口
部3周辺には、同心円の親インク液領域7が設けられ、
更に親インク液領域7の周辺には、撥インク液領域6が
設けられている。ここで、弾性板19とスペーサ20及
びノズル形成部材1に囲まれた部分が圧力室2を形成す
ることになり、図示しないインク液8が満たされる。な
お、スペーサ20は、圧力室2へインク液の供給を行う
ため、間欠的に弾性板19とノズル形成部材1と接合し
ている。以上の構成により圧電変換器11に電圧を印加
すると、圧電変換器11は自由長より収縮し、圧力板1
8、弾性板19を通じて圧力室2の体積を膨張し圧力室
2にインク液が供給される。電圧を解除すると、圧力変
換器11は自由長まで復帰する為、圧力室2内のインク
液圧力を高め、インク液8の一部をノズル開口部3より
飛翔させることができる。
は、圧力板18が接着剤17により接合されている。圧
力板18はさらに、弾性板19に接合されている。弾性
板19は、フレーム16により固定されている。弾性板
19上には、スペーサ20を介して、ノズル開口部3を
もったノズル形成部材1が接合されている。ノズル開口
部3周辺には、同心円の親インク液領域7が設けられ、
更に親インク液領域7の周辺には、撥インク液領域6が
設けられている。ここで、弾性板19とスペーサ20及
びノズル形成部材1に囲まれた部分が圧力室2を形成す
ることになり、図示しないインク液8が満たされる。な
お、スペーサ20は、圧力室2へインク液の供給を行う
ため、間欠的に弾性板19とノズル形成部材1と接合し
ている。以上の構成により圧電変換器11に電圧を印加
すると、圧電変換器11は自由長より収縮し、圧力板1
8、弾性板19を通じて圧力室2の体積を膨張し圧力室
2にインク液が供給される。電圧を解除すると、圧力変
換器11は自由長まで復帰する為、圧力室2内のインク
液圧力を高め、インク液8の一部をノズル開口部3より
飛翔させることができる。
【0012】本実施例では、ノズル形成部材1は、電鋳
のNiにより製造し、ノズル開口部3の直径は60μ
m、親インク液領域7の直径は、260μmとし、撥イ
ンク液領域6は、上村工業のテフロン分散Ni無電解メ
ッキであるニムフロンを用い、2μm厚のメッキ後熱処
理を施して形成した。なお、親インク液領域7は、ニム
フロンを施していない、電鋳Ni面である。
のNiにより製造し、ノズル開口部3の直径は60μ
m、親インク液領域7の直径は、260μmとし、撥イ
ンク液領域6は、上村工業のテフロン分散Ni無電解メ
ッキであるニムフロンを用い、2μm厚のメッキ後熱処
理を施して形成した。なお、親インク液領域7は、ニム
フロンを施していない、電鋳Ni面である。
【0013】尚、ノズル開口部3周辺に親インク液領域
を残し撥インク液処理を行う行程は、フォトリソグラフ
ィの手法を用いた。
を残し撥インク液処理を行う行程は、フォトリソグラフ
ィの手法を用いた。
【0014】次に本発明のインクジェットヘッドにおけ
るノズル面上のインクの様子を説明する。
るノズル面上のインクの様子を説明する。
【0015】本実施例のインクジェットヘッドに用いる
インク液は、室温においては個体であり、加熱溶融状態
においてインク液として使用する、所謂ホットメルトイ
ンクと呼ばれるものである。組成は、パラトルエンスル
ホンアミド、エチルベンゼンスルホンアミド、3,4−
ジエチルベンゼンスルホナミド、パラ−N−ブチルベン
ゼンスルホンアミド、N−シクロヘキシル−パラトルエ
ンスルホンアミド、染料を主に含有するもので、このイ
ンクを用いた時、撥インク液領域6即ち、ニムフロンに
対する上記ホットメルトインクの接触角は、80゜、親
インク液領域7即ち、電鋳Niに対する接触角は、20
゜である。図3に、前記インクを用いた場合のノズル開
口部3の周辺状態を示す。親インク液領域7には、ノズ
ル開口部3より供給されるインク液により、均一なイン
ク液溜り8aが予め形成されている。このインク液溜り
8aは、圧力室2からインク液が流失しないように、圧
力室2の静止状態圧を大気圧に比べ低い圧力状態に設定
することで、大きな溜りとならず、表面を濡らす程度で
安定する。親インク液領域7の周辺には、撥インク液領
域6があるため、インク液溜り8aは親インク液領域7
のみに限られている。なお、電源投入直後などでは均一
なインク液溜り8aが形成されないから、記録紙に対す
る印字動作の開始直前に、数回のインク液滴吐出動作を
行うことが必要となる。
インク液は、室温においては個体であり、加熱溶融状態
においてインク液として使用する、所謂ホットメルトイ
ンクと呼ばれるものである。組成は、パラトルエンスル
ホンアミド、エチルベンゼンスルホンアミド、3,4−
ジエチルベンゼンスルホナミド、パラ−N−ブチルベン
ゼンスルホンアミド、N−シクロヘキシル−パラトルエ
ンスルホンアミド、染料を主に含有するもので、このイ
ンクを用いた時、撥インク液領域6即ち、ニムフロンに
対する上記ホットメルトインクの接触角は、80゜、親
インク液領域7即ち、電鋳Niに対する接触角は、20
゜である。図3に、前記インクを用いた場合のノズル開
口部3の周辺状態を示す。親インク液領域7には、ノズ
ル開口部3より供給されるインク液により、均一なイン
ク液溜り8aが予め形成されている。このインク液溜り
8aは、圧力室2からインク液が流失しないように、圧
力室2の静止状態圧を大気圧に比べ低い圧力状態に設定
することで、大きな溜りとならず、表面を濡らす程度で
安定する。親インク液領域7の周辺には、撥インク液領
域6があるため、インク液溜り8aは親インク液領域7
のみに限られている。なお、電源投入直後などでは均一
なインク液溜り8aが形成されないから、記録紙に対す
る印字動作の開始直前に、数回のインク液滴吐出動作を
行うことが必要となる。
【0016】このインクジェットヘッドは、予め形成さ
れている均一なインク液溜り8aにより、不均一なイン
ク液溜りの形成を予防する。即ち、従来ノズル開口部3
のエッヂ110部に撥インク液効果をもたせ、不均一な
インク液溜りを防止させていたのに対し、本発明は、予
め均一なインク液溜り8aを作ることで、不均一なイン
ク液溜りを防止することを特徴としている。
れている均一なインク液溜り8aにより、不均一なイン
ク液溜りの形成を予防する。即ち、従来ノズル開口部3
のエッヂ110部に撥インク液効果をもたせ、不均一な
インク液溜りを防止させていたのに対し、本発明は、予
め均一なインク液溜り8aを作ることで、不均一なイン
ク液溜りを防止することを特徴としている。
【0017】この実施例のインクジェットヘッドと、従
来のヘッドとを比較評価した結果、初期的な印字品質は
差異が認められなかった。これに対し、インク液への長
期間浸漬試験、及び、硬度40゜のシリコンゴム板を使
用してのクリーニング動作耐久試験を行い、再び印字品
質を評価した。いずれの試験後も、従来のヘッドが、明
かに印字品質が劣化したのに対し、本実施例のヘッド
は、印字品質の劣化は認められなかった。
来のヘッドとを比較評価した結果、初期的な印字品質は
差異が認められなかった。これに対し、インク液への長
期間浸漬試験、及び、硬度40゜のシリコンゴム板を使
用してのクリーニング動作耐久試験を行い、再び印字品
質を評価した。いずれの試験後も、従来のヘッドが、明
かに印字品質が劣化したのに対し、本実施例のヘッド
は、印字品質の劣化は認められなかった。
【0018】つまり、本実施例のインクジェットヘッド
は、インク液浸漬により撥インク液効果の劣化があって
も均一なインク液溜り8aの形成に影響がないため印字
品質が劣化しないのである。
は、インク液浸漬により撥インク液効果の劣化があって
も均一なインク液溜り8aの形成に影響がないため印字
品質が劣化しないのである。
【0019】また、クリーニング動作により、撥インク
液領域6の、親インク液領域7に隣接する部分が多少傷
ついても、やはりインク液溜り8aの形成に影響がな
い。ここが、ノズル開口部周辺110に傷がつくと、容
易に不均一なインク液溜りを発生する従来の技術とは異
なる点である。
液領域6の、親インク液領域7に隣接する部分が多少傷
ついても、やはりインク液溜り8aの形成に影響がな
い。ここが、ノズル開口部周辺110に傷がつくと、容
易に不均一なインク液溜りを発生する従来の技術とは異
なる点である。
【0020】[実施例2]図4に本発明を用いた他の実
施例を示す。ノズル形成部材1は、前実施例と同様にN
iの電鋳法で製造されている。ただし、電鋳の際のパタ
ーニングは、20μmの厚みを持つドライフィルムで行
われている。このため、ノズル開口部3周辺はドライフ
ィルムの厚み分の凹部が、形つくられている。
施例を示す。ノズル形成部材1は、前実施例と同様にN
iの電鋳法で製造されている。ただし、電鋳の際のパタ
ーニングは、20μmの厚みを持つドライフィルムで行
われている。このため、ノズル開口部3周辺はドライフ
ィルムの厚み分の凹部が、形つくられている。
【0021】本実施例のノズル形成部材1の総厚は10
0μmに、ノズル開口部直径を60μmに設定した。従
って、 (凹部直径)=(ノズル開口部直径)+ {(総厚)−(ドライフィルム厚み)}×2 であるから、凹部直径は220μmである。
0μmに、ノズル開口部直径を60μmに設定した。従
って、 (凹部直径)=(ノズル開口部直径)+ {(総厚)−(ドライフィルム厚み)}×2 であるから、凹部直径は220μmである。
【0022】この実施例では、ノズル形成部材1の表面
全面に親インク液処理を行い、その後、凹部の内側を除
き撥インク液処理を施した。撥インク液処理は、前記実
施例1と同じ上村工業のニムフロンによる。親インク液
処理は無電解のAuめっきを厚み0.5μm付与した。
全面に親インク液処理を行い、その後、凹部の内側を除
き撥インク液処理を施した。撥インク液処理は、前記実
施例1と同じ上村工業のニムフロンによる。親インク液
処理は無電解のAuめっきを厚み0.5μm付与した。
【0023】前記ホットメルトインクは、無電解Auめ
っきに対し接触角が10゜であり、Niより濡れ易く均
一なインク液溜り8aを形成し易くなる。また、凹部を
形成することも、インク液溜り8aの安定に寄与する。
っきに対し接触角が10゜であり、Niより濡れ易く均
一なインク液溜り8aを形成し易くなる。また、凹部を
形成することも、インク液溜り8aの安定に寄与する。
【0024】更には、凹部エッヂ111の傷による影響
度の低減がはかれる。その上、親インク液処理面が一段
下がっているため、クリーニング動作により処理が傷付
くことを防止できる。
度の低減がはかれる。その上、親インク液処理面が一段
下がっているため、クリーニング動作により処理が傷付
くことを防止できる。
【0025】[実施例3]図5に本発明を用いた、別の
実施例を示す。やはり、ノズル形成部材1は、実施例1
と同様に、Niの電鋳法により製造されているが、ノズ
ル開口部3近傍が凸に形成されている。
実施例を示す。やはり、ノズル形成部材1は、実施例1
と同様に、Niの電鋳法により製造されているが、ノズ
ル開口部3近傍が凸に形成されている。
【0026】ノズル開口部3近傍が凸となるノズル形成
部材の製造方法を簡単に説明する。平面の導電性基板
に、フォトリソグラフィの手法により不導体膜をパター
ニングを行う。ここに、ある程度Ni電鋳層を成長させ
たのち、全面に剥離処理を施す。本実施例では、この時
の電鋳層の厚みは30μmである。ここまで行った基板
をマスターとして、この上に100μm成長させた電鋳
を製品とすることで、図5に示すノズル形成部材1を得
る。
部材の製造方法を簡単に説明する。平面の導電性基板
に、フォトリソグラフィの手法により不導体膜をパター
ニングを行う。ここに、ある程度Ni電鋳層を成長させ
たのち、全面に剥離処理を施す。本実施例では、この時
の電鋳層の厚みは30μmである。ここまで行った基板
をマスターとして、この上に100μm成長させた電鋳
を製品とすることで、図5に示すノズル形成部材1を得
る。
【0027】従って、本実施例では凸部の高さが30μ
mであり、板厚100μmの製品である。また、 (凸部直径)=(ノズル開口部直径)+(板厚)×2 であり、ノズル開口部直径60μmより、凸部直径は2
60μmである。
mであり、板厚100μmの製品である。また、 (凸部直径)=(ノズル開口部直径)+(板厚)×2 であり、ノズル開口部直径60μmより、凸部直径は2
60μmである。
【0028】図5に示す通り、ノズル開口部3周辺の凸
部を親インク液領域7とし、それ以外を撥インク液領域
6となるように製造した。この実施例の場合は、親イン
ク液領域7が撥インク液領域6の中で、台地状に形成さ
れているため、形状的にもインク液溜り8aは撥インク
液領域にはみ出すことがなく、実施例1に比べ安定し易
くなった。
部を親インク液領域7とし、それ以外を撥インク液領域
6となるように製造した。この実施例の場合は、親イン
ク液領域7が撥インク液領域6の中で、台地状に形成さ
れているため、形状的にもインク液溜り8aは撥インク
液領域にはみ出すことがなく、実施例1に比べ安定し易
くなった。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、ノズ
ル開口部周辺に不均一なインク液溜りの発生を抑制する
ことができ、しかもその効果が長期間の使用に於ても安
定したインクジェットヘッドが提供される。言い換えれ
ば、インクジェットヘッドを用いた印字記録の良否を決
める、記録紙上のインク液滴位置精度を長期に渡って安
定させることができ、印字品質が常に安定したインクジ
ェットプリンターを得られる。
ル開口部周辺に不均一なインク液溜りの発生を抑制する
ことができ、しかもその効果が長期間の使用に於ても安
定したインクジェットヘッドが提供される。言い換えれ
ば、インクジェットヘッドを用いた印字記録の良否を決
める、記録紙上のインク液滴位置精度を長期に渡って安
定させることができ、印字品質が常に安定したインクジ
ェットプリンターを得られる。
【図1】本発明のインクジェットヘッドの主要部断面
図。
図。
【図2】従来のインクジェットヘッドに用いるノズル形
成部材の断面図。
成部材の断面図。
【図3】本発明の実施例1のインクジェットヘッドに用
いるノズル形成部材の断面図。
いるノズル形成部材の断面図。
【図4】本発明の実施例2のインクジェットヘッドに用
いるノズル形成部材の断面図。
いるノズル形成部材の断面図。
【図5】本発明の実施例3のインクジェットヘッドに用
いるノズル形成部材の断面図。
いるノズル形成部材の断面図。
1 ノズル形成部材 2 圧力室 3 ノズル開口部 6 撥インク液領域 7 親インク液領域 8 インク液 11 積層型圧電変換器 11a、b 積層型圧電変換器の外部電極 12 共通電極板 13 電極パターン 14 固定基板 15 FPC 16 フレーム 17 接着剤 18 圧力板 19 弾性板 20 スペーサ 101 ノズル形成部材 103 ノズル開口部 106 撥インク液領域 110 ノズル開口部エッヂ 111 凹部エッヂ 112 凸部エッヂ
Claims (3)
- 【請求項1】 複数のノズル開口部を持つノズル形成部
材と、ノズル開口部に対応したインク液滴発生手段とを
備えたインクジェットヘッドにおいて、ノズル開口部の
周囲に親インク液領域を形成し、更に、前記親インク液
領域の周囲に撥インク液領域を形成することを特徴とす
るインクジェットヘッド。 - 【請求項2】 前記親インク液領域が、撥インク液領域
より凹部となることを特徴とする請求項1記載のインク
ジェットヘッド。 - 【請求項3】 前記親インク液領域が、撥インク液領域
より凸部となることを特徴とする請求項1記載のインク
ジェットヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4007725A JPH05193141A (ja) | 1992-01-20 | 1992-01-20 | インクジェットヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4007725A JPH05193141A (ja) | 1992-01-20 | 1992-01-20 | インクジェットヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05193141A true JPH05193141A (ja) | 1993-08-03 |
Family
ID=11673693
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4007725A Pending JPH05193141A (ja) | 1992-01-20 | 1992-01-20 | インクジェットヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05193141A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0885212A (ja) * | 1994-09-19 | 1996-04-02 | Ricoh Co Ltd | インクジェットヘッドのノズルプレート及びその製造方法 |
EP1029682A1 (en) * | 1999-02-17 | 2000-08-23 | Hewlett-Packard Company | Method for servicing an inkjet printhead |
WO2003043826A1 (fr) | 2001-11-22 | 2003-05-30 | Canon Kabushiki Kaisha | Tete de jet de liquide |
US6966630B2 (en) | 2001-07-06 | 2005-11-22 | Ricoh Printing Systems, Ltd. | Inkjet head |
JP2007038654A (ja) * | 2005-07-01 | 2007-02-15 | Ricoh Printing Systems Ltd | 微小インク滴の吐出方法 |
JP2009000960A (ja) * | 2007-06-25 | 2009-01-08 | Toshiba Tec Corp | インクジェットヘッド |
JP2016193493A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-17 | コニカミノルタ株式会社 | インクジェットヘッドの製造方法 |
-
1992
- 1992-01-20 JP JP4007725A patent/JPH05193141A/ja active Pending
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US6926392B2 (en) | 2001-11-22 | 2005-08-09 | Canon Kabushiki Kaisha | Liquid ejection head |
JP2007038654A (ja) * | 2005-07-01 | 2007-02-15 | Ricoh Printing Systems Ltd | 微小インク滴の吐出方法 |
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