JP2009000960A - インクジェットヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】 剪断モード型インクジェットヘッドを用いたマルチドロップ階調印字の駆動において、1印刷周期に占める休止期間を短くして、これにより印刷速度の向上を図る。
【解決手段】 ノズルプレートと、ノズルに各々連通する圧力室と、隣接する2つの圧力室に共有される複数のアクチュエータと、各圧力室をn−1個おきのn組(n≧2)に分割して組ごとに駆動する位相を変えるとともに同一組内の各圧力室から複数のインク滴を連続的に吐出させるようにアクチュエータを駆動する駆動信号を発生する駆動信号発生手段とを有し、連続的に吐出するインク滴数を変化させることで階調印字を行うインクジェットヘッドにおいて、ノズルプレートのインク吐出側のノズル開口部の外周部がインクに対して親液性であることとしたインクジェットヘッド。
【選択図】 図2
Description
本発明は、隣接する圧力室とアクチュエータを共有するシェアードウォール型インクジェットヘッドに関するものである。
特許文献1には、圧電部材の剪断モード変形を利用しノズルからインク滴を吐出させる、所謂、剪断モード型インクジェットヘッドが記載されている。このヘッドは、接着固定した2枚の圧電部材に切削加工により形成した複数の溝と、インク供給口を備えた天板とノズルプレートで構成されている。溝と天板およびノズルプレートで囲まれる空間は、インク吐出圧力を発生する圧力室となる。隣接する圧力室で共有される側壁には駆動パルス電圧を印加する電極を備え、その側壁はインク吐出圧力を発生するアクチュエータとして動作する。所謂、シェアードウォール型インクジェットヘッドになっている。また、この型のインクジェットヘッドを使用して、ノズルから階調に応じて1または複数のインク滴を吐出させる制御を行う、所謂マルチドロップ方式の階調印字方法が記載されている。
この駆動方法で使用される剪断モード型のインクジェットヘッドは、圧力室の変形が隣接する圧力室に影響するため、2つおきに3つの組に分けて分割駆動している。各組においては階調に応じたインク滴の数だけ連続して吐出動作を行っている。第1組目の圧力室からのインク滴の吐出動作が終了すると所定の期間休止し、その後第2組目の圧力室からインク滴の吐出動作行い、このインク滴の吐出動作が終了すると再び所定の期間休止し、その後第3組目の圧力室からのインク滴の吐出動作行い、このインク滴の吐出動作が終了すると再び所定の期間休止する。この吐出動作と休止を3回繰り返すことで、1ドットラインを印刷する1印刷周期を終了する。続けて次の1ドットラインを印刷するために、同じ動作を繰り返すという制御を行っている。
特許文献2には、インクジェット記録ヘッドについて、インク吐出口の開口縁部を含む吐出口周縁領域を親水性とし、その吐出口周縁領域の外側を撥水性とすることが開示されている。このヘッドでは、流路内に配置した電気熱変換素子によって発生する気泡によって、インクを吐出させている。このヘッドを高周波駆動すると、吐出口内にあるインクのメニスカスがオーバーフローすることが課題となっている。オーバーフローとは、インク滴が吐出口から吐出された直後インクが再供給されたときに、吐出口内のインクのメニスカスが吐出口外までせり出す現象である。そのせり出したインクが吐出口面に付着する。次にインクを吐出するときにその付着インクがインクの吐出方向を変化させることを防ぐため、吐出口周縁領域を親水性とし、その外側を撥水性にしている。
剪断モード型インクジェットヘッドでは、インク滴の吐出動作を終了した後の休止期間は、次のインク吐出動作の開始におけるインクメニスカスの位置を適正な位置に復帰させるために必要なものである。
図9乃至図12を用いて、従来の剪断モード型インクジェットヘッド駆動方法および駆動に伴うメニスカスの動作を説明する。図9は、剪断モード型インクジェットヘッドに加える電圧とアクチュエータの動作を表わし、図10はアクチュエータを動作させる駆動波形を示している。例えば、ある組の圧力室のインク吐出動作を行っているとき、アクチュエータが隣接する圧力室と共有されているので隣接する他の組の圧力室にも圧力振動が発生する。このためこの隣接した圧力室のノズル内におけるインクメニスカスが振動する。この振動は、図11に示すように、ノズル内のメニスカスを徐々にインク吐出方向に前進させ、図12に示すようにメニスカスをノズル開口面より盛り上げる現象を引き起こす。この盛り上がりはメニスカスの振動回数に応じて累積する。
図9乃至図12を用いて、従来の剪断モード型インクジェットヘッド駆動方法および駆動に伴うメニスカスの動作を説明する。図9は、剪断モード型インクジェットヘッドに加える電圧とアクチュエータの動作を表わし、図10はアクチュエータを動作させる駆動波形を示している。例えば、ある組の圧力室のインク吐出動作を行っているとき、アクチュエータが隣接する圧力室と共有されているので隣接する他の組の圧力室にも圧力振動が発生する。このためこの隣接した圧力室のノズル内におけるインクメニスカスが振動する。この振動は、図11に示すように、ノズル内のメニスカスを徐々にインク吐出方向に前進させ、図12に示すようにメニスカスをノズル開口面より盛り上げる現象を引き起こす。この盛り上がりはメニスカスの振動回数に応じて累積する。
このように隣接した圧力室のノズルのメニスカスが大きく盛り上がった状態で、この隣接した圧力室の吐出動作が開始されると、この圧力室のノズルから吐出するインク滴の吐出速度が大幅に低下してしまう。吐出速度が低下したインク滴は、記録紙上での着弾位置が所望な着弾位置から大きくずれてしまい印字品質が損なわれるという問題が生じる。特に、マルチドロップ方式のインクジェットヘッドの駆動方法で印刷濃度が低い低階調印字を行う場合、着弾位置ずれが発生しやすい。低階調印字のため、その圧力室からインク滴の吐出動作を1回しか行わない場合には、吐出速度が低下し着弾位置が顕著に変化する。
このような問題が生じることを避けるために、各組の吐出動作終了時に休止期間を設けている。この休止期間によって隣接した圧力室のノズルにおけるメニスカスの盛り上がりをインクの表面張力の力によって自然に復帰させ、盛り上がりが解消した後に次の組の圧力室の駆動を行うようにしている。このように休止期間が各組の吐出動作の終了ごとに設けられているので、1ドットラインを印刷する1印刷周期が長くなるという問題があった。
特許文献2に記載の電気熱変換素子を各流路に備えるインクジェットヘッドは、インク吐出時に隣接する流路が直接圧力変動を受けることがないため、剪断モード型インクジェットヘッドと異なり、休止期間を必要としない。また、電気熱変換素子の発熱を利用しているため、インクの粘度変化を起こしやすく吐出液滴の大きさが変化するため、マルチドロップ方式の階調印字には適していない。
そこで、本発明は、吐出動作を行っている圧力室に隣接する圧力室に連通するノズル内に発生するメニスカスの盛り上がりを低減する剪断モード型インクジェットヘッドを提供する。
本発明は、以上の課題を解決するために、インクを吐出させる複数のノズルが設けられたノズルプレートと、前記ノズルに各々連通する圧力室と、前記圧力室にインクを供給するインク供給手段と、前記圧力室に対応する複数の電極と、前記電極に供給される電気信号に応じて前記圧力室の容積を可変させる、隣接する2つの前記圧力室に共有される複数のアクチュエータと、前記各圧力室をn−1個おきのn組(n≧2)に分割し、組ごとに駆動する位相を変えるとともに同一組内の各圧力室から前記ノズルを通して複数のインク滴を連続的に吐出させるように前記アクチュエータを駆動する駆動信号を発生する駆動信号発生手段とを有し、前記連続的に吐出するインク滴数を変化させることで階調印字を行うインクジェットヘッドにおいて、前記ノズルプレートのインク吐出側の前記ノズル開口部の外周部が前記インクに対して親液性であることを特徴としたインクジェットヘッド、とした。
本発明によれば、1ドットラインを印刷する1印刷周期に占める休止期間を短くし、これにより印刷速度の向上を図り、合わせてマルチドロップ方式の階調印字において低階調での印字品質を向上することができるインクジェットヘッドを提供できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1および図2は、インクジェットヘッド101の構造を示す断面図である。低誘電率の基板1の先端部に、板厚方向に分極されかつ分極方向が反対になるように貼り合わせた2枚の圧電部材2、3が埋め込まれている。基板1の材料は、圧電部材2、3に比べ低誘電率の未分極の圧電セラミックを用いている。なお、基板1の材料は、圧電部材2、3に比べ誘電率が低く、かつ圧電部材2、3の膨張係数との差が小さいものであれば、他の材料を用いることは可能である。圧電部材2、3およびその後方にある基板1の部分には、一定の間隔で平行に複数の長溝6が形成されている。長溝6は、厚さ80μmのダイヤモンドカッタを用い切削加工で形成している。切削加工により複数の長溝6は幅が80μm、深さが300μm、隣接溝との間隔が169μmとなるように形成している。隣接溝間には圧電部材2、3からなる側壁が形成され、その側壁は隣接する長溝6に共有されている。基板1の上には天板枠4が接着されている。天板枠4は、基板1と同じ材料を用いている。各長溝6のうち天板枠4で上面が封止された部分は複数の圧力室7になっている。長溝6の側面、すなわち側壁の側面、と底面には個々に電気的に独立した電極8が無電解メッキにより形成されており、基板1の上面に延出して駆動回路20に接続している。なお、電極8は、無電解メッキに限らず、スパッタリングや真空蒸着などで形成後、電極となるようにパターンニングすることによって形成することも可能である。電極8が形成された側壁は、圧力室7の容積を変化させるアクチュエータ13になっている。天板枠4の上にはインク供給口21を有する天板蓋5が接着されており、天板枠4と天板蓋5と基板1で囲まれる部分がインク供給路12となっている。各圧力室7の先端にはインク滴を吐出するためのノズル10が形成されたノズルプレート9が接着材により固定されている。
図1および図2は、インクジェットヘッド101の構造を示す断面図である。低誘電率の基板1の先端部に、板厚方向に分極されかつ分極方向が反対になるように貼り合わせた2枚の圧電部材2、3が埋め込まれている。基板1の材料は、圧電部材2、3に比べ低誘電率の未分極の圧電セラミックを用いている。なお、基板1の材料は、圧電部材2、3に比べ誘電率が低く、かつ圧電部材2、3の膨張係数との差が小さいものであれば、他の材料を用いることは可能である。圧電部材2、3およびその後方にある基板1の部分には、一定の間隔で平行に複数の長溝6が形成されている。長溝6は、厚さ80μmのダイヤモンドカッタを用い切削加工で形成している。切削加工により複数の長溝6は幅が80μm、深さが300μm、隣接溝との間隔が169μmとなるように形成している。隣接溝間には圧電部材2、3からなる側壁が形成され、その側壁は隣接する長溝6に共有されている。基板1の上には天板枠4が接着されている。天板枠4は、基板1と同じ材料を用いている。各長溝6のうち天板枠4で上面が封止された部分は複数の圧力室7になっている。長溝6の側面、すなわち側壁の側面、と底面には個々に電気的に独立した電極8が無電解メッキにより形成されており、基板1の上面に延出して駆動回路20に接続している。なお、電極8は、無電解メッキに限らず、スパッタリングや真空蒸着などで形成後、電極となるようにパターンニングすることによって形成することも可能である。電極8が形成された側壁は、圧力室7の容積を変化させるアクチュエータ13になっている。天板枠4の上にはインク供給口21を有する天板蓋5が接着されており、天板枠4と天板蓋5と基板1で囲まれる部分がインク供給路12となっている。各圧力室7の先端にはインク滴を吐出するためのノズル10が形成されたノズルプレート9が接着材により固定されている。
インクはインク供給口21から導入され、インク供給路12を通して各圧力室7に供給される。インク供給口21、インク供給路12がインク供給手段となっている。圧力室7のアクチュエータ13は分極方向が反対向きのであるため、電極8に駆動電圧を印加したとき、図2に示すように、剪断モードで変形する。アクチュエータ13の剪断モード変形により、圧力室7の容積は拡張または収縮する。容積変化によってインクに吐出圧力が発生し、ノズル10からインクが吐出する。
図2では、各圧力室を7a、7b、...7fで、各電極を8a、8b、...8fで、各ノズルを10a、10b、...10fで、各アクチュエータを13a、13b、...13fで、示している。
図3はノズルプレート9の断面図、図4はノズルプレート9をインク吐出側から見た図である。ノズルプレート9は厚さ50μmのポリイミドフィルムを用いて形成している。ポリイミドフィルム表面にインクに対して撥液性を有する撥液膜15を形成している。撥液膜15の厚さは0.5μmとなっている。撥液膜15の材料は、アモルファスフッ素樹脂、例えば旭化成株式会社のサイトップを用いることができる。ポリイミドフィルムの表面は、そのポリマーよりもインクに対して親液性である。
ノズル10およびノズル10近傍の親液性部分14の形成について説明する。ポリイミドフィルムの片面に撥液膜15を形成し、撥液膜15を設けていない面を圧力室7の先端部に接着する。その後、エキシマレーザ加工により撥液膜15側から円錐状のノズル10を形成する。撥液膜15を設けた側のノズル10の開口径は、27μmとなっている。ノズル10の形状は圧力室7側の開口面積が撥液膜側の開口面積より大きくなっている。インク吐出はこの撥液膜が形成された側から行われる。
ノズル10のインク吐出側開口部の外周部14において、撥液膜15が除去されている。撥液膜15がなくポリイミド表面が露出しているため、この外周部は親液性になっている。なお、ここで親液性というのはインクとの接触角が小さい性質のことを示し、撥液性というのはインクとの接触角が大きい性質のことを示す。親液性はインクとの接触角が15度以下、撥液性ではインクとの接触角が60度以上であることが望ましい。
撥液膜15の除去は、エキシマレーザでノズルを加工する前に、レーザの焦点位置とビーム強度を調整することで行っている。撥液膜15はノズル10と同心円状に除去している。ノズル10周囲の直径70μmの領域を除去し、ポリイミド表面14が露出するようになっている。
ノズルプレート材料として、ポリイミドフィルムの代わりに、ニッケル、ステンレスなどの金属板を用いることも可能である。この場合、予め圧力室の寸法を考慮して所望の位置にノズルを形成し、ノズル周囲を除いて撥液膜を形成する。その撥液膜は、共析メッキ法、ゾル−ゲル法などにより形成することも可能である。感光性レジストを用い親液性となる領域を覆うマスクを形成し、マスク部以外に撥液膜を形成して、マスクを剥離することで親液性部分をノズル周囲に形成することができる。また、酸素プラズマ処理、オゾン処理を行うことで、一層親液性を向上させることも可能である。
図5は、各電極8に供給される駆動信号Sの図である。Scは圧力室7cからインクを吐出する駆動波形を示している。圧力室7cからインクを吐出する場合、電極8bと電極8c間の電圧および電極8dと電極8c間の電圧が、各々アクチュエータ13bおよび13cに印可される。Scの吐出動作期間に7つのインク滴を吐出する駆動波形となっている。1つのインク滴を吐出する波形は、図6に示す構成となっている。
駆動信号Sを詳細に説明する。駆動波形Sbは圧力室7bに対応し、Scは7cに、Sdは7dに、Seは7eに対応している。この構成は、圧力室7cから吐出後、2つの圧力室7d、7eをおいて、再び7cから吐出する3分割駆動となっている。すなわち、2個おきの圧力室7は1つの組となっており、同時にインク吐出可能となっている。言い換えれば、n−1個おきの圧力室ごとに駆動するn個の組の分割駆動になっている。各組ごとに順次駆動するため、駆動信号Sは組ごとに位相がずれている。位相がずれているので、1つの吐出動作期間で隣接する圧力室、例えば、圧力室7cからインクを吐出するとき、圧力室7b、7dからインクを吐出することはない。各位相の吐出動作期間の間には休止期間が設けられていて、休止期間中はインクジェットヘッドのインク吐出動作は行わない。駆動信号Sの吐出動作期間は複数の駆動波形Wから構成され、7滴のインク滴を吐出することを示している。駆動波形Wの数を変えることによりノズル10から吐出するインク滴の数を制御して階調記録を行っている。すなわち、マルチドロップ方式による階調印字を行っている。図6に示すように、駆動波形Wは圧力室7の容積を拡大させるパルスP1と圧力室7の容積を収縮させるパルスP2から構成されている。1ALを圧力室内のインクの主音響共振周期の1/2とすると、パルスP1のパルス幅は1ALに設定されており、パルスP1とパルスP2の中心間の時間差は2ALに設定されている。パルスP2のパルス幅は圧力室内のインクの音響的な振動の減衰率に応じて設定される。
次に、第1の実施形態の動作について述べる。
インク16が天板蓋5に設けられたインク供給口21から注入されると、インク16はインク供給路12から長溝6を経て圧力室7およびノズル10の内部に充填される。なお、インク16の静圧力は、ノズル10から外部にインク16が漏れず、なおかつインク静止時にインクのメニスカスがノズル10内のインク吐出側の開口部付近に保たれる程度に調整されている。この静圧力は外気圧に対して1000〜2000Pa程度低い値である。
インクが充填された状態で、例えば駆動信号Scが電極8cに供給されると、アクチュエータ13b、13cが剪断変形して圧力室7cに圧力振動が発生する。吐出動作期間内に、階調数に応じた回数圧力振動を発生させ、図7(a)に示すようにノズル10cからインク滴が吐出する。また、アクチュエータ13bは圧力室7b、7cとで共有され、アクチュエータ13cは圧力室7cと7dとで共有されているため、圧力室7b、7dにも圧力振動が生じる。このためノズル10b、10d内のインクのメニスカスmが振動してメニスカスmが盛り上がる。しかし、ノズル10のインク吐出側の開口部の外周部14は親液性であるため、メニスカスmが広がって盛り上がりの高さが抑えられる。さらに、メニスカスmの広がりによって、ノズル10開口部とメニスカスmの間のインクの流れが拡散することにより、メニスカスmの振動が低減されて、メニスカスmが盛り上がろうとする作用が弱まる。以上のように、ノズル10のインク吐出側の開口部の外周部14を親液性とすることにより、インクを吐出しているノズル10cに隣接するノズル10b、10dからのメニスカスmの盛り上がりが抑えられる。
駆動信号Scの吐出動作期間と駆動信号Sdの吐出動作期間の間には休止期間が設けられている。休止期間の間、メニスカスmはインクを供給している静圧力が外気圧より低いことと、インクの表面張力の作用により、図7(b)に示すようにノズル10の内部の方に復帰する。休止期間経過後、駆動信号Sdの吐出動作期間に入り、ノズル10dからインクが吐出する。この動作を繰り返すことにより各ノズル10からインク滴が吐出する。前述のように、ノズル10のインク吐出側の開口部の外周部14を親液性とすることにより、剪断モード型インクジェットヘッド発生しやすい、インク吐出ノズル10cに隣接するノズル10、10dからのメニスカスmの盛り上がりが抑えられている。そのため、休止期間は従来のインクジェットヘッドに比べより短時間で良い。このように休止期間が短縮されることにより、印刷周期を短縮することができ、印刷速度の速いインクジェットヘッドの提供が可能となる。さらに、低階調印字での印字品質を向上させることができる。
〔第2の実施形態〕
図8に、本発明の第2の実施形態を示す。
図8に、本発明の第2の実施形態を示す。
第2の実施形態では、ノズル10のインク吐出側開口部の外周部を段差形状22とし、このノズル開口部の外周部の親液性の部分を、ノズル10と同心円状に形成している。
段差形状22を有するノズルプレート9は、厚さ50μmのポリイミドフィルムを用いて形成されている。ノズル10および段差形状22の加工方法について説明する。
ポリイミドフィルムの片面に撥液膜15を形成し、撥液膜15のない面を圧力室7の先端部に接着する。その後、エキシマレーザ加工により撥液膜15側から円錐状のノズル10を形成する。ノズル10の形状は圧力室7側の開口面積が撥液膜側の開口面積より大きくなっている。ノズル10の開口径は、撥液膜側で27μmとなっている。段差形状は、エキシマレーザでノズルを加工する前に、レーザの焦点位置とビーム強度を調整することで行っている。ポリイミドフィルム表面から段差部にかけての深さは10μmとなっている。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
ポリイミドフィルムの片面に撥液膜15を形成し、撥液膜15のない面を圧力室7の先端部に接着する。その後、エキシマレーザ加工により撥液膜15側から円錐状のノズル10を形成する。ノズル10の形状は圧力室7側の開口面積が撥液膜側の開口面積より大きくなっている。ノズル10の開口径は、撥液膜側で27μmとなっている。段差形状は、エキシマレーザでノズルを加工する前に、レーザの焦点位置とビーム強度を調整することで行っている。ポリイミドフィルム表面から段差部にかけての深さは10μmとなっている。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
ノズルのインク吐出側開口部の外周部の親液性の部分を段差形状としノズルと同心円状に形成したことにより、第1の実施形態で説明した特徴に加えて、親液性の部分への異物の付着を低減させるため、異物によるインク液滴の飛翔方向が乱れる現象の発生を抑制することができる。
101 インクジェットヘッド
1 基板
2、3 圧電部材
4 天板枠
5 天板蓋
6 長溝
7 圧力室
8 電極
9 ノズルプレート
10 ノズル
12 インク供給路
13 アクチュエータ
15 撥液膜
21 インク供給口
1 基板
2、3 圧電部材
4 天板枠
5 天板蓋
6 長溝
7 圧力室
8 電極
9 ノズルプレート
10 ノズル
12 インク供給路
13 アクチュエータ
15 撥液膜
21 インク供給口
Claims (2)
- インクを吐出させる複数のノズルが設けられたノズルプレートと、前記ノズルに各々連通する圧力室と、前記圧力室にインクを供給するインク供給手段と、前記圧力室に対応する複数の電極と、前記電極に供給される電気信号に応じて前記圧力室の容積を可変させるための、隣接する2つの前記圧力室に共有された複数のアクチュエータと、前記各圧力室をn−1個おきにn個(n≧2)の組に分割し、組ごとに駆動する位相を変えるとともに同一組内の各圧力室から前記ノズルを通して複数のインク滴を連続的に吐出させるように前記アクチュエータを駆動する駆動信号を発生する駆動信号発生手段とを有し、前記連続的に吐出するインク滴数を変化させることで階調印字を行うインクジェットヘッドにおいて、
前記ノズルプレートのインク吐出側の前記ノズル開口部の外周部は、前記インクに対して親液性であることを特徴とするインクジェットヘッド。 - 前記ノズル開口部の外周部の親液性の部分は、前記ノズルと同心円状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
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JP2010094972A (ja) * | 2008-09-17 | 2010-04-30 | Konica Minolta Ij Technologies Inc | インクジェット記録装置 |
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