JP2010094972A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速のマルチドロップ駆動においても安定射出でき、マルチドロップの着弾位置ずれを抑えることが可能なインクジェット記録装置の提供。
【解決手段】一印刷周期内の各駆動パルスは、前記圧力室の容積を膨張させる膨張パルスと、該膨張パルスから所定時間後に前記圧力室の容積を収縮させる収縮パルスとを有し、これらの駆動パルス間の時間間隔が0.3AL(ALは圧力室の音響的共振周期の1/2)以上1.0AL以下であることを特徴とするインクジェット記録装置。
【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェット記録装置に関する。
マルチドロップ駆動のインクジェット記録装置では、1印刷周期中の吐出インク滴の数を変動させることで1画素を構成するインクドットの濃淡等が調整でき、これにより印刷の多階調性を可能ならしめている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、膨張パルスのみからなる駆動パルスを複数回印加してマルチドロップ駆動を行うインクジェット記録装置が開示されており、1つの駆動パルスに要する時間は短いため高速駆動が容易になるとされている。
また、特許文献1には、膨張パルスと、該膨張パルスから所定時間後に印加される収縮パルスからなる駆動パルスを時間間隔を置かずに連続的に印加する条件で駆動を行うマルチドロップ駆動方法も提案されている。
特開2006−256094号公報
しかしながら、特許文献1に開示された、膨張パルスのみからなる駆動パルスを複数回印加してマルチドロップ駆動を行う方法は、1つの駆動パルスに要する時間は短いため高速駆動は容易だが、圧力波振動が大きく発生するため安定性が大きく低下する。また、安定性を得るためには1つの液滴射出後もしくは1つのチャネルが吐出を終了し、隣接チャネルに駆動パルスを印加するまでに駆動パルスを印加しない長い休止時間を設けなくてはならず、結果として高速駆動は難しい。
また、膨張パルスと、該膨張パルスから所定時間後に印加される収縮パルスからなる駆動パルスを時間間隔を置かずに連続的に印加してマルチドロップ駆動を行う方法も同様に圧力波振動の影響が大きくなり安定に射出することは難しい。
特許文献1のマルチドロップ駆動方法は、高速駆動において吐出が不安定になり、着弾ずれによる印字品質の低下等の問題がある。
マルチドロップ駆動においては、直前に吐出したインク滴の圧力振動の影響より吐出が不安定になり、着弾ずれなどによる印字品質の低下を招いてしまう。したがって圧力波振動やメニスカス位置の変動を制御し安定に吐出する必要がある。しかし、吐出後すぐに次の吐出のための駆動を行う高速駆動においては圧力波振動を完全にキャンセルすることは難しい。
本発明は、上記問題点を解決して、高速のマルチドロップ駆動においても安定射出でき、マルチドロップの着弾位置ずれを抑えることが可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
本発明の目的は、以下に示す発明によって達成される。
1.インク滴を吐出するノズルと、前記ノズルに連通する圧力室と、前記圧力室の容積を変化させる圧力発生手段を有する記録ヘッドと、インク滴をそれぞれ吐出させるための複数の駆動パルスを一印刷周期内に連続的に印加する駆動信号を生成する駆動信号生成手段とを備え、前記駆動信号を印加することによって、前記圧力発生手段を作動させて前記ノズルからインク滴を吐出させるようにしたインクジェット記録装置において、
一印刷周期内の各駆動パルスは、前記圧力室の容積を膨張させる膨張パルスと、該膨張パルスから所定時間後に前記圧力室の容積を収縮させる収縮パルスとを有し、これらの駆動パルス間の時間間隔が0.3AL(ALは圧力室の音響的共振周期の1/2)以上1.0AL以下であることを特徴とするインクジェット記録装置。
2.前記膨張パルスの駆動電圧をVon(V)、前記収縮パルスの駆動電圧をVoff(V)としたとき、
各駆動パルスにおける膨張パルスの駆動電圧Von(V)は互いに実質的に等しく、かつ、収縮パルスの駆動電圧Voff(V)は互いに実質的に等しいことを特徴とする前記1に記載のインクジェット記録装置。
3.前記膨張パルスのパルス幅と前記所定時間と前記収縮パルスのパルス幅とがともに1ALであることを特徴とする前記1または2に記載のインクジェット記録装置。
4.前記一印刷周期内の最初の駆動パルスにより吐出されるインク滴の体積をV、n個(nは2以上の整数)の駆動パルスにより吐出されるn個のインク滴の総体積をVとしたとき、V≦(V)/nであることを特徴とする前記1乃至3の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
5.前記一印刷周期内の各駆動パルスにより吐出される各インク滴の速度が、±20%以内の範囲内にあることを特徴とする前記1乃至4の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
6.前記膨張パルスの駆動電圧をVon(V)、前記収縮パルスの駆動電圧をVoff(V)としたとき、|Voff|/|Von|<1であることを特徴とする前記1乃至5の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
7.|Voff|/|Von|=1/2であることを特徴とする前記6に記載の液滴吐出装置。
8.各駆動パルスは矩形波からなるパルスであることを特徴とする前記1乃至7の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
9.前記圧力発生手段は、電気・機械変換手段であることを特徴とする前記1乃至8の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
10.前記電気・機械変換手段は、隣接する圧力室間の隔壁の少なくとも一部を形成し、且つ駆動パルスを印加することによりせん断モードで変形する圧電材料により構成されることを特徴とする前記9に記載のインクジェット記録装置。
11.各駆動パルスは、所定の基準状態から前記圧力室の容積を膨張させた後、前記基準状態に戻す膨張パルスと、前記基準状態が保持される所定時間と、前記圧力室の容積を収縮させた後、前記基準状態に戻す収縮パルスとを有し、これらの駆動パルス間においては前記基準状態が保持されることを特徴とする前記1乃至10の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
本発明により、高速のマルチドロップ駆動においても安定射出でき、マルチドロップの着弾位置ずれを抑えることが可能なインクジェット記録装置を提供することができる。
インクジェット記録装置の概略構成を示す図である。 液滴吐出ヘッドの一態様であるせん断モード(シェアモード)タイプのインクジェット記録ヘッドの概略構成を示す図であり、(a)は一部断面で示す斜視図、(b)はインク供給部を備えた状態の断面図である。 (a)〜(c)は記録ヘッドの動作を示す図である。 本発明に係る実施形態のインクジェット記録装置を実現するための駆動信号を示す図である。 (a)〜(c)は記録ヘッドの時分割動作の説明図である。 A、B、Cの各組の圧力室の電極に印加される駆動信号のタイミングチャートである。 正電圧のみを用いた場合の駆動信号のタイミングチャートである。
以下に本発明に関する実施の形態の例を示すが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。ここでは、電気・機械変換手段が、隣接する圧力室同士の隔壁を形成し、この隔壁を駆動することにより圧力室内のインクを吐出するせん断モードタイプの記録ヘッドを用い、これに矩形波からなる駆動パルスを印加する例を挙げて説明する。
図1は、本発明に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す図である。インクジェット記録装置1において、記録媒体Pは、搬送機構3の搬送ローラ対32に挟持され、更に、搬送モータ33によって回転駆動される搬送ローラ31により図示Y方向に搬送されるようになっている。
搬送ローラ31と搬送ローラ対32の間には、記録媒体Pの記録面PSと対向するように記録ヘッド2が設けられている。この記録ヘッド2は、記録媒体Pの幅方向に亘って掛け渡されたガイドレール4に沿って、不図示の駆動手段によって、上記記録媒体Pの搬送方向(副走査方向)と略直交する図示X−X’方向(主走査方向)に沿って往復移動可能に設けられたキャリッジ5に、ノズル面側が記録媒体Pの記録面PSと対向するように配置されて搭載されており、フレキシケーブル6を介して、駆動信号を生成するための回路が設けられる駆動信号生成手段100(図3参照)に電気的に接続されている。
かかる記録ヘッド2は、キャリッジ5の移動に伴って記録媒体Pの記録面PSを図示X−X’方向に移動し、この移動過程でインク滴を吐出することによって所望のインクジェット画像を記録するようになっている。
なお、図中、7はインク受け器であり、記録ヘッド2が非記録時のホームポジション等の待機位置に設けられている。記録ヘッド2がこの待機位置にある時、このインク受け器7に向けてインク滴を少量はき捨てるようにする。記録ヘッド2がこの待機位置において長期間作動停止している時は、図示しないが、記録ヘッド2のノズル面にキャップを被せることにより保護するようになっている。また、8は記録媒体Pを挟んで上記インク受け器7の反対位置に設けられたインク受け器であり、往復両方向で記録するとき、往動から復動に切り替えるときに、上記同様にはき捨てられたインク滴を受け入れる。
図2は、記録ヘッドの一態様であるせん断モードタイプの記録ヘッドの概略構成を示す図であり、(a)は一部断面で示す斜視図、(b)はインク供給部を備えた状態の断面図である。図3(a)〜(c)はその動作を示す図である。
図2及び図3において100は駆動信号生成手段、2は記録ヘッド、21はインクチューブ、22はノズル形成部材、23はノズル、24はカバープレート、25はインク供給口、26は基板、27は隔壁、Lは圧力室の長さ、Dは圧力室の深さ、Wは圧力室の幅である。そして、圧力室28が隔壁27、カバープレート24及び基板26によって形成されている。
図1(b)には1個のノズル23を有する圧力室28の断面図が示されているが、実際のせん断モードで動作する記録ヘッド2では、図3に示すように、カバープレート24と基板26の間に、複数の電気・機械変換手段としての隔壁27A、27B、27C、27D・・・で隔てられた圧力室28A、28B、28C・・・が多数並設されている。
圧力室28の一端(以下、これをノズル端という場合がある)はノズル形成部材22に形成されたノズル23につながり、他端(以下、これをマニホールド端という場合がある)はマニホールド77、インク供給口25を経て、インクチューブ21によって図示されていないインクタンクに接続されている。
また、圧力室28は、圧力室28の出口側(図2における左側)の深溝部28aと、該深溝部28aから圧力室28の入口側(図2における右側)に行くに従って徐々に浅くなる浅溝部28bとを有している。
各隔壁27A、27B、27C、27D・・・は、図3の矢印で示すように分極方向が異なる2枚の圧電材料からなる隔壁27a、27bから構成されており、各隔壁27表面には両隔壁27の上方から基板26の底面に亘って繋がる電極29A、29B、29Cが密着形成され、各電極29A、29B、29Cは、異方導電性フィルム78とフレキシブルケーブル6を介して、駆動信号生成手段100に接続している。
各隔壁27は、ここでは図3の矢印で示すように分極方向が異なる2枚の隔壁27a、27bによって構成されているが、圧電材料は例えば符号27aの部分のみであってもよく、隔壁27の少なくとも一部にあればよい。
駆動信号生成手段100は、複数の駆動パルスを連続的に印加する一連の駆動信号を一画素周期毎(一印刷周期毎)に発生する駆動信号発生回路と、各圧力室毎に前記駆動信号発生回路から供給された駆動信号の中から各画素の画像データに応じて駆動パルスを選択して各圧力室に供給する駆動パルス選択回路とからなり、各画素の画像データに応じて電気・機械変換手段としての隔壁27を駆動するための駆動パルスを供給する。一画素周期内の各駆動パルスは、圧力室の容積を膨張させる膨張パルスと、膨張パルスから所定時間後に圧力室の容積を収縮させる収縮パルスとを有し、これらの駆動パルス間の時間間隔が0.3AL(ALは圧力室の音響的共振周期の1/2)以上1.0AL以下に設定されている。
駆動パルス間の時間間隔とは直前の駆動パルスの印加終了時点から次の駆動パルスの印加開始時点までの時間間隔をさす。また、所定時間とは、膨張パルスの印加終了時点から収縮パルスの印加開始時点までの時間間隔をさす。
画像データを受信すると、制御部(図示せず)が搬送ローラのモータ及びキャリッジモータをそれぞれ制御すると共に、駆動信号発生回路に複数の駆動パルスを有する駆動信号を発生させる。さらに、制御部は、上記画像データに基づいて、駆動パルス選択回路に選択すべき駆動パルスの情報を出力する。そして、駆動パルス選択回路は、上記情報に基づいて、複数の駆動パルスのうちから所定の1または2以上の駆動パルスを選択して隔壁27に供給する。これにより、記録ヘッド2のノズル23から、一画素周期内に1または2以上のインク滴が吐出可能になっている。
かかる記録ヘッド2においては、各隔壁27表面に密着形成された電極29A、29B、29Cに駆動信号生成手段100の制御により駆動パルスが印加されると、以下に例示する動作によって圧力室28内のインクをインク滴としてノズル23から吐出する。なお、図3ではノズルは省略してある。
電極29A、29B、29Cのいずれにも駆動パルスが印加されない時は、隔壁27A、27B、27Cのいずれも変形しないが、図3(a)に示す状態において、電極29A及び29Cを接地すると共に電極29Bに膨張パルスを印加すると、隔壁27B、27Cを構成する圧電材料の分極方向に直角な方向の電界が生じ、各隔壁27B、27C共に、それぞれ隔壁27a、27bの接合面にズリ変形を生じ、図3(b)に示すように隔壁27B、27Cは互いに外側に向けて変形し、圧力室28Bの容積を膨張して圧力室28B内に負の圧力が生じてインクが流れ込む。
更に、この状態を所定時間保持した後、電位を0に戻すと、隔壁27B、27Cは図3(b)に示す膨張位置から図3(a)に示す中立位置に戻り、圧力室28B内のインクに高い圧力が掛かる。これにより圧力室28Bを満たしているインクの一部によるノズル内のインクメニスカスがノズルから押し出される方向に変化する。この正の圧力がインク滴をノズルから吐出する程に大きくなると、インク滴はノズルから吐出する。
中立位置に戻った状態を所定時間保持した後、図3(c)に示すように、隔壁27B、27Cを互いに逆方向に変形するように収縮パルス(キャンセルパルス)を印加して、圧力室28Bの容積を収縮させると、圧力室28B内に正の圧力が生じ、残留する圧力波の一部がキャンセルされる。
この状態を所定時間保持した後、電位を0に戻し、隔壁27B、27Cを収縮位置から中立位置に戻すと、残留する圧力波の一部がキャンセルされる。他の各圧力室も駆動パルスの印加によって上記と同様に動作する。
上記のようにインク滴は飛翔して画像を形成するが、階調画像や高濃度の画像を詳細に形成するために、前述のように同一画素周期内に、画像データに応じて圧力発生手段に連続して一連の駆動パルスを複数回印加し、複数のインク滴を飛翔させ、該複数のインク滴で一つの画素(ドット)を形成することができる。このことにより、画素を埋めるドットを拡大したり、1画素に複数のインク滴を着弾させることにより、階調や高濃度の画素を形成することによって、高画質な画像を形成することができる。
前記複数のインク滴が合体して一つの画素を形成する場合、該複数の個々のインク滴をサブドロップSD、合体したものをスーパードロップと記すことにする。
複数のサブドロップSDを1画素内に着弾させてスーパードロップを形成するには、基本的に各サブドロップSDが飛翔する速度のばらつきを小さくする必要がある。各サブドロップSDが飛翔する速度のばらつきが大きいとサブドロップSDの着弾位置の精度の低下により印字品質の低下を招いてしまう。
また、マルチドロップ駆動においては、SD吐出毎の残留圧力波を適宜キャンセルする必要がある。残留圧力波が大きすぎると、SD間で速度がばらつき、1画素を形成する複数のSD(インク滴)が互いに離れて着弾し、画素が乱れたり、メニスカス位置の変動から安定吐出できないという問題が発生する。
本発明における駆動信号は、インク滴をそれぞれ吐出させるための複数の駆動パルスを一印刷周期内に連続的に印加する駆動信号であって、一印刷周期内の各駆動パルスは、前記圧力室の容積を膨張させる膨張パルスと、該膨張パルスから所定時間後に前記圧力室の容積を収縮させる収縮パルスとを有し、これらの駆動パルス間の時間間隔が0.3AL以上1.0AL以下であることを特徴とする。
なお、AL(Acoustic Length)とは、圧力室の音響的共振周期の1/2である。またパルス幅とは、電圧の立ち上がり始めから10%と立ち下がり始めから10%との間の時間と定義する。このALは、電気・機械変換手段である隔壁27に矩形波の電圧パルスを印加して吐出するインク滴の速度を測定し、矩形波の電圧値を一定にして矩形波のパルス幅を変化させたときに、インク滴の飛翔速度が最大になるパルス幅として求められる。さらにここで矩形波は、電圧の10%と90%との間の立ち上がり時間、立ち下がり時間のいずれもがALの1/2以内、好ましくは1/4以内であるような波形である。
図4は、本実施形態において、インク滴を吐出するために駆動信号生成回路100から隔壁27に印加される駆動信号を示している。図4は、本実施形態におけるスーパードロップを形成し、飛翔させる駆動パルスの波形を示した図であり、横軸に時間をとり、縦軸には駆動パルスの電圧をとってある。
本実施の形態においては、N個(Nは2以上の整数)のサブドロップSD、SD、・・・SDN−1、SDによって1個のスーパードロップUDを形成する場合に、図4に示すように、サブドロップSD、SD・・・SDN−1、SDをそれぞれ吐出するための駆動パルスP、P、・・・PN−1、Pの駆動周期を短くして高速駆動しても、後の説明から明らかなように、安定してスーパードロップUDを形成することができる。
図4において、B、B、・・・BN−1、Bは各膨張パルスのパルス幅、C、C、・・・CN−1、Cは各収縮パルス(キャンセルパルス)のパルス幅、K、K、・・・KN−1、Kは各膨張パルスと収縮パルスの時間間隔、Y、Y、・・・YN−1は各駆動パルス間の時間間隔、Yは最後の駆動パルスと次の画素の最初の駆動パルスとの時間間隔、t、t、・・・tN−1、tは各駆動パルスの周期をそれぞれ示している。
そして、本実施形態においては、一印刷周期内の各駆動パルスは、圧力室の容積を膨張させる膨張パルスと、該膨張パルスから所定時間後に前記圧力室の容積を収縮させる収縮パルス(キャンセルパルス)からなり、各駆動パルス間の時間間隔であるY、Y、・・・YN−1は0.3AL以上1.0AL以下に設定されている。
このように駆動パルスを上記構成とし、各駆動パルス間の時間間隔を0.3AL以上1.0AL以下の値に設定することにより、1発ごとの液滴の射出時の残留圧力波振動をキャンセルでき、残留圧力波振動が大きく抑えられるため、1発ごとの駆動周期を短くすることができ、高速駆動が可能になる。また、残留振動が少ないので、安定に射出することも可能になり、各サブドロップが画素に着弾する位置のばらつきを小さく抑えることができ、印字品質の向上を図ることができる。
即ち、収縮パルス(キャンセルパルス)により、1発ごとの液滴の射出時の残留圧力波振動を抑えているが、0には抑えきれず、一部が残る。駆動パルス間の時間間隔を0.3AL以上1.0AL以下の値に設定することで、この残り部分の圧力波と次の駆動パルスの印加開始時のパルスエッジで発生する圧力波との圧力波の重畳が抑えられ、安定に射出することが可能になるものと推測される。
また、各膨張パルスのパルス幅と、各収縮パルスのパルス幅と、各膨張パルスと各収縮パルスの時間間隔とがともに1ALに設定することが好ましい。
このように1ALに設定することにより、圧力波振動のキャンセル効果を高めることができ、SD射出の、さらなる安定化を図ることができる。
また、各膨張パルスの駆動電圧をVon(V)、前記収縮パルスの駆動電圧をVoff(V)としたとき、|Voff|/|Von|<1に設定することが好ましく、さらに好ましくは、|Voff|/|Von|=1/2に設定する。
このように|Voff|/|Von|<1に設定することにより、圧力波振動のキャンセル効果を高めることができ、さらなる射出の安定化を図ることができる。
また、一画素周期内の最初の駆動パルスにより吐出されるインク滴の体積をV、n個(nは2以上の整数)の駆動パルスにより吐出されるn個のインク滴の総体積をVとしたとき、V≦(V)/nであることが好ましい。
このようにV≦(V)/nとなるような条件で駆動することにより、直前の駆動パルスにより振動が引き起こされたノズル開口のメニスカスが圧力室の方向に引き込まれている時点で次の駆動パルスによるSDのインク吐出を開始するようになるため、さらなる射出の安定化を図ることができる。
図4の駆動信号では、最大N個のインク滴を吐出し、0階調からN階調までの印字ができる。
例えば、N=3とした場合には、0ドロップ(0階調)、一画素周期内の最初の駆動パルスにより吐出されるサブドロップSDの1ドロップ(1階調)、SDと一画素周期内の2番目の駆動パルスにより吐出されるSDの2ドロップ(2階調)、SDとSDと一画素周期内の3番目(最後)の駆動パルスにより吐出されるSDの3ドロップ(3階調)のそれぞれで0階調から3階調までの印字ができる。
ここで、サブドロップSDの体積をV、サブドロップSDの体積をV、サブドロップSDの体積をVとしたとき、前述のV≦(V)/nを満足するためには、以下の関係を満足するればよい。
≦(V+V)/2
≦(V+V+V)/3
また、一画素周期内の各駆動パルスにより吐出される各インク滴の速度が、±20%以内の範囲内にあることが好ましい。
このような条件で駆動することにより、各サブドロップ間の速度のばらつきが少なくなるので、各サブドロップが画素に着弾する位置のばらつきを小さく抑えることができ、印字品質のさらなる向上を図ることができる。
また、SDのサブドロップを吐出する最後の駆動パルスPと次の画素の最初の駆動パルスPとの時間間隔は0.3AL以上1.0AL以下に設定することが好ましい(後述する3サイクル駆動では、直前のサイクルで駆動する組の最後の駆動パルス次のサイクルで駆動する組の最初の駆動パルスとの時間間隔に相当)。
このように0.3AL以上1.0AL以下に設定することにより、最後の駆動パルスPによる圧力波振動のキャンセル効果を高めることができ、次の画素の1発目のSD射出の安定化を図ることができる。
また、一画素周期内の各駆動パルス各駆動パルスにおける膨張パルスの駆動電圧Vonは互いに実質的に等しく、かつ、収縮パルスの駆動電圧Voffは互いに実質的に等しいことが好ましい。ここで実質的に等しいとは、各駆動パルスにおける膨張パルス(収縮パルス)の駆動電圧が±0.5Vの範囲にあることをいう。また、電圧とはパルスの最大電圧を指す。
このように各駆動パルスの駆動電圧は実質的に等しくすることにより、駆動回路を簡略化でき、コスト低減を図ることができる。
なお、駆動パルスの電圧Vonと電圧Voffの基準電圧は0とは限らない。この電圧Vonと電圧Voffは、それぞれ基準電圧からの差分の電圧である。なお、本実施形態では基準電圧をGNDレベルとしているため、低電圧化が可能であり、駆動電圧の低減化により、圧電材料(PZT)の劣化を抑えることができると共に、低い駆動電圧でありながら、圧力室内に大きな圧力変動を与えることが可能である。
また、この基準電圧に保持された状態を基準状態としたとき、各駆動パルスは、所定の基準状態から前記圧力室の容積を膨張させた後、前記基準状態に戻す膨張パルスと、前記基準状態が保持される所定時間と、前記圧力室の容積を収縮させた後、前記基準状態に戻す収縮パルスとを有し、これらの駆動パルス間においては前記基準状態が保持されることが好ましい。各駆動パルスの始点と終点の電圧(基準電圧)を等しくさせることができるので、駆動パルスを連続的に発生させる際に電圧を戻すための不要な信号を付加する必要が無くなる。
また、基準状態における圧力室は膨張状態でも収縮状態でもない基準容積の状態にあることが好ましい。
各駆動パルスは、同一波形の駆動パルスで構成することが好ましい。駆動信号生成回路の構成を簡略化できる。本実施形態においては、立ち上がり時間と立ち下がり時間がともにほぼ0に近い矩形波パルスを用いている。矩形波からなるパルスを用いることにより、駆動効率が向上するとともにパルス幅の設定が容易になる。
シェアモードタイプの記録ヘッド2では、前記のようにインク滴を吐出させる圧力室28Bの側壁27B及び27Cが変形の動作をすると、隣の圧力室28A、28Cが影響を受けるため、隣接する圧力室28A、28Cからは同時にインク滴の吐出ができない。このため、通常、通常、複数の圧力室28のうち、互いに1本以上の圧力室28を挟んで離れている圧力室28をまとめて1つの組となすようにして、2つ以上の組に分割し、各組毎にインク吐出動作を時分割で順次行うように駆動制御される。例えば、全圧力室28を2つおきに選んで3相に分けて吐出する、いわゆる3サイクル吐出法が行われる。しかし、一つの圧力室からインク滴を吐出すると、吐出した圧力室の振動が隣接する圧力室にも伝わるので、これらの振動がある程度収まってから次の吐出が可能となる。また、別のチャネル構成として、圧力室と該圧力室の少なくとも両隣にインクを含まない、即ちインクの出射を行わない空気室(ダミーチャネル)を交互に設けて、インク滴を吐出した圧力室の影響が、その隣の圧力室に伝わらないようにする方法がある。この場合、各圧力室は同じタイミングでインク滴の吐出を行うことができる。本発明は上記いずれの方法にも適用可能であるが、特に後者の場合、マルチドロップのインク滴をより安定して吐出可能となるために好ましい。
かかる3サイクル吐出動作について図5を用いて更に説明する。図5に示す例では、記録ヘッドは圧力室がA1、B1、C1、A2、B2、C2、A3、B3、C3の9つの圧力室28で構成されているものとし、図4の駆動信号を基本として、1画素周期に7発(N=7)のインク滴を吐出する例に挙げて説明する。また、このときのA、B、Cの各組の圧力室28の電極に印加される駆動信号のタイミングチャートを図6に示す。
最初のサブドロップSDを吐出するために、パルス幅がBの膨張パルス、それから所定時間K後にパルス幅がCの収縮パルスからなる駆動パルスPを印加し、その後に所定の時間間隔Y(0.3AL以上1.0AL以下)を設ける。
次にサブドロップSDを吐出するために、パルス幅がBの膨張パルス、それから所定時間K後にパルス幅がCの収縮パルスからなる駆動パルスPを印加し、その後に所定の時間間隔Y(0.3AL以上1.0AL以下)を設ける。
同様にして、SD〜SDのサブドロップを吐出する駆動パルスを所定の時間間隔Y(0.3AL以上1.0AL以下)で印加する。また、SDのサブドロップを吐出する最後の駆動パルスPと次のサイクルで駆動する組の最初の駆動パルスPとの時間間隔は0.3AL以上1.0AL以下に設定する。
SD〜SDの7滴によるスーパードロップを形成する期間を画素周期とする。
図6に示す駆動パルスによりスーパードロップを形成し飛翔させた場合に、高速駆動で、かつ、サブドロップSD〜SDを安定して射出できる。
インク吐出時には、まずA組(A1、A2、A3)の各圧力室28の電極に前記SD〜SDを吐出する1連の駆動パルス電圧を掛け、その両隣の圧力室の電極を接地し、A組のノズルからSD〜SDのインク滴を吐出させる。
続いてB組(B1、B2、B3)の各圧力室28、更に続いてC組(C1、C2、C3)の各圧力室28へと上記同様に動作する。
以上は、ベタ画像(フル駆動)の場合であるが、実際は、各画素の印字データに応じて、SD〜SDのうちの吐出するインク滴の数を変化させる。
かかるせん断モードタイプのインクジェット記録ヘッドでは、隔壁27の変形は壁の両側に設けられる電極に掛かる電圧差で起こるので、インク吐出を行う圧力室の電極に負電圧を掛ける代わりに、図7に示すように、インク吐出を行う圧力室の電極を接地して、その両隣の圧力室の電極に正電圧を掛けるようにしても同様に動作させることができる。この後者の方法によれば、図6の駆動信号を印加した場合と全く同一の効果を奏することができる上に、正電圧のみによって回路構成が可能であるため、回路設計上有利である。
以上の実施形態では、圧力発生手段(隔壁)が圧電素子により構成されるものを示した。本発明のインクジェット記録装置は、このように圧力発生手段が圧電素子により構成されるものである場合に、圧力室の容積を膨張させる制御が容易にできるために好ましい。
また、上記実施形態では、ALに比べて十分に短い立ち上がり時間及び立ち下がり時間を持った矩形波の駆動パルスを圧電素子に印加している。矩形波を用いることで、圧力波の音響的共振をより有効に利用した駆動を行なうことができる。台形波を使用する方法に比べてインク滴を吐出させる効率が良く、低い駆動電圧で駆動することができる上に、簡単なデジタル回路で駆動回路を設計できる効果がある。また、パルス幅の設定が容易になるという利点を有する。
また、上記実施形態例では、圧力発生手段として電界を印加することによりせん断モードで変形するせん断モード型の圧電素子を用いた。せん断モード型の圧電素子では、矩形波の駆動パルスをより効果的に利用することができ、駆動電圧が下げられ、より効率的な駆動が可能となるため好ましい。
また、本発明のインクジェット記録装置は、圧力発生手段がせん断モード型の圧電素子である場合に、顕著な効果を発揮する。せん断モード型の圧電素子では、圧力波の共振を利用して駆動するので、圧力振動が残留しやすく、これにより、マルチドロップで高速駆動を行った場合、吐出が不安定になりやすいからである。
但し、本発明は、必ずしも記録ヘッドの圧力室の容積を電気・機械変換手段からなる隔壁を駆動させることによってノズルよりインク滴を吐出させるものに限らない。例えば、圧力室内の容積を圧力室の外側に設けた圧電材料からなる電気・機械変換手段によって変化させることによってノズルよりインク滴を吐出させるタイプの記録ヘッドや、圧力室内にヒータを配置し、このヒータを熱源として圧力室内のインクを加熱させ、加熱時に発生する気泡のエネルギーを利用してインク滴を吐出させるタイプの記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置であってもよい。
以下、本発明の効果を実施例に基づいて例証するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《画像形成と評価1》
(実施例1〜8)
図2に示すシェアモードタイプの記録ヘッドA(ノズルピッチ:180dpi、ノズル数:256、ノズル径:23μm、AL:2.5μs、インク滴量:4pl)を2つ用意し、各ヘッドのノズル列が、相互に1/2ピッチずらされ、千鳥状に配置するように貼り合わせた。これにより、各ヘッドのそれぞれが180dpiのヘッドであるので、ノズルのピッチを互いに1/2ずらせることで、360dpiの記録ヘッドとして使用することが可能となり、ノズル数を増やし、高密度の記録ヘッドとすることができる。
この2列ヘッド(ノズルピッチ:360dpi、ノズル数:512)を備えた図1に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、インクを装填し、下記の条件で吐出した。
インク:アクリル系紫外線硬化インク(粘度10cp(50℃における測定値)、表面張力30mN/m(25℃における測定値))。
この2列ヘッド(ノズルピッチ:360dpi、ノズル数:512)の各列の圧力室を図6に示したSD〜SDのサブドロップをそれぞれ吐出させる3つの駆動パルスP〜Pを1画素周期毎に含む駆動信号を基本として、3群に分け、3サイクル駆動を行った。
各駆動パルスは、各膨張パルスの駆動電圧Vonと各収縮パルスの駆動電圧Voffの比(|Voff|/|Von|)は1/2とした。
また、各膨張パルスのパルス幅(B〜B)を1AL、各収縮パルスのパルス幅(C〜C)を1AL、各膨張パルスと各収縮パルスの時間間隔(K〜K)を1ALとした。
各駆動パルス間の時間間隔(Y〜Y)を表1に示す8通りに変化させた。なお、Y〜Yは同一の時間間隔とした。
また、直前のサイクルで駆動する組の最後のSDのサブドロップを吐出する駆動パルスPと次のサイクルで駆動する組の最初の駆動パルスPとの時間間隔Yは、上記各駆動パルスの時間間隔(Y〜Y)と同一に設定した。即ち、例えば、表1の実施例2では、Y〜Yがすべて0.5μsに設定され、実施例3では、Y〜Yがすべて0.75μsに設定されている。
尚、インクを吐出する際はインクタンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。また、記録ヘッド2の両側(キャリッジ上)に光照射手段である、照度(光量):100mW/cmのLED(日亜化学社製(特注品)、ピーク波長:365nm)を設置し、インク着弾後0.1秒後に紫外線が照射されてインクを硬化した。
記録媒体は、上質紙を使用した。なお、印字中は、記録媒体を裏面から加温して、画像記録時の記録媒体の表面温度が45℃になるようにヒーター温度を設定した。記録媒体の表面温度は、非接触温度計(IT−530N形(株)堀場製作所社製)を用いて測定した。
このときの出射安定性及び画素形状を下記の方法で測定した結果を表1に示す。いずれも△以上の性能を許容レベルとした。
〔出射安定性の測定方法〕
それぞれの駆動パルス印加条件において、駆動電位Von、Voffを変化させることによりインク滴の飛翔速度を上げていき、飛翔状態を観察した。吐出方向の曲がりやサテライトの飛散などが起こらない飛翔速度の上限を安定出射速度上限と定めた。SD〜SDの平均値で評価した。
出射安定性の評価基準
○:8.5m/s≦安定出射速度上限
△:8m/s≦安定出射速度上限<8.5m/s
×:安定出射速度上限<8m/s
〔画素形状の評価〕
各駆動パルスは、各膨張パルスの駆動電圧Vonを16V、各収縮パルスの駆動電圧Voffを8Vとし、上質紙に形成した画像について、1画素に打ち込まれた7滴のインク滴による1ドットの形状をルーペで拡大観察し、下記の評価基準に則りドット形状の評価を行った。
○:1画素を形成する7つのSD(インク滴)がほぼ同一位置に着弾し、ドット形状の乱れがほぼない。
△:1画素を形成する7つのSD(インク滴)が互いに若干離れて着弾し、ドット形状もやや乱れているが、許容の範囲である。
×:1画素を形成する7つのSD(インク滴)が互いに離れて着弾し、画素が乱れ、ドット形状が悪く、実用上問題となるレベル。
(実施例9〜20)
圧力室の長さLを長くしてAL:5.0μsとした以外は、上記記録ヘッドAと同様にして記録ヘッドBを作製し、各駆動パルスの時間間隔(Y〜Y)を表1に示す12通りに変化させた以外は、同様にして評価した。
Figure 2010094972
表1より、ALの値が異なる記録ヘッドA、Bのいずれにおいても、駆動パルス間の時間間隔が0.3AL以上1.0AL以下の条件を満たす本発明のインクジェット記録装置は、満たさない比較例のインクジェット記録装置に比べて、出射安定性が良好であり、SD〜SDの各インク滴により形成した1ドットの画素形状に優れることが確認できた。
《画像形成と評価2》
(実施例21〜30)
評価1と同様の記録ヘッドを用いて、表1の実施例5または実施例15と同一の条件で、各膨張パルスのパルス幅B(B〜B)を1ALで固定し、各収縮パルスのパルス幅C(C〜C)、各膨張パルスと各収縮パルスの時間間隔K(K〜K)を表2に示す通りに変化させた以外は、同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2010094972
表2から、ALの値が異なる記録ヘッドA、Bのいずれにおいても、各膨張パルスのパルス幅B(B〜B)、各収縮パルスのパルス幅C(C〜C)、各膨張パルスと各収縮パルスの時間間隔K(K〜K)がともに1ALである条件を満たす実施例23,28のインクジェット記録装置は、満たさない実施例21、22,24〜27,29.30のインクジェット記録装置に比べて、出射安定性が良好であり、SD〜SDの各インク滴により形成した1ドットの画素形状に優れることが確認できた。
《画像形成と評価3》
(実施例31〜40)
評価1と同様の記録ヘッドを用いて、表1の実施例5または実施例15と同一の条件で、各膨張パルスの駆動電圧Vonと各収縮パルスの駆動電圧Voffの比(|Voff|/|Von|)を表3に示す通りに変化させた以外は、同様にして評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 2010094972
表3から、ALの値が異なる記録ヘッドA、Bのいずれにおいても、|Voff|/|Von|が1/2である条件を満たす実施例33,38のインクジェット記録装置は、満たさない実施例31,32,34〜37、39,40のインクジェット記録装置に比べて、出射安定性が良好であり、SD〜SDの各インク滴により形成した1ドットの画素形状に優れることが確認できた。
1 インクジェット記録装置
2 記録ヘッド
21 インクチューブ
22 ノズル形成部材
23 ノズル
24 カバープレート
25 インク供給口
26 基板
27 隔壁
28 圧力室
3 搬送機構
31 搬送ローラ
32 搬送ローラ対
33 搬送モータ
4 ガイドレール
5 キャリッジ
6 フレキシケーブル
7、8 インク受け器
100 駆動信号生成手段
P 記録媒体
PS 記録面

Claims (11)

  1. インク滴を吐出するノズルと、前記ノズルに連通する圧力室と、前記圧力室の容積を変化させる圧力発生手段を有する記録ヘッドと、インク滴をそれぞれ吐出させるための複数の駆動パルスを一印刷周期内に連続的に印加する駆動信号を生成する駆動信号生成手段とを備え、前記駆動信号を印加することによって、前記圧力発生手段を作動させて前記ノズルからインク滴を吐出させるようにしたインクジェット記録装置において、
    一印刷周期内の各駆動パルスは、前記圧力室の容積を膨張させる膨張パルスと、該膨張パルスから所定時間後に前記圧力室の容積を収縮させる収縮パルスとを有し、これらの駆動パルス間の時間間隔が0.3AL(ALは圧力室の音響的共振周期の1/2)以上1.0AL以下であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記膨張パルスの駆動電圧をVon(V)、前記収縮パルスの駆動電圧をVoff(V)としたとき、
    各駆動パルスにおける膨張パルスの駆動電圧Von(V)は互いに実質的に等しく、かつ、収縮パルスの駆動電圧Voff(V)は互いに実質的に等しいことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記膨張パルスのパルス幅と前記所定時間と前記収縮パルスのパルス幅とがともに1ALであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記一印刷周期内の最初の駆動パルスにより吐出されるインク滴の体積をV、n個(nは2以上の整数)の駆動パルスにより吐出されるn個のインク滴の総体積をVとしたとき、V≦(V)/nであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記一印刷周期内の各駆動パルスにより吐出される各インク滴の速度が、±20%以内の範囲内にあることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記膨張パルスの駆動電圧をVon(V)、前記収縮パルスの駆動電圧をVoff(V)としたとき、
    |Voff|/|Von|<1であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
  7. |Voff|/|Von|=1/2であることを特徴とする請求項6に記載の液滴吐出装置。
  8. 各駆動パルスは矩形波からなるパルスであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記圧力発生手段は、電気・機械変換手段であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記電気・機械変換手段は、隣接する圧力室間の隔壁の少なくとも一部を形成し、且つ駆動パルスを印加することによりせん断モードで変形する圧電材料により構成されることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  11. 各駆動パルスは、所定の基準状態から前記圧力室の容積を膨張させた後、前記基準状態に戻す膨張パルスと、前記基準状態が保持される所定時間と、前記圧力室の容積を収縮させた後、前記基準状態に戻す収縮パルスとを有し、これらの駆動パルス間においては前記基準状態が保持されることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
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