JP4529515B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

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本発明は、駆動パルスの圧力発生素子への供給を制御することで、ノズル開口からの液滴の吐出を制御可能な液体噴射装置に関する。
液体噴射装置は、液体を液滴として吐出可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を吐出する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、対象物としての記録紙等に対して液体状のインクを吐出(噴射)してドットを形成することにより記録を行うインクジェット式プリンタ等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレー、プラズマディスプレー、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレー、或いはFED(面発光ディスプレー)等のディスプレー製造装置においては、色材や電極等の液体状の各種材料を、画素形成領域や電極形成領域等に対して吐出するためのものとして、液体噴射装置が用いられている。
ここで、上記インクジェット式プリンタ(以下、単にプリンタと略記する。)を例に挙げると、このプリンタは、圧力室に連通したノズル開口、および圧力室内のインクに圧力変動を生じさせ得る圧力発生素子を有する記録ヘッドと、駆動パルスを含んだ駆動信号を発生する駆動信号発生回路とを備え、駆動パルスを圧力発生素子へ供給することで圧力発生素子を作動して、ノズル開口からインクをインク滴として吐出するように構成されている。
このようなプリンタについて、上記駆動パルスを、インクを吐出させる吐出パルスと、インクを吐出させない程度にノズル開口のメニスカス(ノズル開口で露出しているインクの自由表面)を微振動させる微振動パルスとを含んで構成するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この微振動パルスは、例えば、インクを吐出しない非吐出期間にメニスカスを微振動させてノズル開口と圧力室内との間でインクを対流させ、非吐出期間中にノズル開口のインクが増粘する不都合を防いでいる。したがって、非吐出期間が長い場合(具体的には、複数の空白行の後に印字する間欠印字を行う場合等)であっても、ノズル開口から吐出されるインク滴の飛翔安定性を維持し易い。
特開2000−37867号公報
ところで、微振動パルスがインク増粘防止の効果を発揮するためには、図7(a)中に示す微振動駆動電圧Vhv(微振動パルスPV中の最高電位と最低電位との差)を、上記したインクの対流を十分に引き起こす程度に設定する必要がある。この設定は、例えば、微振動パルスPVの供給時間tと、間欠印字において良好な印字結果が得られる微振動レベル(微振動駆動電圧Vhvと吐出駆動電圧Vhs(吐出パルスPS中の最高電位と最低電位との差)との比)との関係(図7(b)における実線L0)に基づいて行われる。そして、実際のプリンタにおいては、インク粘度の許容誤差を見込んで、図7(b)中実線で示される値よりも少し高めの微振動レベルが設定されている。
しかしながら、増粘し易いインクや高粘度のインクを吐出対象液体として使用する場合には、微振動駆動電圧を更に高くしてメニスカスの微振動を十分に発生させなければならない。ところが、微振動駆動電圧を高くし過ぎて設定すると、連続印字安定性を維持可能な微振動レベルの上限L1(図7(b)中破線で示された値)を超えてしまい、連続印字安定性と間欠印字評価とを満足させる微振動レベルの設定範囲(図中斜線部で表示)から外れてしまう。すなわち、メニスカスの微振動が収束しないうちに吐出パルスが供給されて、インク吐出時のメニスカス振動が設計どおりに行われず、良好な印字結果を得ることができない虞がある。
そこで、良好な印字結果を得るために、微振動を十分に収束させて液滴吐出への影響を抑える必要があるのだが、そのためには、微振動パルス供給時間を長く設定(すなわち、微振動パルスの電位勾配を緩く)するか、あるいは微振動パルス終了から吐出パルス開始までの時間を長く設定しなければならない。したがって、高粘度インク使用時に印字速度を高速化することが難しい。また、微振動レベルの選択範囲が狭く制限され、印字動作の設定の自由度を増やし難い。
また、微振動パルスの供給時間を短時間に設定する場合においては、図7(b)に示すように、連続印字安定性と間欠印字評価とを満足させる微振動レベルの設定範囲が存在しない。このことから、短時間の微振動パルスの供給を選択し難く、良好な印字(液滴吐出)に掛かる時間を短縮することが困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノズル開口における液体の増粘を抑える微振動の設定自由度を増やし、良好な液滴吐出の高速化を図ることができるようにするものである。
本発明の液体噴射装置は、上記目的を達成するために提案されたものであり、圧力室に連通したノズル開口、および圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ得る圧力発生手段を有する液体噴射ヘッドと
前記ノズル開口から吐出させる吐出パルスと、前記ノズル開口から吐出させない程度に前記ノズル開口のメニスカスを微振動させる微振動パルスとを含む駆動パルスを前記圧力発生手段に供給する駆動信号発生手段と、を備え
前記駆動信号発生手段は、
第1の電位から前記第1の電位よりも高い第2の電位まで電位を上昇させる第1膨張要素と、
前記第2の電位を所定時間維持する膨張ホールド要素と、
前記第2の電位から、前記第1の電位より低い第3の電位まで電位を下降させ前記液滴を吐出させる吐出要素と、
前記第3の電位を維持する吐出ホールド要素と、
前記第3の電位を前記第1の電位と前記第3の電位との間の第4の電位まで上昇させる第1膨張復帰要素と、
前記第4の電位を所定時間維持する膨張復帰ホールド要素と、
前記第4の電位から前記第1の電位まで電位を復帰させる第2膨張復帰要素と、を構成要素とする吐出パルスを発生させる液体噴射装置において、
前記駆動信号発生手段は、
前記第1の電位から、前記第1の電位と前記第2の電位との間の第5の電位まで前記液滴が吐出されない程度の電位勾配で電位を上昇させる微振動膨張要素と、
前記第5の電位を維持する微振動ホールド要素と、
前記第5の電位から前記第3の電位まで前記液滴が吐出されない程度の電位勾配で電位を下降させる微振動収縮要素と、
からなる微振動主要素と、
前記微振動主要素に続いて、前記第3の電位から前記第1の電位まで電位を上昇させる微振動制振要素と、
を構成要素とする微振動パルスを、
前記吐出パルスの前又は後に発生させるものであることを特徴とする。
そして、上記構成において、前記微振動制振要素を、次回の吐出パルスの前に配置することが望ましい。
さらに、上記構成において、前記微振動パルスは、液滴が吐出されない程度に圧力室を基準容積よりも膨張させる微振動膨張要素、および該微振動膨張要素により膨張した圧力室を収縮させる微振動収縮要素を備えた微振動主要素と、微振動収縮要素により収縮した圧力室を基準容積に膨張復帰させる微振動制振要素とから構成されることが望ましい。
上記構成によれば、微振動制振要素を微振動主要素の後に配置することにより、吐出パルスの供給前に発生させたメニスカスの微振動を収束させるので、微振動パルスによる圧力発生素子の駆動を強くしても、メニスカスの微振動が吐出パルスによるメニスカスの振動に加わる不具合を防ぐことができる。したがって、微振動の設定自由度を増すことができる。また、メニスカスの微振動を迅速に収束させることができ、良好な液滴吐出の高速化を図ることができる。さらに、高粘度や増粘し易い液体であっても、ノズル開口における増粘を抑えるとともにメニスカスの微振動が液滴吐出に影響を及ぼす不都合を防ぐことができ、良好な液滴吐出を実現することができる。
また、微振動制振要素を、次回の吐出パルスの前に配置すれば、常に、メニスカスの微振動を収束させてから液滴を吐出することができ、微振動が液滴吐出に与える影響を一層防ぎ易い。
そして、微振動パルスは、液滴が吐出されない程度に圧力室を基準容積よりも膨張させる微振動膨張要素、および該微振動膨張要素により膨張した圧力室を収縮させる微振動収縮要素を備えた微振動主要素と、微振動収縮要素により収縮した圧力室を基準容積に膨張復帰させる微振動制振要素とから構成されれば、ノズル開口内を前進した状態のメニスカスを後退させながら微振動を収束することができ、微振動制振要素の供給時に液滴が吐出される虞がない。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下においては、本発明の液体噴射装置の一例としてインクジェット式プリンタ(以下、プリンタ1と略記する)を例示する。図1は、プリンタ1の機能ブロック図である。
プリンタ1は、図1に示すように、プリンタコントローラ2とプリントエンジン3とで概略構成されている。プリンタコントローラ2は、ホストコンピュータ(図示せず)等の外部装置からの印刷データ等が入力される外部インタフェース(外部I/F)4と、各種データ等を記憶するRAM5と、各種データ処理のための制御ルーチン等を記憶したROM6と、CPU等からなる制御部7と、発振回路8と、後述する記録ヘッド9へ供給する駆動信号を発生する駆動信号発生回路10と、印刷データをドット毎に展開(データ変換)することで得られた吐出データや駆動信号等をプリントエンジン3に出力するための内部インタフェース(内部I/F)11とを備えている。
制御部7は、ROM6に記憶された動作プログラム等に従ってプリンタ1の各部を制御するものである。また、制御部7は、外部インタフェース4を介して外部装置から入力された印刷データを、記録ヘッド9においてインク滴の吐出に用いられる吐出データに変換する。
駆動信号発生回路10は、制御部7によって定められた波形形状の駆動信号を発生する回路である。この駆動信号発生回路10は、例えば、図3に示すように、複数の吐出パルスおよび非記録時にメニスカスを微振動させるための微振動パルスを配置して構成される駆動パルスを含ませて駆動信号を発生し、この駆動信号を内部I/F11を介して記録ヘッド9側に供給する回路である。なお、駆動信号発生回路10で発生する駆動パルス(駆動信号)については、後で詳細に説明する。
プリントエンジン3は、記録ヘッド9と、記録ヘッド9が着脱可能に取り付けられるキャリッジを記録紙の紙幅方向(主走査方向)に移動させるキャリッジ移動機構14と、記録ヘッド9の移動方向に直交する方向である紙送り方向(副走査方向)に記録紙を搬送する紙送り機構15とから構成されている。記録ヘッド9は、本発明の液体噴射ヘッドの一種であり、印字データがセットされるシフトレジスタ(SR)16と、シフトレジスタ16にセットされた印字データをラッチするラッチ回路17と、電圧増幅器として機能するレベルシフタ18と、圧電振動子19と、圧電振動子19に対する駆動信号の供給を制御するスイッチ回路20とを備えている。
ここで、記録ヘッド9の構造について説明する。記録ヘッド9は、キャリッジ移動機構14による主走査方向への移動状態で液体状のインク(本発明における液体の一種)をインク滴としてノズル開口25から吐出可能に構成されている。この記録ヘッド9は、図2に示すように、複数の圧電振動子19、固定板26、及び、フレキシブルケーブル27等をユニット化した振動子ユニット28と、この振動子ユニット28を収納可能なケース29と、ケース29の先端面に接合された流路ユニット30とを備えている。
ケース29は、先端と後端が共に開放された収納空部31を形成した合成樹脂製のブロック状部材であり、収納空部31内には振動子ユニット28が収納固定されている。
圧電振動子19は、本発明における圧力発生素子の一種であり、縦方向に細長い櫛歯状に形成されている。この圧電振動子19は、圧電体と内部電極とを交互に積層して構成された積層型の圧電振動子であって、積層方向に直交する縦方向に伸縮可能な縦振動モードの圧電振動子である。そして、各圧電振動子19の先端面が、流路ユニット30の島部32に接合されている。
なお、この圧電振動子19はコンデンサと同じように振る舞う。すなわち、信号の供給が停止された場合において、圧電振動子19の電位(振動子電位)は、停止直前の電位で保持される。
流路ユニット30は、流路形成基板33を間に挟んでノズルプレート34を流路形成基板33の一方の面側に配置し、弾性板35をノズルプレート34とは反対側となる他方の面側に配置して積層することで構成されている。
ノズルプレート34は、複数(例えば、180個)のノズル開口25を副走査方向に沿って開設した薄手の金属製板材(例えば、ステンレス板)によって構成してある。流路形成基板33は、共通インク室36、インク供給口37、圧力室38、及び、ノズル連通口39からなるインク流路が形成された板状部材である。本実施形態では、この流路形成基板33を、シリコンウェハーのエッチング処理によって作製している。弾性板35は、ステンレス製の支持板40上に樹脂フィルム41をラミネート加工した二重構造の複合板材であり、圧力室38に対応した部分の支持板40を環状に除去して島部32を形成している。
この記録ヘッド9では、共通インク室36から圧力室38を通ってノズル開口25に至る一連のインク流路がノズル開口25毎に形成される。そして、圧電振動子19を充電したり放電したりすることで圧電振動子19が変形する。すなわち、この縦振動モードの圧電振動子19は、充電によって振動子長手方向に収縮し、放電によって振動子長手方向に伸長する。従って、充電によって振動子電位を上昇させると、島部32が圧電振動子19側に引っ張られ、島部32周辺の樹脂フィルム41が変形して圧力室38が膨張する。また、放電によって振動子電位を下降させると、圧力室38が収縮する。
このように、振動子電位に応じて圧力室38の容積が制御できるので、圧力室38内のインク圧力を可変でき、ノズル開口25からインク滴を吐出させることができる。例えば、基準容積の圧力室38を一旦膨張させた後に急激に収縮させることで、インク滴を吐出させることができる。また、ノズル開口25に露出したメニスカスの微振動を発生させることもできる。
次に、駆動信号発生回路10が発生する駆動信号に含まれる駆動パルスDPについて説明する。図3に例示した駆動パルスDPは、微振動パルスPVと、複数(本実施形態では3つ)の吐出パルスPSと、各パルス間を接続し圧電振動子19には供給されない接続要素PCとから構成されている。微振動パルスPVは、印字内微振動を行わせるためのパルスであり、図3(b)に示すように、ノズル開口25のメニスカスに微振動を発生させる微振動主要素Paと、該微振動主要素Paにより発生した微振動を収束させる微振動制振要素Pbとを含んで構成され、微振動制振要素Pbを微振動主要素Paの後に配置している。
微振動主要素Paは、中間電位(基準電位)VMからこの中間電位VMよりも高い微振動電位VMHまで、インク滴が吐出されない程度の比較的緩やかな電位勾配で電位を所定時間(例えば4μs)上昇させる微振動膨張要素P1と、微振動膨張要素P1に続いて発生されて微振動電位VMHを所定時間(例えば1μs)維持する微振動ホールド要素P2と、微振動ホールド要素P2に続いて発生されて、微振動電位VMHから中間電位VMよりも低い最低電位VGまで、インク滴が吐出されない程度の比較的緩やかな電位勾配で電位を所定時間(例えば8μs)下降させる微振動収縮要素P3とから構成されている。また、微振動制振要素Pbは、最低電位VGから中間電位VMまで比較的緩やかな電位勾配で電位を所定時間(例えば3μs)上昇させる要素である。なお、メニスカスに微振動を発生させるために印加される微振動駆動電圧は、微振動電位VMHと最低電位VGとの電位差Vhvで表現される。
そして、微振動主要素Paと微振動制振要素Pbとの間には、一定電位(最低電位VG)を維持した状態で両要素を接続する接続要素P4が配置されている。なお、この接続要素P4は、微振動収縮要素P3に続いて発生されており、最低電位VGを所定時間(例えば1μs)維持するホールド要素としても機能する。
また、吐出パルスPSは、ノズル開口25からインク滴を吐出させるためのパルスである。この吐出パルスPSは、中間電位VMから微振動電位VMHよりも高い最高電位VPまでインク滴を吐出させない程度の一定勾配で電位を上昇させる第1膨張要素P11と、第1膨張要素P11に続いて発生されて最高電位VPを所定時間維持する膨張ホールド要素P12と、膨張ホールド要素P12に続いて発生されて最高電位VPから最低電位VGまで急激に電位を下降させる吐出要素P13と、吐出要素P13に続いて発生されて最低電位VGを極く短い時間維持する吐出ホールド要素P14と、吐出ホールド要素P14に続いて発生されて最低電位VGから副中間電位(中間電位VMよりも少し低い電位)VMLまで僅かに電位を上昇させる第1膨張復帰要素P15と、副中間電位VMLを所定時間維持する膨張復帰ホールド要素P16と、副中間電位VMLから中間電位VMまで電位を復帰させる第2膨張復帰要素P17とにより構成されている。なお、インク滴を吐出させるために印加される吐出駆動電圧は、最高電位VPと最低電位VGとの電位差Vhsで表現される。
このような構成を備えた駆動パルスDPのうち、微振動パルスPVが圧電振動子19に供給されると、圧電振動子19や圧力室38は次のように動作する。すなわち、微振動膨張要素P1の供給に伴って圧電振動子19が少し収縮し、圧力室38が基準容積(本実施形態では、駆動信号が供給されていない定常状態の圧力室38の容積)から少し膨張する。この膨張に伴って圧力室38内が減圧され、メニスカスが圧力室38側に少し引き込まれる。この圧力室38の膨張状態は微振動ホールド要素P2の供給期間に亘って維持され、メニスカスはこの維持期間中に亘って自由振動する。
その後、微振動収縮要素P3が供給されて圧電振動子19が伸長し、圧力室38は基準容積よりも少し収縮する。この収縮に伴い、圧力室38内のインクが少し加圧されメニスカスの振動が加振される。これにより、ノズル開口25付近のインクが対流して増粘が防止される。この圧力室38の収縮状態は、接続要素P4の供給期間に亘って維持され、メニスカスはこの維持期間中に亘って自由振動する。そして、微振動制振要素Pbがメニスカスの微振動を打ち消し得るタイミングで供給され、圧電振動子19が再び収縮し、圧力室38は基準容積まで膨張復帰する。この膨張復帰に伴い、圧力室38内のインクが少し減圧される。これにより、メニスカスの微振動を短時間で収束させることができる。なお、このときメニスカスは、ノズル開口25内を前進した状態から後退しながら微振動を収束することができ、インク滴を吐出する虞がない。
上記微振動パルスPVの供給後、接続要素PCに引き続いて吐出パルスPSが圧電振動子19に供給されると、圧電振動子19や圧力室38は次のように動作する。すなわち、第1膨張要素P11の供給に伴って圧電振動子19が大きく収縮し、圧力室38が定常状態から最大容積まで膨張する。この膨張に伴って圧力室38内が減圧され、メニスカスが圧力室38側に引き込まれる。この圧力室38の膨張状態は膨張ホールド要素P12の供給期間に亘って維持され、メニスカスはこの維持期間中に亘って自由振動する。
続いて、吐出要素P13が供給されて圧電振動子19が大きく伸長し、圧力室38は最小容積まで急激に収縮する。この収縮に伴い、圧力室38内のインクが加圧されてノズル開口25からインク滴が吐出される。そして、吐出要素P13に続いて吐出ホールド要素P14が供給されるので圧力室38の収縮状態は維持されるが、このときメニスカスはインク滴吐出の影響を受けて大きく振動している。その後、メニスカスの振動を打ち消し得るタイミングで第1膨張復帰要素P15、膨張復帰ホールド要素P16、第2膨張復帰要素P17が供給され、圧力室38が基準容積(あるいは定常状態)まで膨張復帰する。すなわち、圧力室38内のインク圧力を相殺すべく、圧力室38を膨張させてインク圧力を減圧する。これにより、メニスカスの振動を短時間で抑制することができ、次のインク滴の吐出を安定させることができる。
上記のように微振動制振要素Pbを微振動主要素Paの後に配置して微振動パルスPVが構成され、この微振動パルスPVを次回の吐出パルスPSの前に配置して駆動パルスDPが構成されるので、微振動駆動電圧Vhvを従来の微振動パルスPV(図7(a)参照)のものよりも高く設定することができ、しかも、この微振動を、吐出パルスPSが圧電振動子19に供給される前に短時間で収束させることができる。したがって、連続印字安定性を満たす微振動駆動電圧Vhvの選択範囲を拡大することができる。具体的には、図4に示すように、微振動駆動電圧Vhvと吐出駆動電圧Vhsとの比で表現される微振動レベルについて、連続印字安定性を満たす選択範囲の上限L2を、従来の微振動レベルにおいて連続印字安定性を満たす選択範囲の上限L1よりも上昇させることができ、印字動作の設定の自由度を増すことができる。さらに、高粘度や増粘し易いインクを使用しても、ノズル開口25における増粘を抑えるとともにメニスカスの微振動がインク滴吐出に影響を及ぼす不都合を防ぐことができ、良好な(すなわち、設計どおりの)インク滴吐出を実現することができる。
また、上記連続印字安定性を満たす微振動レベルの上限が上昇したことに伴って、従来では連続印字安定性と間欠印字評価とを満足させる微振動レベルの設定範囲が存在しなかった供給時間、すなわち比較的短い微振動パルスPV供給時間であっても、良好な印字結果が得られる微振動レベルが選択可能となる。したがって、微振動パルスPVの供給時間tを短く(言い換えると、微振動膨張要素P1または微振動収縮要素P3の電位勾配をきつく)しても、吐出パルスPSが供給される前に微振動を収束させることができ、次回のメニスカスのインク滴吐出振動が微振動で乱れてしまうことを阻止することができる。したがって、良好な印字の高速化を図ることができる。
なお、微振動パルスPVの各要素の供給時間や電位設定は、インクの圧力振動の固有振動周期や、吐出パルスPSの吐出駆動電圧Vhsの値に基づいて設定してもよい。このようにすれば、記録ヘッド9の特性や印字モードの特性に対応して微振動パルスPVの設定を容易に調整することができ、固有振動周期や吐出駆動電圧Vhsの値の相違に拘らずメニスカスに発生した微振動を迅速に収束させることができて好適である。
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
上記各実施形態においては、微振動パルスPVは、圧力室38を膨張、収縮、膨張復帰の順序で変動させてノズル開口25のメニスカスの微振動を発生させていたが、本発明はこれに限らない。すなわち、微振動パルスPVは、圧力室38を収縮、膨張、収縮復帰の順序で変動させてメニスカスの微振動を発生させてもよい。具体的に説明すると、図5に示す微振動パルスPVは、微振動収縮要素P21、微振動ホールド要素P22、微振動膨張要素P23の順で微振動主要素Paを構成し、この微振動主要素Paの後ろに続けて接続要素P24、微振動制振要素Pbの順で圧電振動子19に供給されるように構成されている。まず、微振動収縮要素P21が圧電振動子19へ供給されると、この供給に伴って圧電振動子19が伸長し、圧力室38が基準容積から収縮する。この収縮に伴って圧力室38内が加圧され、メニスカスが圧力室38とは反対側に押し出される。この圧力室38の収縮状態は微振動ホールド要素P22の供給期間に亘って維持され、メニスカスはこの維持期間中に亘って自由振動する。
その後、微振動膨張要素P23が供給されて圧電振動子19が収縮し、圧力室38は基準容積よりも少し膨張する。この膨張に伴い、圧力室38内のインクが少し減圧されメニスカスの振動が加振される。これにより、ノズル開口25付近のインクが対流して増粘が防止される。この圧力室38の膨張状態は、接続要素P24の供給期間に亘って維持され、メニスカスはこの維持期間中に亘って自由振動する。そして、微振動制振要素Pbがメニスカスの微振動を打ち消し得るタイミングで供給され、圧電振動子19が再び伸長し、圧力室38は基準容積まで収縮復帰する。この収縮復帰に伴い、圧力室38内のインクが少し加圧される。これにより、メニスカスの微振動を短時間で収束させることができる。
また、上記実施形態では、駆動パルスDPの前段に微振動パルスPVを配置して、その後に続く吐出パルスPSの供給前に発生させたメニスカスの微振動を収束させるようにしたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、図6に示すように、駆動パルスDPは吐出パルスPSの後ろに微振動パルスPVを配置してもよい。このとき、微振動パルスPVは、次回の駆動パルスDPのうち最初の吐出パルスPSが供給される前に、メニスカスの微振動を収束させることができる。
上記各実施形態では、本発明の圧力発生素子として所謂縦振動モードの圧電振動子19を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、電界方向に振動可能な圧電振動子であってもよい。また、各ノズル列毎にユニット化されているものに限らず、所謂撓み振動モードの圧電振動子のように、圧力室毎に設けられるものであってもよい。さらに、圧電振動子に限らず、発熱素子等の他の圧力発生素子を用いることもできる。
また、本発明は、上記記録ヘッド以外の液体噴射ヘッドを有する液体噴射装置にも適用できる。例えば、ディスプレー製造装置、電極製造装置、チップ製造装置、マイクロピペット等にも適用することができる。
インクジェット式プリンタの機能ブロック図である。 記録ヘッドの構成を説明する断面図である。 (a)は駆動パルスの概略図、(b)は微振動パルスおよび吐出パルスの説明図である。 微振動制振要素を備えた駆動パルスについて、連続印字安定性と間欠印字評価とを満足させる微振動レベルの設定範囲を説明する図である。 第2実施形態における微振動パルスの概略図である。 微振動パルスを吐出パルスの後ろに配置した駆動パルスの概略図である。 (a)は従来の駆動パルスを示す概略図、(b)は従来の駆動パルスについて、連続印字安定性と間欠印字評価とを満足させる微振動レベルの設定範囲を説明する図である。
符号の説明
1 プリンタ,2 プリンタコントローラ,3 プリントエンジン,4 外部インタフェース,5 RAM,6 ROM,7 制御部,8 発振回路,9 記録ヘッド,10 駆動信号発生回路,11 内部インタフェース,14 キャリッジ移動機構,15 紙送り機構,16 シフトレジスタ,17 ラッチ回路,18 レベルシフタ,19 圧電振動子,20 スイッチ回路,25 ノズル開口,26 固定板,27 フレキシブルケーブル,28 振動子ユニット,29 ケース,30 流路ユニット,31 収納空部,32 島部,33 流路形成基板,34 ノズルプレート,35 弾性板,36 共通インク室,37 インク供給口,38 圧力室,39 ノズル連通口,40 支持板,41 樹脂フィルム

Claims (1)

  1. 圧力室に連通したノズル開口、および圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ得る圧力発生手段を有する液体噴射ヘッドと
    前記ノズル開口から吐出させる吐出パルスと、前記ノズル開口から吐出させない程度に前記ノズル開口のメニスカスを微振動させる微振動パルスとを含む駆動パルスを前記圧力発生手段に供給する駆動信号発生手段と、を備え
    前記駆動信号発生手段は、
    第1の電位から前記第1の電位よりも高い第2の電位まで電位を上昇させる第1膨張要素と、
    前記第2の電位を所定時間維持する膨張ホールド要素と、
    前記第2の電位から、前記第1の電位より低い第3の電位まで電位を下降させ前記液滴を吐出させる吐出要素と、
    前記第3の電位を維持する吐出ホールド要素と、
    前記第3の電位を前記第1の電位と前記第3の電位との間の第4の電位まで上昇させる第1膨張復帰要素と、
    前記第4の電位を所定時間維持する膨張復帰ホールド要素と、
    前記第4の電位から前記第1の電位まで電位を復帰させる第2膨張復帰要素と、を構成要素とする吐出パルスを発生させる液体噴射装置において、
    前記駆動信号発生手段は、
    前記第1の電位から、前記第1の電位と前記第2の電位との間の第5の電位まで前記液滴が吐出されない程度の電位勾配で電位を上昇させる微振動膨張要素と、
    前記第5の電位を維持する微振動ホールド要素と、
    前記第5の電位から前記第3の電位まで前記液滴が吐出されない程度の電位勾配で電位を下降させる微振動収縮要素と、
    からなる微振動主要素と、
    前記微振動主要素に続いて、前記第3の電位から前記第1の電位まで電位を上昇させる微振動制振要素と、
    を構成要素とする微振動パルスを、
    前記吐出パルスの前又は後に発生させるものであることを特徴とする液体噴射装置。
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