JP2013199025A - 画像形成装置、画像形成方法、及びプログラム - Google Patents

画像形成装置、画像形成方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】隣接ノズルを同時に駆動したときの損失を補正し、画像品質を向上させる。
【解決手段】画像を生成する画像データ、画像データを生成するインク滴を吐出するノズルを駆動する駆動波形信号を送信するヘッド制御部、画像データと駆動波形信号とに基づいて、ノズルからインク滴を吐出させるヘッドを駆動するヘッド駆動部、駆動されるノズル総数を検出するノズル総数検出部、隣接配置されているノズルが同時に駆動される割合を検出するノズル密集度検出部、ノズル総数と、ノズルが同時に駆動される割合とに基づいて、インク滴の噴射速度を補正する補正量を算出する補正量算出部、ヘッドを駆動する基準となる基準データを、補正量で補正し、ヘッドを駆動する駆動波形データを生成する駆動波形データ生成部、駆動波形データに基づいて、ヘッドを駆動する増幅部、を含む。
【選択図】図9

Description

本発明は、画像形成装置、画像形成方法、及びプログラムに関する。
複数のノズルからインクを吐出させるドット数を検知する検知手段と、当該検知手段の検知結果に応じて記録ヘッドに印加する駆動電圧を制御する手段とを備えたインクジェット記録装置は一般的に知られている。
特許文献1には、吐出ノズル増加に伴うヘッド駆動波形の電圧変動を改善し、駆動されるノズルの数にかかわらず高い印字品質を得ることを目的として、複数のノズルからインクを吐出させるドット数を検知する検知手段と、当該検知手段の検知結果に応じて記録ヘッドに印加する駆動電圧を制御する手段とを備えたインクジェット記録装置が開示されている。
特許文献2には、複数のノズル孔からインク滴を吐出してドットを記録した着弾位置調整用のチャートを作成し、ユーザが調整値を設定するようにすると、調整値の設定に手間がかかり、迅速性に欠けるという問題点を解消する目的で、記録ヘッドから同時に吐出するノズル孔数に応じて発生する駆動電圧の変動によるアンダーシュート、オーバーシュート、立ち上がり及び/又は立ち下がりの遅れの発生を適切かつ迅速に抑制することが可能な画像形成装置が開示されている。
しかしながら、従来の駆動電圧を制御する方法では、ヘッド駆動波形の電圧変動を改善することはできるが、ヘッド駆動波形の変動がなくても、隣接したノズルからインク滴を同時に多数噴射させようとすると、ヘッド構造の機械的干渉による圧力損失によって、各ノズルの噴射特性は変動してしまい、画像品質を確保することができないという問題があった。
また、特許文献1又は特許文献2に開示された発明は、複数のノズルからインクを吐出させるドット数を検知する検知手段と、当該検知結果に応じて記録ヘッドに印加する駆動電圧を制御しているが、ヘッド構造の機械的干渉による圧力損失によって、各ノズルの噴射特性は変動してしまう。
この点について図20を用いて説明する。図20は、従来のインクジェット記録装置における駆動ノズル数と噴射速度(Vj)との関係を表した図である。図20を参照すると、中央のノズルから、両側に隣接するノズル数を順次増加させた場合、駆動波形の電圧を、単一ノズル駆動時と同じ値になるよう補正したとしても、機械的相互干渉による噴射速度(Vj)の低下は残存してしまうという問題は解消されない。
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、インク吐出ノズル数の増加に伴う電気的負荷の増大によるヘッド駆動波形の補正に加え、隣接するノズルを同時に駆動したときの圧力損失を補正することにより、画像品質を向上させることができる画像形成装置、画像形成方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明における画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、前記画像を生成する画像データと、前記画像データを生成するインク滴を吐出するノズルを駆動する駆動波形信号とを送信する記録ヘッド制御部と、前記記録ヘッド制御部から送信された前記画像データと前記駆動波形信号とに基づいて、前記ノズルからインク滴を吐出させる記録ヘッドを駆動する記録ヘッド駆動部と、前記画像データに基づいて駆動されるノズル総数を検出する駆動ノズル総数検出部と、前記画像データに基づいて隣接配置されているノズルが同時に駆動される割合を検出する駆動ノズル密集度検出部と、前記駆動ノズル総数検出部によって検出された前記ノズル総数と、前記駆動ノズル密集度検出部によって検出された前記ノズルが同時に駆動される割合とに基づいて、前記インク滴の噴射速度を補正する補正量を算出する補正量算出部と、前記記録ヘッドを駆動する基準となる基準データを、前記補正量算出部によって算出された前記補正量で補正し、前記記録ヘッドを駆動する駆動波形データを生成する駆動波形データ生成部と、前記駆動波形データ生成部によって生成された前記駆動波形データに基づいて、前記記録ヘッドを駆動する増幅部と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、隣接するノズルが同時に駆動される度合いを示す駆動ノズルの密集度を検出し、ヘッドの構造に応じたインク滴の噴射速度(Vj)やインク滴噴射量(Mj)を補正することにより、画像品質を向上させることができる画像形成装置、画像形成方法、及びプログラムを得ることができる。
本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の基本構成を説明する図である。 本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の制御部の構成を説明するブロック図である。 本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の記録ヘッド制御部と記録ヘッド駆動部とノズル孔列との関係について説明するブロック図である。 本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の記録ヘッド制御部と記録ヘッド駆動部とノズル孔列との関係について説明するタイミングチャート図である。 本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の記録ヘッド駆動部に与える信号を生成する回路構成について説明する図である。 本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の記録ヘッドの液室長手方向に沿う断面図である。 本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の記録ヘッドの液室短手方向に沿う断面図である。 本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の記録ヘッドの要部平面説明図である。 本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の記録ヘッド制御部の回路構成について説明する図である。 本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の検出ノズル総数とインク滴噴射速度(Vj)との関係を示す図である。 本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置のインク滴噴射速度(Vj)の補正量(ΔVj)と駆動波形の補正率(α)との関係を示す図である。 本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置のヘッド駆動波形で印字させたときのノズルデータ転送と駆動波形の補正の実施タイミングの動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の画像データ(SD)の最大ノズル数検出結果による補正量(ΔVjb)を出力する回路構成について説明する図である。 本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の画像データ(SD)のパルス幅(ノズル数)について説明する図である。 本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の補正率特性を示す図である。 本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の連続ノズル数及びノズル位置検出結果による補正量(ΔVjb)を出力する回路構成について説明する図である。 本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の画像データ(SD)のパルス幅(ノズル数)について説明する図である。 本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の中心ノズル位置とインク滴の噴射速度(Vj)との関係を示す図である。 本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の時間とヘッド駆動波形(VCOM)の電圧との関係について、(a)駆動波形データ(WD)を補正しないとき、(b)補正率α(α>1)で電圧方向に補正したとき、(c)補正率β(β<1)で時間方向に補正したとき、をそれぞれ示す図である。 従来のインクジェット記録装置における駆動ノズル数と噴射速度(Vj)との関係を表した図である。
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化乃至省略する。本発明は、駆動波形の補正を、同時に駆動されるノズル総数から補正を行うと共に、機械的相互干渉を、少数のノズルが駆動されるときの駆動波形よりも多数のノズルが駆動されるときの駆動波形のエネルギー量を増加させるように制御し、駆動されるノズル数とそのときのノズルの密集度を検出して駆動波形を生成することが特徴になっている。
まず、最初に、本発明の実施形態における画像形成装置について説明する。図1は、本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の基本構成を説明する図である。図1において、キャリッジ101はガイドロット102によって保持され、主走査モータ103との間に渡されたプーリー104を介して主走査方向(プーリー104の長手方向)に走査する。
このキャリッジ101には、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びブラック(K)の各色のインク滴を吐出する記録ヘッド109が搭載されており、記録ヘッド109に配列されたインク吐出ノズル110からインク滴が吐出される。キャリッジ101を主走査方向に移動させながら必要な位置でインク滴を吐出することにより、記録媒体上に画像を形成する。
キャリッジ101の位置情報は、インクジェット記録装置100の筐体に固定されたエンコーダシート105に等間隔で記録されたパターンを、キャリッジ101に固定されたエンコーダセンサ106で移動しながら読み取り、カウンタ値を加算又は減算することによって得ることができる。
このような主走査方向のキャリッジ101の移動と、インク滴の吐出動作を1回行うことにより、ノズル列の長さと同じ幅のバンドに対して画像を形成することができ、1バンド分の画像形成が終了したならば、副走査モータ107を駆動し、記録媒体を副走査方向(図1の紙面の上下方向)に移動させ、再度1バンド分の画像形成動作をさせるように繰り返すことにより、記録媒体の任意の場所に画像を形成することができる。
次に、本発明の実施形態における画像形成装置の構成について説明する。図2は、本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の制御部の構成を説明するブロック図である。
本発明の実施形態における画像形成処理は、図2に示すように、インクジェット記録装置200全体を制御するホストPC(パーソナルコンピュータ)201からの信号を伝達するホストインタフェース(ホストI/F(Inter/Face))202と、画像形成処理を制御するCPU(Central Processing Unit)203と、ROM(Read Only Memory)204と、RAM(Random Access Memory)205と、記録ヘッド制御部206と、主走査制御部207と、副走査制御部208と、を備えている。そして、これらの機能ブロックは、バス209で連結され、これらの機能ブロックの信号の授受をCPU203で制御するようになっている。
具体的には、インクジェット記録装置200のハードウェア制御を行うファームウェアや記録ヘッド1 217〜記録ヘッド4 220を駆動する駆動波形データは、ROM204に格納されており、ホストPC201から印刷ジョブ(画像データ)を受信すると、CPU203は、画像データをRAM205に格納する。なお、駆動波形データは印字モードによって異なるものであり、例えば、波形の立ち上がり及び/又は立ち下がりの速度、振幅、パルス数等が異なるものである。
一方、記録ヘッド1 217〜記録ヘッド4 220が搭載されたキャリッジ210は、CPU203からの指示信号に基づいて、主走査制御部207を作動させ、主走査エンコーダセンサ215からの信号供給を得て、キャリッジ210の停止位置を認識し、また、主走査モータ216を作動させて記録媒体(P)上の任意の位置に移動させる。
また、後述するように、デジタル/アナログ変換(Digital/Analog Converter)回路(以下、「DAC」という。)、フィルタ回路、信号増幅アンプ回路を含む記録ヘッド制御部206は、主走査エンコーダセンサ215から得られるキャリッジ210の位置情報に連動し、RAM205に格納された画像データ、ROM204に格納された記録ヘッド駆動波形データに基づく駆動波形信号及び制御信号を、記録ヘッド1駆動部211、記録ヘッド2駆動部212、記録ヘッド3駆動部213、及び記録ヘッド4駆動部214にそれぞれ送信する。
記録ヘッド1駆動部211、記録ヘッド2駆動部212、記録ヘッド3駆動部213、及び記録ヘッド4駆動部214は、記録ヘッド制御部206より送信された画像データ及び駆動波形信号に基づいて、インク吐出ノズル列110Y(図1)からインク滴を吐出させる記録ヘッド1 217、インク吐出ノズル列110Cからインク滴を吐出させる記録ヘッド2 218、インク吐出ノズル列110Mからインク滴を吐出させる記録ヘッド3 219、及びインク吐出ノズル列110Kからインク滴を吐出させる記録ヘッド4 220をそれぞれ駆動することによりインク滴を吐出する。
次に、本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の記録ヘッド制御部、記録ヘッド駆動部、及び記録ヘッドのノズル孔列との関係について説明する。図3は、本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の記録ヘッド制御部と記録ヘッド駆動部とノズル孔列との関係について説明するブロック図である。図4は、本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の記録ヘッド制御部と記録ヘッド駆動部とノズル孔列との関係について説明するタイミングチャート図である。
上述したように、記録ヘッド制御部206と記録ヘッド1駆動部211〜記録ヘッド4駆動部214とにおいては、図2に示すように、記録ヘッド制御部206から各記録ヘッド1駆動部211〜記録ヘッド4駆動部214に対して、画像データと駆動波形信号とが供給され、記録ヘッド1 217〜記録ヘッド4 220を作動させて各ノズル孔列110Y、110C、110M、及び110Kからインク滴を吐出するようになっている。
この場合、記録ヘッド制御部206による記録ヘッド1駆動部211〜記録ヘッド4駆動部214と記録ヘッド1 217〜記録ヘッド4 220の動作関係は、基本的に同一構成のため、一例として、記録ヘッド制御部206、記録ヘッド1駆動部211、及び記録ヘッド1 217との関係について図3に基づいて説明する。図3に示すように、記録ヘッド1駆動部211は、シフトレジスタ301、ラッチ302、階調デコーダ303、レベルシフタ304、及びアナログスイッチ305を備えている。
また、記録ヘッド1 217は、インク吐出ノズル列110Yの各ノズル孔列110(図1)に対応して、各ノズル孔110からインク滴を吐出させるアクチュエータ3Y1〜3YNを備えている。そして、記録ヘッド制御部206から、図3に示すように、シフトレジスタ301、ラッチ302、階調デコーダ303、レベルシフタ304、アナログスイッチ305に、それぞれ画像データSD[1:0]、同期クロック信号SCK、階調信号MN[3:0]、各ノズル孔110に対応するアクチュエータ3Y1から3YNに送給される駆動波形出力信号VCOMが送信される。
その結果、図4に示すように、記録ヘッド制御部206から画像データSD[1:0]信号と、同期クロック信号SCKで画像データSDがシリアル方式によって記録ヘッド1駆動部211に転送され、LT信号で画像データSD[1:0]が所定時間幅でラッチされる。VCOM信号は、各ノズル孔110毎にシリアルで転送された画像データSD[1:0]に応じた階調信号MN[3:0]と共に、アナログスイッチ305をON/OFFすることでアクチュエータ3Y1から3YNに伝達される。
そして、Vout0、Vout1、Vout2、及びVout3の信号が形成され、これらのVout0、Vout1、Vout2、及びVout3の出力に応じて、「液滴なし」、「小滴」、「中滴」、「大滴」のインク滴を、各ノズル孔110から吐出する。タイミング的には、図4に示す通り、SCK、画像データSD[1:0]、LT信号でシリアル画像データが転送された後に、VCOM信号とMN信号がセットで出力され、該当するアクチュエータ3Y1から3YNが作動して、該当するノズル孔110からインク滴が吐出される。
次に、駆動波形信号VCOMについて説明する。図5は、本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の記録ヘッド駆動部に与える信号を生成する回路構成について説明する図である。駆動波形信号VCOMは記録ヘッドを駆動するタイミングに合わせて、8bitの電圧デ−タを順次、DAC503に出力する。DAC503は、与えられた電圧デ−タを、例えば0V〜2Vの出力範囲を8bitの分解能で出力する。8bitのデ−タ入力ステップが250nsの場合、駆動波形(駆動信号)の立ち上がり時定数tr=5μs、駆動電圧Vp=30V(フルスケ−ル)のとき、DAC503の出力は20ステップの時間刻みで、約0.1V/ステップで0〜2Vまで上昇する。
また、駆動波形の立ち下り時も同様に、立ち下がり時定数tf=10μsであれば40ステップで5〜3Vまで下降する。さらに、駆動波形に要する時間(立ち上がり開始から、立ち下がり終了までの時間)が50μsとすると、200ステップでフルスケ−ル5Vの駆動波形が形成され、ヘッドの駆動タイミングに合わせて繰り返し出力される。
このDAC503から出力される駆動波形は電圧増幅部504を介して3〜30V(フルスケ−ル時)の範囲でDAC503の出力レベルに応じて電圧増幅される。電圧増幅された駆動波形は、SEPP回路(NPNトランジスタ及びPNPトランジスタ)等で構成される低インピ−ダンス回路からなる電流増幅部505を介して、記録ヘッド1駆動部211へ与えられる。
次に、このインクジェット記録装置の記録ヘッド109(図1)を構成するインクジェットヘッドについて図6から図8を参照して説明する。なお、図6は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図7は同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図、図8は同ヘッドの要部平面説明図である。
このインクジェットヘッドは、単結晶シリコン基板で形成した流路板41と、この流路板41の下面に接合した振動板42と、流路板41の上面に接合したノズル板43とを有し、これらによって液滴であるインク滴を吐出するノズル45がノズル連通路45aを介して連通するインク流路である加圧室46、加圧室46にインクを供給するための共通液室48にインク供給口49を介して連通する流体抵抗部となるインク供給路47を形成している。
そして、振動板42の外面側(液室と反対面側)に各加圧室46に対応して加圧室46内のインクを加圧するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)である電気機械変換素子としての積層型圧電素子52を接合し、この圧電素子52をベース基板53に接合している。また、圧電素子52の間には加圧室46、46間の隔壁部41aに対応して支柱部54を設けている。ここでは、圧電素子部材にハーフカットのダイシングによるスリット加工を施すことで櫛歯状に分割して、1つ毎に圧電素子52と支柱部54して形成している。支柱部54も構成は圧電素子52と同じであるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。
さらに、振動板42の外周部はフレーム部材44にギャップ材を含む接着剤50にて接合している。このフレーム部材44には、共通液室48となる凹部、この共通液室48に外部からインクを供給するための図示しないインク供給穴を形成している。このフレーム部材44は、例えばエポキシ系樹脂あるいはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。
流路板41は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路45a、加圧室46、インク供給路47となる凹部や穴部を形成したものであるが、単結晶シリコン基板に限られるものではなく、その他のステンレス基板や感光性樹脂などを用いることもできる。
振動板42は、ニッケルの金属プレートから形成したもので、例えばエレクトロフォーミング法(電鋳法)で作製しているが、この他の金属板や樹脂板あるいは金属と樹脂板との接合部材等を用いることもできる。この振動板42は加圧室46に対応する部分に変形を容易にするための薄肉部(ダイアフラム部)55及び圧電素子52と接合するための厚肉部(島状凸部)56を形成するとともに、支柱部54に対応する部分及びフレーム部材44との接合部にも厚肉部57を形成し、平坦面側を流路板41に接着剤接合し、島状凸部56を圧電素子52に接着剤接合し、更に厚肉部57を支柱部54及びフレーム部材44に接着剤50で接合している。なお、ここでは、振動板42を2層構造のニッケル電鋳で形成している。この場合、ダイアフラム部55の厚みは3μm、幅は35μm(片側)としている。
ノズル板43は各加圧室46に対応して直径10〜35μmのノズル45を形成し、流路板41に接着剤接合している。このノズル板43としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、金属とポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂との組み合せ、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。ここでは、電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成している。また、ノズル43の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい。)に形成し、このノズル45の穴径はインク滴出口側の直径で約20〜35μmとしている。さらに、各列のノズルピッチは150dpiとした。
また、ノズル板43のノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層を設けている。撥水処理層としては、例えば、PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、インク物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、インクの滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。
圧電素子52は、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層61と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層62とを交互に積層したものであり、内部電極62を交互に端面の端面電極(外部電極)である個別電極63、共通電極64に電気的に接続したものである。この圧電常数がd33である圧電素子52の伸縮により加圧室46を収縮、膨張させるようになっている。圧電素子52に駆動信号が印加され充電が行われると伸長し、また圧電素子52に充電された電荷が放電すると反対方向に収縮するようになっている。
なお、圧電素子部材の一端面の端面電極はハーフカットによるダイシング加工で分割されて個別電極63となり、他端面の端面電極は切り欠き等の加工による制限で分割されずにすべての圧電素子52で導通した共通電極64となる。
そして、圧電素子52の個別電極63には駆動信号を与えるために半田接合又はACF(異方導電性膜)接合若しくはワイヤボンディングでFPC(Flexible Printed Circuits)ケーブル65を接続し、このFPCケーブル65には各圧電素子52に選択的に駆動波形を印加するための駆動回路(ドライバIC(Integrated Circuit))を接続している。また、共通電極64は、圧電素子の端部に電極層を設けて回し込んでFPCケーブル65のグラウンド(GND)電極に接続している。
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、例えば、記録信号に応じて圧電素子52に駆動波形(10〜50Vのパルス電圧)を印加することによって、圧電素子52に積層方向の変位が生起し、振動板42を介して加圧室46内のインクが加圧されて圧力が上昇し、ノズル45からインク滴が吐出される。
その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧室46内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧室46内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、図示しないインクタンクから供給されたインクは共通液室48に流入し、インク供給口49を経てインク供給路47aから流体抵抗部47bを通り、加圧室46内に充填される。
なお、流体抵抗部47bは、吐出後の残留圧力振動の減衰に効果が有る反面、表面張力による最充填(リフィル)に対して抵抗になる。流体抵抗部47bの流体抵抗値を適宜に選択することで、残留圧力の減衰とリフィル時間のバランスが取れ、次のインク滴吐出動作に移行するまでの時間(駆動周期)を短くできる。
ところで、上述したようなピエゾ(圧電素子)アクチュエータ方式のインクジェットヘッドにおいて、多ノズル化を図った場合、圧電素子の変位を利用するために、特に隣接するノズルの駆動状況が相互に影響し合うという相互干渉の問題が生じ易くなる。例えば、隣接する加圧液室に振動が伝搬すると、本来非駆動であるノズルからインク滴が吐出されたり、隣接する加圧液室が同時に加圧されたときの加圧力が不均一、不安定になってインク滴噴射特性(インク滴吐出特性)がノズルによって異なってしまったりする等の問題、いわゆる相互干渉が生じてしまう。
そこで、多ノズルのインクジェットヘッドにおいて、全てのノズルで同じインク滴噴射特性を得るためには、この相互干渉の問題を解消する必要があるが、上述した従来のインクジェットヘッドにあっては、こうした相互干渉の問題を解消する上では不十分である。すなわち、上述した従来の圧電素子プレートに溝を形成し、駆動部と非駆動部とを分離したものにあっては、個々の駆動部となる圧電素子が独立していないため、一の圧電素子を駆動したときに圧電素子プレートを介して他の圧電素子に振動が伝搬する。
また、個々の独立した圧電素子を設けながら、隣り合う加圧液室を連通させたり、特にその振動板を共用したりしているものにあっては、一の圧電素子を駆動したときに隣り合う加圧液室に対しても連通路や振動板を介して振動が伝搬し、上述したインク滴噴射特性の不均一等を招くことになる。また、バルブジェット方式にあっても、加圧液室内でバルブを発生させてインクを加圧するために、高密度、高集積化を図った場合、加圧液室相互間を仕切っている隔壁部が加圧力で変形して隣接する加圧液室にも圧力変化を発生させるという上述した相互干渉の問題が生じ易くなる。
このように、複数のエネルギー発生手段と、この複数のエネルギー発生手段で加圧される複数の加圧液室と、この複数の加圧液室に連通する複数のノズルとを有するマルチノズルタイプのインクジェットヘッドにおいては、各ノズル間の相互干渉が生じて、画像品質の低下を招き易くなるという課題がある。本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、特にマルチノズルのインクジェットヘッドにおける相互干渉を低減ないし防止して、インク滴噴射特性の低下を防止し、画像品質の向上を図ることを目的としている。
次に、本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の記録ヘッド制御部について説明する。図9は、本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の記録ヘッド制御部の回路構成について説明する図である。
図9において、画像デ−タSDからは、同時に駆動するノズルに関し、ノズル列の順番に駆動するノズルについては”H“データが、ノズル列の順番に駆動しないノズルについては”L“データが順次記録ヘッド制御部206(図2、図3)から出力される。この画像データSDは、駆動ノズル総数検出部901及び駆動ノズル密集度検出部902へ入力される。駆動ノズル総数検出部901は、入力された”H“データのパルス数をカウントすることにより、駆動されるノズルの総数を検出することができる。
また、駆動ノズル密集度検出部902は、入力された”H“デ−タの密集度(”H“データが連続して検出されると、駆動ノズルの数だけパルス幅が長くなるので、隣接するノズルが同時に駆動されている度合いが示される。)を検出することができる。
ここで、駆動ノズル総数検出部及び補正量算出部901、並びに駆動ノズル密集度検出部及び補正量算出部902それぞれの補正量算出部は、検出されたノズル総数及びノズル密集度に基づいて、ヘッドの構造に応じた、インク滴の噴射速度(Vj)の低減を補正する補正量(ΔVja)及び(ΔVjb)を出力する。
次に、補正率算出部903は、入力された補正量(ΔVja)と(ΔVjb)に応じて、DAC 503に入力すべきヘッド駆動波形の基準となるデジタルテ−タWD(基準波形データ)を補正するための補正率(α)を出力する。駆動波形データ生成部904は、入力されるデジタルテ−タWDに補正率(α)で補正した波形デ−タα*WDを出力する。
DAC 503は、入力されたデジタル波形デ−タWDをアナログ波形に変換し、電圧増幅部504へ入力する。電圧増幅部504は所定の倍率で電圧増幅し、電流増幅部505へ入力する。電流増幅部505は記録ヘッド駆動部(211〜214)(図2)へ接続され、駆動に必要な電流がヘッドへ供給される。
次に、図9において検出されたノズル総数とインク滴の噴射速度(Vj)との関係について説明する。図10は、本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の検出ノズル総数とインク滴噴射速度(Vj)との関係を示す図である。
図10において、駆動ノズル総数特性は、ヘッドを駆動するために必要なノズル数分の電流供給がなされることにより駆動波形が変動するので、単一ノズルが駆動されるときのインク滴の噴射速度を(Vj0)としたときのインク滴の噴射速度(Vj)の低減の様子を示している。
また、駆動ノズル密集度特性は、駆動波形の変動を電気的に補正した場合でも発生するインク滴の噴射速度(Vj)の低減の様子を示している。例えば、検出ノズル総数が96、駆動ノズルの密集度が16である場合には、図10の各特性からインク滴の噴射速度(Vj)の低減量は(ΔVja1+ΔVjb1)となる。
次に、インク滴の噴射速度(Vj)の補正量(ΔVj)と駆動波形の補正率αの関係について説明する。図11は、本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置のインク滴噴射速度(Vj)の補正量(ΔVj)と駆動波形の補正率(α)との関係を示す図である。
図11に示す関係は、図9で説明した記録ヘッド制御部206(図2、図3)において、補正率(α)は、基準波形データWDが、DAC 503によってD/A変換されて作成される駆動波形を、電圧方向に何倍に拡大すれば電圧増幅、電流増幅後の駆動波形がインク滴の噴射速度(Vj)の低減量(ΔVj)を補正して、単一ノズル駆動時の(Vj)と等しくすることができるかの倍率を示している。
図10の例では、インク滴の噴射速度(Vj)の補正量は(ΔVja1+ΔVjb1)であるので、このときの補正率は、図11の特性から(α1)と定めることができる。なお、(ΔVja)、(ΔVjb)、(α)は、ヘッドの噴射特性から、近似式による演算や予めメモリに準備したテ−ブルを参照することにより、容易に算出することができる。
したがって、図9に示した駆動波形データ生成部904は、基準波形データWD1に対して電圧方向に補正された(α1*WD1)の波形データを作成し、DAC 503へ入力する。このように電圧補正された駆動波形データWD1から、DAC 503によるD/A変換後に電圧増幅部504、電流増幅部505を介して駆動波形(VCOM1)が生成され、図2に示した記録ヘッド駆動部211〜214のアナログスイッチ305(図3)へ入力される。
次に、キャリッジ210(図2、図3)を走査しながら、上記のヘッド駆動波形(VCOM1)で印字したときのノズルデータ転送と駆動波形の補正の実施タイミングについて説明する。図12は、本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置のヘッド駆動波形で印字させたときのノズルデータ転送と駆動波形の補正の実施タイミングの動作を説明するフローチャートである。
まず、ステップ(以下、「S」という。)120において、主走査エンコーダセンサ215(図2)から出力される信号が検出されると、S121において、記録ヘッド制御部206によって、エンコーダ検出タイミングに基づいてヘッドを駆動させるためのノズルデータが作成され、S122において記録ヘッド駆動部211〜214へ転送される。この間、S123において転送されたノズルデータはラッチ回路302(図3)によってラッチされている。
ノズルデータが転送された後に、ラッチ回路302からの出力により、S124において、アナログスイッチ305は駆動されるノズルのみがONされるが、このとき、記録ヘッド制御部206によって、駆動ノズル総数検出部901及び駆動ノズル密集度検出部902のそれぞれの検出結果(S128)に基づいて補正率が算出され(S129)、ヘッド電流供給による補正と相互干渉による補正を実施した駆動波形データが生成される(S130)。駆動波形データは、DAC 503(図9)、電圧増幅部504、及び電流増幅部505を介して(S131)ヘッド駆動波形(VCOM)が生成され、記録ヘッド駆動部211〜214(図2)へ転送される(S132)。
よって、アナログスイッチ305がONされたノズルに対してのみヘッド駆動波形(VCOM)が印加される(S125)。ここで、主走査エンコ−ダセンサ215のカウンタ値が所定の印字範囲に達していなかったら(S126:No)、上記処理が繰り返し実行される。また、カウンタ値が所定の印字範囲に達していたら(S216:Yes)、改行動作(副走査)を実行し(S127)、行の先頭から上述した記録ヘッドの駆動動作を繰り返す。
次に、画像データ(SD)の最大ノズル数検出結果による補正量(ΔVjb)及び補正率(α)の関係について具体的に説明する。図13は、本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の画像データ(SD)の最大ノズル数検出結果による補正量(ΔVjb)を出力する回路構成について説明する図であり、図14は、本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の画像データ(SD)のパルス幅(ノズル数)について説明する図であり、図15は、本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の補正率特性を示す図である。
図13において画像データ(シリアルデ−タ)(SD)は、画像データに基づいて隣接配置されたノズルが同時に駆動されるノズル数の最大値を検出する最大ノズル数検出部へ入力され、最大ノズル数検出部は、入力された画像データSDのパルス幅を、カウンタを用いてカウントし、そのカウント値を一次的に保存する。例えば、図14に示すような画像データ(SD)の場合、1パルスが1ノズル分に相当し、画像データ(SD)のカウンタ値は、1→1→1→10→5と変化する。このとき、最大ノズル数検出部はカウンタ値の最大値10を出力する。
次に、補正量算出部には、最大ノズル検出値の最大値10が入力されるが、このとき、図11で説明したのと同様に、補正量ΔVjb(10)を出力する。補正率算出部903(図9)には、駆動ノズル総数検出部901による補正量ΔVja(1+1+1+10+5=18)と、最大ノズル数検出部による補正量ΔVjb(10)が入力され、図15に示した補正率特性に基づいて、補正率α(18、10)が出力される。
以下同様に、駆動波形デ−タ生成部904は、α(18、10)*WDの駆動波形デ−タを出力し、DAC 503によってアナログ波形が出力され、電圧増幅部504、及び電流増幅部505を介して駆動波形VCOM(18、10)が生成される。
次に、画像データ(SD)の連続ノズル数及びノズル位置検出結果による補正量(ΔVjb)の関係について具体的に説明する。図16は、本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の連続ノズル数及びノズル位置検出結果による補正量(ΔVjb)を出力する回路構成について説明する図であり、図17は、本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の画像データ(SD)のパルス幅(ノズル数)について説明する図である。
図16において、駆動ノズル密集度検出部902(図9)は、画像データに基づいて連続して駆動されるノズル数の最大値を検出する連続ノズル数検出部と、連続して駆動されるノズルの位置(配置)を検出するノズル位置検出部とを有し、それぞれに対して画像データ(シリアルデータ)(SD)とシリアルクロック(SCK)が入力される。いま、隣接するノズル数が128ノズル分の駆動データが、図17に示すように、画像データ(シリアルデータ)(SD)とシリアルクロック(SCK)が記録ヘッド駆動部211〜214へ順次転送される場合、連続ノズル数検出部は、図14において説明したのと同様に最大値20を出力する。
また、ノズル位置検出部は、シリアルクロック(SCK)をカウントすることにより、連続する最大ノズル数20の転送順位が、シリアルクロック(SCK)のカウント値12〜31の間であることを検出する。よって、128存在するノズルの配置の中で、12番目〜31番目のノズルまでが同時に駆動されることが分かる。
同時に駆動されるノズル数が多ければ多いほど相互干渉の影響は大きいが、従来技術の欄で説明したように、相互干渉は、隣接する加圧液室が同時に加圧されたときの加圧力が不均一、不安定になることが要因であるので、隣接するノズル列が長手方向(走査方向)に配置されているノズル列の中で、中央付近に配置されるノズルほど、相互干渉の影響を受け易いことになる。
次に、中心ノズル位置とインク滴の噴射速度(Vj)の関係について説明する。図18は、本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の中心ノズル位置とインク滴の噴射速度(Vj)との関係を示す図である。
図18は、同時に駆動されるノズル数が(1)1〜16、(2)17〜32、(3)33〜64、(4)65〜128のときのインク滴の噴射速度(Vj)の変動と、そのとき駆動するノズルの位置(同時駆動するノズルの中央部のノズル位置)の関係を示している。これによれば、図17のようなノズルデータが転送される場合、21番目に位置するノズルを中心とした20の幅を有するノズルが同時に駆動されるとき、相互干渉の影響が最も大きいので、図18の特性(2)のグラフより、インク滴の噴射速度(Vj)の補正量(Vjb)は図18中のΔVjb(21、20)に示すように求めることができる。
一方、駆動ノズル総数検出部901(図9)は、駆動するノズルの総数(1+1+1+20+5+1+1=30を検出するので、そのときの補正量ΔVja=ΔVja(30)となる。したがって、図15に示したように、ヘッド駆動波形の補正率(α)は、インク滴の噴射速度(Vj)の補正量ΔVj=ΔVja(30)+ΔVjb(21、20)に対応したα(30、21、20)のように求めることができる。以後、図9に示したように、記録ヘッド制御部206(図2、図3)は、α(30、21、20)*WDの駆動波形デ−タから駆動波形VCOM(30、21、20)を生成し、記録ヘッド駆動部211〜214へ入力することができる。
次に、時間とヘッド駆動波形の関係について説明する。図19は、本発明の実施形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置の時間とヘッド駆動波形(VCOM)の電圧との関係について、(a)駆動波形データ(WD)を補正しないとき、(b)補正率α(α>1)で電圧方向に補正したとき、(c)補正率β(β<1)で時間方向に補正したとき、をそれぞれ示す図である。
図19(a)は、駆動波形データ(WD)を補正しないときの、ヘッド駆動波形(VCOM)の時間と電圧との関係を示す。いま、補正率(α)(α>1)で、電圧方向に補正した場合には図19(b)のようになり、補正なしのときの電圧Vp0に対してα*Vp0の電圧を有するヘッド駆動波形となる。このとき、各ノズルに対応した加圧液室で発生する容積変化量はα倍となり、機械的相互干渉による圧力損失を補正することができ、その結果ヘッドのインク滴の噴射速度(Vj)又はインク滴の噴射量(Mj)の低減を抑えることができる。
また、補正率(β)(β<1)で時間方向に補正した場合は図19(c)のようになり、補正なしのときの時間幅Pw0に対してβ*Pw0の時間幅を有する駆動波形となる。このとき、各ノズルに対応した加圧液室で発生する容積変化時間はβ倍に短縮され、発生圧力を増大させることができるので、機械的相互干渉による圧力損失を補正することができ、その結果ヘッドのインク滴の噴射速度(Vj)又はインク滴の噴射量(Mj)の低減を抑えることができる。
なお、上記実施形態においては、インクジェット記録装置について説明してきたが、バルブジェット記録装置であっても、加圧液室内でバルブを発生させてインクを加圧するので、加圧液室相互間を仕切っている隔壁部が、加圧力で変形し、隣接する加圧液室にも圧力変化を発生させるため、機械的相互干渉の問題が発生し、上記でインクジェット記録装置において説明してきことを適用することが可能である。
また、図12に示した本発明の実施形態におけるフローチャートに係る動作は、コンピュータ上のプログラムに実行させることができる。すなわち、インクジェット記録装置200の動作を制御する図2のCPU203が、ROM204、RAM205等の記憶媒体に格納されたプログラムをロードし、プログラムの処理ステップが順次実行されることによって行われる。
以上説明してきたように、駆動ノズル数が増加したとき、すなわち、電気的負荷が増大したときに、少数のノズルが駆動している時の駆動波形と比較し、駆動波形自体を変動しないように補正することはできても、機械的相互干渉は依然として残存するので、インク滴の噴射速度(Vj)やインク滴の噴射量(Mj)の変動は残存する。
しかしながら、本発明によれば、少数のノズルが駆動している時の駆動波形よりも、隣接した多数のノズルが駆動している時の駆動波形のエネルギー量を増加させるよう制御しているので、隣接するノズルが同時駆動される度合いを示す駆動ノズルの密集度を検出することにより、ヘッドの構造に応じた、インク滴の噴射速度(Vj)やインク滴の噴射量(Mj)の低減を補正することができ、画像品質を向上させることができるのである。
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更が可能である。
100、200 インクジェット記録装置
101 キャリッジ
102 ガイドロット
103 主走査モータ
104 プーリー
105 エンコーダシート
106 エンコーダセンサ
107 副走査モータ
109 記録ヘッド
110 インク吐出ノズル
201 ホストPC
202 ホストI/F
203 CPU
204 ROM
205 RAM
206 記録ヘッド制御部
207 主走査制御部
208 副走査制御部
209 バス
210 キャリッジ
211〜214 記録ヘッド駆動部1〜4
215 主走査エンコーダセンサ
216 主走査モータ
217〜220 記録ヘッド1〜4
301 シフトレジスタ
302 ラッチ
303 階調デコーダ
304 レベルシフタ
305 アナログスイッチ
306 記録ヘッド
3Y1〜3YN ノズル孔列
41 流路板
41a 隔壁部
42 振動板
43 ノズル板
44 フレーム部材
45 ノズル
45a ノズル連通路
46 加圧室
47 インク供給路
47a インク供給路
47b 流体抵抗部
48 共通液室
49 インク供給口
50 接着剤
52 圧電素子
53 ベース基板
54 支柱部
55 ダイアフラム部
56、57 厚肉部(島状凸部)
503 DAC
504 電圧増幅部
505 電流増幅部
50 接着剤
61 圧電層
62 内部電極層
63 個別電極
64 共通電極
65 FPCケーブル
901 駆動ノズル総数検出及び補正量算出
902 駆動ノズル密集度検出及び補正量算出
903 補正率算出部
904 駆動波形データ生成
特開平05−116342号公報 特開2011−148287号公報

Claims (5)

  1. 記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
    前記画像を生成する画像データと、前記画像データを生成するインク滴を吐出するノズルを駆動する駆動波形信号とを送信する記録ヘッド制御部と、
    前記記録ヘッド制御部から送信された前記画像データと前記駆動波形信号とに基づいて、前記ノズルからインク滴を吐出させる記録ヘッドを駆動する記録ヘッド駆動部と、
    前記画像データに基づいて駆動されるノズル総数を検出する駆動ノズル総数検出部と、
    前記画像データに基づいて隣接配置されているノズルが同時に駆動される割合を検出する駆動ノズル密集度検出部と、
    前記駆動ノズル総数検出部によって検出された前記ノズル総数と、前記駆動ノズル密集度検出部によって検出された前記ノズルが同時に駆動される割合とに基づいて、前記インク滴の噴射速度を補正する補正量を算出する補正量算出部と、
    前記記録ヘッドを駆動する基準となる基準データを、前記補正量算出部によって算出された前記補正量で補正し、前記記録ヘッドを駆動する駆動波形データを生成する駆動波形データ生成部と、
    前記駆動波形データ生成部によって生成された前記駆動波形データに基づいて、前記記録ヘッドを駆動する増幅部と、
    を含むことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記駆動ノズル密集度検出部は、前記画像データに基づいて隣接配置されたノズルが同時に駆動されるノズル数の最大値を検出する最大ノズル数検出部と、前記最大ノズル数検出部によって検出された前記最大値に基づいて前記インク滴の噴射速度を補正する補正量を算出する補正量算出部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記駆動ノズル密集度検出部は、前記画像データに基づいて連続して駆動されるノズル数の最大値を検出する連続ノズル数検出部と、連続して駆動されるノズルの位置を検出するノズル位置検出部と、前記連続ノズル数検出部によって検出された前記最大値と、前記ノズル位置検出部によって検出された前記ノズルの位置とに基づいて前記インク滴の噴射速度を補正する補正量を算出する補正量算出部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 記録媒体に画像を形成する画像形成方法であって、
    記録ヘッド制御部が、前記画像を形成する画像データと、前記画像データを形成するインク滴を吐出するノズルを駆動する駆動波形信号とを送信する工程と、
    記録ヘッド駆動部が、前記送信する工程により送信された前記画像データと前記駆動波形信号とに基づいて、前記ノズルからインク滴を吐出させる記録ヘッドを駆動する工程と、
    駆動ノズル総数検出部が、前記画像データに基づいて駆動されるノズル総数を検出する工程と、
    駆動ノズル密集度検出部が、前記画像データに基づいて隣接配置されているノズルが同時に駆動される割合を検出する工程と、
    補正量算出部が、前記ノズル総数を検出する工程によって検出された前記ノズル総数と、前記ノズルが同時に駆動される割合を検出する工程によって検出された前記ノズルが同時に駆動される割合とに基づいて、前記インク滴の噴射速度を補正する補正量を算出する工程と、
    駆動波形データ生成部が、前記記録ヘッドを駆動する基準となる基準データを、前記補正量を算出する工程によって算出された前記補正量で補正し、前記記録ヘッドを駆動する駆動波形データを生成する工程と、
    増幅部が、前記駆動波形データを生成する工程によって生成された前記駆動波形データに基づいて、前記記録ヘッドを駆動する工程と、
    を含むことを特徴とする画像形成方法。
  5. 記録媒体に画像を形成する画像形成装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
    記録ヘッド制御部が、前記画像を形成する画像データと、前記画像データを形成するインク滴を吐出するノズルを駆動する駆動波形信号とを送信する処理と、
    記録ヘッド駆動部が、前記送信する処理により送信された前記画像データと前記駆動波形信号とに基づいて、前記ノズルからインク滴を吐出させる記録ヘッドを駆動する処理と、
    駆動ノズル総数検出部が、前記画像データに基づいて駆動されるノズル総数を検出する処理と、
    駆動ノズル密集度検出部が、前記画像データに基づいて隣接配置されているノズルが同時に駆動される割合を検出する処理と、
    補正量算出部が、前記ノズル総数を検出する処理によって検出された前記ノズル総数と、前記ノズルが同時に駆動される割合を検出する処理によって検出された前記ノズルが同時に駆動される割合とに基づいて、前記インク滴の噴射速度を補正する補正量を算出する処理と、
    駆動波形データ生成部が、前記記録ヘッドを駆動する基準となる基準データを、前記補正量を算出する処理によって算出された前記補正量で補正し、前記記録ヘッドを駆動する駆動波形データを生成する処理と、
    増幅部が、前記駆動波形データを生成する処理によって生成された前記駆動波形データに基づいて、前記記録ヘッドを駆動する処理と、
    を含むことを特徴とするプログラム。
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