JP2003145760A - インクジェット式記録装置、及び、その駆動方法 - Google Patents

インクジェット式記録装置、及び、その駆動方法

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JP2003145760A
JP2003145760A JP2002121257A JP2002121257A JP2003145760A JP 2003145760 A JP2003145760 A JP 2003145760A JP 2002121257 A JP2002121257 A JP 2002121257A JP 2002121257 A JP2002121257 A JP 2002121257A JP 2003145760 A JP2003145760 A JP 2003145760A
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 始終端電位がベース電位よりも高い駆動電位
に設定された吐出パルス信号を用いて高周波駆動しても
圧電振動子を保護する。 【解決手段】 駆動信号発生回路9は、始終端がベース
電位よりも高い駆動電位に設定された吐出パルス信号
と、ベース電位から駆動電位まで電位を上昇させる第1
連結パルス信号と、駆動電位からベース電位まで電位を
下降させる第2連結パルス信号とを含む一連の駆動信号
を記録周期毎に繰り返し発生し、デコーダ45、制御ロ
ジック46、レベルシフタ47、及び、スイッチ回路4
8は、次回記録周期Tの記録データが記録を示す場合に
今回記録周期Tでの終端電位が最大電位になるようにパ
ルス信号を選択し、非記録を示す場合に今回記録周期T
での終端電位がベース電位になるようにパルス信号を選
択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電振動子の作動
によってインク滴を吐出可能な記録ヘッドを有するイン
クジェット式記録装置、及び、その駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、プロッタ、ファクシミリ等の
インクジェット式記録装置は、記録ヘッドからインク滴
を吐出させ、このインク滴を記録紙,印刷フィルム,C
D−R(compact disc-recordable)等の印刷記録媒体上
に着弾させることでドットを記録する。この記録装置に
用いられる記録ヘッドには、圧電振動子(PZT)を圧
力発生源としたものがある。この記録ヘッドは、圧電振
動子の変形によって圧力室を膨張或いは収縮させ、圧力
室内のインクに圧力変動を生じさせる。そして、このイ
ンクの圧力変動を利用してノズル開口からインク滴を吐
出させる。
【0003】上記の圧電振動子は、供給される電圧値に
応じて変形量が決まり、電圧変化に対する変形の応答性
も良い。このため、インク滴を吐出させる吐出パルス信
号に関し、その波形形状を適宜に設定することでインク
圧力を高い精度で制御でき、所望量、所望速度のインク
滴を吐出させることができる。
【0004】そして、記録画像の高画質化及び記録の高
速化等の要求に応えるべく、圧電振動子には、常態にお
いてバイアス電圧が供給されて駆動電位に調整されてい
る。これは、圧電振動子を駆動電位に調整することで圧
力室を中間容積に保ち、膨張側や収縮側の何れにも容積
を変えられるようするためである。また、極く少量のイ
ンク滴を高周波で吐出させるため、吐出パルス信号の始
終端電位を駆動信号における最大電位に設定することも
行われている。この場合には、最大電位に対応するバイ
アス電圧が圧電振動子に供給されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この圧電振
動子は、高い負担をかけると寿命が短くなってしまうこ
とが知られている。従って、常態においてバイアス電圧
を供給する構成では、圧電振動子に対して長時間に亘っ
てバイアス電圧を供給し続けることになる。しかし、圧
電振動子の保護の観点からはこのバイアス電圧を極力低
く設定することが好ましい。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、圧電振動子の保護に適した
インクジェット式記録装置、及び、その駆動方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために提案されたものであり、請求項1に記載の
ものは、圧力室内に圧力変動を生じさせ得る圧電振動子
及び前記圧力室に連通したノズル開口を有する記録ヘッ
ドと、インク滴を吐出させるための吐出パルス信号を少
なくとも1つ含んだ一連の駆動信号を記録周期毎に繰り
返し発生する駆動信号発生手段と、駆動信号発生手段か
らの駆動信号を選択的に圧電振動子に供給可能な駆動信
号供給手段とを有し、記録の有無を表す記録データに応
じて前記吐出パルス信号を選択的に圧電振動子に供給し
てノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット
式記録装置において、今回記録周期を含む連続する2つ
の記録周期のそれぞれについて前記記録データを記憶す
る記録データ記憶手段と、前記圧電振動子の振動子電位
を調整可能な振動子電位調整手段とを設け、前記吐出パ
ルス信号を、始終端電位がベース電位よりも高い駆動電
位に設定されたパルス信号によって構成し、前記振動子
電位調整手段は、記録データ記憶手段が記憶している記
録データに基づき、後の記録周期が非記録の場合に振動
子電位をベース電位に調整し、後の記録周期が記録の場
合に吐出パルス信号の供給に先立って振動子電位を駆動
電位に調整することを特徴とするインクジェット式記録
装置である。
【0008】この請求項1に記載の発明において、振動
子電位調整手段は、先の記録周期と後の記録周期におけ
る記録と非記録の組み合わせに応じて振動子電位を調整
する。例えば、先の記録周期が記録であって後の記録周
期が非記録である場合には、吐出パルス信号の供給直後
における振動子電位が駆動電位であるため、その後に振
動子電位を駆動電位からベース電位に下降させる。一
方、先の記録周期が非記録であって後の記録周期が記録
である場合には、振動子電位がベース電位であるため、
後の記録周期における吐出パルス信号の供給に先立っ
て、振動子電位をベース電位から駆動電位に上昇させ
る。さらに、前回記録周期と今回記録周期とで記録状態
が切り替わらない場合には、振動子電位の調整は行わな
い。
【0009】このため、後の記録周期で記録を行わない
場合、振動子電位はベース電位に調整される。そして、
このベース電位は圧電振動子の保護に適した低電位であ
るので、非記録が連続して圧電振動子が長時間に亘って
ベース電位に維持された場合、圧電振動子にかかる負担
は少ない。従って、圧電振動子を保護することができ
る。また、先の記録周期が非記録であって後の記録周期
が記録の場合、振動子電位はベース電位から駆動電位ま
で上昇される。この駆動電位は吐出パルス信号の始端電
位でもあるため、吐出パルス信号の供給開始時点におい
て、振動子電位と吐出パルス信号の電位とを揃えること
ができ、吐出パルス信号を圧電振動子に円滑に供給する
ことができる。このため、圧電振動子にかかる負担を軽
減でき、圧電振動子を保護することができる。
【0010】請求項2に記載のものは、前記記録データ
を、ドットの記録及び非記録に対応した二値データによ
って構成すると共に、前記駆動信号発生手段を、1記録
周期内に1つの吐出パルス信号を含む一連の駆動信号を
発生可能な構成とし、前記記録データ記憶手段には、今
回記録周期の二値データと次回記録周期の二値データと
を記憶させ、前記振動子電位調整手段は、今回記録周期
の二値データが記録を、次回記録周期の二値データが非
記録をそれぞれ示す場合に今回記録周期の終了時におけ
る振動子電位をベース電位に調整し、今回記録周期の二
値データが非記録を、次回記録周期の二値データが記録
をそれぞれ示す場合に今回記録周期の終了時における振
動子電位を駆動電位に調整することを特徴とする請求項
1に記載のインクジェット式記録装置である。
【0011】請求項3に記載のものは、前記記録データ
を、記録階調を示す階調データ及び前回記録周期におけ
る記録の有無を示す履歴データによって構成すると共
に、前記駆動信号発生手段を、1記録周期内に複数の吐
出パルス信号を含んだ一連の駆動信号を発生可能な構成
とし、前記記録データ記憶手段には、前記履歴データと
今回記録周期の階調データとを記憶させ、前記振動子電
位調整手段は、履歴データが記録を、今回記録周期の階
調データが非記録をそれぞれ示す場合に今回記録周期に
て振動子電位をベース電位に調整し、履歴データが非記
録を、今回記録周期の階調データが記録をそれぞれ示す
場合に今回記録周期にて吐出パルス信号の供給に先立ち
振動子電位を駆動電位に調整することを特徴とする請求
項1に記載のインクジェット式記録装置である。
【0012】請求項4に記載のものは、前記駆動信号に
は、ベース電位から駆動電位まで電位を上昇させる第1
連結パルス信号と、駆動電位からベース電位まで電位を
下降させる第2連結パルス信号を含ませ、前記振動子電
位調整手段は、第1連結パルス信号と第2連結パルス信
号の一方を選択して圧電振動子に供給することにより振
動子電位を調整する連結パルス信号供給手段によって構
成されていることを特徴とする請求項1から請求項3の
何れかに記載のインクジェット式記録装置である。
【0013】請求項5に記載のものは、前記駆動信号発
生手段は、吐出パルス信号よりも前に第1連結パルス信
号を発生し、吐出パルス信号よりも後に第2連結パルス
信号を発生することを特徴とする請求項4に記載のイン
クジェット式記録装置である。
【0014】請求項6に記載のものは、前記第1連結パ
ルス信号と第2連結パルス信号の少なくとも一方を、吐
出パルス信号の一部分によって構成したことを特徴とす
る請求項4に記載のインクジェット式記録装置である。
【0015】請求項7に記載のものは、前記駆動信号発
生手段が発生する駆動パルスは、ノズル開口付近のイン
ク増粘を防止するための微振動パルス信号を含み、前記
第1連結パルス信号と第2連結パルス信号の少なくとも
一方によって微振動パルス信号の一部を構成したことを
特徴とする請求項4に記載のインクジェット式記録装置
である。
【0016】請求項8に記載のものは、前記第1連結パ
ルス信号及び第2連結パルス信号における勾配部分の発
生時間を、前記圧力室内のインクの固有振動周期に揃え
たことを特徴とする請求項4から請求項7の何れかに記
載のインクジェット式記録装置である。
【0017】請求項9に記載のものは、前記振動子電位
調整手段を、抵抗素子と、この抵抗素子を介して圧電振
動子を駆動電位の供給源或いはベース電位の供給源に接
続する調整スイッチ手段とによって構成したことを特徴
とする請求項1から請求項3の何れかに記載のインクジ
ェット式記録装置である。
【0018】請求項10に記載のものは、1回の主走査
に対応する一群の記録データにおける最初のデータの前
に非記録を示す開始前ダミーデータを設定し、最後のデ
ータの後に非記録を示す終了時ダミーデータを設定する
ダミーデータ設定手段を設けたことを特徴とする請求項
1から請求項9の何れかに記載のインクジェット式記録
装置である。
【0019】請求項11に記載のものは、始終端がベー
ス電位よりも高い駆動電位に設定された吐出パルス信号
を含む一連の駆動信号を駆動信号発生手段から記録周期
毎に繰り返し発生させ、記録の有無を表す記録データに
応じて前記吐出パルス信号を駆動信号供給手段によって
選択的に圧電振動子に供給するインクジェット式記録装
置の駆動方法において、今回記録周期を含んだ連続する
2つの記録周期のそれぞれについて前記記録データを記
録データ記憶手段に記憶させ、記録データ記憶手段に記
憶させた記録データに基づき、後の記録周期の記録デー
タが非記録の場合に振動子電位をベース電位に調整し、
後の記録周期が記録の場合に吐出パルス信号の供給に先
立って振動子電位を駆動電位に調整することを特徴とす
るインクジェット式記録装置の駆動方法である。
【0020】請求項12に記載のものは、前記記録デー
タをドットの記録及び非記録に対応した二値データで構
成すると共に、前記駆動信号を1記録周期内に1つの吐
出パルス信号を含む一連の信号で構成し、前記記録デー
タ記憶手段には、今回記録周期の二値データと次回記録
周期の二値データとを記憶させ、今回記録周期のパルス
信号を選択するにあたり今回記録周期の二値データと次
回記録周期の二値データとを参照し、今回記録周期が非
記録であって次回記録周期が記録の場合には今回記録周
期の中で振動子電位をベース電位から駆動電位に上昇さ
せ、今回記録周期が記録であって次回記録周期が非記録
の場合には今回記録周期の中で振動子電位を駆動電位か
らベース電位まで下降させることを特徴とする請求項1
1に記載のインクジェット式記録装置の駆動方法であ
る。
【0021】請求項13に記載のものは、前記記録デー
タを記録階調を示す階調データ及び前回記録周期におけ
る記録の有無を示す履歴データによって構成すると共
に、前記駆動信号を1記録周期内に複数の吐出パルス信
号を含んだ一連の信号で構成し、前記記録データ記憶手
段には、前記履歴データと今回記録周期の階調データと
を記憶させ、今回記録周期のパルス信号を選択するにあ
たり前記履歴データと今回記録周期の階調データとを参
照し、前回記録周期が非記録であって今回記録周期が記
録の場合に吐出パルス信号の供給に先立って振動子電位
をベース電位から駆動電位に上昇させ、前回記録周期が
記録であって今回記録周期が非記録の場合には今回記録
周期の中で振動子電位を駆動電位からベース電位まで下
降させることを特徴とする請求項11に記載のインクジ
ェット式記録装置の駆動方法である。
【0022】請求項14に記載のものは、前記駆動信号
には、ベース電位から駆動電位まで電位を上昇させる第
1連結パルス信号と、駆動電位からベース電位まで電位
を下降させる第2連結パルス信号とを含ませ、第1連結
パルス信号或いは第2連結パルス信号とを選択して圧電
振動子に供給することで振動子電位を調整することを特
徴とする請求項11から請求項13の何れかに記載のイ
ンクジェット式記録装置の駆動方法である。
【0023】請求項15に記載のものは、抵抗素子を介
して圧電振動子を駆動電位の供給源或いはベース電位の
供給源に接続する調整スイッチ手段を用いて振動子電位
を調整することを特徴とする請求項11から請求項13
の何れかに記載のインクジェット式記録装置の駆動方法
である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、以下の説明は、代表的なイ
ンクジェット式記録装置であるプリンタを例に挙げて行
う。
【0025】図1に例示したプリンタは、プリンタコン
トローラ1とプリントエンジン2とから構成されてい
る。プリンタコントローラ1は、図示しないホストコン
ピュータ等からの印刷データ等を受信するインターフェ
ース3(以下、外部I/F3という。)と、各種データ
の記憶等を行うRAM4と、各種データ処理のためのル
ーチン等を記憶したROM5と、CPU等からなる制御
部6と、クロック信号(CK)を発生する発振回路7
と、記録ヘッド8へ供給する駆動信号COMを発生する
駆動信号発生回路9と、ドットパターンデータ及び駆動
信号COM等をプリントエンジン2に送信するためのイ
ンターフェース10(以下、内部I/F10という)と
を備えている。
【0026】外部I/F3は、例えばキャラクタコー
ド、グラフィック関数、イメージデータのいずれか1つ
のデータ又は複数のデータからなる印刷データをホスト
コンピュータ等から受信する。また、外部I/F3は、
ホストコンピュータに対してビジー信号(BUSY)や
アクノレッジ信号(ACK)等を出力する。
【0027】RAM4は、受信バッファ、中間バッフ
ァ、出力バッファ及びワークメモリ(図示せず)等とし
て利用されるものである。受信バッファには、外部I/
F3が受信したホストコンピュータからの印刷データが
一時的に記憶される。中間バッファには、制御部6によ
って中間コードに変換された中間コードデータが記憶さ
れる。出力バッファにはドット毎の記録内容を示す記録
データが記憶される。本実施形態では、この記録データ
として、記録又は非記録(記録の有無)をドット毎に示
す1ビットの二値データが記憶される。
【0028】駆動信号発生回路9は、本発明における駆
動信号発生手段であり、制御部6(信号発生制御手段)
から出力される波形制御情報に基づき、複数の波形要素
によって構成された一連の駆動信号COMを発生する。
この波形制御情報は、例えば、極く短い更新期間Δtに
おける電圧増減量Δvを表す情報である。そして、制御
部6は、波形制御情報(電圧増減量±Δv)をメモリの
所定領域にセットする。また、駆動信号発生回路9は、
セットされた波形制御情報を更新期間Δt毎に参照し、
参照時点での出力電圧に電圧増減量Δvを加算し、新た
な出力電圧Vとする。なお、制御部6は、電圧が一定の
場合には電圧増減量Δvとして値[0]をセットし、定
電圧の期間中に亘ってこの値を書き換えない。
【0029】本実施形態において、駆動信号発生回路9
は、図3に示すように、複数のパルス信号PS1〜PS
4を含んだ一連の駆動信号COMを発生する。この駆動
信号COMは、記録ヘッド8のノズル開口(図2参照)
付近のインクを攪拌するための微振動パルス信号VP1
(微振動波形要素とも表現できる。図4参照。)を含む
第1パルス信号PS1と、中間電位VM(本発明のベー
ス電位に相当。)から最大電位VH(本発明の駆動電位
に相当)まで一定勾配で電位を上昇させる第2パルス信
号PS2(第1連結パルス信号であり、第1連結波形要
素に相当。)と、インク滴を吐出させるための吐出パル
ス信号DP1(吐出波形要素とも表現できる。図4参
照。)を含む第3パルス信号PS3と、最大電位VHか
ら中間電位VMまで一定勾配で電位を下降させる第4パ
ルス信号PS4(第2連結パルス信号であり、第2連結
波形要素に相当。)とを1記録周期T内に備えた信号で
ある。そして、駆動信号発生回路9は、これらのパルス
信号PS1〜PS4を記録周期T毎に繰り返し発生す
る。なお、この駆動信号COMについては、後で詳しく
説明する。
【0030】上記の制御部6は、記録制御手段としても
機能し、ROM5に格納された各種制御ルーチンに基づ
いて動作する。例えば、受信バッファ内の印刷データを
読み出して中間コードに変換し、この中間コードデータ
を中間バッファに記憶したり、中間バッファから読み出
した中間コードデータを解析し、ROM5内のフォント
データ及びグラフィック関数等を参照して中間コードデ
ータを記録データ(SI)に展開したりする。なお、本
実施形態における記録データは、1ドットが1ビットの
データ(二値データ)によって構成されている。
【0031】制御部6によって展開された記録データは
出力バッファに記憶される。そして、1行分(1回の主
走査に対応する1パス)に相当する記録データが記憶さ
れると、この1行分の記録データは、内部I/F10を
介して記録ヘッド8にシリアル伝送される。出力バッフ
ァから1行分の記録データが出力されると中間バッファ
の内容が消去され、制御部6は次行の記録データを生成
する。
【0032】また、制御部6は、タイミング信号発生手
段の一部を構成し、内部I/F10を通じて記録ヘッド
8にラッチ信号(LAT)やチャンネル信号(CH)を
供給する。これらのラッチ信号やチャンネル信号は、駆
動信号COMを構成する複数のパルス信号PS1〜PS
4の供給開始タイミングを規定する。換言すれば、ラッ
チ信号やチャンネル信号は、制御ロジック46からデコ
ーダ45に供給されるタイミング信号の発生タイミング
を規定するトリガとなる。具体的には、図3に示すよう
に、ラッチ信号LATは第1パルス信号PS1の供給開
始タイミングを規定し、1番目のチャンネル信号CH1
は第2パルス信号PS2の供給開始タイミングを規定す
る。また、2番目のチャンネル信号CH2は第3パルス
信号PS3の供給開始タイミングを規定し、3番目のチ
ャンネル信号CH3は第4パルス信号PS4の供給開始
タイミングを規定する。
【0033】プリントエンジン2は、記録ヘッド8と、
キャリッジ機構11と、紙送り機構12とを備えてい
る。ここで、キャリッジ機構11は、記録ヘッド8が取
り付けられたキャリッジと、このキャリッジをタイミン
グベルト等を介して走行させるパルスモータ等からな
り、記録ヘッド8を主走査方向に移動させる。また、紙
送り機構12は、紙送りモータ及び紙送りローラ等から
なり、記録紙(印刷記録媒体の一種)を順次送り出して
副走査を行う。
【0034】次に、記録ヘッド8について説明する。ま
ず、記録ヘッド8の構造について説明する。図2に例示
した記録ヘッド8は、所謂撓み振動モードの圧電振動子
21を有しており、流路ユニット22とアクチュエータ
ユニット23とから概略構成されている。
【0035】流路ユニット22は、インク供給口24と
なる通孔及び第1ノズル連通口25の一部となる通孔を
開設した供給口形成基板26と、共通インク室27とな
る通孔及び第2ノズル連通口28となる通孔を開設した
インク室形成基板29と、複数(例えば、64個)のノ
ズル開口30…を副走査方向に沿って開設したノズルプ
レート31から構成してある。そして、インク室形成基
板29の表面側(図では下側)にノズルプレート31
を、裏面側(同じく上側)に供給口形成基板26をそれ
ぞれ配置して、これらの供給口形成基板26、インク室
形成基板29及びノズルプレート31を接着によって一
体化してある。
【0036】アクチュエータユニット23は、弾性板と
して機能する第1の蓋部材32と、圧力室33となる通
孔を開設した圧力室形成基板34と、供給側連通口35
となる通孔及び第1ノズル連通口25の一部となる通孔
を開設した第2の蓋部材36と、圧電振動子21とによ
って構成してある。そして、圧力室形成基板34の裏面
に第1の蓋部材32を、表面に第2の蓋部材36をそれ
ぞれ配置して第1の蓋部材32と第2の蓋部材36とで
圧力室形成基板34を挟んで一体化してある。
【0037】圧電振動子21は、第1の蓋部材32の裏
面側に形成されている。例示した圧電振動子21は上記
したように撓み振動モードであり、充電により電界と直
交する方向に収縮して圧力室33の容積を少なくするよ
うに第1の蓋部材32(弾性板)を変形させ、放電によ
り電界と直交する方向に伸長して圧力室33の容積を増
すように第1の蓋部材32を変形させる。この圧電振動
子21は、第1の蓋部材32の裏面に形成された共通電
極37と、この共通電極37の裏面に積層状態で形成し
た圧電体層38と、各圧電体層38の裏面に形成された
駆動電極39とから構成されている。そして、圧電振動
子21は、1つの圧力室33に1つ設けられており、例
えば64個形成されている。なお、この圧電振動子21
は、コンデンサと同じように動作し、駆動信号COMの
供給が遮断された場合には遮断直前の電位を保持する。
【0038】このような構成を採る記録ヘッド8では、
共通インク室27から圧力室33を通ってノズル開口3
0に至る一連のインク流路がノズル開口30毎に形成さ
れる。そして、圧電振動子21を充電したり放電したり
することで対応する圧力室33が収縮或いは膨張し、圧
力室33内のインクに圧力変動が生じる。そして、この
インク圧力を制御することで、ノズル開口30からイン
ク滴を吐出させることができる。例えば、定常状態にあ
る圧力室33を一旦膨張させた後に急激に収縮させる
と、ノズル開口30からインク滴が吐出される。また、
インク滴が吐出されない程度に圧力室33を膨張及び収
縮させるとメニスカス(ノズル開口30で露出している
インクの自由表面)が微振動する。このメニスカスの微
振動によって、ノズル開口付近のインクが攪拌されるの
で、当該部分におけるインクの増粘を防止できる。
【0039】次に、この記録ヘッド8の電気的構成につ
いて説明する。
【0040】この記録ヘッド8は、図1に示すように、
第1シフトレジスタ41及び第2シフトレジスタ42か
らなるシフトレジスタ回路と、第1ラッチ回路43と第
2ラッチ回路44とからなるラッチ回路と、デコーダ4
5と、制御ロジック46と、レベルシフタ47と、スイ
ッチ回路48と、圧電振動子21とを備えている。そし
て、各シフトレジスタ41,42、各ラッチ回路43,
44、デコーダ45、スイッチ回路48、及び、圧電振
動子21は、それぞれ記録ヘッド8のノズル開口30に
対応させて複数設けられる。即ち、1つのノズル開口3
0に対して1組設けられる。
【0041】この記録ヘッド8は、プリンタコントロー
ラ1からの記録データに基づいてインク滴を吐出させ
る。即ち、プリンタコントローラ1からの記録データ
は、発振回路7からのクロック信号(CK)に同期し
て、まず第2シフトレジスタ42にシリアル伝送され、
その後第1シフトレジスタ41にシリアル伝送される。
そして、第2シフトレジスタ42にシリアル伝送された
時点では次回記録周期Tの記録データとして用いられ、
第1シフトレジスタ41にシリアル伝送された時点で今
回記録周期Tの記録データとして用いられる。この記録
データは、上記したように[1]又は[0]の1ビット
データ(二値データ)であり、各ドット毎、即ち、各ノ
ズル開口30毎に設定される。
【0042】第1シフトレジスタ41には第1ラッチ回
路43が電気的に接続され、第2シフトレジスタ42に
は第2ラッチ回路44が電気的に接続されている。そし
て、プリンタコントローラ1からのラッチ信号(LA
T)が各ラッチ回路43,44に入力されると、第1ラ
ッチ回路43は今回記録周期Tの記録データをラッチ
し、第2ラッチ回路44は次回記録周期Tの記録データ
をラッチする。
【0043】このような動作をする第1シフトレジスタ
41及び第1ラッチ回路43と、第2シフトレジスタ4
2及び第2ラッチ回路44の組は、今回記録周期Tにお
ける記録データ及び次回記録周期Tにおける記録データ
を記憶可能な記録データ記憶手段として機能する。さら
に、第1シフトレジスタ41及び第1ラッチ回路43の
組が今回記録データ記憶手段として機能し、第2シフト
レジスタ42及び第2ラッチ回路44の組が次回記録デ
ータ記憶手段として機能する。
【0044】各ラッチ回路43,44でラッチされた記
録データはそれぞれ、デコーダ45に入力される。この
デコーダ45は、今回記録周期T及び次回記録周期Tの
記録データに基づいて翻訳を行い、パルス信号PS1〜
PS4を選択するためのパルス信号選択データ(波形要
素選択データとも表現できる。以下、選択データとい
う。)を生成する。即ち、このような動作をするデコー
ダ45は、選択データ生成手段(波形要素選択データ生
成手段,翻訳手段とも表現できる。)として機能し、記
録データから選択データを生成する。なお、本実施形態
では、1ノズル当たりの記録データが両記録周期T,T
で合計2ビットであり、1記録周期Tが4つのパルス信
号PS1〜PS4で構成されているため、デコーダ45
は、2ビットの記録データを翻訳して4ビットの選択デ
ータをノズル開口30に対応する複数生成する。
【0045】また、デコーダ45には、制御ロジック4
6からのタイミング信号も入力されている。この制御ロ
ジック46は、制御部6と共にタイミング信号発生手段
として機能しており、ラッチ信号(LAT)やチャンネ
ル信号(CH)の入力に同期してタイミング信号を発生
する。
【0046】デコーダ45によって翻訳された4ビット
の選択データは、タイミング信号によって規定されるタ
イミングで上位ビット側から順次レベルシフタ47に入
力される。このレベルシフタ47は、電圧増幅器として
機能し、選択データが[1]の場合には、スイッチ回路
48を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の電圧に
昇圧された電気信号を出力する。
【0047】レベルシフタ47で昇圧された[1]の選
択データは、供給スイッチ手段としても機能するスイッ
チ回路48に供給される。このスイッチ回路48の入力
側には、駆動信号発生回路9からの駆動信号COMが供
給されており、出力側には圧電振動子21が接続されて
いる。そして、上記の選択データは、スイッチ回路48
の作動を制御する。即ち、スイッチ回路48に加わる選
択データが[1]である期間中は、駆動信号COMが圧
電振動子21に供給され、この駆動信号COMの電位に
倣って圧電振動子21の電位(以下、振動子電位ともい
う。)が変化する。一方、スイッチ回路48に加わる選
択データが[0]の期間中は、レベルシフタ47からは
スイッチ回路48を作動させる電気信号が出力されない
ので、圧電振動子21へは駆動信号COMが供給されな
い。要するに、選択データとして[1]が設定されたパ
ルス信号が選択的に圧電振動子21に供給される。
【0048】このように、本実施形態では、デコーダ4
5、制御ロジック46、レベルシフタ47、及び、スイ
ッチ回路48が、選択されたパルス信号PS1〜PS4
を圧電振動子21に供給し、本発明の駆動信号供給手段
(波形要素供給手段とも表現できる。)として機能す
る。また、これらの各部45〜48は、連結パルス信号
供給手段(本発明の振動子電位調整手段の一種。連結波
形要素供給手段とも表現できる。)としても機能し、第
1連結パルス信号(第2パルス信号PS2)と第2連結
パルス信号(第4パルス信号PS4)とを圧電振動子2
1に選択的に供給することで振動子電位を調整する。
【0049】次に、駆動信号発生回路9が発生する駆動
信号COMと、この駆動信号COMにおけるパルス信号
PS1〜PS4の選択動作について説明する。
【0050】まず、駆動信号COMについて説明する。
図3に例示した駆動信号COMは、記録周期T内の第1
周期t1で発生される第1パルス信号PS1と、第2周
期t2で発生される第2パルス信号PS2と、第3周期
t3で発生される第3パルス信号PS3と、第4周期t
4で発生される第4パルス信号PS4とから構成されて
いる。即ち、駆動信号発生回路9は、吐出パルス信号D
P1よりも前に第1連結パルス信号としての第2パルス
信号PS2を発生し、吐出パルス信号DP1よりも後に
第2連結パルス信号としての第4パルス信号PS4を発
生している。そして、この駆動信号COMは、ベース電
位の一種である中間電位VMから開始されてこの中間電
位VMで終了する。なお、本実施形態における中間電位
VMは、最大電位VH(本発明の駆動電位に相当。)の
50%〜60%程度に設定されている。
【0051】第1パルス信号PS1は、中間電位VMで
一定の前側定電位要素P1と、この前側定電位要素P1
に続いて発生されて中間電位VMから微振動電位VBま
でインク滴を吐出させない程度の一定勾配で電位を下降
させる微振動膨張要素P2と、この微振動膨張要素P2
に続いて発生されて微振動電位VBを保持する微振動ホ
ールド要素P3と、微振動ホールド要素P3に続いて発
生されて微振動電位VBから中間電位VMまでインク滴
を吐出させない程度の一定電位で電位を上昇させる微振
動収縮要素P4と、微振動収縮要素P4に続いて発生さ
れて中間電位VMで一定の後側定電位要素P5とから構
成されている。そして、これらの波形要素の内、微振動
膨張要素P2、微振動ホールド要素P3及び微振動収縮
要素P4が微振動パルス信号(微振動波形要素)VP1
を構成する。
【0052】この微振動パルス信号VP1が供給される
と、圧電振動子21は、定常容積の圧力室33を少し膨
張させた後に定常容積まで収縮させる。即ち、圧電振動
子21は、微振動膨張要素P2の供給によって圧力室3
3を膨張させる側に少し撓み、微振動ホールド要素P3
の供給期間に亘ってこの撓み状態を維持する。その後、
微振動収縮要素P4の供給によって戻り方向に変形し、
圧力室33の容積を定常状態に戻す。その結果、圧力室
33内のインクには多少の圧力変動が生じてメニスカス
が微振動し、ノズル開口付近のインクが攪拌される。こ
の攪拌により、ノズル開口付近のインクの増粘が防止さ
れる。
【0053】第2パルス信号PS2は、第1連結パルス
信号として機能し、中間電位VMで一定の前側定電位要
素P6と、前側定電位要素P6に続いて発生されて中間
電位VMから最大電位VHまでインク滴を吐出させない
程度の一定勾配で電位を上昇させる第1連結要素P7
と、第1連結要素P7に続いて発生されて最大電位VH
で一定の後側定電位要素P8とから構成されている。こ
の第2パルス信号PS2の供給によって圧電振動子21
は圧力室33を収縮させる方向に撓む。その結果、圧力
室33は、最大電位VHで規定される最小容積となる。
なお、この第2パルス信号PS2の勾配部分(第1連結
要素P7)の発生時間は、圧力室33内のインクの固有
振動周期Tcに基づいて定めている。本実施形態では、
固有振動周期Tcが約10μsであるため、第1連結要
素P7の発生時間を固有振動周期Tcに揃えて10μs
に設定している。このように発生時間を設定すると、圧
力室33を収縮させる際においてインク内に無用な振動
が励起されてしまう不具合を防止しつつ、圧力室33を
短時間で収縮させることができる。
【0054】第3パルス信号PS3は、最大電位VHで
一定の前側定電位要素P9と、前側定電位要素P9に続
いて発生されて最大電位VHから最低電位VLまで一定
の急勾配で電位を下降させる引き込み要素P10と、引
き込み要素P10に続いて発生されて最低電位VLを極
く短時間保持する引き込みホールド要素P11と、引き
込みホールド要素P11に続いて発生されて最低電位V
Lから吐出収縮電位VF1まで一定の急勾配で電位を上
昇させる吐出収縮要素P12と、吐出収縮要素P12に
続いて発生されて吐出収縮電位VF1を極く短時間保持
する第1吐出ホールド要素P13と、第1吐出ホールド
要素P13に続いて発生されて吐出収縮電位VF1から
吐出膨張電位VF2まで一定の急勾配で電位を下降させ
る吐出膨張要素P14と、吐出膨張要素P14に続いて
発生されて吐出膨張電位VF2を極く短時間保持する第
2吐出ホールド要素P15と、第2吐出ホールド要素P
15に続いて発生され、吐出膨張電位VF2から最大電
位VHまで一定の勾配で電位を上昇させる制振要素P1
6と、制振要素P16に続いて発生されて最大電位VH
で一定の後側定電位要素P17とから構成されている。
【0055】そして、これらの波形要素の内、引き込み
要素P10から制振要素P16までの各波形要素は、吐
出パルス信号(吐出波形要素)DP1を構成する。この
吐出パルス信号DP1は、インク滴を吐出させるための
パルス信号であり、本実施形態では始終端が中間電位V
Mよりも高い最大電位VHに設定されている。この吐出
パルス信号DP1が圧電振動子21に供給されると、圧
力室33の容積は次のように変化する。まず、圧電振動
子21は、引き込み要素P10の供給によって収縮状態
の圧力室33を大きく急速に膨張させる。次に、吐出収
縮要素P12の供給によって圧力室33を急速に収縮さ
せる。続いて、圧電振動子21は、吐出膨張要素P14
の供給により圧力室33を再度膨張させ、制振要素P1
6の供給によって圧力室33を収縮状態に戻す。
【0056】この一連の動作によってノズル開口30か
らは極く少量のインク滴が吐出される。即ち、圧力室3
3の容積が上記のように変動することで、メニスカスの
中央部分が柱状に盛り上がって記録紙側(吐出側)に伸
長し、その先端側の部分がちぎれて極く少量のインク滴
となって飛翔する。その結果、粒状感のない高画質の画
像が記録できる。
【0057】第4パルス信号PS4は、第2連結パルス
信号として機能し、最大電位VHで一定の前側定電位要
素P18と、前側定電位要素P18に続いて発生されて
最大電位VHから中間電位VMまでインク滴を吐出させ
ない程度の一定勾配で電位を下降させる第2連結要素P
19と、第2連結要素P19に続いて発生されて中間電
位VMで一定の後側定電位要素P20とから構成されて
いる。この第4パルス信号PS4の供給によって圧電振
動子21は中間電位VMに対応する定常状態に戻る。そ
の結果、圧力室33は最大電位VHに対応する収縮容積
から定常容積まで膨張復帰する。なお、この第4パルス
信号PS4の勾配部分(第2連結要素P19)の発生時
間も圧力室33内のインクの固有振動周期に基づいて定
められている。本実施形態では、第2パルス信号PS2
の第1連結要素P7と同様に10μsに設定されてい
る。
【0058】次に、この駆動信号COMを構成する各パ
ルス信号PS1〜PS4の選択動作、即ち、駆動信号供
給手段(波形要素供給手段)及び連結パルス信号供給手
段(デコーダ45,制御ロジック46,レベルシフタ4
7,スイッチ回路48,以下同様。)の動作について説
明する。
【0059】本実施形態において、駆動信号供給手段
は、今回記録周期Tのパルス信号を選択するにあたって
次回記録周期Tの記録データ(二値データ)も参照して
おり、次回記録周期Tでの記録或いは非記録のデータに
基づき、選択するパルス信号PS1〜PS4を決めてい
る。即ち、次回記録周期T(本発明における後の記録周
期に相当)で記録が予定されている場合には、今回記録
周期Tの終了時における振動子電位(以下、終了時振動
子電位ともいう。)が最大電位VHになるようにパルス
信号PS1〜PS4を選択し、非記録が予定されている
場合には今回記録周期Tの終端電位が中間電位VMにな
るようにパルス信号PS1〜PS4を選択する。換言す
れば、波形要素供給手段は、次回記録周期の記録データ
が記録を示す場合に今回記録周期での終端電位が駆動電
位になるように波形要素を選択し、非記録を示す場合に
今回記録周期での終端電位がベース電位になるように波
形要素を選択する。
【0060】具体的には、今回記録周期Tが記録であっ
て次回記録周期Tが記録の場合には、第3パルス信号P
S3(吐出パルス信号DP1)を選択し、第4パルス信
号(第2連結パルス信号)PS4は選択しない。そし
て、今回記録周期Tが記録であって次回記録周期Tが非
記録の場合には、第3パルス信号PS3と第4パルス信
号PS4を選択する。一方、今回記録周期Tが非記録で
あって次回記録周期Tが記録の場合には、第2パルス信
号(第1連結パルス信号)PS2を選択し、第3パルス
信号PS3及び第4パルス信号PS4は選択しない。そ
して、今回記録周期Tが非記録であって次回記録周期T
が非記録の場合には、第1パルス信号PS1(微振動パ
ルス信号VP1)を選択するのみで、第2パルス信号P
S2、第3パルス信号PS3及び第4パルス信号PS4
は選択しない。
【0061】この場合において、デコーダ45は、第1
ラッチ回路43にラッチされた今回記録周期Tにおける
記録データと第2ラッチ回路44にラッチされた次回記
録周期Tにおける記録データとをノズル開口30毎に組
にして翻訳(デコード)し、そのノズル開口30に対応
する選択データを生成する。
【0062】例えば、今回記録周期Tの記録データと次
回記録周期Tの記録データとが共に非記録を示す[0
0]の場合、デコーダ45は選択データ[1000]を
生成する。また、今回記録周期Tの記録データが非記録
を示し次回記録周期Tの記録データが記録を示す[0
1]の場合、デコーダ45は選択データ[0100]を
生成する。さらに、デコーダ45は、今回記録周期Tの
記録データが記録を示し次回記録周期Tの記録データが
非記録を示す[10]の場合には選択データ[001
1]を生成し、今回記録周期Tの記録データと次回記録
周期Tの記録データとが共に記録を示す[11]の場合
には選択データ[0010]を生成する。
【0063】これにより、今回記録周期T及び次回記録
周期Tで非記録が連続する場合には、図4(a)に示す
ように、第1パルス信号PS1だけが圧電振動子21に
供給され、今回記録周期Tの終了時振動子電位は中間電
位VMとなる。また、今回記録周期Tが非記録であり次
回記録周期Tが記録の場合には、図4(b)に示すよう
に、第2パルス信号PS2だけが圧電振動子21に供給
され、終了時振動子電位は最大電位VHとなる。同様
に、今回記録周期Tが記録であり次回記録周期Tが非記
録の場合には、図4(c)に示すように、第3パルス信
号PS3と第4パルス信号PS4とが圧電振動子21に
供給されて終了時振動子電位は中間電位VMとなり、今
回記録周期T及び次回記録周期Tで記録が連続する場合
には、図4(d)に示すように、第3パルス信号PS3
だけが圧電振動子21に供給されて終了時振動子電位は
最大電位VHとなる。
【0064】従って、非記録が連続する場合には、図5
(a)に示すように、圧電振動子21は中間電位VM以
下の電位に保たれる。これにより、圧電振動子21の負
担が軽減され、圧電振動子21を保護できる。また、微
振動パルス信号VP1が圧電振動子21に供給されるの
で、ノズル開口付近におけるインクの増粘を防止でき
る。
【0065】一方、記録が連続する場合には、図5
(b)に示すように、今回記録周期Tにおける吐出パル
ス信号DP1の供給終了から次回記録周期Tにおける吐
出パルス信号DP1の供給開始までの期間Aにおいて圧
電振動子21には最大電位VHが供給される。しかし、
この期間Aでの振動子電位は一定であるため、短時間で
振動子電位を高低させるよりは圧電振動子21の負担が
少ない。従って、この場合においても圧電振動子21を
保護できる。さらに、この場合には、振動子電位が一定
に保たれる期間が長いので圧力室33内のインク圧力を
安定させることができ、インク滴の吐出曲がりを防止す
ることもできる。
【0066】また、記録状態から非記録状態に切り替わ
る場合には、図6(a)に示すように、第3パルス信号
PS3(吐出パルス信号DP1)と該第3パルス信号P
S3に続いて発生される第4パルス信号(第2連結パル
ス信号)PS4とを圧電振動子21に供給するので、次
回記録周期Tの開始前に振動子電位を中間電位VMまで
下げておくことができる。これにより、今回記録周期T
と次回記録周期Tの切り替わり時において、振動子電位
と第1パルス信号PS1の始端電位とを揃えることがで
き、圧電振動子21に駆動信号COMを円滑に供給する
ことができる。換言すれば、過度に大きい電位差による
急激な変形を防止することができる。
【0067】一方、非記録状態から記録状態に切り替わ
る場合には、図6(b)に示すように、記録を行う直前
の記録周期Tで第2パルス信号(第1連結パルス信号)
PS2が供給され、この記録周期T内で振動子電位が中
間電位VMから最大電位VHに切り替わる。このため、
振動子電位を最大電位VHに調整してから第3パルス信
号PS3(吐出パルス信号DP1)の供給開始までに比
較的長い時間Bを確保できる。このようにすると、振動
子電位を短時間で急激に高低させることを防止でき、圧
電振動子21の保護ができる。さらに、圧力室33内の
インク圧力を安定させることができ、インク滴の吐出曲
がりを防止することもできる。
【0068】ところで、上記のように駆動信号供給手段
及び連結パルス信号供給手段は、次回記録周期Tの記録
データの内容(即ち、記録若しくは非記録の情報)に応
じて今回記録周期Tの終了時振動子電位を決めている。
このため、1行(1パス)における最初の記録データに
は、対応する前回記録周期Tの記録データがなく、その
ままでは不定になってしまう。この点に鑑み、本実施形
態では、制御部6をダミーデータ設定手段として機能さ
せ、図7に示すように、1行に対応する一群の記録デー
タにおける最初のデータD1の前に、非記録を示す記録
データを開始前ダミーデータとして設定する。即ち、制
御部6は、印刷データを記録データ(二値データ)に展
開するにあたって、1行の先頭部分(例えば、2記録周
期T分)に、非記録を示す[0]の記録データを設定す
る。
【0069】このように構成したことで、1番目の記録
データD1に対しても事前に準備ができる。即ち、駆動
信号供給手段は、まず、先頭の開始前ダミーデータと2
番目の開始前ダミーデータとに基づいて、非記録/非記
録(今回が非記録であり、次回も非記録であるという意
味。以下同様。)であると判断する。このため、先頭の
開始前ダミーデータに対応する記録周期Tでは、図4
(a)のように、第1パルス信号PS1が圧電振動子2
1に供給される。次に、駆動信号供給手段は、2番目の
開始前ダミーデータと1番目の印字データD1とに基づ
く判断を行う。ここで、印字データD1が非記録を示す
場合には、駆動信号供給手段は非記録/非記録であると
判断し、2番目の開始前ダミーデータに対応する記録周
期Tでも、図4(a)のように、第1パルス信号PS1
が圧電振動子21に供給される。一方、印字データD1
が記録を示す場合には、駆動信号供給手段は非記録/記
録であると判断する。これにより、2番目の開始前ダミ
ーデータに対応する記録周期Tでは、図4(b)のよう
に、第2パルス信号PS2が圧電振動子21に供給され
る。その結果、印字データD1に対する準備を事前に行
うことができ、圧電振動子21への信号の供給を円滑に
行うことができる。
【0070】なお、この開始前ダミーデータに関し、本
実施形態では2記録周期T分(2ビット)設定したがこ
れに限らず、1記録周期T分(1ビット)に設定しても
よいし、3記録周期T分以上(3ビット以上)に設定し
てもよい。
【0071】また、このプリンタでは、1行分の主走査
の終了後直ちに次行に対する主走査が行われる。このた
め、今回と次行との間の繋ぎも重要になる。仮に、今回
が最大電位VHで終了したとする。この場合、次行の開
始直前の圧電振動子21の電位は最大電位VH付近とな
る。このため、次行において圧電振動子21に中間電位
VMを供給すると電位差によって急激に変形してしま
う。これにより、圧力室33内のインク圧力が乱された
り、場合によってはインク滴の異常吐出も起こり得る。
【0072】そこで、本実施形態では、図7に示すよう
に、制御部6(ダミーデータ設定手段)により、1行に
対応する一群の記録データにおける最後のデータDnの
後に非記録を示す記録データを終了時ダミーデータとし
て設定している。即ち、制御部6は、印刷データを記録
データに展開するにあたって、1行の最終部分(2記録
周期T分)に、非記録を示す[0]の記録データを終了
時ダミーデータとして設定する。
【0073】このように構成したことで、次行の主走査
との間で繋ぎを円滑に行うことができる。即ち、今回主
走査終了時点の振動子電位は、直前の記録周期Tにおけ
る記録データDnの内容に拘わらず中間電位VMに設定
される。従って、次行の主走査において圧電振動子21
に中間電位VMが供給されても振動子電位に変化はな
く、円滑に繋ぐことができる。そして、この終了時ダミ
ーデータについても、2記録周期T分(2ビット)に限
らず、1記録周期T分(1ビット)に設定してもよい
し、3記録周期T分以上(3ビット以上)に設定しても
よい。
【0074】次に、本発明の第2実施形態について説明
する。この第2実施形態は、駆動信号COMの波形形状
と、記録データ記憶手段の構成が上記第1実施形態と相
違する。
【0075】まず、図8の機能ブロック図を参照してプ
リンタの構成について説明する。この第2実施形態のプ
リンタでは、シフトレジスタ回路とラッチ回路の構成が
上記した第1実施形態と相違している。
【0076】即ち、このプリンタでは、第1実施形態に
おける2つのシフトレジスタ41,42に代えて単一の
シフトレジスタ回路51が設けられている。このシフト
レジスタ回路51は、一記録周期T分の記録データをセ
ット可能な回路で構成されている。そして、このシフト
レジスタ回路51には第2ラッチ回路44が電気的に接
続されており、第2ラッチ回路44はラッチ信号(LA
T)の入力によってシフトレジスタ回路51にセットさ
れた記録データをラッチする。また、第1ラッチ回路4
3は、第2ラッチ回路44に電気的に接続されており、
ラッチ信号が入力されると第2ラッチ回路44にラッチ
されている記録データをラッチする。このため、ラッチ
信号が入力されると、シフトレジスタ回路51にセット
されていた記録データは第2ラッチ回路44にラッチさ
れ、第2ラッチ回路44に保持されていた記録データは
第1ラッチ回路43にラッチされる。従って、本実施形
態では、第1ラッチ回路43が今回記録データ記憶手段
として機能し、第2ラッチ回路44が次回記録データ記
憶手段として機能する。
【0077】また、これらの第1ラッチ回路43及び第
2ラッチ回路44は、制御部6からのリセット信号(R
ESET)が入力可能に構成される。このリセット信号
が入力されると各ラッチ回路43,44は保持内容、つ
まり、ラッチした記録データをクリアし、非記録を示す
初期データ、即ち[0]のデータを設定する。この場合
において、制御部6は、記録データをクリアする初期化
手段として機能する。
【0078】次に、駆動信号発生回路9が発生する駆動
信号COMについて説明する。
【0079】図9に例示した駆動信号COMは、記録周
期T内の第1周期t11で発生される第1パルス信号P
S11と、第2周期t12で発生される第2パルス信号
PS12と、第3周期t13で発生される第3パルス信
号PS13と、第4周期t14で発生される第4パルス
信号PS14とから構成されている。
【0080】第1パルス信号PS11は、上記した第1
パルス信号PS1と同様であり、中間電位VM(本発明
のベース電位の一種)で一定の前側定電位要素P21
と、中間電位VMから微振動電位VBまでインク滴を吐
出させない程度の一定勾配で電位を下降させる微振動膨
張要素P22と、微振動電位VBを保持する微振動ホー
ルド要素P3と、微振動電位VBから中間電位VMまで
インク滴を吐出させない程度の一定電位で電位を上昇さ
せる微振動収縮要素P4と、中間電位VMで一定の後側
定電位要素P5とから構成されている。そして、これら
の波形要素の内、微振動膨張要素P22、微振動ホール
ド要素P23及び微振動収縮要素P24が微振動パルス
信号VP2(微振動波形要素とも表現できる。図10
(a)参照。)を構成する。そして、この微振動パルス
信号VP2が圧電振動子21に供給されると、圧力室3
3内のインクには多少の圧力変動が生じてメニスカスが
微振動し、ノズル開口付近のインクが攪拌される。
【0081】第2パルス信号PS12は、第1連結パル
ス信号として機能し、中間電位VMで一定の前側定電位
要素P26と、中間電位VMから第2最大電位VH´ま
でインク滴を吐出させない程度の一定勾配で電位を上昇
させる第1連結要素要素P27と、最大電位VHで一定
の後側定電位要素P28とから構成されている。ここ
で、第2最大電位VH´は、本発明における駆動電位の
一種であり、最大電位VHよりも少し低い電位に設定さ
れる。
【0082】第3パルス信号PS13は、第2最大電位
VH´で一定の前側定電位要素P29と、第2最大電位
VH´から最低電位VLまで一定の急勾配で電位を下降
させる引き込み要素P30と、最低電位VLを極く短時
間保持する引き込みホールド要素P31と、最低電位V
Lから吐出収縮電位VF1まで一定の急勾配で電位を上
昇させる吐出収縮要素P32と、吐出収縮電位VF1を
極く短時間保持する第1吐出ホールド要素P33と、吐
出収縮電位VF1から吐出膨張電位VF2まで一定の急
勾配で電位を下降させる吐出膨張要素P34と、吐出膨
張電位VF2を極く短時間保持する第2吐出ホールド要
素P35と、吐出膨張電位VF2から最大電位VHまで
一定の勾配で電位を上昇させる第1制振要素P36と、
最大電位VHを保持する制振ホールド要素P37と、最
大電位VHから第2最大電位VH´まで一定の勾配で電
位を下降させる第2制振要素P38と、第2最大電位V
H´で一定の後側定電位要素P39とから構成されてい
る。そして、これらの波形要素の内、引き込み要素P3
0から第2制振要素P38までの各波形要素は、吐出パ
ルス信号(吐出波形要素)DP2を構成する。この吐出
パルス信号DP2は、インク滴を吐出させるためのパル
ス信号であり、本実施形態では始終端が第2最大電位V
H´に設定されている。
【0083】この吐出パルス信号DP2が供給される
と、圧電振動子21は、上記の吐出パルス信号DP1が
供給された場合と同様に動作し、ノズル開口21から極
く少量のインク滴を吐出させる。即ち、圧電振動子21
は、引き込み要素P30の供給によって収縮状態の圧力
室33を大きく急速に膨張させ、吐出収縮要素P32の
供給によって圧力室33を急速に収縮させる。続いて、
圧電振動子21は、吐出膨張要素P34の供給によって
圧力室33を再度膨張させ、第1制振要素P36の供給
によって圧力室33を最小容積にする。その後、圧電振
動子21は、制振ホールド要素P37で規定される時間
の経過後に圧力室33を第2最大電位VH´で規定され
る容積まで戻す。
【0084】第4パルス信号PS14は、第2連結パル
ス信号として機能し、第2最大電位VH´で一定の前側
定電位要素P40と、第2最大電位VH´から中間電位
VMまでインク滴を吐出させない程度の一定勾配で電位
を下降させる第2連結要素P41と、中間電位VMで一
定の後側定電位要素P42とから構成されている。この
第4パルス信号PS14の供給によって圧電振動子21
は中間電位VMに対応する定常状態に戻る。その結果、
圧力室33は最大電位VHに対応する収縮容積から定常
容積まで膨張復帰する。
【0085】次に、各パルス信号PS11〜PS14の
選択動作、即ち、駆動信号供給手段(波形要素供給手
段)及び連結パルス信号供給手段(デコーダ45,制御
ロジック46,レベルシフタ47,スイッチ回路48,
以下同様。)の動作について説明する。
【0086】本実施形態でも上記の第1実施形態と同様
に、駆動信号供給手段及び連結パルス信号供給手段は次
回記録周期Tでの記録或いは非記録の情報に基づいて選
択するパルス信号PS11〜PS14を決める。即ち、
デコーダ45は、記録データが[00]の場合に選択デ
ータ[1000]を生成し、記録データが[01]の場
合に選択データ[0100]を生成する。また、記録デ
ータが[10]の場合に選択データ[0011]を生成
し、記録データが[11]の場合には選択データ[00
10]を生成する。
【0087】従って、非記録が続く場合には、図10
(a)に示すように、微振動パルス信号VP2(第1パ
ルス信号PS11)のみが圧電振動子21に供給され、
今回記録周期Tの終了時振動子電位は中間電位VMとな
る。また、今回記録周期Tが非記録であり次回記録周期
Tが記録の場合には、図10(b)に示すように、第2
パルス信号(第1連結パルス信号)PS12が圧電振動
子21に供給され、今回記録周期Tの終了時振動子電位
は第2最大電位VH´となる。同様に、今回記録周期T
が記録であり次回記録周期Tが非記録の場合には、図1
0(c)に示すように、吐出パルス信号DP2(第3パ
ルス信号PS13)と第4パルス信号(第2連結パルス
信号)PS14とが圧電振動子21に供給されて今回記
録周期Tの終了時振動子電位は中間電位VMとなり、今
回記録周期T及び次回記録周期Tで記録が連続する場合
には、図10(d)に示すように、第3パルス信号PS
13だけが圧電振動子21に供給されて今回記録周期T
の終了時振動子電位は第2最大電位VH´となる。
【0088】これにより、本実施形態でも非記録が続く
場合には、振動子電位が中間電位VMに調整されるので
圧電振動子21への負担が軽減される。また、記録が続
く場合には、第3パルス信号PS13を供給していない
期間において振動子電位が第2最大電位VH´で一定に
なる。さらに、次回記録周期Tにおいて記録状態が切り
変わる際には、今回記録周期Tの中で電位が調整される
ので、短時間での電位の高低が防止される。その結果、
始終端電位が中間電位VMよりも高い第2最大電位VH
´とされた吐出パルス信号DP2によって圧電振動子2
1を高周波駆動しても、圧電振動子21を保護できる。
さらに、振動子電位の短時間での高低が減少することか
ら圧力室33内のインク圧力が安定しやすくなり、イン
ク滴の吐出曲がりも防止できる。
【0089】次に、この第2実施形態の動作について、
プリンタコントローラ1からのデータの送信方法、及
び、記録ヘッド8内での記録データの使用方法を中心に
説明する。
【0090】本実施形態において、制御部6は、1行
(1パス)の記録データが得られたならば、初期化手段
として機能し、各ラッチ回路43,44にリセット信号
を出力する。これにより、各ラッチ回路43,44の記
憶内容はクリアされ[0](非記録)のデータがセット
される。各ラッチ回路43,44をリセットしたならば
制御部6は、1ドット目の記録データ(二値データ)を
全てのノズル開口分送信する。この送信された記録デー
タはシフトレジスタ回路51にセットされる。
【0091】シフトレジスタ回路51に全ノズル分の記
録データをセットしたならば、制御部6は、各ラッチ回
路43,44にラッチ信号を出力する。このラッチ信号
の受信により、第1ラッチ回路43は第2ラッチ回路4
4の記録データをラッチし、第2ラッチ回路44はシフ
トレジスタ回路51にセットされた1ドット目の記録デ
ータをラッチする。つまり、第2ラッチ回路44の記録
データが第1ラッチ回路43に移動し、シフトレジスタ
回路51の記録データが第2ラッチ回路44に移動す
る。
【0092】なお、各ラッチ回路43,44のリセット
は、ラッチ信号の出力前に行えばよい。例えば、シフト
レジスタ回路51に1ドット目の記録データをセットし
ている最中にリセットしてもよいし、1ドット目の記録
データをセットした直後にリセットしてもよい。
【0093】ラッチ信号の受信を契機にデコーダ45
は、第1ラッチ回路43がラッチしたデータを今回記録
周期Tの記録データとし、第2ラッチ回路44がラッチ
したデータ(1ドット目の記録データ)を次回記録周期
Tの記録データとしてパルス信号PS11〜PS14の
選択を行う。これにより、1ドット目の記録に対する準
備が行われる。
【0094】次に制御部6は、2ドット目の記録データ
をシフトレジスタ回路51にセットし、各ラッチ回路4
3,44にラッチ信号を出力する。このラッチ信号の受
信により、第1ラッチ回路43は1ドット目の記録デー
タをラッチし、第2ラッチ回路44は2ドット目の記録
データをラッチする。その結果、1ドット目の記録が行
われると共に、2ドット目の記録に対する準備が行われ
る。
【0095】以後、同様にして記録動作が行われる。そ
して、制御部6は、最終ドット(1行の終端)の記録デ
ータの後に、終了時ダミーデータとして[0]を1ドッ
ト分(つまり、1ビット)追加する。これにより、最終
ドットの記録データが第1ラッチ回路43にラッチされ
た状態で、終了時ダミーデータが第2ラッチ回路44に
ラッチされる。従って、最終ドットに対する記録終了時
において、全ての圧電振動子21…の電位を中間電位V
Mに揃えることができ、次行(次パス)の記録時におい
て、振動子電位と駆動信号の始端電位とのギャップに起
因する圧電振動子21の異常変形を防止できる。
【0096】このように、本実施形態でも、対応する記
録データが不定となってしまう不具合が防止できるし、
次行への繋ぎも円滑に行うことができる。
【0097】なお、この第2実施形態においては、1行
の記録開始前(1ドット目の記録データをラッチさせる
前)に各ラッチ回路43,44をリセットしているの
で、終了時ダミーデータを省略してもよい。
【0098】次に、本発明の第3実施形態について説明
する。この第3実施形態は、多階調の記録を行えるプリ
ンタに本発明を適用したものである。この第3実施形態
は、基本的に上記した各実施形態と同じ構成であるが、
駆動信号COMの波形形状と、記録データ記憶手段の構
成が相違する。
【0099】まず、図11の機能ブロック図に基づいて
構成上の相違点について説明する。この第2実施形態の
プリンタでは、記録ヘッド8の電気的構成が上記した第
1実施形態と相違している。即ち、この記録ヘッド8
は、第1シフトレジスタ61及び第2シフトレジスタ6
2からなるシフトレジスタ回路と、第1ラッチ回路6
3、第2ラッチ回路64及び第3ラッチ回路65とから
なるラッチ回路と、OR回路66と、デコーダ45と、
制御ロジック46と、レベルシフタ47と、スイッチ回
路48と、圧電振動子21とを備えている。
【0100】本実施形態において、記録データは、1ド
ットが2ビットの階調データによって構成される。この
階調データは、例えば、非記録(印字内微振動)を示す
階調データ[00]と、小ドットによる記録を示す階調
データ[01]と、中ドットによる記録を示す階調デー
タ[10]と、大ドットによる記録を示す階調データ
[11]とから構成される。従って、この構成では、各
ドットを4階調で表すことができる。そして、この階調
データは、上位ビットと下位ビットとに分けられて第1
ラッチ回路63と第2ラッチ回路64にラッチ(記憶)
される。即ち、階調データにおける上位ビットのデータ
群が第2ラッチ回路64にラッチされ、下位ビットのデ
ータ群が第1ラッチ回路63にラッチされる。
【0101】そして、各シフトレジスタ61,62、各
ラッチ回路63〜65、OR回路66、レベルシフタ4
7、スイッチ回路48、及び、圧電振動子21は、それ
ぞれ記録ヘッド8のノズル開口30に対応して複数設け
られる。例えば、図12(a)に示すように、第1ラッ
チ回路63は複数の第1ラッチ素子63A〜63Nを備
え、第2ラッチ回路64は複数の第2ラッチ素子64A
〜64Nを備えている。また、第3ラッチ回路65は複
数の第3ラッチ素子65A〜65Nを備え、OR回路6
6は複数のORゲート66A〜66Nを備えている。
【0102】第1シフトレジスタ61には第1ラッチ回
路63が電気的に接続され、第2シフトレジスタ62に
は第2ラッチ回路64が電気的に接続されている。そし
て、プリンタコントローラ1(制御部6)からの第1ラ
ッチ信号(LAT1)が両ラッチ回路に入力されると、
第1ラッチ回路63は今回記録周期Tにおける階調デー
タの下位ビットをラッチし、第2ラッチ回路64は今回
記録周期Tにおける階調データの上位ビットをラッチす
る。このような動作をする第1シフトレジスタ61及び
第1ラッチ回路63と、第2シフトレジスタ62及び第
2ラッチ回路64の組は、今回記録周期Tにおける記録
データ(即ち、階調データ)を記憶する階調データ記憶
手段(記録データ記憶手段の一種)として機能する。
【0103】上記のOR回路66は、第1ラッチ回路6
3及び第2ラッチ回路64がラッチした階調データに基
づき、この階調データが記録を示すのか、非記録を示す
のかを判定する。即ち、その記録周期Tでの記録の有無
を判定する記録状態判定手段として機能する。
【0104】本実施形態では、上記したように、非記録
の階調データが[00]、小ドットの階調データが[0
1]、中ドットの階調データが[10]、及び、大ドッ
トの階調データが[11]である。つまり、記録を行う
階調データには[1]のデータが含まれている。そし
て、このOR回路66は、上記したようにノズル開口3
0に対応した複数のORゲート66A〜66Nを有し、
各ORゲート66A〜66Nの一方の入力端子が、対応
する第1ラッチ素子63A〜63Nに電気的に接続され
ている。同様に、他方の入力端子が対応する第2ラッチ
素子64A〜64Nに電気的に接続されている。このた
め、図12(b)に示すように、第1ラッチ回路63が
ラッチした階調データの下位ビットと、第2ラッチ回路
64がラッチした階調データの上位ビットとの論理和を
OR回路66で演算すると、このOR回路66からの出
力(演算結果)は、非記録の場合に[0]となり、小ド
ット〜大ドットの何れかを記録する場合に[1]とな
る。このため、OR回路66からの出力は、その記録周
期Tでの記録の有無を示す判定データとして機能する。
【0105】そして、第3ラッチ回路65は、プリンタ
コントローラ1(制御部6)からの第2ラッチ信号(L
AT2)の受信を契機に、OR回路66からの出力をラ
ッチする。つまり、記録の有無を示す判定データをラッ
チする。ここで、第2ラッチ信号は、後述するように第
1ラッチ信号の供給に先立って第3ラッチ回路65に供
給される。即ち、第3ラッチ回路65は、今回記録周期
Tの階調データが新たに第1ラッチ回路63及び第2ラ
ッチ回路64へラッチされる直前で階調データをラッチ
する。このため、OR回路66からの出力は前回記録周
期Tにおける記録の有無を示す判定データとなり、第3
ラッチ回路65にラッチされるデータは前回記録周期T
における記録の有無を示す履歴データとなる。
【0106】以上から、第3ラッチ回路65は履歴デー
タ記憶手段(記録データ記憶手段の一種)として機能す
る。また、OR回路66は前回記録周期Tの履歴データ
を生成する履歴データ生成手段ということもできる。
【0107】そして、この記録ヘッド8は、プリンタコ
ントローラ1からの記録データ(SI)に基づいてイン
ク滴を吐出させる。
【0108】本実施形態でも、インク滴の吐出に先立っ
て、まず、プリンタコントローラ1からの記録データが
発振回路7からのクロック信号(CK)に同期してシフ
トレジスタ回路にシリアル伝送される。この記録データ
は、全ノズル開口30…の上位ビットのデータ群と、下
位ビットのデータ群とから構成され、先ず下位ビットの
データ群が第2シフトレジスタ62にセットされ、その
後、上位ビットのデータ群が第2シフトレジスタ62に
セットされる。従って、上位ビットのデータ群が第2シ
フトレジスタ62にセットされると、これに伴って下位
ビットのデータ群がシフトして順次第1シフトレジスタ
61にセットされる。
【0109】階調データにおける上位ビットのデータ群
が第2シフトレジスタ62にセットされ、下位ビットの
データ群が第1シフトレジスタ61にセットされたなら
ば、或いは、これらのデータ群の各シフトレジスタ6
1,62へのセット中において、プリンタコントローラ
1の制御部6は第2ラッチ信号を出力する。この第2ラ
ッチ信号により、第3ラッチ回路65は、書き換えられ
る直前の階調データに基づく判定結果(OR回路66か
らの出力)を、前回記録周期Tでの履歴データとしてラ
ッチする。第3ラッチ回路65が履歴データをラッチ
し、今回記録周期Tにおける階調データが各シフトレジ
スタ61,62回路にセットされたならば、制御部6は
第1ラッチ信号を出力する。この第1ラッチ信号によ
り、第1ラッチ回路63は階調データの下位ビットをラ
ッチし、第2ラッチ回路64は階調データの上位ビット
をラッチする。
【0110】これらの第1ラッチ回路63、第2ラッチ
回路64、及び、第3ラッチ回路65にラッチされた階
調データ及び履歴データは、図13に示すように、それ
ぞれデコーダ45に入力される。本実施形態では、最下
位ビット(ビット0)を第1ラッチ回路63にラッチさ
れている階調データの下位ビットとしている。また、2
番目のビット(ビット1)を第2ラッチ回路64がラッ
チした階調データの上位ビットとし、最上位ビット(ビ
ット2)を第3ラッチ回路65がラッチした履歴データ
としている。なお、デコーダ45に入力するデータの内
容はこれに限らず、任意に設定できる。例えば、履歴デ
ータをビット0とすると共に、階調データをビット1及
びビット2としてもよい。
【0111】そして、デコーダ45は、選択データ生成
手段(波形要素選択データ生成手段,翻訳手段とも表現
できる。)として機能し、履歴データと今回記録周期T
の階調データとからパルス信号PS20〜PS25(図
14参照)を選択するための選択データを生成する。即
ち、デコーダ45は、各ラッチ回路63,64,65が
ラッチした合計3ビットのデータに基づいて翻訳を行
い、6ビットの選択データを生成する。
【0112】この選択データの各ビットは、各パルス信
号PS20〜PS25に対応している。本実施形態で
は、最上位ビット(ビット5)が準備パルス信号PS2
0に対応し、5番目のビット(ビット4)が第1パルス
信号PS21に対応している。そして、4番目のビット
(ビット3)が第2パルス信号PS22に対応し、3番
目のビット(ビット2)が第3パルス信号PS23に対
応している。同様に、2番目のビット(ビット1)が第
4パルス信号PS24に対応し、最下位ビット(ビット
0)が第5パルス信号PS25に対応している。
【0113】また、デコーダ45には、制御ロジック4
6からのタイミング信号も入力されている。この制御ロ
ジック46は、制御部6と共にタイミング信号発生手段
として機能しており、上記したように、第1ラッチ信号
(LAT1)やチャンネル信号(CH)の入力に同期し
てタイミング信号を発生する。
【0114】そして、本実施形態でも、上記のデコーダ
45、制御ロジック46、レベルシフタ47、及び、ス
イッチ回路48が、本発明の駆動信号供給手段(波形要
素供給手段)及び連結パルス信号供給手段(振動子電位
調整手段の一種)として機能しており、履歴データと階
調データに基づいてパルス信号PS20〜PS25を駆
動信号COMから選択し、選択したパルス信号を圧電振
動子21に供給する。
【0115】次に、駆動信号発生回路9が発生する駆動
信号COMと、この駆動信号COMにおけるパルス信号
PS20〜PS25の選択動作について説明する。
【0116】まず、駆動信号COMについて説明する。
図14に例示した駆動信号COMも複数の波形要素によ
って構成される一連の信号である。そして、本実施形態
の駆動信号COMは、記録周期T内の準備周期t20で
発生される準備パルス信号PS20と、第1周期t21
で発生される第1パルス信号PS21と、第2周期t2
2で発生される第2パルス信号PS22と、第3周期t
23で発生される第3パルス信号PS23と、第4周期
t24で発生される第4パルス信号PS24と、第5周
期t25で発生される第5パルス信号PS25とから構
成されている。
【0117】準備パルス信号PS20は、中間電位VM
で一定の前側定電位要素P50aと、中間電位VMから
最低電位VLまで可及的急勾配で電位を下降させる接続
要素50bとから構成される。ここで、最低電位VLは
駆動信号COMにおける最も低い電位であり、本発明の
ベース電位の一種である。本実施形態では、この最低電
位VLを圧電振動子21の保護に適した接地電位(グラ
ンド電位)に設定している。また、中間電位VMは吐出
パルス信号(吐出波形要素)DP3〜DP5の始終端電
位であり、本発明の駆動電位の一種である。なお、この
準備パルス信号PS20は圧電振動子21には供給され
ない。
【0118】第1パルス信号PS21は、第1連結パル
ス信号の一種であり、後述する吐出パルス信号(第1吐
出パルス信号DP3)の一部を構成する。そして、この
第1パルス信号PS21は、最低電位VLで一定の前側
定電位要素51と、最低電位VLから中間電位VMまで
インク滴を吐出させない程度の一定勾配で電位を上昇さ
せる第1連結要素P52と、中間電位VMで一定の後側
定電位要素53とから構成される。
【0119】第2パルス信号PS22は、中間電位VM
で一定の前側定電位要素P54と、中間電位VMから最
低電位VLまでインク滴を吐出させない程度の一定勾配
で電位を下降させる第2連結要素P55と、最低電位V
Lで一定の後側定電位要素P56とから構成される。
【0120】第3パルス信号PS23は、最低電位VL
で一定の前側定電位要素P57と、最低電位VLから最
大電位VHまで急勾配で電位を上昇させる第1吐出要素
P58と、最大電位VHを所定時間保持する第1制振ホ
ールド要素P59と、最大電位VHから中間電位VMま
で一定勾配で電位を下降させる第1制振要素P60と、
中間電位VMで一定の後側定電位要素P61とから構成
される。
【0121】第4パルス信号PS24は、中間電位VM
で一定の前側定電位要素P62と、中間電位VMから最
低電位VLまでインク滴を吐出させない程度の一定勾配
で電位を下降させる第1膨張要素P63と、最低電位V
Lを保持する第1膨張ホールド要素P64と、最低電位
VLから最大電位VHまで急勾配で電位を上昇させる第
2吐出要素P65と、最大電位VHを所定時間保持する
第2制振ホールド要素P66と、最大電位VHから中間
電位VMまで一定勾配で電位を下降させる第2制振要素
P67と、中間電位VMで一定の後側定電位要素P68
とから構成される。
【0122】第5パルス信号PS25は、中間電位VM
で一定の前側定電位要素P69と、中間電位VMから最
低電位VLまでインク滴を吐出させない程度の一定勾配
で電位を下降させる第2膨張要素P70と、最低電位V
Lを保持する第2膨張ホールド要素P71と、最低電位
VLから最大電位VHまで急勾配で電位を上昇させる第
3吐出要素P72と、最大電位VHを所定時間保持する
第3制振ホールド要素P73と、最大電位VHから中間
電位VMまで一定勾配で電位を下降させる第3制振要素
74と、中間電位VMで一定の後側定電位要素P75と
から構成される。
【0123】この駆動信号COMは、複数の駆動パルス
信号を含んでいる。即ち、図15及び図16に示すよう
に、駆動信号COMは、ノズル開口付近のインク増粘を
防止するための微振動パルス信号VP3と、インク滴を
吐出させるための吐出パルス信号(第1吐出パルス信号
DP3,第2吐出パルス信号DP4,第3吐出パルス信
号DP5)とを含んでいる。
【0124】上記の微振動パルス信号VP3は、第1パ
ルス信号PS21の第1連結要素P52及び後側定電位
要素53と、第2パルス信号PS22の前側定電位要素
P54及び第2連結要素P55とによって構成される。
【0125】従って、この微振動パルス信号VP3を圧
電振動子21に供給するためには、駆動信号COMを構
成する準備パルス信号PS20〜第5パルス信号PS2
5の中から第1パルス信号PS21と第2パルス信号P
S22とを選択する。そして、この微振動パルス信号V
P3が圧電振動子21に供給されると、ノズル開口付近
のインクが攪拌される。
【0126】即ち、第1連結要素P52の供給に伴って
圧電振動子21が変形し、圧力室33は、最低電位VL
で規定される最大容積から中間電位VMで規定される基
準容積まで比較的緩やかに収縮する。この圧力室33の
収縮によって圧力室33内のインクが少し加圧され、メ
ニスカスが吐出側に僅かに移動する。次に、後側定電位
要素53と前側定電位要素P54とが続けて供給され、
この供給期間に亘って圧力室33の収縮状態が維持され
る。そして、第2連結要素P55の供給に伴って、圧力
室33は、基準容積から最大容積まで比較的緩やかに膨
張する。この圧力室33の膨張によって圧力室33内の
インクが少し減圧され、メニスカスは圧力室33側に僅
かに移動する。このようなメニスカスの移動により、ノ
ズル開口付近のインクが攪拌され、インクの増粘が防止
される。
【0127】上記の第1吐出パルス信号DP3は、第2
パルス信号PS22の第2連結要素P55及び後側定電
位要素P56と、第3パルス信号PS23の前側定電位
要素P57、第1吐出要素P58、第1制振ホールド要
素P59及び第1制振要素P60とによって構成され
る。
【0128】そして、この第1吐出パルス信号DP3を
圧電振動子21に供給するためには、駆動信号COMを
構成する準備パルス信号PS20〜第5パルス信号PS
25の中から第2パルス信号PS22と第3パルス信号
PS23とを選択する。この第1吐出パルス信号DP3
が圧電振動子21に供給されると、例えば13pL(ピ
コリットル)程度のインク滴がノズル開口30から吐出
される。
【0129】即ち、第2連結要素P55の供給に伴い、
圧力室33は、基準容積から最大容積まで比較的緩やか
に膨張する。次に、後側定電位要素P56と前側定電位
要素P57とが続けて供給され、これらの供給期間に亘
って圧力室33の膨張状態が維持される。そして、第1
吐出要素P58の供給に伴って、圧力室33は、最大容
積から最大電位VHで規定される最小容積まで急激に収
縮する。この圧力室33の急激な収縮によって圧力室3
3内のインクが強く加圧される。この加圧によって押し
出されたインクがノズル開口30からインク滴として吐
出される。そして、第1制振ホールド要素P59によっ
て圧力室33の収縮状態が維持され、インク滴吐出後の
インク圧力の変動を打ち消し得るタイミングで第1制振
要素P60が供給される。この第1制振要素P60の供
給によって圧力室33は最小容積から基準容積まで膨張
し、この膨張に伴うインクの減圧によってインク圧力の
変動が効率よく打ち消される。
【0130】上記の第2吐出パルス信号DP4は、上記
の第1吐出パルス信号DP3と同じ波形形状に設定され
ている。即ち、この第2吐出パルス信号DP4は、第4
パルス信号PS24の第1膨張要素P63、第1膨張ホ
ールド要素P64、第2吐出要素P65、第2制振ホー
ルド要素P66及び第2制振要素P67によって構成さ
れる。そして、第1膨張要素P63は上記の第2連結要
素P55に対応し、第1膨張ホールド要素P64は上記
の後側定電位要素P56及び前側定電位要素P57に対
応し、電位差や供給時間が揃えられている。また、第2
吐出要素P65、第2制振ホールド要素P66及び第2
制振要素P67はそれぞれ、第1吐出要素P58、第1
制振ホールド要素P59及び第1制振要素P60に対応
する。
【0131】そして、この第2吐出パルス信号DP4を
圧電振動子21に供給するためには、駆動信号COMを
構成する準備パルス信号PS20〜第5パルス信号PS
25の中から第4パルス信号PS24を選択する。この
第2吐出パルス信号DP4が圧電振動子21に供給され
ると、例えば13pL程度のインク滴がノズル開口30
から吐出される。
【0132】簡単に説明すると、第1膨張要素P63の
供給に伴って圧力室33が基準容積から最大容積まで膨
張し、第1膨張ホールド要素P64の供給によって圧力
室33の膨張状態が維持される。その後、インク滴を吐
出させるべく第2吐出要素P65が供給され、圧力室3
3が最小容積まで急激に収縮する。そして、第2制振ホ
ールド要素P66の供給期間中に亘って収縮状態が維持
され、インク滴吐出後のインク圧力の変動を抑えるべく
第2制振要素P67が供給され、圧力室33が基準容積
まで膨張する。
【0133】上記の第3吐出パルス信号DP5も、上記
の第1吐出パルス信号DP3及び第2吐出パルス信号D
P4と同じ波形形状に設定されている。即ち、この第3
吐出パルス信号DP5は、第5パルス信号PS25の第
2膨張要素P70、第2膨張ホールド要素P71、第3
吐出要素P72、第3制振ホールド要素P73、第3制
振要素74によって構成される。そして、第2膨張要素
P70は上記の第2連結要素P55に対応し、第2膨張
ホールド要素P71は、上記の後側定電位要素P56及
び前側定電位要素P57に対応している。また、第3吐
出要素P72、第3制振ホールド要素P73及び第3制
振要素74はそれぞれ、第1吐出要素P58、第1制振
ホールド要素P59及び第1制振要素P60に対応して
いる。
【0134】そして、この第3吐出パルス信号DP5を
圧電振動子21に供給するためには、駆動信号COMを
構成する準備パルス信号PS20〜第5パルス信号PS
25の中から第5パルス信号PS25を選択する。この
第3吐出パルス信号DP5が圧電振動子21に供給され
ると、例えば13pL程度のインク滴がノズル開口30
から吐出される。
【0135】そして、本実施形態では、今回記録周期T
における階調データが非記録を示す場合(階調値[0
0]の場合)には、通常、上記の微振動パルス信号VP
3を圧電振動子21に供給してメニスカスを微振動させ
る。また、階調データが小ドットを示す場合(階調値
[01]の場合)には、上記の第2吐出パルス信号DP
4のみを圧電振動子21に供給してインク滴を1回吐出
させる。また、階調データが中ドットを示す場合(階調
値[10]の場合)には、第1吐出パルス信号DP3と
第2吐出パルス信号DP4とを圧電振動子21に供給し
てインク滴を2回吐出させ、階調データが大ドットを示
す場合(階調値[11]の場合)には、第1吐出パルス
信号DP3、第2吐出パルス信号DP4及び第3吐出パ
ルス信号DP5を圧電振動子21に供給してインク滴を
3回吐出させる。
【0136】以下、この制御について説明する。
【0137】本実施形態において駆動信号供給手段(波
形要素供給手段)及び連結パルス信号供給手段(デコー
ダ45,制御ロジック46,レベルシフタ47,スイッ
チ回路48)は、前回記録周期T(本発明における先の
記録周期に相当)での履歴データ及び今回記録周期T
(本発明における後の記録周期に相当)における階調デ
ータに基づき、選択するパルス信号PS20〜PS25
を決めている。これは、今回記録周期Tにおける駆動信
号COMの供給開始電位が記録階調(階調データ)に応
じて異なり、また、前回記録周期Tの終了時点における
振動子電位も記録階調に応じて異なっているからであ
る。
【0138】例えば、今回記録周期Tが非記録の場合、
駆動信号COMの供給開始電位は第1パルス信号PS2
1の始端電位である最低電位VLとなる。また、小ドッ
トの場合、供給開始電位は、第4パルス信号PS24の
始端電位である中間電位VMとなる。同様に、中ドット
及び大ドットの場合も、供給開始電位は、第2パルス信
号PS22の始端電位である中間電位VMとなる。
【0139】一方、前回記録周期Tの終了時振動子電位
については、前回記録周期Tが非記録であった場合、微
振動パルス信号VP3の終端電位である最低電位VLと
なる。また、前回記録周期Tで小ドット〜大ドットの何
れかのドットを記録した場合には、終了時振動子電位
は、吐出パルス信号の終端電位である中間電位VMとな
る。
【0140】従って、前回記録周期Tにおける記録の有
無を考慮せずに今回記録周期Tの吐出制御を行ってしま
うと、駆動信号COMの電位と振動子電位との間に大き
なギャップが生じてしまい、振動子電位の急激な下降や
上昇が生じてしまう。例えば、前回記録周期Tの終了時
振動子電位が中間電位VMであるにも拘わらず、今回記
録周期Tで第1パルス信号PS21を供給した場合に
は、振動子電位は中間電位VMから最低電位VLまで急
激に下降してしまう。この場合、圧電振動子21が大き
く変形して圧力室33が急激に膨張し、圧力室内のイン
クに無用な圧力変動が生じてしまう。また、圧電振動子
21に過度な負担がかかるので、寿命を縮めてしまう虞
もある。同様に、前回記録周期Tの終了時振動子電位が
最低電位VLであるにも拘わらず、今回記録周期Tで第
1パルス信号PS21を供給せずに第2パルス信号PS
22から供給した場合には、振動子電位は最低電位VL
から中間電位VMまで急激に上昇してしまう。やはり、
この場合にも、圧力室内のインクに無用な圧力変動が生
じるし、圧電振動子21の寿命を縮めてしまう虞もあ
る。
【0141】このような事情に鑑み、本実施形態では、
前回記録周期Tにおける記録の有無を示す履歴データを
今回記録周期Tの階調データに加味して選択データを生
成し、今回記録周期Tが非記録の場合に振動子電位をベ
ース電位に調整し、今回記録周期Tが記録の場合に吐出
パルス信号の供給に先立って振動子電位を駆動電位に調
整する。
【0142】例えば、前回記録周期Tが非記録であって
今回記録周期Tが記録の場合には、第1連結パルス信号
としての第1パルス信号PS21(第1連結要素P5
2)を圧電振動子21に供給する。これにより、振動子
電位を最低電位VL(ベース電位)から中間電位VM
(駆動電位)まで上昇させ、振動子電位と駆動信号CO
M(吐出パルス信号DP3〜DP5)の電位とのギャッ
プが生じないようにしている。一方、前回記録周期Tが
記録であって今回記録周期Tが非記録の場合には、第2
連結パルス信号としての第2パルス信号PS22(第2
連結要素P55)を圧電振動子21に供給することで、
振動子電位を中間電位VMから最低電位VLまで下降さ
せ、振動子電位を積極的に低く保っている。
【0143】以下、この制御について具体的に説明す
る。まず、前回記録周期Tが非記録の場合における制御
について説明する。
【0144】例えば、前回記録周期Tの履歴データが非
記録を示す[0]であり、今回記録周期Tの階調データ
が非記録を示す[00]であった場合には、デコーダ4
5は選択データ[011000]を生成する。これによ
り、準備パルス信号PS20〜第5パルス信号PS25
の中から第1パルス信号PS21と第2パルス信号PS
22とが選択されて圧電振動子21に供給される。即
ち、図15に示すように、期間t21及び期間t22に
おいてスイッチ回路48がオン状態となって駆動信号C
OMが圧電振動子21に供給され、期間t20,期間t
23〜期間t25においてはスイッチ回路48がオフ状
態となって駆動信号COMの圧電振動子21への供給が
停止される。
【0145】その結果、圧電振動子21には、上記の微
振動パルス信号VP3が供給され、ノズル開口付近での
インクの攪拌が行われる。また、微振動パルス信号VP
3が供給された後は、振動子電位が最低電位VLとなる
ので、圧電振動子21に供給される電圧が低く抑えられ
る。これにより、圧電振動子21に対する負担が軽減さ
れ、寿命を延ばすことができる。
【0146】また、前回記録周期Tの履歴データが非記
録を示す[0]であり、今回記録周期Tの階調データが
小ドットを示す[01]であった場合には、デコーダ4
5は選択データ[010010]を生成する。これによ
り、準備パルス信号PS20〜第5パルス信号PS25
の中から第1パルス信号PS21と第4パルス信号PS
24とが選択されて圧電振動子21に供給される。即
ち、図16(a)に示すように、期間t21及び期間t
24においてスイッチ回路48がオン状態となって駆動
信号COMが圧電振動子21に供給され、期間t20,
期間t22,期間t23,期間t25においてはスイッ
チ回路48がオフ状態となって駆動信号COMの圧電振
動子21への供給が停止される。
【0147】これにより、振動子電位は、期間t21に
おいて最低電位VLから中間電位VMまで上昇し、期間
t22,期間t23においてこの中間電位VMを保持す
る。その後、期間t24において駆動信号COM、即
ち、第2吐出パルス信号DP4の供給が開始されるが、
供給開始時点における振動子電位と第2吐出パルス信号
DP4の始端電位は共に中間電位VMで揃っている。
【0148】このため、振動子電位を急激に変化させる
ことなく、第2吐出パルス信号DP4を圧電振動子21
へ円滑に供給できる。即ち、期間t21にて第1パルス
信号(第1連結パルス信号)PS21を供給して振動子
電位を中間電位VMに調整し、その後に第2吐出パルス
信号DP4を供給しているので、前回記録周期Tにおけ
る終了時振動子電位が最低電位VLとなっていても圧電
振動子21に負担を掛けることなく、第2吐出パルス信
号DP4を供給できる。
【0149】そして、期間t24で第2吐出パルス信号
DP4が供給されてインク滴が吐出されると、期間t2
5でスイッチ回路48がオフ状態になる。この期間t2
5における振動子電位は、直前に供給された第2吐出パ
ルス信号DP4の終端電位である中間電位VMとなる。
【0150】また、前回記録周期Tの履歴データが非記
録を示す[0]であり、今回記録周期Tの階調データが
中ドットを示す[10]であった場合には、デコーダ4
5は選択データ[011110]を生成する。これによ
り、準備パルス信号PS20〜第5パルス信号PS25
の中から第1パルス信号PS21〜第4パルス信号PS
24の4つのパルス信号が選択されて圧電振動子21に
供給される。即ち、図16(b)に示すように、期間t
21から期間t24においてスイッチ回路48がオン状
態となって駆動信号COMが圧電振動子21に供給さ
れ、期間t20,期間t25においてはスイッチ回路4
8がオフ状態となって駆動信号COMの圧電振動子21
への供給が停止される。
【0151】これにより、期間t21において、第1パ
ルス信号(第1連結パルス信号)PS21が圧電振動子
21に供給されるため、振動子電位は、最低電位VLか
ら中間電位VMまで上昇する。その後、期間t22,期
間t23において、圧電振動子21には第1吐出パルス
信号DP3が供給される。そして、この第1吐出パルス
信号DP3の供給開始時点の振動子電位と、第1吐出パ
ルス信号DP3の始端電位とは共に中間電位VMで揃っ
ているので、この場合においても、振動子電位を急激に
変化させることなく、第1吐出パルス信号DP3を円滑
に供給できる。
【0152】第1吐出パルス信号DP3が供給されて1
個目のインク滴が吐出されると、期間t24において第
2吐出パルス信号DP4が供給されるが、第1吐出パル
ス信号DP3の終端電位と第2吐出パルス信号DP4の
始端電位は共に中間電位VMであるので、ここでも第2
吐出パルス信号DP4を円滑に供給できる。
【0153】そして、期間t24で第2吐出パルス信号
DP4が供給され2個目のインク滴が吐出されると、期
間t25でスイッチ回路48がオフ状態になる。この期
間t25における振動子電位は、直前に供給された第2
吐出パルス信号DP4の終端電位である中間電位VMと
なる。
【0154】また、前回記録周期Tの履歴データが非記
録を示す[0]であり、今回記録周期Tの階調データが
大ドットを示す[11]であった場合には、デコーダ4
5は選択データ[011111]を生成する。これによ
り、第1パルス信号PS21〜第5パルス信号PS25
が選択されて圧電振動子21に供給される。即ち、図1
6(c)に示すように、期間t21から期間t25の期
間においてスイッチ回路48がオン状態となって駆動信
号COMが圧電振動子21に供給される。
【0155】これにより、期間t21において圧電振動
子21には第1パルス信号PS21が供給され、振動子
電位は最低電位VLから中間電位VMまで上昇する。そ
の後、期間t22,期間t23において、圧電振動子2
1には第1吐出パルス信号DP3が供給される。また、
期間t24では第2吐出パルス信号DP4が供給され、
期間t25では第3吐出パルス信号DP5が供給され
る。そして、この大ドットの記録時においても、中ドッ
トの記録時と同様に、各吐出パルス信号の供給開始時点
における振動子電位と、各吐出パルス信号の始端電位と
が共に中間電位VMで揃っているので、振動子電位を急
激に変化させることなく、各吐出パルス信号を円滑に供
給できる。
【0156】次に、前回記録周期Tが記録の場合におけ
る制御について説明する。
【0157】例えば、前回記録周期Tの履歴データが記
録を示す[1]であり、今回記録周期Tの階調データが
非記録を示す[00]であった場合には、デコーダ45
は選択データ[001000]を生成する。これによ
り、準備パルス信号PS20〜第5パルス信号PS25
の中から第2パルス信号PS22が選択されて圧電振動
子21に供給される。即ち、図17に示すように、期間
t22においてスイッチ回路48がオン状態となって駆
動信号COMが圧電振動子21に供給され、期間t2
0,期間t21及び期間t23〜期間t25においては
スイッチ回路48がオフ状態となって駆動信号COMの
圧電振動子21への供給が停止される。
【0158】その結果、圧電振動子21には、第2連結
パルス信号としての第2パルス信号PS22(第2連結
要素P55)が供給され、振動子電位が中間電位VMか
ら最低電位VLに下降する。即ち、階調データが非記録
を示す[00]ではあるが、微振動パルス信号VP3は
供給しない。そして、第2パルス信号PS22が供給さ
れた後は、振動子電位が最低電位VLとなるので、圧電
振動子21に供給される電圧が低く抑えられる。これに
より、圧電振動子21に対する負担が軽減され、寿命を
延ばすことができる。
【0159】また、前回記録周期Tの履歴データが記録
を示す[1]であり、今回記録周期Tの階調データが小
ドットを示す[01]であった場合には、デコーダ45
は選択データ[000010]を生成する。これによ
り、準備パルス信号PS20〜第5パルス信号PS25
の中から第4パルス信号PS24が選択されて圧電振動
子21に供給される。即ち、図18(a)に示すよう
に、期間t24においてスイッチ回路48がオン状態と
なって駆動信号COMが圧電振動子21に供給され、期
間t20〜期間t23、及び、期間t25においてはス
イッチ回路48がオフ状態となって駆動信号COMの圧
電振動子21への供給が停止される。
【0160】この場合、期間t20〜期間t23におけ
る振動子電位は、前回記録周期Tの終了時点の電位であ
る中間電位VMで保持される。そして、期間t24から
第2吐出パルス信号DP4の供給が開始されるが、この
とき、供給開始時点における振動子電位と第2吐出パル
ス信号DP4の始端電位は共に中間電位VMで揃ってい
る。このため、振動子電位を急激に変化させることな
く、第2吐出パルス信号DP4を円滑に供給できる。
【0161】また、前回記録周期Tの履歴データが記録
を示す[1]であり、今回記録周期Tの階調データが中
ドットを示す[10]であった場合には、デコーダ45
は選択データ[001110]を生成する。これによ
り、準備パルス信号PS20〜第5パルス信号PS25
の中から第2パルス信号PS22〜第4パルス信号PS
24の3つのパルス信号が選択されて圧電振動子21に
供給される。即ち、図18(b)に示すように、期間t
22から期間t24に亘ってスイッチ回路48がオン状
態となって駆動信号COMが圧電振動子21に供給され
る。一方、期間t20,期間t21及び期間t25にお
いてはスイッチ回路48がオフ状態となって駆動信号C
OMの圧電振動子21への供給が停止される。
【0162】この場合、期間t20及び期間t21にお
ける振動子電位は、前回記録周期Tの終了時点の電位で
ある中間電位VMで保持される。その後、期間t22,
期間t23において、圧電振動子21には第1吐出パル
ス信号DP3が供給される。そして、この第1吐出パル
ス信号DP3の供給開始時点の振動子電位と第1吐出パ
ルス信号DP3の始端電位は共に中間電位VMである。
このため、振動子電位を急激に変化させることなく、第
1吐出パルス信号DP3を円滑に供給できる。なお、以
後は、上記した非記録/中ドットの場合と同様であるの
で、その説明は省略する。
【0163】また、前回記録周期Tの履歴データが記録
を示す[1]であり、今回記録周期Tの階調データが大
ドットを示す[11]であった場合には、デコーダ45
は選択データ[001111]を生成する。これによ
り、準備パルス信号PS20〜第5パルス信号PS25
の中から第2パルス信号PS22〜第5パルス信号PS
25の4つのパルス信号が選択されて圧電振動子21に
供給される。即ち、図18(c)に示すように、期間t
22から期間t25に亘ってスイッチ回路48がオン状
態となって駆動信号COMが圧電振動子21に供給され
る。一方、期間t20及び期間t21においてはスイッ
チ回路48がオフ状態となって駆動信号COMの圧電振
動子21への供給が停止される。
【0164】この場合、期間t20及び期間t21にお
ける振動子電位は、前回記録周期Tの終了時点の電位で
ある中間電位VMで保持される。その後、期間t22〜
期間t25において、圧電振動子21には第1吐出パル
ス信号DP3〜第3吐出パルス信号DP5が供給され
る。そして、この場合にも、第1吐出パルス信号DP3
の供給開始時点の振動子電位と、第1吐出パルス信号D
P3の始端電位とは共に中間電位VMであり、第1吐出
パルス信号DP3を円滑に供給できる。なお、以後は、
上記した非記録/大ドットの場合と同様であるので、そ
の説明は省略する。
【0165】そして、本実施形態では、各記録周期Tで
非記録が連続した場合には、例えば、図19(a)に示
すように、各記録周期Tの始めに微振動パルス信号VP
3が供給され、その後、振動子電位は最低電位VLに保
たれる。このため、圧電振動子21に対する負担を軽減
でき、圧電振動子21の寿命を延ばすことができる。
【0166】また、上記の微振動パルス信号VP3は、
振動子電位を調整するための第1パルス信号PS21
(第1連結パルス信号)や第2パルス信号PS22(第
2連結パルス信号)の一部分によって微振動パルス信号
VP3を構成している。このため、これらの第1パルス
信号PS21及び第2パルス信号PS22を多用途に用
いることができ、限られた記録周期であっても複数の駆
動パルスを効率よく収めることができる。
【0167】また、前回記録周期Tが非記録であり、今
回記録周期Tの階調データがドットの記録を示す場合に
は、例えば、図19(b),(c)に示すように、記録
周期Tの始めに第1パルス信号PS21(第1連結パル
ス信号)が圧電振動子21に供給され、吐出パルス信号
DP3〜DP5の供給に先立って、振動子電位を最低電
位VLから中間電位VMまで上昇させている。このた
め、吐出パルス信号の供給を円滑に行うことができる。
【0168】そして、上記の第1パルス信号PS21
は、記録周期T内に1つ設ければ足り、限られた記録周
期であっても複数の駆動パルス(VP3,DP3〜DP
5)を効率よく収めることができる。さらに、上記の第
2パルス信号PS22は、第1吐出パルス信号DP3の
一部を構成している。このように、第2パルス信号PS
22を多用途に用いているため、この点でも、限られた
記録周期に複数の駆動パルスを効率よく収めることがで
きる。
【0169】また、前回記録周期Tでドットを記録し、
今回記録周期Tの階調データが非記録を示す場合には、
例えば、図20(a),(b)に示すように、今回記録
周期Tにおいて上記の第2パルス信号(第2連結パルス
信号)PS22を選択し、第2連結要素P55の供給に
よって振動子電位を中間電位VMから最低電位VLに下
降させている。これにより、振動子電位が最低電位VL
に保たれて圧電振動子21に対する負担が軽減され、寿
命を延ばすことができる。
【0170】また、前回記録周期Tと今回記録周期Tの
両方でドットを記録する場合には、例えば、図20
(c)に示すように、今回記録周期Tにおいて振動子電
位を中間電位VMで維持し、その後、吐出パルス信号
(DP3,DP4)を供給する。この場合、前回記録周
期Tでの吐出パルス信号の供給終了時から今回記録周期
Tでの吐出パルス信号の供給開始時間での期間におい
て、振動子電位は中間電位VMで一定となり、短時間で
急激に高低することはない。このため、圧電振動子21
の負担が軽減され、保護することができる。さらに、振
動子電位が一定であることから圧力室33の容積変化も
なく、インク圧力を安定させることができる。その結
果、インク滴の吐出曲がりを防止することもできる。
【0171】ところで、本発明は、上記の実施形態に限
定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づき
種々の変形が可能である。
【0172】まず、上記の第1実施形態では、中間電位
VM(ベース電位)から最大電位VH(駆動電位)まで
電位を上昇させる第2パルス信号PS2(第1連結パル
ス信号)と、最大電位VHから中間電位VMまで電位を
下降させる第4パルス信号PS4(第2連結パルス信
号)とを駆動信号COMに含ませ、これらのパルス信号
を選択的に圧電振動子21へ供給することで振動子電位
を調整していたが、この構成に限定されるものではな
い。
【0173】例えば、振動子電位調整手段を、抵抗素子
と、この抵抗素子を介して圧電振動子21を駆動電位の
供給源或いはベース電位の供給源に接続する調整スイッ
チ手段とによって構成し、抵抗素子を介して駆動電位或
いはベース電位を供給することで振動子電位を調整して
もよい。以下、このように構成した変形例について説明
する。
【0174】図21は、この変形例を説明する図であ
り、(a)は要部の回路構成を説明する図、(b)は振
動子電位を説明する図である。この変形例では、上記の
スイッチ回路48と並列に調整スイッチ71(上記の調
整スイッチ手段に相当)を設け、この調整スイッチ71
と抵抗素子72とを介して駆動信号COMの供給線(本
発明における駆動電位の供給源の一種であり、且つ、ベ
ース電位の供給源の一種)を圧電振動子21に接続可能
に構成している。これに伴い、第1実施形態において駆
動信号発生回路9からは、期間t2にて最大電位VHで
一定とし、期間t4にて中間電位VMで一定とした駆動
信号COMを発生させる。
【0175】この変形例の制御は基本的に上記の第1実
施形態と同様であるが、期間t2にて第2パルス信号P
S2を選択する代わりに、スイッチ回路48をオフにし
た状態で調整スイッチ71をオンにする。また、期間t
4にて第4パルス信号PS4を選択する代わりに、スイ
ッチ回路48をオフにした状態で調整スイッチ71をオ
ンにする。
【0176】そして、駆動信号COMの供給線には、期
間t2において最大電位VH(駆動電位)が供給され、
期間t4において中間電位VM(ベース電位)が供給さ
れているので、期間t2に亘って調整スイッチ71がオ
ンされると、圧電振動子21に対し、抵抗素子72を介
して最大電位VHが供給される。これにより、振動子電
位は、図21(b)に実線で示すように、時間の経過と
共に比較的緩やかに上昇する。その結果、第2パルス信
号PS2(第1連結パルス信号)を供給した場合と同様
に、期間t3が到来する前に振動子電位を中間電位VM
から最大電位VHまで上昇させることができる。この場
合において、振動子電位の上昇度合い(傾き)は、抵抗
素子72の抵抗値を変えることで調整可能である。この
ため、調整も容易である。
【0177】同様に、期間t4に亘って調整スイッチ7
1がオンされると、圧電振動子21に対し、抵抗素子7
2を介して中間電位VMが供給される。これにより、振
動子電位は、図21(b)に一点鎖線で示すように、時
間の経過と共に比較的緩やかに下降する。その結果、第
4パルス信号PS4(第2連結パルス信号)を供給した
場合と同様に、次記録周期Tが到来するよりも前に振動
子電位を最大電位VHから中間電位VMまで下降させる
ことができる。
【0178】なお、調整スイッチ71のオンオフ制御
は、制御部6によって行うことができるが、これに限定
されるものではない。例えば、期間t2,t4の長さは
既知であるので、チャンネル信号CH1,CH3の入力
に対応してオン状態となり、このオン状態を期間t2,
t4に亘って継続するタイマー機能付きのスイッチ(例
えば、ウオッチドッグタイマ)によって制御してもよ
い。
【0179】そして、この構成では、期間t2にて最大
電位VHを発生させ、期間t4にて中間電位VMを発生
させれば足りるので、即ち一定電位の信号を発生させれ
ばよいので、信号形発生制御手段としての制御部6は、
これらの期間t2,t4に亘って駆動信号発生回路9に
対する制御を行わずに済む。また、上記の調整スイッチ
71のオンオフ制御に要する時間は、オン時点とオフ時
点の極く僅かな時間で足りる。このため、制御部6は、
期間t2,t4において他の処理、例えば、他の期間の
パルス信号を生成するための制御や、キャリッジ機構1
1や紙送り機構12等の制御を行うことができる。従っ
て、限られた時間を効率よく使用することができる。
【0180】なお、これらの調整スイッチ71及び抵抗
素子72を用いた振動子電位調整手段は、上記の第2実
施形態及び第3実施形態についても同様に適用すること
ができる。
【0181】また、第3実施形態おいて、複数の吐出パ
ルス信号は、何れも同じ波形形状であったがこれに限ら
ず、異なる波形形状であってもよい。また、駆動電位も
中間電位VMに限らずベース電位よりも高い任意の電位
に設定できる。同様に、ベース電位も圧電振動子21の
保護に適した低電位であれば接地電位に限定されるもの
ではない。
【0182】また、この第3実施形態では、第2連結パ
ルス信号を吐出パルス信号の一部分によって構成したも
のを例示したが、吐出パルス信号の波形形状を変更する
ことにより、第1連結パルス信号を吐出パルス信号の一
部分によって構成することもできる。
【0183】また、上記の第1及び第2実施形態におい
て、駆動信号COMにおけるベース電位は、中間電位V
Mに限られるものではなく、第3パルス信号PS3の始
終端電位(即ち、駆動電位)よりも低ければよい。例え
ば、第3実施形態と同様に、最低電位VLに設定しても
よい。
【0184】また、上記実施形態の記録ヘッド8は、所
謂撓み振動モードの圧電振動子21を有していたが、所
謂縦振動モードの圧電振動子であっても本発明を適用す
ることができる。
【0185】なお、本発明は、プリンタに限らず、プロ
ッタやファクシミリ装置等の記録装置に適用できる。
【0186】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以
下の効果を奏する。即ち、記録データ記憶手段が記憶し
ている記録データに基づき、後の記録周期Tの記録デー
タが非記録の場合に振動子電位をベース電位に調整し、
後の記録周期が記録の場合に吐出パルス信号の供給に先
立って振動子電位を駆動電位に調整するので、後の記録
周期Tが非記録の場合には振動子電位はベース電位に保
たれ、圧電振動子が保護される。また、後の記録周期で
記録を行う場合には振動子電位と吐出パルス信号の電位
とが揃うので圧電振動子に対し、吐出パルス信号を円滑
に供給することができる。この点でも、圧電振動子に対
する負担が軽減され、圧電振動子を保護できる。さら
に、非記録が続く場合には振動子電位がベース電位に設
定されて圧電振動子への負担が軽減される。これによ
り、始終端電位が高い吐出パルス信号によって高周波駆
動しても、圧電振動子への負担が軽減され、圧電振動子
を保護できる。さらに、振動子電位の短時間での高低が
減少することから圧力室内のインク圧力が安定しやすく
なり、インク滴の吐出曲がりも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるプリンタの全体構成を示す
機能ブロック図である。
【図2】記録ヘッドの機械的構造を示す断面図である。
【図3】駆動信号を説明する図である。
【図4】(a)〜(d)は、パルス信号の選択パターン
を説明する図である。
【図5】(a)は非記録が続いた場合のパルス信号の選
択パターンを説明する図、(b)は記録が続いた場合の
パルス信号の選択パターンを説明する図である。
【図6】(a)は記録状態から非記録状態に切り換わる
際のパルス信号の選択パターンを説明する図、(b)は
非記録状態から記録状態に切り換わる際のパルス信号の
選択パターンを説明する図である。
【図7】ダミーデータを説明する図である。
【図8】第2実施形態の全体構成を示す機能ブロック図
である。
【図9】第2実施形態の駆動信号を説明する図である。
【図10】(a)〜(d)は、第2実施形態におけるパ
ルス信号の選択パターンを説明する図である。
【図11】第3実施形態の全体構成を示す機能ブロック
図である。
【図12】(a)は、第1ラッチ回路〜第3ラッチ回
路、及び、OR回路の接続関係を説明するブロック図、
(b)は各ラッチ回路にラッチされるデータの内容を説
明する図である。
【図13】第1ラッチ回路〜第3ラッチ回路とデコーダ
との接続関係を説明するブロック図である。
【図14】第3実施形態の駆動信号を説明する図であ
る。
【図15】第3実施形態におけるパルス信号の選択パタ
ーンを説明する図であり、前回記録周期及び今回記録周
期が共に非記録の場合を示す。
【図16】第3実施形態におけるパルス信号の選択パタ
ーンを説明する図であり、(a)〜(c)はそれぞれ、
前回記録周期が非記録であって今回記録周期が記録の場
合を示す。
【図17】第3実施形態におけるパルス信号の選択パタ
ーンを説明する図であり、前回記録周期が記録であって
今回記録周期が非記録の場合を示す。
【図18】第3実施形態におけるパルス信号の選択パタ
ーンを説明する図であり、(a)〜(c)はそれぞれ、
前回記録周期及び今回記録周期が共に記録の場合を示
す。
【図19】第3実施形態におけるパルス信号の選択パタ
ーンを説明する図であり、(a)〜(c)はそれぞれ、
前回記録周期が非記録の場合における波形要素の選択パ
ターンを説明する図である。
【図20】第3実施形態におけるパルス信号の選択パタ
ーンを説明する図であり、(a)〜(c)はそれぞれ、
前回記録周期が記録の場合における波形要素の選択パタ
ーンを説明する図である。
【図21】本発明の変形例を説明する図であり、(a)
は要部構成を説明するブロック図、(b)は振動子電位
の変化を説明する図である。
【符号の説明】
1 プリンタコントローラ 2 プリントエンジン 3 外部I/F 4 RAM 5 ROM 6 制御部 7 発振回路 8 記録ヘッド 9 駆動信号発生回路 10 内部I/F 11 ノズル開口 12 キャリッジ機構 13 紙送り機構 21 圧電振動子 22 流路ユニット 23 アクチュエータユニット 24 インク供給口 25 第1ノズル連通口 26 供給口形成基板 27 共通インク室 28 第2ノズル連通口 29 インク室形成基板 30 ノズル開口 31 ノズルプレート 32 第1の蓋部材 33 圧力室 34 圧力室形成基板 35 供給側連通口 36 第2の蓋部材 37 共通電極 38 圧電体層 39 駆動電極 41 第1シフトレジスタ 42 第2シフトレジスタ 43 第1ラッチ回路 44 第2ラッチ回路 45 デコーダ 46 制御ロジック 47 レベルシフタ 48 スイッチ回路 51 シフトレジスタ回路 61 第1シフトレジスタ 62 第2シフトレジスタ 63 第1ラッチ回路 64 第2ラッチ回路 65 第3ラッチ回路 66 OR回路 71 調整スイッチ 72 抵抗素子

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力室内に圧力変動を生じさせ得る圧電
    振動子及び前記圧力室に連通したノズル開口を有する記
    録ヘッドと、インク滴を吐出させるための吐出パルス信
    号を少なくとも1つ含んだ一連の駆動信号を記録周期毎
    に繰り返し発生する駆動信号発生手段と、駆動信号発生
    手段からの駆動信号を選択的に圧電振動子に供給可能な
    駆動信号供給手段とを有し、記録の有無を表す記録デー
    タに応じて前記吐出パルス信号を選択的に圧電振動子に
    供給してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジ
    ェット式記録装置において、 今回記録周期を含む連続する2つの記録周期のそれぞれ
    について前記記録データを記憶する記録データ記憶手段
    と、前記圧電振動子の振動子電位を調整可能な振動子電
    位調整手段とを設け、 前記吐出パルス信号を、始終端電位がベース電位よりも
    高い駆動電位に設定されたパルス信号によって構成し、 前記振動子電位調整手段は、記録データ記憶手段が記憶
    している記録データに基づき、後の記録周期が非記録の
    場合に振動子電位をベース電位に調整し、後の記録周期
    が記録の場合に吐出パルス信号の供給に先立って振動子
    電位を駆動電位に調整することを特徴とするインクジェ
    ット式記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録データを、ドットの記録及び非
    記録に対応した二値データによって構成すると共に、前
    記駆動信号発生手段を、1記録周期内に1つの吐出パル
    ス信号を含む一連の駆動信号を発生可能な構成とし、 前記記録データ記憶手段には、今回記録周期の二値デー
    タと次回記録周期の二値データとを記憶させ、 前記振動子電位調整手段は、今回記録周期の二値データ
    が記録を、次回記録周期の二値データが非記録をそれぞ
    れ示す場合に今回記録周期の終了時における振動子電位
    をベース電位に調整し、今回記録周期の二値データが非
    記録を、次回記録周期の二値データが記録をそれぞれ示
    す場合に今回記録周期の終了時における振動子電位を駆
    動電位に調整することを特徴とする請求項1に記載のイ
    ンクジェット式記録装置。
  3. 【請求項3】 前記記録データを、記録階調を示す階調
    データ及び前回記録周期における記録の有無を示す履歴
    データによって構成すると共に、前記駆動信号発生手段
    を、1記録周期内に複数の吐出パルス信号を含んだ一連
    の駆動信号を発生可能な構成とし、 前記記録データ記憶手段には、前記履歴データと今回記
    録周期の階調データとを記憶させ、 前記振動子電位調整手段は、履歴データが記録を、今回
    記録周期の階調データが非記録をそれぞれ示す場合に今
    回記録周期にて振動子電位をベース電位に調整し、履歴
    データが非記録を、今回記録周期の階調データが記録を
    それぞれ示す場合に今回記録周期にて吐出パルス信号の
    供給に先立ち振動子電位を駆動電位に調整することを特
    徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動信号には、ベース電位から駆動
    電位まで電位を上昇させる第1連結パルス信号と、駆動
    電位からベース電位まで電位を下降させる第2連結パル
    ス信号を含ませ、 前記振動子電位調整手段は、第1連結パルス信号と第2
    連結パルス信号の一方を選択して圧電振動子に供給する
    ことにより振動子電位を調整する連結パルス信号供給手
    段によって構成されていることを特徴とする請求項1か
    ら請求項3の何れかに記載のインクジェット式記録装
    置。
  5. 【請求項5】 前記駆動信号発生手段は、吐出パルス信
    号よりも前に第1連結パルス信号を発生し、吐出パルス
    信号よりも後に第2連結パルス信号を発生することを特
    徴とする請求項4に記載のインクジェット式記録装置。
  6. 【請求項6】 前記第1連結パルス信号と第2連結パル
    ス信号の少なくとも一方を、吐出パルス信号の一部分に
    よって構成したことを特徴とする請求項4に記載のイン
    クジェット式記録装置。
  7. 【請求項7】 前記駆動信号発生手段が発生する駆動パ
    ルスは、ノズル開口付近のインク増粘を防止するための
    微振動パルス信号を含み、 前記第1連結パルス信号と第2連結パルス信号の少なく
    とも一方によって微振動パルス信号の一部を構成したこ
    とを特徴とする請求項4に記載のインクジェット式記録
    装置。
  8. 【請求項8】 前記第1連結パルス信号及び第2連結パ
    ルス信号における勾配部分の発生時間を、前記圧力室内
    のインクの固有振動周期に揃えたことを特徴とする請求
    項4から請求項7の何れかに記載のインクジェット式記
    録装置。
  9. 【請求項9】 前記振動子電位調整手段を、抵抗素子
    と、この抵抗素子を介して圧電振動子を駆動電位の供給
    源或いはベース電位の供給源に接続する調整スイッチ手
    段とによって構成したことを特徴とする請求項1から請
    求項3の何れかに記載のインクジェット式記録装置。
  10. 【請求項10】 1回の主走査に対応する一群の記録デ
    ータにおける最初のデータの前に非記録を示す開始前ダ
    ミーデータを設定し、最後のデータの後に非記録を示す
    終了時ダミーデータを設定するダミーデータ設定手段を
    設けたことを特徴とする請求項1から請求項9の何れか
    に記載のインクジェット式記録装置。
  11. 【請求項11】 始終端がベース電位よりも高い駆動電
    位に設定された吐出パルス信号を含む一連の駆動信号を
    駆動信号発生手段から記録周期毎に繰り返し発生させ、
    記録の有無を表す記録データに応じて前記吐出パルス信
    号を駆動信号供給手段によって選択的に圧電振動子に供
    給するインクジェット式記録装置の駆動方法において、 今回記録周期を含んだ連続する2つの記録周期のそれぞ
    れについて前記記録データを記録データ記憶手段に記憶
    させ、 記録データ記憶手段に記憶させた記録データに基づき、
    後の記録周期の記録データが非記録の場合に振動子電位
    をベース電位に調整し、後の記録周期が記録の場合に吐
    出パルス信号の供給に先立って振動子電位を駆動電位に
    調整することを特徴とするインクジェット式記録装置の
    駆動方法。
  12. 【請求項12】 前記記録データをドットの記録及び非
    記録に対応した二値データで構成すると共に、前記駆動
    信号を1記録周期内に1つの吐出パルス信号を含む一連
    の信号で構成し、 前記記録データ記憶手段には、今回記録周期の二値デー
    タと次回記録周期の二値データとを記憶させ、 今回記録周期のパルス信号を選択するにあたり今回記録
    周期の二値データと次回記録周期の二値データとを参照
    し、今回記録周期が非記録であって次回記録周期が記録
    の場合には今回記録周期の中で振動子電位をベース電位
    から駆動電位に上昇させ、今回記録周期が記録であって
    次回記録周期が非記録の場合には今回記録周期の中で振
    動子電位を駆動電位からベース電位まで下降させること
    を特徴とする請求項11に記載のインクジェット式記録
    装置の駆動方法。
  13. 【請求項13】 前記記録データを記録階調を示す階調
    データ及び前回記録周期における記録の有無を示す履歴
    データによって構成すると共に、前記駆動信号を1記録
    周期内に複数の吐出パルス信号を含んだ一連の信号で構
    成し、 前記記録データ記憶手段には、前記履歴データと今回記
    録周期の階調データとを記憶させ、 今回記録周期のパルス信号を選択するにあたり前記履歴
    データと今回記録周期の階調データとを参照し、前回記
    録周期が非記録であって今回記録周期が記録の場合に吐
    出パルス信号の供給に先立って振動子電位をベース電位
    から駆動電位に上昇させ、前回記録周期が記録であって
    今回記録周期が非記録の場合には今回記録周期の中で振
    動子電位を駆動電位からベース電位まで下降させること
    を特徴とする請求項11に記載のインクジェット式記録
    装置の駆動方法。
  14. 【請求項14】 前記駆動信号には、ベース電位から駆
    動電位まで電位を上昇させる第1連結パルス信号と、駆
    動電位からベース電位まで電位を下降させる第2連結パ
    ルス信号とを含ませ、 第1連結パルス信号或いは第2連結パルス信号とを選択
    して圧電振動子に供給することで振動子電位を調整する
    ことを特徴とする請求項11から請求項13の何れかに
    記載のインクジェット式記録装置の駆動方法。
  15. 【請求項15】 抵抗素子を介して圧電振動子を駆動電
    位の供給源或いはベース電位の供給源に接続する調整ス
    イッチ手段を用いて振動子電位を調整することを特徴と
    する請求項11から請求項13の何れかに記載のインク
    ジェット式記録装置の駆動方法。
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