JP2003118113A - インクジェット式記録装置、及び、その駆動方法 - Google Patents

インクジェット式記録装置、及び、その駆動方法

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JP2003118113A
JP2003118113A JP2001316703A JP2001316703A JP2003118113A JP 2003118113 A JP2003118113 A JP 2003118113A JP 2001316703 A JP2001316703 A JP 2001316703A JP 2001316703 A JP2001316703 A JP 2001316703A JP 2003118113 A JP2003118113 A JP 2003118113A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電振動子の保護に適したインクジェット式
記録装置を提供する。 【解決手段】 制御部6は次回記録周期における階調デ
ータに基づいて記録の有無を判定し、その判定結果を示
す判定データを取得する。デコーダ47は、今回記録周
期における階調データと判定データとに基づき、次回記
録周期が非記録の場合には今回記録周期の終期における
振動子電位が最低電位になるように波形要素を選択す
る。また、次回記録周期が記録の場合には今回記録周期
の終期における振動子電位が中間電位になるように波形
要素を選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電振動子の作動
によってインク滴を吐出可能な記録ヘッドを有するイン
クジェット式記録装置、及び、その駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、プロッタ、ファクシミリ等の
インクジェット式記録装置は、記録ヘッドからインク滴
を吐出させ、このインク滴を記録紙や印刷フィルム等の
印刷記録媒体上に着弾させることでドットを記録する。
この記録装置に用いられる記録ヘッドには、圧電振動子
(PZT)を圧力発生源としたものがある。この記録ヘ
ッドは、圧電振動子の変形によって圧力室を膨張或いは
収縮させ、圧力室内のインクに圧力変動を生じさせる。
そして、このインクの圧力変動を利用してノズル開口か
らインク滴を吐出させる。上記の圧電振動子は、供給さ
れる電圧値に応じて変形量が決まり、また、電圧値の変
化に対する応答性も高い。このため、圧電振動子に供給
する駆動信号の波形形状を適宜に設定することでインク
圧力を高い精度で制御でき、所望量、所望速度のインク
滴を吐出させることができる。
【0003】また、この記録ヘッドでは、記録画像の高
画質化及び記録の高速化等の要求に応えるべく、定常状
態において圧力室の容積を中間状態に保ち、膨張側や収
縮側の何れにも容積を変えられるようにしている。この
ため、常態において圧電振動子には、バイアス電圧が供
給されている。言い換えれば、常態において圧電振動子
の振動子電位は、最低電位と最大電位の間に設定された
駆動電位に調整されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圧電振
動子には寿命があり、高い負担をかけると寿命が短くな
ってしまう。このため、従来のように、常態においてバ
イアス電圧を供給する構成では、圧電振動子に対して長
時間に亘ってバイアス電圧を供給し続けることになり、
圧電振動子の寿命を縮めてしまう虞がある。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、圧電振動子の保護に適した
インクジェット式記録装置、及び、その駆動方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために提案されたものであり、請求項1に記載の
ものは、圧力室内に圧力変動を生じさせ得る圧電振動子
及び圧力室に連通したノズル開口を有する記録ヘッド
と、複数の波形要素を含んだ一連の駆動信号を記録周期
毎に繰り返し発生する駆動信号発生手段と、階調データ
に応じて選択された波形要素を圧電振動子に供給する波
形要素供給手段とを備え、多階調の記録が可能なインク
ジェット式記録装置において、次回記録周期における階
調データに基づいて記録の有無を判定して判定データを
取得する記録状態判定手段と、今回記録周期にて振動子
電位を調整する振動子電位調整手段とを設け、前記駆動
信号発生手段が発生する波形要素は、インク滴を吐出さ
せるための波形要素であって始終端電位がベース電位よ
りも高い駆動電位に設定された複数の吐出波形要素を含
み、振動子電位調整手段は、次回記録周期の判定データ
が記録を示す場合に今回記録周期の終期に振動子電位を
駆動電位に調整し、非記録を示す場合に今回記録周期の
終期に振動子電位をベース電位に調整することを特徴と
するインクジェット式記録装置である。
【0007】この請求項1に記載の発明では、今回記録
周期及び次回記録周期が共に「非記録」の場合には、振
動子電位調整手段は、今回記録周期の終期において振動
子電位をベース電位に調整する。また、今回記録周期及
び次回記録周期が共に「記録」の場合には、振動子電位
調整手段は、今回記録周期の終期において振動子電位を
駆動電位に調整する。また、今回記録周期が「非記録」
であって次回記録周期が「記録」の場合には、振動子電
位調整手段は、今回記録周期において振動子電位を駆動
電位に調整する。これにより、次回記録周期において吐
出波形要素の始端電位と振動子電位とが同電位で揃う。
さらに、今回記録周期が「記録」であって次回記録周期
が「非記録」の場合には、振動子電位調整手段は、今回
記録周期の終期において振動子電位をベース電位に調整
する。
【0008】従って、非記録が続く場合には、振動子電
位はベース電位に調整されるので、圧電振動子への負担
が軽減される。また、記録が続く場合には、吐出波形要
素を供給していない期間において振動子電位が駆動電位
で一定になるので、短時間で電位を高低することによる
圧電振動子への負担がなくなる。さらに、次回記録周期
において記録状態が切り変わる際には、今回記録周期の
中で電位が調整されるので、次回記録周期において圧電
振動子に円滑に波形要素を供給することができるし、短
時間での電位の高低が防止されて圧電振動子への負担が
軽減される。その結果、始終端電位が高い波形要素によ
って高周波駆動しても圧電振動子への負担が軽減され、
圧電振動子を保護できる。
【0009】請求項2に記載のものは、前記駆動信号発
生手段が発生する波形要素には、ベース電位から駆動電
位まで電位を上昇させる第1連結要素と、駆動電位から
ベース電位まで電位を下降させる第2連結要素とを含ま
せ、振動子電位調整手段を波形要素供給手段によって構
成し、次回記録周期の判定データに応じて波形要素を圧
電振動子に選択的に供給することで振動子電位を調整す
ることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式
記録装置である。
【0010】請求項3に記載のものは、前記駆動信号発
生手段は、前記第1連結要素と第2連結要素との間に少
なくとも1つの吐出波形要素を発生することを特徴とす
る請求項2に記載のインクジェット式記録装置である。
【0011】請求項4に記載のものは、 前記駆動信号
発生手段は、前記第2連結要素を記録周期内における最
後の吐出波形要素よりも後に発生することを特徴とする
請求項2又は請求項3に記載のインクジェット式記録装
置である。
【0012】請求項5に記載のものは、前記駆動信号発
生手段は、前記第1連結要素を隣り合う吐出波形要素同
士の間に発生することを特徴とする請求項2から請求項
4の何れかに記載のインクジェット式記録装置である。
【0013】請求項6に記載のものは、前記駆動信号発
生手段は、吐出波形要素の終端電位と第1連結要素の始
端電位との間で電位を変化させるが圧電振動子には供給
されない接続要素を、吐出波形要素と第1連結要素との
間に発生することを特徴とする請求項5に記載のインク
ジェット式記録装置である。
【0014】請求項7に記載のものは、前記波形要素選
択手段は、今回記録周期及び次回記録周期が共に非記録
を示す場合に第1連結要素と第2連結要素とを選択し
て、圧力室内のインクを攪拌させることを特徴とする請
求項2から請求項6の何れかに記載のインクジェット式
記録装置である。
【0015】請求項8に記載のものは、前記振動子電位
調整手段を、抵抗素子と、この抵抗素子を介して圧電振
動子を駆動電位の供給源或いはベース電位の供給源に選
択的に接続する調整スイッチ手段とによって構成したこ
とを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録
装置である。
【0016】請求項9に記載のものは、前記駆動信号発
生手段が発生する複数の吐出波形要素を、同一波形形状
にしたことを特徴とする請求項1から請求項8の何れか
に記載のインクジェット式記録装置である。
【0017】請求項10に記載のものは、複数の波形要
素を含んだ駆動信号を記録周期毎に繰り返し発生させ、
階調データに応じて波形要素を選択し、選択した波形要
素を記録ヘッドの圧電振動子に供給することで多階調の
記録を行うインクジェット式記録装置の駆動方法におい
て、前記波形要素には、インク滴を吐出させるための波
形要素であって、始終端電位がベース電位よりも高い駆
動電位に設定された複数の吐出波形要素を含ませ、今回
記録周期における階調データ、及び、次回記録周期にお
ける判定データに基づいて、今回記録周期の終期におけ
る振動子電位を、次回記録周期が非記録の場合にはベー
ス電位に調整し、次回記録周期が記録の場合には駆動電
位に調整することを特徴とするインクジェット式記録装
置の駆動方法である。
【0018】この請求項10に記載の発明でも上記した
請求項1と同様な作用となる。従って、この請求項10
の発明でも、始終端電位が高い波形要素によって高周波
駆動しても圧電振動子への負担が軽減され、圧電振動子
を保護できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明が適用されるイン
クジェット式プリンタの機能ブロック図である。
【0020】例示したプリンタは、プリンタコントロー
ラ1とプリントエンジン2とから構成されている。プリ
ンタコントローラ1は、図示しないホストコンピュータ
等からの印刷データ等を受信するインターフェース3
(以下、外部I/F3という。)と、各種データの記憶
等を行うRAM4と、各種データ処理のためのルーチン
等を記憶したROM5と、CPU等からなる制御部6
と、クロック信号(CK)を発生する発振回路7と、記
録ヘッド8へ供給する駆動信号(COM)を発生する駆
動信号発生回路9と、ドットパターンデータ及び駆動信
号等をプリントエンジン2に送信するためのインターフ
ェース10(以下、内部I/F10という)とを備えて
いる。
【0021】外部I/F3は、例えばキャラクタコー
ド、グラフィック関数、イメージデータのいずれか1つ
のデータ又は複数のデータからなる印刷データをホスト
コンピュータ等から受信する。また、外部I/F3は、
ホストコンピュータに対してビジー信号(BUSY)や
アクノレッジ信号(ACK)等を出力する。
【0022】RAM4は、受信バッファ、中間バッフ
ァ、出力バッファ及びワークメモリ(図示せず)等とし
て利用されるものである。受信バッファには、外部I/
F3が受信したホストコンピュータからの印刷データが
一時的に記憶される。中間バッファには、制御部6によ
って中間コードに変換された中間コードデータが記憶さ
れる。出力バッファには、記録データや判定データが展
開される。また、ROM5は、制御部6によって実行さ
れる各種制御ルーチン、フォントデータ及びグラフィッ
ク関数、各種手続き等を記憶している。
【0023】駆動信号発生回路9は、本発明における駆
動信号発生手段の一種であり、制御部6(波形発生制御
手段)からの波形制御情報に基づき、図3に示すよう
に、複数のパルス信号PS1〜PS6を含んだ一連の駆
動信号(COM)を発生する。そして、駆動信号発生回
路9は、この駆動信号を記録周期T毎に繰り返し発生す
る。なお、この駆動信号については、後で詳しく説明す
る。
【0024】制御部6は、記録制御手段としても機能す
る。即ち、制御部6は、受信バッファ内の印刷データを
読み出して中間コードに変換し、この中間コードデータ
を中間バッファに記憶する。また、制御部6は、中間バ
ッファから読み出した中間コードデータを解析し、RO
M5内のフォントデータ及びグラフィック関数等を参照
して中間コードデータをドット毎の記録データに展開す
る。
【0025】本実施形態の記録データは、1ドットが2
ビットの階調データによって構成される。この階調デー
タは、例えば、非記録(印字内微振動)を示す階調デー
タ[00]と、小ドットによる記録を示す階調データ
[01]と、中ドットによる記録を示す階調データ[1
0]と、大ドットによる記録を示す階調データ[11]
とから構成される。従って、この構成では、各ドットを
4階調で記録することができる。
【0026】この記録データの展開時において制御部6
は、本発明の記録状態判定手段としても機能し、次ドッ
ト(即ち、次回記録周期T)の階調データに基づいて記
録の有無を判定して判定データを取得する。そして、こ
の判定データを当該ドット(即ち、今回記録周期T)の
階調データに付加する。この判定データは、記録の有無
を示すものであるので、1ビットのデータで構成され
る。例えば、非記録の場合には判定データは[0]とな
り、小ドット〜大ドットの何れかを記録する場合には判
定データは[1]となる。
【0027】従って、記録ヘッド8に出力される出力デ
ータは、2ビットの階調データと1ビットの判定データ
とからなる合計3ビットのデータとなる。例えば、当該
ドットの階調データが大ドットの記録を示し、次ドット
の階調データが非記録を示す場合には、出力データは
[110]となり、当該ドットの階調データが小ドット
の記録を示し、次ドットの階調データが非記録を示す場
合には、出力データは[010]となる。また、当該ド
ットの階調データが非記録を示し、次ドットの階調デー
タが中ドットの記録を示す場合には、出力データは[0
01]となる。
【0028】そして、1行分(1回の主走査に対応する
1パス)に相当する記録データ及び判定データが出力バ
ッファに展開されると、この1行分の出力データ(記録
データ及び判定データ)が内部I/F10を介して記録
ヘッド8にシリアル伝送される。また、出力バッファか
ら1行分の出力データが出力されると中間バッファの内
容が消去され、制御部6は次行のデータを展開する。
【0029】また、制御部6は、タイミング信号発生手
段の一部を構成し、内部I/F10を通じて記録ヘッド
8にラッチ信号(LAT)やチャンネル信号(CH)を
供給する。これらのラッチ信号やチャンネル信号は、駆
動信号を構成する複数のパルス信号PS1〜PS6の供
給開始タイミングを規定する。換言すれば、ラッチ信号
やチャンネル信号は、制御ロジック48からデコーダ4
7に供給されるタイミング信号の発生タイミングを規定
するトリガとなる。
【0030】具体的には、図3に示すように、ラッチ信
号は、第1パルス信号PS1の供給開始タイミングを規
定し、1番目のチャンネル信号CH1は第2パルス信号
PS2の供給開始タイミングを規定する。また、2番目
のチャンネル信号CH2は第3パルス信号PS3の供給
開始タイミングを規定し、3番目のチャンネル信号CH
3は第4パルス信号PS4の供給開始タイミングを規定
する。さらに、4番目のチャンネル信号CH4は第5パ
ルス信号PS5の供給開始タイミングを規定し、5番目
のチャンネル信号CH5は第6パルス信号PS6の供給
開始タイミングを規定する。なお、後述するように、本
実施形態における第3パルス信号PS3は、圧電振動子
21には供給されない。このため、2番目のチャンネル
信号CH2は駆動信号の供給遮断タイミングを規定して
いるともいえる。
【0031】プリントエンジン2は、キャリッジ機構1
1と、紙送り機構12と、記録ヘッド8とを備えてい
る。
【0032】キャリッジ機構11は、記録ヘッド8が取
り付けられたキャリッジと、このキャリッジをタイミン
グベルト等を介して走行させるパルスモータ等からな
り、記録ヘッド8を主走査方向に移動させる。紙送り機
構12は、紙送りモータ及び紙送りローラ等からなり、
記録紙(印刷記録媒体の一種)を順次送り出して副走査
を行う。
【0033】次に、記録ヘッド8について詳しく説明す
る。まず、記録ヘッド8の構造について説明する。図2
に例示した記録ヘッド8は、所謂撓み振動モードの圧電
振動子21を取り付けた記録ヘッド8であり、流路ユニ
ット22とアクチュエータユニット23とから概略構成
されている。
【0034】流路ユニット22は、インク供給口24と
なる通孔及び第1ノズル連通孔25の一部となる通孔を
開設した供給口形成基板26と、共通インク室27とな
る通孔及び第2ノズル連通孔28となる通孔を開設した
インク室形成基板29と、複数(例えば、64個)のノ
ズル開口30…を副走査方向に沿って開設したノズルプ
レート31から構成してある。そして、インク室形成基
板29の表面側(図2の下側)にノズルプレート31
を、裏面側(同上側)に供給口形成基板26をそれぞれ
配置して、これらの供給口形成基板26、インク室形成
基板29及びノズルプレート31を一体化してある。
【0035】アクチュエータユニット23は、弾性板と
して機能する第1の蓋部材32と、圧力室33となる通
孔を開設した圧力室形成基板34と、供給側連通孔35
となる通孔及び第1ノズル連通孔25の一部となる通孔
を開設した第2の蓋部材36と、圧電振動子21とによ
って構成してある。そして、圧力室形成基板34の裏面
に第1の蓋部材32を、表面に第2の蓋部材36をそれ
ぞれ配置して第1の蓋部材32と第2の蓋部材36とで
圧力室形成基板34を挟んで一体化してある。
【0036】圧電振動子21は、第1の蓋部材32の裏
面側に形成されている。例示した圧電振動子21は、上
記したように撓み振動モードであり、充電により電界と
直交する方向に収縮して圧力室33の容積を少なくする
ように弾性板(第1の蓋部材32)を変形させ、放電に
より電界と直交する方向に伸長して圧力室33の容積を
増すように弾性板を変形させる。この圧電振動子21
は、第1の蓋部材32の裏面に形成された共通電極37
と、この共通電極37の裏面に積層状態で形成した圧電
体層38と、各圧電体層38の裏面に形成された駆動電
極39とから構成され、圧力室33…に対応して複数
(例えば64個)形成されている。そして、この圧電振
動子21は、コンデンサと同じように振る舞い、駆動信
号の供給が遮断された場合には遮断直前の電位を保持す
る。
【0037】このような構成を採る記録ヘッド8では、
共通インク室27から圧力室33を通ってノズル開口3
0に至る一連のインク流路がノズル開口30毎に形成さ
れる。そして、圧電振動子21を充電したり放電したり
することで対応する圧力室33が収縮或いは膨張し、圧
力室33内のインクに圧力変動が生じる。
【0038】そして、このインク圧力を制御すること
で、ノズル開口30からインク滴を吐出させることがで
きる。例えば、定常容積の圧力室33を一旦膨張させた
後に急激に収縮させると、ノズル開口30からインク滴
が吐出される。また、インク滴が吐出されない程度に圧
力室33を収縮及び膨張させると、メニスカス(ノズル
開口30で露出しているインクの自由表面)が微振動す
る。このメニスカスの微振動によって、ノズル開口30
付近のインクが攪拌されるので、当該部分におけるイン
クの増粘を防止できる。
【0039】次に、この記録ヘッド8の電気的構成につ
いて説明する。
【0040】この記録ヘッド8は、図1に示すように、
第1シフトレジスタ41、第2シフトレジスタ42、及
び第3シフトレジスタ43からなるシフトレジスタ回路
と、第1ラッチ回路44、第2ラッチ回路45、及び第
3ラッチ回路46とからなるラッチ回路と、デコーダ4
7と、制御ロジック48と、レベルシフタ49と、スイ
ッチ回路50と、圧電振動子21とを備えている。そし
て、各シフトレジスタ41〜43、各ラッチ回路44〜
46、レベルシフタ49、スイッチ回路50、及び、圧
電振動子21は、それぞれ記録ヘッド8のノズル開口3
0に対応して複数設けられる。
【0041】この記録ヘッド8は、プリンタコントロー
ラ1からの出力データ(記録データ及び判定データ)に
基づいてインク滴を吐出させる。即ち、インク滴の吐出
に先立って、まず、プリンタコントローラ1からの出力
データが発振回路7からのクロック信号(CK)に同期
して各シフトレジスタ41〜43にシリアル伝送され
る。この出力データは、全ノズル開口30…用の記録デ
ータの上位ビット群、記録データの下位ビット群、及
び、判定データ群によって構成されている。
【0042】本実施形態では、記録データの上位ビット
群、記録データの下位ビット群、判定データ群の順に記
録ヘッド8へ送られてくるので、まず、記録データの上
位ビット群が第1シフトレジスタ41にセットされる。
全ノズル開口30…について記録データの上位ビット群
が第1シフトレジスタ41にセットされると、続いて記
録データの下位ビット群が第1シフトレジスタ41にセ
ットされる。この記録データの下位ビット群のセットに
伴い、記録データの上位ビット群はシフトして第2シフ
トレジスタ42にセットされる。さらに、全ノズル開口
30…について記録データの下位ビット群が第1シフト
レジスタ41にセットされると、続いて判定データ群が
第1シフトレジスタ41にセットされる。この判定デー
タ群のセットに伴い、記録データの上位ビット群はシフ
トして第3シフトレジスタ43にセットされ、記録デー
タの下位ビット群はシフトして第2シフトレジスタ42
にセットされる。
【0043】第1シフトレジスタ41には第1ラッチ回
路44が電気的に接続され、第2シフトレジスタ42に
は第2ラッチ回路45が電気的に接続され、第3シフト
レジスタ43には第3ラッチ回路46が電気的に接続さ
れている。そして、プリンタコントローラ1からのラッ
チ信号(LAT)が各ラッチ回路44〜46に入力され
ると、第3ラッチ回路46は今回記録周期Tにおける階
調データの上位ビットをラッチし、第2ラッチ回路45
は今回記録周期Tにおける階調データの下位ビットをラ
ッチし、第1ラッチ回路44は次回記録周期Tにおける
判定データをラッチする。即ち、第3ラッチ回路46及
び第2ラッチ回路45は今回記録周期Tにおける階調デ
ータを保持する階調データ保持手段として機能し、第1
ラッチ回路44は次回記録周期Tにおける判定データを
保持する判定データ保持手段として機能する。
【0044】これらの第1ラッチ回路44、第2ラッチ
回路45、及び、第3ラッチ回路46にラッチされたデ
ータは、それぞれデコーダ47に入力される。そして、
デコーダ47は、波形要素選択手段として機能し、今回
記録周期Tにおける階調データと次回記録周期Tにおけ
る判定データとから各パルス信号PS1〜PS6を選択
するための選択データを生成する。即ち、デコーダ47
は、各ラッチ回路44〜46がラッチした合計3ビット
のデータに基づいて翻訳(デコード)を行い、6ビット
の選択データを生成する。
【0045】この選択データの各ビットは、各パルス信
号PS1〜PS6に対応している。本実施形態では、最
上位ビット(ビット5)が第1パルス信号PS1に対応
し、5番目のビット(ビット4)が第2パルス信号PS
2に対応し、4番目のビット(ビット3)が第3パルス
信号PS3に対応している。同様に、3番目のビット
(ビット2)が第4パルス信号PS4に対応し、2番目
のビット(ビット1)が第5パルス信号PS5に対応
し、最下位ビット(ビット0)が第6パルス信号に対応
している。
【0046】また、デコーダ47には、制御ロジック4
8からのタイミング信号も入力されている。この制御ロ
ジック48は、制御部6と共にタイミング信号発生手段
として機能しており、上記したように、ラッチ信号(L
AT)やチャンネル信号(CH)の入力に同期してタイ
ミング信号を発生する。
【0047】デコーダ47によって翻訳された6ビット
の選択データは、タイミング信号によって規定されるタ
イミングで上位ビット側から順次レベルシフタ49に入
力される。このレベルシフタ49は、電圧増幅器として
機能し、選択データが[1]の場合には、スイッチ回路
50を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の電圧に
昇圧された電気信号を出力する。
【0048】レベルシフタ49で昇圧された[1]の選
択データは、スイッチ回路50に供給される。このスイ
ッチ回路50の入力側(上流側)には、駆動信号発生回
路9からの駆動信号(COM)が供給されており、スイ
ッチ回路50の出力側(下流側)には圧電振動子21が
接続されている。
【0049】選択データは、スイッチ回路50の作動を
制御する。即ち、スイッチ回路50に加わる選択データ
が[1]である期間中は、駆動信号(パルス信号PS1
〜PS6)が圧電振動子21に供給され、この駆動信号
に応じて圧電振動子21の振動子電位(即ち、駆動信号
が供給される側の電極電位)が変化する。一方、スイッ
チ回路50に加わる選択データが[0]の期間中は、レ
ベルシフタ49からはスイッチ回路50を作動させる電
気信号が出力されず、圧電振動子21には駆動信号が供
給されない。従って、選択データとして[1]が設定さ
れたパルス信号PS1〜PS6が選択的に圧電振動子2
1に供給される。
【0050】そして、本実施形態では、上記のデコーダ
47、制御ロジック48、レベルシフタ49、及び、ス
イッチ回路50が、波形要素供給手段(本発明の振動子
電位調整手段の一種)として機能しており、デコーダ4
7が生成した選択データに基づいて各パルス信号PS1
〜PS6(即ち、後述する各波形要素)を選択的に圧電
振動子21へ供給する。
【0051】次に、駆動信号発生回路9が発生する駆動
信号(COM)と、この駆動信号を構成する各パルス信
号PS1〜PS6の選択動作について説明する。
【0052】まず、駆動信号について説明する。図3に
例示した駆動信号は、上記したように、第1パルス信号
PS1、第2パルス信号PS2、第3パルス信号PS
3、第4パルス信号PS4、第5パルス信号PS5、及
び、第6パルス信号PS6からなる一連の信号である。
そして、第1パルス信号PS1が記録周期T内の第1周
期t1で発生され、第2パルス信号PS2が第2周期t
2で発生され、第3パルス信号PS3が第3周期t3で
発生される。また、第4パルス信号PS4が第4周期t
4で発生され、第5パルス信号PS5が第5周期t5で
発生され、第6パルス信号PS6が第6周期t6で発生
される。
【0053】第1パルス信号PS1は、中間電位Vcで
一定の前側定電位要素P1と、中間電位Vcから最低電
位VLまでインク滴を吐出させない程度の一定勾配で電
位を下降させる膨張要素P2と、最低電位VLを所定時
間保持する膨張ホールド要素P3と、最低電位VLから
最大電位VHまで急勾配で電位を上昇させる吐出要素P
4と、最大電位VHを所定時間保持する制振ホールド要
素P5と、最大電位VHから中間電位Vcまでインク滴
を吐出させない程度の一定勾配で電位を下降させる制振
要素P6と、中間電位Vcで一定の後側定電位要素P7
とを含んでいる。そして、これらの各波形要素の内、膨
張要素P2、膨張ホールド要素P3、吐出要素P4、制
振ホールド要素P5及び制振要素P6は、所定量のイン
ク滴を吐出させるための第1吐出波形要素DP1を構成
する。
【0054】なお、上記の最低電位VLは駆動信号にお
ける最も低い電位であり、本発明のベース電位の一種で
ある。本実施形態では、この最低電位VLを圧電振動子
21の保護に適した接地電位(グランド電位)に設定し
ている。また、中間電位Vcは吐出波形要素の始終端電
位であり、本発明の駆動電位の一種である。
【0055】第2パルス信号PS2もまた、前側定電位
要素P8、膨張要素P9、膨張ホールド要素P10、吐
出要素P11、制振ホールド要素P12、制振要素P1
3及び後側定電位要素P14を含んでおり、膨張要素P
9から制振要素P13までの各要素によって第2吐出波
形要素DP2が構成される。そして、膨張要素P9から
制振要素P13までの各要素は、第1パルス信号PS1
に含まれる各要素P2〜P6と同じ電位及び時間幅に設
定されている。従って、第1パルス信号PS1に含まれ
る第1吐出波形要素DP1と、第2パルス信号PS2に
含まれる第2吐出波形要素DP2とは同一波形形状であ
る。
【0056】第3パルス信号PS3は、中間電位Vcで
一定の前側定電位要素P15と、中間電位Vcから最低
電位VLまで急勾配で電位を下降する接続要素P16
と、最低電位VLで一定の後側定電位要素P17とを含
んでいる。上記の接続要素P16は、直前に発生される
第2パルス信号PS2(即ち、第2吐出波形要素DP
2)の終端電位と直後に発生される第4パルス信号PS
4(第1連結要素P19)の始端電位とを接続するため
の要素である。そして、これらの接続要素P16、前側
定電位要素P15、及び、後側定電位要素P17は、圧
電振動子21には供給されない。このため、接続要素P
16については勾配を可及的に急峻に設定し、前側定電
位要素P15、及び、後側定電位要素P17については
発生期間を可及的に短く設定して、第2パルス信号PS
2と第4パルス信号PS4の発生間隔をできるだけ短く
している。
【0057】第4パルス信号PS4は、最低電位VLで
一定の前側定電位要素P18、最低電位VLから中間電
位Vcまで一定勾配で電位を上昇させる第1連結要素P
19、及び、中間電位Vcで一定の後側定電位要素P2
0を含んでいる。上記の第1連結要素P19は、振動子
電位を最低電位VLから中間電位Vcまで上昇させるた
めの波形要素であり、その勾配は圧電振動子21への負
担が少なく、且つ、インク滴が吐出しない程度の圧力変
動が圧力室33内のインクに励起される程度に設定され
ている。
【0058】第5パルス信号PS5は、前側定電位要素
P21、膨張要素P22、膨張ホールド要素P23、吐
出要素P24、制振ホールド要素P25、制振要素P2
6及び後側定電位要素P27を含んでおり、膨張要素P
22から制振要素P26までの各要素によって第3吐出
波形要素DP3が構成される。そして、膨張要素P22
から制振要素P26までの各要素は、第1パルス信号P
S1や第2パルス信号PS2に含まれる各要素と同じ電
位及び時間幅に設定されている。従って、この第3吐出
波形要素DP3と、第1吐出波形要素DP1及び第2吐
出波形要素DP2とは同一波形形状である。
【0059】第6パルス信号PS6は、中間電位Vcで
一定の前側定電位要素P28、中間電位Vcから最低電
位VLまで一定勾配で電位を下降させる第2連結要素P
29、及び、最低電位VLで一定の後側定電位要素P3
0を含んでいる。従って、この駆動信号において、第2
連結要素P29は、記録周期T内における最後の吐出波
形要素である第3吐出波形要素DP3よりも後に発生さ
れる。また、この第2連結要素P29と上記した第1連
結要素P19との間には、第3吐出波形要素DP3が発
生される。この第2連結要素P29は、振動子電位を中
間電位Vcから最低電位VLまで下降させるための波形
要素である。そして、その勾配は、第1連結要素P19
と同様に、圧電振動子21への負担が少なく、且つ、イ
ンク滴が吐出しない程度の圧力変動が圧力室33内のイ
ンクに生じ得る程度に設定されている。
【0060】この駆動信号では、吐出波形要素(DP1
〜DP3)を圧電振動子21に供給すると、所定量のイ
ンクがノズル開口30から吐出される。即ち、膨張要素
(P2,P9,P22)の供給によって圧力室33が中
間電位Vcで規定される定常容積から最低電位VLで規
定される最大容積まで膨張し、圧力室33内のインクが
減圧されて圧力振動が励起される。次に、膨張ホールド
要素(P3,P10,P23)が供給されると圧力室3
3の膨張状態が維持され、その間に圧力室33内のイン
ク圧力が正圧に変化する。インク圧力が正圧になったタ
イミングで吐出要素(P4,P10,P24)が供給さ
れ、圧力室33の容積が最大電位VHで規定される最小
容積まで急激に収縮する。これにより、圧力室33内の
インクが押し出され、所定量のインク滴がノズル開口3
0から吐出される。その後、制振ホールド要素(P5,
P11,P25)が供給されると圧力室33の収縮状態
が維持され、この維持期間にインク圧力が変動する。そ
して、圧力室33内のインク圧力が正圧になるタイミン
グで制振要素(P6,P12,P26)が供給される。
この制振要素の供給によって圧力室33が膨張し、イン
ク圧力の変動を打ち消すように作用する。
【0061】また、この駆動信号では、第1連結要素P
19を圧電振動子21に供給すると、振動子電位が最低
電位VLから中間電位Vcまで上昇する。そして、この
振動子電位の上昇に伴って、圧力室33の容積は最低電
位VLで規定される最小容積から中間電位Vcで規定さ
れる定常容積まで膨張する。この膨張によって圧力室3
3内のインクは、インク滴が吐出しない程度に少し負圧
化され圧力振動が励起される。一方、第2連結要素P2
9を圧電振動子21に供給すると、振動子電位は中間電
位Vcから最低電位VLまで下降する。そして、この振
動子電位の下降に伴って、圧力室33の容積は定常容積
から最小容積まで収縮する。この収縮によって圧力室3
3内のインクは、インク滴が吐出しない程度に少し加圧
され圧力振動が励起される。
【0062】そして、本実施形態では、当該ドット(今
回記録周期T)の階調データが非記録を示し、次ドット
(次回記録周期T)の判定データが非記録を示す場合、
即ち、出力データ[000]の場合には、上記の波形要
素供給手段(振動子電位調整手段)は、今回記録周期T
において上記の第1連結要素P19と第2連結要素P2
9とを圧電振動子21に供給する。これにより、今回記
録周期Tにおいて、圧力室33内のインクにはインク滴
を吐出させない程度の圧力振動が励起され、この圧力振
動によってメニスカスが微振動し、ノズル開口30付近
におけるインクの増粘が防止される。また、この場合、
今回記録周期Tの終期における振動子電位は、最低電位
VLに調整される。
【0063】また、当該ドットの階調データが非記録を
示し、次ドットの判定データが記録を示す場合、即ち、
出力データ[001]の場合には、波形要素供給手段
は、今回記録周期Tにおいて第1連結要素P19を圧電
振動子21に供給する。これにより、今回記録周期Tの
終期において、振動子電位が最低電位VLから中間電位
Vcに上昇する。その結果、次回記録周期Tにおいて吐
出波形要素を供給した際に、振動子電位と吐出波形要素
の始端電位とが揃い、圧電振動子21を円滑に作動させ
ることができる。
【0064】また、当該ドットの階調データが小ドッ
ト、中ドット、大ドットの何れかの記録を示し、次ドッ
トの判定データが非記録を示す場合、例えば、出力デー
タ[110](当該ドットが大ドットで次ドットが非記
録)の場合には、波形要素供給手段は、今回記録周期T
において第2連結要素P29を圧電振動子21に供給す
る。これにより、今回記録周期Tの終期において、振動
子電位は中間電位Vcから最低電位VLに下降する。そ
の結果、次回記録周期Tにおいて振動子電位を最低電位
VLに保つことができ、圧電振動子21の保護が図れ
る。
【0065】さらに、当該ドットの階調データが小ドッ
ト、中ドット、大ドットの何れかの記録を示し、次ドッ
トの判定データが記録を示す場合、例えば、出力データ
[011](当該ドットが小ドットで次ドットが記録)
の場合には、波形要素供給手段は、今回記録周期Tにお
いて第1連結要素P19と第2連結要素P29の何れも
圧電振動子21には供給しない。これにより、今回記録
周期Tの終期において振動子電位は中間電位Vcとな
る。その結果、次回記録周期Tにおいて吐出波形要素を
供給した際に、振動子電位と吐出波形要素の始端電位と
が揃い、圧電振動子21を円滑に作動させることができ
る。
【0066】以下、この制御について詳細に説明する。
まず、今回記録周期Tが非記録(階調データ[00])
の場合における制御について説明する。
【0067】本実施形態において波形要素供給手段は、
出力データ(階調データ,判定データ)に基づき、選択
するパルス信号PS1〜PS6を決めている。
【0068】そして、出力データが[000]であった
場合、即ち、次ドットの判定データが非記録を示す
[0]であった場合には、デコーダ47は選択データ
[000101]を生成する。これにより、第1パルス
信号PS1〜第6パルス信号PS6の中から第4パルス
信号PS4と第6パルス信号PS6とが選択されて圧電
振動子21に供給される。即ち、図4(a)に示すよう
に、期間t4及び期間t6においてスイッチ回路50が
オン状態となって駆動信号が圧電振動子21に供給さ
れ、期間t1〜期間t3,t5においてはスイッチ回路
50がオフ状態となって駆動信号の圧電振動子21への
供給が停止される。
【0069】その結果、圧電振動子21には、第1連結
要素P19と第2連結要素P29とによって構成される
微振動波形要素VPが供給され、インク滴が吐出されな
い程度の圧力振動が圧力室33内に励起され、ノズル開
口30付近でのインクの攪拌が行われる。また、微振動
波形要素VPが供給された後は、振動子電位が最低電位
VLとなるので、圧電振動子21に供給される電圧が低
く抑えられる。これにより、圧電振動子21に対する負
担が軽減され、寿命を延ばすことができる。
【0070】この場合において、上記の微振動波形要素
VPは、振動子電位を調整するためのための第1連結要
素P19や第2連結要素P29によって構成されている
ので、これらの第1連結要素P19及び第2連結要素P
29を多用途に用いることができ、限られた記録周期T
であっても複数の波形要素を効率よく収めることができ
る。また、第1連結要素P19が含まれる第4パルス信
号PS4を第2吐出波形要素DP2(P9〜P13)と
第3吐出波形要素DP3(P22〜P26)の間に発生
させているので、この点でも限られた記録周期Tの中に
複数の波形要素を効率よく収めることができる。
【0071】また、出力データが[001]であった場
合、即ち、次ドットの判定データが記録を示す[1]で
あった場合には、デコーダ47は選択データ[0001
00]を生成する。これにより、第1パルス信号PS1
〜第6パルス信号PS6の中から第4パルス信号PS4
のみが選択されて圧電振動子21に供給される。即ち、
図4(b)に示すように、期間t4においてスイッチ回
路50がオン状態となって駆動信号が圧電振動子21に
供給され、期間t1〜期間t3,t5〜t6においては
スイッチ回路50がオフ状態となって駆動信号の圧電振
動子21への供給が停止される。
【0072】これにより、振動子電位は、期間t4で供
給された第1連結要素P19によって最低電位VLから
中間電位Vcまで上昇し、期間t5〜t6においてこの
中間電位Vcを保持する。その後、次回印刷周期Tにお
いて吐出波形要素が供給されるが、供給開始時点におけ
る振動子電位と吐出波形要素の始端電位は共に中間電位
Vcで揃っている。このため、振動子電位を急激に変化
させることなく、吐出波形要素を圧電振動子21へ円滑
に供給できる。このため、前回記録周期Tで非記録であ
っても振動子電位を中間電位Vcまで上昇させることが
でき、圧電振動子21に負担を掛けることなく吐出波形
要素を供給することができる。
【0073】次に、今回記録周期Tが小ドット(階調デ
ータ[01])の場合における制御について説明する。
【0074】出力データが[010]であった場合、即
ち、次ドットの判定データが非記録を示す[0]であっ
た場合には、デコーダ47は選択データ[01000
1]を生成する。これにより、第1パルス信号PS1〜
第6パルス信号PS6の中から第2パルス信号PS2と
第6パルス信号PS6とが選択されて圧電振動子21に
供給される。即ち、図5(a)に示すように、期間t2
及び期間t6においてスイッチ回路50がオン状態とな
って駆動信号が圧電振動子21に供給され、期間t1,
期間t3〜t5においてはスイッチ回路50がオフ状態
となって駆動信号の圧電振動子21への供給が停止され
る。
【0075】その結果、圧電振動子21には、第2吐出
波形要素DP2が供給され、所定量のインク滴が1回吐
出される。また、インク滴が吐出された後には第2連結
要素P29が供給され、振動子電位は最低電位VLとな
る。このため、次回記録周期Tにおいて振動子電位は最
低電位VLに保たれる。これにより、圧電振動子21に
対する負担が軽減され、寿命を延ばすことができる。
【0076】一方、出力データが[011]であった場
合、即ち、次ドットの判定データが記録を示す[1]で
あった場合には、デコーダ47は選択データ[0100
00]を生成する。これにより、第1パルス信号PS1
〜第6パルス信号PS6の中から第2パルス信号PS2
が選択されて圧電振動子21に供給される。即ち、図5
(b)に示すように、期間t2においてスイッチ回路5
0がオン状態となって駆動信号が圧電振動子21に供給
され、期間t1,期間t3〜t6においてはスイッチ回
路50がオフ状態となって駆動信号の圧電振動子21へ
の供給が停止される。
【0077】その結果、圧電振動子21には、第2吐出
波形要素DP2が供給され、所定量のインク滴が1回吐
出される。また、インク滴が吐出された後において振動
子電位は中間電位Vcを維持する。このため、次回印刷
周期Tにおいて、振動子電位と吐出波形要素の始端電位
とが共に中間電位Vcで揃い、吐出波形要素を圧電振動
子21へ円滑に供給できる。このため、圧電振動子21
に負担を掛けることなく吐出波形要素を供給できる。
【0078】次に、今回記録周期Tが中ドット(階調デ
ータ[10])の場合における制御について説明する。
【0079】出力データが[100]であった場合、即
ち、次ドットの判定データが非記録を示す[0]であっ
た場合には、デコーダ47は選択データ[11000
1]を生成する。これにより、第1パルス信号PS1〜
第6パルス信号PS6の中から第1パルス信号PS1、
第2パルス信号PS2及び第6パルス信号PS6とが選
択されて圧電振動子21に供給される。即ち、図6
(a)に示すように、期間t1、期間t2及び期間t6
においてスイッチ回路50がオン状態となって駆動信号
が圧電振動子21に供給され、期間t3〜t5において
はスイッチ回路50がオフ状態となって駆動信号の圧電
振動子21への供給が停止される。
【0080】その結果、圧電振動子21には、第1吐出
波形要素DP1(P2〜P6)及び第2吐出波形要素D
P2が供給され、所定量のインク滴が2回吐出される。
また、インク滴が吐出された後には、第2連結要素P2
9が供給されて振動子電位が最低電位VLとなる。この
ため、圧電振動子21に対する負担が軽減され、寿命を
延ばすことができる。
【0081】一方、出力データが[101]であった場
合、即ち、次ドットの判定データが記録を示す[1]で
あった場合には、デコーダ47は選択データ[1100
00]を生成する。これにより、第1パルス信号PS1
〜第6パルス信号PS6の中から第1パルス信号PS1
と第2パルス信号PS2とが選択されて圧電振動子21
に供給される。即ち、図6(b)に示すように、期間t
1,t2においてスイッチ回路50がオン状態となって
駆動信号が圧電振動子21に供給され、期間t3〜t6
においてはスイッチ回路50がオフ状態となって駆動信
号の圧電振動子21への供給が停止される。
【0082】その結果、圧電振動子21には、第1吐出
波形要素DP1及び第2吐出波形要素DP2が供給さ
れ、所定量のインク滴が2回吐出される。また、インク
滴が吐出された後も振動子電位は中間電位Vcを維持す
るので、次回印刷周期Tにおいて、吐出波形要素を圧電
振動子21へ円滑に供給できる。このため、圧電振動子
21に負担を掛けることなく吐出波形要素を供給でき
る。
【0083】次に、今回記録周期Tが大ドット(階調デ
ータ[11])の場合における制御について説明する。
【0084】出力データが[110]であった場合、即
ち、次ドットの判定データが非記録を示す[0]であっ
た場合には、デコーダ47は選択データ[11001
1]を生成する。これにより、第1パルス信号PS1〜
第6パルス信号PS6の中から第1パルス信号PS1、
第2パルス信号PS2、第5パルス信号PS5及び第6
パルス信号PS6とが選択されて圧電振動子21に供給
される。即ち、図7(a)に示すように、期間t1、t
2、t5及びt6においてスイッチ回路50がオン状態
となって駆動信号が圧電振動子21に供給され、期間t
3,t4においてはスイッチ回路50がオフ状態となっ
て駆動信号の圧電振動子21への供給が停止される。
【0085】その結果、圧電振動子21には、第1吐出
波形要素DP1、第2吐出波形要素DP2及び第3吐出
波形要素DP3が供給され、所定量のインク滴が3回吐
出される。また、インク滴が吐出された後は振動子電位
が最低電位VLとなるので、圧電振動子21に対する負
担が軽減され、寿命を延ばすことができる。この場合に
おいて、上記の第2連結要素P29は、最後の吐出波形
要素である第3吐出波形要素DP3よりも後に発生され
るので、非記録となる直前の記録周期Tが大ドットの記
録であっても、即ち、第3吐出波形要素DP3を用いた
記録であってもこの記録を支障なく行うことができる。
【0086】一方、出力データが[111]であった場
合、即ち、次ドットの判定データが記録を示す[1]で
あった場合には、デコーダ47は選択データ[1100
10]を生成する。これにより、第1パルス信号PS1
〜第6パルス信号PS6の中から第1パルス信号PS
1、第2パルス信号PS2及び第5パルス信号PS5が
選択されて圧電振動子21に供給される。即ち、図7
(b)に示すように、期間t1,t2,t5においてス
イッチ回路50がオン状態となって駆動信号が圧電振動
子21に供給され、期間t3,t4,t6においてはス
イッチ回路50がオフ状態となって駆動信号の圧電振動
子21への供給が停止される。
【0087】その結果、圧電振動子21には、第1吐出
波形要素DP1、第2吐出波形要素DP2及び第3吐出
波形要素DP3が供給され、所定量のインク滴が3回吐
出される。また、インク滴が吐出された後も振動子電位
は中間電位Vcを維持するので、次回印刷周期Tにおい
て吐出波形要素を圧電振動子21へ円滑に供給できる。
このため、圧電振動子21に負担を掛けることなく吐出
波形要素を供給することができる。
【0088】そして、本実施形態では、各記録周期Tで
非記録が連続した場合には、例えば、図8に示すよう
に、各記録周期Tで微振動波形要素VPが供給される。
そして、この微振動波形要素VPの非供給期間において
は振動子電位は、最低電位VLに保たれる。このため、
圧電振動子21に対する負担を軽減でき、圧電振動子2
1の寿命を延ばすことができる。
【0089】また、ドットの記録から非記録に移行する
場合には、例えば、図9に示すように、非記録の記録周
期Tに移行する直前で第2連結要素P29が圧電振動子
21に供給され、振動子電位が最低電位VLまで下降す
る。従って、非記録の記録周期Tにおいて振動子電位は
最低電位VLに保たれることとなり、圧電振動子21の
寿命を延ばすことができる。
【0090】反対に、ドットの非記録から記録に移行す
る場合には、例えば、図10に示すように、非記録の記
録周期Tに移行する直前の周期で第1連結要素P19が
圧電振動子21に供給され、振動子電位が中間電位Vc
まで上昇する。従って、次回記録周期Tで吐出波形要素
(DP2)が供給されるまでの間において、振動子電位
は中間電位Vcに保たれることとなり、吐出波形要素を
円滑に供給することができる。
【0091】さらに、前回記録周期Tと今回記録周期T
とで続けてドットを記録する場合には、例えば、図11
に示すように、今回記録周期Tにおいて第2連結要素P
29を供給しないで記録周期Tの終期における振動子電
位を中間電位Vcとする。これにより、今回記録周期T
での吐出波形要素(DP3)の供給終了時から次回記録
周期Tでの吐出波形要素(DP1)の供給開始時までの
期間において、振動子電位は中間電位Vcで一定とな
り、短時間で急激に高低することはない。このため、圧
電振動子21の負担が軽減され、保護することができ
る。また、振動子電位が一定であることから圧力室33
の容積変化もなく、インク圧力を安定させることができ
る。その結果、インク滴の吐出曲がりを防止することも
できる。
【0092】ところで、本発明は、上記の実施形態に限
定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づき
種々の変形が可能である。
【0093】まず、上記の実施形態では、最低電位VL
(ベース電位)から中間電位Vc(駆動電位)まで電位
を上昇させる第1連結要素P19と、中間電位Vcから
最低電位VLまで電位を下降させる第2連結要素P29
とを駆動信号に含ませ、これらの第1連結要素P19及
び2連結要素P29を圧電振動子21に供給することで
振動子電位を調整していたが、この構成に限定されるも
のではない。
【0094】例えば、振動子電位調整手段を、抵抗素子
と、該抵抗素子を介して圧電振動子をベース電位の供給
源に接続する調整スイッチ手段とによって構成し、抵抗
素子を介して駆動電位を供給することで振動子電位を調
整してもよい。以下、このように構成した変形例につい
て説明する。
【0095】図12は、この変形例を説明する図であ
り、(a)は要部の回路構成を説明する図、(b)及び
(c)は振動子電位を説明する図である。この変形例で
は、上記のスイッチ回路50と圧電振動子21との間に
調整スイッチ61(上記の調整スイッチ手段に相当)を
設け、この調整スイッチ61及び抵抗素子62,63を
介して圧電振動子21を駆動信号の供給線(駆動電位の
供給源に相当)やグランド線(ベース電位の供給源に相
当)へ選択的に接続可能に構成している。これに伴い、
駆動信号発生回路9が発生する駆動信号(図3参照)に
関し、期間t3,t4,t6において第3パルス信号P
S3,第4パルス信号PS4,第6パルス信号PS6を
発生させず、一定の中間電位Vcを発生させる。なお、
期間t1,t2,期間t5においては、上記したパルス
信号PS1,PS2,PS5を発生させる。
【0096】この変形例の制御は基本的に上記の実施形
態と同様であるが、次の点で相違する。即ち、期間t4
においては、第4パルス信号PS4を選択する代わりに
スイッチ回路50をオフにした状態で調整スイッチ61
を抵抗素子62側(駆動電位の供給源側)に接続する。
また、期間t6において、第6パルス信号PS6を選択
する代わりにスイッチ回路50をオフにした状態で調整
スイッチ61を抵抗素子63側(ベース電位の供給源
側)に接続する。
【0097】この制御では、期間t4に亘って駆動電位
の供給源が圧電振動子21に接続されると、圧電振動子
21は抵抗素子62を介して充電される。これにより、
振動子電位は、図12(b)に示すように、時間の経過
と共に比較的緩やかに上昇する。その結果、第4パルス
信号PS4を供給した場合と同様に、期間t4の終了時
点における振動子電位を中間電位Vcに調整することが
できる。また、期間t6に亘ってベース電位の供給源が
圧電振動子21に接続されると、圧電振動子21は抵抗
素子63を介して放電される。これにより、振動子電位
は、図12(c)に示すように、時間の経過と共に比較
的緩やかに下降する。その結果、第6パルス信号PS6
を供給した場合と同様に、次の記録周期Tが到来する前
に振動子電位を最低電位VLに調整することができる。
これらの場合において、振動子電位の上昇や下降の度合
い(傾き)は、抵抗素子62,63の抵抗値を変えるこ
とで調整可能である。このため、調整も容易である。な
お、調整スイッチ61のオンオフ制御は、制御部6によ
って行うことができるが、これに限定されるものではな
い。例えば、タイマー機能付きのスイッチによって制御
してもよい。
【0098】そして、この構成では、期間t3,t4,
t6においてにおいて駆動信号発生回路9から中間電位
Vcを発生させれば足りるので、波形発生制御手段とし
ての制御部6は、これらの各期間に亘って駆動信号発生
回路9に対する制御を行わずに済む。また、上記の調整
スイッチ61のオンオフ制御に要する時間は、オン時点
とオフ時点の極く僅かな時間で足りる。このため、制御
部6は、各期間t3,t4,t6において他の処理、例
えば、キャリッジ機構11や紙送り機構12等の制御を
行うことができる。従って、限られた時間を効率よく使
用することができる。
【0099】また、上記の実施形態では、複数の吐出駆
動パルスは、何れも同じ波形形状であったがこれに限ら
ず、異なる波形形状であってもよい。また、駆動電位も
中間電位Vcに限らずベース電位よりも高い任意の電位
に設定できる。同様に、ベース電位も圧電振動子21の
保護に適した低電位であれば接地電位に限定されるもの
ではない。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以
下の効果を奏する。即ち、振動子電位調整手段は、階調
データ及び判定データに基づき、次回記録周期が非記録
の場合に振動子電位をベース電位に調整し、次回記録周
期が記録の場合に振動子電位を駆動電位に調整するの
で、次回記録周期が非記録の場合には、この次回記録周
期において振動子電位はベース電位に保たれ、圧電振動
子が保護される。また、次回記録周期で記録を行う場合
には今回記録周期内において振動子電位が駆動電位に調
整されるので、振動子電位と吐出波形要素の始端電位と
が揃う。このため、圧電振動子に対し、吐出駆動パルス
を円滑に供給することができ、圧電振動子に対する負担
が軽減され、圧電振動子の保護ができる。
【0101】また、振動子電位調整手段を波形要素供給
手段によって構成し、次回記録周期の判定データに応じ
て波形要素を圧電振動子に選択的に供給することで今回
記録周期での終端電位を調整するようにした場合には、
特別な構成部材を必要とせず装置構成の簡素化が図れ
る。
【0102】また、第1連結要素と第2連結要素との間
に少なくとも1つの吐出波形要素を発生させた場合に
は、限られた記録周期の中に効率よく波形要素を収める
ことができる。
【0103】また、第2連結要素を記録周期内における
最後の吐出波形要素よりも後に発生させた場合には、今
回記録周期において全ての吐出波形要素が使用できるの
で、今回記録周期の階調記録に支障を来すことなく振動
子電位の調整を行うことができる。
【0104】また、第1連結要素を隣り合う吐出波形要
素同士の間に発生させた場合には、限られた記録周期の
中に効率よく波形要素を収めることができる。
【0105】また、接続要素を吐出波形要素と第1連結
要素との間に発生させた場合には、隣り合う吐出波形要
素同士の発生間隔を詰めることができ、限られた記録周
期の中に効率よく波形要素を収めることができる。
【0106】また、第1連結要素と第2連結要素とを選
択することで圧力室内のインクを攪拌させるようにした
場合には、これらの連結要素を多目的に用いることがで
き、限られた記録周期の中に効率よく波形要素を収める
ことができる。
【0107】また、振動子電位調整手段を、抵抗素子
と、この抵抗素子を介して圧電振動子を駆動電位の供給
源或いはベース電位の供給源に選択的に接続する調整ス
イッチ手段とによって構成した場合には、調整スイッチ
手段の作動によって振動子電位を調整できるので、その
期間において駆動信号発生手段は一定電位の信号を発生
すれば足り、制御が不要になる。このため、制御の効率
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット式記録装置の全体構成
を示すブロック図である。
【図2】記録ヘッドの機械的構造を説明する図である。
【図3】駆動信号を説明する図である。
【図4】波形要素の選択パターンを説明する図であり、
(a)は今回記録周期及び次回記録周期が共に非記録の
場合を示し、(b)は今回記録周期が非記録であって次
回記録周期が記録の場合を示す。
【図5】波形要素の選択パターンを説明する図であり、
(a)は今回記録周期が小ドットの記録であって次回記
録周期が非記録の場合を示し、(b)は今回記録周期が
小ドットの記録であって次回記録周期が記録の場合を示
す。
【図6】波形要素の選択パターンを説明する図であり、
(a)は今回記録周期が中ドットの記録であって次回記
録周期が非記録の場合を示し、(b)は今回記録周期が
中ドットの記録であって次回記録周期が記録の場合を示
す。
【図7】波形要素の選択パターンを説明する図であり、
(a)は今回記録周期が大ドットの記録であって次回記
録周期が非記録の場合を示し、(b)は今回記録周期が
大ドットの記録であって次回記録周期が記録の場合を示
す。
【図8】非記録が連続する場合における波形要素の選択
パターンを説明する図である。
【図9】小ドットの記録から非記録に切り換わる場合に
おける波形要素の選択パターンを説明する図である。
【図10】非記録から小ドットの記録に切り換わる場合
における波形要素の選択パターンを説明する図である。
【図11】大ドットを連続的に記録する場合における波
形要素の選択パターンを説明する図である。
【図12】本発明の変形例を説明する図であり、(a)
は要部構成を説明するブロック図、(b)及び(c)は
振動子電位の変化を説明する図である。
【符号の説明】
1 プリンタコントローラ 2 プリントエンジン 3 外部I/F 4 RAM 5 ROM 6 制御部 7 発振回路 8 記録ヘッド 9 駆動信号発生回路 10 内部I/F 11 キャリッジ機構 12 紙送り機構 21 圧電振動子 22 流路ユニット 23 アクチュエータユニット 24 インク供給口 25 第1ノズル連通孔 26 供給口形成基板 27 共通インク室 28 第2ノズル連通孔 29 インク室形成基板 30 ノズル開口 31 ノズルプレート 32 第1の蓋部材 33 圧力室 34 圧力室形成基板 35 供給側連通孔 36 第2の蓋部材 37 共通電極 38 圧電体層 39 駆動電極 41 第1シフトレジスタ 42 第2シフトレジスタ 43 第3シフトレジスタ 44 第1ラッチ回路 45 第2ラッチ回路 46 第3ラッチ回路 47 デコーダ 48 制御ロジック 49 レベルシフタ 50 スイッチ回路 61 調整スイッチ 62,63 抵抗素子

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力室内に圧力変動を生じさせ得る圧電
    振動子及び圧力室に連通したノズル開口を有する記録ヘ
    ッドと、複数の波形要素を含んだ一連の駆動信号を記録
    周期毎に繰り返し発生する駆動信号発生手段と、階調デ
    ータに応じて選択された波形要素を圧電振動子に供給す
    る波形要素供給手段とを備え、多階調の記録が可能なイ
    ンクジェット式記録装置において、 次回記録周期における階調データに基づいて記録の有無
    を判定して判定データを取得する記録状態判定手段と、
    今回記録周期にて振動子電位を調整する振動子電位調整
    手段とを設け、 前記駆動信号発生手段が発生する波形要素は、インク滴
    を吐出させるための波形要素であって始終端電位がベー
    ス電位よりも高い駆動電位に設定された複数の吐出波形
    要素を含み、 振動子電位調整手段は、次回記録周期の判定データが記
    録を示す場合に今回記録周期の終期に振動子電位を駆動
    電位に調整し、非記録を示す場合に今回記録周期の終期
    に振動子電位をベース電位に調整することを特徴とする
    インクジェット式記録装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動信号発生手段が発生する波形要
    素には、ベース電位から駆動電位まで電位を上昇させる
    第1連結要素と、駆動電位からベース電位まで電位を下
    降させる第2連結要素とを含ませ、 振動子電位調整手段を波形要素供給手段によって構成
    し、次回記録周期の判定データに応じて波形要素を圧電
    振動子に選択的に供給することで振動子電位を調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記
    録装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動信号発生手段は、前記第1連結
    要素と第2連結要素との間に少なくとも1つの吐出波形
    要素を発生することを特徴とする請求項2に記載のイン
    クジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動信号発生手段は、前記第2連結
    要素を記録周期内における最後の吐出波形要素よりも後
    に発生することを特徴とする請求項2又は請求項3に記
    載のインクジェット式記録装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動信号発生手段は、前記第1連結
    要素を隣り合う吐出波形要素同士の間に発生することを
    特徴とする請求項2から請求項4の何れかに記載のイン
    クジェット式記録装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動信号発生手段は、吐出波形要素
    の終端電位と第1連結要素の始端電位との間で電位を変
    化させるが圧電振動子には供給されない接続要素を、吐
    出波形要素と第1連結要素との間に発生することを特徴
    とする請求項5に記載のインクジェット式記録装置。
  7. 【請求項7】 前記波形要素選択手段は、今回記録周期
    及び次回記録周期が共に非記録を示す場合に第1連結要
    素と第2連結要素とを選択して、圧力室内のインクを攪
    拌させることを特徴とする請求項2から請求項6の何れ
    かに記載のインクジェット式記録装置。
  8. 【請求項8】 前記振動子電位調整手段を、抵抗素子
    と、この抵抗素子を介して圧電振動子を駆動電位の供給
    源或いはベース電位の供給源に選択的に接続する調整ス
    イッチ手段とによって構成したことを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェット式記録装置。
  9. 【請求項9】 前記駆動信号発生手段が発生する複数の
    吐出波形要素を、同一波形形状にしたことを特徴とする
    請求項1から請求項8の何れかに記載のインクジェット
    式記録装置。
  10. 【請求項10】 複数の波形要素を含んだ駆動信号を記
    録周期毎に繰り返し発生させ、階調データに応じて波形
    要素を選択し、選択した波形要素を記録ヘッドの圧電振
    動子に供給することで多階調の記録を行うインクジェッ
    ト式記録装置の駆動方法において、前記波形要素には、
    インク滴を吐出させるための波形要素であって、始終端
    電位がベース電位よりも高い駆動電位に設定された複数
    の吐出波形要素を含ませ、今回記録周期における階調デ
    ータ、及び、次回記録周期における判定データに基づい
    て、今回記録周期の終期における振動子電位を、次回記
    録周期が非記録の場合にはベース電位に調整し、次回記
    録周期が記録の場合には駆動電位に調整することを特徴
    とするインクジェット式記録装置の駆動方法。
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