JP2007176097A - 液体吐出装置の駆動方法および液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駆動方法は、液体吐出装置1の圧電アクチュエータ7の圧電変形領域8を、前記静止状態から、駆動電圧VPをオンにした直後にオフにすることで、吐出方向へ向かう液体の振動を、加圧室2の方向へ引き戻した後、再びオンにする、非吐出の昇圧波形を経由して、駆動電圧VPをオンにした待機状態に移行させる。液体吐出装置は、駆動電圧VPを、前記のように制御する制御手段14を備える。
【選択図】図1
Description
次に、ノズル3の外方に突出したインクの体積速度が限りなく0に近づいた時点(図7のt3の時点)で、駆動電圧VPを、再び、放電(VP=0)して、活性領域15の面方向の収縮を解除させることによって、圧電変形領域8の撓み変形を解除させる。そうすると、インクが、ノズル3の外方に最も大きく突出した状態(t3の時点の、体積速度が0の状態)から、逆に、加圧室2の方向へ戻ろうとしているところに、圧電変形領域8の撓み変形を解除させて、加圧室2の容積を再び増加させたことによる、マイナスの圧力が加わることによって、ノズル3の外方へ伸びきったインク柱が切り離されて、1滴目のインク滴が生成される。
次に、ノズル3でのインクの体積速度が限りなく0に近づいたt6の時点で、駆動電圧VPを、再びVHまで充電(VP=VH)して、活性領域15を面方向に収縮させることによって、圧電変形領域8を撓み変形させる。そうすると、先の、t2からt3の間、およびt4からt5の間でのインクの挙動と同じメカニズムによって、インクが、再び、ノズル3の外方へ大きく突出して、インク柱が形成される。その際の、ノズル3内でのインクの体積速度は、図7のt6とt7の間の部分に示すように、一旦、(+)側に大きくなった後、徐々に小さくなって、やがて0に近づく。
ところが、紙面に形成する画像によっては、例えば、圧電変形領域8(2)、8(3)のように、複数の駆動周期に跨って、待機状態を維持し続けることが求められる圧電変形領域8が発生し、前記圧電変形領域8には、長期間に亘って、電圧VHが印加し続けられることから、圧電セラミック層6の、活性領域15を囲む非活性領域16が、電圧VHの印加による、活性領域15の、面方向の収縮によって、図6に黒矢印で示す方向に、長時間に亘って、引張応力を受けて伸び続けることになる。
(A) 液体が充てんされる加圧室と、前記加圧室と連通して配設され、加圧室内の液体が、液滴として吐出されるノズルとを有する複数の液滴吐出部と、
(B) 前記複数の液滴吐出部の、複数の加圧室を覆う大きさを有する圧電セラミック層を含むと共に、駆動電圧が個別にオン−オフされることによって、個々の加圧室に対応して個別に変形される複数の圧電変形領域を備える圧電アクチュエータと、
を有する液体吐出装置の、圧電アクチュエータの任意の圧電変形領域に、駆動電圧をオンにした待機状態から、液滴を吐出させる直前に、一旦、オフにした後、再びオンにする駆動電圧波形を印加して変形させることによって、対応する液滴吐出部の加圧室の容積を変化させて、連通するノズルを通して液滴を吐出させると共に、それ以外の他の圧電変形領域は、駆動電圧をオフ、または待機状態より低い一定の値に保持した静止状態を維持し、液滴を吐出させる際には、駆動電圧をオンにした直後にオフにすることで、吐出方向へ向かう液体の振動を、加圧室の方向へ引き戻した後、再びオンにする、非吐出の昇圧波形を経由することで、途中で液滴を吐出させることなしに、前記静止状態から、駆動電圧をオンにした待機状態に移行させることを特徴とする液体吐出装置の駆動方法である。
請求項2記載の発明は、非吐出の昇圧波形を経由して駆動電圧をオンにした後、液滴を吐出させるのに先立って、前記昇圧波形の印加によって発生した液体の振動を減衰させるために、一定時間、駆動電圧をオンにした待機状態を維持する請求項1記載の液体吐出装置の駆動方法である。
(A) 液体が充てんされる加圧室と、前記加圧室と連通して配設され、加圧室内の液体が、液滴として吐出されるノズルとを有する複数の液滴吐出部と、
(B) 前記複数の液滴吐出部の、複数の加圧室を覆う大きさを有する圧電セラミック層を含むと共に、駆動電圧が個別にオン−オフされることによって、個々の加圧室に対応して個別に変形される複数の圧電変形領域を備える圧電アクチュエータと、
(C) 前記圧電アクチュエータの複数の圧電変形領域に駆動電圧を印加するための駆動回路と、
(D) 前記複数の圧電変形領域を、請求項1〜3のいずれかに記載の駆動方法で駆動させるために、前記駆動回路から出力される駆動電圧波形を駆動制御する制御手段と、
を有することを特徴とする液体吐出装置である。
例えば、図1の一番左の駆動周期P1では、圧電変形領域8(1)、8(3)に、同期させた駆動電圧VPが印加されて、前記2つの圧電変形領域8(1)、8(3)が、同時に駆動されることで、対応する液滴吐出部4のノズル3から、同時に、インク滴が吐出されて、紙面にドットが形成される。また、前記駆動周期P1に続く駆動周期P2〜P4では、圧電変形領域8(1)にのみ、駆動電圧VPが印加されて、圧電変形領域8(1)が駆動されることで、対応する液滴吐出部4のノズル3から、インク滴が吐出されて、紙面にドットが形成される。
これにより、圧電セラミック層6の非活性領域16がクリープ変形するのを抑制して、圧電変形領域8の、厚み方向の変位量の差が徐々に小さくなるのを防止することで、インク滴の吐出性能を、長期間に亘って、良好なレベルに維持すると共に、圧電アクチュエータ7の消費電力を低減することが可能となる。
図2は、前記非吐出の昇圧波形と、圧電変形領域8に、前記昇圧波形が印加された際の、ノズル3内における、インクの体積速度の変化〔太線の実線で示す、(+)がノズル3の先端側、つまりインク滴の吐出側、(−)が加圧室2側〕との関係を簡略化して示すグラフである。
これにより、前記待機状態の間に、インクの振動を完全に減衰させて、前記インクを、静止状態として、次の駆動周期P5において、圧電変形領域8を駆動させて、ノズル3からインク滴を吐出させることができる。そのため、インクの状態を常に安定させて、ノズル3から吐出されるインク滴の形状、サイズ、および速度がばらつくのを防止して、形成画像の画質を、さらに向上させることが可能となる。
図3、図4を参照して、この例では、制御手段14が、2つ以上の、複数の駆動周期に跨って、比較的、長期間に亘って駆動されない圧電変形領域8〔図3の圧電変形領域8(2)、8(3)〕を、その間、静止状態に維持させると共に、実際に駆動させる駆動周期P5に2つ先立つ駆動周期P3において、前記静止状態から、非吐出の昇圧波形を経由して待機状態に移行させるまでの経過は、先の、図1の例と同様である。非吐出の昇圧波形自体も同じである。
TOFF≧TON
TON=n×T5
TOFF=(n−1)×T6
2 加圧室
3 ノズル
4 液滴吐出部
5 基板
6 圧電セラミック層
7 圧電アクチュエータ
8 圧電変形領域
9 拘束領域
10 個別電極
11 共通電極
12 振動板
13 駆動回路
14 制御手段
15 活性領域
16 非活性領域
VP 駆動電圧
Claims (4)
- (A) 液体が充てんされる加圧室と、前記加圧室と連通して配設され、加圧室内の液体が、液滴として吐出されるノズルとを有する複数の液滴吐出部と、
(B) 前記複数の液滴吐出部の、複数の加圧室を覆う大きさを有する圧電セラミック層を含むと共に、駆動電圧が個別にオン−オフされることによって、個々の加圧室に対応して個別に変形される複数の圧電変形領域を備える圧電アクチュエータと、
を有する液体吐出装置の、圧電アクチュエータの任意の圧電変形領域に、駆動電圧をオンにした待機状態から、液滴を吐出させる直前に、一旦、オフにした後、再びオンにする駆動電圧波形を印加して変形させることによって、対応する液滴吐出部の加圧室の容積を変化させて、連通するノズルを通して液滴を吐出させると共に、それ以外の他の圧電変形領域は、駆動電圧をオフ、または待機状態より低い一定の値に保持した静止状態を維持し、液滴を吐出させる際には、駆動電圧をオンにした直後にオフにすることで、吐出方向へ向かう液体の振動を、加圧室の方向へ引き戻した後、再びオンにする、非吐出の昇圧波形を経由することで、途中で液滴を吐出させることなしに、前記静止状態から、駆動電圧をオンにした待機状態に移行させることを特徴とする液体吐出装置の駆動方法。 - 非吐出の昇圧波形を経由して駆動電圧をオンにした後、液滴を吐出させるのに先立って、前記昇圧波形の印加によって発生した液体の振動を減衰させるために、一定時間、駆動電圧をオンにした待機状態を維持する請求項1記載の液体吐出装置の駆動方法。
- 非吐出の昇圧波形を経由して駆動電圧をオンにした後、液滴を吐出させるまでの、待機状態の期間中の、駆動電圧がオン状態の時間の総和TONと、オフ状態の時間の総和TOFFとが、TOFF≧TONとなるように、前記待機状態において、ノズルから液滴が吐出されない周期で、少なくとも1回、駆動電圧のオン−オフを繰り返す請求項2記載の液体吐出装置の駆動方法。
- (A) 液体が充てんされる加圧室と、前記加圧室と連通して配設され、加圧室内の液体が、液滴として吐出されるノズルとを有する複数の液滴吐出部と、
(B) 前記複数の液滴吐出部の、複数の加圧室を覆う大きさを有する圧電セラミック層を含むと共に、駆動電圧が個別にオン−オフされることによって、個々の加圧室に対応して個別に変形される複数の圧電変形領域を備える圧電アクチュエータと、
(C) 前記圧電アクチュエータの複数の圧電変形領域に駆動電圧を印加するための駆動回路と、
(D) 前記複数の圧電変形領域を、請求項1〜3のいずれかに記載の駆動方法で駆動させるために、前記駆動回路から出力される駆動電圧波形を駆動制御する制御手段と、
を有することを特徴とする液体吐出装置。
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JP2003118113A (ja) * | 2001-10-15 | 2003-04-23 | Seiko Epson Corp | インクジェット式記録装置、及び、その駆動方法 |
JP2005022328A (ja) * | 2003-07-04 | 2005-01-27 | Seiko Epson Corp | 液体噴射装置 |
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2005
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