JP2010149396A - 液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法 - Google Patents

液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高粘度液体を吐出する場合にミスト等の発生を抑えてドットの分離を防止しつつ、駆動周波数の低下を抑制することが可能な液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法を提供する。
【解決手段】第1駆動信号COM1は、インクを吐出する吐出駆動パルスと、インクが吐出されない程度に圧電振動子を駆動するカット駆動パルスDPCと、を含み、このカット駆動パルスは、圧力発生室を膨張させてメニスカスを引き込む引き込み要素から始まるパルスであり、駆動信号における最後の期間で発生され、吐出制御手段は、現在の記録周期で駆動パルスを圧電振動子に供給してノズルからインクを吐出する場合において、次の記録周期でインクを吐出するときはカット駆動パルスを圧電振動子に供給しない一方、次の記録周期でインクを吐出しないときはカット駆動パルスを圧電振動子に供給する。
【選択図】図5

Description

本発明は、インクジェット式プリンター等の液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法に関するものであり、特に、駆動信号に含まれる駆動パルスを圧力発生素子に印加することにより液体の吐出を制御可能な液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法に関するものである。
液体吐出装置は、液体を吐出可能な液体吐出ヘッドを備え、この液体吐出ヘッドから各種の液体を吐出する装置である。この液体吐出装置の代表的なものとして、例えば、液体吐出ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズルから液体状のインクを記録紙等の記録媒体(着弾対象物)に対して吐出・着弾させることで画像等の記録を行うインクジェット式プリンター(以下、単にプリンターという。)等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、液晶ディスプレー等のカラーフィルターの製造装置等、各種の製造装置にも液体吐出装置が応用されている。
上記液体吐出装置には、吐出駆動パルスを圧力発生素子(例えば、圧電振動子や発熱素子等)に印加してこれを駆動することにより圧力発生室内の液体に圧力変化を与え、この圧力変化を利用して圧力発生室に連通したノズルから液体を吐出させるように構成されたものがある。このような液体吐出装置では、圧力発生室内の液体に与える圧力振動の振幅を大きくすることで、吐出される液体の量を増加させることができる。言い換えれば、吐出駆動パルスの駆動電圧を大きくすることで、吐出される液体の量を増やすことができる(例えば、特許文献1を参照)。
特開2003−94656号公報
近年、この液体吐出装置では、例えばUVインク(紫外線硬化型インク)等の従来扱われていた液体よりも粘度の高い液体(以下、高粘度液体ともいう。)を吐出する試みがなされている。すなわち、従来は水のように粘度が低い液体を対象にしていたが、近年では6ミリパスカル秒以上の高粘度液体を吐出する試みがなされている。この高粘度液体を吐出する際に十分な吐出量を得るためには、吐出量に応じた大きさの圧力変化を圧力発生室内の液体に与える必要がある。しかし、圧力変化を大きくすると液体の飛行速度も高くなり、この液体の後端部分が尾のように伸びる現象が生じ易くなる傾向にある。そして、この尾の部分が液滴本体から分離して飛翔し、着弾対象物において正規の位置(望ましい位置)に着弾しない虞があった。例えば、インクジェットプリンターでは、尾の部分がミストになって正規の位置からずれて着弾してドットが分離し、これにより、画質の劣化が生じるという問題があった。特に、高粘度液体では、尾の部分が幾つにも分離することにより、これらの複数に分離した部分(サテライトインク滴或いはミスト)が画質を著しく低下させる原因となっていた。
このため、インクを吐出した直後に、メニスカスを速やかに圧力発生室側に引き込むことにより、上記の尾を低減させるための駆動パルスが駆動信号中に含まれる構成も提案されている。この駆動パルスは、例えば、ノズルからインクが吐出されない程度に圧力発生室を膨張させてメニスカスを引き込む引き込み要素から始まる非吐出駆動パルスである。
しかしながら、この非吐出駆動パルスを圧力発生素子に印加することで圧力発生室内のインクに発生する残留振動が次の吐出周期における吐出動作に悪影響(インクの量や飛翔速度の変動等)を与える虞があるため、これを抑制するべく非吐出駆動パルスの後ろに残留振動を減衰させるための期間が必要であった。このため、この振動減衰期間だけ吐出周期全体が長くなり、その結果、駆動周波数が低下してしまうという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高粘度液体を吐出する場合にミスト等の発生を抑えてドットの分離を防止しつつ、駆動周波数の低下を抑制することが可能な液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、ノズル、当該ノズルに連通する圧力発生室、及び、当該圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生素子を有し、当該圧力発生素子の作動によってノズルから液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、
前記圧力発生素子を駆動する駆動パルスを含む駆動信号を規定吐出周期で発生する駆動信号発生手段と、
前記駆動信号に含まれる駆動パルスを選択し、選択した駆動パルスを圧力発生素子に供給して液体の吐出を制御する吐出制御手段と、
を備える液体吐出装置であって、
前記駆動信号は、液滴を吐出する吐出駆動パルスと、液滴が吐出されない程度に前記圧力発生素子を駆動する非吐出駆動パルスと、を含み、
前記非吐出駆動パルスは、圧力発生室を膨張させてメニスカスを引き込む引き込み要素から始まるパルスであり、駆動信号における最後の期間で発生され、
前記吐出制御手段は、現在の吐出周期で駆動パルスを前記圧力発生素子に供給してノズルから液体を吐出する場合において、次の吐出周期で液体を吐出するときは前記非吐出駆動パルスを前記圧力発生素子に供給しない一方、次の吐出周期で液体を吐出しないときは前記非吐出駆動パルスを前記圧力発生素子に供給することを特徴とする。
なお、「期間」とは、駆動信号の規定吐出周期の中で、当該駆動信号に含まれるパルス毎に区切られた期間を意味する。
上記構成を採用することにより、現在の吐出周期で液体を吐出する場合において、次の吐出周期で液体を吐出するときは非吐出駆動パルスを圧力発生素子に供給することなく、次の吐出周期において吐出される液体によって現在の吐出周期で吐出された液体の尾の部分あるいはミストが吸収される。また、次の吐出周期で液体を吐出しないときは非吐出駆動パルスが圧力発生素子に供給されることにより、この非吐出駆動パルスの引き込み要素によりメニスカスが圧力発生室側に引き込まれる。これにより、吐出された液体に付随する尾の成長が抑制される。したがって、粘度が比較的高い液体(高粘度液体)を吐出する際に、吐出された液体の後端部が尾のように伸びる現象を抑えることができる。これにより、着弾対象物上で液体が複数に分離して着弾すること、即ち、ドットの分離を防止することができる。また、非吐出駆動パルスの後に残留振動を減衰させるための振動減衰期間が不要であるため、その分、吐出周期を短くすることができ、駆動周波数が低下することを抑制することができる。
上記構成において、前記吐出制御手段は、液体の吐出の有無および吐出する液体の量を示す吐出制御情報に基づいて前記圧力発生素子に対する駆動パルスの供給・非供給を制御し、
前記吐出制御情報には、次の吐出周期における液体の吐出の有無を示す次周期吐出情報が含まれる構成を採用することが望ましい。
この構成によれば、従来の吐出制御情報に次周期吐出情報を含ませ、これに基づいて非吐出駆動パルスの圧力発生素子への供給又は非供給を制御することにより、簡単な構成でドットの分離と駆動周波数の低下の抑制を両立させることが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体吐出装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
図1は、プリンターの電気的な構成を説明するブロック図である。例示したプリンターは、プリンターコントローラー1とプリントエンジン2とから構成されている。プリンターコントローラー1は、図示しないホストコンピューター等の外部装置との間でデーターの送受信を行う外部インターフェース(外部I/F)3と、各種データーの記憶等を行うRAM4と、各種データー処理のための制御プログラム等を記憶したROM5と、CPU等からなる制御部6と、クロック信号を発生する発振回路7と、記録ヘッド8へ供給する駆動信号(COM1,COM2)を発生する駆動信号生成回路9と、記録データー及び駆動信号等をプリントエンジン2に送信するための内部インターフェース10(内部I/F10)とを備えている。
外部I/F3は、例えばイメージデーター等の印刷データーをホストコンピューター等から受信する。また、外部I/F3からは、外部装置に対してビジー信号やアクノレッジ信号等の状態信号が出力される。RAM4は、受信バッファー、中間バッファー、出力バッファー及びワークメモリー等として利用されるものである。また、ROM5は、制御部6によって実行される各種制御プログラム、フォントデーター及びグラフィック関数、各種手続き等を記憶している。印刷データーには、印刷する画像データーの他に各種のコマンドデーターを含む。コマンドデーターとは、プリンターに特定の動作の実行を指示するためのデーターである。このコマンドデーターには、例えば、給紙を指示するコマンドデーター、搬送量を示すコマンドデーター、排紙を指示するコマンドデーターがある。
制御部6は、記録ヘッド8の動作を制御するためのヘッド制御信号を記録ヘッド8に出力したり、駆動信号COMを生成させるための制御信号を駆動信号生成回路9に出力したりする。ヘッド制御信号は、例えば、転送クロックCLK、画素データーSI、ラッチ信号LAT、第1チェンジ信号CH1、第2チェンジ信号CH2である。これらのラッチ信号やチェンジ信号は、駆動信号COM1,COM2を構成する各パルスの供給タイミングを規定する。
また、制御部6は、上記印刷データーに基づき、RGB表色系からCMY表色系への色変換処理、多階調のデーターを所定階調まで減少させるハーフトーン処理、ハーフトーニングされたデーターを、インク種類毎(ノズル列毎)に所定の配列で並べてドットパターンデーターに展開するドットパターン展開処理等を経て、記録ヘッド8の吐出制御に用いる画素データーSIを生成する。この画素データーSIは、印刷される画像の画素に関するデーターであり、本発明における吐出制御情報の一種である。ここで、画素とは、着弾対象物である記録紙等の記録媒体上に仮想的に定められたドット形成領域を示す。そして、本発明に係る画素データーSIは、記録媒体上に形成されるドットの有無(又はインクの吐出の有無)及びドットの大きさ(又は吐出されるインクの量)に関するデーター(階調値)に次周期吐出情報を付加して成る。本実施形態において、画素データーSIは合計2ビットの階調値と、1ビットの次周期吐出情報との合計3ビットの2値データーによって構成されている。2ビットの階調値には、インクを吐出しない非記録(微振動)に対応する[00]と、小ドットの記録に対応する[01]と、中ドットの記録に対応する[10]と、大ドットの記録に対応する[11]とがある。従って、本実施形態におけるプリンターは4階調で記録ができる。また、次周期吐出情報は、今回の吐出周期(記録周期)の次の記録周期におけるインクの吐出の有無を示すデーターである。即ち、この次周期吐出情報が[0]のときは、次周期でインクの吐出が行われないことを示し、[1]のときは、次周期でインクの吐出が行われることを示す。この画素データーSIに基づく吐出制御の詳細については後述する。
駆動信号生成回路9は、第1駆動信号COM1を発生可能な第1駆動信号生成部9Aと、第2駆動信号COM2を発生可能な第2駆動信号生成部9Bとを備えている。そして、図2に示すように、第1駆動信号COM1は、複数のミドルドット吐出駆動パルスDPM(本発明における吐出駆動パルスの一種)を単位記録周期(吐出周期)T内に有する一連の信号であり、記録周期T毎に繰り返し発生される。本実施形態において、第1駆動信号COM1の一記録周期Tは、3つのパルス発生期間T1〜T3に区分されている。そして、期間T1で第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1が発生され、期間T2で第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2が発生される。また、期間T3では、インク吐出後におけるノズルのメニスカスを引き込んでインクの尾の発生を抑制するためのカット駆動パルスDPC(本発明における非吐出駆動パルスに相当)が発生される。
一方、第2駆動信号COM2は、予備振動駆動パルスDPPとスモール吐出駆動パルスDPSを記録周期T内に有する一連の信号である。この第2駆動信号COM2の一記録周期Tも、上記第1駆動信号COM1と同様にT1〜T3の3つのパルス発生期間に区分されており、期間T1で予備振動駆動パルスDPPが発生され、期間T2でスモール吐出駆動パルスDPSが発生される。なお、期間T3では、基準電位VHBで一定となる。
なお、カット駆動パルスDPCに関しては、第2駆動信号COM2におけるスモールドット吐出駆動パルスDPSの後(期間T3)で発生するようにしてもよい。
次に、プリントエンジン2について説明する。このプリントエンジン2は、図1に示すように、記録ヘッド8、キャリッジ移動機構44、紙送り機構45、及び、リニアエンコーダー46等を備えている。キャリッジ移動機構44は、液体吐出ヘッドの一種である記録ヘッド8が取り付けられたキャリッジと、このキャリッジを、タイミングベルト等を介して走行させる駆動モーター(例えば、DCモーター)等からなり(何れも図示せず)、キャリッジに搭載された記録ヘッド8を主走査方向に移動させる。紙送り機構45は、紙送りモーター及び紙送りローラー等からなり、記録紙(着弾対象物の一種)をプラテン上に順次送り出して副走査を行う。また、リニアエンコーダー46は、キャリッジに搭載された記録ヘッド8の走査位置に応じたエンコーダーパルスを、主走査方向における位置情報として内部I/F10を通じて制御部6に出力する。制御部6は、リニアエンコーダー46側から受信したエンコーダーパルスに基づいて記録ヘッド8の走査位置(現在位置)を把握することができる。
図3は上記の記録ヘッド8の要部断面図である。本実施形態における記録ヘッド8は、圧電振動子群12、固定板13、及び、フレキシブルケーブル14等をユニット化した振動子ユニット15と、この振動子ユニット15を収納可能なヘッドケース16と、共通インク室(共通液体室)から圧力発生室を通りノズルに至る一連のインク流路(液体流路)を形成する流路ユニット17とを備えて構成される。
まず、振動子ユニット15について説明する。圧電振動子群12を構成する圧電振動子18(本発明における圧力発生素子の一種)は、縦方向に細長い櫛歯状に形成されており、数十μm程度の極めて細い幅に切り分けられている。そして、この圧電振動子18は縦方向に伸縮可能な縦振動型の圧電振動子として構成されている。各圧電振動子18は、固定端部を固定板13上に接合することにより、自由端部を固定板13の先端縁よりも外側に突出させて所謂片持ち梁の状態で固定されている。そして、各圧電振動子18における自由端部の先端は、後述するように、それぞれ流路ユニット17におけるダイヤフラム部28を構成する島部30に接合される。フレキシブルケーブル14は、固定板13とは反対側となる固定端部の側面で圧電振動子18と電気的に接続されている。また、各圧電振動子18を支持する固定板13は、圧電振動子18からの反力を受け止め得る剛性を備えた金属製の板材によって構成される。
次に、流路ユニット17について説明する。流路ユニット17は、ノズルプレート19、流路形成基板20、及び振動板21から構成され、ノズルプレート19を流路形成基板20の一方の表面に、振動板21をノズルプレート19とは反対側となる流路形成基板20の他方の表面にそれぞれ配置して積層し、接着等により一体化することで構成されている。ノズルプレート19は、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル22を列状に開設したステンレス鋼製の薄いプレートである。本実施形態では、例えば、180個のノズル22を列状に開設し、これらのノズル22によってノズル列(ノズル群)を構成している。そして、このノズル列を横並びに2列設けている。
流路形成基板20は、リザーバー23、インク供給口24、及び圧力発生室25からなる一連のインク流路(液体流路の一種)を形成する板状部材である。具体的には、この流路形成基板20は、各ノズル22に対応させて圧力発生室25となる空部を隔壁で区画した状態で複数形成すると共に、インク供給口24およびリザーバー23となる空部を形成した板状の部材である。そして、本実施形態の流路形成基板20は、シリコンウェハーをエッチング処理することで作製されている。上記の圧力発生室25は、ノズル22の列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室として形成され、インク供給口24は、圧力発生室25とリザーバー23との間を連通する流路幅の狭い狭窄部として形成されている。また、リザーバー23は、インクカートリッジ(図示せず)に貯留されたインクを各圧力発生室25に供給するための室であり、インク供給口24を通じて対応する各圧力発生室25に連通している。
振動板21は、ステンレス鋼等の金属製の支持板26上にPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の樹脂フィルム27をラミネート加工した二重構造の複合板材であり、圧力発生室25の一方の開口面を封止してこの圧力発生室25の容積を変動させるためのダイヤフラム部28を有すると共に、リザーバー23の一方の開口面を封止するコンプライアンス部29が形成された部材である。そして、ダイヤフラム部28は、圧力発生室25に対応した部分の支持板26にエッチング加工を施し、当該部分を環状に除去して圧電振動子18の自由端部の先端を接合するための島部30を形成することで構成されている。この島部30は、圧力発生室25の平面形状と同様に、ノズル22の列設方向と直交する方向に細長いブロック状であり、この島部30の周りの樹脂フィルム27が弾性体膜として機能する。また、コンプライアンス部29として機能する部分、すなわちリザーバー23に対応する部分は、このリザーバー23の開口形状に倣って支持板26がエッチング加工で除去されて樹脂フィルム27のみとなっている。
上記構成の記録ヘッド8では、圧電振動子18を変形させることで対応する圧力発生室25が収縮或いは膨張し、圧力発生室25内のインクに圧力変動が生じる。このインク圧力を制御することで、ノズル22からインク(インク滴)を吐出させることができる。インクを吐出するのに先だって定常容積の圧力発生室25を予備的に膨張させるとリザーバー23側からインク供給口24を通じて圧力発生室25内にインクが供給される。また、予備膨張の後に圧力発生室25を急激に収縮させるとノズル22からインクが吐出される。
次に、この記録ヘッド8の電気的構成について説明する。この記録ヘッド8は、図1に示すように、第1シフトレジスター33及び第2シフトレジスター34からなるシフトレジスター(SR)回路と、第1ラッチ回路35及び第2ラッチ回路36からなるラッチ回路と、デコーダー37と、制御ロジック38と、第1レベルシフター39及び第2レベルシフター40からなるレベルシフター(LS)回路と、第1スイッチ41及び第2スイッチ42からなるスイッチ回路と、圧電振動子18とを備えている。そして、各シフトレジスター33,34、各ラッチ回路35,36、各レベルシフター39,40、各スイッチ41,42、及び、圧電振動子18は、それぞれノズル22毎に対応した数だけ設けられる。また、各シフトレジスター33,34、各ラッチ回路35,36、各レベルシフター39,40、各スイッチ41,42、及び、制御部6は、本発明における吐出制御手段として機能する。なお、図1では、1ノズル分の構成のみを図示し、他のノズル分の構成の図示は省略している。
この記録ヘッド8は、プリンターコントローラー1から送られてくる画素データーSIに基づいてインクの吐出制御を行う。本実施形態では、2ビットで構成された画素データーSIの上位ビット群、画素データーSIの下位ビット群の順に記録ヘッド8へクロック信号CLKに同期して送られてくるので、まず、画素データーSIの上位ビット群が第2シフトレジスター34にセットされる。全てのノズル22について画素データーSIの上位ビット群が第2シフトレジスター34にセットされると、次にこの上位ビット群が第1シフトレジスター33にシフトする。これと同時に、画素データーSIの下位ビット群が第2シフトレジスター34にセットされる。
第1シフトレジスター33の後段には、第1ラッチ回路35が接続され、第2シフトレジスター34の後段には、第2ラッチ回路36が接続されている。そして、プリンターコントローラー1側からのラッチパルスが各ラッチ回路35,36に入力されると、第1ラッチ回路35は画素データーSIの上位ビット群をラッチし、第2ラッチ回路36は画素データーSIの下位ビット群をラッチする。各ラッチ回路35,36でラッチされた画素データーSI(上位ビット群,下位ビット群)はそれぞれ、デコーダー37へ出力される。このデコーダー37は、画素データーSIの上位ビット群及び下位ビット群に基づいて、駆動信号COM1,COM2を構成する各パルスを選択するためのパルス選択データーを生成する。
本実施形態におけるパルス選択データーは、各駆動信号COM1,COM2毎に生成される。即ち、第1駆動信号COM1に対応する第1パルス選択データーは、第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1(期間T1)、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2(期間T2)、カット駆動パルスDPC(期間T3)に対応する合計3ビットのデーターによって構成されている。また、第2駆動信号COM2に対応する第2パルス選択データーは、予備振動駆動パルスDPP(期間T1)、スモールドット吐出駆動パルスDPS(期間T2)、パルス無し(期間T3)に対応する合計3ビットのデーターによって構成されている。
上記デコーダー37には、制御ロジック38からのタイミング信号も入力されている。この制御ロジック38は、ラッチ信号やチャンネル信号の入力に同期してタイミング信号を発生する。このタイミング信号も駆動信号COM1,COM2毎に生成される。デコーダー37によって生成された各パルス選択データーは、タイミング信号によって規定されるタイミングで上位ビット側から順次各レベルシフター39,40に入力される。これらのレベルシフター39,40は、電圧増幅器として機能し、パルス選択データーが[1]の場合には、対応するスイッチ41,42を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。即ち、第1パルス選択データーが[1]の場合には第1スイッチ41に電気信号が出力され、第2パルス選択データーが[1]の場合には第2スイッチ42に電気信号が出力される。
第1スイッチ41の入力側には第1駆動信号生成部9Aからの第1駆動信号COM1が供給されるようになっており、第2スイッチ42の入力側には第2駆動信号生成部9Bからの第2駆動信号COM2が供給される。また、各スイッチ41,42の出力側には、圧電振動子18が接続されている。即ち、第1スイッチ41は、圧電振動子18への第1駆動信号COM1の供給・非供給の切り替えを行い、第2スイッチ42は、圧電振動子18への第2駆動信号COM2の供給・非供給の切り替えを行うように構成されている。
上記のパルス選択データーは、各スイッチ41,42の作動を制御する。即ち、第1スイッチ41に入力されたパルス選択データーが[1]である期間中は、この第1スイッチ41が導通状態になり、第1駆動信号COM1が圧電振動子18に供給される。同様に、第2スイッチ42に入力されたパルス選択データーが[1]である期間中は、第2駆動信号COM2が圧電振動子18に供給される。一方、各スイッチ41,42に入力されたパルス選択データーが共に[0]の期間中は、各スイッチ41,42が切断状態となり、圧電振動子18へは駆動信号が供給されない。要するに、パルス選択データーとして[1]が設定された期間のパルスが選択的に圧電振動子18に供給される。
このようなスイッチ制御により、第1駆動信号COM1又は第2駆動信号COM2に含まれる駆動パルスを圧電振動子18へ印加させることができる。すなわち、第1駆動信号COM1や第2駆動信号COM2の一部分を、選択的に圧電振動子18へ印加させることができる。この例では、繰り返し周期(記録周期)Tの開始タイミング(ラッチ信号LATのラッチパルスのタイミング)で、圧電振動子18に印加させる駆動信号COMを、第1駆動信号COM1から第2駆動信号COM2へ又はその逆へと切り替えることができる。同様に、第1駆動信号COM1におけるT1〜T3間の境界のタイミング、又は、第2駆動信号COM2におけるT1〜T3間の境界のタイミング(第1チェンジ信号CH1のチェンジパルスのタイミング,第2チェンジ信号CH2のチェンジパルスのタイミング)で、圧電振動子18に印加させるパルスを切り替えることができる。
次に、駆動信号生成回路9が発生する各駆動信号COM1,COM2に含まれる各駆動パルスについて説明する。
まず、第1駆動信号COM1において期間T1,T2で発生するミドルドット吐出駆動パルスDPM(DPM1,DPM2)について説明する。図4(a)に示すように、このミドルドット吐出駆動パルスDPMは、第1膨張要素P11(圧力発生室膨張要素)と、第1膨張ホールド要素P12(膨張維持要素)と、第1収縮要素P13(吐出要素)とからなる。第1膨張要素P11は、基準電位VHBから第1膨張電位VH1までインクを吐出させない程度の比較的緩やかな一定勾配で電位を上昇させる波形要素であり、第1膨張ホールド要素P12は、第1膨張電位VH1で一定な波形要素である。第1収縮要素P13は、第1膨張電位VH1から基準電位VHBまで急勾配で電位を下降させる波形要素である。
このように構成されたミドルドット吐出駆動パルスDPMが圧電振動子18に供給されると、まず、第1膨張要素P11によって圧電振動子18は素子長手方向に収縮し、圧力発生室25が基準電位VHBに対応する基準容積から第1膨張電位VH1に対応する膨張容積まで膨張する。この膨張により、メニスカスが圧力発生室25側に大きく引き込まれると共に、圧力発生室25内にはリザーバー23側からインク供給口24を通じてインクが供給される。そして、この圧力発生室25の膨張状態は、第1膨張ホールド要素P12の供給期間中に亘って維持される。その後、第1収縮要素P13が供給されて圧電振動子18が伸長する。この圧電振動子18の伸長により、圧力発生室25は、膨張容積から基準電位VHBに対応する基準容積まで急激に収縮される。この圧力発生室25の急激な収縮により圧力発生室25内のインクが加圧され、ノズル22からミドルドットに対応する量のインクが吐出される。
上記第2駆動信号COM2において期間T2で発生するスモールドット吐出駆動パルスDPSについて説明する。図4(b)に示すように、このスモールドット吐出駆動パルスDPSは、第2膨張要素P21と、第2膨張ホールド要素P22と、第2収縮要素P23と、収縮ホールド要素P24と、第3膨張要素P25と、第3膨張ホールド要素P26と、第3収縮要素P27とから構成されている。第2膨張要素P21は、基準電位VHBから第2膨張電位VH2まで電位を上昇させる波形要素であり、第2膨張ホールド要素P22は、第2膨張電位VH2で一定な波形要素である。また、第2収縮要素P23は第2膨張電位VH2から第1中間電位VM1まで急激に電位を下降させる波形要素、収縮ホールド要素P24は第1中間電位VM1で一定な波形要素、第3膨張要素P25は第1中間電位VM1から第2中間電位VM2まで電位を上昇させる波形要素、第3膨張ホールド要素P26は第2中間電位VM2で一定な波形要素である。そして、第3収縮要素P27は第2中間電位VM2から基準電位VHBまで一定勾配で電位を復帰させる波形要素である。
このように構成されたスモールドット吐出駆動パルスDPSが圧電振動子18に供給されると、まず、第2膨張要素P21によって圧電振動子18は素子長手方向に急速に収縮し、これに伴い島部30が圧力発生室25から離隔する方向に変位する。この島部30の変位により、圧力発生室25が基準容積から第2膨張電位VH2に対応する膨張容積まで急速に膨張する。この圧力発生室25の膨張により、圧力発生室25内には比較的強い負圧が発生し、メニスカスが圧力発生室25側に引き込まれると共に、リザーバー23側から圧力発生室25にインクが供給される。そして、この圧力発生室25の膨張状態は、第2膨張ホールド要素P22の供給期間中に亘って維持される。
その後、第2収縮要素P23が供給されて圧電振動子18が伸長する。この圧電振動子18の伸長により、島部30が圧力発生室25に近接する方向に急激に変位する。この島部30の変位により、圧力発生室25は、膨張容積から第1中間電位VM1に対応する吐出容積まで急激に収縮される。そして、この圧力発生室25の急激な収縮により圧力発生室25内のインクが加圧されてメニスカスの中央部分が吐出側に押し出される。続いて、収縮ホールド要素P24が供給され、吐出容積が僅かの間維持される。続いて、第3膨張要素P25により圧電振動子18が収縮することにより圧力発生室25の容積が再度僅かに膨張し、第3膨張ホールド要素P26を経て、第3収縮要素P27によって圧電振動子18が伸長し、圧力発生室25の容積が再度急激に収縮する。これらの収縮ホールド要素P24から第3収縮要素P27の供給期間中に、メニスカス中央部分が途中でちぎれ、この部分がスモールドットに対応する量のインクとして吐出される。
本実施形態では、第1駆動信号COM1において期間T3で発生されるカット駆動パルスDPCと、第2駆動信号COM2において期間T1で発生される予備振動駆動パルスDPPは、図4(c)に示すように、同一の波形となっている。なお、カット駆動パルスDPCと予備振動駆動パルスDPPとは互いに異なる波形であってもよい。これらの駆動パルスDPC,DPPは、第4膨張要素P31(引き込み要素)と、第4膨張ホールド要素P32(膨張維持要素)と、第4収縮要素P33(圧力発生室収縮要素)とからなる。第4膨張要素P31は、基準電位VHBから第3膨張電位VH3までインクを吐出させない程度の比較的緩やかな一定勾配で電位を上昇させる波形要素であり、第4膨張ホールド要素P32は、第3膨張電位VH3で一定な波形要素である。第4収縮要素P33は、第3膨張電位VH3から基準電位VHBまで緩やかな一定勾配で電位を下降させる波形要素である。
このように構成されたカット駆動パルスDPC又は予備振動駆動パルスDPPが圧電振動子18に供給されると、まず、第4膨張要素P31によって圧電振動子18は素子長手方向に収縮し、圧力発生室25が基準電位VHBに対応する基準容積から第3膨張電位VH3に対応する膨張容積まで膨張する。この膨張により、メニスカスが圧力発生室25側に引き込まれる。そして、この圧力発生室25の膨張状態は、第4膨張ホールド要素P32の供給期間中に亘って維持される。その後、第4収縮要素P33が供給されて圧電振動子18が伸長する。この圧電振動子18の伸長により、圧力発生室25は、膨張容積から基準電位VHBに対応する基準容積まで収縮される。ここで、基準電位VHBから第3膨張電位VH3までの電位差、すなわち駆動パルスDPC,DPPの駆動電圧は、スモールドット吐出駆動パルスDPSやミドルドット吐出駆動パルスDPMの駆動電圧よりも十分に低い値に設定されている。このため、これらのカット駆動パルスDPC又は予備振動駆動パルスDPPを圧電振動子18に供給した場合、圧力発生室25には、ノズル22からインクが吐出されない程度の圧力振動が生じる。
次に、上記構成において大ドットを記録する場合について説明する。この場合において、次の記録周期でインクを吐出しないとき(即ち、次の記録周期でドットを形成しないとき)は、画素データーSIが[110]とされる。この画素データーSIに応じて、第1駆動信号COM1に対応するパルス選択データーが[111]とされ、第2駆動信号COM2に対応するパルス選択データーが[000]とされる。これにより、図5(a)に示すように、期間T1では、第1駆動信号COM1の第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1が、期間T2では、第1駆動信号COM1の第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2が、期間T3では、第1駆動信号COM1のカット駆動パルスDPCが圧電振動子18にこの順で印加される。一方、この場合では第2駆動信号COM2の駆動パルスは何れも圧電振動子18に印加されない。その結果、記録周期Tにおいてノズル22から中ドットに対応する量のインクが2回連続して吐出され、これらのインクが記録媒体上の画素領域に対して着弾して大ドットが形成される。そして、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2によるインクの吐出後、第1駆動信号COM1のカット駆動パルスDPCの第4膨張要素P31により、ノズル22のメニスカスが圧力発生室25側に速やかに引き込まれる。これにより、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2によって吐出されたインクに付随する尾の成長(尾引)が低減される。
大ドットを記録する場合において、次の記録周期でインクを吐出するときは、画素データーSIが[111]とされる。この画素データーSIに応じて、第1駆動信号COM1に対応するパルス選択データーが[110]とされ、第2駆動信号COM2に対応するパルス選択データーが[000]とされる。これにより、図5(b)に示すように、期間T1では、第1駆動信号COM1の第1ミドルドット吐出駆動パルスDPM1が、期間T2では、第1駆動信号COM1の第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2が、この順で圧電振動子18に印加されるが、期間T3では、カット駆動パルスDPCは圧電振動子18に供給されない。その結果、記録周期Tにおいてノズル22から中ドットに対応する量のインクが2回連続して吐出され、大ドットが形成される。そして、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2によるインクの吐出後、次の記録周期でインクが吐出されることにより、このインクにより、今回記録周期で吐出されたインクの尾やミストが吸収される。このため、カット駆動パルスDPCを用いなくても記録媒体上でのインク(ドット)の分散が防止される。
また、中ドットを記録する場合において、次の記録周期でインクを吐出しないときは、画素データーSIが[100]とされる。この画素データーに応じて、第1駆動信号COM1に対応するパルス選択データーが[011]とされ、第2駆動信号COM2に対応するパルス選択データーが[100]とされる。これにより、図5(c)に示すように、期間T1では、第2駆動信号COM2の予備振動駆動パルスDPPが、期間T2では、第1駆動信号COM1の第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2が、期間T3では、第1駆動信号COM1のカット駆動パルスDPCが圧電振動子18に印加される。その結果、記録周期Tにおいてノズル22からは中ドットに対応する量のインクが1回吐出され、記録媒体上の画素領域に対して着弾して中ドットが形成される。
この中ドットの記録では、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2によるインクの吐出の前段階で、予備振動駆動パルスDPPが圧電振動子18に印加されることにより、圧力発生室25にはノズル22からインクが吐出されない程度の圧力振動(以下、予備振動という。)が生じ、この予備振動により圧力発生室25内のインクが動く。このようにしてインクを意図的に動かすことにより、インクの表面張力を高めることができる。そして、この状態で、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2によってノズル22からインクを吐出することにより、この高められた表面張力によってインクを球形により近い形状することができる。また、インクの吐出後は、カット駆動パルスDPCの第4膨張要素P31により、メニスカスが圧力発生室25側に引き込まれる。これにより、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2によって吐出されたインクに付随する尾の成長を抑制することができる。
一方、中ドットを記録する場合において、次の記録周期でインクを吐出するときは、画素データーSIが[101]とされる。この画素データーに応じて、第1駆動信号COM1に対応するパルス選択データーが[010]とされ、第2駆動信号COM2に対応するパルス選択データーが[100]とされる。これにより、図5(d)に示すように、期間T1では、第2駆動信号COM2の予備振動駆動パルスDPPが、期間T2では、第1駆動信号COM1の第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2が圧電振動子18に順次印加され、期間T3では、カット駆動パルスDPCは圧電振動子18に供給されない。その結果、記録周期Tにおいてノズル22からは中ドットに対応する量のインクが1回吐出され、記録媒体上の画素領域に対して着弾して中ドットが形成される。そして、第2ミドルドット吐出駆動パルスDPM2によるインクの吐出後、次の記録周期で吐出されるインクにより、今回記録周期で吐出されたインクの尾やミストが吸収される。
小ドットを形成する場合において、次の記録周期でインクを吐出しないときは、画素データーSIが[010]とされる。この画素データーに応じて、第1駆動信号COM1に対応するパルス選択データーが[001]とされ、第2駆動信号COM2に対応するパルス選択データーが[110]とされる。これにより、図5(e)に示すように、期間T1では、第2駆動信号COM2の予備振動駆動パルスDPPが、期間T2では、第2駆動信号COM2のスモールドット吐出駆動パルスDPSが、期間T3では、第1駆動信号COM1のカット駆動パルスDPCが圧電振動子18に印加される。その結果、記録周期Tにおいてノズル22からは小ドットに対応する量のインクが1回吐出され、記録媒体上の画素領域に対して着弾して小ドットが形成される。この場合も、インクの吐出後は、カット駆動パルスDPCの第4膨張要素P31によりメニスカスが圧力発生室25側に速やかに引き込まれることにより、インクに付随する尾の成長が抑制される。
また、小ドットを記録する場合において、次の記録周期でインクを吐出するときは、画素データーSIが[011]とされる。この画素データーに応じて、第1駆動信号COM1に対応するパルス選択データーが[000]とされ、第2駆動信号COM2に対応するパルス選択データーが[110]とされる。これにより、図5(f)に示すように、期間T1では、第2駆動信号COM2の予備振動駆動パルスDPPが、期間T2では、第2駆動信号COM2のスモールドット吐出駆動パルスDPSが、圧電振動子18に順次印加されるが、期間T3では、カット駆動パルスDPCは圧電振動子18に印加されない。その結果、記録周期Tにおいてノズル22からは小ドットに対応する量のインクが1回吐出され、記録媒体上の画素領域に対して着弾して小ドットが形成される。そして、スモールドット吐出駆動パルスDPSによるインクの吐出後、次の記録周期で吐出されるインクにより、今回記録周期で吐出されたインクの尾やミストが吸収される。
なお、ノズル22からインクを吐出しない非記録の場合において、次の記録周期でインクを吐出しないときには画素データーSIが[000]とされ、次の記録周期でインクを吐出するときには画素データーSIが[001]とされる。この非記録では、次の周期の吐出の有無に拘わらず、第1駆動信号COM1に対応するパルス選択データーが[000]とされ、第2駆動信号COM2に対応するパルス選択データーが[100]とされる。これにより、図5(g)に示すように、期間T1では、第2駆動信号COM2の予備振動駆動パルスDPPが圧電振動子18に印加され、期間T2及び期間T3では、何れのパルスも圧電振動子18に印加されない。これにより、記録周期Tにおいてノズル22ではインクが吐出されない程度の圧力振動が付与されてノズル22近傍のインクが攪拌され、インクの増粘が防止される。即ち、予備振動駆動パルスDPPは、インクの増粘を防止するための微振動パルスとしても機能する。
以上のように説明した構成を採用することにより、例えば、紫外線等の光エネルギーの照射によって硬化する光硬化型インクのように従来のインクよりも粘度の高いインク(高粘度液体)を吐出する際に、吐出されたインクの後端部が尾のように伸びる尾引を抑えることができる。これにより、記録紙等の着弾対象物上でインクが複数に分離して着弾することを防止することができ、その結果、記録画像の画質の劣化を低減することができる。また、現在の記録周期でインクを吐出する場合において、次の記録周期でインクを吐出するときは、カット駆動パルスDPCを用いずに次の記録周期で吐出されるインクによって現在記録周期で吐出されたインクの尾等を吸収させる構成としたので、カット駆動パルスDPCの後に、当該カット駆動パルスDPCで圧電振動子18を駆動することによるインクの残留振動を減衰させるための振動減衰期間が不要であるため、その分、記録周期Tを全体的に短くすることができ、これにより、駆動周波数が低下することを抑制することができる。
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
各駆動信号COM1,COM2の各駆動パルスに関し、上記実施形態で例示したものには限られず、本発明は、種々の波形の駆動パルスを用いることができる。
また、上記実施形態では、大ドットを形成する場合、第1駆動信号COM1の2つのミドルドット吐出駆動パルスDPM1,DPM2を用いる構成を例示したが、これには限られず、例えば、3つ以上のミドルドット吐出駆動パルスを用いて大ドットを形成する構成においても本発明を適用することができる。
さらに、上記実施形態では、予備振動駆動パルスDPP及びカット駆動パルスDPCの両方を用いる構成を例示したが、これには限られず、少なくとも、カット駆動パルスDPCを用いる構成であればよい。
そして、本発明は、複数の駆動信号を用いて吐出制御が可能な液体吐出装置であれば、プリンターに限らず、プロッター、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置や、記録装置以外の液体吐出装置、例えば、ディスプレー製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等にも適用することができる。
インクジェット式プリンターの電気的構成を説明するブロック図である。 駆動信号の構成を説明する波形図である。 記録ヘッドの要部断面図である。 各駆動パルスの構成を説明する波形図である。 本実施形態における階調記録のパターンを説明する図である。
符号の説明
1…プリンターコントローラー,2…プリントエンジン,6…制御部,8…記録ヘッド,9…駆動信号生成回路,18…圧電振動子,22…ノズル,25…圧力発生室,41…第1スイッチ,42…第2スイッチ

Claims (3)

  1. ノズル、当該ノズルに連通する圧力発生室、及び、当該圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生素子を有し、当該圧力発生素子の作動によってノズルから液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、
    前記圧力発生素子を駆動する駆動パルスを含む駆動信号を規定吐出周期で発生する駆動信号発生手段と、
    前記駆動信号に含まれる駆動パルスを選択し、選択した駆動パルスを圧力発生素子に供給して液体の吐出を制御する吐出制御手段と、
    を備える液体吐出装置であって、
    前記駆動信号は、液滴を吐出する吐出駆動パルスと、液滴が吐出されない程度に前記圧力発生素子を駆動する非吐出駆動パルスと、を含み、
    前記非吐出駆動パルスは、圧力発生室を膨張させてメニスカスを引き込む引き込み要素から始まるパルスであり、駆動信号における最後の期間で発生され、
    前記吐出制御手段は、現在の吐出周期で駆動パルスを前記圧力発生素子に供給してノズルから液体を吐出する場合において、次の吐出周期で液体を吐出するときは前記非吐出駆動パルスを前記圧力発生素子に供給しない一方、次の吐出周期で液体を吐出しないときは前記非吐出駆動パルスを前記圧力発生素子に供給することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記吐出制御手段は、液体の吐出の有無および吐出する液体の量を示す吐出制御情報に基づいて前記圧力発生素子に対する駆動パルスの供給・非供給を制御し、
    前記吐出制御情報には、次の吐出周期における液体の吐出の有無を示す次周期吐出情報が含まれることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. ノズル、当該ノズルに連通する圧力発生室、及び、当該圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生素子を有し、当該圧力発生素子の作動によってノズルから液体を吐出可能な液体吐出ヘッドと、前記圧力発生素子を駆動する駆動パルスを含む駆動信号を規定吐出周期で発生する駆動信号発生手段と、を備える液体吐出装置の制御方法であって、
    前記駆動信号は、液滴を吐出する吐出駆動パルスと、液滴が吐出されない程度に前記圧力発生素子を駆動する非吐出駆動パルスと、を含み、
    前記非吐出駆動パルスは、圧力発生室を膨張させてメニスカスを引き込む引き込み要素から始まるパルスであり、駆動信号における最後の期間で発生され、
    現在の吐出周期で駆動パルスを前記圧力発生素子に供給してノズルから液体を吐出する場合において、次の吐出周期で液体を吐出するときは前記非吐出駆動パルスを前記圧力発生素子に供給しない一方、次の吐出周期で液体を吐出しないときは前記非吐出駆動パルスを前記圧力発生素子に供給することを特徴とする液体吐出装置の制御方法。
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