JP2005022328A - 液体噴射装置 - Google Patents

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JP2005022328A JP2003191992A JP2003191992A JP2005022328A JP 2005022328 A JP2005022328 A JP 2005022328A JP 2003191992 A JP2003191992 A JP 2003191992A JP 2003191992 A JP2003191992 A JP 2003191992A JP 2005022328 A JP2005022328 A JP 2005022328A
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Abstract

【課題】圧電振動子の寿命短縮が防止されたインクジェット式記録装置、広くは液体噴射装置を提供すること。
【解決手段】本発明の液体噴射装置に用いられる吐出駆動信号は、ベース電位で始まってベース電位で終わる一周期内に複数のパルス波形を有する周期信号である。吐出駆動信号は、その一周期中において、ベース電位から所定の駆動電位まで電位を上昇させる電位上昇波形と、第1乃至第3パルス波形と、駆動終了電位からベース電位まで電位を下降させる電位下降波形と、を備える。各パルス波形は、駆動電位を始端電位としベース電位まで一旦電位を下降させる引き要素と、ベース電位から駆動電位を上回る所定のピーク電位まで電位を上昇させ、その後再度電位を所定の駆動電位まで下降させる駆動要素と、を有する。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズル開口から液体滴を吐出させる液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式プリンタやインクジェット式プロッタ等のインクジェット式記録装置(液体噴射装置の一種)は、記録ヘッド(ヘッド部材)を主走査方向に沿って移動させると共に記録紙(印刷記録用媒体の一種)を副走査方向に沿って移動させ、この移動に連動して記録ヘッドのノズル開口からインク滴を吐出させることにより、記録紙上に画像(文字)を記録する。このインク滴の吐出は、例えば、ノズル開口に連通した圧力発生室を膨張・収縮させることで行われる。
【0003】
圧力発生室の膨張・収縮は、例えば、圧電振動子の変形を利用して行われる。このような記録ヘッドでは、供給される駆動パルスに応じて圧電振動子が変形し、これにより圧力室の容積が変化し、この容積変化によって圧力室内のインクに圧力変動が生じて、ノズル開口からインク滴が吐出する。
【0004】
このような記録装置では、複数の駆動パルスを一連に接続してなる駆動信号が生成される。一方、階調情報を含む印字データが記録ヘッドに送信される。そして、当該送信された印字データに基づいて、必要な駆動パルスのみが前記駆動信号から選択されて圧電振動子に供給される。これにより、ノズル開口から吐出させるインク滴の量を、階調情報に応じて変化させている。
【0005】
より具体的には、例えば、非記録の印字データ(階調情報00)、小ドットの印字データ(階調情報01)、中ドットの印字データ(階調情報10)、及び、大ドットの印字データ(階調情報11)からなる4階調を設定したプリンタにおいては、それぞれの階調に応じて、インク量の異なるインク滴が吐出される。
【0006】
前記のような4階調の記録を実現するためには、例えば図13に示すような駆動信号が用いられ得る。図13に示すように、この駆動信号は、期間PAT1に配置された第1パルス信号PAPS1と、期間PAT2に配置された第2パルス信号PAPS2と、期間PAT3に配置された第3パルス信号PAPS3とを一連に接続してあり、記録周期PATAで繰り返し発生するパルス列波形信号である。
【0007】
この場合、第1パルス信号PAPS1が第1の駆動パルスPADP1であり、第2パルス信号PAPS2が第2の駆動パルスPADP2であり、第3パルス信号PAPS3が第3の駆動パルスPADP3である。
【0008】
これらの第1の駆動パルスPADP1、第2の駆動パルスPADP2及び第3の駆動パルスPADP3は、何れも同じ波形形状であり、それぞれ単独でインク滴を吐出可能な信号である(例えば、特許文献1参照)。すなわち、これらの各駆動パルスが圧電振動子に供給されることにより、小ドットを形成し得る量のインク滴がノズル開口から吐出される。
【0009】
この場合、図14に示すように、圧電振動子に供給する駆動パルスの数を増減することによって、階調制御を行うことができる。例えば、駆動パルスを1つ供給することで小ドットの記録を行い、駆動パルスを2つ供給することで中ドットの記録を行い、駆動パルスを3つ供給することで大ドットの記録を行うことができる。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−136713号公報(第11C図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、図13に示す中間電位VMは、バイアス電圧と呼ばれるものである。圧電振動子には常時、このバイアス電圧が供給されている。つまり、圧電振動子の電位は、最低電位VLと最高電位VHとの間の中間状態に保たれている。このような中間状態を駆動開始時の状態としておくことにより、容積変化を膨張側にも収縮側にも生じさせることが可能である。
【0012】
しかしながら、圧電振動子に対してバイアス電圧が長時間供給されることは、圧電振動子の寿命を短縮させ得る。特に高湿度環境下では、リーク電流の発生を完全に防止することが困難なので、バイアス電圧が圧電振動子に与える影響を無視できない場合がある。
【0013】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、圧電振動子の寿命短縮が防止されたインクジェット式記録装置、広くは液体噴射装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ノズル開口を有するヘッド部材と、ノズル開口部分の液体の圧力を変動させる圧力変動手段と、吐出データに基づいて、複数の階調データから一の選択階調データを設定する階調データ設定手段と、吐出駆動信号を生成する駆動信号発生手段と、選択階調データと吐出駆動信号とに基づいて、駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、駆動パルスに基づいて圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、を備えた液体噴射装置であって、
吐出駆動信号は、ベース電位で始まってベース電位で終わる一周期内に複数のパルス波形を有する周期信号であり、
駆動パルス生成手段は、各階調データから吐出駆動信号の一周期に対応する矩形パルス列を生成し、当該矩形パルス列と吐出駆動信号とのANDによって駆動パルスを生成するようになっており、
吐出駆動信号は、一周期中において、
ベース電位から所定の第1駆動電位まで電位を上昇させる電位上昇波形と
第1駆動電位を始端電位とし、ベース電位まで一旦電位を下降させる第1引き要素と、ベース電位から第1駆動電位を上回る所定の第1ピーク電位まで電位を上昇させ、その後電位を所定の第2駆動電位まで下降させる第1駆動要素と、を有する第1パルス波形と、
第2駆動電位を始端電位とし、ベース電位まで一旦電位を下降させる第2引き要素と、ベース電位から第2駆動電位を上回る所定の第2ピーク電位まで電位を上昇させ、その後電位を所定の第3駆動電位まで下降させる第2駆動要素と、を有する第2パルス波形と、
第3駆動電位を始端電位とし、ベース電位まで一旦電位を下降させる第3引き要素と、ベース電位から第3駆動電位を上回る所定の第3ピーク電位まで電位を上昇させ、その後電位を所定の駆動終了電位まで下降させる第3駆動要素と、を有する第3パルス波形と、
駆動終了電位からベース電位まで電位を下降させる電位下降波形と
を有する周期信号である
ことを特徴とする液体噴射装置である。
【0015】
本発明によれば、吐出駆動信号がベース電位で始まってベース電位で終わるため、少なくとも選択階調データが非吐出に対応する場合、圧力変動手段にはベース電位が供給されるのみで、すなわち、バイアス電圧が供給されないため、圧力変動手段の劣化を防止することができる。特に、圧力変動手段が圧電振動子を有している場合、バイアス電圧の供給が抑制されることによる寿命短縮防止効果は顕著である。ベース電位は、グランド電位である。
【0016】
例えば、複数の階調データが、小ドット用データと、中ドット用データと、大ドット用データと、を有している場合、駆動パルス生成手段は、前記吐出駆動信号に基づいて、選択階調データが小ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第2引き要素とを駆動パルスとし、選択階調データが中ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第2パルス波形と第3引き要素とを駆動パルスとし、選択階調データが大ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第2パルス波形と第3パルス波形と電位下降波形とを駆動パルスとするようになっていることが好ましい。
【0017】
この場合、選択階調データが小ドット用データである時、第2引き要素以後、圧力変動手段にはベース電位が供給されるのみであるから、圧力変動手段の劣化が顕著に防止され得る。また、選択階調データが中ドット用データである時は、第3引き要素以後、圧力変動手段にはベース電位が供給されるのみであるから、やはり圧力変動手段の劣化が防止され得る。そして、選択階調データが大ドット用データである時も、電位下降波形以後、圧力変動手段にはベース電位が供給されるのみであるから、圧力変動手段の劣化が防止され得る。
【0018】
第2駆動電位は、第1駆動電位と同電位であってもよい。
【0019】
このような吐出駆動信号では、例えば複数の階調データが、小ドット用データと、中ドット用データと、大ドット用データと、を有している場合、駆動パルス生成手段は、前記吐出駆動信号に基づいて、選択階調データが小ドット用データである時、電位上昇波形と第2パルス波形と第3引き要素とを駆動パルスとし、選択階調データが中ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第2パルス波形と第3引き要素とを駆動パルスとし、選択階調データが大ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第2パルス波形と第3パルス波形と電位下降波形とを駆動パルスとすることができる。この場合、小ドット用データに対応して吐出駆動信号の一周期の略中央の第2パルス波形が駆動パルスとして利用されるため、吐出される小ドットの液体滴の着弾位置の制御がより容易となる。
【0020】
この場合も、選択階調データが小ドット用データである時、第3引き要素以後、圧力変動手段にはベース電位が供給されるのみであるから、圧力変動手段の劣化が顕著に防止され得る。また、選択階調データが中ドット用データである時も、第3引き要素以後、圧力変動手段にはベース電位が供給されるのみであるから、やはり圧力変動手段の劣化が防止され得る。そして、選択階調データが大ドット用データである時は、電位下降波形以後、圧力変動手段にはベース電位が供給されるのみであるから、圧力変動手段の劣化が防止され得る。
【0021】
更に、第3駆動電位も、第1駆動電位と同電位であり得る。
【0022】
このような吐出駆動信号では、例えば複数の階調データが、小ドット用データと、中ドット用データと、大ドット用データと、を有している場合、駆動パルス生成手段は、前記吐出駆動信号に基づいて、選択階調データが小ドット用データである時、電位上昇波形と第2パルス波形と第3引き要素とを駆動パルスとし、選択階調データが中ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第3パルス波形と電位下降波形とを駆動パルスとし、選択階調データが大ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第2パルス波形と第3パルス波形と電位下降波形とを駆動パルスとすることができる。この場合、中ドット用データに対応して第2パルス波形の前後の第1パルス波形と第3パルス波形とが駆動パルスとして利用されるため、吐出される中ドットの液体滴の着弾位置の制御がより容易となる。
【0023】
あるいは、第3駆動電位のみ、第1駆動電位と同電位であってもよい。
【0024】
このような吐出駆動信号でも、例えば複数の階調データが、小ドット用データと、中ドット用データと、大ドット用データと、を有している場合、駆動パルス生成手段は、前記吐出駆動信号に基づいて、選択階調データが小ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第2引き要素とを駆動パルスとし、選択階調データが中ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第3パルス波形と電位下降波形とを駆動パルスとし、選択階調データが大ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第2パルス波形と第3パルス波形と電位下降波形とを駆動パルスとすることができる。
【0025】
また、第1引き要素と、第2引き要素と、第3引き要素とは、互いに同一の波形を有していることが好ましい。特には、第1引き要素と、第2引き要素と、第3引き要素とは、互いに同一の勾配を有する傾斜波形であることが好ましい。
【0026】
更には、第1パルス波形と、第2パルス波形と、第3パルス波形とは、互いに同一の波形を有していることが好ましい。この場合、第1パルス波形乃至第3パルス波形は、従来より公知のマルチショット(MS)波形と同様となる。この場合、更に、第1パルス波形と、第2パルス波形と、第3パルス波形とは、それぞれ、50kHz以上の周波数に対応する時間内に配置されることが好ましい。マルチショット(MS)波形は、このような高周波駆動に適した波形である。
【0027】
また、電位下降波形も、第1乃至第3引き要素と同一の波形を有していることが好ましい。
【0028】
一方、電位上昇波形は、第1乃至第3引き要素の勾配よりも緩い勾配を有する傾斜波形であることが好ましい。換言すれば、電位上昇波形の時定数が、第1乃至第3引き要素の時定数よりも大きいことが好ましい。
【0029】
また、本発明は、ノズル開口を有するヘッド部材と、ノズル開口部分の液体の圧力を変動させる圧力変動手段と、吐出データに基づいて、複数の階調データから一の選択階調データを設定する階調データ設定手段と、吐出駆動信号を生成する駆動信号発生手段と、選択階調データと吐出駆動信号とに基づいて、駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、駆動パルスに基づいて圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、を備えた液体噴射装置であって、
吐出駆動信号は、ベース電位で始まってベース電位で終わる一周期内に複数のパルス波形を有する周期信号であり、
駆動パルス生成手段は、各階調データから吐出駆動信号の一周期に対応する矩形パルス列を生成し、当該矩形パルス列と吐出駆動信号とのANDによって駆動パルスを生成するようになっており、
吐出駆動信号は、一周期中において、
ベース電位から所定の第1駆動電位まで電位を上昇させる電位上昇波形と、
第1駆動電位を始端電位とし、ベース電位まで一旦電位を下降させる第1引き要素と、ベース電位から第1駆動電位を上回る所定の第1ピーク電位まで電位を上昇させ、その後電位を所定の第2駆動電位まで下降させる第1駆動要素と、を有する第1パルス波形と、
第2駆動電位を始端電位とし、ベース電位まで一旦電位を下降させる第2引き要素と、ベース電位から第2駆動電位を上回る所定の第2ピーク電位まで電位を上昇させ、その後電位を所定の駆動終了電位まで下降させる第2駆動要素と、を有する第2パルス波形と、
駆動終了電位からベース電位まで電位を下降させる電位下降波形と
を有する周期信号であることを特徴とする液体噴射装置である。
【0030】
本発明によれば、吐出駆動信号がベース電位で始まってベース電位で終わるため、少なくとも選択階調データが非吐出に対応する場合、圧力変動手段にはベース電位が供給されるのみで、すなわち、バイアス電圧が供給されないため、圧力変動手段の劣化を防止することができる。特に、圧力変動手段が圧電振動子を有している場合、バイアス電圧の供給が抑制されることによる寿命短縮防止効果は顕著である。
【0031】
例えば、複数の階調データが、小ドット用データと、大ドット用データと、を有している場合、駆動パルス生成手段は、前記吐出駆動信号に基づいて、選択階調データが小ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第2引き要素とを駆動パルスとし、選択階調データが中ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第2パルス波形と電位下降波形とを駆動パルスとするようになっていることが好ましい。
【0032】
この場合、選択階調データが小ドット用データである時、第2引き要素以後、圧力変動手段にはベース電位が供給されるのみであるから、圧力変動手段の劣化が顕著に防止され得る。また、選択階調データが大ドット用データである時も、電位下降波形以後、圧力変動手段にはベース電位が供給されるのみであるから、圧力変動手段の劣化が防止され得る。
【0033】
液体は、例えばインクであるが、インクに限定されない。液体の例としては、インクの他に、グルー、マニキュア、液体電極材料、生体有機物液体等が用いられ得る。更に、本発明は、液晶等の表示体におけるカラーフィルタの製造装置にも適用され得る。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0035】
図1は、本実施の形態の液体噴射装置であるインクジェットプリンタ1の概略斜視図である。インクジェットプリンタ1において、キャリッジ2が、ガイド部材3に移動可能に取り付けられている。このキャリッジ2は、駆動プーリ4と遊転プーリ5との間に掛け渡されたタイミングベルト6に接続されている。駆動プーリ4は、パルスモータ7の回転軸に接合されている。以上のような構成により、キャリッジ2は、パルスモータ7の駆動によって、記録紙8の幅方向に移動(主走査)されるようになっている。
【0036】
キャリッジ2における記録紙8との対向面(下面)には、記録ヘッド10(ヘッド部材)が取り付けられている。
【0037】
記録ヘッド10は、図2に示すように、インクカートリッジ11(図1参照)からのインクが供給されるインク室12と、複数(例えば64個)のノズル開口13が副走査方向に列設されたノズルプレート14と、ノズル開口13のそれぞれに対応して複数設けられた圧力室16と、を主に備える。圧力室16は、圧電振動子15の変形によって膨張・収縮するようになっている。
【0038】
インク室12と圧力室16とは、インク供給口17及び供給側連通孔18を介して連通されている。また、圧力室16とノズル開口13とは、第1ノズル連通孔19及び第2ノズル連通孔20を介して連通されている。即ち、インク室12から圧力室16を通ってノズル開口13に至る一連のインク流路が、ノズル開口13毎に形成されている。
【0039】
本実施の形態におけるノズルプレート14は、撥インク処理ノズルプレート14として構成してある。この撥インク処理ノズルプレート14は、均一に形成された撥インク性皮膜をノズルプレート基板の表面上に担持させたものである。撥インク処理ノズルプレート14は、貫通孔として設けられた複数個のノズル開口13を含む。
【0040】
ノズル開口13は、記録紙8と対向するノズルプレート14の外側の表面に、比較的小さい口径で開口している一方、第2ノズル連通孔20側であるノズルプレートの裏側に、比較的大きい口径で開口している。このため、ノズル開口13の内側壁面は、漏斗状、あるいは、コーン状となる。なお、前記の撥インク性皮膜は、ノズルプレート14の少なくとも外側表面に形成される。
【0041】
上記の圧電振動子15は、所謂たわみ振動モードの圧電振動子15である。たわみ振動モードの圧電振動子15を用いると、充電により圧電振動子15が電界と直交する方向に縮んで圧力室16が収縮し、充電された圧電振動子15を放電することにより、圧電振動子15が電界と直交する方向に伸長して圧力室16が膨張する。
【0042】
すなわち、記録ヘッド10では、圧電振動子15に対する充放電に伴って、対応する圧力室16の容量が変化する。このような圧力室16の圧力変動を利用して、ノズル開口13からインク滴を吐出させることができる。
【0043】
なお、上記のたわみ振動モードの圧電振動子15に代えて、いわゆる縦振動モードの圧電振動子を用いることも可能である。縦振動モードの圧電振動子は、充電による変形で圧力室を膨張させ、放電による変形で圧力室を収縮させる圧電振動子である。縦振動モードの圧電振動子を用いる場合、たわみ振動モードの圧電振動子15を用いる場合と比較して、後述する波形信号の立ち上がりと立ち下がりとの関係が逆になる(正負が反転したものとなる)。
【0044】
以上のように構成されたプリンタ1は、記録動作時においてキャリッジ2の主走査に同期させて、記録ヘッド10からインクをインク滴として吐出させる。一方、キャリッジ2の往復移動に連動させてプラテンを回転し、記録紙8を紙送り方向に移動(即ち副走査)させる。この結果、記録紙8には、記録データに基づく画像や文字等が記録される。
【0045】
次に、インクジェット式プリンタの電気的構成について説明する。図3に示すように、本プリンタ1は、プリンタコントローラ23とプリントエンジン24とを備えている。
【0046】
プリンタコントローラ23は、外部インターフェース(外部I/F)25と、各種データを一時的に記憶するRAM26と、制御プログラム等を記憶したROM27と、CPU等を含んで構成された制御部28と、クロック信号(CK)を発生する発振回路29と、記録ヘッド10へ供給するための駆動信号(COM)を発生する駆動信号生成回路30と、駆動信号や、印刷データ(吐出データ)に基づいて展開されたドットパターンデータ(ビットマップデータ)等をプリントエンジン24に送信する内部インターフェース(内部I/F)31と、を備えている。
【0047】
外部I/F25は、例えば、キャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータ等によって構成される印刷データを、図示しないホストコンピュータ等から受信する。また、ビジー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)が、外部I/F25を通じて、ホストコンピュータ等に対して出力される。
【0048】
RAM26は、受信バッファ、中間バッファ、出力バッファ及びワークメモリ(図示せず)を有している。そして、受信バッファは、外部I/F25を介して受信された印刷データを一時的に記憶し、中間バッファは、制御部28により変換された中間コードデータを記憶し、出力バッファは、ドットパターンデータを記憶する。ここで、ドットパターンデータとは、中間コードデータをデコード(翻訳)することにより得られる印字データである。
【0049】
ROM27には、各種データ処理を行わせるための制御プログラム(制御ルーチン)の他に、フォントデータ、グラフィック関数等が記憶されている。
【0050】
制御部28は、ROM27に記憶された制御プログラムに従って各種の制御を行う。例えば、受信バッファ内の印刷データを読み出すと共にこの印刷データを変換して中間コードデータとし、当該中間コードデータを中間バッファに記憶させる。また、制御部28は、中間バッファから読み出した中間コードデータを解析し、ROM27に記憶されているフォントデータ及びグラフィック関数等を参照して、ドットパターンデータに展開(デコード)する。そして、制御部28は、必要な装飾処理を施した後に、このドットパターンデータを出力バッファに記憶させる。各ドットパターンデータは、階調情報として、この場合2ビットのデータからなる。すなわち、制御部28は、階調データ設定手段として機能する。
【0051】
記録ヘッド10の1回の主走査により記録可能な1行分のドットパターンデータが得られたならば、当該1行分のドットパターンデータが、出力バッファから内部I/F31を通じて順次記録ヘッド10に出力される。出力バッファから1行分のドットパターンデータが出力されると、展開済みの中間コードデータが中間バッファから消去され、次の中間コードデータについての展開処理が行われる。
【0052】
さらに、制御部28は、タイミング信号発生手段の一部を構成し、内部I/F31を通じて記録ヘッド10にラッチ信号(LAT)やチャンネル信号(CH)を供給する。これらのラッチ信号やチャンネル信号は、駆動信号(COM)を構成するパルス信号の各波形要素の供給開始タイミングを規定する。
【0053】
一方、プリントエンジン24は、紙送り機構としての紙送りモータ35と、キャリッジ送り機構としてのパルスモータ7と、記録ヘッド10の電気駆動系33と、を含んで構成してある。紙送りモータ35は、プラテン34(図1参照)を回転させて記録紙8を移動させ、パルスモータ7は、タイミングベルト6を介してキャリッジ2を走行させる。
【0054】
記録ヘッド10の電気駆動系33は、図3に示すように、第1シフトレジスタ36及び第2シフトレジスタ37からなるシフトレジスタ回路と、第1ラッチ回路39及び第2ラッチ回路40からなるラッチ回路と、デコーダ42と、制御ロジック43と、レベルシフタ44と、スイッチ回路45と、圧電振動子15とを備えている。
【0055】
これらの各シフトレジスタ、各ラッチ回路、デコーダ、スイッチ回路及び圧電振動子は、それぞれ、図4に示すように、記録ヘッド10の各ノズル開口13毎に設けた第1シフトレジスタ36A〜36N、第2シフトレジスタ37A〜37N、第1ラッチ回路39A〜39N、第2ラッチ回路40A〜40N、テコーダ42A〜42N、スイッチ回路45A〜45N及び圧電振動子15A〜15Nから構成されている。
【0056】
このような電気駆動系33によって、記録ヘッド10は、プリンタコントローラ23からの印字データ(階調情報)に基づいてインク滴を吐出する。プリントコントローラ23からの印字データ(SI)は、発振回路29からのクロック信号(CK)に同期して、内部I/F31から第1シフトレジスタ36及び第2シフトレジスタ37にシリアル伝送される。
【0057】
プリンタコントローラ23からの印字データは、上記したように2ビットのデータである。具体的には、非記録、小ドット、中ドット、大ドットからなる4階調について、非記録が(00)であり、小ドットが(01)であり、中ドットが(10)であり、大ドットが(11)で表されている。
【0058】
このような印字データは、各ドット毎、即ち、各ノズル開口13毎に設定される。そして、全てのノズル開口13に関して下位ビットのデータが第1シフトレジスタ36(36A〜36N)に入力され、全てのノズル開口13に関して上位ビットのデータが第2シフトレジスタ37(37A〜37N)に入力される。
【0059】
図3に示すように、第1シフトレジスタ36には、第1ラッチ回路39が電気的に接続されている。同様に、第2シフトレジスタ37には、第2ラッチ回路40が電気的に接続されている。そして、プリントコントローラ23からのラッチ信号(LAT)が各ラッチ回路39,40に入力されると、第1ラッチ回路39は印字データの下位ビットのデータをラッチし、第2ラッチ回路40は印字データの上位ビットをラッチする。
【0060】
このように、第1シフトレジスタ36及び第1ラッチ回路39からなる回路ユニットと、第2シフトレジスタ37及び第2ラッチ回路40からなる回路ユニットは、それぞれが記憶回路として機能する。すなわち、これらの回路ユニットは、デコーダ42に入力される前の印字データ(階調情報)を一時的に記憶する。
【0061】
各ラッチ回路39、40でラッチされた印字データは、デコーダ42A〜42Nに入力される。デコーダ42は、2ビットの印字データ(階調データ)を翻訳してパルス選択データ(パルス選択情報)を生成する。パルス選択データは、階調データに等しいかそれよりも多い複数ビットで構成され、各ビットは駆動信号(COM)を構成する各波形要素に対応している。そして、各ビットの内容(例えば、(0),(1))に応じて、圧電振動子15に対する波形要素の供給/非供給が選択されるようになっている。なお、駆動信号(COM)及び波形要素の供給についての詳細は、後述される。
【0062】
一方、デコーダ42には、制御ロジック43からのタイミング信号も入力される。制御ロジック43は、制御部28と共にタイミング信号発生手段として機能し、ラッチ信号(LAT)やチャンネル信号(CH)に基づいてタイミング信号を発生する。
【0063】
デコーダ42によって翻訳されたパルス選択データは、上位ビット側から順に、タイミング信号によって規定されるタイミングが到来する毎にレベルシフタ44に入力される。例えば、記録周期における最初のタイミングではパルス選択データの最上位ビットのデータがレベルシフタ44に入力され、2番目のタイミングではパルス選択データにおける2番目のビットのデータがレベルシフタ44に入力される。
【0064】
レベルシフタ44は、電圧増幅器として機能し、パルス選択データが「1」の場合には、スイッチ回路45を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。
【0065】
レベルシフタ44で昇圧された「1」のパルス選択データは、駆動パルス生成手段及び制御本体部として機能するスイッチ回路45に供給される。このスイッチ回路45は、印字データの翻訳により生成されたパルス選択データに基づき、駆動信号(COM)に含まれる波形要素を選択して駆動パルスを生成すると共に、当該駆動パルスを圧電振動子15に供給するものである。従って、スイッチ回路45の入力側には、駆動信号生成回路30からの駆動信号(COM)が供給されるようになっており、その出力側には圧電振動子15が接続されている。
【0066】
パルス選択データは、スイッチ回路45の作動を制御する。例えば、スイッチ回路45に加わるパルス選択データが「1」である期間中は、スイッチ回路45が接続状態になり、駆動信号の駆動パルスが圧電振動子15に供給される。この結果、圧電振動子15の電位レベルが変化する。
【0067】
一方、スイッチ回路45に加わるパルス選択データが「0」の期間中は、レベルシフタ44からスイッチ回路45を作動させる電気信号が出力されない。このため、スイッチ回路45が切断状態になり、駆動信号の駆動パルスが圧電振動子15に供給されない。パルス選択データが「0」の期間においては、圧電振動子15は、パルス選択データが「0」に切り換わる直前の電位レベルを維持する。
【0068】
次に、駆動信号生成回路30が生成する駆動信号(COM)と、この駆動信号によるインク滴の吐出制御について詳細に説明する。
【0069】
駆動信号(COM)の一例が、図5に示される。図5に示すように、駆動信号Aは、期間T1に配置された電位上昇波形RWと、期間T2に配置された第1パルス波形PW1と、期間T3に配置された第2パルス波形PW2と、期間T4に配置された第3パルス波形PW3と、期間T5に配置された電位下降波形FWと、を一連に接続してあり、記録周期TAで繰り返し発生するパルス列波形信号である。
【0070】
電位上昇波形RWは、ベース電位VBから第1駆動電位VM1まで電位を勾配θRで直線的に上昇させる波形である。ベース電位VBは、グランド電位である。
【0071】
第1パルス波形PW1は、第1駆動電位VM1から勾配θ11に沿ってベース電位VBまで電位を下降する第1放電要素P11と、このベース電位VBを短い時間維持する第1ホールド要素P12と、ベース電位VBから急勾配θ12に沿って最高電位VH1まで極く短時間で電位を上昇させる第1充電要素P13と、最高電位を維持する第2ホールド要素P14と、最高電位VH1から勾配θ13に沿って第2駆動電位VM2まで電位を下降させる第2放電要素P15と、を有している。
【0072】
第1放電要素P11が第1引き要素を構成し、期間T21内に配置され、第1充電要素P13、第2ホールド要素P14及び第2放電要素P15が第1駆動要素を構成し、期間T22内に配置されている。また、本実施の形態では、第2駆動電位VM2は第1駆動電位VM1と一致している。
【0073】
第2パルス波形PW2は、第2駆動電位VM2から勾配θ21に沿ってベース電位VBまで電位を下降する第1放電要素P21と、このベース電位VBを短い時間維持する第1ホールド要素P22と、ベース電位VBから急勾配θ22に沿って最高電位VH2まで極く短時間で電位を上昇させる第1充電要素P23と、最高電位を維持する第2ホールド要素P24と、最高電位VH2から勾配θ23に沿って第3駆動電位VM3まで電位を下降させる第2放電要素P25と、を有している。
【0074】
第1放電要素P21が第2引き要素を構成し、期間T31内に配置され、第1充電要素P23、第2ホールド要素P24及び第2放電要素P25が第2駆動要素を構成し、期間T32内に配置されている。また、本実施の形態では、第3駆動電位VM3は第2駆動電位VM2と一致している。
【0075】
第3パルス波形PW3は、第3駆動電位VM3から勾配θ31に沿ってベース電位VBまで電位を下降する第1放電要素P31と、このベース電位VBを短い時間維持する第1ホールド要素P32と、ベース電位VBから急勾配θ32に沿って最高電位VH3まで極く短時間で電位を上昇させる第1充電要素P33と、最高電位を維持する第2ホールド要素P34と、最高電位VH3から勾配θ33に沿って駆動終了電位VM4まで電位を下降させる第2放電要素P35と、を有している。
【0076】
第1放電要素P31が第3引き要素を構成し、期間T41内に配置され、第1充電要素P33、第2ホールド要素P34及び第2放電要素P35が第3駆動要素を構成し、期間T42内に配置されている。また、本実施の形態では、駆動終了電位VM4は第3駆動電位VM3と一致している。
【0077】
これらの第1パルス波形PW1、第2パルス波形PW2及び第3パルス波形PW3は、それぞれ単独でインク滴を吐出可能な信号である。
【0078】
これらの各パルス波形が圧電振動子15に供給されると、小ドットを形成し得る量のインク滴がノズル開口13から吐出される。
【0079】
より具体的には、第1放電要素P11、P21、P31が供給されて圧電振動子15が中間電位VM1、VM2、VM3から放電されることにより、圧力発生室16の容積は、基準容積から最大容積まで膨張する。そして、第1充電要素P13、P23、P33により、圧力発生室16は最小容積まで急激に収縮する。この圧力発生室16の収縮状態は第2ホールド要素P14、P24、P34が供給されている期間に亘って維持される。この圧力発生室16の急激な収縮及び収縮状態の保持により、圧力発生室16内のインク圧力が急速に高まりノズル開口13からはインク滴が吐出する。このとき吐出されるインク滴の量は、例えば13pL程度となっている。そして、第2放電要素P15、P25、P35により、メニスカスの振動を短時間で収束させるべく圧力発生室16を膨張復帰させる。
【0080】
本実施の形態では、第1パルス波形PW1、第2パルス波形PW2及び第3パルス波形PW3は、何れも同じ波形形状となっている。すなわち、各第1放電要素P11、P21、P31は互いに同一波形を有し、各第1ホールド要素P12、P22、P32は互いに同一波形を有し、各第1充電要素P13、P23、P33は互いに同一波形を有し、各第2ホールド要素P14、P24、P34は互いに同一波形を有し、各第2放電要素P15、P25、P35は互いに同一波形を有している。従って、期間T2、T3、T4も、互いに等しくなっている。期間T2、T3、T4は、50kHz以上の周波数に対応する時間となっている。また、各期間T2、T3、T4内において引き要素が配置される期間T21、T31、T41と駆動要素が配置される期間T22、T32、T42との比も、互いに等しくなっている。
【0081】
電位下降波形FWは、駆動終了電位VM4からベース電位VBまで電位を勾配θFで直線的に下降させる波形である。
【0082】
本実施の形態では、電位下降波形FWは、各第1放電要素P11、P21、P31(第1乃至第3引き要素)と同一の波形を有している。
【0083】
その他、電位上昇波形RWの勾配θRは、各第1放電要素P11、P21、P31(第1乃至第3引き要素)の勾配θ11、21、31よりも緩くなっている。
【0084】
図6に示すように、圧電振動子15に供給するパルス波形の数を増減することによって、階調制御を行うことができる。例えば、パルス波形を1つ供給することで小ドットの記録を行い、パルス波形を2つ供給することで中ドットの記録を行い、パルス波形を3つ供給することで大ドットの記録を行うことができる。
【0085】
非吐出(非記録)のドットパターンデータ(階調情報00)、小ドットのドットパターンデータ(階調情報01)、中ドットのドットパターンデータ(階調情報10)及び大ドットのドットパターンデータ(階調情報11)に応じて生成されるパルス選択データについて、具体的に説明する。
【0086】
デコーダ42は、この場合、非吐出のドットパターンデータ(階調情報00)、小ドットのドットパターンデータ(階調情報01)、中ドットのドットパターンデータ(階調情報10)及び大ドットのドットパターンデータ(階調情報11)に応じて、8ビットのパルス選択データを生成する。
【0087】
この8ビットのパルス選択データの各ビットが、図6に示すように、各波形要素に対応している。すなわち、パルス選択データの最上位ビットが電位上昇波形RWに対応し、2番目のビットが第1パルス波形PW1の第1放電要素P11(第1引き要素)に対応し、3番目のビットが第1パルス波形PW1の第1充電要素P13、第2ホールド要素P14及び第2放電要素P15(第1駆動要素)に対応し、4番目のビットが第2パルス波形PW2の第1放電要素P21(第2引き要素)に対応し、5番目のビットが第2パルス波形PW2の第1充電要素P23、第2ホールド要素P24及び第2放電要素P25(第2駆動要素)に対応し、6番目のビットが第3パルス波形PW3の第1放電要素P31(第3引き要素)に対応し、7番目のビットが第3パルス波形PW3の第1充電要素P33、第2ホールド要素P34及び第2放電要素P35(第3駆動要素)に対応し、最下位のビットが電位下降波形FWに対応している。
【0088】
この場合、非吐出のドットパターンデータ(階調情報00)からパルス選択データ(00000000)が生成される。小ドットのドットパターンデータ(階調情報01)からパルス選択データ(11110000)が生成される。同様に、中ドットのドットパターンデータ(階調情報10)からパルス選択データ(11111100)が生成され、大ドットのドットパターンデータ(階調情報11)からパルス選択データ(11111111)が生成される。
【0089】
そして、パルス選択データの最上位ビットが「1」の場合には期間T1の始端に対応する最初のタイミング信号(ラッチ信号)から期間T21の始端に対応する2番目のタイミング信号(CH信号)までの間スイッチ回路45(駆動パルス供給手段)が接続状態になる。また、2番目のビットが「1」の場合には、2番目のタイミング信号から期間T22の始端に対応する3番目のタイミング信号(CH信号)までの間スイッチ回路45が接続状態になる。同様に、3番目のビットが「1」の場合には、3番目のタイミング信号から期間T31の始端に対応する4番目のタイミング信号(CH信号)までの間スイッチ回路45が接続状態になる。4番目のビットが「1」の場合には、4番目のタイミング信号から期間T32の始端に対応する5番目のタイミング信号(CH信号)までの間スイッチ回路45が接続状態になる。5番目のビットが「1」の場合には、5番目のタイミング信号から期間T41の始端に対応する6番目のタイミング信号(CH信号)までの間スイッチ回路45が接続状態になる。6番目のビットが「1」の場合には、6番目のタイミング信号から期間T42の始端に対応する7番目のタイミング信号(CH信号)までの間スイッチ回路45が接続状態になる。7番目のビットが「1」の場合には、7番目のタイミング信号から期間T5の始端に対応する8番目のタイミング信号(CH信号)までの間スイッチ回路45が接続状態になる。最下位のビットが「1」の場合には、8番目のタイミング信号から次の印刷周期TAにおける期間T1の始端に対応するタイミング信号(ラッチ信号)までの間スイッチ回路45が接続状態になる。
【0090】
これにより、小ドットのドットパターンデータに基づき、対応する圧電振動子15には、電位上昇波形RWと第1パルス波形PW1と第2パルス波形PW2の引き要素P21とが供給される。また、中ドットのドットパターンデータに基いて、電位上昇波形RWと第1パルス波形PW1と第2パルス波形PW2と第3パルス波形PW3の引き要素P31とが供給される。そして、大ドットのドットパターンデータに基づいて、全ての波形要素RW、PW1、PW2、PW3、FWが続けて供給される。
【0091】
その結果、小ドットのドットパターンデータに対応して、ノズル開口13からは約13pLのインク滴が1回吐出し、記録紙8上に小ドットが形成される。また、中ドットのドットパターンデータに対応して、ノズル開口13からは約13pLのインク滴が2回吐出し、記録紙8上に合計26pLのインク滴による中ドットが形成される。同様に、大ドットのドットパターンデータに対応して、ノズル開口13からは約13pLのインク滴が3回連続して吐出し、記録紙8上に合計39pLのインク滴による大ドットが形成される。
【0092】
以上のように、本実施の形態によれば、非吐出のドットパターンデータの場合、圧電振動子15にはベース電位が供給されるのみで、すなわち、バイアス電圧が供給されることがない。従って、高湿度環境下であっても、リーク電流に起因する圧電振動子15の劣化を顕著に防止することができる。
【0093】
また、小ドットのドットパターンデータの場合も、第2引き要素P21以後は、圧電振動子15にベース電位が供給されるのみである。従って、圧電振動子15の劣化を顕著に防止することができる。また、中ドットのドットパターンデータの場合も、第3引き要素P31以後は、圧電振動子15にベース電位が供給されるのみである。従って、圧電振動子15の劣化を顕著に防止することができる。更に、大ドットのドットパターンデータの場合も、電位下降波形FW以後は、圧電振動子15にベース電位が供給されるのみである。従って、圧電振動子15の劣化を防止することができる。
【0094】
なお、本実施の形態では、第1パルス波形PW1、第2パルス波形PW2及び第3パルス波形PW3が同一の波形形状であり、従来より公知のマルチショット(MS)波形と同様であるため、高周波駆動に適している。
【0095】
また、電位上昇波形RWは、第1乃至第3引き要素の勾配よりも緩い勾配を有する傾斜波形であり、すなわち、電位上昇波形RWの時定数は第1乃至第3引き要素の時定数よりも大きい。このため、電位上昇波形RWの存在が第1パルス波形PW1によるインク滴吐出に実質的に影響を与えることが、抑制されている。
【0096】
なお、本実施の形態では、非吐出のドットパターンデータ(階調情報00)からパルス選択データ(00000000)が生成されているが、非吐出のドットパターンデータ(階調情報00)からパルス選択データ(11000000)が生成されてもよい。この場合、非吐出のドットパターンデータに基づき、対応する圧電振動子15には、図7に示すように、電位上昇波形RWと第1パルス波形PW1の引き要素P11とが供給される。その結果、非吐出のドットパターンデータに対応して、ノズル開口13内のインクを微振動させることができる。
【0097】
また、本実施の形態では、小ドットのドットパターンデータ(階調情報01)からパルス選択データ(11110000)が生成されているが、小ドットのドットパターンデータ(階調情報01)からパルス選択データ(10011100)が生成されてもよい。この場合、小ドットのドットパターンデータに基づき、対応する圧電振動子15には、図8に示すように、電位上昇波形RWと第2パルス波形PW2と第3パルス波形の引き要素P31とが供給される。その結果、小ドットのドットパターンデータに対応して、3連のパルス波形の真中のパルス波形を利用して小ドットのインク滴を吐出させることができる。これにより、吐出される小ドットのインク滴の着弾位置の制御がより容易となる。
【0098】
また、本実施の形態では、中ドットのドットパターンデータ(階調情報10)からパルス選択データ(11111100)が生成されているが、中ドットのドットパターンデータ(階調情報10)からパルス選択データ(11100111)が生成されてもよい。この場合、中ドットのドットパターンデータに基づき、対応する圧電振動子15には、図9に示すように、電位上昇波形RWと第1パルス波形PW1と第3パルス波形PW3と電位下降波形FWとが供給される。その結果、中ドットのドットパターンデータに対応して、3連のパルス波形の最初と最後のパルス波形を利用して中ドットのインク滴を形成させることができる。これにより、形成される中ドットのインク滴の位置制御がより容易となる。
【0099】
なお、駆動信号生成回路30は、DAC回路によって形成されてもよいし、アナログ回路によって形成されてもよい。
【0100】
以上の実施の形態では、第1パルス波形PW1、第2パルス波形PW2及び第3パルス波形PW3が同一の波形形状であるが、互いに異なる波形形状であってもよい。波形形状を変形するにあたって維持されなければならないのは、各パルス波形の第1ホールド要素P12、P22、P32がベース電位VBであることのみである。
【0101】
もっとも、図8に示すような小ドットのインク滴吐出を実現するためには、第1駆動電位VM1と第2駆動電位VM2とが一致している必要がある。また、図9に示すような中ドットのインク滴吐出を実現するためには、第1駆動電位VM1と第3駆動電位VM3とが一致している必要がある。
【0102】
駆動信号(COM)の他の例が、図10に示される。図10に示すように、駆動信号Bは、期間T1に配置された電位上昇波形RWと、期間T2に配置された第1パルス波形PW1と、期間T3に配置された第2パルス波形PW2’と、期間T5に配置された電位下降波形FWと、を一連に接続してあり、記録周期TBで繰り返し発生するパルス列波形信号である。
【0103】
駆動信号Bにおける電位上昇波形RW、第1パルス波形PW1及び電位下降波形FWは、駆動信号Aにおけるそれらと同一である。駆動信号Bの第2パルス波形PW2’は、その第1充電要素P23’の勾配θ22’及び第2放電要素P25’の勾配θ23’が駆動信号Aの第2パルス波形PW2の第1充電要素P23の勾配θ22及び第2放電要素P25の勾配θ23よりも急峻であり、その結果として第2ホールド要素P24’の電位VH2’が駆動信号Aの第2パルス波形PW2の最高電位VH2よりも高いということを除いて、駆動信号Aの第2パルス波形PW2と同一である。すなわち、駆動信号Bは、駆動信号Aにおける第2パルス波形PW2の第1充電要素P23及び第2放電要素P25を急峻にして最高電位VH2を高く修正すると共に、期間T4(パルス波形PW3を含む)を削除した信号である。
【0104】
これらの第1パルス波形PW1及び第2パルス波形PW2’は、それぞれ単独でインク滴を吐出可能な信号である。
【0105】
第1パルス波形PW1が圧電振動子15に供給されると、小ドットを形成し得る量のインク滴がノズル開口13から吐出される。一方、第2パルス波形PW2’が圧電振動子15に供給されると、中ドットを形成し得る量のインク滴がノズル開口13から吐出される。
【0106】
図11に示すように、圧電振動子15に供給するパルス波形を選択することによって、階調制御を行うことができる。すなわち、第1パルス波形PW1を供給することで小ドットの記録を行い、第2パルス波形PW2’を供給することで中ドットの記録を行い、第1パルス波形PW1と第2パルス波形PW2’とを供給することで大ドットの記録を行うことができる。
【0107】
非吐出(非記録)のドットパターンデータ(階調情報00)、小ドットのドットパターンデータ(階調情報01)、中ドットのドットパターンデータ(階調情報10)及び大ドットのドットパターンデータ(階調情報11)に応じて生成されるパルス選択データについて、具体的に説明する。
【0108】
デコーダ42は、この場合、非吐出のドットパターンデータ(階調情報00)、小ドットのドットパターンデータ(階調情報01)、中ドットのドットパターンデータ(階調情報10)及び大ドットのドットパターンデータ(階調情報11)に応じて、6ビットのパルス選択データを生成する。
【0109】
この6ビットのパルス選択データの各ビットが、図11に示すように、各波形要素に対応している。すなわち、パルス選択データの最上位ビットが電位上昇波形RWに対応し、2番目のビットが第1パルス波形PW1の第1放電要素P11(第1引き要素)に対応し、3番目のビットが第1パルス波形PW1の第1充電要素P13、第2ホールド要素P14及び第2放電要素P15(第1駆動要素)に対応し、4番目のビットが第2パルス波形PW2’の第1放電要素P21(第2引き要素)に対応し、5番目のビットが第2パルス波形PW2’の第1充電要素P23’、第2ホールド要素P24’及び第2放電要素P25’(第2駆動要素)に対応し、最下位のビットが電位下降波形FWに対応している。
【0110】
この場合、非吐出のドットパターンデータ(階調情報00)からパルス選択データ(000000)が生成される。小ドットのドットパターンデータ(階調情報01)からパルス選択データ(111100)が生成される。同様に、中ドットのドットパターンデータ(階調情報10)からパルス選択データ(100111)が生成され、大ドットのドットパターンデータ(階調情報11)からパルス選択データ(111111)が生成される。
【0111】
そして、パルス選択データの最上位ビットが「1」の場合には期間T1の始端に対応する最初のタイミング信号(ラッチ信号)から期間T21の始端に対応する2番目のタイミング信号(CH信号)までの間スイッチ回路45(駆動パルス供給手段)が接続状態になる。また、2番目のビットが「1」の場合には、2番目のタイミング信号から期間T22の始端に対応する3番目のタイミング信号(CH信号)までの間スイッチ回路45が接続状態になる。同様に、3番目のビットが「1」の場合には、3番目のタイミング信号から期間T31の始端に対応する4番目のタイミング信号(CH信号)までの間スイッチ回路45が接続状態になる。4番目のビットが「1」の場合には、4番目のタイミング信号から期間T32の始端に対応する5番目のタイミング信号(CH信号)までの間スイッチ回路45が接続状態になる。5番目のビットが「1」の場合には、5番目のタイミング信号から期間T5の始端に対応する6番目のタイミング信号(CH信号)までの間スイッチ回路45が接続状態になる。最下位のビットが「1」の場合には、6番目のタイミング信号から次の印刷周期TBにおける期間T1の始端に対応するタイミング信号(ラッチ信号)までの間スイッチ回路45が接続状態になる。
【0112】
これにより、小ドットのドットパターンデータに基づき、対応する圧電振動子15には、電位上昇波形RWと第1パルス波形PW1と第2パルス波形PW2の引き要素P21とが供給される。また、中ドットのドットパターンデータに基いて、電位上昇波形RWと第2パルス波形PW2と電位下降波形FWとが供給される。そして、大ドットのドットパターンデータに基づいて、全ての波形要素RW、PW1、PW2、FWが続けて供給される。
【0113】
その結果、小ドットのドットパターンデータに対応して、ノズル開口13からは小インク滴が1回吐出し、記録紙8上に小ドットが形成される。また、中ドットのドットパターンデータに対応して、ノズル開口13からは中インク滴が吐出し、記録紙8上に中ドットが形成される。そして、大ドットのドットパターンデータに対応して、ノズル開口13からはインク滴が2回連続して吐出し、記録紙8上に大ドットが形成される。
【0114】
以上のように、図10に示す駆動信号Bを用いた場合でも、非吐出のドットパターンデータの場合、圧電振動子15にはベース電位が供給されるのみで、すなわち、バイアス電圧が供給されることがない。従って、高湿度環境下であっても、リーク電流に起因する圧電振動子15の劣化を顕著に防止することができる。
【0115】
また、小ドットのドットパターンデータの場合も、第2引き要素P21以後は、圧電振動子15にベース電位が供給されるのみである。従って、圧電振動子15の劣化を顕著に防止することができる。また、中ドットのドットパターンデータの場合及び大ドットのドットパターンデータの場合も、電位下降波形FW以後は、圧電振動子15にベース電位が供給されるのみである。従って、圧電振動子15の劣化を防止することができる。
【0116】
なお、駆動信号Bを用いる場合においても、非吐出のドットパターンデータ(階調情報00)からパルス選択データ(110000)が生成されてもよい。この場合、非吐出のドットパターンデータに基づき、対応する圧電振動子15には、図12に示すように、電位上昇波形RWと第1パルス波形PW1の引き要素P11とが供給される。その結果、非吐出のドットパターンデータに対応して、ノズル開口13内のインクを微振動させることができる。
【0117】
なお、以上の実施の形態において、圧力変動手段は圧電振動子15によって構成されているが、圧力室16の圧力を変化させる圧力変動手段は、圧電振動子15に限定されるものではない。例えば、磁歪素子を圧力発生素子として用い、この磁歪素子によって圧力室16を膨張・収縮させて圧力変動を生じさせるようにしてもよいし、発熱素子を圧力発生素子として用い、この発熱素子からの熱で膨張・収縮する気泡によって圧力室16に圧力変動を生じさせるように構成してもよい。
【0118】
また、前述のように、プリンタコントローラ1はコンピュータシステムによって構成されているが、コンピュータシステムに前記各要素を実現させるためのプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体201を用いてもよい。
【0119】
さらに、前記の各要素が、コンピュータシステム上で動作するOS等のプログラムによって実現される場合、当該OS等のプログラムを制御する各種命令を含むプログラム及び当該プログラムを記録した記録媒体202も、本件の保護対象である。
【0120】
ここで、記録媒体201、202とは、フロッピーディスク(フレキシブルディスク)等の単体として認識できるものの他、各種信号を伝搬させるネットワークをも含む。
【0121】
なお、以上の説明はインクジェット式記録装置についてなされているが、本発明は、広く液体噴射装置全般を対象としたものである。液体の例としては、インクの他に、グルー、マニキュア、液体電極材料、生体有機物液体等が用いられ得る。更に、本発明は、液晶等の表示体におけるカラーフィルタの製造装置にも適用され得る。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、吐出駆動信号がベース電位で始まってベース電位で終わる周期信号であるため、少なくとも選択階調データが非吐出に対応する場合、圧力変動手段にはベース電位が供給されるのみで、すなわち、バイアス電圧が供給されないため、圧力変動手段の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるインクジェット式プリンタの概略斜視図である。
【図2】記録ヘッドの内部構造を説明する断面図である。
【図3】プリンタの電気的構成を説明するブロック図である。
【図4】記録ヘッドの電気駆動系を説明するブロック図である。
【図5】駆動信号の一例を示す図である。
【図6】図5の駆動信号に基づいて生成され得る駆動パルスを説明する図である。
【図7】図5の駆動信号に基づいて生成され得る駆動パルスの他の例を説明する図である。
【図8】図5の駆動信号に基づいて生成され得る駆動パルスの他の例を説明する図である。
【図9】図5の駆動信号に基づいて生成され得る駆動パルスの他の例を説明する図である。
【図10】駆動信号の他の例を示す図である。
【図11】図10の駆動信号に基づいて生成され得る駆動パルスを説明する図である。
【図12】図10の駆動信号に基づいて生成され得る駆動パルスの他の例を説明する図である。
【図13】従来の駆動信号の一例を示す図である。
【図14】図13の駆動信号に基づいて生成される駆動パルスを説明する図である。
【符号の説明】
1 インクジェット式プリンタ
2 キャリッジ
3 ガイド部材
4 駆動プーリ
5 遊転プーリ
6 タイミングベルト
7 パルスモータ
8 記録紙
10 記録ヘッド
11 インクカートリッジ
12 インク室
13 ノズル開口
14 ノズルプレート
15 圧電振動子
16 圧力室
17 インク供給口
18 供給側連通孔
19 第1ノズル連通孔
20 第2ノズル連通孔
23 プリンタコントローラ
24 プリントエンジン
25 外部インターフェース
26 RAM
27 ROM
28 制御部
29 発振回路
30 駆動信号生成回路
31 内部インターフェース
33 記録ヘッドの電気駆動系
34 プラテン
35 紙送りモータ
36 第1シフトレジスタ
37 第2シフトレジスタ
39 第1ラッチ回路
40 第2ラッチ回路
42 デコーダ
43 制御ロジック
44 レベルシフタ
45 スイッチ回路

Claims (13)

  1. ノズル開口を有するヘッド部材と、
    ノズル開口部分の液体の圧力を変動させる圧力変動手段と、
    吐出データに基づいて、複数の階調データから一の選択階調データを設定する階調データ設定手段と、
    吐出駆動信号を生成する駆動信号発生手段と、
    選択階調データと吐出駆動信号とに基づいて、駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、
    駆動パルスに基づいて圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、
    を備えた液体噴射装置であって、
    吐出駆動信号は、ベース電位で始まってベース電位で終わる一周期内に複数のパルス波形を有する周期信号であり、
    駆動パルス生成手段は、各階調データから吐出駆動信号の一周期に対応する矩形パルス列を生成し、当該矩形パルス列と吐出駆動信号とのANDによって駆動パルスを生成するようになっており、
    吐出駆動信号は、一周期中において、
    ベース電位から所定の第1駆動電位まで電位を上昇させる電位上昇波形と、
    第1駆動電位を始端電位とし、ベース電位まで一旦電位を下降させる第1引き要素と、ベース電位から第1駆動電位を上回る所定の第1ピーク電位まで電位を上昇させ、その後電位を所定の第2駆動電位まで下降させる第1駆動要素と、を有する第1パルス波形と、
    第2駆動電位を始端電位とし、ベース電位まで一旦電位を下降させる第2引き要素と、ベース電位から第2駆動電位を上回る所定の第2ピーク電位まで電位を上昇させ、その後電位を所定の第3駆動電位まで下降させる第2駆動要素と、を有する第2パルス波形と、
    第3駆動電位を始端電位とし、ベース電位まで一旦電位を下降させる第3引き要素と、ベース電位から第3駆動電位を上回る所定の第3ピーク電位まで電位を上昇させ、その後電位を所定の駆動終了電位まで下降させる第3駆動要素と、を有する第3パルス波形と、
    駆動終了電位からベース電位まで電位を下降させる電位下降波形と
    を有する周期信号である
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 複数の階調データは、小ドット用データと、中ドット用データと、大ドット用データと、を有しており、
    駆動パルス生成手段は、前記吐出駆動信号に基づいて、
    選択階調データが小ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第2引き要素とを駆動パルスとし、
    選択階調データが中ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第2パルス波形と第3引き要素とを駆動パルスとし、
    選択階調データが大ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第2パルス波形と第3パルス波形と電位下降波形とを駆動パルスとするようになっている
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 第2駆動電位は、第1駆動電位と同電位である
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  4. 複数の階調データは、小ドット用データと、中ドット用データと、大ドット用データと、を有しており、
    駆動パルス生成手段は、前記吐出駆動信号に基づいて、
    選択階調データが小ドット用データである時、電位上昇波形と第2パルス波形と第3引き要素とを駆動パルスとし、
    選択階調データが中ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第2パルス波形と第3引き要素とを駆動パルスとし、
    選択階調データが大ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第2パルス波形と第3パルス波形と電位下降波形とを駆動パルスとするようになっている
    ことを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
  5. 第3駆動電位も、第1駆動電位と同電位であり、
    複数の階調データは、小ドット用データと、中ドット用データと、大ドット用データと、を有しており、
    駆動パルス生成手段は、前記吐出駆動信号に基づいて、
    選択階調データが小ドット用データである時、電位上昇波形と第2パルス波形と第3引き要素とを駆動パルスとし、
    選択階調データが中ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第3パルス波形と電位下降波形とを駆動パルスとし、
    選択階調データが大ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第2パルス波形と第3パルス波形と電位下降波形とを駆動パルスとするようになっている
    ことを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
  6. 第3駆動電位は、第1駆動電位と同電位である
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  7. 複数の階調データは、小ドット用データと、中ドット用データと、大ドット用データと、を有しており、
    駆動パルス生成手段は、前記吐出駆動信号に基づいて、
    選択階調データが小ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第2引き要素とを駆動パルスとし、
    選択階調データが中ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第3パルス波形と電位下降波形とを駆動パルスとし、
    選択階調データが大ドット用データである時、電位上昇波形と第1パルス波形と第2パルス波形と第3パルス波形と電位下降波形とを駆動パルスとするようになっている
    ことを特徴とする請求項6に記載の液体噴射装置。
  8. 第1引き要素と、第2引き要素と、第3引き要素とは、互いに同一の波形を有している
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の液体噴射装置。
  9. 第1パルス波形と、第2パルス波形と、第3パルス波形とは、互いに同一の波形を有している
    ことを特徴とする請求項8に記載の液体噴射装置。
  10. 第1パルス波形と、第2パルス波形と、第3パルス波形とは、それぞれ、50kHz以上の周波数に対応する時間内に配置されている
    ことを特徴とする請求項9に記載の液体噴射装置。
  11. 電位下降波形も、第1乃至第3引き要素と同一の波形を有している
    ことを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の液体噴射装置。
  12. 第1引き要素と、第2引き要素と、第3引き要素とは、互いに同一の勾配を有する傾斜波形であり、
    電位上昇波形は、第1乃至第3引き要素の勾配よりも緩い勾配を有する傾斜波形である
    ことを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の液体噴射装置。
  13. ノズル開口を有するヘッド部材と、
    ノズル開口部分の液体の圧力を変動させる圧力変動手段と、
    吐出データに基づいて、複数の階調データから一の選択階調データを設定する階調データ設定手段と、
    吐出駆動信号を生成する駆動信号発生手段と、
    選択階調データと吐出駆動信号とに基づいて、駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段と、
    駆動パルスに基づいて圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、
    を備えた液体噴射装置であって、
    吐出駆動信号は、ベース電位で始まってベース電位で終わる一周期内に複数のパルス波形を有する周期信号であり、
    駆動パルス生成手段は、各階調データから吐出駆動信号の一周期に対応する矩形パルス列を生成し、当該矩形パルス列と吐出駆動信号とのANDによって駆動パルスを生成するようになっており、
    吐出駆動信号は、一周期中において、
    ベース電位から所定の第1駆動電位まで電位を上昇させる電位上昇波形と、
    第1駆動電位を始端電位とし、ベース電位まで一旦電位を下降させる第1引き要素と、ベース電位から第1駆動電位を上回る所定の第1ピーク電位まで電位を上昇させ、その後電位を所定の第2駆動電位まで下降させる第1駆動要素と、を有する第1パルス波形と、
    第2駆動電位を始端電位とし、ベース電位まで一旦電位を下降させる第2引き要素と、ベース電位から第2駆動電位を上回る所定の第2ピーク電位まで電位を上昇させ、その後電位を所定の駆動終了電位まで下降させる第2駆動要素と、を有する第2パルス波形と、
    駆動終了電位からベース電位まで電位を下降させる電位下降波形と
    を有する周期信号である
    ことを特徴とする液体噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006272896A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
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JP2018140642A (ja) * 2013-08-05 2018-09-13 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置

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