JP4829613B2 - 液体吐出装置の駆動方法および液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出装置の駆動方法および液体吐出装置 Download PDF

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Description

本発明は、液体吐出装置の駆動方法と、前記駆動方法によって駆動される液体吐出装置に関するものである。
図5は、オンデマンド型のインクジェットプリンタにおいて、圧電インクジェットヘッドとして用いられる液体吐出装置1の一例を示す断面図である。また、図6は、前記液体吐出装置1の一例の、要部を拡大した断面図である。図5、図6を参照して、この例の液体吐出装置1は、液体としてのインクが充てんされる加圧室2と、前記加圧室2に連通し、加圧室2内のインクを、インク滴として吐出させるためのノズル3とを有する複数の液滴吐出部4を、面方向に配列させて形成した基板5と、前記基板5の、複数の加圧室2を覆う大きさを有する、1層の圧電セラミック層6を含み、前記基板5上に積層された、板状の圧電アクチュエータ7とを備えている。
圧電アクチュエータ7は、個々の加圧室2に対応して配設され、個別に電圧が印加されることによって、個別に、厚み方向に撓み変形する複数の圧電変形領域8と、前記圧電変形領域8を囲んで配設され、前記基板5に固定されることで変形が防止された拘束領域9とに区画されている。また、図の例の圧電アクチュエータ7は、圧電セラミック層6の、両図において上面に、加圧室2ごとに個別に形成されて、圧電変形領域8を区画する個別電極10と、前記圧電セラミック層6の下面に、順に積層された、共に、複数の加圧室2を覆う大きさを有する、共通電極11と振動板12とを備えた、いわゆるユニモルフ型の構成を有している。各個別電極10と、共通電極11とは、それぞれ別個に、駆動回路13に接続されており、駆動回路13は、制御手段14に接続されている。
圧電セラミック層6は、例えば、PZT等の圧電材料によって形成されていると共に、層の厚み方向に、あらかじめ分極されて、いわゆる横振動モードの圧電変形特性が付与されており、制御手段14からの制御信号によって、駆動回路13が駆動されて、任意の個別電極10と、共通電極11との間に、前記分極方向と同方向の電圧が印加されると、両電極10、11間に挟まれた、圧電変形領域8に対応する活性領域15が、図6に横向きの白矢印で示すように、層の面方向に収縮される。
しかし、圧電セラミック層6の下面は、共通電極11を介して振動板12に固定されているため、活性領域15が収縮すると、それに伴って、圧電アクチュエータ7の圧電変形領域8が、図6に下向きの白矢印で示すように、加圧室2の方向に突出するように撓み変形して、加圧室2内に充てんされたインクを振動させ、この振動によって加圧されたインクが、ノズル3を通して、インク滴として吐出される。
特許文献1に記載されているように、液体吐出装置においては、いわゆる引き打ち式の駆動方法が、広く一般に採用される。図7は、図5の液体吐出装置1を、引き打ち式の駆動方法によって駆動する際に、圧電変形領域8に印加される駆動電圧VPの駆動電圧波形(太線の一点鎖線で示す)の一例と、この駆動電圧波形が印加された際の、ノズル3内における、インクの体積速度の変化〔太線の実線で示す、(+)がノズル3の先端側、つまりインク滴の吐出側、(−)が加圧室2側〕との関係を簡略化して示すグラフである。
図5〜図7を参照して、まず、図7中のt1より左側の、ノズル3からインク滴を吐出させない待機時には、駆動電圧VPをVHに維持(VP=VH)して、活性領域15を面方向に収縮させ続けることによって、圧電変形領域8を、加圧室2の方向に突出するように撓み変形させて、前記加圧室2の容積を減少させた状態を維持しており、この間、インクは停止状態、すなわち、ノズル3におけるインクの体積速度は0を維持し、前記ノズル3内に、インクの表面張力によって形成されるインクメニスカスは静止している。
ノズル3からインク滴を吐出させて、紙面にドットを形成するには、まず、その直前のt1の時点で、圧電変形領域8に印加していた駆動電圧VPを放電(VP=0)して、活性領域15の、面方向の収縮を解除させることによって、圧電変形領域8の撓み変形を解除させる。そうすると、加圧室2の容積が一定量だけ増加するため、ノズル3内のインクメニスカスは、その容積の増加分だけ、前記加圧室2の方向に引き込まれる。その際の、ノズル3内でのインクの体積速度は、図7のt1とt2の間の部分に示すように、一旦、(−)側に大きくなった後、徐々に小さくなって、やがて0に近づく。これは、太線の実線で示す、インクの体積速度の固有振動周期T1の、ほぼ半周期分に相当する。
次に、ノズル3でのインクの体積速度が限りなく0に近づいたt2の時点で、駆動電圧VPを、再びVHまで充電(VP=VH)して、活性領域15を、面方向に収縮させることによって、圧電変形領域8を撓み変形させる。そうすると、ノズル3内のインクは、インクメニスカスが、加圧室2の側に最も大きく引き込まれた状態(t2の時点の、体積速度が0の状態)から、逆に、ノズル3の先端方向へ戻ろうとしているところに、圧電変形領域8を撓み変形させて、加圧室2の容積を減少させることによって、前記加圧室2から押し出されたインクの圧力が加わることになるため、ノズル3の先端側の方向へ加速されて、前記ノズル3の外方へ大きく突出する。
その際の、ノズル3内でのインクの体積速度は、図7のt2とt3の間の部分に示すように、一旦、(+)側に大きくなった後、徐々に小さくなって、やがて0に近づく。ノズル3の外方へ突出したインクが略円柱状に見えることから、この突出状態のインクを、一般に、インク柱と称する。
次に、ノズル3の外方に突出したインクの体積速度が限りなく0に近づいた時点(図7のt3の時点)で、駆動電圧VPを、再び、放電(VP=0)して、活性領域15の面方向の収縮を解除させることによって、圧電変形領域8の撓み変形を解除させる。そうすると、インクが、ノズル3の外方に最も大きく突出した状態(t3の時点の、体積速度が0の状態)から、逆に、加圧室2の方向へ戻ろうとしているところに、圧電変形領域8の撓み変形を解除させて、加圧室2の容積を再び増加させたことによる、マイナスの圧力が加わることによって、ノズル3の外方へ伸びきったインク柱が切り離されて、1滴目のインク滴が生成される。
インク柱が切り離されたノズル3内のインクは、再び、加圧室2の方向に引き込まれる。その際の、ノズル3内でのインクの体積速度は、図7のt3とt4の間の部分に示すように、一旦、(−)側に大きくなった後、徐々に小さくなって、やがて0に近づく。これは、先に説明したように、インクの体積速度の固有振動周期T1の、ほぼ半周期分に相当する。
次に、ノズル3でのインクの体積速度が限りなく0に近づいたt4の時点で、駆動電圧VPを、再びVHまで充電(VP=VH)して、活性領域15を面方向に収縮させることによって、圧電変形領域8を撓み変形させる。そうすると、先の、t2からt3の間でのインクの挙動と同じメカニズムによって、インクが、再び、ノズル3の外方へ大きく突出して、インク柱が形成される。その際の、ノズル3内でのインクの体積速度は、図7のt4とt5の間の部分に示すように、一旦、(+)側に大きくなった後、徐々に小さくなって、やがて0に近づく。
次に、ノズル3の外方に突出したインクの体積速度が限りなく0に近づいた時点(図7のt5の時点)で、駆動電圧VPを、再び、放電(VP=0)して、活性領域15の面方向の収縮を解除させることによって、圧電変形領域8の撓み変形を解除させると、インクが、ノズル3の外方に最も大きく突出した状態(t5の時点の、体積速度が0の状態)から、逆に、加圧室2の方向へ戻ろうとしているところに、圧電変形領域8の撓み変形を解除させて、加圧室2の容積を再び増加させたことによる、マイナスの圧力が加わることによって、ノズル3の外方へ伸びきったインク柱が切り離されて、2滴目のインク滴が生成される。
インク柱が切り離されたノズル3内のインクは、再び、加圧室2の方向に引き込まれる。その際の、ノズル3内でのインクの体積速度は、先に説明したように、インクの体積速度の固有振動周期T1の、ほぼ半周期分に相当し、図7のt5とt6の間の部分に示すように、一旦、(−)側に大きくなった後、徐々に小さくなって、やがて0に近づく。
次に、ノズル3でのインクの体積速度が限りなく0に近づいたt6の時点で、駆動電圧VPを、再びVHまで充電(VP=VH)して、活性領域15を面方向に収縮させることによって、圧電変形領域8を撓み変形させる。そうすると、先の、t2からt3の間、およびt4からt5の間でのインクの挙動と同じメカニズムによって、インクが、再び、ノズル3の外方へ大きく突出して、インク柱が形成される。その際の、ノズル3内でのインクの体積速度は、図7のt6とt7の間の部分に示すように、一旦、(+)側に大きくなった後、徐々に小さくなって、やがて0に近づく。
そして、ノズル3でのインクの体積速度が0になった時点(図7のt7の時点)以降、インクの振動の速度が、加圧室2の側に向かうことによって、ノズル3の外方へ伸びきったインク柱が切り離されて、3滴目のインク滴が生成される。生成された1滴目から3滴目までのインク滴は、それぞれ、ノズル3の先端に対向させて配設した紙面まで飛翔して、1つのドットを形成する。
前記一連の動作は、図7に太線の一点鎖線で示すように、パルス幅T2が固有振動周期T1の約1/2倍であるパルスを3回、含む駆動電圧波形を有する駆動電圧VPを、圧電変形領域8に印加していることに相当する。1つのドットを、1滴のみのインク滴で形成する場合は、前記パルスを、1回のみとすればよい。また、1つのドットを、2滴のインクで形成する場合は、前記パルスを、2回にすればよい。さらに、1つのドットを、4滴以上のインク滴で形成する場合は、パルスを、インク滴の数に応じた回数、発生させればよい。
図8は、図5の液体吐出装置1の、1つの圧電アクチュエータ7上の、個々の圧電変形領域8に、個別に、駆動電圧VPを印加して、各圧電変形領域8を、個別に駆動制御する駆動方法の一例を示すグラフである。なお、図では、1つの圧電アクチュエータ7上の、3つの圧電変形領域8(1)〜8(3)に印加する駆動電圧についてのみ、示しているが、実際には、圧電アクチュエータ7上の、全ての圧電変形領域8が、図の、3つの圧電変形領域8(1)〜8(3)と同様に、個別に、駆動電圧VPの印加によって駆動される。
図5、図8を参照して、前記駆動方法においては、1つの圧電アクチュエータ7上の各圧電変形領域8について、図8中に破線で区切った駆動周期P1…ごとに、駆動電圧VPを印加して駆動させるか、待機状態を維持するかが選択されると共に、駆動させることが選択された圧電変形領域8が、同期させて、一斉に駆動される。すなわち、駆動させることが選択された圧電変形領域8の全てに、図7で説明した駆動電圧VPが、同期させて印加され、それによって、各圧電変形領域8が、同時に駆動されて、対応する液滴吐出部4のノズル3から、一斉に、インク滴が吐出される。
例えば、図8の一番左の駆動周期P1では、圧電変形領域8(1)、8(3)に、同期させた駆動電圧VPが印加されて、前記2つの圧電変形領域8(1)、8(3)が、同時に駆動され、それに対応する液滴吐出部4のノズル3から、同時に、インク滴が吐出されて、紙面にドットが形成される。また、前記駆動周期P1に続く駆動周期P2〜P4では、圧電変形領域8(1)にのみ、駆動電圧VPが印加されて、前記圧電変形領域8(1)が駆動され、それに対応する液滴吐出部4のノズル3から、インク滴が吐出されて、紙面にドットが形成される。
そして、図の一番右の駆動周期P5では、圧電変形領域8(1)〜8(3)の全てに、同期させた駆動電圧VPが印加されて、前記3つの圧電変形領域8(1)〜8(3)が、同時に駆動され、それに対応する液滴吐出部4のノズル3から、同時に、インク滴が吐出されて、紙面にドットが形成される。なお、図では、前記P1〜P5の5つの駆動周期についてのみ、示しているが、実際には、例えば、印刷する用紙の長さ分、駆動周期が連続される。
特開平2−192947号公報(第3頁左上欄第19行〜同頁右上欄第6行、第3頁右上欄第14行〜同頁左下欄第2行、第16図(b))
前記駆動の、任意の駆動周期において、駆動電圧VPを印加せずに待機状態を維持することが選択された圧電変形領域8には、先に説明した引き打ち式の駆動では、その駆動周期の間、一定の電圧VHが印加し続けられる。
ところが、紙面に形成する画像によっては、例えば、圧電変形領域8(2)、8(3)のように、複数の駆動周期に跨って、待機状態を維持し続けることが求められる圧電変形領域8が発生し、前記圧電変形領域8には、長期間に亘って、電圧VHが印加し続けられることから、圧電セラミック層6の、活性領域15を囲む非活性領域16が、電圧VHの印加による、活性領域15の、面方向の収縮によって、図6に黒矢印で示す方向に、長時間に亘って、引張応力を受けて伸び続けることになる。
そして、非活性領域16は、引張応力を受けて伸びている時間が長くなるほど、その内部で、応力を緩和するようにドメインが回転することによって、前記引張方向に、徐々にクリープ変形して行き、それに伴って、活性領域15が、クリープ変形した非活性領域16からの圧縮応力を受けて、収縮を解除させても、もとの静止状態まで伸びきることができなくなる度合いが大きくなる。
そのため、圧電アクチュエータ7の圧電変形領域8は、撓みを解除させた静止状態において、図6に示したように、十分に、まっすぐに伸びきることが、徐々にできなくなり、同図に下向きの白矢印で示した方向に撓み変形させた状態と、この撓み変形を解除させた静止状態との間での、厚み方向の変位量の差が徐々に小さくなって行く結果、インク滴の吐出性能が低下するという問題を生じる。また、前記駆動方法では、待機状態の圧電変形領域8に、電圧VHを印加し続けなければならないため、圧電アクチュエータ7の消費電力が大きいという問題もある。
そこで、特に、複数の駆動周期に跨って駆動されない圧電変形領域8について、従来のように、撓み変形し続ける待機状態を維持するのではなく、図8に一点鎖線で示すように、駆動電圧VPを放電(VP=0)させた静止状態を維持することで、非活性領域16のクリープ変形を防止すると共に、圧電アクチュエータ7の消費電力を低減することが検討された。
ところが、前記駆動方法では、静止状態の圧電変形領域8を再び駆動させるため、それに先立って、圧電変形領域8を、再び、撓み変形させた待機状態に復帰させる際に、ノズル3からインク滴が吐出されて、吐出されたインク滴によって、紙面の、本来、ドットを形成する予定のない位置にドットが形成されて、形成画像の画質が低下するという問題がある。
すなわち、前記復帰の際に、例えば、図8に一点鎖線で示すように、圧電変形領域8(2)、8(3)の、実際にインク滴を吐出させる駆動周期P5に先立つ駆動周期P4において、駆動電圧VPを、放電(VP=0)状態から、再び、充電(VP=VH)させると、それまで静止状態にあった圧電変形領域8が、急速に、加圧室2の方向に突出するように撓み変形して、加圧室2内のインクが加圧されるため、ノズル3から、インク滴が吐出されてしまうのである。
本発明の目的は、圧電アクチュエータの、例えば、比較的、長期間に亘って駆動されない圧電変形領域を、撓み変形を解除させるか、もしくは、駆動電圧を、待機状態より低い一定の値に保持して撓み変形を緩和させた静止状態に維持することで、前記圧電変形領域の、厚み方向の変位量の差が徐々に小さくなるのを防止して、液滴(インク滴)の吐出性能を、長期間に亘って、良好なレベルに維持すると共に、圧電アクチュエータの消費電力を低減することができる上、前記圧電変形領域を、静止状態から、撓み変形させた待機状態に復帰させる際に、ノズルから、液滴が吐出されるのを防止することができる、液体吐出装置の駆動方法と、前記駆動方法によって駆動される液体吐出装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、
(A) 液体が充てんされる加圧室と、前記加圧室と連通して配設され、前記加圧室内の液体が、液滴として吐出されるノズルとを有する複数の液滴吐出部と、
(B) 前記複数の液滴吐出部の、複数の前記加圧室を覆う大きさを有する圧電セラミック層を含むと共に、駆動電圧が個別にオン−オフされることによって、個々の前記加圧室に対応して個別に変形される複数の圧電変形領域を備える圧電アクチュエータと、
を有する液体吐出装置の、前記圧電アクチュエータの任意の圧電変形領域に、駆動電圧をオンにした待機状態から、液滴を吐出させる直前に、一旦、オフにした後、再びオンにする駆動電圧波形を印加して、対応する前記液滴吐出部の前記加圧室の容積を変化させて、連通する前記ノズルを通して液滴を吐出させると共に、それ以外の他の前記圧電変形領域は、駆動電圧をオフに保持した静止状態を維持し、液滴を吐出させる際には、前記ノズルの先端における液体の固有振動周期をT とするとき、駆動電圧をオンにしてからT /4以内でオフにした後、前記駆動電圧をオンにしてからT /2以内に再びオンにする、非吐出の昇圧波形を経由することで、途中で液滴を吐出させることなしに、前記静止状態から、駆動電圧をオンにした待機状態に移行させることを特徴とする液体吐出装置の駆動方法である。
請求項1記載の発明によれば、例えば、比較的、長期間に亘って駆動されない圧電変形領域を、駆動電圧をオフにして撓み変形を解除させた静止状態に維持することによって、圧電セラミック層の非活性領域がクリープ変形するのを抑制し、それによって、圧電変形領域の、厚み方向の変位量の差が徐々に小さくなるのを防止して、液滴(インク滴)の吐出性能を、長期間に亘って、良好なレベルに維持すると共に、圧電アクチュエータの消費電力を低減することが可能となる。
それと共に、請求項1記載の発明によれば、圧電変形領域を、前記静止状態から、駆動電圧をオンにして、撓み変形させた待機状態に復帰させる際に、ノズルの先端における液体の固有振動周期をT とするとき、まず、駆動電圧をオンにしてからT /4以内でオフにすることで、吐出方向へ向かう液体の振動を、加圧室の方向へ引き戻した後、前記駆動電圧をオンにしてからT /2以内に再びオンにする、非吐出の昇圧波形を経由することで、前記復帰時に、ノズルから、液滴が吐出されるのを防止することもできる。そのため、例えば、本発明の駆動方法を、インクジェットプリンタに適用した場合には、紙面の、本来、ドットを形成する予定のない位置にドットが形成されるのを防止して、形成画像の画質を向上させることも可能となる。
しかも、非吐出の昇圧波形は、純粋に、駆動回路に入力する制御信号の操作のみによって行うことができるため、液体吐出装置の駆動回路に、新たな回路を追加する必要がない。したがって、請求項1記載の発明によれば、液体吐出回路を複雑化させるおそれもない。
請求項2記載の発明は、前記非吐出の昇圧波形を経由して駆動電圧をオンにした後、液滴を吐出させるのに先立って、前記非吐出の昇圧波形の印加によって発生した液体の振動を減衰させるために、一定時間、駆動電圧をオンにした待機状態を維持する請求項1記載の液体吐出装置の駆動方法である。
請求項2記載の発明によれば、静止状態から待機状態に移行する際の、昇圧波形の印加による圧電変形領域の変形に伴って発生した液体の振動を、前記待機状態の間に減衰させて、液体を静止させることができるため、圧電変形領域を駆動させて、ノズルから液滴を吐出させる際の、液体の状態を常に安定させて、各ノズルから吐出される液滴の形状、サイズ、および速度がばらつくのを防止することができる。そのため、例えば、本発明の駆動方法を、インクジェットプリンタに適用した場合には、形成画像の画質を、さらに向上させることができる。
請求項3記載の発明は、前記非吐出の昇圧波形を経由して駆動電圧をオンにした後から、液滴を吐出させる際に駆動電圧をオフにするまでの、待機状態の期間中の、駆動電圧がオン状態の時間の総和TONと、オフ状態の時間の総和TOFFとが、TOFF≧TONとなるように、前記待機状態において、ノズルから液滴が吐出されない周期で、少なくとも1回、駆動電圧のオン−オフを繰り返す請求項2記載の液体吐出装置の駆動方法である。
請求項3記載の発明によれば、静止状態から待機状態に復帰させた圧電変形領域に印加する駆動電圧を、前記条件でオン−オフさせることにより、前記待機状態の間に、ノズルから液滴が吐出されるのを防止しながら、圧電セラミック層の非活性領域がクリープ変形するのを抑制することで、圧電変形領域の、厚み方向の変位量の差が徐々に小さくなるのを防止して、液滴の吐出性能を、長期間に亘って、良好なレベルに維持すると共に、圧電アクチュエータの消費電力を低減する効果を、さらに向上させることができる。
請求項4記載の発明は、
(A) 液体が充てんされる加圧室と、前記加圧室と連通して配設され、加圧室内の液体が、液滴として吐出されるノズルとを有する複数の液滴吐出部と、
(B) 前記複数の液滴吐出部の、複数の加圧室を覆う大きさを有する圧電セラミック層を含むと共に、駆動電圧が個別にオン−オフされることによって、個々の加圧室に対応して個別に変形される複数の圧電変形領域を備える圧電アクチュエータと、
(C) 前記圧電アクチュエータの複数の圧電変形領域に駆動電圧を印加するための駆動回路と、
(D) 前記複数の圧電変形領域を、請求項1〜3のいずれかに記載の駆動方法で駆動させるために、前記駆動回路から出力される駆動電圧波形をオン−オフで制御する制御手段と、
を有することを特徴とする液体吐出装置である。
請求項4記載の発明の液体吐出装置は、前記本発明の駆動方法によって駆動されるため、例えば、インクジェットプリンタに適用した際に、形成画像の画質を向上させることができる。
本発明の液体吐出装置の駆動方法によれば、圧電アクチュエータの、例えば、比較的、長期間に亘って駆動されない圧電変形領域を、撓み変形を解除させるか、もしくは、駆動電圧を、待機状態より低い一定の値に保持して撓み変形を緩和させた静止状態に維持することで、圧電セラミック層の比活性領域がクリープ変形するのを抑制し、それによって、前記圧電変形領域の、厚み方向の変位量の差が徐々に小さくなるのを防止して、液滴(インク滴)の吐出性能を、長期間に亘って、良好なレベルに維持すると共に、圧電アクチュエータの消費電力を低減することができる上、前記圧電変形領域を、静止状態から、撓み変形させた待機状態に復帰させる際に、ノズルから、液滴が吐出されるのを防止することができる。また本発明の液体吐出装置は、前記本発明の駆動方法によって駆動されるため、例えば、インクジェットプリンタに適用した際に、形成画像の画質を向上させることができる。
図5は、オンデマンド型のインクジェットプリンタにおいて、圧電インクジェットヘッドとして用いられる液体吐出装置1の一例を示す断面図である。また、図6は、前記液体吐出装置1の一例の、要部を拡大した断面図である。図5、図6を参照して、この例の液体吐出装置1は、先に説明したように、液体としてのインクが充てんされる加圧室2と、前記加圧室2に連通し、加圧室2内のインクを、インク滴として吐出させるためのノズル3とを有する複数の液滴吐出部4を、面方向に配列させて形成した基板5と、前記基板5の、複数の加圧室2を覆う大きさを有する、1層の圧電セラミック層6を含み、前記基板5上に積層された、板状の圧電アクチュエータ7とを備えている。
圧電アクチュエータ7は、個々の加圧室2に対応して配設され、個別に電圧が印加されることによって、個別に、厚み方向に撓み変形する複数の圧電変形領域8と、前記圧電変形領域8を囲んで配設され、前記基板5に固定されることで変形が防止された拘束領域9とに区画されている。また、図の例の圧電アクチュエータ7は、圧電セラミック層6の、両図において上面に、加圧室2ごとに個別に形成されて、圧電変形領域8を区画する個別電極10と、前記圧電セラミック層6の下面に、順に積層された、共に、複数の加圧室2を覆う大きさを有する、共通電極11と振動板12とを備えた、いわゆるユニモルフ型の構成を有している。各個別電極10と、共通電極11とは、それぞれ別個に、駆動回路13に接続されており、駆動回路13は、制御手段14に接続されている。
圧電セラミック層6は、例えば、PZT等の圧電材料によって形成されていると共に、層の厚み方向に、あらかじめ分極されて、いわゆる横振動モードの圧電変形特性が付与されており、制御手段14からの制御信号によって、駆動回路13が駆動されて、任意の個別電極10と、共通電極11との間に、前記分極方向と同方向の電圧が印加されると、両電極10、11間に挟まれた、圧電変形領域8に対応する活性領域15が、図6に横向きの白矢印で示すように、層の面方向に収縮される。
しかし、圧電セラミック層6の下面は、共通電極11を介して振動板12に固定されているため、活性領域15が収縮すると、それに伴って、圧電アクチュエータ7の圧電変形領域8が、図6に下向きの白矢印で示すように、加圧室2の方向に突出するように撓み変形して、加圧室2内に充てんされたインクを振動させ、この振動によって加圧されたインクが、ノズル3を通して、インク滴として吐出される。
図1は、本発明の駆動方法の、実施の形態の一例において、図5の液体吐出装置1の、1つの圧電アクチュエータ7上の、個々の圧電変形領域8に、個別に印加されて、各圧電変形領域8を、個別に駆動制御するための、駆動電圧VPの波形を示すグラフである。なお、図では、1つの圧電アクチュエータ7上の、3つの圧電変形領域8(1)〜8(3)に印加する駆動電圧VPの波形についてのみ、示しているが、実際には、圧電アクチュエータ7上の、全ての圧電変形領域8が、駆動電圧VPの印加によって、図の、3つの圧電変形領域8(1)〜8(3)と同様に、個別に駆動される。
図1、図5を参照して、前記駆動方法を実施するに際し、制御手段14は、入力された、形成する画像のデータに応じて、1つの圧電アクチュエータ7上の各圧電変形領域8について、図1中に破線で区切った駆動周期P1…ごとに、駆動電圧VPを印加して駆動させるか、待機状態を維持するかを選択すると共に、駆動させることを選択した全ての圧電変形領域8に、駆動回路13から、同期させた駆動電圧VPを入力して、前記圧電変形領域8を、一斉に駆動させる。
すなわち、制御手段14は、駆動させることが選択された圧電変形領域8の全てに、駆動回路13から、先の、図7で説明した駆動電圧VPを、同期させて印加させ、それによって、各圧電変形領域8が、同時に駆動されて、対応する液滴吐出部4のノズル3から、一斉に、インク滴が吐出されて、紙面にドットが形成される。
例えば、図1の一番左の駆動周期P1では、圧電変形領域8(1)、8(3)に、同期させた駆動電圧VPが印加されて、前記2つの圧電変形領域8(1)、8(3)が、同時に駆動されることで、対応する液滴吐出部4のノズル3から、同時に、インク滴が吐出されて、紙面にドットが形成される。また、前記駆動周期P1に続く駆動周期P2〜P4では、圧電変形領域8(1)にのみ、駆動電圧VPが印加されて、圧電変形領域8(1)が駆動されることで、対応する液滴吐出部4のノズル3から、インク滴が吐出されて、紙面にドットが形成される。
そして、図の一番右の駆動周期P5では、圧電変形領域8(1)〜8(3)の全てに、同期させた駆動電圧VPが印加されて、前記3つの圧電変形領域8(1)〜8(3)が、同時に駆動されることで、対応する液滴吐出部4のノズル3から、同時に、インク滴が吐出されて、紙面にドットが形成される。なお、図では、前記P1〜P5の5つの駆動周期についてのみ、示しているが、実際には、例えば、印刷する用紙の長さ分、駆動周期が連続される。
一方、制御手段14は、例えば、2つ以上の、複数の駆動周期に跨って、比較的、長期間に亘って駆動されない圧電変形領域8〔図1の圧電変形領域8(2)、8(3)〕を、駆動電圧VPを放電(VP=0)させて、圧電セラミック層6の活性領域15の、面方向の収縮を解除させることで、その撓み変形を解除させた静止状態とする。
これにより、圧電セラミック層6の非活性領域16がクリープ変形するのを抑制して、圧電変形領域8の、厚み方向の変位量の差が徐々に小さくなるのを防止することで、インク滴の吐出性能を、長期間に亘って、良好なレベルに維持すると共に、圧電アクチュエータ7の消費電力を低減することが可能となる。
また、制御手段14は、静止状態の圧電変形領域8を再び駆動させるために、駆動電圧をオン(VP=VH)にして、圧電セラミック層6の活性領域15を面方向に収縮させて、前記圧電変形領域8を撓み変形させた待機状態に復帰させるに際し、圧電変形領域8を実際に駆動させる駆動周期P5に2つ先立つ駆動周期P3において、駆動電圧VPを、放電(VP=0)状態から、オン(VP=VH)にした直後にオフ(VP=0)にした後、再びオン(VP=VH)にする、非吐出の昇圧波形を経由して、静止状態から待機状態に移行させる。
そうすると、ノズル3から、インク滴を吐出させることなしに、前記圧電変形領域8を、静止状態から待機状態に復帰させることができ、紙面の、本来、ドットを形成する予定のない位置にドットが形成されるのを防止して、形成画像の画質を向上させることが可能となる。
図2は、前記非吐出の昇圧波形と、圧電変形領域8に、前記昇圧波形が印加された際の、ノズル3内における、インクの体積速度の変化〔太線の実線で示す、(+)がノズル3の先端側、つまりインク滴の吐出側、(−)が加圧室2側〕との関係を簡略化して示すグラフである。
図2を参照して、まず、図2中のt8より左側の静止状態においては、駆動電圧VPをオフ(VP=0)の状態に維持し続けることによって、活性領域15の、面方向の収縮を解除させて、圧電変形領域8の撓み変形を解除させた状態を維持しており、この間、インクは停止状態、すなわち、ノズル3におけるインクの体積速度は0を維持し、前記ノズル3内に、インクの表面張力によって形成されるインクメニスカスは静止している。
次に、前記t8の時点で、駆動電圧VPをオン(VP=VH)にして、活性領域15を、面方向に収縮させることで、圧電変形領域8を、加圧室2の方向に突出するように撓み変形させると、前記加圧室2の容積が減少するため、加圧室2内のインクが、吐出方向へ向かって振動を始めるが、その直後のt9の時点で、再び、駆動電圧VPをオフ(VP=0)にすることで、活性領域15の、面方向の収縮と、それによる、圧電変形領域8の撓み変形が解除されて、加圧室2の容積が増加するため、吐出方向へ向かって振動を始めたインクは、加圧室2の方向へ引き戻される。
そのため、ノズル3におけるインクの体積速度は、先に説明した、体積速度の固有振動周期T1に基づいて、その半周期分に相当する、図2の、t8とt10の間の部分に示すように、一旦、(+)の側に大きくなった後、徐々に小さくなって、やがて0に近づく経過を辿るものの、ピークの速度は、ノズル3からインク滴が吐出されない程度に抑制されており、前記ノズル3から、インク滴が吐出されるのが防止される。
次に、ノズル3でのインクの体積速度が限りなく0に近づいたt10の時点で、駆動電圧VPを、再びオン(VP=VH)にして、活性領域15を、面方向に収縮させることで、圧電変形領域8を、再び、加圧室2の方向に突出するように撓み変形させる。そうすると、ノズル3内のインクは、インクメニスカスが、加圧室2の側に引き込まれようとするところに、圧電変形領域8を撓み変形させて、加圧室2の容積を減少させることによって、前記加圧室2から押し出されたインクの圧力が加わることになるため、インクの振動が減速されて、t10の時点以降、前記振動が徐々に減衰されて、やがて静止状態に落ち着く。
前記非吐出の昇圧波形のうち、tの時点で駆動電圧Vをオンにした後、tの時点でオフにするまでの間のパルス幅Tは、前記tの時点で駆動電圧Vをオンにした際に発生する、インクの、吐出方向への振動を、より効率よく抑制するため、前記インクの、体積速度の固有振動周期Tの半周期の、さらに半分以下、すなわちT /4以下である必要があり、特に1/3以下、すなわちT /3以下であるのが好ましい。
また、tの時点で駆動電圧Vをオフにした後、t10の時点でオンにするまでの間のパルス幅Tは、その後のインクの振動を、より効率よく減衰させるため、非吐出の昇圧波形のパルス幅T、Tの合計、つまりT+Tが、前記体積速度の固有振動周期Tの2/3以上で、かつ、ほぼ半周期分以内、つまりT /2以下の範囲に相当するように、設定す
図1を参照して、非吐出の昇圧波形を印加した後、制御手段14は、次の駆動周期P4の間、圧電変形領域8に印加する駆動電圧VPをオン(VP=VH)状態に維持して、活性領域15を、面方向に収縮させつつけることで、前記圧電変形領域8を撓み変形させた状態を維持する。
これにより、前記待機状態の間に、インクの振動を完全に減衰させて、前記インクを、静止状態として、次の駆動周期P5において、圧電変形領域8を駆動させて、ノズル3からインク滴を吐出させることができる。そのため、インクの状態を常に安定させて、ノズル3から吐出されるインク滴の形状、サイズ、および速度がばらつくのを防止して、形成画像の画質を、さらに向上させることが可能となる。
図3は、本発明の駆動方法の、実施の形態の他の例において、図5の液体吐出装置1の、1つの圧電アクチュエータ7上の、個々の圧電変形領域8に、個別に印加されて、各圧電変形領域8を、個別に駆動制御するための、駆動電圧VPの波形を示すグラフである。また、図4は、図3の駆動電圧VPの波形の、要部を拡大したグラフである。
図3、図4を参照して、この例では、制御手段14が、2つ以上の、複数の駆動周期に跨って、比較的、長期間に亘って駆動されない圧電変形領域8〔図3の圧電変形領域8(2)、8(3)〕を、その間、静止状態に維持させると共に、実際に駆動させる駆動周期P5に2つ先立つ駆動周期P3において、前記静止状態から、非吐出の昇圧波形を経由して待機状態に移行させるまでの経過は、先の、図1の例と同様である。非吐出の昇圧波形自体も同じである。
図の例の駆動方法の、先の例との相違点は、制御手段14が、待機状態の期間中、つまり、非吐出の昇圧波形の印加による昇圧が終了したt10の時点から、圧電変形領域8の駆動が開始されるt1の時点までの間、駆動回路13を駆動制御して、前記圧電変形領域8に印加する駆動電圧VPを、駆動電圧VPがオン状態の時間の総和TONと、オフ状態の時間の総和TOFFとが、TOFF≧TONとなるように、前記待機状態において、ノズル3からインク滴が吐出されない周期で、少なくとも1回、繰り返し、オン−オフさせる点にある。
これにより、前記待機状態の間に、ノズル3からインク滴が吐出されるのを防止しながら、圧電セラミック層6の非活性領域16がクリープ変形するのを抑制することで、圧電変形領域8の、厚み方向の変位量の差が徐々に小さくなるのを防止して、インク滴の吐出性能を、長期間に亘って、良好なレベルに維持すると共に、圧電アクチュエータ7の消費電力を低減する効果を、さらに向上させることができる。
図4を参照して、待機状態においてオン−オフされる駆動電圧VPの、オン時のパルスのパルス幅T5と、オフ時のパルスのパルス幅T6は、ノズル3からインク滴を吐出させないために、共に、インクの、体積速度の固有振動周期T1の半周期の、さらに半分以下、特に1/3以下、より望ましくは1/4以下、さらには1/6以下に設定するのが好ましい。
また、両パルスは、先に説明したように、駆動電圧VPがオン状態の時間の総和TONと、オフ状態の時間の総和TOFFとが、TOFF≧TONとなるように、そのパルス幅T5、T6と、パルス数とが設定されるのが好ましい。詳しくは、オン時のパルスのパルス数をnとすると、オフ時のパルス数はn−1に規定されることから、先に説明したように、両パルス幅T5、T6が、共に固有振動周期T1の半周期の、さらに半分以下、特に1/3以下、より望ましくは1/4以下、さらには1/6以下で、かつ、下記の各式を満足するように、パルス幅とパルス数とを設定すればよい。
OFF≧TON
ON=n×T5
OFF=(n−1)×T6
本発明の構成は、以上で説明した各図の例に限定されるものではない。例えば、本発明の駆動方法が適用される液体吐出装置は、圧電インクジェットヘッドには限定されず、ポンプその他にも適用することができる。
図1は、本発明の駆動方法の、実施の形態の一例において、図5の液体吐出装置の、1つの圧電アクチュエータ上の、個々の圧電変形領域に、個別に印加されて、各圧電変形領域を、個別に駆動制御するための、駆動電圧VPの波形を示すグラフである。 図2は、前記非吐出の昇圧波形と、圧電変形領域に、前記昇圧波形が印加された際の、ノズル内における、インクの体積速度の変化との関係を簡略化して示すグラフである。 図3は、本発明の駆動方法の、実施の形態の他の例において、図5の液体吐出装置の、1つの圧電アクチュエータ上の、個々の圧電変形領域に、個別に印加されて、各圧電変形領域を、個別に駆動制御するための、駆動電圧VPの波形を示すグラフである。 図4は、図3の駆動電圧VPの波形の、要部を拡大したグラフである。 図5は、オンデマンド型のインクジェットプリンタにおいて、圧電インクジェットヘッドとして用いられる液体吐出装置の一例を示す断面図である。 図6は、前記液体吐出装置の一例の、要部を拡大した断面図である。 図7は、図5の液体吐出装置を、引き打ち式の駆動方法によって駆動する際に、圧電変形領域に印加される駆動電圧VPの駆動電圧波形の一例と、この駆動電圧波形が印加された際の、ノズル内における、インクの体積速度の変化との関係を簡略化して示すグラフである。 図8は、図5の液体吐出装置の、1つの圧電アクチュエータ上の、個々の圧電変形領域に、個別に、駆動電圧VPを印加して、各圧電変形領域を、個別に駆動制御する駆動方法の一例を示すグラフである。
符号の説明
1 液体吐出装置
2 加圧室
3 ノズル
4 液滴吐出部
5 基板
6 圧電セラミック層
7 圧電アクチュエータ
8 圧電変形領域
9 拘束領域
10 個別電極
11 共通電極
12 振動板
13 駆動回路
14 制御手段
15 活性領域
16 非活性領域
P 駆動電圧

Claims (4)

  1. (A) 液体が充てんされる加圧室と、前記加圧室と連通して配設され、前記加圧室内の液体が、液滴として吐出されるノズルとを有する複数の液滴吐出部と、
    (B) 前記複数の液滴吐出部の、複数の前記加圧室を覆う大きさを有する圧電セラミック層を含むと共に、駆動電圧が個別にオン−オフされることによって、個々の前記加圧室に対応して個別に変形される複数の圧電変形領域を備える圧電アクチュエータと、
    を有する液体吐出装置の、前記圧電アクチュエータの任意の圧電変形領域に、駆動電圧をオンにした待機状態から、液滴を吐出させる直前に、一旦、オフにした後、再びオンにする駆動電圧波形を印加して、対応する前記液滴吐出部の前記加圧室の容積を変化させて、連通する前記ノズルを通して液滴を吐出させると共に、それ以外の他の前記圧電変形領域は、駆動電圧をオフに保持した静止状態を維持し、液滴を吐出させる際には、前記ノズルの先端における液体の固有振動周期をT とするとき、駆動電圧をオンにしてからT /4以内でオフにした後、前記駆動電圧をオンにしてからT /2以内に再びオンにする、非吐出の昇圧波形を経由することで、途中で液滴を吐出させることなしに、前記静止状態から、駆動電圧をオンにした待機状態に移行させることを特徴とする液体吐出装置の駆動方法。
  2. 前記非吐出の昇圧波形を経由して駆動電圧をオンにした後、液滴を吐出させるのに先立って、前記非吐出の昇圧波形の印加によって発生した液体の振動を減衰させるために、一定時間、駆動電圧をオンにした待機状態を維持する請求項1記載の液体吐出装置の駆動方法。
  3. 前記非吐出の昇圧波形を経由して駆動電圧をオンにした後から、液滴を吐出させる際に駆動電圧をオフにするまでの、待機状態の期間中の、駆動電圧がオン状態の時間の総和TONと、オフ状態の時間の総和TOFFとが、TOFF≧TONとなるように、前記待機状態において、ノズルから液滴が吐出されない周期で、少なくとも1回、駆動電圧のオン−オフを繰り返す請求項2記載の液体吐出装置の駆動方法。
  4. (A) 液体が充てんされる加圧室と、前記加圧室と連通して配設され、加圧室内の液体が、液滴として吐出されるノズルとを有する複数の液滴吐出部と、
    (B) 前記複数の液滴吐出部の、複数の加圧室を覆う大きさを有する圧電セラミック層を含むと共に、駆動電圧が個別にオン−オフされることによって、個々の加圧室に対応して個別に変形される複数の圧電変形領域を備える圧電アクチュエータと、
    (C) 前記圧電アクチュエータの複数の圧電変形領域に駆動電圧を印加するための駆動回路と、
    (D) 前記複数の圧電変形領域を、請求項1〜3のいずれかに記載の駆動方法で駆動させるために、前記駆動回路から出力される駆動電圧波形をオン−オフで制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする液体吐出装置。
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