JP3797161B2 - インクジェット式プリンタのヘッド駆動装置及び駆動方法 - Google Patents

インクジェット式プリンタのヘッド駆動装置及び駆動方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット式プリンタのヘッドにてインク滴を吐出するためのノズルに対応して設けられた圧電素子の放電を低減するようにしたインクジェット式プリンタのヘッド駆動の技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンピュータの出力装置として、数色のインクを記録ヘッドから吐出するタイプのインクジェット式カラープリンタが普及してきており、コンピュータ等が処理した画像を多色多階調で印刷するために広く用いられている。
【0003】
例えば、インク吐出のための駆動素子として圧電素子を用いたインクジェット式プリンタでは、印刷ヘッドの複数のノズルに対応してそれぞれ設けられた複数個の圧電素子を選択的に駆動することにより、各圧電素子の動圧に基づいてノズルからインク滴を吐出させ、印刷用紙にインク滴を付着させることにより、印刷用紙にドットを形成して、印刷を行なうようにしている。
【0004】
ここで、各圧電素子は、インク滴を吐出するためのノズルに対応して設けられており、印刷ヘッド内に実装されたドライバIC(ヘッド駆動回路)から供給される駆動信号により駆動され、インク滴を吐出させるようになっている。
【0005】
ところで、このような圧電素子は、非駆動時(すなわち印刷を行なわないとき)には、充電により蓄積された電荷が、絶縁抵抗により放電して、その電圧が低下してしまうことにより、インクの吐出に影響を与えることがある。
【0006】
このため、本出願人による特許第3097155号において、圧電素子に対して、駆動タイミングとは異なるタイミングで、充電電圧を印加して、充電電圧を維持するようにしたヘッドの駆動装置及び駆動方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなインクジェット式プリンタのヘッド駆動においては、各圧電素子に印加される駆動信号は、直流信号であって、非駆動時に高い電圧に設定され、駆動時には電圧が低くなるように構成されている。このため、消費電力が大きくなると共に、圧電素子に印加される電圧が比較的高くなってしまうために前述した放電による電圧降下も大きく、電力損失が大きい。
【0008】
また、印刷品質の向上のために、印刷ドットの高密度化を実現しようとすると、互いに隣接する圧電素子の電極間のギャップが狭くなるが、駆動される圧電素子と非駆動の圧電素子とが隣接している場合に、これらの圧電素子の電極間電圧が高くなると、これらの圧電素子の電極間で放電が発生することがある。
【0009】
さらに、高密度化により個々の圧電素子が小さくなって、その耐圧が低くなるため、より高密度化が進んだ場合には、駆動信号の最大電圧が圧電素子の耐圧を越えることになり、圧電素子が正常に動作しなくなるおそれがある。
【0010】
このため、圧電素子の電極間に、絶縁材料を充填する等の絶縁処理が必要になってしまう。
【0011】
これに対して、各圧電素子のグランド側を駆動信号の中間電位に保持するようにするヘッド駆動方式もある。このようなヘッド駆動方式によれば、上述した高密度化の際の圧電素子電極間の放電を防止することができるが、駆動信号の変動に対応して、電圧を変動させると共に、充電及び放電の切換えが必要であることから、双方向の可変電源が必要となる。
【0012】
さらに、このような電源は、プリンタ本体の制御部における所謂ロジック電源を利用していることから、回路構成が複雑となり、コストが高くなってしまう。
【0013】
また、前述したような電圧降下が発生した場合、充電電圧が急激に圧電素子に対して印加されると、場合によっては圧電素子が駆動されることになり、誤動作の発生、即ち誤ってインク滴が吐出してしまうおそれがあった。従って、駆動波形COMを決定する場合に、チャージ信号を入れるタイミングを考慮する必要があり、駆動波形を決定する際の制約となってしまう。
【0014】
そこで、本発明の課題は、簡単な構成により、各圧電素子の誤動作の発生を排除しながら、各圧電素子の放電による電圧降下を低減させるようにした、インクジェット式プリンタのヘッド駆動装置及びヘッド駆動方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、各圧電素子のグランド側の電極に、ヘッド駆動電源を利用したバイアス電源回路により、各圧電素子のグランド側にバイアス電圧を印加して、グランド電位より高いバイアス電位に保持するようにした。
【0016】
即ち、請求項1記載のインクジェット式プリンタのヘッド駆動装置では、複数のノズルに対応してそれぞれ設けられたインクに圧力を加える圧電素子を、当該圧電素子の一方の電極に所定の印字タイミングで選択的にヘッド駆動回路からの駆動信号を供給することにより駆動し、対応するノズルからインク滴を吐出させて記録を行なう、インクジェット式プリンタのヘッド駆動装置であって、前記圧電素子中の非駆動の圧電素子の一方の前記電極は、前記駆動信号の中間電位に保持され、各圧電素子の他方の電極に、電極間の電位差を中間電位より低くするための所定のバイアス電圧を印加するバイアス電源回路を備えており、上記バイアス電源回路が、ヘッド駆動電源を利用して前記バイアス電圧を生成することを特徴とする。
【0017】
また、請求項5記載のインクジェット式プリンタのヘッド駆動方法では、複数のノズルに対応してそれぞれ設けられたインクに圧力を加える圧電素子を、当該圧電素子の一方の電極に所定の印字タイミングで選択的にヘッド駆動回路からの駆動信号を供給するにより駆動し、対応するノズルからインク滴を吐出させて記録を行なう、インクジェット式プリンタのヘッド駆動方法であって、前記圧電素子中の非駆動の圧電素子の一方の前記電極は、前記駆動信号の中間電位に保持され、ヘッド駆動電源を利用してバイアス電圧を生成するバイアス電源回路により、各圧電素子の他方の電極に、電極間の電位差を中間電位より低くするための所定のバイアス電圧を印加することを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、ヘッド駆動電源を利用してバイアス電源回路から供給されるバイアス電圧を、圧電素子のグランド側の電極に印加することにより、圧電素子のグランド側がバイアス電圧に保持されることになる。
【0019】
また、圧電素子の自然放電が発生したとしても、圧電素子のグランド側の電極にはバイアス電源回路から常に所定のバイアス電圧が印加されていることから、自然放電の際のリーク電流が少なくなり、電圧降下が低減されるので、従来のような圧電素子の放電による電圧降下に対する充電電圧の印加の際の急激な電圧変動が緩和され、圧電素子の誤動作の発生を排除することができると共に、駆動波形を決定する際に、チャージ信号を入れるタイミングを考慮する必要がないので、駆動波形を決定する際の制約がなくなる。
【0020】
請求項2記載のヘッド駆動装置においては、上記バイアス電源回路が、各圧電素子のグランド側の電極に接続されたコンデンサと、ヘッド駆動電源を利用して上記コンデンサにバイアス電圧を印加する定電圧回路と、を備えていることを特徴とする。
【0021】
請求項6記載のヘッド駆動方法においては、上記バイアス電源回路が、各圧電素子のグランド側の電極に接続されたコンデンサと、ヘッド駆動電源を利用して上記コンデンサにバイアス電圧を印加する定電圧回路と、を備えていることを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、圧電素子のグランド側の電極に接続されたコンデンサが、定電圧回路からのバイアス電圧により充電されるので、圧電素子のグランド側の電極がコンデンサからのバイアス電圧に保持されることになる。
【0023】
請求項3記載のヘッド駆動装置においては、上記定電圧回路が、ヘッド駆動電源に対して電流制限抵抗を介して接続されたツェナーダイオードから構成されており、ツェナーダイオードの電圧がバイアス電圧としてカップリング素子を介してコンデンサに印加されることを特徴とする。
【0024】
請求項7記載のヘッド駆動方法においては、上記定電圧回路が、ヘッド駆動電源に対して電流制限抵抗を介して接続されたツェナーダイオードから構成されており、ツェナーダイオードの電圧がバイアス電圧としてカップリング素子を介してコンデンサに印加されることを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、圧電素子のグランド側の電極に接続されたコンデンサが、定電圧回路のツェナーダイオードの電圧によりカップリング素子を介して充電されることにより、コンデンサが安定したバイアス電圧により充電されることになると共に、圧電素子のグランド側の電極からの放電がツェナーダイオードに流れることがカップリング素子によって阻止される。
【0026】
請求項4記載のヘッド駆動装置においては、上記定電圧回路が、電流制限抵抗に対して並列に、且つヘッド駆動電源側に電流を流すように接続された放電用ダイオードを備えていることを特徴とする。
【0027】
請求項8記載のヘッド駆動方法においては、上記定電圧回路が、電流制限抵抗に対して並列に、且つヘッド駆動電源側に電流を流すように接続された放電用ダイオードを備えていることを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、ヘッド駆動電源が電源オフ等により0Vに低下する場合、コンデンサに充電された電荷が、電流制限抵抗をバイパスして、当該放電用ダイオードを介して放電されることにより、コンデンサが短時間で放電され得ることになる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明の実施の形態に係るヘッド駆動装置について説明する。尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。図1は、本発明によるヘッド駆動装置の一実施形態の構成を示している。
【0030】
図1において、ヘッド駆動装置10は、インクジェットプリンタの複数のノズルに対応してそれぞれ設けられた圧電素子11と、各圧電素子11の一方の電極11aに対して駆動信号を供給するためヘッド駆動回路12と、このヘッド駆動回路12と各圧電素子11との間に設けられた電流増幅回路13及びスイッチ回路14と、圧電素子11の他方のグランド側の電極11bに対して所定のバイアス電圧を印加するバイアス電源回路20と、から構成されている。
【0031】
ここで、図1においては、圧電素子11は一つのみが示されているが、実際には、インクジェット式プリンタのヘッドには、複数個のノズルが設けられており、各ノズルに対してそれぞれ一つの圧電素子が備えられている。そして、各圧電素子11に対して、ヘッド駆動回路12からの駆動信号COMは、実際にはシフトレジスタ等を介して、順次に出力されるようになっている。
【0032】
圧電素子11は、例えばピエゾ素子であって、双方の電極11a,11b間に印加される電圧により変位するように構成されている。そして、圧電素子11は、例えば中間電位V0付近に充電されており、ヘッド駆動回路12からの駆動信号COMに基づいて放電する際に対応するノズル内のインクに圧力を加えることにより、このノズルからインク滴を吐出するように構成されている。
【0033】
ヘッド駆動回路12は、ドライバICとして構成されており、インクジェットプリンタのヘッドへの駆動信号COMを発生させるものであり、例えばプリンタ本体内に配置されている。
【0034】
電流増幅回路13は、二つのトランジスタ15,16から構成されている。このうち、第一のトランジスタ15は、コレクタが定電圧電源17に接続され、ベースがヘッド駆動回路12の出力に接続されると共に、エミッタがスイッチ回路14の入力側に接続されている。これにより、ヘッド駆動回路12からの信号に基づいて導通して、定電圧をスイッチ回路14を介して圧電素子11に供給する。ここで、上記定電圧電源は、例えばDC42Vのヘッド駆動電圧を供給する比較的高電圧の電源である。
【0035】
また、第二のトランジスタ16は、エミッタがスイッチ回路14の入力側に接続され、ベースがヘッド駆動回路12の出力に接続されると共に、コレクタがグランドにアース接続されている。これにより、ヘッド駆動回路12からの信号に基づいて導通して、圧電素子11をスイッチ回路14を介して放電させ、その放電電荷をグランドに逃がすようになっている。
【0036】
スイッチ回路14は、アナログスイッチ回路であって、制御信号が入力されることにより、対応する圧電素子11の駆動タイミングでオンされ、駆動信号COMを圧電素子11に出力するようになっている。ここで、上記圧電素子11及びスイッチ回路14は、プリンタのヘッド内に設けられており、フレキシブルフラットケーブル18を介して接続されている。
【0037】
上記バイアス電源回路20は、ヘッド駆動電源としての定電圧電源17を利用して、所定電圧、即ち圧電素子11の駆動信号COMによる中間電位V0以下の所定のバイアス電圧Vbを、圧電素子11の他方のグランド側の共通電極11bに印加するように、図1に示すように、コンデンサ21と、定電圧回路22と、から構成されている。
【0038】
上記コンデンサ21は、電解コンデンサであって、その充電電圧をバイアス電圧Vbとして各圧電素子11のグランド側の電極11bに印加するように、一端が圧電素子11のグランド側の共通電極11bに接続されていると共に、他端がグランドにアース接続されている。
【0039】
尚、コンデンサ21の容量は、各圧電素子11に対して安定したバイアス電圧Vbを供給することができるように、すべての圧電素子11の総静電容量(数μF程度)に対して十分大きな容量、例えば数1000μF程度に選定されている。
【0040】
上記定電圧回路22は、上記ヘッド駆動電源としての定電圧電源17を利用してバイアス電圧Vbを生成するように、電流制限抵抗23,ツェナーダイオード24と、カップリング素子としてのカップリング抵抗25と、ノイズ対策用コンデンサ26と、放電用ダイオード27と、から構成されている。
【0041】
電流制限抵抗23及びツェナーダイオード24は、上記定電圧電源17とグランド間にて、互いに直列に接続おり、ツェナーダイオード24の電圧(ツェナーダイオード24のグランドとは反対側の電圧)が所定電圧、例えばDC6Vに保持されるようになっている。ここで、電流制限抵抗23は、例えば数kΩ程度のものが使用される。
【0042】
上記カップリング抵抗25は、ツェナーダイオード24の電圧をコンデンサ21に印加すると共に、コンデンサ21の放電電圧がツェナーダイオード24に印加されないように、回路を分断するためのものであり、例えば数十Ω〜数kΩ程度のものが使用される。
【0043】
上記ノイズ対策用コンデンサ26は、ツェナーダイオード24の電圧に含まれるノイズ成分を吸収除去するためのものであり、省略されてもよい。
【0044】
上記放電用ダイオード27は、定電圧電源17の電源オフ等により0Vに低下する場合に、コンデンサ21に充電された電荷を、電流制限抵抗23をバイパスさせて、迅速に放電させるためのものであり、同様に省略されてもよい。
【0045】
本発明実施形態によるヘッド駆動装置10は、以上のように構成されており、本発明によるヘッド駆動方法に基づいて、以下のように動作する。先ず、印刷の際に駆動される圧電素子11について説明すると、インクジェットプリンタの印刷開始(スタートアップ)時に、ヘッド駆動回路12からの駆動信号COMは、図2(A)に示すように、例えば100μsの時間だけチャージ信号NCHGがLレベルに反転することによって、中間電位Vcまで上昇する。
【0046】
これにより、駆動信号COMにより電流増幅回路13の第一のトランジスタ15からスイッチ回路14を介して各圧電素子11の一方の電極11aに電流が流れて充電することにより、圧電素子11の一方の電極11aは、図2(B)にて実線で示すように、中間電位Vcまで上昇することになる。
【0047】
このとき、各圧電素子11の他方のグランド側の共通電極11bは、バイアス電源回路20のコンデンサ21の充電電圧がバイアス電圧Vbとして印加されることにより、図2(B)にて点線で示すように、所定電圧Vbに保持されている。
【0048】
ここで、圧電素子11のグランド側の電極11bの電位は、所定電圧Vbに保持されているので、印刷開始時には、圧電素子11の双方の電極11a,11b間の電位差は、Vbであるが、この電位差Vbは、駆動信号COMの中間電位Vcより低いので、圧電素子11が誤動作してインク滴を吐出してしまうようなことはない。
【0049】
そして、印刷中は、駆動信号COMの変動に基づいて、駆動信号COMが中間電位Vcより高い場合には、電流増幅回路13の第一のトランジスタ15を介して圧電素子11の一方の電極11aの充電が行なわれ、また駆動信号COMが中間電位Vcより低い場合には、電流増幅回路13の第二のトランジスタ16を介して圧電素子11の一方の電極11aの放電が行なわれる。これにより、圧電素子11が駆動信号COMに基づいて作動して、インク滴を吐出する。
【0050】
ここで、図2(B)にて符号Xで示すように、圧電素子11が途中で自己放電により電圧降下を生じて、その一方の電極11aの電位が中間電位Vcより低くなることを防止するために、チャージ信号NCHGは、図3(C)にて符号Yで示すように、駆動信号COMの一定周期で、即ち駆動信号COMの変動のないタイミングで、Lレベルのパルスを発生する。
【0051】
これにより、ヘッド駆動回路12からの駆動信号COMに基づいて、電流増幅回路13の第一のトランジスタ15を介して圧電素子11の一方の電極11aが充電され、非駆動の圧電素子11であっても、中間電位Vcに保持されるようになっている。尚、この際、圧電素子11の自然放電による電圧降下が低減されているので、チャージ信号NCHGによる圧電素子11の急激な充電が回避されることになり、圧電素子11の誤動作が発生するようなことはない。
【0052】
これに対して、各圧電素子11の他方のグランド側の共通電極11bは、バイアス電源回路20からバイアス電圧Vbが印加されることにより、この電圧Vbに保持されることになる。従って、各圧電素子11は、その双方の電極11a,11b間の電位差が(Vc−Vb)となる。
【0053】
さらに、印刷終了(ストップエンド)時には、ヘッド駆動回路12からの駆動信号COMは、図2(A)に示すように、圧電素子11の一方の電極11aから電流増幅回路13の第二のトランジスタ16を介して放電されることにより、電位0まで低下する。これに対して、非駆動の圧電素子11については、ヘッド駆動回路12からの駆動信号COMによって、圧電素子11の一方の電極11aは、常に中間電位Vcに充電され、保持されている。
【0054】
このようにして、各圧電素子11のグランド側の電極11bの電位は、バイアス電源回路20からのバイアス電圧Vbにより、一定の電圧Vbに保持されるので、圧電素子11の双方の電極11a,11b間の電位差が低く保持されると共に、駆動される圧電素子と非駆動の圧電素子が隣接する場合、これらの圧電素子11の一方の電極11a間の電圧差も低く保持されることになる。従って、圧電素子11における消費電力が低減されると共に、圧電素子11の自己放電による電圧降下が小さく、電力損失が低減されることになる。
【0055】
また、駆動される圧電素子11と非駆動の圧電素子11との間の電位差が低くなるので、このような圧電素子11が隣接する場合であっても、圧電素子11間の放電の発生が低減されると共に、高密度化によって個々の圧電素子11の耐圧が低くなったとしても、圧電素子11間の絶縁処理を行なう必要がないので、ヘッドの高密度化を容易に実現することが可能になる。
【0056】
さらに、定電圧電源17が電源オフ等により0Vに低下する場合、バイアス電源回路20のコンデンサ21を放電させる必要があるが、コンデンサ21に充電された電荷は、定電圧回路22の電流制限抵抗23をバイパスして、放電用ダイオード27を介して放電されるので、短時間で放電が行なわれることになる。
【0057】
また、バイアス電源回路20は、ヘッド駆動電源としての定電圧電源17を利用して、バイアス電圧Vbを生成している。従って、従来のような例えばロジック電源を利用した複雑な構成の電源回路を必要とせず、バイアス電源回路20自体がコンデンサ21と、例えば電流制限抵抗23,ツェナーダイオード24及びカップリング素子としてのカップリング抵抗25から成る定電圧回路22により構成されているので、バイアス電源回路20が低コストで得られる。このようにして、ヘッド駆動装置10全体のコストが低減され得ることになる。
【0058】
上述した実施形態においては、圧電素子11として例えばピエゾ素子が使用されているが、これに限らず、他の圧電素子、例えば電歪素子,磁歪素子等を使用してもよい。
【0059】
また、上述した実施形態においては、バイアス電源回路20のカップリング素子としてカップリング抵抗25が使用されているが、これに限らず、例えばコイル等のカップリング素子が使用されてもよいことは明らかである。
【0060】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、ヘッド駆動電源を利用してバイアス電源回路から供給されるバイアス電圧を、圧電素子のグランド側の電極に印加することにより、圧電素子のグランド側がバイアス電圧に保持されることになる。従って、圧電素子の双方の電極間に印加される電圧が比較的低くなることから、消費電力が低減されると共に、電力損失が低減される。
【0061】
また、圧電素子の自然放電が発生したとしても、圧電素子のグランド側の電極にはバイアス電源回路から常に所定のバイアス電圧が印加されていることから、自然放電の際のリーク電流が少なくなり、電圧降下が低減されるので、従来のような圧電素子の放電による電圧降下に対する充電電圧の印加の際の急激な電圧変動が緩和され、圧電素子の誤動作の発生を排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるヘッド駆動装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のヘッド駆動装置における(A)駆動信号,(B)圧電素子の双方の電極電圧及び(C)チャージ信号の変動を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10 ヘッド駆動装置
11 圧電素子
11a 一方の電極
11b グランド側の電極
12 ヘッド駆動回路
13 電流増幅回路
14 スイッチ回路
15 第一のトランジスタ
16 第二のトランジスタ
17 定電圧電源(ヘッド駆動電源)
18 フレキシブルフラットケーブル
20 バイアス電源回路
21 コンデンサ
22 定電圧回路
23 電流制限抵抗
24 ツェナーダイオード
25 カップリング抵抗
26 ノイズ対策用コンデンサ
27 放電用ダイオード

Claims (8)

  1. 複数のノズルに対応してそれぞれ設けられたインクに圧力を加える圧電素子を、当該圧電素子の一方の電極に所定の印字タイミングで選択的にヘッド駆動回路からの駆動信号を供給することにより駆動し、対応するノズルからインク滴を吐出させて記録を行なう、インクジェット式プリンタのヘッド駆動装置であって、
    前記圧電素子中の非駆動の圧電素子の一方の前記電極は、前記駆動信号の中間電位に保持され、
    各圧電素子の他方の電極に、電極間の電位差を中間電位より低くするための所定のバイアス電圧を印加するバイアス電源回路を備えており、
    上記バイアス電源回路が、ヘッド駆動電源を利用して前記バイアス電圧を生成することを特徴とする、インクジェット式プリンタのヘッド駆動装置。
  2. 上記バイアス電源回路が、各圧電素子のグランド側の電極に接続されたコンデンサと、ヘッド駆動電源を利用して上記コンデンサにバイアス電圧を印加する定電圧回路と、を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット式プリンタのヘッド駆動装置。
  3. 上記定電圧回路が、ヘッド駆動電源に対して電流制限抵抗を介して接続されたツェナーダイオードから構成されており、
    ツェナーダイオードの電圧がバイアス電圧としてカップリング素子を介してコンデンサに印加されることを特徴とする、請求項2に記載のインクジェット式プリンタのヘッド駆動装置。
  4. 上記定電圧回路が、電流制限抵抗に対して並列に、且つヘッド駆動電源側に電流を流すように接続された放電用ダイオードを備えていることを特徴とする、請求項3に記載のインクジェット式プリンタのヘッド駆動装置。
  5. 複数のノズルに対応してそれぞれ設けられたインクに圧力を加える圧電素子を、当該圧電素子の一方の電極に所定の印字タイミングで選択的にヘッド駆動回路からの駆動信号を供給するにより駆動し、対応するノズルからインク滴を吐出させて記録を行なう、インクジェット式プリンタのヘッド駆動方法であって、
    前記圧電素子中の非駆動の圧電素子の一方の前記電極は、前記駆動信号の中間電位に保持され、
    ヘッド駆動電源を利用してバイアス電圧を生成するバイアス電源回路により、各圧電素子の他方の電極に、電極間の電位差を中間電位より低くするための所定のバイアス電圧を印加することを特徴とする、インクジェット式プリンタのヘッド駆動方法。
  6. 上記バイアス電源回路が、各圧電素子のグランド側の電極に接続されたコンデンサと、ヘッド駆動電源を利用して上記コンデンサにバイアス電圧を印加する定電圧回路と、を備えていることを特徴とする、請求項5に記載のインクジェット式プリンタのヘッド駆動方法。
  7. 上記定電圧回路が、ヘッド駆動電源に対して電流制限抵抗を介して接続されたツェナーダイオードから構成されており、
    ツェナーダイオードの電圧がバイアス電圧としてカップリング素子を介してコンデンサに印加されることを特徴とする、請求項6に記載のインクジェット式プリンタのヘッド駆動方法。
  8. 上記定電圧回路が、電流制限抵抗に対して並列に、且つヘッド駆動電源側に電流を流すように接続された放電用ダイオードを備えていることを特徴とする、請求項7に記載のインクジェット式プリンタのヘッド駆動方法。
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