JP4102511B2 - インクジェット式記録ヘッドの駆動方法及びインクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッドの駆動方法及びインクジェット式記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板の表面にアクチュエータを設け、このアクチュエータの駆動によって圧力発生室に圧力を付与することによりノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板をアクチュエータにより変形させて、圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドには、例えば、アクチュエータとして圧電素子や静電アクチュエータを用いたものがある。また、圧電素子を用いたインクジェット式記録ヘッドには、圧電素子が軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が実用化されている。
【0003】
前者は圧電素子の端面を振動板に当接させることにより圧力発生室の容積を変化させることができて、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】
これに対して後者は、圧電材料のグリーンシートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作り付けることができるという利点を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のインクジェット式記録ヘッドでは、各製品毎に圧力発生室のヘルムホルツ振動周期Tcのばらつきが有るため、インクの供給の残留振動を十分にうち消すことは困難である。また、インクは低温では粘度が高くなってしまうため、低温ではインクの供給が遅くインク滴量が低下してしまうという問題がある。
【0006】
また、この問題を解消するためにインク粘度を低くすると、高温で残留振動が抑制しきれず吐出が不安定になってしまうという問題がある。
【0007】
さらに、低温ではインク供給不足となるため、例えば、顔料インクや、高濃度の染料を添加して印字濃度を向上させたインク等の粘度の高いインクを利用することができず、インクの選択範囲が制限されてしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑み、低温から高温まで安定した吐出が得られ、粘度の高いインクも使用することのできるインクジェット式記録ヘッドの駆動方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室にインク供給路を介して連通するリザーバと、前記圧力発生室に付設されたアクチュエータとを有し、該アクチュエータを駆動して前記圧力発生室を膨張又は収縮させ、温度の低下に応じて粘度が増加するインクを前記リザーバから前記インク供給路を介して前記圧力発生室に供給すると共に前記ノズル開口から吐出させるインクジェット式記録ヘッドの駆動方法において、前記圧力発生室を収縮させて前記ノズル開口からインクを吐出させる第1の駆動信号を出力する第1の工程と、インク吐出の反動によってメニスカスが振動しているタイミングで実行され、インクの温度が低い場合にそのインク吐出の反動によるメニスカスの振動の向きと同一方向にインクを押し出す若しくは引き込む方向に前記アクチュエータをインクが吐出されない程度にインク吐出後のメニスカス振動の振幅をインク吐出の反動によって発生するメニスカス振動の振幅よりも大きくするように駆動する第2の駆動信号を出力する第2の工程とを具備し、前記第2の駆動信号は、前記第1の駆動信号の電圧とは反対の符号の電圧変化の信号であり、且つ前記第1の駆動信号が出力されている期間と当該信号が出力されている期間との合計の1/2と前記第1の駆動信号と当該信号との間の期間との合計の期間が、実質的に前記圧力発生室のヘルムホルツ振動周期Tcの略(n−0.5)倍(nは自然数)である信号と、前記第1の駆動信号と同一符号の電圧変化であり且つインクが吐出されない程度の電圧変化を生じさせる第1の信号と、前記第1の駆動信号の電圧とは反対の符号の電圧変化を生じさせる第2の信号とを有し、且つ前記第1の駆動信号の出力開始から前記第1の信号の出力開始までの期間が、実質的に前記圧力発生室のヘルムホルツ振動周期Tcの自然数倍であり、前記第1の信号が出力される期間と、前記第2の信号が出力される期間との合計の1/2と、両信号の間の期間との合計の期間が、実質的に前記圧力発生室のヘルムホルツ振動周期Tcの略(n−0.5)倍(nは自然数)である信号とを含むことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの駆動方法にある。
【0010】
かかる第1の態様では、第2の駆動信号によってアクチュエータが駆動されることにより、メニスカス振動の振幅が大きくなるが、その減衰期間が短縮され、吐出特性が安定する。具体的には、メニスカス振動によりインクが引き込まれると共にアクチュエータの駆動によってもインクが引き込まれるため、メニスカス振動が効果的に大きくなり、さらにメニスカス振動によりインクが押し出されると共にアクチュエータの振動によっても押し出されるため、メニスカス振動が効果的に大きくなる。また、メニスカス振動に同期してアクチュエータを駆動させることができ、メニスカス振動の振幅が確実に大きくなる。さらに、インクの温度に応じて、第2の駆動信号が調整されるため、インクの温度に拘わらず吐出特性を安定させることができる。
【0030】
本発明の第の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室にインク供給路を介して連通するリザーバと、前記圧力発生室に付設されたアクチュエータとを有し、該アクチュエータを駆動して前記圧力発生室を膨張又は収縮させ、温度の低下に応じて粘度が増加するインクを前記リザーバから前記インク供給路を介して前記圧力発生室に供給すると共に前記ノズル開口から吐出させるインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置において、前記圧力発生室を収縮させて前記ノズル開口からインクを吐出させる第1の駆動信号を出力する第1の工程と、インク吐出の反動によってメニスカスが振動しているタイミングで実行され、インクの温度が低い場合にそのインク吐出の反動によるメニスカスの振動の向きと同一方向にインクを押し出す若しくは引き込む方向に前記アクチュエータをインクが吐出されない程度にインク吐出後のメニスカス振動の振幅をインク吐出の反動によって発生するメニスカス振動の振幅よりも大きくするように駆動する第2の駆動信号を出力する第2の工程とを有する駆動信号を前記アクチュエータに出力する手段を具備し、前記第2の駆動信号は、前記第1の駆動信号の電圧とは反対の符号の電圧変化の信号であり、且つ前記第1の駆動信号が出力されている期間と当該信号が出力されている期間との合計の1/2と前記第1の駆動信号と当該信号との間の期間との合計の期間が、実質的に前記圧力発生室のヘルムホルツ振動周期Tcの略(n−0.5)倍(nは自然数)である信号と、前記第1の駆動信号と同一符号の電圧変化であり且つインクが吐出されない程度の電圧変化を生じさせる第1の信号と、前記第1の駆動信号の電圧とは反対の符号の電圧変化を生じさせる第2の信号とを有し、且つ前記第1の駆動信号の出力開始から前記第1の信号の出力開始までの期間が、実質的に前記圧力発生室のヘルムホルツ振動周期Tcの自然数倍であり、前記第1の信号が出力される期間と、前記第2の信号が出力される期間との合計の1/2と、両信号の間の期間との合計の期間が、実質的に前記圧力発生室のヘルムホルツ振動周期Tcの略(n−0.5)倍(nは自然数)である信号とを含むことを特徴とするインクジェット式記録装置にある。
かかる第の態様では、第2の工程を構成する駆動信号によってアクチュエータが駆動されることにより、メニスカス振動の振幅が大きくなるが、その減衰期間が短縮され、吐出特性が安定する。具体的には、メニスカス振動によりインクが引き込まれると共にアクチュエータの駆動によってもインクが引き込まれるため、メニスカス振動が効果的に大きくなり、さらにメニスカス振動によりインクが押し出されると共にアクチュエータの振動によっても押し出されるため、メニスカス振動が効果的に大きくなる。また、メニスカス振動に同期してアクチュエータを駆動させることができ、メニスカス振動の振幅が確実に大きくなる。さらに、インクの温度に応じて、第2の駆動信号が調整されるため、インクの温度に拘わらず吐出特性を安定させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0032】
(実施形態1)
図1には、本実施形態のインクジェット式記録装置の概略構成を示す。図1に示すように、インクジェット式記録装置は、プリンタコントローラ101とプリントエンジン102とから概略構成してある。
【0033】
プリンタコントローラ101は、外部インターフェース103(以下、外部I/F103という)と、各種データを一時的に記憶するRAM104と、制御プログラム等を記憶したROM105と、CPU等を含んで構成した制御部106と、クロック信号を発生する発振回路107と、インクジェット式記録ヘッド108へ供給するための駆動信号を発生する駆動信号発生回路109と、駆動信号や印刷データに基づいて展開されたドットパターンデータ(ビットマップデータ)等をプリントエンジン102に送信する内部インターフェース110(以下、内部I/F110という)とを備えている。
【0034】
外部I/F103は、例えば、キャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータ等によって構成される印刷データを、図示しないホストコンピュータ等から受信する。また、この外部I/F103を通じてビジー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)が、ホストコンピュータ等に対して出力される。
【0035】
RAM104は、受信バッファ111、中間バッファ112、出力バッファ113、及び、図示しないワークメモリとして機能する。そして、受信バッファ111は外部I/F103によって受信された印刷データを一時的に記憶し、中間バッファ112は制御部106が変換した中間コードデータを記憶し、出力バッファ113はドットパターンデータを記憶する。なお、このドットパターンデータは、階調データをデコード(翻訳)することにより得られる印字データによって構成してある。なお、後述するように、本実施形態における印字データは4ビットの信号により構成してある。
【0036】
また、ROM105には、各種データ処理を行わせるための制御プログラム(制御ルーチン)の他に、フォントデータ、グラフィック関数等を記憶させてある。
【0037】
制御部106は、受信バッファ111内の印刷データを読み出すと共に、この印刷データを変換して得た中間コードデータを中間バッファ112に記憶させる。また、中間バッファ112から読み出した中間コードデータを解析し、ROM105に記憶させているフォントデータ及びグラフィック関数等を参照して、中間コードデータをドットパターンデータに展開する。そして、制御部106は、必要な装飾処理を施した後に、この展開したドットパターンデータを出力バッファ113に記憶させる。
【0038】
そして、インクジェット式記録ヘッド108の1行分に相当するドットパターンデータが得られたならば、この1行分のドットパターンデータは、内部I/F110を通じてインクジェット式記録ヘッド108に出力される。また、出力バッファ113から1行分のドットパターンデータが出力されると、展開済みの中間コードデータは中間バッファ112から消去され、次の中間コードデータについての展開処理が行われる。
【0039】
プリントエンジン102は、インクジェット式記録ヘッド108と、紙送り機構114と、キャリッジ機構115とを含んで構成してある。
【0040】
紙送り機構114は、紙送りモータと紙送りローラ等から構成してあり、記録紙等の印刷記憶媒体をインクジェット式記録ヘッド108の記録動作に連動させて順次送り出す。即ち、この紙送り機構114は、印刷記憶媒体を副走査方向に相対移動させる。
【0041】
キャリッジ機構115は、インクジェット式記録ヘッド108を搭載可能なキャリッジと、このキャリッジを主走査方向に沿って走行させるキャリッジ駆動部とから構成してあり、キャリッジを走行させることによりインクジェット式記録ヘッド108を主走査方向に移動させる。なお、キャリッジ駆動部は、タイミングベルトを用いたもの等、キャリッジを走行させ得る機構であれば任意の構成を採り得る。
【0042】
インクジェット式記録ヘッド108は、副走査方向に沿って多数のノズル開口を有し、ドットパターンデータ等によって規定されるタイミングで各ノズル開口からインク滴を吐出する。
【0043】
以下、かかるインクジェット式記録ヘッド108について詳細に説明する。まず、要部断面を示す図3を参照して、インクジェット式記録ヘッド108の機械的構成について説明する。
【0044】
図示するように、圧力発生室を形成する基板となるスペーサ1は、例えば、150μm程度の厚みを有するジルコニア(ZrO2)などのセラミックス板で、圧力発生室2となる貫通孔を形成して構成される。
【0045】
スペーサ1の一方面は、例えば、厚さ10μmのジルコニアの薄板からなる弾性板3により封止され、弾性板3の表面には下電極4が形成されている。また、下電極4の上には、圧力発生室2毎に独立して圧電体層5が固定されている。この圧電体層5は、圧電材料からなるグリーンシートを貼付したり、圧電材料をスパッタリングする等の方法により形成される。さらに、各圧電体層5の表面には、それぞれ上電極6が形成されている。従って、下電極4と、各圧力発生室2毎に設けられた圧電体層5上の上電極6との間に、印刷データに基づいて電圧を印加することにより、各圧電体層5は弾性板3と共にたわみ変形する。
【0046】
スペーサ1の他方面は、厚さ150μmのジルコニアの薄板からなるインク供給口形成基板7により封止されている。インク供給口形成基板7は、ノズルプレートのノズル開口と圧力発生室2とを接続するノズル連通孔8と、後述するリザーバ11と圧力発生室2とを接続するインク供給口9を穿設して構成されている。
【0047】
一方、リザーバ形成基板10は、インク流路を構成するのに適した、例えば、150μmのステンレス鋼などの耐食性を備えた板材に、外部のインクタンクからインクの供給を受けて圧力発生室2にインクを供給するリザーバ11と、圧力発生室2と後述するノズル開口13とを連通するノズル連通孔12とを有する。リザーバ形成基板10のスペーサ1の反対側は、圧力発生室2と同一の配列ピッチでノズル開口13が形成されたノズルプレート14により封止されている。
【0048】
ここで、上述したセラミックス製の各部材は積層された後焼結されて一体的に形成されており、リザーバ形成基板10及びノズルプレート14は、接着剤層15及び16を介して固着されている。なお、リザーバ形成基板10及びノズルプレート14もセラミックスとして一体的に形成することもできる。
【0049】
このように形成されたインクジェット式記録ヘッド108は、各圧力発生室2に対向してたわみ振動モードの圧電素子5を有する。また、この圧電素子5には、図示しないフレキシブルケーブルを介して電気信号、例えば、後述する駆動信号(COM)や印字データ(SI)等を供給する。
【0050】
そして、このような構成を有するインクジェット式記録ヘッド108では、充電されることにより圧電素子5が下に凸にたわみ変形して圧力発生室2が収縮する。この収縮に伴って圧力発生室2におけるインク圧力が高くなる。一方、放電することにより圧電素子5のたわみ変形が引き戻され、収縮した圧力発生室2が膨張する。この膨張に伴ってリザーバ11のインクがインク供給口9を通って圧力発生室2内に流入する。このように、圧電素子5を充放電させることにより圧力発生室2の容積が変化するので、各圧電素子5に対して充放電を制御することにより、所望のノズル開口13から所望の大きさのインク滴を吐出させることができる。
【0051】
次に、このインクジェット式記録ヘッド108の電気的構成について説明する。
【0052】
このインクジェット式記録ヘッド108は、図1に示すように、シフトレジスタ141、ラッチ回路142、レベルシフタ143、スイッチ144及び圧電素子5等を備えている。さらに、図2に示すように、これらのシフトレジスタ141、ラッチ回路142、レベルシフタ143、スイッチ144及び圧電素子5は、それぞれ、インクジェット式記録ヘッド108の各ノズル開口13毎に設けたシフトレジスタ素子141A〜141N、ラッチ素子142A〜142N、レベルシフタ素子143A〜143N、スイッチ素子144A〜144N、圧電素子5A〜5Nから構成してあり、シフトレジスタ141、ラッチ回路142、レベルシフタ143、スイッチ144、圧電素子5の順で電気的に接続してある。
【0053】
なお、これらのシフトレジスタ141、ラッチ回路142、レベルシフタ143及びスイッチ144は、駆動信号発生回路109が発生した駆動信号から駆動パルスを生成する。ここで、駆動パルスとは実際に圧電素子5に印加される印加パルスのことであり、そして、駆動信号とは駆動パルスを生成するために必要な元波形により構成される一連のパルス信号(元駆動パルス)のことである。また、スイッチ144はスイッチ手段としても機能する。
【0054】
このような電気的構成を有するプリントヘッド108では、図4に示すように、発振回路107からのクロック信号(CK)に同期して、ドットパターンデータを構成する印字データ(SI)が出力バッファ113からシフトレジスタ141へシリアル伝送され、順次セットされる。この場合、まず、全ノズル開口13の印字データにおける最上位ビットのデータがシリアル伝送され、この最上位ビットのデータシリアル伝送が終了したならば、上位から2番目のビットのデータがシリアル伝送される。以下同様に、下位ビットのデータが順次シリアル伝送される。
【0055】
そして、当該ビットの印字データが全ノズル分シフトレジスタ素子141A〜141Nにセットされたならば、制御部106は、所定のタイミングでラッチ回路142へラッチ信号(LAT)を出力させる。このラッチ信号により、ラッチ回路142は、シフトレジスタ141にセットされた印字データをラッチする。このラッチ回路142がラッチした印字データ(LATout)は、電圧増幅器であるレベルシフタ143に印加される。このレベルシフタ143は、印字データが例えば「1」の場合に、スイッチ144が駆動可能な電圧値、例えば、数十ボルトまでこの印字データを昇圧する。そして、この昇圧された印字データはスイッチ素子144A〜144Nに印加され、スイッチ素子144A〜144Nは、当該印字データにより接続状態になる。
【0056】
そして、各スイッチ素子144A〜144Nには、駆動信号発生回路109が発生した基本駆動信号(COM)も印加されており、スイッチ素子144A〜144Nが接続状態になると、このスイッチ素子144A〜144Nに接続された圧電素子5A〜5Nに駆動信号が印加される。
【0057】
このように、例示したインクジェット式記録ヘッド108では、印字データによって圧電素子5に駆動信号を印加するか否かを制御することができる。例えば、印字データが「1」の期間においてはラッチ信号(LAT)により、スイッチ144が接続状態となるので、駆動信号(COMout)を圧電素子5に供給することができ、この供給された駆動信号(COMout)により圧電素子5が変位(変形)する。また、印字データが「0」の期間においてはスイッチ144が非接続状態となるので、圧電素子5への駆動信号(COMout)の供給は遮断される。なお、この印字データが「0」の期間において、各圧電素子5は直前の電荷を保持するので、直前の変位状態が維持される。
【0058】
ここで、本実施形態の駆動波形について説明する。なお、図5(a)は、実施形態1の駆動信号(COMout)の波形の一例を示す図であり、図5(b)は、この波形に対応するメニスカスの変動を示す図である。
【0059】
図5(a)に示す本実施形態の波形は、ノーマルドットのインク滴を吐出させる駆動波形である。この駆動波形は、両電極間の電圧を最低電圧VL、例えば0Vのままインク滴の吐出のタイミングを図る第1のホールド工程aを有し、次いで、両電極間の電圧を最大電圧VH、例えば30V程度に上げて圧力発生室2を収縮させてインク滴を吐出する第1の収縮工程(第1の駆動信号を出力する第1の工程)bを有し、この直後に、圧力発生室2が最も収縮した状態を保持する第2のホールド工程cを有する。ここで、図5(b)に示すように、実際には、インクが吐出されるタイミングは第1の収縮工程bよりも若干遅れ、第2のホールド工程cにおいて吐出される。そして、インクが吐出されると、その反動によってインクにはメニスカス振動が発生する。
【0060】
本実施形態では、第2のホールド工程cの後にインクのメニスカス振動を大きくするタイミングで第1の膨張工程(第2の駆動信号を出力する第2の工程)dを実行しメニスカス振動の抑制を図っている。すなわち、所定のタイミングで第1の膨張工程dを実行することにより、初めはメニスカス振動の振幅は大きくなるものの、インクの粘性により振動の減衰期間を短くすることができる。また、メニスカスのノズル開口への復帰が速やかに短時間で行われ、安定した吐出特性と必要十分なインク量を得ることができる。
【0061】
ここで、第1の収縮工程bの駆動信号の出力と第1の膨張工程dの駆動信号の出力との間の期間T1、すなわち、本実施形態では、第1の収縮工程bの駆動信号が出力されている期間と第1の膨張工程dの駆動信号が出力されている期間との和の1/2と第2のホールド期間cとの合計の期間T1が、圧力発生室2のヘルムホルツ振動周期Tcの略(n−1/2)倍(nは自然数)であることが好ましい。これにより、メニスカス振動によってインクが引き込まれると共に第1の膨張工程dでの圧電素子の駆動によってインクが引き込まれ、メニスカス振動の振幅が効果的に大きくなりインク供給が加速され、駆動可能な最大周波数が著しく向上する。
【0062】
また、このような効果は、特に低温下での使用等によりインクの粘度が高い場合ほど顕著である。このため、例えば、本実施形態では、インクの温度を検出し、その温度に応じて第1の膨張工程dにおいて駆動電圧の変化の割合を調整することにより、メニスカス振動の振幅の大きさを調整するようにした。これにより、インクの温度変化によるインク吐出特性の変化を防止することができる。
【0063】
ここで、メニスカス振動の振幅の大きさを調整する駆動波形としては、特に限定されないが、例えば、本実施形態では、インクの温度が低い場合には、図5(a)に実線で示すように、第1の膨張工程dの駆動電圧の変化期間を短く、すなわち駆動電圧の変化の割合を大きく調整して、メニスカス振動の振幅を大きくする。そして、インクの温度が高くなるにつれて、図5(a)に点線に示すように、第1の膨張工程dの駆動電圧の変化時間を長く、すなわち駆動電圧の変化の割合を小さく調整して、メニスカス振動の振幅が大きくなる割合を徐々に減少させるようにした。これにより、インクの温度が低い場合には、図5(b)に実線で示すように、メニスカス振動の振幅が大きくなるものの、メニスカス振動の振幅が大きいのでインクは急速に供給される。また、インク粘度が高いため、振動の減衰期間は短くなる。一方、インクの温度が高い場合には、図5(b)に点線で示すように、メニスカス振動が打ち消されて振動が減衰される。この時は、インク粘度が低いため、インクを供給する速度が速い。
【0064】
なお、インクの温度の検出は、インク自体の温度を検出することに限定されず、例えば、インクが収容されたインクカートリッジ又はインクカートリッジを保持したヘッドの温度、あるいはインクカートリッジ近傍の環境温度を検出するようにしてもよい。
【0065】
以上のように、インクのメニスカス振動の振幅を大きくすることにより、メニスカスの復帰時間、つまりインク供給に要する時間が短くなり、インク量を高い周波数で確保しながら安定した吐出特性を得ることができる。特に、インクの粘度が高い場合に効果的であり、従来では使うことのできなかった粘度の高いインクも利用することができ、インクの選択範囲が広がる。さらに、インクの温度に応じて、メニスカス振動の振幅が大きくなる割合を調整するようにすれば、インクの温度に拘わらず、安定した吐出特性を得ることができる。
【0066】
(実施形態2)
図6は、実施形態2に係る駆動波形を示す図である。
【0067】
実施形態1では、第1の膨張工程dの駆動電圧の変化の割合を変化させて、駆動信号が出力されている期間を調整するようにしたが、本実施形態では、図6に示すように、例えば、駆動電圧の変化の割合が実施形態1の第1の膨張工程dと同一である第1の膨張工程d1と、この第1の膨張工程d1よりも駆動電圧の変化の割合が小さい第2の膨張工程d2との2段階として、温度に応じて第2の膨張工程d2の期間を調整するようにした。すなわち、インクの温度が低いほど、第2の膨張工程d2の期間を短くするようにして、第1の膨張工程d1及び第2の膨張工程d2全体で、駆動信号が出力されている期間を調整するようにした以外は、実施形態1と同様である。
【0068】
このような駆動波形では、実施形態1と同様に、インクの温度に拘わらず、吐出特性を安定させることができる。
【0069】
(実施形態3)
図7は、実施形態3に係る駆動波形の一例及びメニスカス振動を示す図である。
【0070】
本実施形態は、インクの温度が低いほどメニスカス振動の振幅が大きくなるようにした他の例である。すなわち、図7(a)に示すように、第2のホールド期間c1を長くして第1の収縮工程bの駆動信号の出力と第1の膨張工程d3の駆動信号の出力との間の期間T1を変化させることにより、メニスカス振動の振幅が大きくなる割合を調整するようにした以外は、実施形態1と同様である。
【0071】
ここで、第1の収縮工程bの駆動信号の出力と第1の膨張工程d3の出力との間の期間T1は、インクの温度が低いほど、圧力発生室2のヘルムホルツ振動周期Tcの(n−1/2)倍(nは自然数)に近いことが好ましく、インクの温度が高いほど、圧力発生室2のヘルムホルツ振動周期Tcの自然数倍に近いことが好ましい。これにより、インクの温度が低い場合には、メニスカス振動の振幅を効果的に大きくすることができ、インクの温度が高い場合には、第1の膨張工程d3の駆動信号による圧電素子の駆動によってインクにメニスカス振動とは反対方向の力が働き、メニスカス振動の振幅が小さくなる。
【0072】
このように、本実施形態では、インクの温度に応じて、第2のホールド工程c1を長くして第1の収縮工程bの出力と第1の膨張工程d3の出力との間の期間T1を調整するようにした。これにより、インクの温度によって、メニスカス振動の波形の位置はずれるものの、実施形態1と同様に、インクの温度の変化に拘わらず吐出特性を安定させることができる。
【0073】
(実施形態4)
図8は、実施形態4に係る駆動波形を示す図である。
【0074】
本実施形態では、第2の駆動信号を出力する第2の工程として、第1の膨張工程dの後に、第3のホールド工程eを介して第2の収縮工程(「第1の信号」に相当)f、第4のホールド工程g及び第2の膨張工程(「第2の信号」に相当)hをさらに実行するようにした以外は、実施形態1と同様である。
【0075】
ここで、第1の収縮工程bの駆動信号の出力と第2の収縮工程fの駆動信号の出力との間の期間T2、すなわち、本実施形態では、第1の収縮工程bの駆動信号の出力が開始されてから第2の収縮工程fの駆動信号の出力が開始されるまでの期間T2は、圧力発生室2のヘルムホルツ振動周期Tcの自然数倍に近いことが好ましい。また、第2の収縮工程fの駆動信号の出力と第2の膨張工程hの駆動信号の出力との間の期間T3、すなわち、第2の収縮工程fの駆動信号が出力されている期間と第1の膨張工程hの駆動信号が出力されている期間との和の1/2と第3のホールド期間gとの合計の期間T3が、圧力発生室2のヘルムホルツ振動周期Tcの(n−1/2)倍(nは自然数)に近いことが好ましい。
【0076】
これにより、第2の収縮工程fが、メニスカス振動によってインクが押し出されるタイミングで実行され、且つ第2の膨張工程hがインクが引き込まれるタイミングで実行される。したがって、メニスカス振動の振幅がさらに大きくなり、メニスカスが復帰する期間がより短縮され、インク吐出特性をより確実に安定させることができる。また、このように第2の収縮工程fで出力される駆動信号の変化の割合及び第2の膨張工程hで出力される駆動信号の割合は常に一定として、例えば、インクの温度に応じて第3のホールド工程gの期間を調整して、異なるタイミングで駆動信号を出力するようにすれば、インクの温度に拘わらず確実にメニスカス振動の振幅を小さくすることができる。
【0077】
ここで、本発明の駆動方法及び従来の駆動方法により、すなわち図9に示す駆動波形を下記表に示すように設定して、圧電素子を駆動しメニスカスの重量変位を計算したところ、以下のような結果が得られた。なお、図9に示す駆動波形は、第1の収縮工程bの前に、インク吐出の準備を行うための準備の収縮工程i、準備のホールド工程j及び準備の膨張工程kを設けたものである。
【0078】
【表1】
Figure 0004102511
【0079】
駆動波形をこのように設定し、例えば、インクの温度5℃、アクチュエータの最大駆動周波数14.4kHz、インク振動の固有周期Tcを15μsとした場合のメニスカス重量の変位を計算した結果を図10に示す。図10(a)、(b)に示す駆動波形は、それぞれ、実施形態1及び実施形態3の駆動方法を用いた例であり、インクのメニスカス振動の振幅が大きくなるように、第1の収縮工程bの駆動振動の出力と第1の膨張工程dの駆動信号の出力との間の期間を調整した例である。すなわち、図10(a)に示す実施形態1の駆動波形は、第1の膨張工程dの駆動電圧の変化の割合を調整した例であり、(b)に示す実施形態3の駆動波形は、第2のホールド工程cの期間を調整した例である。これら実施形態1及び3の駆動波形では、メニスカス振動の振幅は、最大で−25ng以上と大きいものの、次にインクが吐出までにメニスカスは復帰している。また、十分に振動を減衰させることができ、所望の吐出量(20ng)を確実に得ることができることが分かる。一方、図10(c)に示す従来例の駆動波形では、メニスカス振動の振幅は、−20ng程度と小さいものの、メニスカスがノズル開口に復帰しておらず、所望の吐出量を得ることができないことが分かった。
【0080】
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態を説明したが、圧電素子の駆動波形は、上述の駆動波形に限定されず、例えば、図示した台形波形の他、矩形の波形などでもよい。また、インクを吐出するための波形のパターンも、特に限定されず、例えば、図11に示すように、インク吐出のための第1の収縮工程b1の前に準備の膨張工程k1を設けるようにしてもよく、これにより、インクの吐出速度が増加され吐出特性がさらに向上される。
【0081】
また、本発明の駆動方法を実現できるインクジェット式記録ヘッドの構成は、特に限定されるものではない。例えば、セラミック基板の代わりに、シリコン基板に薄膜プロセスで圧電アクチュエータを形成すると共に異方性エッチングにより圧力発生室を形成したインクジェット式記録ヘッドにも適用できるし、また、ノズル開口の位置、リザーバの位置などのインク供給の構造なども特に限定されない。また、たわみ変形型圧電アクチュエータによるインクジェット式記録ヘッドに限定されず、縦変位型インクジェット式記録ヘッドの駆動にも適用できる。
【0082】
図12には、縦振動型圧電アクチュエータを有するインクジェット式記録ヘッドの一例を示す。図示するように、スペーサ21には、圧力発生室22が形成され、スペーサ21の両側は、ノズル開口23を有するノズルプレート24と、弾性板25とにより封止されている。また、スペーサ21には、圧力発生室22にインク供給口26を介して連通するリザーバ27が形成されており、リザーバ27には、図示しないインクタンクが接続される。
【0083】
一方、弾性板25の圧力発生室22とは反対側には、圧電素子28の先端が当接している。圧電素子28は、圧電材料29と、電極形成材料30及び31とを交互にサンドイッチ状に挟んで積層構造になるように構成され、振動に寄与しない不活性領域が固定基板32に固着されている。なお、固定基板32と、弾性板25、スペーサ21及びノズルプレート24とは、基台33を介して一体的に固定されている。
【0084】
このように構成されたインクジェット式記録ヘッドは、圧電素子28の電極形成材料30及び31に電圧が印加されると、圧電素子28がノズルプレート24側に伸張するから、弾性板25が変位し、圧力発生室22の容積が圧縮される。従って、例えば、予め電圧を30V程度印加した状態から電圧を除去し、圧電素子28を収縮させてインクをリザーバ27からインク供給口26を介して圧力発生室22に流れ込ませることができる。また、その後、電圧を印加することにより、圧電素子28を伸張させて弾性板25により圧力発生室22を収縮させ、ノズル開口23からインク滴を吐出させることができる。
【0085】
よって、かかるインクジェット式記録ヘッドを駆動する場合でも、上述した駆動方法を用いることにより、高い周波数でもインク量を低下させることなく、比較的小さな体積のインク滴を吐出することができる。
【0086】
また、以上説明したインクジェット式記録ヘッドでは、電圧を印加することにより、圧力発生室を収縮させるものを例示したが、電圧を印加することにより、圧力発生室を膨張させるインクジェット式記録ヘッドの駆動方法にも本発明の駆動方法を適用することができる。
【0087】
このような構造のインクジェット式記録ヘッドの一例を図13に示す。図13のインクジェット式記録ヘッドは、図12の圧電素子28の代わりに圧電素子28Aを有する以外は同様な構造を有する。圧電素子28Aは、圧電体材料29Aの中に電極形成材料30A及び31Aを交互に縦に配置して積層したものである。従って、両電極形成材料30A及び31Aに電圧を印加すると圧電素子28Aが収縮して圧力発生室22が膨張し、この状態から電圧の印加を解除すると圧力発生室22が収縮し、ノズル開口23からインク滴を吐出させることができる。上述した駆動方法の収縮及び膨張の際の電圧の印加及び解除を逆に行うことにより、同様な駆動方法を実施できる。
【0088】
図14に、かかるインクジェット式記録ヘッドでの駆動信号の例を示す。図13のインクジェット式記録ヘッドの各駆動信号は、図11の各駆動信号に対応し、同様の作用を有する工程には同じ符号を付して説明は省略する。この場合に異なるのは、例えば、準備の膨張工程i及び第1の膨張工程dでは、上述した場合と異なって電圧を印加し、逆に、例えば、第1の収縮工程bでは、電圧の印加を解除するという点であり、作用効果は上述した場合と同様である。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、圧力発生室を収縮させてノズル開口からインクを吐出させる第1の駆動信号を出力する第1の工程と、吐出されたインクのメニスカス振動の振幅を大きくする第2の駆動信号を出力する第2の工程とを有するため、第1の工程での圧力発生室の収縮により吐出されたインク滴のメニスカス振動の復帰期間を短縮することができ、高い駆動周波数で十分なインク量が得られる。吐出特性が安定し、画質を向上することができる。また、インクの粘度が高い場合に特に効果的であり、従来では粘度が高くて使えなかったインクも利用することができ、インクの選択範囲が広がるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの回路構成を示す回路図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る駆動信号の波形の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態1に係る駆動信号の波形の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態2に係る駆動信号の波形の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態3に係る駆動信号の波形の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態4に係る駆動信号の波形の変形例を示す図である。
【図9】本発明の駆動方法と従来の駆動方法とによるメニスカス振動の比較に用いた駆動信号の波形を示す図である。
【図10】本発明の実施形態1と3に係るメニスカス振動及び従来の駆動信号の波形によるメニスカス振動を示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る駆動信号の波形の一例を示す図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの例を示す断面図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの例を示す断面図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係る駆動信号の波形の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 スペーサ
2 圧力発生室
3 弾性板
5 圧電体層
7 インク供給口形成基板
11 リザーバ
13 ノズル開口

Claims (2)

  1. ノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室にインク供給路を介して連通するリザーバと、前記圧力発生室に付設されたアクチュエータとを有し、該アクチュエータを駆動して前記圧力発生室を膨張又は収縮させ、温度の低下に応じて粘度が増加するインクを前記リザーバから前記インク供給路を介して前記圧力発生室に供給すると共に前記ノズル開口から吐出させるインクジェット式記録ヘッドの駆動方法において、
    前記圧力発生室を収縮させて前記ノズル開口からインクを吐出させる第1の駆動信号を出力する第1の工程と、インク吐出の反動によってメニスカスが振動しているタイミングで実行され、インクの温度が低い場合にそのインク吐出の反動によるメニスカスの振動の向きと同一方向にインクを押し出す若しくは引き込む方向に前記アクチュエータをインクが吐出されない程度にインク吐出後のメニスカス振動の振幅をインク吐出の反動によって発生するメニスカス振動の振幅よりも大きくするように駆動する第2の駆動信号を出力する第2の工程とを具備し、
    前記第2の駆動信号は、前記第1の駆動信号の電圧とは反対の符号の電圧変化の信号であり、且つ前記第1の駆動信号が出力されている期間と当該信号が出力されている期間との合計の1/2と前記第1の駆動信号と当該信号との間の期間との合計の期間が、実質的に前記圧力発生室のヘルムホルツ振動周期Tcの略(n−0.5)倍(nは自然数)である信号と、
    前記第1の駆動信号と同一符号の電圧変化であり且つインクが吐出されない程度の電圧変化を生じさせる第1の信号と、前記第1の駆動信号の電圧とは反対の符号の電圧変化を生じさせる第2の信号とを有し、且つ前記第1の駆動信号の出力開始から前記第1の信号の出力開始までの期間が、実質的に前記圧力発生室のヘルムホルツ振動周期Tcの自然数倍であり、前記第1の信号が出力される期間と、前記第2の信号が出力される期間との合計の1/2と、両信号の間の期間との合計の期間が、実質的に前記圧力発生室のヘルムホルツ振動周期Tcの略(n−0.5)倍(nは自然数)である信号とを含むことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの駆動方法。
  2. ノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室にインク供給路を介して連通するリザーバと、前記圧力発生室に付設されたアクチュエータとを有し、該アクチュエータを駆動して前記圧力発生室を膨張又は収縮させ、温度の低下に応じて粘度が増加するインクを前記リザーバから前記インク供給路を介して前記圧力発生室に供給すると共に前記ノズル開口から吐出させるインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録装置において、
    前記圧力発生室を収縮させて前記ノズル開口からインクを吐出させる第1の駆動信号を出力する第1の工程と、インク吐出の反動によってメニスカスが振動しているタイミングで実行され、インクの温度が低い場合にそのインク吐出の反動によるメニスカスの振動の向きと同一方向にインクを押し出す若しくは引き込む方向に前記アクチュエータをインクが吐出されない程度にインク吐出後のメニスカス振動の振幅をインク吐出の反動によって発生するメニスカス振動の振幅よりも大きくするように駆動する第2の駆動信号を出力する第2の工程とを有する駆動信号を前記アクチュエータに出力する手段を具備し、
    前記第2の駆動信号は、前記第1の駆動信号の電圧とは反対の符号の電圧変化の信号であり、且つ前記第1の駆動信号が出力されている期間と当該信号が出力されている期間との合計の1/2と前記第1の駆動信号と当該信号との間の期間との合計の期間が、実質的に前記圧力発生室のヘルムホルツ振動周期Tcの略(n−0.5)倍(nは自然数)である信号と、
    前記第1の駆動信号と同一符号の電圧変化であり且つインクが吐出されない程度の電圧変化を生じさせる第1の信号と、前記第1の駆動信号の電圧とは反対の符号の電圧変化を生じさせる第2の信号とを有し、且つ前記第1の駆動信号の出力開始から前記第1の信号の出力開始までの期間が、実質的に前記圧力発生室のヘルムホルツ振動周期Tcの自然数倍であり、前記第1の信号が出力される期間と、前記第2の信号が出力される期間との合計の1/2と、両信号の間の期間との合計の期間が、実質的に前記圧力発生室のヘルムホルツ振動周期Tcの略(n−0.5)倍(nは自然数)である信号とを含むことを特徴とするインクジェット式記録装置。
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