JP2000263818A - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置

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JP2000263818A
JP2000263818A JP6715699A JP6715699A JP2000263818A JP 2000263818 A JP2000263818 A JP 2000263818A JP 6715699 A JP6715699 A JP 6715699A JP 6715699 A JP6715699 A JP 6715699A JP 2000263818 A JP2000263818 A JP 2000263818A
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JP
Japan
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ink
pressure generating
pressure
drive
drive pulse
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JP6715699A
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English (en)
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Munehide Kanetani
宗秀 金谷
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吐出特性の違いに拘わらず最適な記録
を行えるインクジェット式記録装置を提供する。 【解決手段】 駆動信号発生回路9、電源生成部10、
及び、制御部6は、圧電振動子力群毎の特性に合わせた
インク吐出条件にそれぞれ設定された複数の駆動パルス
を含む一連の駆動信号COMを発生する。また、シフト
レジスタ49、ラッチ回路50、レベルシフタ51、ス
イッチ回路52、及び、制御部6は、駆動信号中COM
の駆動パルスを、対応する圧電振動子力群に対して選択
的に印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力室に連通した
ノズル開口部を多数備え、ノズル開口部の各々に対応し
て配設された圧力発生素子の作用によって圧力室に圧力
変動を生じさせ、この圧力変動を使用してノズル開口部
からインク滴を吐出させて画像等を記録するインクジェ
ット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタやインクジェッ
トプロッタ等の各種インクジェット式記録装置に用いら
れる記録ヘッドとしては、圧力発生素子の作用によって
ノズル開口部に連通する圧力室に圧力変動を生じさせ、
この圧力変動によってインク滴を吐出させるものが知ら
れている。
【0003】例えば、圧力発生素子として圧電振動子を
用いると共に圧力室を区画する壁部を部分的に振動板で
構成し、圧電振動子によって振動板を振動させることで
圧力室に圧力変動を生じさせるいわゆるピエゾ方式の記
録ヘッドや、圧力発生素子としてヒータ等の発熱素子を
用い、発熱素子の発熱で生じた気泡によって圧力室に圧
力変動を生じさせるいわゆるバブルジェット方式の記録
ヘッドがある。
【0004】これらの記録ヘッドでは、カラー画像を記
録したり高解像度の画像を記録するため、複数のノズル
開口部を副走査方向(記録紙送り方向)に並べてノズル
列を構成し、このノズル列を主走査方向(記録紙幅方
向)に複数並べたものがある。そして、カラー画像を記
録可能な記録ヘッドでは、各ノズル列毎に記録色が定め
られている。
【0005】例えば、黒(K)、シアン(C)、マゼン
タ(M)、イエロー(Y)の4色で記録を行う記録ヘッ
ドには、4つのノズル列を備え、ノズル列毎に異なる色
が設定されたものや、6つのノズル列を備え、3つのノ
ズル列には黒色が設定され、他の3つのノズル列にはそ
れぞれシアン、マゼンタ、イエローの各色が設定された
もの等がある。
【0006】そして、複数のノズル列を有する記録ヘッ
ドでは、圧力発生素子をノズル列毎に形成したものがあ
る。例えば、上記したピエゾ方式の記録ヘッドでは、圧
電振動子を備えたアクチュエータをノズル列毎に纏めて
ユニット化してアクチュエータユニットを構成し、この
アクチュエータユニットを組み込んだものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の記
録ヘッドでは、同じ量のインク滴を吐出させる場合に
は、各圧力発生素子に対して同一波形の駆動信号を印加
している。このため、製造ばらつき、例えば、エッチン
グや接着等の加工状態のばらつき等に起因して圧力発生
素子の特性がばらついてしまうと、この特性のばらつき
(個体差)に伴って圧力室内におけるインクの圧力変動
もばらついてしまう。
【0008】また、製造ばらつきに起因して、圧力室へ
インクを供給するインク供給口の口径やインクを吐出す
るノズル開口部の口径もばらついてしまう。
【0009】このような圧力室内の圧力変動のばらつ
き、及び、インク供給口やノズル開口部の口径のばらつ
き等によってインク滴の吐出特性にばらつきが生じてし
まい、この吐出特性のばらつきにより、設計上のインク
滴の量と実際に吐出されるインク滴の量とに差が生じ、
記録ドット径が不揃いになる等、画質の劣化が生じてし
まう。
【0010】例えば、ピエゾ方式の記録ヘッドにおい
て、圧電振動子が印加電圧に対して規定よりも大きく変
形する特性になってしまった場合には、振動板の振幅が
設計値よりも大きくなるため、規定よりも多量のインク
が吐出する。
【0011】また、インク供給口やノズル開口部の口径
が設計値よりも大きくなってしまった場合にも規定より
も多量のインクが吐出する。
【0012】このような場合には、実際に記録されたド
ット径が設計上のドット径よりも大きくなってしまう。
【0013】そして、アクチュエータユニットをノズル
列毎に備えた記録ヘッド等、ノズル列毎にユニット化さ
れた記録ヘッドでは、ノズル列に対応する圧力発生素子
群の製造ばらつき、及び、インク供給口やノズル開口部
の口径ばらつき等により、ノズル列毎にインク滴の量が
ばらついてしまう。
【0014】この吐出量がばらついた状態において、複
数のノズル列で同じ色を記録した場合には、ノズル列毎
に記録ドットの径が異なってしまうので、ベタ記録領域
(塗りつぶし領域)等で色むらが発生してしまう。
【0015】また、複数のノズル列で異なる色を記録し
た場合には、特定の色が強くなってしまう現象が生じ
る。例えば、シアンのインク量が規定量よりも多くなる
と青みが強い画像になってしまい、反対に、マゼンタの
インク量が規定量よりも多くなると赤みが強い画像にな
ってしまう。このため、目的の色の画像を記録すること
が困難になる。
【0016】また、圧力室における圧力変動のばらつき
は、インク滴の飛行速度をもばらつかせてしまう。そし
て、インク滴の飛行速度が設計上の飛行速度からずれて
しまった場合には、インク滴が目的の位置とは違う位置
に着弾してしまう。
【0017】例えば、記録ヘッドを主走査方向に往復移
動させながら画像を記録するシリアルプリンタで往動時
あるいは復動時にインク滴を吐出させて記録動作を行う
いわゆる単方向印刷を行った場合には、インク滴の着弾
位置のずれにより、色がずれた画像が記録されてしま
う。
【0018】また、往動時と復動時の両方で記録動作を
行う、いわゆる双方向印刷を行った場合には、往動時の
着弾位置のずれと復動時の着弾位置のずれとにより、重
なるべき順に色(記録ドット)が重ならなくなり、色相
がずれた画像が記録されてしまう。
【0019】さらに、往動時と復動時のそれぞれで着弾
位置にずれが生じてしまうと、記録ドットが集合した密
の部分と記録ドットが比較的まばらな粗の部分とが記録
画像中に生じる。このような記録ドットの粗密により記
録画像にざらつき感が生じてしまう。
【0020】ところで、染料系のインクでは、各色間の
物性の差が少ないため、インクの色に拘わらず滲みの程
度を揃えることができる。従って、各色のインク滴を同
じ量に揃えることによって、各色のドット径を揃えるこ
とができる。
【0021】しかしながら、顔料系のインクでは、各色
間でのインク物性の差が大きく、インクの色毎に滲みの
程度が異なってしまう。そして、各色のドット径を揃え
るためには、インク滴の量を色毎に異ならせる必要があ
った。しかしながら、従来の記録装置では、駆動信号を
発生する駆動信号発生回路を1つしか備えていないの
で、顔料系のインクに対応することが困難であった。
【0022】この場合において、駆動信号を発生する駆
動信号発生回路を複数用意し、各駆動信号発生回路から
各色のインクに適した駆動信号を発生することも考えら
れるが、駆動信号発生回路を複数設けることは、記録装
置の構造が複雑になり、コストアップや電源の無駄な消
費を招くので好ましくない。
【0023】また、この種の記録装置では、ベタ画像の
記録を確実にするため、最も小さいドット径でベタ画像
が隙間なく埋まるように駆動信号が調整されている。こ
のような調整方法を採用すると、インクの種類によって
は、駆動信号の印加によってメニスカス(ノズル開口部
で露出しているインクの自由表面)が必要以上に大きく
振動してしまうことがある。
【0024】この場合、メニスカスが大きく引き込まれ
た際に空気が記録ヘッド内に取り込まれ、この取り込ま
れた空気が圧力室内等で気泡となってしまう虞がある。
そして、圧力室内等で気泡が発生してしまうと、この気
泡は、空打ち現象、即ち、圧力室内のインクに圧力変動
を生じさせてもインク滴が吐出しない現象の原因とな
る。
【0025】この場合においても、駆動信号を発生する
駆動信号発生回路を、インクの物性に応じて複数用意
し、各駆動信号発生回路からそのインクの物性に適した
駆動信号を発生することも考えられるが、記録装置の構
造が複雑になり、コストアップや電源の無駄な消費を招
くことから好ましくない。
【0026】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、インク吐出特性の違いに拘わらず最適な
記録を行えるインクジェット式記録装置を提供すること
目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために提案されたものであり、請求項1に記載の
ものは、多数のノズル開口部と、各ノズル開口部にそれ
ぞれ連通した圧力室と、各圧力室に対応して設けられた
圧力発生素子とを有する記録ヘッドを備え、駆動パルス
の印加に伴う圧力発生素子の作用によって圧力室に圧力
変動を生じさせ、この圧力変動によってノズル開口部か
らインク滴を吐出させるインクジェット式記録装置にお
いて、異なるインク吐出特性に適合可能な制御条件にそ
れぞれが設定された複数の駆動パルスを含む一連の駆動
信号を発生する駆動信号発生手段と、インク吐出特性に
応じて、駆動信号中の駆動パルスを圧力発生素子に対し
て選択的に印加する駆動パルス印加手段とを備えたこと
を特徴とするインクジェット式記録装置である。
【0028】ここで、「圧力発生素子の作用」とは、膨
張、収縮、たわみといった機械的変形や、発熱等の状態
変化を含んだ概念である。
【0029】また、「インク吐出特性」とは、圧力発生
素子の特性のばらつき、若しくは、ノズル開口部の口径
ばらつきやインク供給口の口径ばらつきといった構造上
のばらつき等によって変化するインク滴の量や飛翔速度
等の特性、又、インク粘度や比重といったそのインク固
有のインク物性によって変化するインク滴の量や飛翔速
度等の特性を意味する。
【0030】また、「制御条件」とは、インク滴を吐出
させる際における圧力発生素子の制御条件を意味する。
従って、各駆動パルスには、それぞれ、異なる駆動電圧
が設定されたり、異なるホールド時間が設定されたりす
る。
【0031】請求項2に記載のものは、駆動パルス印加
手段は、製造工程に起因するインク吐出特性のばらつき
に応じて、駆動信号中の駆動パルスを圧力発生素子に対
して選択的に印加することを特徴とする請求項1に記載
のインクジェット式記録装置である。
【0032】請求項3に記載のものは、前記多数の圧力
発生素子を複数の圧力発生素子ユニットに分けて構成
し、駆動パルス印加手段は、対応する圧力発生素子ユニ
ット毎に駆動パルスを印加することを特徴とする請求項
2に記載のインクジェット式記録装置である。
【0033】請求項4に記載のものは、前記記録ヘッド
はノズル開口部を列状に並べたノズル列を複数備え、各
ノズル列に対応させて圧力発生素子ユニットを設けたこ
とを特徴とする請求項3に記載のインクジェット式記録
装置である。
【0034】請求項5に記載のものは、前記ノズル列毎
に、吐出するインク滴の色を設定したことを特徴とする
請求項4に記載のインクジェット式記録装置である。
【0035】請求項6に記載のものは、前記駆動パルス
印加手段は、インク物性に応じて、駆動信号中の駆動パ
ルスを圧力発生素子に対して選択的に印加することを特
徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録装置で
ある。
【0036】請求項7に記載のものは、前記駆動パルス
印加手段は、インクの色毎にばらつくインク物性に応じ
て駆動パルスを選択的に印加することを特徴とする請求
項6に記載のインクジェット式記録装置である。
【0037】請求項8に記載のものは、駆動パルスの波
形を規定するためのパルス波形情報を設定用識別情報と
対応させて複数種類保持するパルス波形情報記憶手段
と、記録ヘッド毎に設定される設定用識別情報を記憶す
る設定用識別情報記憶手段とを設け、駆動信号発生手段
は、設定用識別情報によって定められた波形の駆動パル
スを発生することを特徴とする請求項1から請求項7の
何れかに記載のインクジェット式記録装置である。
【0038】請求項9に記載のものは、前記圧力発生素
子をたわみ振動モードの圧電振動子によって構成し、該
圧電振動子の変形によって圧力室に圧力変動を生じさせ
るように構成したことを特徴とする請求項1から請求項
8の何れかに記載のインクジェット式記録装置である。
【0039】請求項10に記載のものは、前記圧力発生
素子を縦振動モードの圧電振動子によって構成し、該圧
電振動子の変形によって圧力室に圧力変動を生じさせる
ように構成したことを特徴とする請求項1から請求項8
の何れかに記載のインクジェット式記録装置である。
【0040】請求項11に記載のものは、前記圧力発生
素子を発熱素子によって構成し、この発熱素子からの熱
で膨張・収縮する気泡によって圧力室に圧力変動を生じ
させるように構成したことを特徴とする請求項1から請
求項8の何れかに記載のインクジェット式記録装置であ
る。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。図1に示すように、例示したイ
ンクジェット式記録装置(インクジェット式プリンタ)
は、プリンタコントローラ1とプリントエンジン2とか
ら概略構成されている。
【0042】プリンタコントローラ1は、ホストコンピ
ュータ(図示せず)等からの各種データを受信する外部
インターフェイス3(以下、外部I/F3という)と、
各種データを一時的に記憶するRAM4と、制御プログ
ラム等を記憶したROM5と、CPU等を含んで構成し
た制御部6と、クロック信号を発生する発振回路7と、
記録ヘッド8へ供給するための駆動信号COMを発生す
る駆動信号発生回路9と、この駆動信号発生回路9で駆
動信号COMを発生させるための電源を生成する電源生
成部10と、駆動信号COMや、印刷データに基づいて
展開されたドットパターンデータ(ビットマップデー
タ)等をプリントエンジン2に送信する内部インターフ
ェイス11(以下、内部I/F11という)と、記録ヘ
ッド8毎に設定される駆動パルス設定データ(本発明の
設定用識別情報に相当。以下、ID番号という。)を記
憶する設定値記憶素子12Aとを備えている。この設定
値記憶素子12Aは、本発明の設定用識別情報記憶手段
として機能するものであり、例えば、EEPROM等の
不揮発性メモリによって構成する。
【0043】外部I/F3は、例えば、キャラクタコー
ド、グラフィック関数、イメージデータ等によって構成
される印刷データを、ホストコンピュータ等から受信す
る。また、この外部I/F3を通じてビジー信号(BU
SY)や、アクノレッジ信号(ACK)がホストコンピ
ュータ等に対して出力される。
【0044】RAM4は、受信バッファ、中間バッフ
ァ、出力バッファ、及び、ワークメモリとして機能す
る。そして、受信バッファは外部I/F3を介して受信
された印刷データを一時的に記憶し、中間バッファは制
御部6が変換した中間コードデータを記憶し、出力バッ
ファはドットパターンデータ(印字データ)を記憶す
る。
【0045】また、ROM5には、各種データ処理を行
わせるための制御プログラム(制御ルーチン)、駆動パ
ルスの波形データ、フォントデータ、グラフィック関数
等を記憶させてある。
【0046】ここで、駆動パルスの波形データは、駆動
信号COMを構成する駆動パルス55,56,57(図
4参照)の波形を規定するためのデータであり、本発明
のパルス波形情報に相当する。従って、ROM5は、本
発明のパルス波形情報記憶手段として機能する。そし
て、本実施形態における波形データは、後述するよう
に、電圧値やホールド時間のデータとして設定してあ
り、ID番号に対応させて複数種類の電圧値及びホール
ド時間が記憶されている。
【0047】制御部6は、各種の制御を行う他、受信バ
ッファ内の印刷データを読み出すとともに、この印刷デ
ータを変換して得た中間コードデータを中間バッファに
記憶させる。また、中間バッファから読み出した中間コ
ードデータを解析し、ROM5に記憶されているフォン
トデータ及びグラフィック関数等を参照して、ドットパ
ターンデータに展開する。
【0048】そして、制御部6は、必要な装飾処理を施
した後に、このドットパターンデータを出力バッファに
記憶させる。
【0049】そして、記録ヘッド8の1回の主走査で記
録可能な1行分のドットパターンデータが得られたなら
ば、この1行分のドットパターンデータは、出力バッフ
ァから内部I/F11を通じて順次記録ヘッド8に出力
される。また、出力バッファから1行分のドットパター
ンデータが出力されると、展開済みの中間コードデータ
は中間バッファから消去され、次の中間コードデータに
ついての展開処理が行われる。
【0050】また、制御部6は、設定値記憶素子12A
に記憶されているID番号を読み込んで、装着されてい
る記録ヘッド8に最適な駆動信号COMを生成すべく、
ROM5に記憶されている駆動パルスの波形データのテ
ーブルからID番号に対応する波形データを選択する。
【0051】駆動信号発生回路9は、制御部6により設
定された波形データに基づいて、必要な電源電圧の供給
を電源生成部10に指令する。そして、電源生成部10
から供給される電源電圧に基づき、装着されている記録
ヘッド8に最適な駆動パルスを有する一連の駆動信号C
OMを発生する。
【0052】電源生成部10は、電源回路13から供給
される電源電圧を所定値の電源電圧に調整する部分であ
る。本実施形態の電源生成部10では、駆動信号発生回
路9からの指令信号に基づいて所定値の電源電圧を調整
し、この調整した電源電圧を駆動信号発生回路9に供給
する。
【0053】ここで、駆動信号発生回路9、電源生成部
10、及び、上記した制御部6は、本発明の駆動信号発
生手段として機能する。
【0054】プリントエンジン2は、紙送り機構16、
キャリッジ機構17、記録ヘッド8を含んで構成してあ
る。
【0055】紙送り機構16は、紙送りモータ及び紙送
りローラ等からなり、記録紙等の記録媒体を順次送り出
して副走査を行うものである。
【0056】キャリッジ機構17は、記録ヘッド8を搭
載するキャリッジと、このキャリッジをタイミングベル
トを介して走行させるパルスモータ等からなり、記録ヘ
ッド8を主走査させるものである。ここで、主走査と
は、記録紙幅方向に記録ヘッド8を移動させる動作のこ
とである。
【0057】記録ヘッド8には、図2(a)に示すよう
に、多数(例えば、48個)のノズル開口部20…が副
走査方向に直線状に並べられた状態で開設されている。
ノズル開口部20の列(以下、ノズル列という。)は主
走査方向に複数列並べてあり、このノズル列には各列毎
に吐出するインク滴の色を設定してある。
【0058】図示した記録ヘッド8では、左から1列目
のノズル列をブラック(K)用のノズル列に設定してあ
り、2列目のノズル列をシアン(C)用のノズル列に設
定してあり、3列目のノズル列をマゼンタ(M)用のノ
ズル列に設定してあり、4列目のノズル列をイエロー
(Y)用のノズル列に設定してある。要するに、各ノズ
ル列には、それぞれ異なる記録色を設定してある。
【0059】そして、本実施形態では、これらの各ノズ
ル列単位でヘッドユニット21を構成している。このヘ
ッドユニット21は、ブラックヘッドユニット21K、
シアンヘッドユニット21C、マゼンタヘッドユニット
21M、イエローヘッドユニット21Yからなる。
【0060】以下、ヘッドユニット21の構造につい
て、図2(b)を参照して説明する。なお、各ヘッドユ
ニット21は、構造が同一であるため、ここでは、ブラ
ックヘッドユニット21Kについて説明する。また、以
下の説明において、便宜上、図2(b)の下側を前方
側、図2(b)の上側を後方側ということにする。
【0061】また、例示した記録ヘッド8は、たわみ振
動モードの圧電振動子22を圧力発生素子として用いた
ものを例示してある。ここで、たわみ振動モードの圧電
振動子22とは、後述するように、充電により収縮して
容積を少なくするように圧力室23を変形させ、放電に
より伸長して容積を増すように圧力室23を変形させる
ものである。
【0062】ヘッドユニット21は、アクチュエータユ
ニット25と流路ユニット26とから概略構成されてい
る。
【0063】アクチュエータユニット25は、第1の蓋
部材29、スペーサ部材30、第2の蓋部材31、圧電
振動子22等から構成してあり、流路ユニット26は、
インク供給口形成基板33、インク室形成基板34、及
び、ノズルプレート35等から構成してある。
【0064】そして、アクチュエータユニット25と流
路ユニット26を接着層36によって一体化することに
よりヘッドユニット21とする。なお、接着層36に
は、熱溶着フィルムや接着剤等を用いることができる。
【0065】第1の蓋部材29は、弾性を有するセラミ
ックの薄板であり、振動板として機能する。本実施形態
では、この第1の蓋部材29を厚さが6マイクロメート
ル程度のジルコニアによって構成してある。
【0066】スペーサ部材30は、圧力室23となる通
孔を開設したセラミック板であり、例えば、厚さが10
0マイクロメートル程度の板状のジルコニアによって構
成する。
【0067】第2の蓋部材31は図2(b)における左
側(以下、同図の説明において同様)に、供給側連通孔
38を形成するための通孔を開設し、右側に第1ノズル
連通孔39を形成するための通孔を開設したセラミック
材であり、例えば、板状のジルコニアによって構成す
る。
【0068】そして、スペーサ部材30の裏面に第1の
蓋部材29を、前面に第2の蓋部材31をそれぞれ配置
して第1の蓋部材29と第2の蓋部材31とでスペーサ
部材30を挟んで一体化してある。この一体化状態にお
いて、第1の蓋部材29は、圧力室23を区画する壁部
の一部となる。
【0069】なお、これらの第1の蓋部材29、第2の
蓋部材31及びスペーサ部材30は、セラミック材料を
所定の形状に成型し、それを積層して焼成する等により
一体化する。
【0070】第1の蓋部材29の裏面には共通電極40
を形成してあり、この共通電極40の裏面に積層させ
て、ノズル開口部20毎に圧電体層41を形成する。さ
らに、各圧電体層41の裏面には駆動電極42を形成す
る。そして、これらの共通電極40、圧電体層41、及
び、駆動電極42によって圧電振動子22を構成し、こ
の圧電振動子22はノズル列単位で圧電振動子群を構成
している。
【0071】そして、この圧電振動子22に対する充放
電に伴って、圧力室23が収縮・膨張する。この圧力室
23の膨張・収縮により、圧力室23内のインクには圧
力変動が生じる。
【0072】上記したインク供給口形成基板33は、左
側にインク供給口43となる通孔を開設し、右側に第1
ノズル連通孔39となる通孔を開設した板状部材であ
る。また、インク室形成基板34は、インク室44を形
成する通孔を開設すると共に、右側に第2ノズル連通孔
45となる通孔を開設した板状部材である。ノズルプレ
ート35は、右側に多数(例えば、48個)のノズル開
口部20…を副走査方向に沿って開設した薄い板状部材
であり、例えば、ステンレス板によって構成してある。
このノズル開口部20は、ドット形成密度に対応した所
定ピッチで開設してある。
【0073】そして、インク室形成基板34の前面側に
ノズルプレート35を、裏面側にインク供給口形成基板
33をそれぞれ配置すると共に、インク室形成基板34
とノズルプレート35との間、及び、インク室形成基板
34とインク供給口形成基板33との間に接着層36,
36を挟んで、インク供給口形成基板33、インク室形
成基板34及びノズルプレート35を一体化して、流路
ユニット26を構成する。
【0074】このような構成を有する記録ヘッド8で
は、流路ユニット26のインク室44とアクチュエータ
ユニット25の供給側連通孔38とがインク供給口43
を通じて連通し、供給側連通孔38と第1ノズル連通孔
39とが圧力室23を介して連通する。さらに、第2ノ
ズル連通孔45を介してノズル開口部20と第1ノズル
連通孔39が連通する。すなわち、インク室44から圧
力室23を通ってノズル開口部20に至る一連のインク
流路がノズル開口部20毎に形成される。そして、各イ
ンク流路に対応して圧電振動子22が配設され、この圧
電振動子22の作用によって圧力室23内のインクに圧
力変動を生じさせる。
【0075】そして、ブラックヘッドユニット21K、
シアンヘッドユニット21C、マゼンタヘッドユニット
21M、イエローヘッドユニット21Yの各インク室4
4には、図示しないインク供給通路を通じて、対応する
色のインクがインクカートリッジから供給される。
【0076】このような記録ヘッド8では、圧力室23
の容積を変化させることにより、ノズル開口部20から
インク滴を吐出させることができる。
【0077】簡単に説明すると、圧電振動子22を充電
すると圧電振動子22は電界と直交する方向に縮んで第
1の蓋部材29が変形し、この第1の蓋部材29の変形
に伴って圧力室23が収縮する。一方、充電された圧電
振動子22を放電すると、圧電振動子22が電界と直交
する方向に伸長して第1の蓋部材29が戻り方向に変形
し、圧力室23を膨張させる。そして、定常状態にある
圧力室23を一旦膨張させた後に急激に収縮させると圧
力室23内におけるインク圧力が急激に上昇し、ノズル
開口部20からインク滴が吐出される。
【0078】次に、記録ヘッド8の電気的構成について
説明する。この記録ヘッド8は、図1に示すように、シ
フトレジスタ49、ラッチ回路50、レベルシフタ5
1、スイッチ回路52及び圧電振動子22等を備える。
【0079】ここで、シフトレジスタ49、ラッチ回路
50、レベルシフタ51、スイッチ回路52、及び、制
御部6は、本発明の駆動パルス印加手段として機能し、
駆動信号COMを構成する第1駆動パルス55、第2駆
動パルス56、及び、第3駆動パルス57(図4参照)
を、対応する圧電振動子群(即ち、ヘッドユニット21
K〜21Y)に対して選択的に印加する。
【0080】そして、図3に示すように、これらのシフ
トレジスタ49、ラッチ回路50、レベルシフタ51、
スイッチ回路52及び圧電振動子22は、シフトレジス
タ49、ラッチ回路50、レベルシフタ51、スイッチ
回路52、圧電振動子22の順で電気的に接続してあ
り、それぞれノズル開口部20に対応させて例えば48
個設けてある。
【0081】即ち、ブラックヘッドユニット21Kに
は、シフトレジスタ素子49KA〜49KN、ラッチ素子
50KA〜50KN、レベルシフタ素子51KA〜51K
N、スイッチ素子52KA〜52KN、及び、圧電振動子
22KA〜22KNを設けてあり、シアンヘッドユニット
21Cには、シフトレジスタ素子49CA〜49CN、ラ
ッチ素子50CA〜50CN、レベルシフタ素子51CA
〜51CN、スイッチ素子52CA〜52CN、及び、圧
電振動子22CA〜22CNを設けてある。
【0082】同様に、マゼンタヘッドユニット21Mに
は、シフトレジスタ素子49MA〜49MN、ラッチ素子
50MA〜50MN、レベルシフタ素子51MA〜51M
N、スイッチ素子52MA〜52MN、及び、圧電振動子
22MA〜22MN、イエローヘッドユニット21Yに
は、シフトレジスタ素子49YA〜49YN、ラッチ素子
50YA〜50YN、レベルシフタ素子51YA〜51Y
N、スイッチ素子52YA〜52YN、及び、圧電振動子
22YA〜22YNを設けてある。
【0083】なお、ブラックヘッドユニット21Kのシ
フトレジスタ49には黒色の印字データSIKがシリア
ル入力され、シアンヘッドユニット21Cにはシアンの
印字データSICがシリアル入力され、マゼンタヘッド
ユニット21Mにはマゼンタの印字データSIMがシリ
アル入力され、イエローヘッドユニット21Yにはイエ
ローの印字データSIYがシリアル入力される。
【0084】次に、駆動信号発生回路9が発生する駆動
信号COMについて説明する。この駆動信号COMは、
図4に示すように、それぞれが異なるインク吐出条件に
設定された複数の駆動パルス55,56,57を一連に
接続した信号によって構成してある。
【0085】本実施形態の駆動信号COMは、ブラック
ヘッドユニット21K及びシアンヘッドユニット21C
に選択的に印加される第1駆動パルス55と、マゼンタ
ヘッドユニット21Mに選択的に印加される第2駆動パ
ルス56と、イエローヘッドユニット21Yに選択的に
印加される第3駆動パルス57とを備えている。
【0086】これらの駆動パルス55,56,57は、
圧電振動子群の制御条件(インク吐出条件)を駆動パル
ス毎に独立して設定できるように構成してある。この圧
電振動子群の制御条件とは、例えば、圧電振動子22の
変形の度合いや、圧電振動子22の変形状態を保持する
時間のことであり、圧電振動子22の変形の度合いを規
定する駆動電圧や、変形状態の保持時間を規定するホー
ルド時間等の設定を変更できるように構成してある。
【0087】そして、この圧電振動子群の制御条件は、
後述するように、各ヘッドユニット21K〜21Yにお
けるインク吐出特性に適合可能なように設定してある。
これにより、製造工程に起因して生じる圧電振動子群毎
の特性のばらつきや、インク供給口やノズル開口部の口
径のばらつき等によるヘッドユニット毎のインク吐出特
性のばらつきを補正することができる。
【0088】例示した駆動パルス55,56,57で
は、中間電位から最低電位VLまでの電位差VcC,V
cM,VcYと、最低電位VLから最高電位までの電位
差(駆動電圧)VhC,VhM,VhYと、最高電位の
ホールド時間(パルス幅)PwC,PwM,PwYとを
独立して設定できるように構成してある。
【0089】そして、電位差VcC,VcM,VcY
と、駆動電圧VhC,VhM,VhYと、ホールド時間
PwC,PwM,PwYは、上記した駆動パルスの波形
データであり、本発明のパルス波形情報に相当する情報
である。
【0090】なお、最低電位VLは各駆動パルスで共通
(一定値)であるため、電位差VcC,VcM,VcY
は実質的に各駆動パルスの中間電位を規定し、同様に電
位差VhC,VhM,VhYは最高電位を規定する。以
下の説明では、便宜上、VcC,VcM,VcYを中間
電位、VhC,VhM,VhYを最高電位ということに
する。
【0091】そして、第1駆動パルス55は、中間電位
VcCから一定の電圧勾配で最低電位VLまで電位を下
降する膨張要素55aと、最低電位VLを所定時間保持
する膨張ホールド要素55bと、最低電位VLから最高
電位VhCまで所定の電圧勾配で電位を上昇させる吐出
要素55cと、この最高電位VhCをホールド時間Pw
Cに亘って維持する収縮ホールド要素55dと、最高電
位VhCから所定の電圧勾配で中間電位VcCまで電位
を下降させる制振要素55eとから構成してある。
【0092】このような第1駆動パルス55が圧電振動
子22に印加されると、この第1駆動パルス55の電位
に応じて圧力室23は膨張・収縮し、ノズル開口部20
からはインク滴が吐出する。
【0093】即ち、中間電位VcCで規定される定常状
態の圧力室23は、膨張要素55aの印加によって膨張
する。そして、膨張ホールド要素55bの印加によって
膨張状態が所定時間維持された後に吐出要素55cが印
加され、圧力室23は、最高電位VhCで規定される収
縮状態まで急激に収縮する。この圧力室23の急激な収
縮に伴って圧力室23内のインク圧力が上昇し、インク
滴がノズル開口部20から吐出する。そして、収縮ホー
ルド要素55dによって収縮状態が維持された後に制振
要素55eが印加され、圧力室23は、定常状態に膨張
復帰する。
【0094】同様に、第2駆動パルス56は、中間電位
VcMから一定の電圧勾配で最低電位VLまで電位を下
降する膨張要素56aと、最低電位VLを所定時間保持
する膨張ホールド要素56bと、最低電位VLから最高
電位VhMまで所定の電圧勾配で電位を上昇させる吐出
要素56cと、この最高電位VhMをホールド時間Pw
Mに亘って維持する収縮ホールド要素56dと、最高電
位VhMから所定の電圧勾配で中間電位VcMまで電位
を下降させる制振要素56eとから構成してある。
【0095】第3駆動パルス57は、中間電位VcYか
ら一定の電圧勾配で最低電位VLまで電位を下降する膨
張要素57aと、最低電位VLを所定時間保持する膨張
ホールド要素57bと、最低電位VLから最高電位Vh
Yまで所定の電圧勾配で電位を上昇させる吐出要素57
cと、最高電位VhYをホールド時間PwYに亘って維
持する収縮ホールド要素57dと、最高電位VhYから
所定の電圧勾配で中間電位VcYまで電位を下降させる
制振要素57eとから構成してある。
【0096】これらの第2駆動パルス56や第3駆動パ
ルス57が圧電振動子22に印加されると、第1駆動パ
ルス55を印加した時と同様に、圧力室23が膨張・収
縮し、ノズル開口部20からはインク滴が吐出する。
【0097】次に、上記の各駆動パルス55,56,5
7毎に設定値が変更可能な中間電位VcC,VcM,V
cYと、最高電位VhC,VhM,VhYと、ホールド
時間PwC,PwM,PwYとについて説明する。
【0098】まず、中間電位及び最高電位について説明
する。これらの中間電位及び最高電位は、記録ヘッド8
の製造時における検査工程で設定する。
【0099】具体的には、各ヘッドユニット21K,2
1C,21M,21Y毎に、全てのノズル開口部20…
からインク滴を実際に吐出させ、この吐出量を実測す
る。そして、各ヘッドユニット21から吐出したインク
滴の量が揃うように各駆動パルスの中間電位と最高電位
とを設定する。なお、インク滴の吐出量の実測は、例え
ば、吐出したインク滴を捕集して捕集量を電子天秤で計
測したり、或いは、インク吐出前とインク吐出後のイン
クカートリッジの重量を電子天秤で計測し、インクカー
トリッジの重量減少を求めることで行うことができる。
【0100】また、簡易的には、記録紙等の印刷記録媒
体上に所定のチェックパターンを記録し、このチェック
パターンをスキャナやラインセンサ等の光学的読取装置
で読み取って、パターンの記録濃度が所定濃度になるよ
うに中間電位や最高電位を設定するようにしてもよい。
【0101】次に、最高電位のホールド時間PwC,P
wM,PwYについて説明する。
【0102】圧電振動子22を圧力発生素子として使用
した記録ヘッド8では、圧電振動子22と第1の蓋部材
29(振動板)の固有振動数等によってメニスカスの振
動状態が変動する。そして、インク滴の吐出直後はメニ
スカスが大きく振動しているため、メニスカスの振動の
タイミングに合わせて制振要素を印加しないとメニスカ
スの振動が収まらず、次のインク滴の吐出を不安定にす
る。さらには、記録ヘッド8が気泡を取り込んでドット
抜けを発生させたり、ノズル開口部20の周縁がインク
で濡れてインク滴の飛行曲がりを生じさせたりする。
【0103】このため、本実施形態では、これらのホー
ルド時間を圧電振動子22の固有振動数に基づいて設定
してある。即ち、圧電振動子22の固有振動数に対応さ
せて複数種類のホールド時間を用意しておき、実測した
固有振動数に基づいて最適なホールド時間を設定する。
【0104】なお、圧電振動子22の固有振動周期の実
測は、例えば、レーザー変位計を用いて圧電振動子22
の振動状態を観察したり、圧電振動子22の逆起電力を
測定することによって行うことができる。
【0105】そして、ブラックヘッドユニット21Kの
インク吐出特性、及び、シアンヘッドユニット21Cの
インク吐出特性に合わせて第1駆動パルス55の中間電
位VcC,最高電位VhC,ホールド時間PwCを決定
する。同様に、マゼンタヘッドユニット21Mのインク
吐出特性に合わせて第2駆動パルス56の中間電位Vc
M,最高電位VhM,ホールド時間PwMを決定し、イ
エローヘッドユニット21Yのインク吐出特性に合わせ
て第3駆動パルス57の中間電位VcY,最高電位Vh
Y,ホールド時間PwYを決定する。
【0106】これらの決定した中間電位VcC,Vc
M,VcY及び最高電位VhC,VhM,VhYとホー
ルド時間PwC,PwM,PwYの各設定値に関し、こ
れらの各設定値のデータ、即ち、駆動パルスの波形デー
タ(本発明のパルス波形情報に相当)は、ID番号(本
発明の設定用識別情報に相当)と対応させた状態でRO
M5(本発明のパルス波形情報記憶手段に相当)に複数
種類保持させてある。
【0107】中間電位及び最高電位(駆動電圧)の情報
は、図5(a)に示すように、13.0Vから22.5
Vまで0.5Vステップで設定できるように構成してあ
る。そして、最小値である13.0VにはID番号「0
1」を付与してあり、2番目に小さい値である13.5
VにはID番号「02」を付与してある。以下、同様に
ID番号を付与してあり、最大値である22.5Vには
ID番号「20」を付与する。
【0108】また、ホールド時間の情報は、図5(b)
に示すように、4.0μsec、5.0μsec、6.
0μsecの3種類設定してあり、4.0μsecには
ID番号「01」を付与してあり、5.0μsecには
ID番号「02」を付与してあり、6.0μsecには
ID番号「03」を付与してある。
【0109】そして、測定に基づいて決定した中間電
位、最高電位、ホールド時間の各ID番号は、所定の順
序で配置され、記録ヘッド8に貼付されるシールに数字
として或いはバーコードとして表示し、記録ヘッド8を
プリンタ本体に組み込む時に一連のID番号を設定値記
憶素子12Aに記憶させる。
【0110】例えば、ID番号が数字で表示された場合
には、記録装置の操作パネル、或いは、記録装置に電気
的に接続したコンピュータ等を使用して、一連のID番
号を設定値記憶素子12Aに記憶させる。また、ID番
号がバーコードで表示された場合には、バーコードリー
ダによってバーコードを読み取り、このバーコードに示
される一連のID番号を設定値記憶素子12Aに記憶さ
せる。
【0111】図5(c)の表に示した例では、左から順
に、第1駆動パルス55の最高電位VhC,中間電位V
cC,ホールド時間PwC,第2駆動パルス56の最高
電位VhM,中間電位VcM,ホールド時間PwM,第
3駆動パルス57の最高電位VcY,中間電位VhY,
ホールド時間PwYの順でID番号を配置してある。
【0112】従って、設定値記憶素子12Aに記憶され
たID番号が「16030214020217040
3」である場合には、その記録ヘッド8に供給する駆動
信号COMに関し、VhC=20.5V(対応するID
番号=16,以下同じ),VcC=14.0V(0
3),PwC=5.0μsec(02),VhM=1
9.5V(14),VcM=13.5V(02),Pw
M=5.0μsec(02),VhY=21.0V(1
7),VcC=14.5V(04),PwY=6.0μ
sec(03)に設定することを意味する。
【0113】そして、駆動信号発生回路9、電源生成部
10、及び、制御部6(駆動信号発生手段)は、一連の
ID番号によって定められた波形の第1駆動パルス5
5、第2駆動パルス56、及び、第3駆動パルス57を
備えた駆動信号COMを発生する。即ち、各ヘッドユニ
ット21の圧電振動子群に対してそれぞれが最適な波形
に調整された複数の駆動パルス55,56,57を一連
に接続した駆動信号COMを発生する。また、シフトレ
ジスタ49、ラッチ回路50、レベルシフタ51、スイ
ッチ回路52、及び、制御部6(駆動パルス印加手段)
は、駆動信号COM中の駆動パルスを、対応する圧電振
動子群に対して選択的に印加する。
【0114】本実施形態では、第1駆動パルス55をブ
ラックヘッドユニット21K及びシアンヘッドユニット
21Cの圧電振動子群に印加し、第2駆動パルス56を
マゼンタヘッドユニット21Mの圧電振動子群に印加
し、第3駆動パルス57をイエローヘッドユニット21
Yの圧電振動子群に印加する。
【0115】なお、各駆動パルスと各ヘッドユニットの
組み合わせについては、各記録ヘッド8毎に任意の組み
合わせにすることができる。
【0116】また、上記の実施形態では、プリンタコン
トローラ1に設定値記憶素子12Aを設け、記録ヘッド
8を組み込む時に一連のID番号を設定値記憶素子12
Aに記憶させる構成について説明したが、この構成に限
定されない。
【0117】例えば、図1に示すように、設定値記憶素
子12Aに代えて設定値記憶素子12Bを記録ヘッド8
に設け、印刷実行時等の適宜タイミングで、設定値記憶
素子12Bに予め記憶させておいたID番号をプリンタ
コントローラ1に取得させるように構成することもでき
る。また、プリンタコントローラ1側の設定値記憶素子
12Aと記録ヘッド8側の設定値記憶素子12Bとを設
けておき、プリンタコントローラ1で記録ヘッド8の交
換を監視し、記録ヘッド8の交換がなされた際に、設定
値記憶素子12Bに記憶されているID番号を設定値記
憶素子12Aに転送して記憶させるように構成してもよ
い。また、プリンタの電源投入時に、記録ヘッド8側の
設定値記憶素子12Bに記憶されているID番号とプリ
ンタコントローラ1側の設定値記憶素子12Aに記憶さ
れているID番号とを比較し、両者が異なっていた場合
に、設定値記憶素子12BのID番号を設定値記憶素子
12Aに記憶させるように構成してもよい。
【0118】次に、上述した駆動信号COMを構成する
各駆動パルスを選択して各ヘッドユニット21の圧電振
動子群に印加してインク滴を吐出させる制御について説
明する。
【0119】図6に示すように、まず、制御部6は、ブ
ラックヘッドユニット21K用の印字データSIK(D
K1,DK2・・・DKn)、及び、シアンヘッドユニ
ット21C用の印字データSIC(DC1,DC2・・
・DCn)をクロック信号CLKに同期してシフトレジ
スタ49(シフトレジスタ素子49KA〜49KN,49
CA〜49CN)にシリアル入力する。
【0120】ここで、DK1,DK2・・・DKnは、
ブラックヘッドユニット21Kのノズル開口部20毎の
印字/非印字を示すデータを意味し、例えば、「1」で
印字、「0」で非印字を示す。そして、DK1は1番目
のノズル開口部20に対応するデータ、DK2は2番目
のノズル開口部20に対応するデータ、DKnはn番目
のノズル開口部20に対応するデータである。
【0121】同様に、DC1は、シアンヘッドユニット
21Cにおける1番目のノズル開口部20に対応するデ
ータ、DC2は2番目のノズル開口部20に対応するデ
ータ、DCnはn番目のノズル開口部20に対応するデ
ータである。
【0122】これらの印字データSIK,SICがシフ
トレジスタ49にセットされたならば、制御部6は、駆
動信号発生回路9が発生する駆動信号COMが第1駆動
パルス55に切り替わるタイミングP1に合わせてラッ
チ信号LATを印加させる。このラッチ信号LATが印
加されると、印字データSIK,SICはシフトレジス
タ49からラッチ回路50(ラッチ素子50KA〜50
KN,50CA〜50CN)へパラレル信号に変換された
状態で転送される。
【0123】ラッチ回路50に転送された印字データ
(DK1…DKn、及び、DC1…DCn)は、電圧増
幅器であるレベルシフタ51(レベルシフタ素子51K
A〜51KN、51CA〜51CN)によって所定の電圧レ
ベルまで昇圧された後、スイッチ回路52(スイッチ素
子52KA〜52KN、52CA〜52CN)に供給され
る。ここで、印字データとして「1」がセットされたシ
フトレジスタ素子49(即ち、ノズル開口部20)に対
応するスイッチ素子52は導通状態となり、このスイッ
チ素子52に接続された圧電振動子22には第1駆動パ
ルス55が供給される。また、印字データ「0」がセッ
トされたシフトレジスタ素子49に対応するスイッチ素
子52は非導通状態を維持し、その結果、このスイッチ
素子52に接続された圧電振動子22に駆動パルスは供
給されない。
【0124】これにより、ブラックヘッドユニット21
Kのノズル開口部20…、及び、シアンヘッドユニット
21Cのノズル開口部20…に関し、印字データ「1」
がセットされたノズル開口部20…からは第1駆動パル
ス55の印加に伴ってインク滴が吐出する。
【0125】第1駆動パルス55をラッチ回路50に転
送したならば、制御部6は、マゼンタヘッドユニット2
1Mに対する印字データSIM(DM1,DM2・・・
DMn)を、クロック信号CLKに同期させてシフトレ
ジスタ49(シフトレジスタ素子49MA〜49MN)に
シリアル入力する。
【0126】この印字データSIMがシフトレジスタ4
9にセットされたならば、制御部6は、駆動信号発生回
路9からの駆動信号COMが第2駆動パルス56に切り
替わるタイミングP2に合わせてラッチ信号LATを印
加させ、印字データSIMをシフトレジスタ49からラ
ッチ回路50(ラッチ素子50MA〜50MN)へ転送さ
せる。
【0127】ラッチ回路50に転送された印字データ
(DM1…DMn)は、電圧増幅器であるレベルシフタ
51(レベルシフタ素子51MA〜51MN)によって所
定の電圧に昇圧された後、スイッチ回路52(スイッチ
素子52MA〜52MN)に供給される。
【0128】これにより、マゼンタヘッドユニット21
Mのノズル開口部20…に関し、印字データ「1」がセ
ットされたノズル開口部20…からは第2駆動パルス5
6の印加に伴ってインク滴が吐出する。
【0129】第2駆動パルス56をラッチ回路50に転
送したならば、制御部6は、イエローヘッドユニット2
1Yに対する印字データSIY(DY1,DY2・・・
DYn)をクロック信号CLKに同期してシフトレジス
タ49(シフトレジスタ素子49CA〜49CN)にシリ
アル入力し、第3駆動パルス57に切り替わるタイミン
グP3に合わせてラッチ信号LATを印加させ、印字デ
ータをシフトレジスタ49からラッチ回路50(ラッチ
素子50YA〜50YN)へ転送させる。
【0130】ラッチ回路50に転送された印字データ
(DY1…DKn)は、レベルシフタ51(レベルシフ
タ素子51MA〜51MN)によって所定の電圧に昇圧さ
れた後、スイッチ回路52(スイッチ素子52MA〜5
2MN)に供給される。
【0131】これにより、イエローヘッドユニット21
Yのノズル開口部20…に関し、印字データ「1」がセ
ットされたノズル開口部20…からは第3駆動パルス5
7の印加に伴ってインク滴が吐出する。
【0132】そして、第3駆動パルス57をラッチ回路
50に転送したならば、制御部6は、ブラックヘッドユ
ニット21K用の印字データSIK及びシアンヘッドユ
ニット21C用の印字データSICをシフトレジスタ4
9にシリアル入力して、上記した処理を繰り返し実行す
る。
【0133】このように、本実施形態では、吐出する色
が定められたノズル列毎にヘッドユニット21を構成
し、また、ヘッドユニット21のインク吐出特性(主に
は、圧電振動子群の特性)に合わせたインク吐出条件に
それぞれ設定された複数の駆動パルス55,56,57
を含む一連の駆動信号COMを発生させるように駆動信
号発生回路9を構成し、製造工程に起因するインク吐出
特性のばらつきに応じて、駆動信号COM中の所定の駆
動パルスを圧電振動子群に対して選択的に印加するの
で、最適なインク吐出条件に調整された駆動パルスが各
圧電振動子群に印加される。
【0134】このため、製造ばらつき等によってヘッド
ユニットのインク吐出特性がばらついても、印加する駆
動パルスにより、この特性のばらつきを補正することが
できる。
【0135】従って、製造工程に起因するインク吐出特
性のばらつきに基づく画質の劣化、例えば、ドット径の
バラツキに起因する色むらや、インク滴の着弾位置のず
れに起因する記録画像の乱れなどの不具合を防止するこ
とができ、記録装置の品質の安定化を図ることができ
る。
【0136】また、ヘッドユニット21を、記録色が設
定されたノズル列毎に構成しているので、ノズル列毎に
異なる記録色が設定された記録ヘッド8では、記録画像
において特定の色が強くなってしまう不具合を防止する
ことができる。また、複数のノズル列に対して同じ記録
色が設定された記録ヘッド8では、ベタ画像(塗りつぶ
し画像)の色むらや、罫線が部分的に細くなったり太く
なったりする不具合、、罫線が部分的に位置ずれしてし
まうような不具合等を防止することができ、記録装置の
品質の安定化を図ることができる。
【0137】ところで、上記の実施形態では、複数種類
の駆動パルス55,56,57によって製造工程に起因
するインク吐出特性のばらつきを補正する場合について
説明したが、本発明は、顔料系インク等のように、イン
クの種類、例えば、インクの色毎に、粘度や比重等のイ
ンク物性が異なり、このインク物性に起因してインク吐
出特性がばらつく場合にも有用である。
【0138】この場合には、インク物性に適合可能な制
御条件にそれぞれが設定された複数の駆動パルスを含む
一連の駆動信号COMを駆動信号発生回路9で発生さ
せ、インクの種類に起因するインク物性のばらつきに応
じて、駆動信号COM中の駆動パルスを圧電振動子群に
対して選択的に印加させる。
【0139】このように、インク物性に最適な駆動パル
スを複数種類設定し、各駆動パルスを圧電振動子群に対
して選択的に印加させることにより、インクの物性の差
に起因して生じる着弾時のドット径のばらつきを補正す
ることができる。このため、色毎に物性が異なるインク
を用いた場合であっても、均一なドット径で記録を行う
ことができ、高品位の画像が記録できる。
【0140】また、上記の実施形態では、ブラックK、
シアンC、マゼンタM及びイエローYの4色の記録ヘッ
ド8について説明したが、図7(a)に示すように、ブ
ラックK、シアンC、ライトシアンLC、マゼンタM、
ライトマゼンタLM及びイエローYの6色の記録ヘッド
8’についても、同様に本発明を適用することができ
る。
【0141】例えば、ブラックK、シアンC、ライトシ
アンLC、及び、マゼンタMの各ヘッドユニット21
K,21C,21LC,21Mには上記した第1駆動パ
ルス55を印加し、ライトマゼンタLMのヘッドユニッ
ト21LMには、上記した第2駆動パルス56を印加
し、イエローYのヘッドユニット21Yには、上記した
第3駆動パルス57を印加する。
【0142】これにより上述した4色の記録ヘッド8と
同様に均一な記録ドット径を得ることができ、高品位の
画質の画像を記録できる。
【0143】また、図7(b)に示すように、同色(ブ
ラックK)のインクを吐出するヘッドユニット21Kが
複数配設された記録ヘッド8”についても、同様に本発
明を適用することができる。
【0144】また、上記の実施形態では、圧電振動子群
毎の特性のばらつきを補正する場合について説明した
が、圧電振動子群を構成する各圧電振動子22毎の特性
のばらつきを補正することもできる。この場合には、各
圧電振動子22毎に、インク吐出条件の異なる駆動パル
スを印加するように構成すればよい。
【0145】また、圧力発生素子として、いわゆるたわ
み振動モードの圧電振動子22を使用した実施形態につ
いて説明したが、これに代えて縦振動モードの圧電振動
子22を使用してもよい。この縦振動モードの圧電振動
子22は、充電すると圧力室23を膨張させる方向に収
縮し、放電すると圧力室23を収縮させる方向に伸長す
る振動子である。
【0146】また、上述の実施形態では、圧力室23を
一旦膨張させた後に収縮させることでインク滴を吐出さ
せる、いわゆる「引き打ち方式」を例に挙げて説明した
が、これに限らず、定常状態の圧力室23を収縮させる
ことでインク滴を吐出させる、いわゆる「押し打ち方
式」についても本発明を適用することができる。
【0147】また、圧力室23の容積を変化させる圧力
発生素子は、圧電振動子22に限定されるものではな
い。例えば、発熱素子を圧力発生素子として用いること
もできる。発熱素子を圧力発生素子として用いた場合に
は、発熱素子を圧力室23に配設して、発熱素子の加熱
で生じた気泡によって圧力室23内の圧力を変化させ、
インク滴を吐出させるようにする。
【0148】また、上記の実施形態では、ROM5に記
憶されている複数種類の波形データからID番号で指定
された波形データを選択して駆動信号COMを発生する
ように構成したものを例示した。
【0149】しかしながら、本発明はこの構成に限定さ
れるものではなく、例えば、記録ヘッド8の設定値記憶
素子12Bに駆動パルスの波形データを記憶させ、この
波形データに基づいて駆動信号COMを発生させるよう
に構成してもよい。
【0150】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
の効果を奏する。
【0151】請求項1に記載の発明では、駆動信号発生
手段は、異なるインク吐出特性に適合可能な制御条件に
それぞれが設定された複数の駆動パルスを含む一連の駆
動信号を発生し、駆動パルス印加手段は、インク吐出特
性に応じて駆動信号中の駆動パルスを圧力発生素子に対
して選択的に印加するので、圧力発生素子には、インク
吐出特性に適合した制御条件の駆動パルスが印加され
る。
【0152】このため、印加される駆動パルスによって
圧力室の圧力変動状態を調整することができ、インク吐
出特性の違いに拘わらず最適な記録を行うことができ
る。
【0153】従って、インク吐出特性の違いに起因する
画質の劣化などの不具合を防止することができ、記録装
置の品質の安定化が図れる。
【0154】また、設計通りのインク量がノズル開口部
から吐出するので、記録画像における色ずれや色相ず
れ、ざらつき感の発生を防止することができる。
【0155】さらに、圧力発生素子の特性のばらつきに
起因するインク吐出直後のメニスカスの振動も効果的に
抑えることができるので、気泡を記録ヘッド内部に取り
込み難くなり、空打ちによるドット抜けを効果的に防止
することができる。
【0156】請求項2に記載の発明では、駆動パルス印
加手段は、製造工程に起因するインク吐出特性のばらつ
きに応じて、駆動信号中の駆動パルスを圧力発生素子に
対して選択的に印加するので、製造ばらつきによってイ
ンク吐出特性がばらついても、印加される駆動パルスに
よって圧力室の圧力変動状態を調整することができ、イ
ンク吐出特性のばらつきを補正することができる。
【0157】請求項3から請求項5に記載の発明では、
多数の圧力発生素子を複数の圧力発生素子ユニットに分
けて構成し、駆動パルス印加手段は、対応する圧力発生
素子ユニット毎に駆動パルスを印加するので、圧力発生
素子ユニットに対応するヘッドユニット毎の製造ばらつ
きに起因する画質の劣化などの不具合を防止することが
でき、記録装置の品質安定化が図れる。
【0158】そして、ノズル列毎に圧力発生素子ユニッ
トを構成した場合には、ノズル列毎にインク吐出量がば
らつくことに起因する不具合を防止することができる。
【0159】例えば、ノズル列毎に異なる色を吐出させ
るようにした記録ヘッドでは、特定の色が強く記録され
てしまう不具合を防止することができる。また、複数の
ノズル列で同じ色を吐出させるようにした記録ヘッドで
は、ベタ記録領域での色むらを効果的に防止することが
できる。
【0160】請求項6及び請求項7に記載の発明では、
駆動パルス印加手段は、インク色等のインクの種類に起
因するインク物性のばらつきに応じて、駆動信号中の駆
動パルスを圧力発生素子に対して選択的に印加するの
で、顔料系インク等のようにインク色等の種類毎にイン
ク物性が異なるインクであっても、そのインク物性毎に
最適な駆動パルスを設定することができ、インク物性に
適した量のインク滴を吐出させることができる。これに
より、インクの物性の差に起因して生じるドット径のば
らつきを防止することができる。
【0161】請求項8に記載の発明では、パルス波形情
報記憶手段には、駆動パルスの波形を規定するためのパ
ルス波形情報を設定用識別情報と対応させて複数種類保
持させ、設定用識別情報記憶手段には、記録ヘッド毎に
設定される設定用識別情報を記憶させ、駆動信号発生手
段により、設定用識別情報によって定められた波形の駆
動パルスを発生させているので、記録ヘッドが備える圧
力発生素子に関し、この圧力発生素子固有の設定値を設
定用識別情報として設定用識別情報記憶手段に記憶させ
るだけで特性のばらつきを補正することができる。
【0162】このため、各記録ヘッドに最適な駆動信号
を容易に発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット式記録装置の構成を説明するブ
ロック図である。
【図2】(a)は記録ヘッドのノズルを説明するための
図、(b)は記録ヘッドの構造を説明する図である。
【図3】記録ヘッドにおける電気的構成を説明するブロ
ック図である。
【図4】駆動信号を説明する図である。
【図5】駆動パルスの波形データとID番号を説明する
図であり、(a)はROMに記憶された中間電位及び最
高電位の値とID番号との関係を説明する図、(b)は
収縮ホールド要素のホールド時間とID番号との関係を
説明する図、(c)は記録ヘッドに付与されるID番号
を説明する図である。
【図6】一連の駆動信号の中から対応する駆動パルスを
圧電振動子ユニットへ印加する動作を説明するタイミン
グチャートである。
【図7】(a)、(b)は記録ヘッドの他の形態を説明
するための図である。
【符号の説明】
1 プリンタコントローラ 2 プリントエンジン 3 外部インターフェイス 4 RAM 5 ROM 6 制御部 7 発振回路 8 記録ヘッド 9 駆動信号発生回路 10 電源生成部 11 内部インターフェイス 12A,12B 設定値記憶素子 13 電源回路 16 紙送り機構 17 キャリッジ機構 20 ノズル開口部 21 ヘッドユニット 21K ブラックヘッドユニット 21C シアンヘッドユニット 21M マゼンタヘッドユニット 21Y イエローヘッドユニット 22 圧電振動子 23 圧力室 25 アクチュエータユニット 26 流路ユニット 29 第1の蓋部材 30 スペーサ部材 31 第2の蓋部材 33 インク供給口形成基板 34 インク室形成基板 35 ノズルプレート 36 接着層 38 供給側連通孔 39 第1ノズル連通孔 40 共通電極 41 圧電体層 42 駆動電極 43 インク供給口 44 インク室 45 第2ノズル連通孔 49 シフトレジスタ 50 ラッチ回路 51 レベルシフタ 52 スイッチ回路 55 第1駆動パルス 56 第2駆動パルス 57 第3駆動パルス

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数のノズル開口部と、各ノズル開口部
    にそれぞれ連通した圧力室と、各圧力室に対応して設け
    られた圧力発生素子とを有する記録ヘッドを備え、駆動
    パルスの印加に伴う圧力発生素子の作用によって圧力室
    に圧力変動を生じさせ、この圧力変動によってノズル開
    口部からインク滴を吐出させるインクジェット式記録装
    置において、 異なるインク吐出特性に適合可能な制御条件にそれぞれ
    が設定された複数の駆動パルスを含む一連の駆動信号を
    発生する駆動信号発生手段と、 インク吐出特性に応じて、駆動信号中の駆動パルスを圧
    力発生素子に対して選択的に印加する駆動パルス印加手
    段とを備えたことを特徴とするインクジェット式記録装
    置。
  2. 【請求項2】 前記駆動パルス印加手段は、製造工程に
    起因するインク吐出特性のばらつきに応じて、駆動信号
    中の駆動パルスを圧力発生素子に対して選択的に印加す
    ることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式
    記録装置。
  3. 【請求項3】 前記多数の圧力発生素子を複数の圧力発
    生素子ユニットに分けて構成し、 駆動パルス印加手段は、対応する圧力発生素子ユニット
    毎に駆動パルスを印加することを特徴とする請求項2に
    記載のインクジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 前記記録ヘッドはノズル開口部を列状に
    並べたノズル列を複数備え、各ノズル列に対応させて圧
    力発生素子ユニットを設けたことを特徴とする請求項3
    に記載のインクジェット式記録装置。
  5. 【請求項5】 前記ノズル列毎に、吐出するインク滴の
    色を設定したことを特徴とする請求項4に記載のインク
    ジェット式記録装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動パルス印加手段は、インク物性
    に応じて駆動信号中の駆動パルスを圧力発生素子に対し
    て選択的に印加することを特徴とする請求項1に記載の
    インクジェット式記録装置。
  7. 【請求項7】 前記駆動パルス印加手段は、インクの色
    毎にばらつくインク物性に応じて駆動パルスを選択的に
    印加することを特徴とする請求項6に記載のインクジェ
    ット式記録装置。
  8. 【請求項8】 駆動パルスの波形を規定するためのパル
    ス波形情報を設定用識別情報と対応させて複数種類保持
    するパルス波形情報記憶手段と、 記録ヘッド毎に設定される設定用識別情報を記憶する設
    定用識別情報記憶手段とを設け、 駆動信号発生手段は、設定用識別情報によって定められ
    た波形の駆動パルスを発生することを特徴とする請求項
    1から請求項7の何れかに記載のインクジェット式記録
    装置。
  9. 【請求項9】 前記圧力発生素子をたわみ振動モードの
    圧電振動子によって構成し、該圧電振動子の変形によっ
    て圧力室に圧力変動を生じさせるように構成したことを
    特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載のイン
    クジェット式記録装置。
  10. 【請求項10】 前記圧力発生素子を縦振動モードの圧
    電振動子によって構成し、該圧電振動子の変形によって
    圧力室に圧力変動を生じさせるように構成したことを特
    徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載のインク
    ジェット式記録装置。
  11. 【請求項11】 前記圧力発生素子を発熱素子によって
    構成し、この発熱素子からの熱で膨張・収縮する気泡に
    よって圧力室に圧力変動を生じさせるように構成したこ
    とを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の
    インクジェット式記録装置。
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