JP2010194834A - 液体噴射ヘッド、液体噴射装置、液体噴射ヘッドのバイアス電圧の設定方法、液体噴射ヘッドの駆動方法 - Google Patents

液体噴射ヘッド、液体噴射装置、液体噴射ヘッドのバイアス電圧の設定方法、液体噴射ヘッドの駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】繰り返し駆動による変位量の低下を抑制して、繰り返し駆動した際のインク吐出量の低下を抑制し、安定した印刷品質を維持することができる液体噴射ヘッド、液体噴射装置、液体噴射ヘッドのバイアス電圧の設定方法、液体噴射ヘッドの駆動方法を提供する。
【解決手段】ノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧電素子と、を具備する液体噴射ヘッドであって、前記圧電素子を駆動させる制御部117と、前記圧電素子の駆動情報を記録する記録部114と、前記圧電素子に駆動電圧とバイアス電圧とを供給する電源供給部120と、を備え、前記制御部117が、前記記録部114に格納された前記圧電素子の前記駆動情報に基づいて、前記駆動電圧を負方向にシフトさせる前記バイアス電圧を調整する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッド、液体噴射装置、液体噴射ヘッドのバイアス電圧の設定方法、液体噴射ヘッドの駆動方法に関する。
液体噴射ヘッド等に用いられる圧電素子は、電気機械変換機能を呈する圧電材料、例えば、結晶化した誘電材料からなる圧電体層を、2つの電極で挟んで構成されたものがある。なお、液体噴射ヘッドの代表例としては、例えば、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド等がある(特許文献1及び2参照)。
特開2006−321200号公報 特開2008−114555号公報
しかしながら、圧電素子は、駆動初期の変位量に比べて、繰り返し駆動した際の変位量が低下するため、吐出量が安定せずに、印刷品質が劣化する虞があるという問題がある。
また、特許文献1では、駆動電圧を正方向にシフトさせるバイアス電圧を印加して、圧電素子を駆動させるようにしているものの、実質的に印字品質を向上するのは困難であるという問題がある。
なお、このような問題は、インクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、繰り返し駆動による変位量の低下を抑制して、繰り返し駆動した際のインク吐出量の低下を抑制し、安定した印刷品質を維持することができる液体噴射ヘッド、液体噴射装置、液体噴射ヘッドのバイアス電圧の設定方法、液体噴射ヘッドの駆動方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧電素子と、を具備する液体噴射ヘッドであって、前記圧電素子を駆動させる制御部と、前記圧電素子の駆動情報を記録する記録部と、前記圧電素子に駆動電圧とバイアス電圧とを供給する電源生成部と、を備え、前記制御部が、前記記録部に格納された前記圧電素子の前記駆動情報に基づいて、前記駆動電圧を負方向にシフトさせる前記バイアス電圧を調整することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、バイアス電圧を駆動電圧が負方向にシフトするように印加すると共に、バイアス電圧を駆動情報に基づいて調整することで、圧電素子を繰り返し駆動しても、圧電素子の変位量が低下するのを抑制することができる。これにより、繰り返し駆動した際のインク吐出量の低下を抑制し、安定した印刷品質を維持することができる。
ここで、前記駆動情報が、前記圧電素子の駆動回数であることが好ましい。これによれば、駆動回数に基づいた変位低下量に基づいてバイアス電圧を調整して、圧電素子の変位量の低下を抑制できる。
また、前記駆動回数が、前記ノズル開口から液体を吐出する吐出回数を含むものであることが好ましい。これによれば、圧電素子の変位低下に最も影響を与える吐出駆動の回数に基づいて、バイアス電圧を調整することで、圧電素子の変位量の低下を高精度に抑制できる。
また、前記液体の吐出回数をN(自然数)、バイアス電圧による前記駆動電圧のシフト量をΔVとしたとき、Ln(N)∝ΔVを満たすことが好ましい。これによれば、バイアス電圧の電圧値(駆動電圧のシフト量)ΔVを、液体の吐出回数Nの自然対数に比例させることで、圧電素子の繰り返し駆動による変位低下率の変化に則してシフトされた駆動電圧で圧電素子を駆動させることができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、長期間に亘って安定した印刷品質を維持することができる液体噴射装置を実現できる。
また、本発明の他の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧電素子と、を具備する液体噴射ヘッドのバイアス電圧の設定方法であって、前記圧電素子を駆動する駆動電圧を負方向にシフトさせるバイアス電圧を前記圧電素子の駆動情報に基づいて設定することを特徴とする液体噴射ヘッドのバイアス電圧の設定方法にある。
かかる態様では、バイアス電圧を駆動電圧が負方向にシフトするように印加すると共に、バイアス電圧を駆動情報に基づいて調整することで、圧電素子を繰り返し駆動しても、圧電素子の変位量が低下するのを抑制することができる。これにより、繰り返し駆動した際のインク吐出量の低下を抑制し、安定した印刷品質を維持することができる。
さらに、本発明の他の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧電素子と、を具備する液体噴射ヘッドの駆動方法であって、前記圧電素子を駆動する駆動電圧を負方向にシフトさせるバイアス電圧を前記圧電素子の駆動情報に基づいて調整することを特徴とする液体噴射ヘッドの駆動方法にある。
かかる態様では、バイアス電圧を駆動電圧が負方向にシフトするように印加すると共に、バイアス電圧を駆動情報に基づいて調整することで、圧電素子を繰り返し駆動しても、圧電素子の変位量が低下するのを抑制することができる。これにより、繰り返し駆動した際のインク吐出量の低下を抑制し、安定した印刷品質を維持することができる。
本発明の実施形態1に係る記録装置を示す斜視図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドを示す分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 本発明の実施形態1に係る制御部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態1に係る電源生成部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの駆動波形を示す波形図である。 本発明の実施形態1に係るヒステリシス特性を示すグラフである。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置を示す概略図である。図1に示すように、液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドを有するヘッドユニット1A及び1Bは、液体貯留手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、このヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。このヘッドユニット1A及び1Bは、液体として、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上に搬送されるようになっている。そして、このようなインクジェット式記録装置Iでは、キャリッジ3がキャリッジ軸5に沿って移動されると共にインクジェット式記録ヘッドによって液体が吐出されて記録シートSに印刷される。
ここで、液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドについて図2及び図3を用いて説明する。図2は、液体噴射ヘッドの一例であるのインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図3は、インクジェット式記録ヘッドの断面図である。
本実施形態の流路形成基板10は、シリコン単結晶基板からなり、その一方の面には酸化シリコンを主成分とする弾性膜50が形成されている。
流路形成基板10には、複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14及び連通路15を介して連通されている。連通部13は、後述する保護基板のリザーバー部31と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバーの一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。なお、本実施形態では、流路形成基板10には、圧力発生室12、連通部13、インク供給路14及び連通路15からなる液体流路が設けられていることになる。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。なお、ノズルプレート20は、例えば、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板、ステンレス鋼等からなる。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、酸化ジルコニウムを主成分とする絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、第1電極60と、圧電体層70と、第2電極80と、が積層形成されて圧電素子300(本実施形態の圧力発生素子)を構成している。ここで、圧電素子300は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部320という。本実施形態では、第1電極60を圧電素子300の共通電極とし、第2電極80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせてアクチュエーター装置と称する。なお、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び第1電極60が振動板として作用するが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、弾性膜50及び絶縁体膜55を設けずに、第1電極60のみが振動板として作用するようにしてもよい。また、圧電素子300自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。
圧電体層70は、第1電極60上に形成される電気機械変換作用を示す圧電材料、特に圧電材料の中でも一般式ABOで示されるペロブスカイト構造を有する金属酸化物からなる。圧電体層70としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電体材料や、これに酸化ニオブ、酸化ニッケル又は酸化マグネシウム等の金属酸化物を添加したもの等が好適である。具体的には、チタン酸鉛(PbTiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)、ジルコニウム酸鉛(PbZrO)、チタン酸鉛ランタン((Pb,La),TiO)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン((Pb,La)(Zr,Ti)O)又は、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛(Pb(Zr,Ti)(Mg,Nb)O)等を用いることができる。
圧電体層70の厚さについては、製造工程でクラックが発生しない程度に厚さを抑え、且つ十分な変位特性を呈する程度に厚く形成する。例えば、本実施形態では、圧電体層70を1〜5μm前後の厚さで形成した。
圧電素子300の個別電極である各第2電極80には、インク供給路14側の端部近傍から引き出され、絶縁体膜55上にまで延設される、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が接続されている。
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上、すなわち、第1電極60、絶縁体膜55及びリード電極90上には、リザーバー100の少なくとも一部を構成するリザーバー部31を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。このリザーバー部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバー100を構成している。また、流路形成基板10の連通部13を圧力発生室12毎に複数に分割して、リザーバー部31のみをリザーバーとしてもよい。さらに、例えば、流路形成基板10に圧力発生室12のみを設け、流路形成基板10と保護基板30との間に介在する部材(例えば、弾性膜50、絶縁体膜55等)にリザーバーと各圧力発生室12とを連通するインク供給路14を設けるようにしてもよい。
また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。圧電素子保持部32は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
このような保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔33内に露出するように設けられている。
また、保護基板30上には、並設された圧電素子300を駆動するための駆動回路400が固定されている。この駆動回路400としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路400とリード電極90とは、ボンディングワイヤ等の導電性ワイヤからなる接続配線401を介して電気的に接続されている。
また、このような保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料からなり、この封止膜41によってリザーバー部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、比較的硬質の材料で形成されている。この固定板42のリザーバー100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバー100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドIIでは、液体供給手段であるカートリッジ2A又は2Bと接続したインク導入口からインクを取り込み、リザーバー100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路400からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの第1電極60と第2電極80との間に電圧を印加し、弾性膜50、絶縁体膜55、第1電極60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
図4は、インクジェット式記録ヘッドの制御構成を示す図である。ここで、図4を参照して、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドの制御について説明する。本実施形態のインクジェット式記録装置Iは、図4に示すように、プリンターコントローラー111とプリントエンジン112とから概略構成されている。
プリンターコントローラー111は、外部インターフェース113(以下、外部I/F113という)と、圧電素子300の駆動情報を記録するバックアップメモリー114と、各種データを一時的に記憶するRAM115と、制御プログラム等を記憶したROM116と、CPU等を含んで構成した制御部117と、クロック信号を発生する発振回路118と、インクジェット式記録ヘッドIIへ供給するための駆動信号を発生する駆動信号形成回路119と、この駆動信号形成回路119で使用するための電源を生成する電源生成部120と、駆動信号や印刷データに基づいて展開されたドットパターンデータ(ビットマップデータ)等をプリントエンジン112に送信する内部インターフェース121(以下、内部I/F121と言う)とを備えている。
外部I/F113は、例えば、キャラクターコード、グラフィック関数、イメージデータ等によって構成される印刷データを、図示しないホストコンピューター等から受信する。また、この外部I/F113を通じてビジー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)が、ホストコンピューター等に対して出力される。RAM115は、受信バッファー122、中間バッファー123、出力バッファー124、及び、図示しないワークメモリーとして機能する。そして、受信バッファー122は外部I/F113によって受信された印刷データを一時的に記憶し、中間バッファー123は制御部117が変換した中間コードデータを記憶し、出力バッファー124はドットパターンデータを記憶する。なお、このドットパターンデータは、階調データをデコード(翻訳)することにより得られる印字データによって構成してある。
バックアップメモリー114は、本発明の駆動情報を記録する記録部として機能するものであり、駆動情報を記憶する記録部114aと、二次電池やコンデンサー等によって構成されたバックアップ電源供給部114bとを備える。バックアップ電源供給部114bは、インクジェット式記録装置Iの主電源の切断時においても記憶内容を保持させるため、バックアップ電源を記録部114aに対して供給する。
なお、バックアップメモリー114は、記録部114aとバックアップ電源供給部114bとから構成されるものに限らず、EEPROM等の不揮発性メモリーからなる記録部114aのみで構成されていてもよい。
また、ROM116には、各種データ処理を行わせるための制御プログラム(制御ルーチン)の他に、フォントデータ、グラフィック関数等を記憶させてある。制御部117は、受信バッファー122内の印刷データを読み出すと共に、この印刷データを変換して得た中間コードデータを中間バッファー123に記憶させる。また、中間バッファー123から読み出した中間コードデータを解析し、ROM116に記憶させているフォントデータ及びグラフィック関数等を参照して、中間コードデータをドットパターンデータに展開する。そして、制御部117は、必要な装飾処理を施した後に、この展開したドットパターンデータを出力バッファー124に記憶させる。
そして、インクジェット式記録ヘッドIIの1行分に相当するドットパターンデータが得られたならば、この1行分のドットパターンデータは、内部I/F121を通じてインクジェット式記録ヘッドIIに出力される。また、出力バッファー124から1行分のドットパターンデータが出力されると、展開済みの中間コードデータは中間バッファー123から消去され、次の中間コードデータについての展開処理が行われる。
また、図5に示すように、電源生成部120は、駆動電源生成部120aと、バイアス電源生成部120bとを具備する。
駆動電源生成部120aは、駆動信号形成回路119に、詳しくは後述する基準となる駆動波形の駆動電圧となる駆動電源を供給する。
バイアス電源生成部120bは、駆動信号形成回路119に基準となる駆動波形に示される駆動電圧を負方向にシフトさせるバイアス電圧を供給する。ここで言う基準の駆動波形に示される駆動電圧とは、一方の電極に印加した電位と、他方の電極に印加した電位との電位差のことを言う。例えば、圧電素子300の一方の電極(例えば、第1電極60)を基準として、他方の電極(例えば、第2電極80)に正(プラス)となる電位を印加した場合の駆動電圧を正(プラス)の駆動電圧とすると、反対に第1電極60を基準として、第2電極80に負(マイナス)の電位を印加した場合の駆動電圧は、負の駆動電圧となる。
そして、詳しくは後述するが、バイアス電源生成部120bが生成するバイアス電圧は、制御部117によって圧電素子300の駆動情報に基づいて駆動電圧を負方向にシフトさせるシフト量が調整される。すなわち、バイアス電源生成部120bは、制御部117に制御されることで、生成するバイアス電圧の電圧値が調整される。ここで、駆動電圧を負方向にシフトさせるとは、正の駆動電圧は負方向にシフトされることで絶対値が小さくなり、負の駆動電圧は負方向にシフトされることで絶対値が大きくなることである。
そして、駆動信号形成回路119は、駆動電源生成部120aが生成した駆動電源と、バイアス電源生成部120bが生成した調整されたバイアス電圧とに基づいて駆動波形を生成する。
プリントエンジン112は、インクジェット式記録ヘッドIIと、紙送り機構125と、キャリッジ機構126とを含んで構成してある。紙送り機構125は、紙送りモーターとプラテン8等から構成してあり、記録紙等の印刷記憶媒体をインクジェット式記録ヘッドIIの記録動作に連動させて順次送り出す。即ち、この紙送り機構125は、印刷記憶媒体を副走査方向に相対移動させる。
キャリッジ機構126は、インクジェット式記録ヘッドIIを搭載可能なキャリッジ3と、このキャリッジ3を主走査方向に沿って走行させるキャリッジ駆動部とから構成してあり、キャリッジ3を走行させることによりインクジェット式記録ヘッドIIを主走査方向に移動させる。なお、キャリッジ駆動部は、上述したように駆動モーター6及びタイミングベルト7等で構成されている。
インクジェット式記録ヘッドIIは、副走査方向に沿って多数のノズル開口21を有し、ドットパターンデータ等によって規定されるタイミングで各ノズル開口21から液滴を吐出する。そして、このようなインクジェット式記録ヘッドIIの圧電素子300には、図示しない外部配線を介して電気信号、例えば、後述する駆動信号(COM)や印字データ(SI)等が供給される。なお、このように構成されるプリンターコントローラー111及びプリントエンジン112では、プリンターコントローラー111と、駆動信号形成回路119から出力された所定の駆動波形を有する駆動信号を選択的に圧電素子300に入力するラッチ132、レベルシフター133及びスイッチ134等を有する駆動回路400とが圧電素子300に所定の駆動信号を印加する駆動手段となる。
なお、これらのシフトレジスター131、ラッチ132、レベルシフター133、スイッチ134及び圧電素子300は、それぞれ、インクジェット式記録ヘッドIIの各ノズル開口21毎に設けられており、これらのシフトレジスター131、ラッチ132、レベルシフター133及びスイッチ134は、駆動信号形成回路119が発生した吐出駆動信号や緩和駆動信号から駆動パルスを生成する。ここで、駆動パルスとは実際に圧電素子300に印加される印加パルスのことである。
このようなインクジェット式記録ヘッドIIでは、最初に発振回路118からのクロック信号(CK)に同期して、ドットパターンデータを構成する印字データ(SI)が出力バッファー124からシフトレジスター131へシリアル伝送され、順次セットされる。この場合、まず、全ノズル開口21の印字データにおける最上位ビットのデータがシリアル伝送され、この最上位ビットのデータシリアル伝送が終了したならば、上位から2番目のビットのデータがシリアル伝送される。以下同様に、下位ビットのデータが順次シリアル伝送される。
そして、当該ビットの印字データが全ノズル分が各シフトレジスター131にセットされたならば、制御部117は、所定のタイミングでラッチ132へラッチ信号(LAT)を出力させる。このラッチ信号により、ラッチ132は、シフトレジスター131にセットされた印字データをラッチする。このラッチ132がラッチした印字データ(LATout)は、電圧増幅器であるレベルシフター133に印加される。このレベルシフター133は、印字データが例えば「1」の場合に、スイッチ134が駆動可能な電圧値、例えば、数十ボルトまでこの印字データを昇圧する。そして、この昇圧された印字データは各スイッチ134に印加され、各スイッチ134は、当該印字データにより接続状態になる。
そして、各スイッチ134には、駆動信号形成回路119が発生した駆動信号(COM)も印加されており、スイッチ134が選択的に接続状態になると、このスイッチ134に接続された圧電素子300に選択的に駆動信号が印加される。このように、例示したインクジェット式記録ヘッドIIでは、印字データによって圧電素子300に吐出駆動信号を印加するか否かを制御することができる。例えば、印字データが「1」の期間においてはラッチ信号(LAT)によりスイッチ134が接続状態となるので、駆動信号(COMout)を圧電素子300に供給することができ、この供給された駆動信号(COMout)により圧電素子300が変位(変形)する。また、印字データが「0」の期間においてはスイッチ134が非接続状態となるので、圧電素子300への駆動信号の供給は遮断される。なお、この印字データが「0」の期間において、各圧電素子300は直前の電位を保持するので、直前の変位状態が維持される。
なお、上記の圧電素子300は、所謂たわみ振動型の圧電素子300である。このたわみ振動型の圧電素子300を用いると、充電により圧電素子300が電界と直交する方向に縮んで圧力発生室12が収縮し、充電された圧電素子300を放電すると、圧電素子300が電界と直交する方向に伸張して圧力発生室12が膨張する。このようなインクジェット式記録ヘッドIIでは、圧電素子300に対する充放電に伴って対応する圧力発生室12の容積が変化するので、圧力発生室12の圧力変動を利用してノズル開口21から液滴を吐出させることができる。
ここで、圧電素子300に入力される本実施形態の駆動信号(COM)を表す駆動波形について説明する。なお、図6は、本実施形態の駆動信号を示す駆動波形である。
圧電素子300に入力される駆動波形は、共通電極(第1電極60)を基準電位(本実施形態では0V)として、個別電極(第2電極80)に印加されるものである。本実施形態の基準となる駆動波形200は、図6(a)に示すように、中間電位Vmを維持した状態から第1電位V1まで降下させて圧力発生室12を膨張させる第1の電圧変化工程P01と、第1電位V1を一定時間維持する第1のホールド工程P02と、第1電位V1から第2電位V2まで上昇させて圧力発生室12を収縮させる第2の電圧変化工程P03と、第2電位V2を一定時間維持する第2のホールド工程P04と、第2電圧V2から中間電位Vmまで下降させて圧力発生室12を膨張させる第3の電圧変化工程P05とで構成されている。
そして、このような駆動波形200が圧電素子300に出力されると、第1の電圧変化工程P01によって圧電素子300が圧力発生室12の容積を膨張させる方向に変形して、ノズル開口21内のメニスカスが圧力発生室12側に引き込まれる。次いで、第2の電圧変化工程P03によって、圧電素子300が圧力発生室12の容積を収縮させる方向に変形することにより、ノズル開口21内のメニスカスが圧力発生室12側から大きく押し出され、ノズル開口21から液滴が吐出される。すなわち、この駆動波形200は、プル−プッシュ方式のものである。
このような基準となる駆動波形200において、圧電素子300に印加する駆動電圧とは、圧電素子300の一方の電極(例えば、第1電極60)に印加した電位と、他方の電極に印加した電位との電位差のことである。例えば、圧電素子300の一方の電極(例えば、第1電極60)を基準として、他方の電極(例えば、第2電極80)に正(プラス)となる電位を印加した場合の駆動電圧を正(プラス)の駆動電圧とすると、反対に第1電極60を基準として、第2電極80に負(マイナス)の電位を印加した場合の駆動電圧は、負の駆動電圧となる。具体的には、本実施形態では、例えば、第1ホールド工程P02では、圧電素子300には負(マイナス)の駆動電圧V2が印加され、第2ホールド工程P04では、圧電素子300には正(プラス)の駆動電圧V3が印加される。
そして、バイアス電源生成部120bが生成するバイアス電圧は、図6(a)に示す基準となる駆動波形200の駆動電圧を負方向にシフトさせるものである。ここで、駆動電圧を負方向にシフトさせるとは、正の駆動電圧は負方向にシフトされることで絶対値が小さくなり、負の駆動電圧は負方向にシフトされることで絶対値が大きくなることである。
具体的には、駆動電圧を負方向にシフトさせるバイアス電圧が印加されると、駆動信号形成回路は、図6(b)に示す駆動波形201を生成する。すなわち、バイアス電圧が印加された駆動波形201は、図6(b)に示すように、基準となる駆動波形200の中間電位Vmよりも低い中間電位Vm′を維持した状態から、基準となる駆動波形200の第1電位V1よりも低い第3電位V1′まで降下させて圧力発生室12を膨張させる第4の電圧変化工程P11と、第3電位V1′を一定時間維持する第3のホールド工程P12と、第3電位V1′から基準となる駆動波形200の第2電位V2よりも低い第4電位V2′まで上昇させて圧力発生室12を収縮させる第5の電圧変化工程P13と、第4電位V2′を一定時間維持する第4のホールド工程P14と、第4電圧V2′から中間電位Vm′まで下降させて圧力発生室12を膨張させる第6の電圧変化工程P15とで構成されている。
このような駆動波形201の第3電位V1′及び第4電位V2′は、基準となる駆動波形200の第1電位V1及び第2電位V2からバイアス電圧によって同じ電位だけ負方向にシフトされたものである。すなわち、駆動電圧を負方向にシフトさせるバイアス電圧とは、図6(b)に示すように、駆動信号を示す駆動波形200を負の電圧方向にシフトさせて駆動波形201とするもののことである。
ここで、インクジェット式記録ヘッドIIに搭載される圧電素子300の圧電体層70は、誘電材料からなり、分極(P)−電界(E)におけるヒステリシス特性を有することが知られている。すなわち、圧電体層70に印加する電界を変化させると、図7(a)に示すように、分極の正負が反転するヒステリシス特性を有する曲線(ヒステリシス曲線210)が描かれる。
そして、圧電素子300に用いられている圧電体層70を構成する圧電材料は、駆動中に分極の回転伸縮を繰り返すため、駆動回数の増加に伴いその分極方向が電界印加方向に沿うように一部固定される、いわゆる疲労現象が発生し、圧電素子300の変位量が低下してしまう。
このように、繰り返し駆動した後の圧電素子300の圧電体層70は、ヒステリシス曲線210に比べて、電界の負方向にシフトしたヒステリシス特性(ヒステリシス曲線211)となる。ちなみに、圧電体層70のヒステリシス特性のシフト量は、圧電素子300の駆動回数によって変化する。
そして、このような特性を有する圧電素子300は、駆動回数が少ない初期状態と、繰り返し駆動を行った後の状態とで、同じ駆動波形(例えば、上述した基準となる駆動波形200)を用いると、初期状態のインク吐出量に比べて、繰り返し駆動した後のインク吐出量が低下してしまう。これは、上述のように、初期状態の圧電素子300の圧電体層70のヒステリシス曲線210は、繰り返し駆動することによって負の電界方向にシフトしたヒステリシス曲線211に変化するからである。
すなわち、初期状態の圧電素子300(圧電体層70)を基準となる駆動波形で駆動すると、例えば、第2の電圧変化工程P03では、圧電素子300に印加する駆動電圧をV1からV2に変化させることで、V1の分極とV2の分極との差である分極量ΔPで示される変位が圧電素子300で行われる。そして、繰り返し駆動した圧電素子300(圧電体層70)を同じ基準となる駆動波形200で駆動すると、例えば、第2の電圧変化工程P03では、負の電界方向にシフトしたヒステリシス特性(ヒステリシス曲線211)となっていることから、分極量ΔPよりも小さな分極量ΔP′で示される変位が行われるに過ぎない。
これに対して、図7(b)に示すように、初期状態の圧電素子300を基準となる駆動波形で駆動したとしても、繰り返し駆動によるヒステリシス特性のシフト量だけ、駆動電圧に駆動電圧を負方向にシフトさせるバイアス電圧を設定することで、初期状態の分極量ΔPと実質的に同じ分極量ΔP”で示される変位を行わせることができる。
このように、駆動回数に拘わらず、圧電素子300を比較的均一化された変位量で駆動するためには、基準となる駆動波形の駆動電圧を負方向にシフトさせるバイアス電圧を印加すると共に、バイアス電圧の電圧値を圧電素子300の駆動回数に基づいて調整すればよい。
このようなバイアス電圧値の調整は、本実施形態では、制御部によって行わせている。具体的には、制御部は、圧電素子300の駆動回数を駆動情報として記録部に記録すると共に、記録部に記録した駆動情報に基づいて、バイアス電源生成部を制御することで、駆動電圧を負方向にシフトさせるシフト量となるバイアス電圧の電圧値を調整する。
ここで、圧電素子300の駆動回数を示す駆動情報としては、例えば、圧電素子300の実際の駆動回数を信号からカウントしたものであってもよく、また、インクを吐出する吐出回数であってもよい。また、駆動情報として、圧電素子300で使用されるインク消費量を取得するようにしてもよい。ちなみに、インク消費量は、例えば、液体貯留手段であるインクカートリッジ2A、2Bのインク残量を検出することで取得することができる。また、圧電素子300の圧電体層70の疲労現象が主に発生するのは、ノズル開口21から液体を吐出させた場合(吐出駆動)であると考えられる。したがって、駆動情報として、インクを吐出する吐出回数を取得するのが好適であると考えられる。ただし、圧電素子300には、インクを吐出する吐出駆動以外にも、ノズル開口21からインクが吐出しない程度に駆動させる微振動駆動を行わせる場合がある。したがって、記録部には、圧電素子300の吐出駆動及び微振動駆動の回数を駆動情報として記録してもよい。
また、制御部は、バイアス電圧値の調整を、個別の圧電素子300に対して行っても、複数の圧電素子300で構成される圧電素子300の群に対して行ってもよい。例えば、圧電素子300の群に対してバイアス電圧値を調整する場合には、例えば、全ての圧電素子300の駆動回数の平均値を用いるようにしてもよく、また、同じ色を吐出する圧電素子300の駆動回数の平均値を用いるようにしてもよく、複数列の圧電素子300に対して列毎の圧電素子300の駆動回数の平均値を用いるようにしてもよい。
なお、制御部が行うバイアス電圧値の調整は、駆動情報(駆動回数)とバイアス電圧値を予め規定した補正テーブルを設け、この補正テーブルに基づいて行うことができる。このような補正テーブルは、圧電素子300を実際に駆動した駆動回数と、インクの吐出量(分極)と、駆動電圧との関係を測定することで用意することができる。
そして、制御部は、インクの吐出回数をN(自然数)、バイアス電圧による駆動電圧のシフト量(バイアス電圧の電圧値)をΔVとしたとき、Ln(N)∝ΔVを満たすように調整するのが好適である(Lnは自然対数)。
これは、圧電素子300の繰り返し駆動による変位低下率が一定ではないからである。すなわち、圧電素子300を繰り返し駆動すると、最初は圧電素子300の変位量が急激に低下し(変位低下率が大きく)、圧電素子300の駆動回数が増加するにしたがって徐々に変位低下率が小さくなっていくからである。そして、バイアス電圧の電圧値ΔVを、インクの吐出回数Nに比例するように変化させると、圧電素子300の駆動回数が増加するに従い、バイアス電圧の電圧値ΔVが増大し過ぎてしまい、所望の変位量を得ることができなくなってしまう。これに対して、バイアス電圧の電圧値ΔVを、インクの吐出回数Nの自然対数に比例させることで、圧電素子300の繰り返し駆動による変位低下率の変化に則してシフトされた駆動電圧で圧電素子300を駆動させることができる。
以上説明したように、本発明では、制御部が、圧電素子300の駆動回数である駆動情報に基づいて、基準となる駆動波形の駆動電圧を負方向にシフトさせるバイアス電圧を調整する。これにより、圧電素子を繰り返し駆動した際の変位量を均一化することができ、圧電素子の駆動回数に拘わらずインク吐出量を均一化して、印刷品質を長期間に亘って維持することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1のプリンターコントローラー111は、インクジェット式記録ヘッドIIに搭載するようにしてもよく、インクジェット式記録装置Iに搭載するようにしてもよい。
また、上述した実施形態1では、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧電素子として、薄膜型の圧電素子300を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電素子や、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電素子などを使用することができる。
また、例えば、上述した実施形態1では、流路形成基板10として、シリコン単結晶基板を例示したが、特にこれに限定されず、例えば、SOI基板、ガラス等の材料を用いるようにしてもよい。
また、上述したインクジェット式記録装置Iでは、インクジェット式記録ヘッドII(ヘッドユニット1A、1B)がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッドIIが固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
さらに、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種のインクジェット式記録ヘッド等の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも適用することができる。
また、液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置Iを挙げて説明したが、上述した他の液体噴射ヘッドを用いた液体噴射装置にも用いることが可能である。
I インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 II インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 111 プリンターコントローラー、 112 プリントエンジン、 114a 記録部、 117 制御部、 120 電源生成部、 120a 駆動電源生成部、 120b バイアス電源生成部、 200 基準となる駆動波形、 201 駆動波形、 210、211 ヒステリシス曲線、 300 圧電素子

Claims (7)

  1. ノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧電素子と、を具備する液体噴射ヘッドであって、
    前記圧電素子を駆動させる制御部と、
    前記圧電素子の駆動情報を記録する記録部と、
    前記圧電素子に駆動電圧とバイアス電圧とを供給する電源生成部と、を備え、
    前記制御部が、前記記録部に格納された前記圧電素子の前記駆動情報に基づいて、前記駆動電圧を負方向にシフトさせる前記バイアス電圧を調整することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記駆動情報が、前記圧電素子の駆動回数であることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記駆動回数が、前記ノズル開口から液体を吐出する吐出回数を含むものであることを特徴とする請求項2記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記液体の吐出回数をN(自然数)、バイアス電圧による前記駆動電圧のシフト量をΔVとしたとき、Ln(N)∝ΔVを満たすことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
  6. ノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧電素子と、を具備する液体噴射ヘッドのバイアス電圧の設定方法であって、
    前記圧電素子を駆動する駆動電圧を負方向にシフトさせるバイアス電圧を前記圧電素子の駆動情報に基づいて設定することを特徴とする液体噴射ヘッドのバイアス電圧の設定方法。
  7. ノズル開口に連通する圧力発生室と、該圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧電素子と、を具備する液体噴射ヘッドの駆動方法であって、
    前記圧電素子を駆動する駆動電圧を負方向にシフトさせるバイアス電圧を前記圧電素子の駆動情報に基づいて調整することを特徴とする液体噴射ヘッドの駆動方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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