JP2006231928A - 液体吐出ヘッド駆動方法及び液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧電体への電圧の印加によって圧力室を収縮させ液体を吐出させる液体吐出装置であって、前記圧電体に対して液体吐出動作時に印加する駆動波形が、前記圧電体の抗電界を超えた電界強度を示す電圧を印加する高電位期と、前記高電位期とは電位が逆極性となる電圧を印加する逆電位期と、を含み、前記逆電位期に印加する電圧は、前記圧電体の抗電界を超えない電界強度を示す電圧であり、前記逆電位期と前記高電位期との間に、電位上昇期、電位維持期、及び電位下降期を有する、液体吐出装置を提供する。
【選択図】図10
Description
この圧電体素子を用いたインクジェット式記録ヘッドにおいて、圧電体膜によるインクの吐出特性を向上させるため、圧電体膜の組成や結晶配向性などを特定のものにして良好な特性を得る努力が行なわれている。例えば、本発明者らは、100面配向度が70%以上のPZTが良好な特性を示すという知見を得ている。
そこで、本発明は、目的とする良好な特性を得ることができ、かつ材料選択の幅を広げることができるような液体吐出装置を提供することを目的とする。
上記液体吐出装置において、前記駆動波形は、前記高電位期1回につき前記逆電位期1回を備えることが望ましい。
上記液体吐出装置において、前記液体吐出動作時に印加する駆動波形のうち、前記圧力室の収縮動作時に対応する部分が、前記高電位期の少なくとも一部と、前記逆電位期の少なくとも一部と、を含むことが望ましい。これにより、大きな変位を圧力室の収縮に生かすことができる。
また、上記液体吐出装置において、前記液体吐出ヘッドによる液体吐出時の圧電体の歪みは、0.3%以上であることが望ましい。
上記液体吐出装置において、前記駆動波形は、所定の中間電位から前記高電位期における最高電位に至る電位変化により、圧力室を収縮させて液体を吐出させ、前記逆電位期を経て前記所定の中間電位に戻るように構成するとともに、前記逆電位期から前記所定の中間電位までの電位変化は、液体を吐出させないような勾配とすることが望ましい。
上記液体吐出装置において、前記高電位期における最高電位から前記逆電位期の電位まで連続的に電位を変化させることが望ましい。これにより、高周波での駆動を可能にすることができる。
上記液体吐出装置において、前記高電位期の電圧の印加1回につき、前記逆電位期の電圧を選択的に印加可能としてもよい。これにより、液滴の大きさを増減することができる。
<1.インクジェットプリンタの全体構成>
図1は、本発明の実施形態による液体吐出装置であるプリンタの構造を説明する斜視図である。このプリンタには、本体2に、トレイ3、排出口4および操作ボタン9が設けられている。さらに本体2の内部には、液体吐出ヘッドであるインクジェット式記録ヘッド1、給紙機構6、制御回路8が備えられている。
インクジェット式記録ヘッド1は、後述の圧電体素子を備えている。インクジェット式記録ヘッド1は、制御回路8から供給される吐出信号に対応して、ノズルからインクなどの液体を吐出可能に構成されている。
本体2は、プリンタの筐体であって、用紙5をトレイ3から供給可能な位置に給紙機構6を配置し、用紙5に印字可能なようにインクジェット式記録ヘッド1を配置している。トレイ3は、印字前の用紙5を給紙機構6に供給可能に構成され、排出口4は、印刷が終了した用紙5を排出する出口である。
給紙機構6は、モータ600、ローラ601・602、その他の図示しない機械構造を備えている。モータ600は、制御回路8から供給される駆動信号に対応して回転可能になっている。機械構造は、モータ600の回転力をローラ601・602に伝達可能に構成されている。ローラ601および602は、モータ600の回転力が伝達されると回転するようになっており、回転によりトレイ3に載置された用紙5を引き込み、ヘッド1によって印刷可能に供給するようになっている。
制御回路8は、図示しないCPU、ROM、RAM、インターフェース回路などを備え、図示しないコネクタを介してコンピュータから供給される印字情報に対応させて、駆動信号を給紙機構6に供給したり、吐出信号をインクジェット式記録ヘッド1に供給したりできるようになっている。また、制御回路8は操作パネル9からの操作信号に対応させて動作モードの設定、リセット処理などが行えるようになっている。
図2は、上記プリンタの電気的構成を示すブロック図である。本実施形態のプリンタの電気的構成は、図2に示すように、制御回路8とプリントエンジン12とを備えている。
制御回路8は、外部インターフェース13(以下、外部I/F13という)と、各種データを一時的に記憶するRAM14と、制御プログラム等を記憶したROM15と、CPU等を含んで構成した制御部16と、クロック信号を発生する発振回路17と、インクジェット式記録ヘッド1へ供給するための駆動信号を発生する駆動手段である駆動信号発生回路19と、駆動信号や印刷データに基づいて展開されたドットパターンデータ(ビットマップデータ)等をプリントエンジン12に送信する内部インターフェース18(以下、内部I/F18という)とを備えている。
外部I/F13は、例えば、キャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータ等によって構成される印刷データを、図示しないホストコンピュータ等から受信する。また、この外部I/F13を通じてビジー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)が、ホストコンピュータ等に対して出力される。
RAM14は、受信バッファ141、中間バッファ142、出力バッファ143、及び、図示しないワークメモリとして機能する。そして、受信バッファ141は外部I/F13によって受信された印刷データを一時的に記憶し、中間バッファ142は制御部16が変換した中間コードデータを記憶し、出力バッファ143はドットパターンデータを記憶する。なお、このドットパターンデータは、階調データをデコード(翻訳)することにより得られる印字データによって構成してある。
また、ROM15には、各種データ処理を行わせるための制御プログラム(制御ルーチン)の他に、フォントデータ、グラフィック関数等を記憶させてある。
制御部16は、受信バッファ141内の印刷データを読み出すと共に、この印刷データを変換して得た中間コードデータを中間バッファ142に記憶させる。また、制御部16は、中間バッファ142から読み出した中間コードデータを解析し、ROM15に記憶させているフォントデータ及びグラフィック関数等を参照して、中間コードデータをドットパターンデータに展開する。そして、制御部16は、必要な装飾処理を施した後に、この展開したドットパターンデータを出力バッファ143に記憶させる。
そして、インクジェット式記録ヘッド1の1行分に相当するドットパターンデータが得られたならば、この1行分のドットパターンデータは、内部I/F18を通じてインクジェット式記録ヘッド1に出力される。また、出力バッファ143から1行分のドットパターンデータが出力されると、展開済みの中間コードデータは中間バッファ142から消去され、次の中間コードデータについての展開処理が行われる。
プリントエンジン12は、インクジェット式記録ヘッド1と、給紙機構6と、キャリッジ機構7とを含んで構成してある。
給紙機構6は、紙送りモータと紙送りローラ等から構成してあり、記録紙等の印刷記憶媒体をインクジェット式記録ヘッド1の記録動作に連動させて順次送り出す。即ち、この給紙機構6は、印刷記憶媒体を副走査方向に相対移動させる。
キャリッジ機構7は、インクジェット式記録ヘッド1を搭載可能なキャリッジ本体と、このキャリッジ本体を主走査方向に沿って走行させるキャリッジ駆動部とから構成してある。そして、キャリッジ本体を走行させることによりインクジェット式記録ヘッド1を主走査方向に移動させることができる。なお、キャリッジ駆動部は、タイミングベルトを用いたもの等、キャリッジ本体を走行させ得る機構であれば任意の構成を採り得る。
インクジェット式記録ヘッド1は、副走査方向に沿って多数のノズルを有し、ドットパターンデータ等によって規定されるタイミングで各ノズルからインク滴を吐出する。
図3は、上記液体吐出装置であるプリンタに用いられるインクジェット式記録ヘッドの構造の説明図である。インクジェット式記録ヘッド1は、いわゆるたわみ振動のインクジェット式記録ヘッドであり、図に示すように、ノズル板10、圧力室基板20および振動板30を備えて構成されている。このヘッドは、ピエゾジェット式ヘッドを構成している。
圧力室基板20は、圧力室(キャビティ)21、側壁(隔壁)22、リザーバ23および供給口24を備えている。圧力室21は、シリコン等の基板をエッチングすることにより形成されたインクなどを吐出するために貯蔵する空間となっている。側壁22は圧力室21間を仕切るよう形成されている。リザーバ23は、インクを共通して各圧力室21に供給するための流路となっている。供給口24は、リザーバ23から各圧力室21にインクを導入可能に形成されている。
ノズル板10は、圧力室基板20に設けられた圧力室21の各々に対応する位置にそのノズル11が配置されるよう、圧力室基板20の一方の面に貼り合わせられている。ノズル板10を貼り合わせた圧力室基板20は、さらに筐体25に納められて、インクジェット式記録ヘッド1を構成している。
振動板30は圧力室基板20の他方の面に貼り合わせられている。振動板30には圧電体素子(図示しない)が設けられている。振動板30には、インクタンク接続口(図示せず)が設けられて、図示しないインクタンクに貯蔵されているインクを圧力室基板20のリザーバ23に供給可能になっている。
図4に、上記インクジェット式記録ヘッドのさらに具体的な構造を説明する断面図を示す。この断面図は、一つの圧力室及び圧電体素子の断面を拡大したものである。図に示すように、振動板30は、絶縁膜31および下部電極32を積層して構成され、圧電体素子40は下部電極32上に圧電体薄膜層41及び上部電極42を積層して構成されている。このインクジェット式記録ヘッド1は、圧電体素子40、圧力室21およびノズル11が一定のピッチで連設されて構成されている。このノズル間のピッチは、印刷精度に応じて適宜設計変更が可能である。例えば400dpi(dot per inch)になるように配置される。
絶縁膜31は、導電性でない材料、例えば二酸化珪素(SiO2)により厚さ1μm程度に形成され、圧電体薄膜層の変形により変形し、圧力室21の内部の圧力を瞬間的に高めることが可能に構成されている。
下部電極32は、圧電体薄膜層に電圧を印加するための一方の電極であり、導電性を有する材料、例えば、白金(Pt)などにより厚さ0.2μm程度に形成されている。下部電極32は、圧力室基板20上に形成される複数の圧電体素子に共通な電極として機能するように絶縁膜31と同じ領域に形成される。ただし、圧電体薄膜層41と同様の大きさに、すなわち上部電極と同じ形状に形成することも可能である。
上部電極42は、圧電体薄膜層に電圧を印加するための他方の電極となり、導電性を有する材料、例えば白金(Pt)又はイリジウム(Ir)で厚さ0.1μm程度に形成されている。
圧電体薄膜層41は、例えばペロブスカイト構造を持つチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電性セラミックスの結晶であり、振動板30上に所定の形状で形成されている。圧電体薄膜層41の厚さは2μm以下が好ましく、例えば1μm程度に形成される。この圧電体薄膜の抗電界は、例えば2×106[V/m]程度である。
上記インクジェット式記録ヘッド1の構成において、印刷動作を説明する。制御回路8から駆動信号が出力されると、給紙機構6が動作し用紙5がヘッド1によって印刷可能な位置まで搬送される。制御回路8から吐出信号が供給されず圧電体素子40の下部電極32と上部電極42との間に電圧が印加されていない場合、圧電体薄膜層41には変形を生じない。吐出信号が供給されていない圧電体素子40が設けられている圧力室21には、圧力変化が生じず、そのノズル11からインク滴は吐出されない。
一方、制御回路8から吐出信号が供給され圧電体素子40の下部電極32と上部電極42との間に一定電圧が印加された場合、圧電体薄膜層41に変形を生じる。吐出信号が供給された圧電体素子40が設けられている圧力室21ではその振動板30が大きくたわむ。このため圧力室21内の圧力が瞬間的に高まり、ノズル11からインク滴が吐出される。ヘッド中で印字データに対応した位置の圧電体素子に吐出信号を個別に供給することで、任意の文字や図形を印刷させることができる。
次に、図5を参照して、上述したインクジェット式記録ヘッドの電気的構成について、より詳細に説明する。
インクジェット式記録ヘッド1は、図5に示すように、シフトレジスタ51、ラッチ回路52、レベルシフタ53、スイッチ54及び圧電体素子40等を備えている。さらに、図5に示すように、これらのシフトレジスタ51、ラッチ回路52、レベルシフタ53、スイッチ54及び圧電体素子40は、それぞれ、インクジェット式記録ヘッド1の各ノズル11に設けたシフトレジスタ素子51A〜51N、ラッチ素子52A〜52N、レベルシフタ素子53A〜53N、スイッチ素子54A〜54N、圧電体素子40A〜40Nから構成してある。これらシフトレジスタ51、ラッチ回路52、レベルシフタ53、スイッチ54、圧電体素子40は、この順で電気的に接続してある。
なお、これらのシフトレジスタ51、ラッチ回路52、レベルシフタ53及びスイッチ54は、駆動信号発生回路19が発生した吐出駆動信号から駆動パルスを生成する。ここで、駆動パルスとは実際に圧電体素子40に印加される印加パルスのことである。
図6は、圧電素子に駆動パルス(駆動信号)を印加する手順を説明する図である。図6を参照して、以上のような電気的構成を有するインクジェット式記録ヘッド1の制御について説明する。
上述したような電気的構成を有するインクジェット式記録ヘッド1では、図6に示すように、最初に発振回路17からのクロック信号(CK)に同期して、ドットパターンデータを構成する印字データ(SI)が出力バッファ143からシフトレジスタ51へシリアル伝送され、順次セットされる。この場合、まず、全ノズル11の印字データにおける最上位ビットのデータがシリアル伝送される。そして、この最上位ビットのデータシリアル伝送が終了したならば、上位から2番目のビットのデータがシリアル伝送される。以下同様に、下位ビットのデータが順次シリアル伝送される。
そして、当該ビットの印字データが全ノズル分シフトレジスタ素子51A〜51Nにセットされたならば、制御部16は、所定のタイミングでラッチ回路52へラッチ信号(LAT)を出力させる。このラッチ信号により、ラッチ回路52は、シフトレジスタ51にセットされた印字データをラッチする。このラッチ回路52がラッチした印字データ(LATout)は、電圧増幅器であるレベルシフタ53に印加される。このレベルシフタ53は、印字データが例えば「1」の場合に、スイッチ54が駆動可能な電圧値、例えば、数十ボルトまでこの印字データを昇圧する。そして、この昇圧された印字データはスイッチ素子54A〜54Nに印加され、スイッチ素子54A〜54Nは、当該印字データにより接続状態になる。
そして、各スイッチ素子54A〜54Nには、駆動信号発生回路19が発生した吐出駆動信号も印加されている。従って、スイッチ素子54A〜54Nが接続状態になると、このスイッチ素子54A〜54Nに接続された圧電体素子40A〜40Nに吐出駆動信号が印加される。
このように、例示したインクジェット式記録ヘッド1では、印字データによって圧電体素子40に吐出駆動信号を印加するか否かを制御することができる。例えば、印字データが「1」の期間においてはラッチ信号(LAT)によりスイッチ54が接続状態となるので、駆動信号(COMout)を圧電体素子40に供給することができる。そして、この供給された駆動信号(COMout)により圧電体素子40が変位(変形)する。また、印字データが「0」の期間においてはスイッチ54が非接続状態となるので、圧電体素子40への駆動信号の供給は遮断される。なお、この印字データが「0」の期間において、各圧電体素子40は直前の電位を保持するので、直前の変位状態が維持される。
図7は、第1参考例及び比較例の液体吐出装置及び駆動方法による駆動波形の波形図である。図8は、上記駆動波形による圧電体薄膜素子の変位量の測定結果を示すグラフである。図7に示すように、駆動波形としては、8μ秒の電位上昇期、20μ秒の最高電位維持期、8μ秒の電位下降期を備え、最高電位と最低電位の差が25Vの台形波を用いた。この台形波のオフセット電圧(駆動波形中、最低電位の対アースDC電圧)ΔVを種々変えて、圧電体薄膜素子を駆動して変位量を測定した。オフセット電圧ΔV<0の場合が、逆電位期を有する第1参考例に相当し、オフセット電圧ΔV≧0の場合が、逆電位期を有しない比較例に相当する。圧電体薄膜素子としては、(100)面配向度79%のPZTを用いたサンプル3点(グループ1)と、(100)面配向度33%のPZTを用いたサンプル3点(グループ2)につき測定し、それぞれ平均を求めた。
グループ1のPZTを用いた場合、まず、比較例であるオフセット電圧ΔV≧0付近では、約420〜450nmの変位が得られた。この変位量が得られればインクジェット式記録ヘッドとしても使用可能ではあるが、より変位量が大きくなることが望ましい。次に第1参考例であるオフセット電圧ΔV<0で測定したところ変位量が上昇し、ΔV=−3V付近で最大変位513nmが得られた。
グループ2のPZTを用いた場合、まず、比較例であるオフセット電圧ΔV≧0付近では、約290〜315nmの変位であった。この変位量は上記グループ1の場合と比較しても十分とは言い難く、より変位量が大きくなることが望ましい。次に第1参考例であるオフセット電圧ΔV<0で測定したところ変位量が大幅に上昇し、ΔV=−4.3V付近で最大変位451nmが得られた。
なお、グループ1及びグループ2ともに、オフセット電圧ΔVを更に低く(絶対値を大きく)すると、変位量は減少した。これは、オフセット電圧ΔVが低すぎると抗電界を超えてしまい、歪みが反転するためであると推測される。
上記のように、グループ1及びグループ2ともに、第1参考例の液体吐出装置を用いることにより、比較例に比べて変位量が向上した。この変位量の向上は、図9(a)のヒステリシスカーブで説明される。同図に示すように、逆電位期を有しない比較例の駆動では、破線Aのようなカーブになり、逆電位期を有する第1参考例の駆動では、破線Bのようなカーブになる。電界強度(E)の変化量が同じでも、破線Bの方が大きな歪み(S)を得られていることがわかる。
更に、グループ2のように、比較例では十分な特性を得ることができないと評価され得る圧電体素子でも、第1参考例の液体吐出装置を用いることにより変位量が格段に向上し、使用に堪える特性を引き出すことができるので、材料選択の余地が向上する。
また、比較例による液体吐出装置により駆動した場合には、1億パルス以上の多数回駆動を行うと、変位量が当初の変位量よりも12%程度低下したが、第1参考例による液体吐出装置により駆動した場合には、多数回駆動時の変位低下が5%以内に収められることが確認された。その理由は以下のように推測される。圧電体の抗電界を超えて駆動する場合に、多数回駆動すると、図9(b)に示すように、ヒステリシスカーブが破線のように変化してくる。これにより、逆電位期を有しない駆動では変位低下が起こる。しかし、逆電位期を設けることにより、ヒステリシスカーブが変化しても十分な変位を得ることができる。
上記グループ1とグループ2とでは、最大変位を得るためのオフセット電圧ΔVの最適値が互いに異なっている。従って、求められる特性に応じて、オフセット電圧ΔVの値を調節することが望ましい。
図10は、液体吐出装置により印刷動作時に圧電体素子に印加される電圧波形の例を示す波形図であり、特に図10(A)は第2参考例の一周期分の波形、図10(B)は実施例1の一周期分の波形である。かかる波形が圧電体薄膜に印加される場合は、20kHz〜50kHzの周波数で印加される。この波形は印刷動作時に印加する波形であるから、印刷休止時のヘッドクリーニング中や、インクカートリッジ交換シーケンス中などに印加する波形がこれと異なっていても良い。
図10(A)に示す駆動波形は、ここでは電位維持期a4、電位下降期a5、電位維持期a6、電位上昇期a1、電位維持期a2、電位下降期a3を備えている。
電位維持期a4では、メニスカスの残留振動を安定させる。電位下降期a5及び電位維持期a6では、一旦メニスカスをノズル内に引込むとともに図示しないインクタンクから新たにインクを引き込んで次の電位上昇期a1での吐出に備える。電位上昇期a1及び電位維持期a2では、圧電体に電圧を印加して圧力室を収縮させることにより、インクをノズルから吐出させる。電位下降期a3では、圧力室を拡大させることにより、吐出されずに残ったインクをノズル内に引き込む。
特に電位維持期a6では、インクを吐出する電位維持期a2と逆極性の電圧(−V1)を圧電体に印加する。この電位維持期a6のような電圧を印加する逆電位期を駆動波形中に設けることにより、圧電体の特性を最大限に発揮させることが可能となっている。圧電体の特性をより効果的に発揮させるためには、インクの吐出1回につき、電位維持期a6のような電圧を印加する逆電位期を1回設けることが望ましい。
電位維持期a2においては、圧電体における電界強度が、1.5×107[V/m]以上となるように設定する。例えば、電位維持期a2における印加電圧を、20〜30[V]程度の高い絶対値を有する値に設定する。この場合、圧電体薄膜の膜厚を1μmとすると、電位維持期a2における圧電体の電界強度は、2×107〜3×107[V/m]であり、本参考例における圧電体の抗電界2×106[V/m]の10倍程度高くなっている。
第1参考例と同様に、圧電体の特性を効果的に発揮させるには、電位維持期a6を含む逆電位期における電位(−V1)は、圧電体における電界強度の絶対値が圧電体の抗電界を超えないような電位であることが望ましい。また、電位維持期a6を含む逆電位期における電位(−V1)の絶対値は、電位維持期a2のような高電位期における電位の絶対値の最大値以下であることが望ましい。例えば圧電体の膜厚が1μm、電位維持期a6における電位(−V1)=−2Vとすれば、圧電体における電界強度の絶対値は2×106[V/m]となる。
圧力室の収縮動作を行う電位上昇期a1においては、電位維持期a6に続いて負の電位から電位が上昇し、電位維持期a2で最高電位に到達する。
図10(B)に示す駆動波形は、上記a1〜a6と同様の部分の他に、電位上昇期a7、電位維持期a8、電位下降期a9、電位維持期a10を備えている。電位上昇期a7、電位維持期a8、電位下降期a9は、上記電位上昇期a1及び電位維持期a2でインクを吐出するためのメニスカス制御を目的とするものであって、インク吐出前に、メニスカスに所望の振動を与えることによって吐出特性を向上させる効果を有している。
電位維持期a6における電圧(−V2)は、図10(A)の波形と同様、圧電体における電界強度の絶対値が、抗電界を超えない値でありインク吐出時の電界の最高値以下となるような電圧であることが望ましい。
上記第1、第2参考例及び実施例1では、逆電位期の圧電体における電界強度が抗電界を超えない場合の利点について説明したが、抗電界以上となってもよい。ここで、図10(A)又は図10(B)の駆動波形において、逆電位期のうち電位維持期a6における電位(−V1又は−V2)を、圧電体における電界強度の絶対値が圧電体の抗電界より大きくなるような電位としたものを、それぞれ第4参考例及び実施例2とする。この場合、電位維持期a6における電位(−V1又は−V2)の絶対値は電位維持期a2における電位の絶対値以下であることが望ましい。例えば圧電体の膜厚が1μm、電位維持期a6における電位(−V1)=−5Vとすれば、圧電体における電界強度の絶対値は5×106[V/m]となる。
このように、電位維持期a6において抗電界を超えるような電界強度を示す電位とすることにより、駆動波形中に、すなわち印刷休止時間以外のときに、圧電体膜に残留する分極を消去することができる。圧電体が薄膜化されると、残留分極が比較的早く減じられる傾向にあるので、特開平9−141866号公報のような分極処理をしても、その後しばらく駆動しないと分極が低下する。この場合、駆動履歴のある素子と駆動履歴のない素子との間で分極に差が生じ、却って素子間のばらつきが生じてしまう。本実施例では、駆動波形中に吐出電圧と逆極性の電圧を印加するので、印刷動作が長時間連続する場合でも圧電体素子の変位のばらつきを効果的に抑制することができる。
また、特に、圧電体薄膜を用いた液体吐出ヘッドを駆動する場合には、圧電体薄膜の歪みが大きく、0.3%以上となる。そして、基板の弾性復元力も十分ではないため、圧電体薄膜に残留歪みが生じやすい。従って、残留分極を消去することは極めて有効である。
図11に、第4参考例の更なる変形例である第6参考例及び第7参考例の駆動波形を示す。図12に、これら駆動波形を用いて圧電体薄膜を駆動した場合の変位の推移を示す。図11に示す2種類の駆動波形は、逆電位期に印加する電圧の最小値が−5Vとなる点で共通するが、この−5Vの電圧を印加する時間が異なる。実線で示す波形(W6)は第6参考例に係り、−5Vの電圧を印加する時間を2μ秒に設定してある。一方、破線で示す波形(W7)は第7参考例に係り、−5Vの電圧を印加する時間を0.13μ秒に設定してある。
圧電体薄膜の抗電界を2×106[V/m]、膜厚を1.5μmとした場合、圧電体薄膜に−3Vより低い電圧を印加すると圧電体薄膜内の電界強度が抗電界を超える。電界強度が抗電界を超えている時間、すなわち、波形(W6)において−3Vより低い電圧を印加する時間は約3μ秒、波形(W7)において−3Vより低い電圧を印加する時間は約1.5μ秒である。
図12の曲線(C6)は、図11の波形(W6)を印加した際の変位の推移を示している。変位の最大値と最小値との差は、344nmであった。この曲線(C6)に示されるように、逆電位期において抗電界を超えると、歪む方向が反転してしまう。つまり、印加電圧を下げると、抗電界に達するまでは変位が下がっていくが、抗電界に達した後は、印加電圧を下げても、変位が上昇してしまう。このことは、抗電界を超えたことによって分極が反転したことを示している。圧電体薄膜の歪む方向が曲線(C6)のように反転すると、液体吐出ヘッドを駆動した際にメニスカスの動きが不安定となり、液滴を正確に吐出することが困難になる。
一方、図12の曲線(C7)は、図11の波形(W7)を印加した際の変位の推移を示している。逆電位期において抗電界を超える時間を2μ秒以下としたところ、逆電位期においても歪む方向が反転しないことがわかった。また、変位の最大値と最小値との差は、359nmであり、曲線(C6)の場合に比べて、変位量も大きくなることがわかった。
図13は、上記駆動波形を用いて液体吐出ヘッドを駆動した場合の振動板の変位速度の推移を測定したグラフである。第7参考例において逆電位期から高電位期に至る圧力室の収縮動作時での振動板の変位速度(D7)は、最大で1m/sec付近まで上昇しているのに対し、第6参考例の収縮動作時での振動板の変位速度(D6)は最大で0.5m/secと第7参考例の半分程度であった。このことから明らかなように、第7参考例の駆動波形を用いれば、振動板の変位速度を高めることができる。
以上説明したように、第7参考例の駆動方法では、逆電位期にて圧電体膜層41に抗電界が生じる電位よりも絶対値の高い電位まで印加電圧を変化させて圧力室21を膨張させる。そして、抗電界に伴い圧力室21の収縮が始まった後、膨張に反転しないうちに高電位期に移り、圧力室を更に収縮させて液体を吐出させるようにした。このことで、振動板30の変位量及び変位速度を高めることができる。すなわち、参考例の駆動方法では、抗電界による振動板30の変位をインク吐出時のための変位として作用させるようにしたので、圧力室21を収縮させる時の振動板30の変位量及び変位速度を実質的に高めることができる。
また、本参考例では、逆電位期において抗電界を超える期間を2μ秒より小さく設定すれば、抗電界による振動板30の変位量をインク吐出時のための変位として作用させることができる。また、圧力室21が収縮し始めてから収縮し終わるまでの期間を2μ秒より小さく設定すれば、逆電位期での収縮開始から高電位期での収縮終了までの移行がスムーズとなり、振動板35の変位量を効果的に高めることができる。これにより、インクの吐出速度を速くできるというメリットもある。
図14は、第8参考例に係る駆動信号及び圧電素子の変位の一例を示す図である。
第8参考例において、圧電体素子40に印加される基本駆動信号(COM)は、図14(a)に示すように、高電位期60と逆電位期70とを備えている。そして、印字データに応じて高電位期60の電圧が圧電体素子40に出力されることによりインク滴を吐出し、その後、逆電位期70の電圧が圧電体素子40に出力される。本参考例では、高電位期60と逆電位期70とを1回ずつ交互に出力している。
ここで、本参考例のインクジェット式記録ヘッド1は、いわゆる「引き打ち」方式のものである。高電位期60は、中間電位VMを維持した状態から電位VLまで降下させて圧力室21を膨張させる第1の膨張工程61と、最低電位VLを一定時間維持する第1のホールド工程62と、最低電位VLから最高電位VHまで上昇させて圧力室21を収縮させることによってインク滴を吐出させる収縮工程63と、最高電位VHを一定時間維持する第2のホールド工程64と、最高電位VHから中間電位VMまで降下させる第2の膨張工程65とで構成されている。
一方、逆電位期70は、電位を中間電位VMから零以下である所定電位VRまで下降させる下降工程71と、所定電位VRを一定時間維持するホールド工程72と、所定電位VRから中間電位VMまで上昇させる上昇工程73とで構成されている。
そして、上記のような高電位期60によって圧電体素子40を駆動させると、図14(b)に示すように、圧電体素子40が第1の膨張工程61において中間変位DMから最小変位DLまで変形することによって、ノズル11内のメニスカスは圧力室21側に引き込まれる。次いで、第1のホールド工程62を介して収縮工程63が実行され、圧電体素子40が最大変位DHまで変形することによってインク滴が吐出される。すなわち、収縮工程63は第1の膨張工程61による振動によってメニスカスがノズル11側に押し出されるタイミングで収縮工程63が実行される。これにより、第1の膨張工程61によるメニスカスの振動と収縮工程63によるメニスカスの振動とが重なり合い、比較的高速でノズル11からインク滴が吐出される。その後、第2の膨張工程65よって圧電体素子40の変位を元に戻す。
ここで、第2の膨張工程65では、最高電位VHから中間電位VMまで下降させることにより、図中点線で示すように圧電体素子40の変位を最高変位DHから中間変位DMに戻すようにしている。しかしながら、実際には圧電体素子40の歪みは中間変位DMまでは戻らず、圧電体素子40の変位は中間変位DM'で維持されてしまう。
そこで、本参考例では、高電位期60の後に、逆電位期70を経て、中間電位VMまで戻すことにより、圧電体素子40の変位を所定の中間変位DMに戻すようにした。
すなわち、インク滴吐出後に、逆電位期70の下降工程71によって電位を零以下、例えば、−5(V)程度まで下降させると、圧電体素子40の変位が、一旦、中間変位DMの下側まで変化する。その後、ホールド工程72を介して上昇工程73で電位を中間電位VMまで戻すと、圧電体素子40の変位も中間変位DMに戻る。これにより、その後の高電位期60による圧電体素子40の変位量が安定し、所望の大きさのインク滴が吐出される。
ここで、この逆電位期70を構成する下降工程71は、電位を零以下まで下降させることができればよく、その傾きは特に限定されないが、上昇工程73の傾きは、メニスカスの振動に影響を与えない程度に比較的小さくすることが好ましい。これは、本参考例のインクジェット式記録ヘッド1では、上昇工程73によって圧電体素子40が駆動されると圧力室21が収縮されてメニスカスにはインク滴が吐出される方向の振動が発生するため、上昇工程73の傾きを大きくするとインク滴が誤吐出される虞があるためである。
また、上昇工程73の傾きをあまり小さくすると、インク滴の吐出間隔を長くとらなければならず高速駆動ができなくなるため、上昇工程73の傾きは、メニスカスの振動に影響を与えない程度にできるだけ大きくすることが望ましい。
このように、本参考例では各高電位期60の間に逆電位期70を設けるようにしたので、高電位期60の電圧を圧電体素子40に出力する際、圧電体素子40の変位は、常に中間変位DMに維持される。したがって、各高電位期60による圧電体素子40の変位量が実質的に向上する。また、高電位期60の最高電位VHを低下させても、現状の変位量を維持し且つ耐久性を向上することができる。さらに、各高電位期60による圧電体素子40の変位量が安定するため、比較的高速で駆動した場合でも常に所望のドット径で印刷を実行することができる。
なお、本参考例では、高電位期60によってインク滴を吐出後、所定間隔を開けて逆電位期70の電圧を出力するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、図15に示す第9参考例の駆動波形のように、高電位期60の電圧を出力した直後に逆電位期70の電圧を出力するようにし、高電位期における最高電位から逆電位期の電位まで連続的に電位を変化させてもよい。何れにしても、電位を一旦零以下まで下降させることにより、圧電体素子40の歪みを確実に所定の中間電位まで戻すことができる。そして、高電位期60と逆電位期70との間隔を短くすれば、比較的高速で印刷を実行することができる。
また、第8参考例及び第9参考例では、逆電位期70の上昇工程73の傾きを小さくすることによって、逆電位期70の最低電位VRから中間電位VMまで戻す際のインク滴の誤吐出を防止するようにしたが、インク滴の誤吐出の防止方法は、これに限定されるものではない。例えば、メニスカスの振動の周期に合わせて上昇工程73を実行することによっても、インク滴の誤吐出を防止することができる。すなわち、逆電位期70の下降工程71によって生じたメニスカスの振動が、圧力室21側に引き込まれているタイミングで上昇工程73を実行する。こうすれば、上昇工程73によって発生するメニスカスの振動と下降工程71によって生じたメニスカスの振動とが相殺されるため、インク滴の誤吐出を防止することができる。
これにより、逆電位期70の上昇工程73の傾きを比較的大きくしてもインク滴の誤吐出を防止することができるため、さらなる高速駆動を実現することができる。
図16は、第10参考例に係る駆動信号及び圧電素子の変位の一例を示す図である。
本参考例では、図16(a)に示すように、各高電位期60の間に逆電位期70の電圧を選択的に出力することにより、大きさの異なる2種類のインク滴を吐出するようにした例である。
すなわち、逆電位期70を介さずに高電位期60の電圧を連続的に出力するようにした場合、高電位期60を経た後の圧電体素子40の変位は、図16(b)に示すように、中間変位DM'となる。このため、その後の高電位期60の収縮工程63による実際の圧電体素子40の変位量d1は、中間変位DMを経た場合の変位量d2よりも小さくなってしまい、吐出されるインク滴の大きさは、中間変位DMを経た場合の大きさ(ノーマルドット径)よりも小さくなる。
ただし、この各高電位期60の後の中間変位DM'は、ほぼ一定の変位となる。すなわち、高電位期60の電圧を連続的に圧電体素子40に出力した場合、吐出されるインク滴の大きさは、ノーマルドット径よりも小さくなるが、各インク滴の大きさは略一定の大きさとなる。
一方、高電位期60の間に逆電位期70の電圧を出力した場合、その後の高電位期60の収縮工程63による圧電体素子40の実際の変位量d3は、中間変位DMを経た場合の変位量d2と略同一となるため、ノーマルドット径のインク滴が吐出される。
したがって、逆電位期70を選択的に出力することにより、大きさの異なる2種類のインク滴を容易に吐出させることができる。
例えば、高電位期60と逆電位期70とを圧電体素子40に出力することにより、ノーマルドット径のインク滴を吐出させることができる。そして、逆電位期70を介することなく高電位期60を連続的に出力することにより、小ドット径のインク滴を吐出させることができる。
このように、駆動信号の制御のみによってドットの階調制御を行うことができ、高品質印刷を比較的容易に実現できる。
本発明の液体吐出ヘッドの駆動方法及び液体吐出装置は、インクジェット記録装置に用いられるインクを吐出するヘッド以外にも、液晶ディスプレイ等のためのカラーフィルタの製造に用いられる色材を含む液体を吐出するヘッド、有機ELディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料を含む液体を吐出するヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を吐出するヘッド等、種々の液体を噴射するヘッドに適用することが可能である。
Claims (10)
- 圧電体への電圧の印加によって圧力室を収縮させ液体を吐出させる液体吐出装置であって、
前記圧電体に対して液体吐出動作時に印加する駆動波形が、前記圧電体の抗電界を超えた電界強度を示す電圧を印加する高電位期と、前記高電位期とは電位が逆極性となる電圧を印加する逆電位期と、を含み、
前記逆電位期に印加する電圧は、前記圧電体の抗電界を超えない電界強度を示す電圧であり、
前記逆電位期と前記高電位期との間に、電位上昇期、電位維持期、及び電位下降期を有する、液体吐出装置。 - 請求項1において、
圧電体薄膜に電圧を印加する液体吐出装置。 - 請求項1又は2において、
前記高電位期に、1.5×107V/m以上の電界強度を示す電圧を印加する、液体吐出装置。 - 請求項1乃至請求項3の何れか一項において、
20kHz以上の周波数で電圧を印加する、液体吐出装置。 - 請求項1乃至請求項4の何れか一項において、
前記駆動波形は、前記高電位期1回につき前記逆電位期1回を備えた、液体吐出装置。 - 請求項1乃至請求項5の何れか一項において、
前記液体吐出動作時に印加する駆動波形のうち、前記圧力室の収縮動作時に対応する部分が、前記高電位期の少なくとも一部と、前記逆電位期の少なくとも一部と、を含む、液体吐出装置。 - 請求項1乃至請求項6の何れか1項において、
前記液体吐出ヘッドによる液体吐出時の圧電体の歪みは、0.3%以上である液体吐出装置。 - 請求項1又は請求項7において、
前記高電位期における最高電位から前記逆電位期の電位まで連続的に電位を変化させる、液体吐出装置。 - 請求項1において、
前記高電位期の電圧の印加1回につき、前記逆電位期の電圧を選択的に印加可能とした、液体吐出装置。 - 圧電体への電圧の印加によって圧力室を収縮させ液体を吐出させる液体吐出ヘッドの駆動方法であって、
前記圧電体に対して印刷動作時に印加する駆動波形が、前記圧電体の抗電界を超えた電界強度を示す電圧を印加する高電位期と、前記高電位期とは電位が逆極性となる電圧を印加する逆電位期と、を含み、
前記逆電位期に印加する電圧は、前記圧電体の抗電界を超えない電界強度を示す電圧であり、
前記逆電位期と前記高電位期との間に、電位上昇期、電位維持期、及び電位下降期を有する、駆動方法。
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