JP2009160828A - 液体吐出装置、及び、その制御方法 - Google Patents

液体吐出装置、及び、その制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吐出ヘッドの方向転換時における流路の内圧変動による微振動制御の不具合を低減可能な液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法を提供する。
【解決手段】制御部は、キャリッジ移動機構によって記録ヘッドの走査方向を転換する際の加減速により記録ヘッド内流路の内圧が上昇する区間において微振動パルスの微振動駆動電圧を、定速移動時に設定される電圧より低下させる一方、記録ヘッドの走査方向を転換する際の加減速により記録ヘッド内流路の内圧が低下する区間において微振動駆動電圧を、定速移動時に設定される電圧より上昇させるように微振動パルスを補正する。
【選択図】図9

Description

本発明は、インクジェット式プリンタ等の液体吐出装置、及び、その制御方法に関するものであり、特に、吐出ヘッドの方向転換時における流路の内圧変動による微振動制御の不具合を低減することが可能な液体吐出装置、及び、その制御方法に関するものである。
液体吐出装置は吐出ヘッドを備え、この吐出ヘッドから各種の液体を吐出する装置である。この液体吐出装置の代表的なものとして、例えば、吐出ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドから吐出対象物としての記録紙等に対して液体状のインクを吐出・着弾させてドットを形成することで記録を行うインクジェット式プリンタ(以下、単にプリンタという)等の画像記録装置を挙げることができる。この液体吐出装置は、近年においては、画像記録装置に限らず、例えばディスプレー製造装置等の各種の製造装置にも応用されている。
この種のプリンタではノズル開口において液体が外気に晒されているため、液体に含まれる溶媒成分が蒸発する等して、液体が増粘することがある。このような液体の増粘を抑制するため、この種の液体吐出装置では、記録ヘッドが記録媒体上の記録領域(インクの吐出を行う領域)から外れた非記録領域においてノズル開口から液体が吐出されない程度に圧力発生室内の液体に圧力変動を与える微振動制御(所謂印字外又は印字前微振動)が行われている(例えば、特許文献1参照)。この微振動制御により、ノズル開口に露出している液体の自由表面(以下、メニスカス)が微振動し、ノズル開口付近の液体が攪拌されて増粘が防止される。このようなメニスカスの微振動制御は、吐出するための吐出パルスよりも駆動電圧を低く抑えた台形状の微振動パルスを圧力発生手段に印加することで行われている。
図10は、駆動信号に含まれる微振動パルスの構成の一例を示す波形図である。この例では、対向電極間に発生する静電気力により圧力発生室を区画する弾性面を弾性変形させてノズル開口から液体を吐出するように構成された吐出ヘッドに用いられる微振動パルスを示している。この微振動パルスVPは、圧力発生室を基準容積から微振動膨張容積まで膨張させる微振動膨張要素pcと、圧力発生室を微振動膨張容積で維持させる微振動ホールド要素phと、圧力発生室を微振動膨張容積から基準容積まで収縮させる微振動収縮要素pdとから構成される。微振動膨張要素pcは、接地電位GNDよりも少しだけ高い基準電位Vbから微振動電位Vhまで液体を吐出させない程度の所定勾配で電位を上昇させる波形要素となる。また、微振動ホールド要素phは微振動電位Vhで一定の波形要素となり、微振動収縮要素pdは微振動電位Vhから基準電位Vbまで所定勾配で電位を下降させる波形要素となる。
特開2004−330524号公報
ところで、上記プリンタには、液体貯留部材(インクカートリッジ)を装置本体側に配置し、当該液体貯留部材と記録ヘッドとを可撓性を有する供給チューブで接続し、この供給チューブを通じて記録ヘッド内部にインクを供給する構成(所謂オフキャリッジタイプ)のものがある。この構成において、往復移動時に記録ヘッドの走査方向を転換する際、記録ヘッド内部の流路の内圧が変動する現象が生じることが判っている。これは、供給チューブ内のインクやヘッド流路内のインクに生じる慣性力等の要因によるものと考えられる。
そして、記録ヘッドの方向転換時に流路の内圧が上昇した場合、何等対策をしていない構成では微振動制御時にノズル開口からインクが誤って吐出される虞があった。逆に、方向転換時に流路の内圧が低下した場合、微振動制御時のインク攪拌効果が低下する可能性があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、吐出ヘッドの方向転換時における流路の内圧変動による微振動制御の不具合を低減可能な液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法を提供することにある。
本発明の液体吐出装置は、上記目的を達成するために提案されたものであり、駆動信号の印加により圧力発生手段を駆動することで圧力発生室内に圧力変動を生じさせ、当該圧力変動によってノズル開口から液体を吐出可能な吐出ヘッドと、
前記圧力発生室を膨張させる微振動膨張要素および膨張した圧力発生室を収縮させる微振動収縮要素を有し、液体が吐出されない程度にノズル開口に露出したメニスカスを微振動させるための微振動パルスを含む駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、
前記吐出ヘッドを往復移動可能なヘッド移動手段と、
を備えた液体吐出装置であって、
ヘッド移動手段によって吐出ヘッドの走査方向を転換する際の加減速により吐出ヘッド内流路の内圧が上昇する区間において前記微振動パルスの微振動駆動電圧を、定速移動時に設定される電圧より低下させる一方、吐出ヘッドの走査方向を転換する際の加減速により吐出ヘッド内流路の内圧が低下する区間において前記微振動駆動電圧を、定速移動時に設定される電圧より上昇させるように微振動パルスを補正する微振動パルス補正手段を設けたことを特徴とする。
上記構成によれば、ヘッド移動手段によって吐出ヘッドの走査方向を転換する際の加減速により吐出ヘッド内流路の内圧が上昇する区間において微振動パルスの微振動駆動電圧を、定速移動時に設定される電圧より低下させる一方、吐出ヘッドの走査方向を転換する際の加減速により吐出ヘッド内流路の内圧が低下する区間において微振動駆動電圧を、定速移動時に設定される電圧より上昇させるように微振動パルスを補正するので、吐出ヘッド内流路の内圧が上昇した場合において微振動制御時にノズル開口から液体が誤って吐出されることを防止し、尚かつ、吐出ヘッド内流路の内圧が低下した場合に微振動制御による液体の攪拌効果の低減を防止することが可能となる。
また、微振動膨張要素の始端から微振動収縮要素の始端までのパルス幅における最適値としての最適パルス幅と微振動駆動電圧との関係を示す電圧−パルス幅特性を記憶する情報記憶手段を設け、
前記微振動パルス補正手段は、前記情報記憶手段に記憶されている電圧−パルス幅特性に基づき、補正後の微振動駆動電圧に対応する最適パルス幅を微振動パルス幅として設定することが望ましい。
この構成によれば、補正によって微振動駆動電圧が変化した場合においても補正後の微振動駆動電圧と微振動パルス幅との対応関係を最適な状態に維持にすることができる。これにより、吐出ヘッドの方向転換時における微振動制御時の不具合をより確実に防止することができる。
さらに、前記最適パルス幅が、前記微振動パルスの駆動電圧をノズル開口から液体を吐出し得る検査電圧に設定して当該微振動パルスを圧力発生手段に印加してノズル開口から吐出される液体の量が最も多く得られるパルス幅であることが望ましい。
また、上記各構成は、前記圧力発生手段が、前記圧力発生室の一方の面に設けられた可撓性電極と、当該可撓性電極に対して間隔を空けて対向配置された固定電極とを有し、各電極間に駆動信号を印加して、これらの間に発生する静電気力によって前記可撓性電極を撓ませることにより、前記圧力発生室内に圧力変動を生じさせるように構成された場合に好適である。
また、本発明の液体吐出装置の制御方法は、駆動信号の印加により圧力発生手段を駆動することで圧力発生室内に圧力変動を生じさせ、当該圧力変動によってノズル開口から液体を吐出可能な吐出ヘッドと、前記圧力発生室を膨張させる微振動膨張要素および膨張した圧力発生室を収縮させる微振動収縮要素を有し、液体が吐出されない程度にノズル開口に露出したメニスカスを微振動させるための微振動パルスを含む駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、前記吐出ヘッドを往復移動可能なヘッド移動手段とを備えた液体吐出装置の制御方法であって、
ヘッド移動手段によって吐出ヘッドの走査方向を転換する際の加減速により吐出ヘッド内流路の内圧が上昇する区間において前記微振動パルスの微振動駆動電圧を、定速移動時に設定される電圧より低下させる一方、吐出ヘッドの走査方向を転換する際の加減速により吐出ヘッド内流路の内圧が低下する区間において前記微振動駆動電圧を、定速移動時に設定される電圧より上昇させるように微振動パルスを補正することを特徴とする。
上記構成によれば、ヘッド移動手段によって吐出ヘッドの走査方向を転換する際の加減速により吐出ヘッド内流路の内圧が上昇する区間において微振動パルスの微振動駆動電圧を、定速移動時に設定される電圧より低下させる一方、吐出ヘッドの走査方向を転換する際の加減速により吐出ヘッド内流路の内圧が低下する区間において微振動駆動電圧を、定速移動時に設定される電圧より上昇させるように微振動パルスを補正するので、吐出ヘッド内流路の内圧が上昇した場合において微振動制御時にノズル開口から液体が誤って吐出されることを防止し、尚かつ、吐出ヘッド内流路の内圧が低下した場合に微振動制御による液体の攪拌効果の低減を防止することが可能となる。
また、微振動膨張要素の始端から微振動収縮要素の始端までのパルス幅における最適値としての最適パルス幅と微振動駆動電圧との関係を示す電圧−パルス幅特性に基づき、補正後の微振動駆動電圧に対応する最適パルス幅を微振動パルス幅として設定することが望ましい。
この構成によれば、補正によって微振動駆動電圧が変化した場合においても補正後の微振動駆動電圧と微振動パルス幅との対応関係を最適な状態に維持にすることができる。これにより、吐出ヘッドの方向転換時における微振動制御時の不具合をより確実に防止することができる。
さらに、前記最適パルス幅が、前記微振動パルスの駆動電圧をノズル開口から液体を吐出し得る検査電圧に設定して当該微振動パルスを圧力発生手段に印加してノズル開口から吐出される液体の量が最も多く得られるパルス幅であることが望ましい。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体吐出装置(液体噴射装置)として、図1に示すインクジェット式プリンタ(以下、プリンタと略記する)を例示する。
図1は、本発明に係るプリンタ1の構成を示す平面図である。このプリンタ1は、外郭の一部を構成するフレーム1′と、このフレーム1′内に配設されたプラテン3とを備えており、紙送り機構8(図4参照)における紙送りモータの駆動により回転する紙送りローラ(何れも図示せず)によってプラテン3上に記録紙(記録媒体又は吐出対象物の一種:図示せず)が搬送されるようになっている。また、フレーム1′内には、プラテン3と平行にガイドロッド4が架設されており、このガイドロッド4には、インクジェット式記録ヘッド2(吐出ヘッドの一種。以下、記録ヘッド)を収容したキャリッジ5が摺動可能に支持されている。このキャリッジ5は、キャリッジ移動モータ9の駆動によって回転する駆動プーリ10aと、この駆動プーリ10aとはフレーム1′における反対側に設けられた遊転プーリ10bとの間に架設されたタイミングベルト11に接続されている。そして、キャリッジ5は、キャリッジ移動モータ9を駆動することで、ガイドロッド4に沿って紙送り方向と直交する主走査方向に往復移動するように構成されている。即ち、これらのキャリッジ移動モータ9、駆動プーリ10a、遊転プーリ10b、及び、タイミングベルト11によりキャリッジ移動機構7(図4参照)が構成されている。
キャリッジ移動モータ9は、キャリッジ移動機構7における駆動源として機能し、例えば、パルスモータやDCモータが用いられる。このキャリッジ移動モータ9は、制御手段として機能する制御部35(図4参照)により、その回転速度や回転方向等が制御される。そして、キャリッジ移動モータ9が回転すると、駆動プーリ10a及びタイミングベルト11が回転し、キャリッジ5がガイドロッド4に沿って移動する。つまり、キャリッジ4に搭載された記録ヘッド2は、制御部35による制御の下で主走査方向に往復移動される。なお、キャリッジ5の走査位置については、走査位置に応じたエンコーダパルスを主走査方向における位置情報として出力するリニアエンコーダ(図示せず)によって把握することができる。
フレーム1′の一側には、インクカートリッジ6(液体貯留部材の一種)が着脱可能に搭載されており、本実施形態では合計4個のインクカートリッジ6が設けられる。このインクカートリッジ6は、エアチューブ12を介してエアポンプ13と接続されており、このエアポンプ13からの空気が各インクカートリッジ6内に供給される。そして、この空気によるインクカートリッジ6内の加圧により、インク供給チューブ14を通じて記録ヘッド2側にインクが供給(圧送)されるように構成されている。インク供給チューブ14は、例えば、シリコーン等の合成樹脂で作製された可撓性を有する中空部材であり、このインク供給チューブ14の内部には、各インクカートリッジ6に対応するインク流路が形成されている。
図2は、本実施形態の記録ヘッド2の構成を示す分解斜視図であり、図3は、記録ヘッド2の圧力発生室長手方向の断面図である。この記録ヘッド2は、シリコン製の流路形成基板15の一方の面に、同じくシリコン製のノズル形成基板16を、流路形成基板15の他方の面に、ガラス製の電極基板17を各々配置して積層し、各部材間を接着剤によって接合することで3層構造となっている。
上記ノズル形成基板16は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル開口16nを列状に開設した板材である。上記流路形成基板15には、その表面から異方性エッチングを施すことにより、インク流路となる溝部が形成されており、この溝部の開口部分がノズル形成基板16によって塞がれることにより、各ノズル開口16nに対応して設けられた複数の圧力発生室19、各圧力発生室共通のインクが導入される共通インク室20(共通液体室)、及び、共通インク室20と各圧力発生室19とを連通するインク供給路21から成る一連のインク流路が区画される。
流路形成基板15において、共通インク室20となる溝部の底面には、基板厚さ方向に貫通したインク導入口22が開設されている。また、各圧力発生室19となる溝部の底面(一方の面)には、ヘッド積層方向(図3において上下方向)に弾性変位可能な弾性面として機能する薄肉部23が形成されている。そして、流路形成基板15には共通電極端子18が形成されており、この流路形成基板15は導電性を有するので、上記薄肉部23は、共通電極(本発明における可撓性電極に相当)としても機能するようになっている。
上記電極基板17は、例えば、ホウ珪酸ガラスによって作製されている。このホウ珪酸ガラスは、熱膨張率がシリコンと同程度である。このため、温度変化によるヘッド構成部材間の剥離が生じ難くなっている。この電極基板17の流路形成基板15に接合される面において、圧力発生室19の薄肉部23に対向する位置には、トレイ状に浅くエッチングされた凹部24が、各圧力発生室19に対応して形成されている。この凹部24の底面には、インジウムスズ酸化物(ITO)などの薄膜を積層して形成された個別電極25がそれぞれ敷設されている。各個別電極25は、各圧力発生室19に対応して延在するセグメント電極25aと、外部に露出している電極端子部25bとから構成されている。そして、電極基板17を流路形成基板15に接合すると、各圧力発生室19の薄肉部23と各個別電極25のセグメント電極25aとが、狭小な隙間を形成した状態でそれぞれ対向する。
また、この電極基板17には、基板厚さ方向を貫通したインク導入路17′が形成されており、このインク導入路17′は、流路形成基板15との接合状態でインク導入口22と連通するようになっている。このインク導入路17′とインク導入口22を通じて、例えばプリンタ本体側に設けられたインクカートリッジ6からのインクが共通インク室20内に導入されるようになっている。そして、共通インク室20のインクは、この共通インク室20から分岐したインク供給路21を通って各圧力発生室19に分配供給される。
流路形成基板15の共通電極端子18と、電極基板17の個別電極25との間には、プリンタコントローラ29(図4参照)側からの駆動電圧(駆動信号)が印加される。駆動電圧が基準電位(又は接地電位)よりも+側に変化することにより、可撓性電極として機能する薄肉部23と個別電極25との間に静電気力が発生し、この静電気力によって、薄肉部23が弾性変形して個別電極25側に撓み、セグメント電極25aの表面に吸着する。この結果、圧力発生室19の容積が増加して、インク供給路21を通じて共通インク室20側からインクが圧力発生室19内に流入する。そして、駆動電圧が−側(接地電位側)に急激に変化して静電気力が急激に減少すると、薄肉部23はその弾性力によってセグメント電極26aの表面から離れて圧力発生室19側に変位する。その結果、圧力発生室19の容積が急激に減少する。これにより、圧力発生室19内のインクに圧力変動が生じ、この圧力変動によってノズル開口16nからインクが吐出(噴射)される。即ち、薄肉部23、共通電極端子18、個別電極25、及び薄肉部23は、圧力発生源26(本発明における圧力発生手段)として機能する。
図4は、プリンタ1の電気的な構成を示すブロック図である。本実施形態におけるプリンタ1は、プリンタコントローラ29とプリントエンジン30とで概略構成されている。プリンタコントローラ29は、ホストコンピュータ等の外部装置からの印刷データ等が入力される外部インタフェース(外部I/F)31と、各種データ等を記憶するRAM32と、各種制御のための制御プログラム等を記憶したROM33と、EEPROMやフラッシュROM等からなる不揮発性記憶素子34と、ROM33に記憶されている制御プログラムに従って各部の統括的な制御を行う制御部35と、クロック信号を発生する発振回路36と、記録ヘッド2へ供給する駆動信号を発生する駆動信号発生回路37(駆動信号発生手段の一種)と、印刷データをドット毎に展開することで得られたドットパターンデータや駆動信号等を記録ヘッド2に出力するための内部インタフェース(内部I/F)38とを備えている。
プリントエンジン30は、記録ヘッド2と、キャリッジ移動機構7と、紙送り機構8とから構成されている。また、プリントエンジン30には、サーミスタ及びA/D変換器等で構成される温度検出回路39が設けられている。この温度検出回路39は、温度検出手段として機能し、プリンタ1の周辺(特に記録ヘッド周辺)の環境温度を検出し、検出した温度に比例した大きさの信号を制御部35に出力するように構成されている。
上記の駆動信号発生回路37は、予め定められた波形の駆動信号COMを発生する。
図5は、本実施形態における駆動信号の構成を説明する波形図であり、(a)は吐出用駆動信号COM1を示し、(b)は微振動波形用駆動信号COM2を示している。
図5(a)に例示した吐出用駆動信号COM1は、第1吐出パルスDP1および第2吐出パルスDP2を含んで構成されている。これらの吐出パルスDP1,DP2は同一の波形となっており、その駆動電圧(吐出駆動電圧)DVは、ノズル開口16nからインクを吐出可能な値に設定されている。そして、駆動信号発生回路37は、吐出パルスDP1,DP2を単位周期T毎に繰り返し発生する。
吐出パルスは、圧力発生室19を基準容積から最大膨張容積まで膨張させる膨張要素Pcと、圧力発生室19を最大膨張容積で短い時間維持させるホールド要素Phと、圧力発生室19を最大膨張容積から基準容積まで収縮させる収縮要素Pdとから構成される。本実施形態において、膨張要素Pcは、接地電位GNDよりも少し高い基準電位Vbから吐出電位VHまでインクを吐出させない程度の所定勾配で電位を上昇させる波形要素となる。また、ホールド要素Phは吐出電位VHで一定の波形要素であり、収縮要素Pdは吐出電位VHから基準電位Vbまで膨張要素Pcよりも急峻な勾配で電位を下降させる波形要素である。
これに対し、図5(b)に例示した微振動用駆動信号COM2は、第1微振動パルスVP1および第2微振動パルスVP2を単位周期T内に含んで構成されている。これらの微振動パルスVPは、圧力発生室19を基準容積から微振動膨張容積まで膨張させる微振動膨張要素pcと、圧力発生室19を微振動膨張容積で維持させる微振動ホールド要素phと、圧力発生室19を微振動膨張容積から基準容積まで収縮させる微振動収縮要素pdとから構成される。微振動膨張要素pcは、基準電位Vbから微振動電位Vhまでインクを吐出させない程度の所定勾配で電位を上昇させる波形要素である。また、微振動ホールド要素phは微振動電位Vhで一定の波形要素となり、微振動収縮要素pdは微振動電位Vhから基準電位Vbまでインクを吐出させない程度の所定勾配で電位を下降させる波形要素となる。
このような微振動パルスを圧力発生源26に供給すると、次のようにメニスカスが微振動する。即ち、微振動膨張要素pcの供給によって薄肉部23が弾性変形して個別電極25側に撓み、圧力発生室19が膨張する。この圧力発生室19の膨張によってインク圧力が低下し、ノズル開口16nに露出したメニスカスが圧力発生室19側に引き込まれる。次に、微振動ホールド要素phが供給され、その供給期間に亘ってメニスカスが自由振動する。その後、微振動収縮要素pdが供給されて薄肉部23は圧力発生室19側に変位する。これにより、圧力発生室19が収縮してインク圧力が上昇し、メニスカスが吐出方向に移動する。このように、微振動パルスの供給によってメニスカスが圧力発生室19側や吐出側に移動するので、ノズル開口16n付近のインクが攪拌されて増粘を抑えることができる。
次に、上記微振動パルスの設定情報(パラメータ)、特に、微振動電位kV、及び、微振動膨張要素pcの始端から微振動収縮要素pdの始端までの時間幅(パルス幅)kPwの設定について説明する。
図6は、微振動パルスの設定情報の設定処理を説明するフローチャートである。この微振動パルスの設定処理は、プリンタ1の製造工程で行われる。
まず、ステップS1において吐出インク量測定工程(吐出液体量測定工程)が行われる。この吐出インク量測定工程では、微振動パルスの駆動電圧(微振動駆動電圧)をノズル開口16nからインクを吐出し得る検査電圧(例えば、吐出パルスと同程度の駆動電圧)に設定し、当該微振動パルスを圧力発生源26に印加してノズル開口16nから吐出されるインクの量(吐出液体量)を測定する。この吐出インク量測定工程では、検査電圧に設定した微振動パルスを所定回数だけ繰り返し圧力発生源26に供給する。これにより、微振動パルスの供給個数に応じた数だけノズル開口16nからインクが吐出される。そして、吐出されたインクの総重量を電子天秤等で計測し、この計測結果と微振動パルスの供給個数に基づいてインク一滴あたりの重量を算出する。
上記吐出インク量測定工程(ステップS1)は、微振動膨張要素pcの始端から微振動収縮要素pdの始端までのパルス幅を異ならせて複数回行われる。そして、ステップS2では、吐出インク量測定工程を異なるパルス幅で複数回実行されたか否かが判定され、複数回実行されていない場合には、ステップS1に戻り、パルス幅を異ならせて再度吐出インク量測定工程が行われる。またステップS2において、吐出インク量測定工程を異なるパルス幅で複数回実行したと判定された場合、ステップS3に進み、複数回の吐出インク量測定工程の各測定結果から、パルス幅に対する吐出インク量の関係を示すパルス幅−吐出インク量特性を取得するパルス幅−吐出インク量特性取得工程が行われる。
図7は、パルス幅−吐出インク量特性の一例を示すグラフである。この例では、横軸が微振動パルスのパルス幅(微振動膨張要素pcの始端から微振動収縮要素pdの始端までの時間幅(μs))であり、縦軸が吐出インク量(インク重量(ng/shot))である。同図に示すように、駆動電圧を所定の検査電圧で一定にしつつパルス幅を変えることによって、吐出されるインク量が変動することが判る。そして、ステップS4では、このパルス幅−吐出液体量特性に基づき、吐出インク量が最も多く得られるパルス幅を最適パルス幅として取得する最適パルス幅取得工程が行われる。
続いて、ステップS5において、ステップS1〜S4の工程を、検査電圧を異ならせて複数回(少なくとも2回以上)実行したか否かが判定され、複数回実行されていない場合には、ステップS1〜S4の工程が再度実行される。一方、ステップS5において、ステップS1〜S4の処理が複数回実行されたと判定されたならば、ステップS6に進み、これまでの測定結果に基づき、駆動電圧に対する最適パルス幅の関係を示す電圧−パルス幅特性を求める電圧−パルス幅特性取得工程が行われる。
図8は、電圧−パルス幅特性の一例を示すグラフである。同図において、横軸は駆動電圧(V)、縦軸はパルス幅(μs)である。この例では、検査電圧を22.5(V)、24.5(V)、26.5(V)の3点で上記の測定を行い、各電圧に対応する最適パルス幅を取得することで、図示するような特性が得られた。このように、駆動電圧と最適パルス幅とは反比例の関係となっている。そして、この例における特性の相関直線は、駆動電圧をX、最適パルス幅をYとすると、以下のように求められる。
Y=−0.24X+13.23 …(1)
なお、上記式(1)についての情報は、電圧−パルス幅特性情報としてプリンタコントローラ29の不揮発性記憶素子34に記憶される。即ち、不揮発性記憶素子34は、本発明における情報記憶手段として機能する。
続いて、ステップS7に移り、微振動パルスを上記の電圧−パルス幅特性に基づく駆動電圧と最適パルス幅に設定し、この微振動パルスを圧力発生源26に印加することによりノズル開口16nからのインクの吐出の有無を検証する。まず、例えば、微振動パルスの駆動電圧を上記の検査電圧のうちの最も低い値に設定して吐出の有無を検証を開始する。そして、ステップS8においてノズル開口16nからインクの吐出が確認されたか否かが判定され、インクの吐出が確認された場合、微振動パルスの駆動電圧を、例えば数ボルトだけ低下させると共に、電圧−パルス幅特性に基づき、低下後の駆動電圧に対応するパルス幅に設定して、再度ステップS7の検証工程を実行する。
そして、ステップS8において、ノズル開口16nからインクの吐出が確認されなかったと判定された場合、ステップS9に進み、ノズル開口16nからインクが吐出されない範囲の駆動電圧を微振動駆動電圧として設定すると共に、電圧−パルス幅特性に基づき微振動駆動電圧に対応するパルス幅を微振動パルス幅として設定する微振動パルス設定工程を行う。
ここで、微振動パルス設定工程において設定する微振動駆動電圧と微振動パルス幅に関し、ステップS7でインクの吐出が確認されなくなった時点における微振動パルスに設定された値を採用することもできるが、この時点での駆動電圧は、微振動パルスの微振動駆動電圧として採り得る(インクが吐出されず、且つ、微振動時の攪拌効果が得られる)電圧値の有効範囲(最高値と最低値の差)の最高値に相当する。したがって、環境条件の変化(温度変化や気圧変化)等によっては、微振動制御時にノズル開口16nからインクが誤って吐出される可能性もある。このため、本実施形態における微振動パルス設定工程では、この様な事情を考慮して、上記時点での値を採用せずに、以下のようにして各値を決めている。
具体的には、まず、吐出が確認されなくなった時点で微振動パルスに設定されている駆動電圧を仮微振動駆動電圧kV′とする。また、微振動パルスの微振動駆動電圧として採り得る電圧値の有効範囲をRとし、以下の式(2)により、実際に設定するための微振動駆動電圧kVを求める。
kV=kV′−R×0.5 …(2)
例えば、仮微振動駆動電圧kV′が20(V)、電圧値の有効範囲Rが5Vであった場合、微振動駆動電圧kVは、kV=20−5×0.5=17.5(V)となる。
なお、微振動駆動電圧の有効範囲は、設計段階でヘッド内部の流路寸法の公差上下限の吐出ヘッド(ワーストヘッド)を用いて種々の電圧で吐出の有無を検証することで予め把握されるものである。そして、仮微振動駆動電圧kV′から有効範囲の1/2を減算することによって、微振動駆動電圧kVを有効範囲の中心値に近い値としている。
上記のように微振動駆動電圧kVが求められたならば、電圧−パルス幅特性に基づいて、この微振動駆動電圧kVに対応する最適パルス幅を微振動パルス幅として採用する。
以上の各工程を経て、微振動パルスの微振動駆動電圧kVと微振動パルス幅kPwが基準値として設定される。また、これ以外の設定情報(微振動膨張要素pcや微振動収縮要素pdの時間幅など)は、予め定められた値が採用される。そして、この微振動パルスの設定情報は、不揮発性記憶素子34等の情報記憶手段に記憶され、プリンタ1での微振動制御時に制御部35によって適宜読み出され、駆動信号発生回路37は、微振動駆動電圧kVと微振動パルス幅kPwに設定された微振動パルスを発生する。これにより、記録ヘッド2(或いはプリンタ1)毎に微振動パルスの設定値(基準値)を最適化することができ、これにより、微振動制御時にノズル開口16nからインクが誤って吐出されることを防止しつつ微振動制御によるインクの攪拌効果を十分に得ることが可能となる。
ここで、上記微振動パルスを利用した微振動制御について説明する。
図9は、微振動制御と記録制御(吐出制御)におけるヘッド内流路の内圧変化(上段)と各制御区間で用いられる駆動信号(下段)を、記録ヘッド2の走査状態に対応させて示したタイミングチャートである。
同図に示すように、記録制御区間において、キャリッジ移動機構7によって記録ヘッド2が記録紙などの記録媒体の記録領域(画像等の形成領域)上で定速で移動している状態でインクを吐出するときには、上記駆動信号COM1の吐出パルスDPを選択的に圧力発生源26に印加する。また、この記録制御において、インクの吐出制御を行わない圧力発生源26に対しては、吐出制御が行われるまでの間ノズル開口16nで大気に晒されたインクの増粘を防止すべく、駆動信号COM2の微振動パルスVPを印加して、インクの攪拌を行う(所謂印字内微振動)。この場合、不揮発性記憶素子34に記憶された微振動駆動電圧kV及び微振動パルス幅の基準値に設定された微振動パルスVPが用いられる。なお、このような印字内微振動では、吐出制御用の駆動信号COM1中に微振動パルスVPを含ませたり、駆動信号COM1中の波形要素を組み合わせて微振動パルスVPを生成したりする場合もある。
一方、微振動制御区間、即ち、記録ヘッド2が記録媒体の記録領域外から記録領域内に進入するまでの加速移動区間、及び、記録領域を超えて停止或いは移動方向を変換する位置までの減速移動区間では、全てのノズル開口16nに対応する圧力発生源26に対して駆動信号COM2の微振動パルスVPを用いて微振動制御(印字前/印字外微振動)を行う。
ここで、上記プリンタ1では、インクカートリッジ6をプリンタのフレーム1′側に配置し、当該インクカートリッジ6内のインクをインク供給チューブ17で接続し、この供給チューブ1を通じて記録ヘッド2内部にインクを供給する構成を採用している。この構成において、微振動制御区間で記録ヘッド2の走査方向を転換する際、記録ヘッド内部の流路の内圧が変動する現象が生じる。例えば、図9における微振動制御区間A1では、記録ヘッド2の方向転換(ヘッドリターン/キャリッジリターン)時にヘッド内流路の内圧が、記録ヘッド2の定速移動時(記録制御区間)におけるヘッド内流路の内圧よりも上昇する。これに対し、微振動制御区間A1とは反対側の微振動制御区間A2では、ヘッドリターン時にヘッド内流路の内圧が、記録ヘッド2の定速移動時におけるヘッド内流路の内圧よりも低下する。
これらの現象は、記録ヘッド2が加減速する際にインク供給チューブ17内のインクに生じる慣性力が、インクカートリッジ6から記録ヘッド2側に向かう方向に生じたり、逆に記録ヘッド2側からインクカートリッジ6側に向かう方向に生じたりすることによるものと考えられる。また、記録ヘッド2の移動に伴うインク供給チューブ17の屈曲及び復元による流路の圧搾及び開放時の圧力変化も一要因として考えられる。そして、記録ヘッド2の方向転換時に流路の内圧が上昇した場合、微振動パルスのパラメータが最適値に設定されていたとしても、微振動制御時にノズル開口からインクが誤って吐出される虞があった。逆に方向転換時に流路の内圧が低下した場合、微振動制御時のインク攪拌効果が低下する可能性もあった。
このため、制御部35は、本発明における微振動パルス補正手段として機能し、記録ヘッド2の走査方向を転換する際の加減速によりヘッド内流路の内圧が上昇する区間では、微振動パルスの微振動駆動電圧を、定速移動時に設定される基準値よりも低下させる一方、記録ヘッド2の走査方向を転換する際にヘッド内流路の内圧が低下する区間では、微振動駆動電圧kVを、定速移動時に設定される基準値よりも上昇させるように微振動パルスを補正する。
即ち、図9の例において、制御部35は、記録ヘッド2の流路の内圧が上昇する微振動制御区間A1において微振動パルスの微振動駆動電圧を基準値kVよりも低下させてkV(d)とする。これに対し、記録ヘッド2の流路の内圧が低下する微振動制御区間A2において、制御部35は微振動パルスの微振動駆動電圧を基準値kVよりも上昇させてkV(u)とする。このときの電圧補正量は、ヘッドリターン時におけるヘッド流路内の圧力変化の度合いに応じて決められるが、例えば、基準値の微振動駆動電圧kVに対し±40%〜60%程度である。
また、制御部35は、不揮発性記憶素子34に記憶されている電圧−パルス幅特性情報に基づき、補正後の微振動駆動電圧kVに対応する最適パルス幅を求め、これを微振動パルス幅kPwとして再設定する。これにより、補正後の微振動駆動電圧kVと微振動パルス幅kPwとの対応関係を最適な状態に維持にすることができる。これにより、記録ヘッド2の方向転換時における微振動制御時の不具合をより確実に防止することができる。
このように、記録ヘッド2の方向転換時におけるヘッド内流路の内圧の変化に応じて微振動パルスの設定情報のうち微振動駆動電圧kV及び微振動パルス幅kPwを補正することで、ヘッド内流路の内圧が変動した場合においても、適切な設定情報に設定された微振動パルスによって微振動制御を行うことができる。これにより、記録ヘッド内流路の内圧が上昇した場合における微振動制御時にノズル開口から誤って液体が吐出されることを防止し、尚かつ、記録ヘッド内流路の内圧が低下した場合に微振動制御による液体の攪拌効果の低減を防止することが可能となる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態においては、微振動パルス設定工程において、吐出が確認されなくなった時点における微振動パルスに設定されている駆動電圧を仮微振動駆動電圧kV′とし、上記式(2)により微振動駆動電圧kV(基準値)を求める例を示したが、これには限られない。例えば、微振動駆動電圧を、インクを吐出するための吐出パルスの吐出駆動電圧に基づいて設定しても良い。例えば、微振動駆動電圧kVを、吐出駆動電圧の2/3以下に設定するようにしても良い。
また、上記実施形態においては、圧力発生手段として、圧力発生室19の一方の面に設けられた可撓性電極(薄肉部23)と、当該可撓性電極に対して間隔を空けて対向配置された固定電極(個別電極25)とを有し、これらの間に発生する静電気力によって可撓性電極を撓ませることにより圧力発生室19内に圧力変動を生じさせるように構成された圧力発生源26を例示したが、これには限れず、同様な駆動信号(微振動パルス)を採用して駆動するものであれば、圧電素子等の各種圧力発生手段を用いる場合にも本発明を適用することができる。
また、本発明は、上記プリンタ以外の液体噴射装置にも適用できる。例えば、ディスプレー製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等にも適用することができる。
プリンタの構成を説明する平面図である。 記録ヘッドの構成を説明する分解斜視図である。 記録ヘッドの圧力発生室長手方向の断面図である。 プリンタの電気的な構成を説明するブロック図である。 駆動信号の構成を説明する波形図である。 微振動パルスの設定情報の設定処理を説明するフローチャートである。 パルス幅−吐出インク量特性の一例を示すグラフである。 電圧−パルス幅特性の一例を示すグラフである。 微振動制御と記録制御におけるタイミングチャートである。 微振動パルスの構成を説明する波形図である。
符号の説明
1…プリンタ,2…記録ヘッド,5…キャリッジ,6…インクカートリッジ,7…キャリッジ移動機構,8…紙送り機構,14…インク供給チューブ,15…流路形成基板,16…ノズル形成基板,16n…ノズル開口,17…電極基板,19…圧力発生室,23…薄肉部,25…個別電極,26…圧力発生源,29…プリンタコントローラ,30…プリントエンジン,34…不揮発性記憶素子,35…制御部,37…駆動信号発生回路,39…温度検出回路

Claims (7)

  1. 駆動信号の印加により圧力発生手段を駆動することで圧力発生室内に圧力変動を生じさせ、当該圧力変動によってノズル開口から液体を吐出可能な吐出ヘッドと、
    前記圧力発生室を膨張させる微振動膨張要素および膨張した圧力発生室を収縮させる微振動収縮要素を有し、液体が吐出されない程度にノズル開口に露出したメニスカスを微振動させるための微振動パルスを含む駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、
    前記吐出ヘッドを往復移動可能なヘッド移動手段と、
    を備えた液体吐出装置であって、
    ヘッド移動手段によって吐出ヘッドの走査方向を転換する際の加減速により吐出ヘッド内流路の内圧が上昇する区間において前記微振動パルスの微振動駆動電圧を、定速移動時に設定される電圧より低下させる一方、吐出ヘッドの走査方向を転換する際の加減速により吐出ヘッド内流路の内圧が低下する区間において前記微振動駆動電圧を、定速移動時に設定される電圧より上昇させるように微振動パルスを補正する微振動パルス補正手段を設けたことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 微振動膨張要素の始端から微振動収縮要素の始端までのパルス幅における最適値としての最適パルス幅と微振動駆動電圧との関係を示す電圧−パルス幅特性を記憶する情報記憶手段を設け、
    前記微振動パルス補正手段は、前記情報記憶手段に記憶されている電圧−パルス幅特性に基づき、補正後の微振動駆動電圧に対応する最適パルス幅を微振動パルス幅として設定することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記最適パルス幅は、前記微振動パルスの駆動電圧をノズル開口から液体を吐出し得る検査電圧に設定し、当該微振動パルスを圧力発生手段に印加してノズル開口から吐出される液体の量が最も多く得られるパルス幅であることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記圧力発生手段は、前記圧力発生室の一方の面に設けられた可撓性電極と、当該可撓性電極に対して間隔を空けて対向配置された固定電極とを有し、各電極間に駆動信号を印加して、これらの間に発生する静電気力によって前記可撓性電極を撓ませることにより、前記圧力発生室内に圧力変動を生じさせるように構成されたことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の液体吐出装置。
  5. 駆動信号の印加により圧力発生手段を駆動することで圧力発生室内に圧力変動を生じさせ、当該圧力変動によってノズル開口から液体を吐出可能な吐出ヘッドと、前記圧力発生室を膨張させる微振動膨張要素および膨張した圧力発生室を収縮させる微振動収縮要素を有し、液体が吐出されない程度にノズル開口に露出したメニスカスを微振動させるための微振動パルスを含む駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、吐出ヘッドを往復移動可能なヘッド移動手段とを備えた液体吐出装置の制御方法であって、
    ヘッド移動手段によって吐出ヘッドの走査方向を転換する際の加減速により吐出ヘッド内流路の内圧が上昇する区間において前記微振動パルスの微振動駆動電圧を、定速移動時に設定される電圧より低下させる一方、吐出ヘッドの走査方向を転換する際の加減速により吐出ヘッド内流路の内圧が低下する区間において前記微振動駆動電圧を、定速移動時に設定される電圧より上昇させるように微振動パルスを補正することを特徴とする液体吐出装置の制御方法。
  6. 微振動膨張要素の始端から微振動収縮要素の始端までのパルス幅における最適値としての最適パルス幅と微振動駆動電圧との関係を示す電圧−パルス幅特性に基づき、補正後の微振動駆動電圧に対応する最適パルス幅を微振動パルス幅として設定することを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置の制御方法。
  7. 前記最適パルス幅は、前記微振動パルスの駆動電圧をノズル開口から液体を吐出し得る検査電圧に設定し、当該微振動パルスを圧力発生手段に印加してノズル開口から吐出される液体の量が最も多く得られるパルス幅であることを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置の制御方法。
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