JP6277706B2 - 液体噴射装置、および、液体噴射装置の制御方法 - Google Patents

液体噴射装置、および、液体噴射装置の制御方法 Download PDF

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本発明は、インクジェット式記録装置などの液体噴射装置、および、液体噴射装置の制御方法に関し、特に、駆動信号に含まれる駆動波形を圧力発生手段に印加することにより当該圧力発生手段を駆動させ、ノズルに連通する圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることでノズルから液体を噴射させる液体噴射装置、および、液体噴射装置の制御方法に関するものである。
液体噴射装置は液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射(吐出)する装置である。この液体噴射装置としては、例えば、インクジェット式プリンターやインクジェット式プロッター等の画像記録装置があるが、最近ではごく少量の液体を所定位置に正確に着弾させることができるという特長を活かして各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置に応用されている。そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを噴射し、ディスプレイ製造装置用の色材噴射ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極形成装置用の電極材噴射ヘッドでは液状の電極材料を噴射し、チップ製造装置用の生体有機物噴射ヘッドでは生体有機物の溶液を噴射する。
液体噴射装置に搭載される液体噴射ヘッドは、液体を噴射させるノズルに連通する圧力室内の液体に圧力変動を生じさせてノズルから液体を噴射させる圧力発生手段として、例えば圧電素子、発熱素子、又は静電アクチュエーターなどを備えている。そして、液体噴射装置では、駆動信号発生部によって生成された駆動波形(駆動パルス)を上記の圧力発生手段に印加することで、当該圧力発生手段を駆動して液体を噴射させる。
ところで、上記の液体噴射ヘッドのノズルから連続して液体を噴射させる際、最初に噴射される液体の飛翔速度に対し、後から噴射される液体の飛翔速度が変化する現象が生じる。具体的には、噴射回数が多くなるほど、全体として液体の飛翔速度が高くなる傾向が観られる。その結果、記録媒体等の液体着弾対象に対する液体の着弾位置が本来目標とする位置からずれる等の問題が生じる。このため、液体噴射ヘッドの圧力発生手段を駆動する駆動パルスの電圧を噴射回数に応じて漸減させることで、噴射回数に拘わらず飛翔速度や噴射量(以下、適宜、噴射特性という。)を一定にすることが試みられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−080741号公報
ところが、連続噴射時の飛翔速度の変化は、噴射回数に応じて全体としては増加する傾向にあるものの、部分的には最初の1発目の飛翔速度よりも逆に低下する場合もある。すなわち、実際には、液体の飛翔速度は噴射回数に応じて線型的に変化するものではない。このため、上記構成では飛翔速度を完全には一定に揃えることができないという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、連続噴射回数に拘わらず液体の飛翔速度を一定に揃えることが可能な液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法を提供することにある。
本発明の液体噴射装置は、上記目的を達成するために提案されたものであり、液体を噴射するノズル、当該ノズルに連通する液体流路内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生手段を有し、当該圧力発生手段に駆動波形を印加して駆動させることによってノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドを備え、
第1の駆動波形と、当該第1の駆動波形の場合よりも前記ノズルから噴射される液体の飛翔速度が高まるように設定された第2の駆動波形と、前記第1の駆動波形の場合よりも前記ノズルから噴射される液体の飛翔速度が低下するように設定された第3の駆動波形と、を選択可能に構成され、
前記ノズルから液体を連続して噴射させる場合において、前記第1の駆動波形を用いて最初の1発目の噴射を行い、前記第2の駆動波形を用いて2発目以降n発目までの噴射を行い、前記第3の駆動波形を用いてn+1発目以降の噴射を行うことを特徴とする。
本発明によれば、ノズルから液体を連続して噴射させる場合において、第1の駆動波形を用いて最初の1発目の噴射を行い、第2の駆動波形を用いて2発目以降n発目までの噴射を行い、第3の駆動波形を用いてn+1発目以降の噴射を行うことで、連続して液体を噴射する際の噴射回数に拘わらず、噴射される液体の飛翔速度を、最初の1発目の飛翔速度に近づけることが可能となる。これにより、記録媒体等の液体着弾対象に対する液体の着弾位置ずれ等の不具合を抑制することが可能となる。
上記構成において、前記第1の駆動波形の電圧をV1、前記第2の駆動波形の電圧をV2、および前記第3の駆動波形の電圧をV3としたとき、V3<V1<V2である構成を採用することが可能である。
この構成によれば、液体の飛翔速度の変化に伴って液体の量が変化する場合において、噴射回数に拘わらず、噴射される液体の飛翔速度および液量を、最初の1発目の飛翔速度および液量に近づけることが可能となる。
また、上記構成において、前記第1の駆動波形、前記第2の駆動波形、および前記第3の駆動波形は、前記ノズルから液体を噴射させるべく液体流路内の圧力を高めるように前記圧力発生手段を駆動する波形要素をそれぞれ有し、
前記第1の駆動波形における波形要素の電位変化の変化率をG1、前記第2の駆動波形における波形要素の電位変化の変化率をG2、および前記第3の駆動波形における波形要素の電位変化の変化率をG3としたとき、|G3|<|G1|<|G2|である構成を採用することも可能である。
この構成によれば、液体の飛翔速度が変化しても液体の量は殆ど変化しない場合において、液体の量は一定に維持しつつ、液体の飛翔速度を、噴射回数に拘わらず最初の1発目の飛翔速度に近づけることが可能となる。
また、本発明の液体噴射装置の制御方法は、液体を噴射するノズル、当該ノズルに連通する液体流路内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生手段を有し、当該圧力発生手段に駆動波形を印加して駆動させることによってノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置の制御方法であって、
第1の駆動波形と、当該第1の駆動波形の場合よりも前記ノズルから噴射される液体の飛翔速度が高まるように設定された第2の駆動波形と、前記第1の駆動波形の場合よりも前記ノズルから噴射される液体の飛翔速度が低下するように設定された第3の駆動波形を用いて液体の噴射が可能であり、
前記ノズルから液体を連続して噴射させる場合において、前記第1の駆動波形を用いて最初の1発目の噴射を行い、前記第2の駆動波形を用いて2発目以降n発目までの噴射を行い、前記第3の駆動波形を用いてn+1発目以降の噴射を行うことを特徴とする。
プリンターの電気的な構成を説明するブロック図である。 プリンターの内部構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する要部断面図である。 駆動信号の構成を説明する波形図である。 噴射駆動パルスの構成の違いを説明する波形図である。 連続噴射時の噴射回数とインクの飛翔速度との関係を説明するグラフである。 第2の実施形態における噴射駆動パルスの構成を説明する波形図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
図1は、プリンター1の電気的な構成を説明するブロック図、図2は、プリンター1の内部構成を説明する斜視図である。外部装置2は、例えばコンピューター、デジタルカメラ、携帯電話機、携帯情報端末機などの電子機器である。この外部装置2は、プリンター1と無線又は有線で電気的に接続されており、プリンター1において記録紙等の記録媒体Sに画像やテキストを印刷させるため、その画像等に応じた印刷データをプリンター1に送信する。
本実施形態におけるプリンター1は、紙送り機構3、キャリッジ移動機構4、リニアエンコーダー5、および記録ヘッド6等のプリントエンジン13と、プリンターコントローラー7とを有する。記録ヘッド6は、インクカートリッジ17(液体供給源)を搭載したキャリッジ16の底面側に取り付けられている。そして、当該キャリッジ16は、キャリッジ移動機構4によってガイドロッド18に沿って往復移動可能に構成されている。すなわち、プリンター1は、紙送り機構3によって記録紙等の記録媒体S(着弾対象の一種)を順次搬送すると共に、記録媒体に対して記録ヘッド6を記録媒体Sの幅方向(主走査方向)に相対移動させながら当該記録ヘッド6のノズル34(図3参照)から液体の一種であるインクを噴射させて、記録媒体S上に当該インクを着弾させることにより画像等を記録する。なお、インクカートリッジ17がプリンターの本体側に配置され、当該インクカートリッジ17のインクが供給チューブを通じて記録ヘッド6側に送られる構成を採用することもできる。
プリンターコントローラー7は、プリンターの各部の制御を行う制御ユニットである。本実施形態におけるプリンターコントローラー7は、インターフェース(I/F)部8と、制御部9と、記憶部10と、駆動信号生成部11と、を有する。インターフェース部8は、外部装置2からプリンター1へ印刷データや印刷命令を送ったり、プリンター1の状態情報を外部装置2側に出力したりする際にプリンターの状態データの送受信を行う。制御部9は、プリンター全体の制御を行うための演算処理装置である。記憶部10は、制御部9のプログラムや各種制御に用いられるデータを記憶する素子であり、ROM、RAM、NVRAM(不揮発性記憶素子)を含む。制御部9は、記憶部10に記憶されているプログラムに従って、各ユニットを制御する。また、本実施形態における制御部9は、外部装置2からの印刷データに基づき、記録動作時に記録ヘッド6のどのノズル34からどのタイミングでインクを噴射させるかを示す噴射データを生成し、当該噴射データを記録ヘッド6のヘッド制御部15に送信する。駆動信号生成部11(駆動波形生成手段)は、駆動信号の波形に関する波形データに基づいて、アナログの信号を生成し、当該信号を増幅して図4に示す駆動信号COMを生成する。
次に、プリントエンジン13について説明する。このプリントエンジン13は、図1に示すように、紙送り機構3、キャリッジ移動機構4、リニアエンコーダー5、及び、記録ヘッド6等を備えている。キャリッジ移動機構4は、液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド6が取り付けられたキャリッジ16と、このキャリッジ16を、タイミングベルト等を介して走行させる駆動モーター(例えば、DCモーター)等からなり(図示せず)、キャリッジ16に搭載された記録ヘッド6を主走査方向に移動させる。紙送り機構3は、紙送りモーター及び紙送りローラー等からなり、記録媒体Sをプラテン上に順次送り出して副走査を行う。また、リニアエンコーダー5は、キャリッジ16に搭載された記録ヘッド6の走査位置に応じたエンコーダーパルスを、主走査方向における位置情報としてプリンターコントローラー7に出力する。プリンターコントローラー7の制御部9は、リニアエンコーダー5側から受信したエンコーダーパルスに基づいて記録ヘッド6の走査位置(現在位置)を把握することができる。また、制御部9は、当該エンコーダーパルスに基づいて、後述する駆動信号COMの発生タイミングを規定するタイミング信号(ラッチ信号LAT)を発生させる。
図3は、記録ヘッド6の内部構成を説明する要部断面図である。
本実施形態における記録ヘッド6は、ケース20と、このケース20内に収納される振動子ユニット21と、ケース20の底面(先端面)に接合される流路ユニット22等を備えて構成されている。上記のケース20は、例えば、エポキシ系樹脂により作製され、その内部には振動子ユニット21を収納するための収納空部23が形成されている。振動子ユニット21は、圧力発生手段の一種として機能する圧電素子24と、この圧電素子24が接合される固定板25と、圧電素子24に駆動信号等を供給するためのフレキシブルケーブル26とを備えている。圧電素子24は、圧電体層と電極層とを交互に積層した圧電板を櫛歯状に切り分けることで作製された積層型であって、積層方向に直交する方向に伸縮可能な所謂縦振動モードの圧電振動子である。
流路ユニット22は、流路形成基板27の一方の面にノズルプレート28を、流路形成基板27の他方の面に振動板29をそれぞれ接合して構成されている。この流路ユニット22には、リザーバー30(共通液室)と、インク供給口31と、圧力室32と、ノズル連通口33と、ノズル34とが設けられている。そして、インク供給口31から圧力室32及びノズル連通口33を経てノズル34に至る一連のインク流路(本発明における液体流路に相当)が、ノズル34毎に対応してそれぞれ形成されている。ノズルプレート28は、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル34が列状に穿設されたステンレス等の金属あるいはシリコン単結晶基板からなる薄いプレートである。このノズルプレート28には、ノズル34の列(ノズル列)が複数設けられており、1つのノズル列は、例えば180個のノズル34によって構成される。
上記振動板29は、支持板36の表面に弾性体膜37を積層した二重構造である。本実施形態では、金属板の一種であるステンレス板が支持板36とされ、この支持板36の表面に樹脂フィルムが弾性体膜37としてラミネートされた複合板材により振動板29が構成されている。この振動板29には、圧力室32の容積を変化させるダイヤフラム部38が設けられている。また、この振動板29には、リザーバー30の一部を封止するコンプライアンス部39が設けられている。
上記のダイヤフラム部38は、エッチング加工等によって支持板36を部分的に除去することで作製される。即ち、このダイヤフラム部38は、圧電素子24の先端面が接合される島部40と、この島部40を囲む薄肉弾性部とからなる。上記のコンプライアンス部39は、リザーバー30の開口面に対向する領域の支持板36を、ダイヤフラム部38と同様にエッチング加工等によって除去することにより作製され、リザーバー30に貯留された液体の圧力変動を吸収するダンパーとして機能する。
そして、上記の島部40には圧電素子24の先端面が接合されているので、この圧電素子24を伸縮させることで圧力室32の容積を変動させることができる。この容積変動に伴って圧力室32内のインクに圧力変動が生じる。そして、記録ヘッド6は、この圧力変動を利用してノズル34からインク滴を噴射させる。
図4は、駆動信号生成部11が発生する駆動信号COMの構成の一例を説明する波形図である。駆動信号COMは、記録ヘッド6の走査に応じて生成されるラッチ信号LATにより規定される単位周期Tごとに駆動信号生成部11から繰り返し生成される。単位周期Tは、例えば、記録媒体Sに印刷する画像等の1画素分に対応する距離だけノズル34が移動する間の期間に対応する。本実施形態において、この単位周期Tは、ラッチ信号LATに基づいて生成されるチェンジ信号CHによって、第1の期間T1,第2の期間T2、第3の期間T3、および第4の期間T4の合計4つの期間に分けられている。そして、第1の期間T1では振動駆動パルスVPが、第2の期間T2では第1の噴射駆動パルスDP1が、第3の期間T3では第2の噴射駆動パルスDP2が、第4の期間T4では第3の噴射駆動パルスDP3が、それぞれ発生される。そして、印刷処理中において記録ヘッド6が記録媒体S上の記録領域に対応する区間で移動しているとき、各圧力室32に設けられている圧電素子24には、駆動信号COMの駆動パルスのうち少なくとも何れか1つが選択的に印加される。具体的には、記録ヘッド6が上記の記録領域に対応する区間で移動している際に、所定の周期でインクが噴射されるノズル34に対応する圧電素子24には、噴射駆動パルスDP1〜DP3の何れが選択されて印加される(この選択制御については後述する。)。一方、記録領域に対応する区間における所定の周期でインクが噴射されないノズル34に対応する圧電素子24には、振動駆動パルスVPが印加され、ノズル34からインクが噴射されない程度に圧力室32およびノズル34におけるインクが振動(微振動)される。なお、振動駆動パルスVPおよび噴射駆動パルスDP1〜DP3の形状は例示したものには限られず、ノズル34から噴射するインクの量等に応じて種々の波形のものが採用される。
図5は、噴射駆動パルスDP1〜DP3の構成を説明する波形図であり、波形の違いを分かりやすくするため、これらの駆動パルスを重ねて図示している。噴射駆動パルスDP1〜DP3は、いずれもノズル34からインクを噴射させるための駆動パルス(本発明における駆動波形に相当)である。本実施形態において、これらの噴射駆動パルスDP1〜DP3は、互いに電圧(最低電位から最高電位までの電位差)が異なるように設定されている。具体的には、第1の噴射駆動パルスDP1の電圧V1に比べて、第2の噴射駆動パルスDP2の電圧V2は大きく設定されている。また、第1の噴射駆動パルスDP1の電圧V1に比べて、第3の噴射駆動パルスDP3の電圧V3は大きく設定されている。すなわち、これらの噴射駆動パルスDP1〜DP3の電圧は、V3<V1<V2の関係となっている。噴射駆動パルスの電圧が高いほど、ノズル34から噴射されるインクの飛翔速度Vmやインク重量Iwは増加し、噴射駆動パルスの電圧が低いほど、ノズル34から噴射されるインクの飛翔速度Vmやインク重量Iwは低下する。したがって、第2の噴射駆動パルスDP2は、第1の噴射駆動パルスDP1の場合よりもノズル34から噴射されるインクの飛翔速度が高まるように設定された駆動波形であり、第3の噴射駆動パルスDP3は、第1の噴射駆動パルスDP1の場合よりもノズル34から噴射されるインクの飛翔速度が低下するように設定された駆動波形である。
ここで、図6は、同一の噴射駆動パルスを用いて同一のノズル34から複数回連続してインクを噴射させる場合における噴射回数(横軸)と、当該ノズル34から噴射されるインクの飛翔速度Vm(縦軸)との関係を示すグラフである。同図に示すように、噴射が連続するうちの1発目(あるいは噴射が単発である場合)に噴射されたインクの飛翔速度Vm1に対し、続く2発目からn発目までは、インクの飛翔速度が低下する。これに対し、n+1発目以降においては、インクの飛翔速度が飛翔速度Vm1よりも増加する。なお、上記nについては、記録ヘッド6の流路の特性(流路抵抗やイナータンス等)、インクの組成、環境条件(温度・湿度)に応じて異なる。n=2となる場合もある。つまり、2発目のインクの飛翔速度のみが飛翔速度Vm1より低下する場合もある。
このような現象は以下の理由から生じるものと考えられる。すなわち、記録ヘッド6内のインク供給口31から圧力室32を通ってノズル34に至るまでの個別流路内のインクが概ね静止した状態から1発目のインクを噴射した際に、この噴射されたインクの分だけ、圧力室32内のインクの体積が減少する。ところが、静止状態にあったインクの粘性抵抗によりインク供給口31から圧力室32へのインクの供給が追い付かず、これにより圧力室32の内圧が低下し、ノズル34におけるメニスカスが、1発目のときよりも圧力室32側に引き込まれた状態となる。メニスカスが通常よりも圧力室32側に引き込まれた状態では、圧力変動に応じたメニスカスの挙動が変わってしまい、通常よりもインクが噴射し難くなる。そして、インクを連続して噴射する場合には、このメニスカスが引き込まれた状態で2発目以降が噴射されるため、n発目まではノズル34から噴射されるインクの飛翔速度が1発目の飛翔速度Vm1と比べて低下してしまう。一方、インクの噴射を連続させるにつれて個別流路内のインクが流動し始めると、インク供給口から圧力室32へのインクの供給量が増加していき、ノズル34におけるメニスカスの全体的な位置も1発目のときよりも噴射側となる。その結果、n+1発目以降では、ノズル34から噴射されるインクの飛翔速度が1発目の飛翔速度Vm1と比べて増加する。
そこで、本発明に係るプリンター1では、同一のノズル34からインクを連続して噴射させる場合において、噴射回数に応じて上記の噴射駆動パルスDP1〜DP3の何れかを選択して圧電素子24に印加する制御を行うことで、連続して噴射したときのインクの飛翔速度が一定(飛翔速度がVm1)に揃うように構成されている。具体的には、最初の1発目の噴射を行うときは、駆動信号COMの中から第1の噴射駆動パルスDP1が選択されて当該ノズル34に対応する圧電素子24に印加される。これにより、ノズル34から噴射されるインクの飛翔速度はVm1となる。また、2発目以降n発目までの噴射を行うときは、駆動信号COMの中から第2の噴射駆動パルスDP2が選択されて圧電素子24に印加される。第2の噴射駆動パルスDP2は、第1の噴射駆動パルスDP1の場合と比較して噴射されるインクの飛翔速度が高まるように設定されているので、一発目と同一の噴射駆動パルスを用いる場合と比較して2発目以降n発目までの飛翔速度が上昇する。これにより、図6の上向き矢印で示すように、2発目以降n発目までの飛翔速度を1発目の飛翔速度Vm1に近づけることができる。同様に、n+1発目以降の噴射を行うときは、駆動信号COMの中から第3の噴射駆動パルスDP3が選択されて圧電素子24に印加される。第3の噴射駆動パルスDP3は、第1の噴射駆動パルスDP1の場合と比較して噴射されるインクの飛翔速度が低下するように設定されているので、一発目と同一の噴射駆動パルスを用いる場合と比較してn+1発目以降の飛翔速度が低下する。これにより、図6の下向き矢印で示すように、n+1発目以降の飛翔速度を1発目の飛翔速度Vm1に近づけることができる。なお、所定の単位周期Tでインクが噴射された後、インクが噴射されない周期(休止期間)が所定期間以上続いた場合において、次にインクが噴射されるときには、第1の噴射駆動パルスDP1が選択される。例えば、インク流路内のインクの流れや振動が概ね収まるまでの時間を閾値として、当該閾値を超えた場合において、次の最初の1発目の噴射時に第1の噴射駆動パルスDP1が選択される。
このように、本発明に係るプリンター1では、連続してインクを噴射する際の噴射回数に拘わらず、噴射されるインクの飛翔速度や量(重量・体積)等の噴射特性が一定に揃い、これにより、記録媒体Sに対するインクの着弾位置ずれやドットの大きさのばらつきを抑制することが可能となる。また、本実施形態においては、噴射駆動パルスDP1〜DP3の電圧V1〜V3を異ならせることで飛翔速度を揃えるようにしているので、インクの飛翔速度の変化に伴ってインクの液量が変化する場合においても、噴射回数に拘わらず、噴射されるインクの液量も最初の1発目の液量に近づけることが可能となる。
なお、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
図7は、本発明の第2の実施形態における噴射駆動パルスDP1〜DP3の構成を説明する波形図である。上記第1の実施形態では、噴射駆動パルスDP1〜DP3の電圧V1〜V3を異ならせる構成を例示したが、本実施形態においては、噴射駆動パルスDP1〜DP3の電圧を一定(V)に揃える一方、ノズル34からインクを噴射させるべく圧力室32を収縮させるように圧電素子24を駆動する波形要素pの傾き(V/Δt)を各噴射駆動パルスで異ならせている点で上記第1の実施形態と異なっている。波形要素の傾きは、すなわち電位の変化率であり、この変化率が大きいほど急峻になる。そして、第1の噴射駆動パルスDP1の波形要素pの傾きをG1、第2の噴射駆動パルスDP2の波形要素pの傾きをG2、第3の噴射駆動パルスDP3の波形要素pの傾きをG3としたとき、|G3|<|G1|<|G2|となるように設定している。波形要素pの傾きが急峻であるほど、ノズル34から噴射されるインクの飛翔速度Vmは増加し、波形要素pの傾きが緩やかであるほど、ノズル34から噴射されるインクの飛翔速度Vmは低下する。したがって、上記第1の実施形態と同様に、第2の噴射駆動パルスDP2は、第1の噴射駆動パルスDP1の場合よりもノズル34から噴射されるインクの飛翔速度が高まるように設定された駆動波形であり、第3の噴射駆動パルスDP3は、第1の噴射駆動パルスDP1の場合よりもノズル34から噴射されるインクの飛翔速度が低下するように設定された駆動波形である。本実施形態においても同一のノズル34からインクを連続して噴射させる場合に、噴射回数に応じて上記の噴射駆動パルスDP1〜DP3の何れかを選択して圧電素子24に印加する制御を行うことで、連続して噴射したときのインクの飛翔速度を一定(飛翔速度Vm1)に揃えることが可能となる。また、電圧を一定にした状態で波形要素pの傾きを変えることで、ノズル34から噴射されるインクの液量を一定に維持しつつ、飛翔速度を変化させることができる。このため、インクの飛翔速度が変化してもインクの液量は殆ど変化しない場合において、液量は一定に維持しつつ、飛翔速度を1発目の飛翔速度に近づけることが可能となる。
なお、上記実施形態では、圧力発生手段として、所謂縦振動型の圧電素子24を例示したが、これには限られず、例えば、所謂撓み振動型の圧電素子を採用することも可能である。この場合、上記実施形態で例示した駆動パルスDPに関し、電位の変化方向、つまり上下が反転した波形となる。
また、圧力発生手段としては圧電素子には限らず、圧力室内に気泡を発生させる発熱素子や静電気力を利用して圧力室の容積を変動させる静電アクチュエーター等の各種圧力発生手段を用いる場合にも本発明を適用することができる。
そして、本発明は、駆動パルスを圧力発生手段に印加して駆動することにより液体流路内の液体を噴射する液体噴射装置であれば、プリンターに限らず、プロッター、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置、あるいは、着弾対象の一種である布帛(被捺染材)に対して液体噴射ヘッドからインクを着弾させて捺染を行う捺染装置にも適用することができる。
1…プリンター,6…記録ヘッド,9…制御部,11…駆動信号生成部,24…圧電素子,31…インク供給口,32…圧力室,34…ノズル

Claims (4)

  1. 液体を噴射するノズル、当該ノズルに連通する液体流路内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生手段を有し、当該圧力発生手段に駆動波形を印加して駆動させることによってノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドを備え、
    第1の駆動波形と、当該第1の駆動波形の場合よりも前記ノズルから噴射される液体の飛翔速度が高まるように設定された第2の駆動波形と、前記第1の駆動波形の場合よりも前記ノズルから噴射される液体の飛翔速度が低下するように設定された第3の駆動波形と、を選択可能に構成され、
    前記ノズルから液体を連続して噴射させる場合において、前記第1の駆動波形を用いて最初の1発目の噴射を行い、前記第2の駆動波形を用いて2発目以降n発目までの噴射を行い、前記第3の駆動波形を用いてn+1発目以降の噴射を行うことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記第1の駆動波形の電圧をV1、前記第2の駆動波形の電圧をV2、および前記第3の駆動波形の電圧をV3としたとき、V3<V1<V2であることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記第1の駆動波形、前記第2の駆動波形、および前記第3の駆動波形は、前記ノズルから液体を噴射させるべく液体流路内の圧力を高めるように前記圧力発生手段を駆動する波形要素をそれぞれ有し、
    前記第1の駆動波形における波形要素の電位変化の変化率をG1、前記第2の駆動波形における波形要素の電位変化の変化率をG2、および前記第3の駆動波形における波形要素の電位変化の変化率をG3としたとき、|G3|<|G1|<|G2|であることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  4. 液体を噴射するノズル、当該ノズルに連通する液体流路内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生手段を有し、当該圧力発生手段に駆動波形を印加して駆動させることによってノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置の制御方法であって、
    第1の駆動波形と、当該第1の駆動波形の場合よりも前記ノズルから噴射される液体の飛翔速度が高まるように設定された第2の駆動波形と、前記第1の駆動波形の場合よりも前記ノズルから噴射される液体の飛翔速度が低下するように設定された第3の駆動波形を用いて液体の噴射が可能であり、
    前記ノズルから液体を連続して噴射させる場合において、前記第1の駆動波形を用いて最初の1発目の噴射を行い、前記第2の駆動波形を用いて2発目以降n発目までの噴射を行い、前記第3の駆動波形を用いてn+1発目以降の噴射を行うことを特徴とする液体噴射装置の制御方法。
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